社労士の合格体験記【働きながら独学合格した勉強法】
中堅メーカーの人事部に勤める30代の会社員が、働きながら独学で社労士試験に合格した実体験を公開します。合計学習時間1,050時間・1年3ヶ月で合格。どのテキストを使い、どんなスケジュールで、何につまずいたかを赤裸々に記録しました。
受験者プロフィール
- 年齢:32歳(受験時)
- 職業:メーカー人事部(労務担当5年目)
- 学歴:私立大学法学部卒
- 保有資格:衛生管理者第1種・FP3級
- 受験回数:2回(1回目は選択式で1点足切り不合格)
挑戦のきっかけ
人事部で労務管理を担当するうちに、日々の業務で触れる労基法・健保法・年金法を体系的に学びたいと感じたのがきっかけ。さらに、社労士資格があれば社内での昇進はもちろん、将来の独立開業も選択肢になるとの思いから、30歳のタイミングで本格的に勉強を開始しました。
1年目の失敗:選択式で1点足切り
初年度は市販テキスト(みんなが欲しかった!社労士の教科書)と過去問集だけで挑戦。600時間ほど学習し、択一式は基準点を突破したものの、労務管理その他の社会保険に関する一般常識の選択式で2点という結果に。総合点は合格ラインを超えていたのに、選択式の1科目足切りで不合格となりました。
「択一式で基準点取れても選択式で沈む」のが社労士試験の恐ろしさ。特に一般常識(労働・社会保険)は範囲が広く、対策しにくい科目。過去問だけでは対応できず、白書・法改正・未出題論点への幅広い準備が必須と痛感しました。
2年目の戦略転換
2年目は戦略を大幅に変更。①通信講座(アガルート総合カリキュラム)を約15万円で受講、②選択式対策に特化した問題集を追加、③白書対策講座を7〜8月に集中受講。前年の基礎があるため学習時間は450時間に抑えつつ、弱点補強に集中しました。
1日の学習スケジュール(2年目)
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 5:30〜6:30 | 通信講座の映像講義(前夜分の復習) |
| 通勤時間(片道45分) | 音声学習・ゴロ合わせ暗記 |
| 昼休み(30分) | 過去問1テーマ演習 |
| 21:30〜23:00 | メイン学習(テキスト+過去問) |
| 休日(土日) | 5〜7時間:法改正・模試・白書対策 |
使用した教材
- 通信講座:アガルート アカデミー 社労士試験講座(総合カリキュラム・約15万円)
- 市販テキスト:みんなが欲しかった!社労士の教科書2025(TAC出版)
- 過去問集:TAC社労士 過去10年本試験問題集
- 選択式対策:社労士V 直前対策 選択式問題集
- 法改正・白書:LEC 法改正&白書対策ゼミ(夏期集中講座)
- アプリ:資格道場の一問一答(スキマ時間活用)
科目別の勉強方法
労基法・安衛法
条文・判例を素直に暗記。労働時間・休日・有給休暇の数字系は完璧に。安衛法は50人以上の事業場の義務(産業医・ストレスチェック)が頻出。
労災・雇用保険
給付の種類・給付率・待期期間の整理表を自作。基本手当の給付日数表を何度も書いて暗記。2020年10月の給付制限2ヶ月化、2025年4月の出生後休業支援給付など改正に要注意。
健保・国年・厚年
年金は「老齢・障害・遺族×基礎・厚生」のマトリクスで整理。受給要件の数字(保険料納付要件3分の2、受給資格期間10年、繰下げ最大75歳)を徹底暗記。
一般常識(最難関)
白書・統計は最新データを直前に集中暗記。労働関係諸法令は「パート有期法・派遣法・育介法・均等法・障害者雇用促進法・労災保険関連法」を条文ベースで素読。
模試の活用
5月・6月・7月に大手予備校の模試を3回受験。自宅ではなく会場受験にこだわり、本番の緊張感を体験。模試後は復習ノートを作成し、間違えた論点を本番前日まで毎日見直しました。最終的に模試では択一式52点、選択式32点前後(各科目3点以上)で安定させて本番に臨みました。
試験当日の戦略
- 選択式(午前):労働関係から解答、難問は後回し・推測も徹底
- 昼休み:コンビニおにぎりと栄養補助食品で軽食、集中力維持
- 択一式(午後):労基→労災→雇用→徴収→健保→国年→厚年の順で解く
- マークシートミス防止:10問ごとに確認
合格発表の瞬間
10月第1週の合格発表日、公式サイトで自分の受験番号を見つけたときは涙が出ました。選択式38点・択一式54点で合格。前年の悔しさを晴らし、人事部内でも昇進に繋がる大きな成果となりました。
合格者からのアドバイス
- 選択式対策に全力を:択一で高得点でも選択式1科目2点で不合格
- 法改正・白書は必ず最新情報で:7〜8月の集中対策が合否を分ける
- 1年目で合格を焦らない:社労士は2〜3年計画で腰を据えて
- 独学不安なら通信講座を:映像講義で効率が10倍
- 仕事との両立は習慣化:朝活+通勤学習で1日2時間は確保
合格パターン2:40代総務人事10年(LEC通信・選択式救済で滑り込み合格型)
中堅商社の総務人事一筋10年・課長代理職の40代男性が、LEC通信講座を軸に15ヶ月・約1,100時間かけて2回目で合格したケースです。実務知識は豊富だが、年金科目の体系学習に苦戦したパターンです。
- 40代前半・中堅商社総務人事課長代理(実務10年・労務/給与/社会保険手続実務)
- 衛生管理者第1種・FP2級保有・大学経済学部卒
- 総学習時間:約1,100時間(15ヶ月・2回受験)
- 使用講座:LEC 社労士合格コース(通信・約20万円)
- 結果:1回目(選択式・労一2点で足切り)→2回目(選択式救済1点で合格)
学習スケジュール
5:00〜6:30の朝活90分+帰宅後21:30〜22:30の1時間+土日各5時間ペース。1年目はLEC基礎マスター講座を1月〜7月に全科目視聴し、択一過去問10年分を3周。1回目本試験で択一45点超を取りながら労一選択式2点で足切り。2年目は選択式対策(白書・統計・労一専用講座)に学習時間の30%を投入、最新統計と未出題条文を徹底潰し。本試験では労一選択式が難問だったが救済1点入りで合格。
使用した教材・教材費
- メイン講座:LEC 社労士合格コース(約200,000円・基礎マスター+直前対策)
- 選択式対策:LEC 選択式予想問題集+白書・統計集中ゼミ(追加5万円)
- 過去問:TAC 社労士 過去10年本試験問題集
- 市販テキスト:みんなが欲しかった!社労士の教科書(補助参照用)
- アプリ:資格道場の一問一答(通勤片道40分活用)
つまずきポイントと対策
最大の壁は選択式の労務管理その他労働一般常識。実務で触れない統計・白書・派生法令から出題され、択一の得意分野が活きません。対策として、LECの白書ゼミを2年目7〜8月に集中受講し、厚労省「労働経済白書」「労働力調査」「就業構造基本調査」の数字を毎日5分音読。さらに「未出題条文リスト」を講師から入手し、男女雇用機会均等法・育介法・障害者雇用促進法の細かい条文を1日10条ずつ素読しました。一方、年金(国年・厚年)は実務経験がほぼなかったため、「老齢・障害・遺族×基礎・厚生」のマトリクス表を自作し、各給付の支給要件・年齢・額の係数を一覧化して攻略しました。
合格してよかったこと
- 課長代理→課長への昇進が決定(年収70万円アップ)
- 社内の労務トラブル相談窓口を一任され社内プレゼンス急上昇
- 50代以降の独立・社労士事務所開業の選択肢が現実味を帯びた
- 労働関係法令の最新改正情報を社内研修講師として展開できるように
これから受験する方へのアドバイス
- 実務経験者ほど選択式に注意:択一は得点しやすいが、選択式は実務外の論点から狙われる
- 2回目受験を前提に1年目から準備:1年目は基礎固め、2年目は選択式特化が王道パターン
- 白書・統計は7〜8月の集中学習で十分:早期にやっても忘れるため、直前期に詰める
- 40代以降は通信講座への投資が結果的に最安:独学2〜3年より通信1〜2年の方がトータルコスパが良い
合格パターン3:30代育休中ママ(スタディング併用・3回目で択一足切り克服型)
第二子育休中の30代女性が、スタディング通信を活用して1.5年・約900時間で3回目に合格したケースです。行政書士は2年前に取得済みで法律学習の素地はあったものの、択一の科目別足切りに2回阻まれた苦戦型です。
- 30代後半・育休中ママ(0歳・3歳の二児育児中・前職は法律事務所パラリーガル)
- 行政書士・宅建士保有・私立大学法学部卒
- 総学習時間:約900時間(1.5年・3回受験)
- 使用講座:スタディング 社労士合格コース(約60,000円)
- 結果:1回目(択一・健保3点足切り)→2回目(択一・厚年3点足切り)→3回目で全科目基準点クリア合格
学習スケジュール
子どもの昼寝中(13:00〜14:30)と夜21:00〜22:30、隙間時間(授乳中・離乳食調理中)にスマホで動画視聴・一問一答というスタイル。スタディングの動画講義5〜10分単位が育児中の細切れ時間に最適でした。1年目は基礎マスターと過去問を一通り、2年目は健保・厚年の苦手分野に集中、3年目は苦手科目(健保・厚年・国年)の択一過去問を10年分5周して足切り突破。
使用した教材・教材費
- メイン講座:スタディング 社労士合格コース(約60,000円・スマホ完結)
- 市販テキスト:うかる!社労士テキスト&問題集(日本経済新聞出版・補助)
- 過去問アプリ:スタディング付属の択一セレクト問題集
- 苦手科目対策:『社労士のツボ 健保・年金科目別問題集』(追加購入)
- 一問一答:資格道場の社労士一問一答(授乳中スマホ活用)
つまずきポイントと対策
最大の苦戦点は健康保険法・厚生年金保険法の択一科目別足切り(基準点4点)。実務経験ゼロかつ範囲が膨大なため、1回目・2回目とも基準点に1点足りず不合格。対策として、3年目は健保・厚年の択一過去問だけを200時間集中投入。標準報酬月額・標準賞与額の上限、被保険者期間・標準報酬の按分計算、在職老齢年金の停止額算定など、計算がからむ論点をExcel表で整理。また、育児の合間に夫に問題を読み上げてもらい、口頭で5択回答する「擬似模試」を週2回実施。本番では健保6点・厚年6点・国年6点と苦手科目を全て基準点クリアでき、念願の合格を勝ち取りました。
合格してよかったこと
- 育休復帰後、社労士法人へ転職(年収+120万円・週4日勤務OK)
- ママ友からの労務・年金相談がきっかけで副業(個別相談月3万円)も開始
- 育児中でも「自分のキャリア」を持てたことで自己肯定感が劇的に向上
- 行政書士+社労士のダブル資格で将来の独立事務所開業も視野に
これから受験する方へのアドバイス
- 育児・育休中受験はスマホ完結講座が最適:5〜10分単位の動画は隙間学習との相性抜群
- 科目別足切りは「苦手科目の徹底攻略」しか道はない:得意科目で底上げは不可、各科目4点以上が必須
- 3回受験を覚悟する:合格率6〜7%は1年目突破が稀。長期戦の心構えで継続することが何より重要
- 家族の協力を仕組み化する:「夫の協力」「実家サポート」を学習時間確保の前提に組み込む
- 計算問題はExcelで整理:標準報酬・年金額・保険料率は手計算より表で覚える方が定着が早い
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