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社会保険労務士「労災・雇用保険」の出題ポイント解説

社会保険労務士試験の労災保険法・雇用保険法は労働保険の2本柱。選択式各1科目・択一式各7問が出題され、給付内容の複雑さから難易度が高い分野です。本記事では労災・雇用保険の頻出論点を整理します。

この章の重要度

選択式:労災5問(基準点3点)・雇用5問(基準点3点)、択一式:労災7問・雇用7問。給付の種類と要件・給付額の正確な知識が合否を分けます。特に被保険者要件・給付日数・待期期間などの数字が頻出。

頻出トピック一覧

1. 労災保険の適用・業務/通勤災害

適用事業:労働者を1人でも使用すれば強制適用(農林水産業の一部は暫定任意適用)。業務災害:業務遂行性+業務起因性。通勤災害:就業関連・合理的経路・逸脱中断の例外(日用品購入等)。複数業務要因災害(2020年改正:複数事業場の業務を総合評価)。

2. 労災保険給付の種類

療養(補償)等給付:指定医療機関での現物給付。休業(補償)等給付:待期3日後から給付基礎日額の60%+特別支給金20%。傷病(補償)等年金(療養1年6か月経過・傷病等級1〜3級)、障害(補償)等給付(年金=1〜7級、一時金=8〜14級)、遺族(補償)等給付(年金・一時金)、葬祭料、介護(補償)等給付。

3. 労災保険の給付基礎日額

原則として労基法の平均賃金(算定事由発生日前3か月の賃金総額÷総日数)。最低・最高限度額あり(年齢階層別)、スライド制(四半期ごと10%超変動で改定)。

4. 労災保険の特別加入制度

任意加入できる者:中小事業主(労働保険事務組合経由)、一人親方等(フリーランス含む拡大中:2021年建設業一人親方、2024年フリーランス新法関連)、特定作業従事者、海外派遣者。

5. 雇用保険の被保険者・適用

適用事業:労働者を雇用するほぼ全事業(農林水産業5人未満は暫定任意)。被保険者区分:一般・高年齢(65歳以上)・短期雇用特例・日雇労働。被保険者要件(一般):週20時間以上+31日以上雇用見込み。マルチジョブホルダー制度(65歳以上・2事業所合算週20時間)。

6. 雇用保険の基本手当

受給資格:離職日前2年間に被保険者期間12か月以上(特定受給資格者・特定理由離職者は離職日前1年間に6か月以上)。待期7日+自己都合は給付制限は原則1か月(2025年4月1日以降の離職。5年間に2回以上の正当な理由のない自己都合退職で受給資格決定を受けた場合は3か月)。所定給付日数:一般離職者90〜150日、特定受給資格者90〜330日、就職困難者150〜360日。

出典:厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」Q20。給付制限は、退職日が令和7年4月1日以降なら原則1か月、同年3月31日以前なら原則2か月です。退職日から遡って5年間のうちに2回以上正当な理由なく自己都合退職して受給資格決定を受けた場合と、重責解雇の場合は3か月です(期間の幅は雇用保険法33条1項で1か月以上3か月以内)。

7. 雇用保険の各種給付

就職促進給付:再就職手当・就業促進定着手当・常用就職支度手当・移転費・広域求職活動費・短期訓練受講費。教育訓練給付:一般(20%・最大10万円)・特定一般(40%・資格取得して就職で最大50%)・専門実践(受講中50%、資格取得・就職で70%、さらに賃金上昇で80%=2024年10月から)。雇用継続給付:高年齢雇用継続基本給付金(60歳時点賃金の75%未満に低下、最大15%)、介護休業給付金(休業開始時賃金日額の67%×支給日数・上限93日)。

8. 育児休業給付

2020年に雇用継続給付から分離。育児休業給付金:休業開始時賃金日額×支給日数×67%(180日まで)・50%(181日以降)。出生時育児休業給付金(産後パパ育休)(2022年10月創設):産後8週以内の4週(28日)間。育休期間中の社会保険料免除。

覚え方のコツ

労災保険は「給付の種類×給付要件×給付額」の3次元マトリクスで整理。療養・休業・傷病・障害・遺族・葬祭・介護の7給付ごとに、要件(待期・療養期間・等級等)と給付額(日額の60%等)を表にまとめて暗記。業務災害と通勤災害の給付名は「補償」の有無で区別:業務災害は「療養補償給付」、通勤災害は「療養給付」(2020年改正で複数業務要因災害は「補償等」で統一表記)。雇用保険は「基本手当の所定給付日数表」が最難関。年齢(30未満・30-35・35-45・45-60・60-65)×算定基礎期間(1年未満・1-5年・5-10年・10-20年・20年以上)のマトリクスを丸暗記。給付制限は「正当な理由なき自己都合は原則1か月(2025年4月1日以降の離職)」。育児休業給付の67%/50%の切替えや、出生時育児休業給付(産後パパ育休)の新制度も頻出。数字中心の暗記分野なので、語呂合わせや表を活用して反復学習が必須です。

よくあるひっかけ

労災・雇用保険の頻出ひっかけ。①業務災害の休業給付:待期3日は連続・断続を問わず通算、3日間は事業主が労基法の休業補償(平均賃金60%)を負担。②通勤の逸脱・中断:日用品購入・病院通院・選挙投票・家族介護等の日常生活上必要な最小限行為は逸脱後も合理的経路に復帰すれば通勤扱い。③遺族補償年金の受給資格者:配偶者(事実婚含む)・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹、優先順位あり(夫の年齢要件は2027年4月1日施行の改正で撤廃)。④被保険者期間の計算:雇用保険は暦月で11日以上(または80時間以上)賃金支払の月を1か月としてカウント。⑤特定受給資格者と特定理由離職者:解雇・倒産等(特定受給資格者)、期間満了・正当な自己都合(特定理由離職者)、どちらも所定給付日数や受給資格要件が有利に。⑥待期7日と給付制限:待期7日は全離職者共通、給付制限は正当な理由のない自己都合退職(2025年4月1日以降の離職は原則1か月)と重責解雇(3か月)が対象。⑦再就職手当:支給残日数3分の1以上+一定要件で所定給付日数の60%〜70%を一時金。⑧高年齢雇用継続基本給付金:2025年4月以降の新規対象者から給付率が15%→10%に段階的引下げ。⑨育児休業給付の支給要件:休業前2年間に被保険者期間12か月以上(みなし規定あり)、支給対象期間ごと。⑩産後パパ育休:最大28日、2回まで分割可、育休と別枠。

よくある質問

Q. 労災保険の頻出給付は?

療養(補償)等給付、休業(補償)等給付(待期3日後から給付基礎日額の60%+特別支給金20%)、障害(補償)等給付、遺族(補償)等給付、葬祭料、傷病補償年金、介護補償給付が頻出です。

Q. 雇用保険の基本手当の給付日数は?

被保険者期間・離職理由・年齢で決まり、一般離職者は90〜150日、特定受給資格者(会社都合)は90〜330日、就職困難者は150〜360日。算定基礎期間・年齢区分を表で暗記します。

Q. 通勤災害と業務災害の違いは?

業務災害は業務遂行性+業務起因性が必要、通勤災害は『就業に関し住居と就業の場所の往復』+合理的経路。通勤災害は業務災害と異なり一部負担金(200円)あり、給付内容は類似ですが『補償』の文言が付かない。

Q. 雇用保険の被保険者区分は?

一般被保険者・高年齢被保険者(65歳以上)・短期雇用特例被保険者(季節労働)・日雇労働被保険者の4区分です。一般の適用要件は、週の所定労働時間20時間以上かつ31日以上の雇用見込みです(2026年9月時点)。

📚 この章を完全マスターする3つの動線

出題ポイント学習 → 章別演習 → 模擬試験で実力測定

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📑 同じ資格の他章を学ぶ

他章の重要論点も併せて押さえると、関連分野の理解が深まり合格率が向上します。各章の頻出パターンを順に確認していきましょう。

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