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中小企業診断士 1次試験「財務・会計」の一問一答

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📖 中小企業診断士 1次試験「財務・会計」の全92問と解説(一覧)

中小企業診断士 1次試験の財務・会計に関する一問一答(全92問)の正解と解説の一覧です。上の一問一答で実際に解いてから、ここで復習・確認できます。

  1. 問1.貸借対照表(B/S)は企業のある時点の財政状態を示す財務諸表である。

    正解:○(正しい)

    解説:決算日という「ある一時点」で資産・負債・純資産がどうなっているかを示す。左側の資産=右側の負債+純資産が必ず成り立ち、右側は資金をどう調達したか、左側はそれを何に投じているかを表す。時点の残高を示すストック情報である点で、期間の成績を示すP/Lと対をなす。

  2. 問2.損益計算書(P/L)は企業の一定期間の経営成績を示す財務諸表である。

    正解:○(正しい)

    解説:1年などの「一定期間」にどれだけ稼いだかを示す。売上総利益→営業利益→経常利益→税引前当期純利益→当期純利益と段階的に示すことで、本業で稼いだのか、財務活動によるのか、臨時の損益によるのかを区別できる。期間の流れを表すフロー情報。

  3. 問3.キャッシュフロー計算書は営業活動・投資活動・財務活動の3区分でキャッシュの流れを示す。

    正解:○(正しい)

    解説:利益が出ていても現金が尽きれば倒産する(黒字倒産)ため、現金の増減を営業活動・投資活動・財務活動の3区分で示す。本業でどれだけ現金を稼いだかを示す営業CFがプラスであることが健全性の基本で、投資CFのマイナスは成長投資、財務CFは資金調達・返済の動きを表す。

  4. 問4.売上総利益(粗利益)は売上高から売上原価を差し引いた金額である。

    正解:○(正しい)

    解説:売上高−売上原価で、粗利益とも呼ばれるP/L最初の利益。商品やサービスそのものが生む付加価値の大きさを表し、売上高に対する比率(売上総利益率)は価格競争力や商品力の指標になる。ここから販管費を差し引くと営業利益になる。

  5. 問5.営業利益は売上総利益から販管費(販売費及び一般管理費)を差し引いた金額である。

    正解:○(正しい)

    解説:営業利益=売上総利益−販管費(販売費及び一般管理費)。本業の収益力を示す重要指標。

  6. 問6.経常利益は営業利益に営業外損益(受取利息・支払利息等)を加減した金額である。

    正解:○(正しい)

    解説:経常利益=営業利益+営業外損益(受取利息・支払利息等)。事業活動全体の総合的な収益力を示す。

  7. 問7.当期純利益は経常利益から特別損益・税金等を加減した最終利益である。

    正解:○(正しい)

    解説:経常利益に、固定資産売却損益や災害損失といった臨時の特別損益を加減し、法人税等を差し引いた最終的な利益。P/Lの最下行に来るのでボトムラインと呼ばれ、株主に帰属する利益として配当の原資やROEの分子になる。

  8. 問8.流動比率は流動資産÷流動負債で短期支払能力を示す指標である。

    正解:○(正しい)

    解説:1年以内に現金化できる流動資産が、1年以内に支払う流動負債をどれだけ上回るかを示す指標。100%を割ると短期の支払いに不安があり、一般に200%以上あれば安全とされる。ただし棚卸資産が多いと数値ほど余裕がないため、それを除いた当座比率も併せて見る。

  9. 問9.自己資本比率は純資産÷総資産で財務安定性を示す指標である。

    正解:○(正しい)

    解説:総資産のうち返済不要の自己資本(純資産)が占める割合で、高いほど借入依存度が低く不況に耐えやすい。一般に40%以上が望ましいとされる。ただし高すぎると財務レバレッジが効かずROEが低くなるため、安全性と収益性のバランスが問われる。

  10. 問10.ROE(自己資本利益率)は当期純利益÷自己資本で株主への収益性を示す。

    正解:○(正しい)

    解説:当期純利益÷自己資本。株主が出した資金でどれだけ利益を生んだかを示すため株主が最も重視する収益性指標で、10%以上が一つの目安。売上高純利益率×総資産回転率×財務レバレッジに分解でき(デュポン分解)、どの要素で稼いでいるかを分析できる。

  11. 問11.ROA(総資産利益率)は当期純利益÷総資産で資産活用効率を示す。

    正解:○(正しい)

    解説:当期純利益÷総資産。調達方法を問わず、投じた資産全体でどれだけ利益を上げたかを示す。分母が自己資本のROEと違い借入の影響を受けにくいため、事業そのものの収益力を比べるのに向く。売上高利益率×総資産回転率に分解できる。

  12. 問12.損益分岐点は売上高と費用が等しくなる売上水準で、これを超えると利益が発生する。

    正解:○(正しい)

    解説:売上高=費用となり利益がゼロになる売上水準。ここを超えれば利益、下回れば損失が出る。固定費÷(1−変動費率)で求められ、固定費が大きいほど、また変動費率が高いほど損益分岐点は高くなる。実際の売上との差(安全余裕率)が景気変動への耐性を示す。

  13. 問13.NPV(正味現在価値)法は将来キャッシュフローを現在価値に割り引いて投資判断する手法である。

    正解:○(正しい)

    解説:投資が生む将来キャッシュフローを資本コストで現在価値に割り引き、初期投資額を差し引いた金額。プラスなら投資額を上回る価値を生むので実行に値する。金額で表れるため複数案の比較や合算がしやすい一方、割引率の設定次第で結論が変わる点に注意が必要。

  14. 問14.IRR(内部収益率)法はNPVがゼロになる割引率で投資判断する手法である。

    正解:○(正しい)

    解説:NPVがちょうどゼロになる割引率で、その投資自体の利回りを表す。資本コスト(WACC)を上回れば投資価値があると判断する。率で示されるので直感的だが、キャッシュフローの符号が複数回変わると解が複数生じるなどの弱点があり、NPVと併用するのが基本。

  15. 問15.WACC(加重平均資本コスト)は負債コストと自己資本コストの加重平均である。

    正解:○(正しい)

    解説:Weighted Average Cost of Capital。投資判断の割引率として使用。

  16. 問16.連結財務諸表は親会社と子会社等のグループ全体の財務諸表である。

    正解:○(正しい)

    解説:支配従属関係にある企業集団を一つの組織とみなして作成する財務諸表。子会社を使った取引で業績を操作されるのを防ぐため、グループ内部の取引や債権債務は相殺消去される。連結B/S・P/L・キャッシュ・フロー計算書・株主資本等変動計算書から構成される。

  17. 問17.減価償却は固定資産の取得原価を耐用年数にわたって費用配分する手続きである。

    正解:○(正しい)

    解説:固定資産は長期にわたって収益に貢献するため、取得時に全額を費用とせず耐用年数にわたって配分する。費用と収益を対応させる考え方に基づく手続で、定額法・定率法などがある。現金支出を伴わない費用なので、キャッシュフロー計算書の間接法では利益に足し戻される。

  18. 問18.貸借対照表は一定期間の経営成績を示す。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。貸借対照表は決算日という一時点の財政状態(ストック)を示す。一定期間の経営成績(フロー)を示すのは損益計算書のほうである。

  19. 問19.損益計算書はストック情報である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。損益計算書は一定期間の経営成績を示すフロー情報。ある時点の残高を示すストック情報は貸借対照表である。

  20. 問20.営業利益は売上高から売上原価のみを引いた金額である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。売上高から売上原価のみを引いたものは売上総利益(粗利益)。営業利益は、そこからさらに販売費及び一般管理費を差し引いた、本業で稼いだ利益を指す。

  21. 問21.流動比率は固定資産÷固定負債で計算する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。流動比率=流動資産÷流動負債で、1年以内に現金化できる資産と1年以内に支払う負債を比べる短期支払能力の指標。固定資産・固定負債を用いるのは固定長期適合率などの別の指標である。

  22. 問22.自己資本比率は負債÷総資産で計算する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。自己資本比率は『純資産÷総資産』。負債÷総資産は他人資本比率(負債比率)。

  23. 問23.ROEはROAと同じ計算式である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。分子はどちらも当期純利益だが、分母がROEは自己資本、ROAは総資産で異なる。借入を増やすと総資産が増えてROAは下がる一方、自己資本は変わらないためROEは上がりうる。この差が財務レバレッジの効果を表している。

  24. 問24.損益分岐点を下回ると利益が発生する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。損益分岐点は利益がゼロになる売上水準なので、上回れば利益、下回れば損失が生じる。固定費÷(1−変動費率)で求められる。

  25. 問25.NPVが負の値の投資は実行すべきである。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。NPVがマイナスということは、将来キャッシュフローの現在価値が投資額に届かない=資本コストに見合わないということなので、実行すべきでない。プラスの案件を選ぶのが原則である。

  26. 問26.IRRはWACCより低い投資が望ましい。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。IRRはその投資自体の利回りなので、資金の調達コストであるWACCを上回って初めて価値を生む。したがってIRR>WACCが投資実行の判断基準になる。

  27. 問27.減価償却は流動資産にも適用される。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。減価償却は『固定資産(建物・機械等)』のみ対象。流動資産(在庫・現金等)には適用なし。

  28. 問28.連結財務諸表は親会社の単独財務諸表である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。連結財務諸表は親会社と子会社等を含む企業集団全体を一つの組織とみなして作成する。親会社だけのものは個別(単体)財務諸表と呼ばれ、両者は別物である。

  29. 問29.経常利益は当期純利益より小さい。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。通常は経常利益>当期純利益(経常利益から特別損益・税金を引いて当期純利益)。

  30. 問30.キャッシュフロー計算書の営業CFがマイナスの企業は健全である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。営業CFは本業でどれだけ現金を稼いだかを示すので、マイナスは本業で現金を生めていないサイン。利益が出ていても営業CFがマイナスであれば売掛金や在庫が膨らんでいる可能性があり、黒字倒産の危険をはらむ。

  31. 問31.損益分岐点売上高は変動費÷(1-固定費率)で計算する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。損益分岐点売上高は『固定費÷(1-変動費率)』。固定費と変動費の位置が逆。

  32. 問32.WACCは負債コストのみで計算される。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。WACC(加重平均資本コスト)は、負債コストと自己資本コストをそれぞれの調達額の構成比で加重平均したもの。負債の利子は損金算入により節税効果があるため、負債コストは税引後で計算する点も押さえておく。

  33. 問33.ROEが低いほど株主への収益性が高い。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。ROEは株主が出した資金でどれだけ利益を生んだかを示すので、高いほど株主への収益性が高い。10%以上が一つの目安とされる。

  34. 問34.貸借対照表(B/S)の説明として正しいのはどれか。

    • ア.ある時点の財政状態
    • イ.一定期間の経営成績
    • ウ.現金の流れ
    • エ.純資産の変動

    正解:ア.ある時点の財政状態

    解説:貸借対照表は決算日という一時点の財政状態を示し、資産=負債+純資産が必ず成り立つ。一定期間の経営成績を示すのは損益計算書、現金の流れを示すのはキャッシュ・フロー計算書、純資産の変動を示すのは株主資本等変動計算書で、それぞれ役割が異なる。

  35. 問35.損益計算書(P/L)の利益区分として誤った順序はどれか。

    • ア.売上総利益→営業利益→経常利益→当期純利益
    • イ.当期純利益→経常利益→営業利益→売上総利益
    • ウ.営業利益→経常利益
    • エ.売上総利益→営業利益

    正解:イ.当期純利益→経常利益→営業利益→売上総利益

    解説:損益計算書は、売上総利益(売上高−売上原価)→営業利益(−販管費)→経常利益(±営業外損益)→税引前当期純利益(±特別損益)→当期純利益(−法人税等)の順に段階的に利益を示す。当期純利益から遡っていく順序は誤り。

  36. 問36.営業利益の計算式として正しいのはどれか。

    • ア.売上高-売上原価
    • イ.経常利益+営業外損益
    • ウ.売上総利益-販管費
    • エ.当期純利益+税金

    正解:ウ.売上総利益-販管費

    解説:営業利益=売上総利益−販売費及び一般管理費。売上高−売上原価は売上総利益であり、営業外損益を加減すると経常利益になる。本業でどれだけ稼いだかを示す利益なので、経営分析では最重視されることが多い。

  37. 問37.流動比率の計算式として正しいのはどれか。

    • ア.純利益÷総資産
    • イ.純資産÷総資産
    • ウ.純利益÷自己資本
    • エ.流動資産÷流動負債

    正解:エ.流動資産÷流動負債

    解説:流動比率=流動資産÷流動負債。1年以内に現金化できる資産が1年以内に支払うべき負債をどれだけ上回るかを見る短期支払能力の指標で、一般に200%以上が望ましいとされる。純利益や純資産を用いる他の選択肢は収益性・安全性の別指標である。

  38. 問38.自己資本比率の計算式として正しいのはどれか。

    • ア.純資産÷総資産
    • イ.負債÷総資産
    • ウ.純利益÷総資産
    • エ.純利益÷自己資本

    正解:ア.純資産÷総資産

    解説:自己資本比率=純資産÷総資産。返済不要の資金がどれだけ厚いかを示す財務安定性の指標で、一般に40%以上が望ましいとされる。純利益を分子に置くのは収益性指標(ROA・ROE)であって、安全性の指標ではない。

  39. 問39.ROEの計算式として正しいのはどれか。

    • ア.純利益÷総資産
    • イ.純利益÷自己資本
    • ウ.純利益÷売上高
    • エ.売上高÷総資産

    正解:イ.純利益÷自己資本

    解説:ROE=当期純利益÷自己資本。株主が出した資金に対する収益性を示すため投資家が最も重視する指標の一つで、10%以上が目安。分母を総資産にするとROA、売上高にすると売上高純利益率になり、意味する内容が変わる。

  40. 問40.ROAの計算式として正しいのはどれか。

    • ア.売上高÷総資産
    • イ.純利益÷自己資本
    • ウ.純利益÷総資産
    • エ.純利益÷売上高

    正解:ウ.純利益÷総資産

    解説:ROA=当期純利益÷総資産。調達方法を問わず、投じた資産全体でどれだけ利益を上げたかを示す。分母が自己資本のROEと違い借入の影響を受けにくいため、事業そのものの収益力の比較に向いている。

  41. 問41.損益分岐点売上高の計算式として正しいのはどれか。

    • ア.変動費÷固定費
    • イ.売上高-費用
    • ウ.固定費+変動費
    • エ.固定費÷(1-変動費率)

    正解:エ.固定費÷(1-変動費率)

    解説:売上高=固定費+変動費となる点なので、変動費率をrとすると S=固定費+rS より S=固定費÷(1−r)となる。1−rは限界利益率にあたり、売上1円あたりどれだけ固定費の回収に回せるかを示す。固定費が大きいほど、限界利益率が低いほど損益分岐点は高くなる。

  42. 問42.NPV法による投資判断基準として正しいのはどれか。

    • ア.NPV>0で実行
    • イ.NPV<0で実行
    • ウ.NPV=0で実行
    • エ.NPVは不要

    正解:ア.NPV>0で実行

    解説:NPVは将来キャッシュフローの現在価値から投資額を差し引いた金額なので、プラスであれば資本コストを上回る価値を生むことを意味し実行に値する。マイナスなら投資額を回収できず、ゼロなら価値を生まないため実行の根拠にはならない。

  43. 問43.IRR法による投資判断基準として正しいのはどれか。

    • ア.IRR<WACCで実行
    • イ.IRR>WACC(加重平均資本コスト)で実行
    • ウ.IRR=0で実行
    • エ.IRRは無関係

    正解:イ.IRR>WACC(加重平均資本コスト)で実行

    解説:IRRはNPVがゼロになる割引率、すなわちその投資自体の利回りを表す。資金の調達コストであるWACCを上回れば差額分の価値を生むので実行する。下回れば調達コストすら賄えないため実行しない。

  44. 問44.WACCの構成要素として正しいのはどれか。

    • ア.負債コストのみ
    • イ.自己資本コストのみ
    • ウ.負債コストと自己資本コストの加重平均
    • エ.税金のみ

    正解:ウ.負債コストと自己資本コストの加重平均

    解説:WACC=Weighted Average Cost of Capital。負債コストと自己資本コストの加重平均。

  45. 問45.連結財務諸表の対象範囲として正しいのはどれか。

    • ア.親会社のみ
    • イ.全業界の企業
    • ウ.子会社のみ
    • エ.親会社+子会社等のグループ全体

    正解:エ.親会社+子会社等のグループ全体

    解説:連結財務諸表は、親会社と支配従属関係にある子会社等を含む企業集団全体を対象とする。持分法適用の関連会社も投資の評価を通じて反映される。親会社だけ、あるいは子会社だけを対象とするものではなく、業界全体を対象とするものでもない。

  46. 問46.減価償却の対象資産として正しいのはどれか。

    • ア.固定資産(建物・機械等)
    • イ.流動資産
    • ウ.現金
    • エ.在庫

    正解:ア.固定資産(建物・機械等)

    解説:減価償却は、長期にわたり使用され価値が減っていく固定資産(建物・機械・車両など)の取得原価を耐用年数にわたって配分する手続。現金や在庫などの流動資産は対象外で、土地のように時の経過で価値が減らないとされる固定資産も償却しない。

  47. 問47.キャッシュフロー計算書の3区分として正しいのはどれか。

    • ア.売上・費用・利益
    • イ.営業・投資・財務
    • ウ.資産・負債・純資産
    • エ.収益・費用・損失

    正解:イ.営業・投資・財務

    解説:キャッシュ・フロー計算書は営業活動によるCF・投資活動によるCF・財務活動によるCFの3区分で構成される。本業で稼ぐ営業CFがプラスであることが健全性の基本で、投資CFのマイナスは成長投資、財務CFは資金調達と返済の動きを示す。

  48. 問48.会社法は2005年成立・2006年施行で、会社の組織・運営を定める法律である。

    正解:○(正しい)

    解説:それまで商法第2編・有限会社法などに分かれていた規律を統合し、2005年成立・2006年施行。会社の種類は株式会社・合名会社・合資会社・合同会社の4つとされ、有限会社は新設できなくなった。最低資本金制度の廃止や機関設計の柔軟化など、設立・運営のハードルを下げる内容が盛り込まれている。

  49. 問49.株式会社の最低資本金は1円から設立可能である(2005年改正後)。

    正解:○(正しい)

    解説:2005年成立の会社法で最低資本金制度が廃止され、資本金1円でも株式会社を設立できるようになった。旧商法では株式会社1000万円・有限会社300万円が必要だったが、資本の額で債権者を守る発想から、開業を促したうえで情報開示と剰余金の分配規制によって守る発想へ転換した。

  50. 問50.大会社の定義は資本金5億円以上または負債200億円以上の株式会社である。

    正解:○(正しい)

    解説:会社法2条6号。最終事業年度の貸借対照表上、資本金5億円以上または負債総額200億円以上のいずれかに該当すれば大会社となる。社会的な影響が大きいため会計監査人の設置義務など重い規制が課される。どちらか一方を満たせば該当する点に注意。

    根拠:会社法 第2条 (出典: e-Gov法令検索)

  51. 問51.NPV法では、計算に用いる割引率は通常WACC(加重平均資本コスト)または当該プロジェクトのハードルレートを使用する。

    正解:○(正しい)

    解説:プロジェクトのリスクに見合う資本コストで割引。NPV>0なら採択。割引率はリスク調整が必要。

  52. 問52.CAPMでは、株式の期待リターンは無リスク金利+β×(市場リターン−無リスク金利)で計算される。

    正解:○(正しい)

    解説:資本資産価格モデル。市場リスクプレミアムにβを掛けた個別リスクプレミアムを加算。

  53. 問53.ポートフォリオのリスク(標準偏差)は、個別資産のリスクの加重平均より小さくなる場合があり、これは相関係数が1未満であることに起因する。

    正解:○(正しい)

    解説:分散投資効果。相関-1で理論上リスクゼロ可能、相関1ならリスク低減なし。マーコビッツの理論。

  54. 問54.MM理論(モディリアーニ=ミラー命題)では、税金等のない完全市場で企業価値は資本構成(負債比率)に影響されない。

    正解:○(正しい)

    解説:第1命題=資本構成独立。法人税ありの修正版では負債利用ほど節税効果で企業価値増。

  55. 問55.持分法は、議決権の20%以上50%以下を保有する関連会社等に適用される連結会計手法で、投資勘定を持分相当額で評価替えする。

    正解:○(正しい)

    解説:「一行連結」とも呼ばれる。子会社(連結対象)と区別。影響力基準で判定する場合もある。

  56. 問56.のれんは、被取得企業の取得原価が時価純資産を超える額として認識され、日本基準では20年以内の規則的償却が必要である。

    正解:○(正しい)

    解説:IFRS・米国基準では非償却で減損テストのみ。日本基準と国際基準の主要相違点の一つ。

  57. 問57.間接法によるキャッシュフロー計算書では、税引前当期純利益から非資金損益項目・運転資本増減を加減して営業CFを算出する。

    正解:○(正しい)

    解説:減価償却費を足し戻し、売上債権増加・棚卸資産増加をマイナス、仕入債務増加をプラス。実務で一般的。

  58. 問58.NPVがゼロのプロジェクトは積極的に採択すべきである。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくはNPV=0は資本コストちょうどを稼ぐ水準で、採否は限界的。通常はNPV>0で採択。

  59. 問59.IRRは資本コストを下回るプロジェクトを採択する基準である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくはIRR>資本コスト(WACC)の場合に採択。下回るプロジェクトは棄却。

  60. 問60.CAPMでβ値が1のとき、その株式は無リスク資産と同じリターンが期待される。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくはβ=1は市場平均と同じ動き・リターン。無リスクリターンと等しいのはβ=0。

  61. 問61.ポートフォリオの分散投資効果は、構成資産の相関係数が+1のときに最大化される。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは相関係数が-1に近いほど分散効果は大きい。+1だと分散効果はゼロ。

  62. 問62.MM理論第1命題は、法人税を考慮しても企業価値は資本構成に依存しないとする命題である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは税金なし完全市場の前提。法人税考慮の修正MMでは負債利用ほど節税で企業価値増。

  63. 問63.WACCの計算では、自己資本コストと負債コストを単純平均する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは時価ベースの資本構成で加重平均し、負債コストには(1-税率)を掛ける。

  64. 問64.持分法は、議決権過半数を保有する子会社に適用される連結手法である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは持分法は関連会社(20-50%等)に適用。過半数保有の子会社は全部連結(完全連結)。

  65. 問65.のれんは日本基準では永久に償却しない無形固定資産である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは日本基準では20年以内で規則的償却。非償却+減損テストはIFRS・米国基準。

  66. 問66.非支配株主持分(少数株主持分)は連結貸借対照表の負債の部に表示される。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは純資産の部に表示。2008年の会計基準変更で負債から純資産に移管された。

  67. 問67.間接法のキャッシュフロー計算書では減価償却費を税引前利益から差し引く。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。減価償却費は費用として利益を減らしているが実際の現金支出を伴わないため、間接法では税引前当期純利益に加算して足し戻す。同じ理由で貸倒引当金の増加額なども加算の対象になる。

  68. 問68.売上債権の増加は営業キャッシュフローを増加させる要因である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは売上債権増加は現金回収未完了でCFを減少させる。仕入債務増加はCFを増加。

  69. 問69.標準原価計算における不利差異は実際原価が標準原価を下回った場合に発生する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。不利差異(借方差異)は実際原価が標準原価を上回った場合、つまり想定より多くコストがかかった場合に生じる。実際原価が標準を下回れば有利差異(貸方差異)となる。差異を価格差異と数量差異に分解して原因を突き止めることが標準原価計算の目的である。

  70. 問70.直接原価計算では固定製造原価を製品原価に含めるため、期末在庫評価に固定費が含まれる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは直接原価計算は変動費のみ製品原価。固定費は期間費用処理。全部原価計算と区別。

  71. 問71.ROICはROEより資本構成の影響を受けやすい指標である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくはROICは投下資本ベース(負債+自己資本)で、ROEより資本構成中立的。

  72. 問72.コール・オプションの価値は原資産価格が上昇すると低下する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくはコールは原資産価格上昇で価値増(買う権利のため)。プットは価格上昇で価値減。

  73. 問73.NPV法と比較したIRR法の短所として最も適切なものはどれか。

    • ア.計算が複雑で電卓では算出できない
    • イ.キャッシュフローの符号が複数回変わると複数解または解なしになる
    • ウ.将来CFを割り引かない
    • エ.資本コストを用いない

    正解:イ.キャッシュフローの符号が複数回変わると複数解または解なしになる

    解説:非標準CF(投資・撤退混在)では複数IRR問題。再投資仮定もIRR自身で非現実的。NPVが理論的に優位。

  74. 問74.WACCの計算式として最も適切なものはどれか。

    • ア.(負債コスト+自己資本コスト)÷2
    • イ.自己資本コスト×D/V+負債コスト×E/V
    • ウ.負債コスト×(1-税率)×D/V+自己資本コスト×E/V
    • エ.(負債+自己資本)÷総資産

    正解:ウ.負債コスト×(1-税率)×D/V+自己資本コスト×E/V

    解説:時価ベース加重平均。負債コストは支払利息損金算入による節税効果(1-税率)を反映する。

  75. 問75.CAPMにおいて株式Aの期待リターンを計算する式として正しいのはどれか(Rf=無リスク金利、Rm=市場リターン、β=ベータ値)。

    • ア.Rf×β+Rm
    • イ.Rm+β×(Rf-Rm)
    • ウ.β×(Rm-Rf)
    • エ.Rf+β×(Rm-Rf)

    正解:エ.Rf+β×(Rm-Rf)

    解説:証券市場線(SML)の式。無リスク金利Rfに、市場リスクプレミアム(Rm-Rf)へβを掛けた個別リスクプレミアムを加える。Rfを加えない「β×(Rm-Rf)」は誤り。

  76. 問76.2資産ポートフォリオの分散投資効果が最大となる相関係数として最も適切なものはどれか。

    • ア.-1.0
    • イ.+0.5
    • ウ.0
    • エ.+1.0

    正解:ア.-1.0

    解説:相関-1で理論上リスクをゼロにできる完全ヘッジが可能。+1ではリスク低減ゼロで分散効果なし。

  77. 問77.MM理論(法人税考慮の修正版)から導かれる結論として最も適切なものはどれか。

    • ア.資本構成は企業価値に影響しない
    • イ.負債比率を高めるほど節税効果で企業価値は増加する
    • ウ.自己資本のみの調達が最適である
    • エ.配当性向は企業価値を直接決定する

    正解:イ.負債比率を高めるほど節税効果で企業価値は増加する

    解説:支払利息損金算入による節税効果=負債利用ほど企業価値増。ただし倒産コスト考慮で最適負債比率存在。

  78. 問78.連結会計における持分法の適用対象として最も適切なものはどれか。

    • ア.議決権の過半数を保有する子会社
    • イ.議決権ゼロの一般取引先
    • ウ.議決権の概ね20%以上50%以下の関連会社
    • エ.完全所有100%の子会社

    正解:ウ.議決権の概ね20%以上50%以下の関連会社

    解説:重要な影響力ある関連会社に適用。20%未満でも実質判定でなる場合あり。子会社は全部連結。

  79. 問79.日本基準におけるのれんの会計処理として最も適切なものはどれか。

    • ア.永久に償却しない
    • イ.取得時に一括費用処理
    • ウ.5年で定率法償却が強制
    • エ.20年以内で規則的に償却し、減損の兆候があれば減損テスト

    正解:エ.20年以内で規則的に償却し、減損の兆候があれば減損テスト

    解説:20年以内・規則償却+減損。IFRS・米国基準は非償却+毎期減損テスト。日本基準との差異が頻出。

  80. 問80.間接法によるキャッシュフロー計算書の営業CF区分において、税引前当期純利益に「加算」する項目はどれか。

    • ア.減価償却費
    • イ.売上債権の増加額
    • ウ.棚卸資産の増加額
    • エ.仕入債務の減少額

    正解:ア.減価償却費

    解説:減価償却費は非資金費用で加算(足し戻し)。売上債権・棚卸資産増加と仕入債務減少は減算項目。

  81. 問81.標準原価計算における直接材料費の価格差異が「不利差異」となるのはどの場合か。

    • ア.実際価格<標準価格
    • イ.実際価格>標準価格
    • ウ.実際数量<標準数量
    • エ.標準数量=実際数量

    正解:イ.実際価格>標準価格

    解説:(実際価格-標準価格)×実際数量。実際>標準で不利差異(コスト超過)。数量差異は数量で判定。

  82. 問82.ROIC(投下資本利益率)の計算式として最も適切なものはどれか。

    • ア.当期純利益÷自己資本
    • イ.売上高÷総資産
    • ウ.営業利益×(1-税率)÷投下資本(負債+自己資本)
    • エ.当期純利益÷総資産

    正解:ウ.営業利益×(1-税率)÷投下資本(負債+自己資本)

    解説:NOPAT÷投下資本。資本構成中立的で事業収益力を測定。WACCと比較して付加価値創出を判定。

  83. 問83.コール・オプションの価値を高める要因として最も適切なものはどれか。

    • ア.原資産価格の下落
    • イ.無リスク金利の低下
    • ウ.満期までの残存期間の短縮
    • エ.原資産価格のボラティリティ上昇

    正解:エ.原資産価格のボラティリティ上昇

    解説:ボラティリティ増→アップサイド拡大でコール・プット双方の価値増。原資産価格上昇もコール価値増。

  84. 問84.配当割引モデル(ゴードン・モデル)で株式価値を計算する式として正しいのはどれか(D=次期配当、r=資本コスト、g=成長率)。

    • ア.D÷(r-g)(r>gが条件)
    • イ.D÷(r+g)
    • ウ.D×(1+g)÷r
    • エ.D×r×g

    正解:ア.D÷(r-g)(r>gが条件)

    解説:定率成長配当割引モデル。r>gが前提。永久配当の現在価値合計。資本コスト推定にも利用可能。

  85. 問85.売上債権回転率の計算式として最も適切なものはどれか。

    • ア.売上債権÷売上高
    • イ.売上高÷売上債権
    • ウ.売上原価÷売上債権
    • エ.売上債権÷総資産

    正解:イ.売上高÷売上債権

    解説:回転率(回)=売上高÷売上債権。回転率高いほど回収効率良好。365÷回転率=回転期間(日)。

  86. 問86.SECIモデルの4プロセスは共同化・選別化・連結化・内面化で構成される。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは共同化(S)・表出化(E)・連結化(C)・内面化(I)の4プロセスである。

  87. 問87.ブランド戦略でP&Gが採用する代表的形態として最も適切なものはどれか。

    • ア.ハウスオブブランド戦略
    • イ.ブランドレス戦略
    • ウ.サブブランド戦略
    • エ.コーポレートブランド戦略

    正解:ア.ハウスオブブランド戦略

    解説:個別ブランド戦略(House of Brands)。製品ごとに独立ブランドを展開し市場リスクを分散する。

  88. 問88.株主総会の特殊決議のうち309条3項は議決権を行使できる株主の半数以上かつ議決権の3分の2以上を要する。

    正解:○(正しい)

    解説:会社法309条3項の特殊決議は、議決権を行使できる株主の半数以上(人数の要件)であって、かつその議決権の3分の2以上の賛成を要する。全部の株式に譲渡制限を設ける定款変更など、株主の投下資本回収に重大な影響を与える場面で求められる。頭数の要件がある点が特別決議との違い。

  89. 問89.ブロックチェーンはハッシュ値で連結された分散台帳技術で、改ざん耐性と非中央集権性を特徴とする。

    正解:○(正しい)

    解説:取引記録をブロックにまとめ、直前のブロックのハッシュ値を含めて鎖状につなぐため、過去のデータを書き換えると以降のハッシュがすべて食い違い改ざんが検知される。同じ台帳を多数のノードが分散して保持するので、中央の管理者がいなくても記録の同一性を保てる。暗号資産のほか、サプライチェーンのトレーサビリティなどにも応用される。

  90. 問90.吸収合併の対価は存続会社の株式に限定され、金銭交付(キャッシュアウトマージャー)はできない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは2005年会社法で対価柔軟化され、金銭・社債・親会社株式等も可能。

  91. 問91.拒否権付株式(黄金株)は公開会社でも自由に発行できる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。ただし理由は「公開会社は発行できないから」ではない。会社法108条1項ただし書が公開会社(と指名委員会等設置会社)に禁じているのは9号の役員選任権付種類株式であって、拒否権付株式は8号に当たり公開会社でも発行できる。誤りなのは「自由に」の部分で、発行するには定款で種類株式の内容と発行可能種類株式総数を定める必要があり(108条2項)、そのための定款変更には株主総会の特別決議を要する。上場会社では取引所の規則による制約も受ける。

  92. 問92.ブロックチェーンは中央集権型サーバで管理される台帳技術である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくはブロックチェーンは非中央集権の分散台帳。中央サーバを置かないのが特徴。