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中小企業診断士 1次試験「経済学・経済政策」の一問一答

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📖 中小企業診断士 1次試験「経済学・経済政策」の全75問と解説(一覧)

中小企業診断士 1次試験の経済学・経済政策に関する一問一答(全75問)の正解と解説の一覧です。上の一問一答で実際に解いてから、ここで復習・確認できます。

  1. 問1.GDP(国内総生産)は一定期間に国内で生み出された付加価値の総額である。

    正解:○(正しい)

    解説:一定期間に国内で新たに生み出された付加価値の合計。各段階の売上をそのまま足すと原材料が二重計上されるため、売上から中間投入を差し引いた付加価値で測る。「国内で」生み出されたかが基準なので、国民が海外で得た所得は含まない(それを含むのがGNI)。

  2. 問2.名目GDPは物価変動を含み、実質GDPは物価変動を除いた値である。

    正解:○(正しい)

    解説:名目GDPはその年の価格で評価した値、実質GDPは基準年の価格で評価して物価変動の影響を除いた値。両者の比がGDPデフレーター(名目÷実質×100)で物価水準を表す。物価が上がっただけでも名目GDPは増えてしまうため、景気の実勢を見る経済成長率は実質GDPで判断する。

  3. 問3.需要曲線は右下がり、供給曲線は右上がりが原則である。

    正解:○(正しい)

    解説:価格が上がると消費者は買い控えるので需要量は減り、需要曲線は右下がりになる。逆に価格が上がると企業は利益を見込めるので供給量を増やし、供給曲線は右上がりになる。両者が交わる点で均衡価格と均衡数量が決まる。

  4. 問4.完全競争市場では多数の売り手・買い手・同質財・参入退出自由・情報完全の4条件が成立する。

    正解:○(正しい)

    解説:①売り手・買い手が多数で個々の行動が価格に影響しない②財が同質③参入・退出が自由④情報が完全、の4条件。このとき各主体は価格を与件として受け入れるプライステイカーとなり、価格=限界費用が成立して資源配分が効率的になる。現実にはほぼ成立しないが、比較の基準となる理論モデル。

  5. 問5.独占市場では1社が市場全体を支配し、独占企業は価格設定力を持つ。

    正解:○(正しい)

    解説:売り手が1社しかないため、企業は市場全体の需要曲線に直面し自ら価格を決められるプライスメーカーになる。限界収入=限界費用となる点まで生産を絞って利潤を最大化するので、完全競争より生産量が少なく価格が高くなり、社会的余剰が失われる(死荷重が生じる)。

  6. 問6.需要の価格弾力性は価格変化に対する需要量の変化率の比率である。

    正解:○(正しい)

    解説:需要量の変化率÷価格の変化率の絶対値。1を超えれば弾力的で、値下げすると需要がそれ以上に増えるため売上は増える。1未満なら非弾力的で、値下げしても需要はあまり増えず売上は減る。代替品が多い贅沢品は弾力的、生活必需品は非弾力的になりやすい。

  7. 問7.IS-LM分析は財市場(IS曲線)と貨幣市場(LM曲線)の同時均衡を分析する手法である。

    正解:○(正しい)

    解説:IS曲線は投資=貯蓄となる財市場の均衡を、LM曲線は貨幣需要=貨幣供給となる貨幣市場の均衡を、それぞれ利子率と国民所得の組合せで表す。両曲線の交点で利子率と所得が同時に決まるため、財政政策(IS曲線のシフト)と金融政策(LM曲線のシフト)の効果を統一的に比較できる。

  8. 問8.金融政策では中央銀行(日銀)が公開市場操作・金利調整等を通じて貨幣供給量を制御する。

    正解:○(正しい)

    解説:日本銀行が公開市場操作(買いオペ・売りオペ)や政策金利の誘導により資金量と金利を調節する。国債等を買い入れる買いオペは市中に資金を供給して金利を下げ、売りオペは逆に資金を吸収する。物価の安定を通じて国民経済の健全な発展に資することが目的。

  9. 問9.財政政策では政府が公共投資・税制等を通じて景気を調整する。

    正解:○(正しい)

    解説:政府が公共投資などの歳出や減税・増税によって総需要を動かす政策。不況期には支出増や減税で需要を作り出し(拡張的)、過熱期には支出削減や増税で抑える(緊縮的)。乗数効果により当初の支出額を上回る所得の増加が生じうる一方、国債で賄えば将来の負担となる。

  10. 問10.クラウディング・アウトは政府の借入が民間投資を阻害する現象である。

    正解:○(正しい)

    解説:政府が国債を発行して資金を借り入れると資金需要が高まって金利が上昇し、金利に反応する民間の設備投資や住宅投資が押し出される(crowd out)現象。このため拡張的財政政策の効果は理論上の乗数より小さくなる。金利が動きにくい状況では起こりにくい。

  11. 問11.GDPは輸入総額を含む。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。GDPは国内で生み出された付加価値の合計。輸入は控除される(純輸出として計算)。

  12. 問12.名目GDPと実質GDPは常に同じ値である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。名目GDPは物価変動を含み、実質GDPは物価変動を除く。インフレ時は名目>実質。

  13. 問13.需要曲線は通常右上がりである。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。需要曲線は右下がりが原則で、価格が上がれば消費者は購入を減らす。右上がりになるのは供給曲線のほう。ごく例外的にギッフェン財では需要曲線が右上がりになりうるが、通常は想定しない。

  14. 問14.独占市場では多数の売り手が競争する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。独占は売り手が1社だけの市場。多数の売り手が存在するのは完全競争市場や独占的競争市場であり、売り手が少数の場合は寡占という。

  15. 問15.IS曲線は貨幣市場の均衡を示す。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。IS曲線は投資=貯蓄となる財市場の均衡を表す。貨幣市場の均衡を表すのはLM曲線(流動性選好=貨幣供給)。I(Investment)S(Saving)とL(Liquidity)M(Money)の頭文字で覚えると混同しにくい。

  16. 問16.クラウディング・アウトは民間投資を促進する現象である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。クラウディング・アウトは政府の資金調達によって金利が上昇し、民間投資が押し出されて減る現象。財政政策の効果を打ち消す方向に働くもので、投資を促進するものではない。

  17. 問17.完全競争市場では1社が価格設定力を持つ。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。完全競争市場では『プライステイカー』。1社が価格設定力を持つのは独占市場。

  18. 問18.金融政策は政府が実施する政策である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。金融政策を担うのは中央銀行である日本銀行で、政府から独立して物価の安定を目的に運営される。政府が担うのは公共投資や税制による財政政策である。

  19. 問19.財政政策は中央銀行が実施する政策である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。財政政策を担うのは政府(予算を通じた歳出と税制)。中央銀行が担うのは公開市場操作や金利誘導による金融政策であり、両者は主体も手段も異なる。

  20. 問20.需要の価格弾力性が1未満の財は弾力的である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。弾力性が1未満なら価格が変わっても需要量はあまり動かないので非弾力的、1を超えるものが弾力的。生活必需品は非弾力的、代替品の多い贅沢品は弾力的になりやすい。

  21. 問21.GDPの計算方法として正しいのはどれか。

    • ア.名目GDP×物価指数
    • イ.国民総生産
    • ウ.国内で生み出された付加価値の総額
    • エ.輸入総額

    正解:ウ.国内で生み出された付加価値の総額

    解説:GDPは国内で新たに生み出された付加価値の合計。各段階の売上をそのまま足すと原材料が二重計上されるため、売上から中間投入を差し引いて計算する。国民が海外で得た所得まで含むのはGNIであり、輸入は国内生産ではないので控除される。

  22. 問22.完全競争市場の条件として該当しないものはどれか。

    • ア.多数の売り手・買い手
    • イ.同質財
    • ウ.参入退出自由
    • エ.1社の価格設定力

    正解:エ.1社の価格設定力

    解説:完全競争市場では売り手・買い手が多数存在し、財が同質で、参入退出が自由、情報も完全であるため、各主体は価格を与件として受け入れるプライステイカーになる。1社が価格を設定できるのは独占市場の特徴であり、完全競争とは正反対の性質である。

  23. 問23.需要の価格弾力性が1超の財として正しい解釈はどれか。

    • ア.弾力的(贅沢品等)
    • イ.非弾力的(生活必需品)
    • ウ.完全非弾力
    • エ.完全弾力

    正解:ア.弾力的(贅沢品等)

    解説:弾力性が1を超えると、価格の変化率以上に需要量が変化する。代替品が多い財やなくても困らない贅沢品がこれにあたり、値下げすれば需要がそれ以上に伸びて売上が増える。生活必需品は価格が上がっても買わざるを得ないので非弾力的になる。

  24. 問24.IS-LM分析のIS曲線とLM曲線として正しい組合せはどれか。

    • ア.IS=貨幣市場、LM=財市場
    • イ.IS=財市場、LM=貨幣市場
    • ウ.IS=財政、LM=金融
    • エ.IS=投資、LM=消費

    正解:イ.IS=財市場、LM=貨幣市場

    解説:IS曲線は投資(Investment)=貯蓄(Saving)となる財市場の均衡、LM曲線は流動性選好(Liquidity preference)=貨幣供給(Money supply)となる貨幣市場の均衡を表す。両者の交点で国民所得と利子率が同時に決まり、財政政策と金融政策の効果を比較できる。

  25. 問25.金融政策の実施主体として正しいのはどれか。

    • ア.財務省
    • イ.政府
    • ウ.中央銀行(日銀)
    • エ.民間銀行

    正解:ウ.中央銀行(日銀)

    解説:金融政策は中央銀行である日本銀行が担い、公開市場操作や政策金利の誘導によって資金量と金利を調節する。財務省や政府が担うのは財政政策であり、民間銀行は政策の実施主体ではなく政策が波及していく経路にあたる。

  26. 問26.クラウディング・アウトの説明として正しいのはどれか。

    • ア.民間投資を促進
    • イ.インフレを抑制
    • ウ.景気を刺激
    • エ.政府借入が民間投資を阻害

    正解:エ.政府借入が民間投資を阻害

    解説:政府が国債発行で資金を借り入れると資金需要が高まって金利が上昇し、金利に反応する民間の設備投資などが押し出されて減少する。その結果、拡張的財政政策の効果は理論上の乗数より小さくなる。景気刺激やインフレ抑制そのものを指す用語ではない。

  27. 問27.独占市場の特徴として正しいのはどれか。

    • ア.多数の競争者
    • イ.プライステイカー
    • ウ.プライスメーカー(価格設定力)
    • エ.参入退出自由

    正解:ウ.プライスメーカー(価格設定力)

    解説:売り手が1社だけなので、企業は市場全体の需要曲線に直面し自ら価格を決められるプライスメーカーになる。多数の競争者・プライステイカー・参入退出の自由はいずれも完全競争市場の特徴であり、独占市場には当てはまらない。

  28. 問28.財政政策の主体として正しいのはどれか。

    • ア.中央銀行
    • イ.証券会社
    • ウ.民間銀行
    • エ.政府

    正解:エ.政府

    解説:財政政策は政府が予算を通じた公共投資や税制の変更によって総需要を動かす政策。中央銀行が担うのは金融政策であり、証券会社や民間銀行は政策の実施主体ではない。

  29. 問29.PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)はBCGが提唱する事業ポートフォリオ分析手法である。

    正解:○(正しい)

    解説:ボストン・コンサルティング・グループが提唱した手法で、市場成長率と相対市場シェアの2軸により事業を花形・金のなる木・問題児・負け犬の4象限に分類する。金のなる木で得た資金を問題児や花形へ配分するというように、事業間の資金の流れを考えて全体最適を図る点に意義がある。

  30. 問30.中小企業金融政策では政府系金融機関(日本政策金融公庫等)が中小企業向け融資を実施する。

    正解:○(正しい)

    解説:日本政策金融公庫や商工組合中央金庫といった政府系金融機関が、民間金融機関では対応しにくい長期・低利の資金を供給する。あわせて信用保証協会が保証を付けることで、信用力の乏しい中小企業でも民間から借りやすくなる。資金調達力の弱さを補う重層的な支援体制になっている。

  31. 問31.中小企業診断士は弁護士の業務独占資格である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。中小企業診断士は経営コンサルタントに関する国家資格だが、名称独占資格であって業務独占資格ではない。資格がなくても経営コンサルティング自体は行えるが、中小企業診断士を名乗ることはできない。特定の業務を独占する弁護士・税理士とは性質が異なる。

  32. 問32.AD-AS分析において、古典派モデルではAS曲線は垂直であり、総需要の変動は物価のみに影響を与え産出量は変化しない。

    正解:○(正しい)

    解説:古典派は価格伸縮的で完全雇用が常に成立するため、AS曲線は自然産出量水準で垂直。AD増は物価上昇のみ。

  33. 問33.ケインジアンの短期AS曲線は水平または右上がりであり、総需要の増加は産出量と雇用を増加させる。

    正解:○(正しい)

    解説:賃金・価格の硬直性により、短期では需要変動が産出に影響する。財政・金融政策の有効性根拠。

  34. 問34.スタグフレーションとは、物価上昇と景気後退が同時に発生する現象で、AS曲線の左方シフトで説明される。

    正解:○(正しい)

    解説:供給ショック(石油危機等)でAS左シフト→物価上昇+産出減少。1970年代に顕著。

  35. 問35.マンデル=フレミング・モデルにおいて、変動相場制・資本移動完全のもとでは財政政策は無効、金融政策は有効である。

    正解:○(正しい)

    解説:財政拡張→金利上昇→自国通貨高→純輸出減でクラウディングアウト。金融緩和は通貨安経由で有効。

  36. 問36.固定相場制・資本移動完全のもとでは、マンデル=フレミング・モデルでは金融政策は無効となる。

    正解:○(正しい)

    解説:金融緩和→金利低下→資本流出→為替維持のため通貨買い介入→マネー減で元に戻る。財政政策は有効。

  37. 問37.購買力平価説(PPP)は、長期的な為替レートは2国間の物価水準の比率で決定されるとする理論である。

    正解:○(正しい)

    解説:一物一価の法則の国際版。絶対的PPPと相対的PPPがある。短期予測には限界がある。

  38. 問38.ルーカス批判は、政策変更時に経済主体の期待形成も変化するため、過去データに基づく政策効果予測は信頼できないとする批判である。

    正解:○(正しい)

    解説:合理的期待形成のもと、構造パラメータは政策レジームに依存。マクロ計量モデル不信の根拠。

  39. 問39.ソロー成長モデルでは、資本の限界生産性逓減の仮定のもと、長期的には1人当たり所得は定常状態に収束する。

    正解:○(正しい)

    解説:貯蓄率・人口成長率・技術進歩率が成長を規定。技術進歩なしでは1人当たり成長は止まる。

  40. 問40.自然失業率仮説によれば、長期的にはフィリップス曲線は垂直であり、金融政策で失業率を自然失業率以下に下げ続けることはできない。

    正解:○(正しい)

    解説:短期は右下がりだが、期待インフレ調整後の長期では自然失業率で垂直。フリードマンの主張。

  41. 問41.効率賃金仮説では、企業は市場均衡賃金より高い賃金を支払うことで労働者の生産性向上や離職率低下を期待する。

    正解:○(正しい)

    解説:怠業防止・選別効果・忠誠心向上の3経路。非自発的失業の存在を説明する理論の一つ。

  42. 問42.囚人のジレンマでは、各プレイヤーが個別合理的に行動した結果、双方にとって最悪に近い結果(パレート劣位)に陥る。

    正解:○(正しい)

    解説:支配戦略均衡=裏切り×裏切り。協力すれば両者得だが、相手の裏切りを恐れて自分も裏切る。

  43. 問43.ナッシュ均衡とは、他のプレイヤーの戦略を所与として、自分の戦略を変更するインセンティブが誰にもない状態である。

    正解:○(正しい)

    解説:他のプレイヤーの戦略を所与としたとき、誰も自分だけ戦略を変えて得をできない状態。各自が相手の最適反応に対して最適反応を返している組合せであり、必ずしも全員にとって最善の結果(パレート最適)とは限らない。囚人のジレンマで双方が裏切る状態がその典型例。

  44. 問44.繰り返し囚人のジレンマでは、無限回繰り返しであれば協調的な解(しっぺ返し戦略等)が均衡として成立しうる。

    正解:○(正しい)

    解説:フォーク定理。将来割引が大きくなければ協調維持が可能。有限回確定だと最終回から逆向きに裏切り。

  45. 問45.逆選択(アドバース・セレクション)は、契約締結前の情報の非対称性により、質の悪い財・取引相手が選ばれてしまう現象である。

    正解:○(正しい)

    解説:アカロフのレモン市場が代表例。中古車・保険・労働市場で発生。シグナリング・スクリーニングで緩和。

  46. 問46.モラルハザードは、契約締結後に観察困難な行動が変化することで生じる情報の非対称性問題である。

    正解:○(正しい)

    解説:保険加入後の不注意・経営者の怠慢が典型例。インセンティブ設計・モニタリングで対処。

  47. 問47.シグナリングは情報優位者が自身のタイプを示すために行うコストのかかる行動で、スペンスの教育シグナリングが代表例である。

    正解:○(正しい)

    解説:高能力者ほど学歴取得コストが低いため、学歴が能力シグナルとなる。情報劣位側の選別手段はスクリーニング。

  48. 問48.外部不経済が存在する財は、私的限界費用より社会的限界費用が高くなり、市場均衡では過剰生産となる。

    正解:○(正しい)

    解説:公害が典型例。ピグー税で外部費用を内部化、または排出権取引・コースの定理で解決可能。

  49. 問49.公共財は非競合性と非排除性を持ち、フリーライダー問題のため市場では過少供給となりやすい。

    正解:○(正しい)

    解説:国防・灯台が代表例。政府供給または共同体管理が必要。準公共財・クラブ財との区別も重要。

  50. 問50.プロスペクト理論では、損失回避性により同額の利益の喜びより同額の損失の苦痛の方が大きく感じられる。

    正解:○(正しい)

    解説:カーネマン=トヴェルスキー。損失回避係数は約2.25倍。価値関数は参照点で屈折・S字型。

  51. 問51.アンカリング効果とは、最初に提示された数値や情報が、その後の判断・推定に過度に影響を与える認知バイアスである。

    正解:○(正しい)

    解説:最初に示された数値が「錨(アンカー)」となり、その後の判断がそこから十分に離れられなくなる認知バイアス。値引き前価格を併記する二重価格表示や、価格交渉で先に高い金額を提示する戦術はこの効果を利用したもの。合理的判断を前提とする伝統的経済学では説明できない現象として行動経済学が扱う。

  52. 問52.AD-AS分析の古典派モデルでは、需要拡大政策は産出量を増加させ物価を変えない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。古典派AS曲線は垂直なので、AD増加は物価を上昇させるだけで産出量は変化しない。

  53. 問53.マンデル=フレミング・モデルの変動相場制では財政政策が有効で金融政策が無効である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。資本移動が自由な小国モデルでは、変動相場制のもとで財政拡大は金利上昇→自国通貨高→純輸出の減少を招いて効果が打ち消されるため無効となり、金融緩和は自国通貨安を通じて純輸出を増やすので有効になる。固定相場制ではこの関係が逆転する。

  54. 問54.購買力平価説では短期の為替変動を高精度で予測できる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは長期の為替傾向を説明する理論で、短期予測には適さない。短期は金利平価等が支配的。

  55. 問55.合理的期待形成仮説の下では、予期された金融政策も実体経済に大きな効果を持つ。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは予期された政策は無効(政策無効命題)。予期されないサプライズのみ実体に影響。

  56. 問56.ソロー成長モデルでは、貯蓄率が高いほど長期的な経済成長率も高くなり続ける。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは貯蓄率上昇は定常状態の所得水準を上げるが、長期成長率は技術進歩率で決まる。

  57. 問57.NAIRU(インフレ非加速的失業率)を下回ると、インフレ率は安定的に推移する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。NAIRUはインフレ率を加速も減速もさせない失業率の水準を指す。実際の失業率がこれを下回ると労働市場が逼迫して賃金と物価が上がり続け、インフレは加速していく。安定するのは失業率がNAIRUと一致しているときである。

  58. 問58.ナッシュ均衡は常にパレート効率的な結果をもたらす。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは囚人のジレンマのようにナッシュ均衡がパレート劣位となることがある。

  59. 問59.有限回の囚人のジレンマでは、後ろ向き帰納法により協調戦略が均衡となる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。有限回で終わることが分かっていると、最終回は裏切りが最適になり、それを見越して1つ前の回も裏切りが最適…と後ろ向きに解いていくため、結局すべての回で裏切りが均衡になる。協調が成立しうるのは、終わりが確定していない繰り返しゲームの場合である。

  60. 問60.逆選択は契約締結後の隠れた行動により発生する問題である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは逆選択は契約前の隠れた情報による問題。契約後の隠れた行動はモラルハザード。

  61. 問61.外部不経済が存在する場合、市場均衡では財が過少に生産される。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは外部不経済では過剰生産。外部経済(正の外部性)の場合に過少生産となる。

  62. 問62.公共財は競合性と排除性を持つため、市場で効率的に供給される。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは公共財は非競合性・非排除性。フリーライダー問題で市場では過少供給となる。

  63. 問63.プロスペクト理論では、人は利益局面でリスク愛好的・損失局面でリスク回避的になる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは利益局面でリスク回避的・損失局面でリスク愛好的(損切りできない傾向)。

  64. 問64.AD曲線の右シフトをもたらす要因として最も適切なものはどれか。

    • ア.労働生産性の低下
    • イ.原油価格の急上昇
    • ウ.政府支出の拡大
    • エ.技術進歩の停滞

    正解:ウ.政府支出の拡大

    解説:政府支出拡大はAD(総需要)の構成要素G増加で右シフト。原油価格上昇等はAS曲線左シフト要因。

  65. 問65.マンデル=フレミング・モデルにおいて、変動相場制・資本移動完全のもとで最も有効な景気刺激策はどれか。

    • ア.減税による財政拡張
    • イ.公共投資の拡大
    • ウ.保護関税の引き上げ
    • エ.金融緩和政策

    正解:エ.金融緩和政策

    解説:金融緩和→金利低下→通貨安→純輸出増加で景気刺激。財政政策はクラウディングアウトで無効化。

  66. 問66.ソロー成長モデルにおいて、長期的に1人当たり所得の成長率を決定する要因はどれか。

    • ア.技術進歩率
    • イ.人口成長率
    • ウ.貯蓄率
    • エ.資本減耗率

    正解:ア.技術進歩率

    解説:資本蓄積は限界生産性逓減で収束。長期1人当たり成長を支えるのは外生的技術進歩のみ。

  67. 問67.情報の非対称性により契約締結前に質の悪い相手が選ばれる現象を何と呼ぶか。

    • ア.モラルハザード
    • イ.逆選択(アドバース・セレクション)
    • ウ.プリンシパル・エージェント問題
    • エ.コミットメント問題

    正解:イ.逆選択(アドバース・セレクション)

    解説:事前情報の非対称=逆選択(レモン市場)。事後の隠れた行動はモラルハザード。区別が頻出。

  68. 問68.囚人のジレンマにおける支配戦略均衡として最も適切な記述はどれか。

    • ア.両者が協調する組合せ
    • イ.一方が協調・一方が裏切る組合せ
    • ウ.両者が裏切る組合せ
    • エ.ランダム化された混合戦略

    正解:ウ.両者が裏切る組合せ

    解説:相手の選択に関わらず裏切りが最適応答(支配戦略)。結果はパレート劣位の(裏切り,裏切り)。

  69. 問69.外部不経済の内部化手段として最も適切なものはどれか。

    • ア.補助金の支給
    • イ.価格統制の導入
    • ウ.数量割当の撤廃
    • エ.ピグー税の課税

    正解:エ.ピグー税の課税

    解説:ピグー税で外部費用相当を価格に反映=社会的最適産出量を実現。外部経済には補助金が対応。

  70. 問70.プロスペクト理論で観察される人間の行動として最も適切なものはどれか。

    • ア.損失の苦痛が利益の喜びを上回る損失回避性
    • イ.確率を客観的にそのまま評価する
    • ウ.利益と損失を同等に評価する
    • エ.リスク中立的な意思決定を一貫して行う

    正解:ア.損失の苦痛が利益の喜びを上回る損失回避性

    解説:損失回避係数約2.25倍。価値関数は参照点で屈折・損失側で凸(リスク愛好)になる。

  71. 問71.ルーカス批判が示唆する政策評価上の問題点として最も適切なものはどれか。

    • ア.政策効果は財政乗数で正確に測定できる
    • イ.金融政策は常に名目変数に影響しない
    • ウ.政策変更時には経済主体の期待形成も変化するため、過去データに基づく予測は信頼できない
    • エ.合理的期待形成は短期では成立しない

    正解:ウ.政策変更時には経済主体の期待形成も変化するため、過去データに基づく予測は信頼できない

    解説:構造パラメータが政策レジーム依存。マクロ計量モデルの信頼性に重大な疑義を投げかけた批判。

  72. 問72.CAGEモデルは関税率・金利・株価・人口の4指標で国際化適性を判定するフレームである。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくはCAGEは文化・制度・地理・経済の4つの距離で国際化の困難度を評価するモデルである。

  73. 問73.価格弾力性は需要が価格変動にどの程度反応するかを示す指標で、弾力性が大きい商品は値下げによる売上増効果が大きい。

    正解:○(正しい)

    解説:弾力性が1を超える財は価格の変化率以上に需要量が動くため、値下げによる数量増が価格低下を上回って売上が増える。逆に非弾力的な財を値下げしても数量はあまり増えず売上は減る。嗜好品や代替品の多い財は弾力的、生活必需品は非弾力的になりやすい。

  74. 問74.GDPRはEU一般データ保護規則で、EU域内の個人データを扱う日本企業にも域外適用される場合がある。

    正解:○(正しい)

    解説:2018年施行。違反時は全世界売上の4%または2,000万ユーロのいずれか高い方が制裁金上限。

  75. 問75.GDPRはEU域内の事業者のみを対象とし、日本企業には適用されない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。GDPRはEU域内に拠点がない事業者であっても、EU域内の個人に商品・サービスを提供したり行動を監視したりする場合には適用される(域外適用)。したがってEUの消費者を相手にする日本企業も対象となり、違反すると高額の制裁金が科されうる。