日本語検定4級「文法」の出題ポイント
日本語検定4級の「文法」領域では、品詞の見分け、動詞の活用、助詞の使い分け、主語・述語・修飾語の係り受け、受身や使役の表し方、そして「ら抜き言葉」の判別といった、中学校で学ぶ基本文法が問われます。どれも難しい専門用語を覚えるというより、「言葉と言葉のつながり方」を正しくとらえられるかがカギです。この記事では、4級で出やすい文法ポイントをやさしい例文とともに整理します。
※出題範囲は変わる場合があります。最新情報は必ず日本語検定委員会 公式情報でご確認ください。
1. 品詞を見分ける
文法の基本は、単語が文の中でどんなはたらきをするか=品詞を見分けることです。4級でよく出る品詞を整理します。
| 品詞 | はたらき | 例 |
|---|---|---|
| 名詞 | 物事の名前を表す | 本・学校・友だち |
| 動詞 | 動作や存在を表す(言い切りはウ段) | 走る・食べる・ある |
| 形容詞 | 様子を表す(言い切りが「い」) | 高い・楽しい |
| 形容動詞 | 様子を表す(言い切りが「だ」) | 静かだ・きれいだ |
| 副詞 | 主に用言を修飾する | とても・ゆっくり |
| 助詞 | 言葉の関係を示す(付属語) | が・を・に・は |
| 助動詞 | 意味を付け加える(付属語) | れる・られる・ない・た |
見分けのコツは言い切りの形です。動詞はウ段の音(〜u)で終わり、形容詞は「い」、形容動詞は「だ」で終わります。「きれいな花」の「きれいな」は、言い切ると「きれいだ」になるので形容動詞だと分かります。
2. 動詞の活用
動詞は、後ろに続く言葉によって形が変わります。これを活用といいます。4級では、活用の名前(未然・連用…)よりも、正しい形に直せるかが問われます。
| 続く言葉 | 例(書く) | 例(食べる) |
|---|---|---|
| 〜ない | 書かない | 食べない |
| 〜ます | 書きます | 食べます |
| 言い切り | 書く | 食べる |
| 〜とき | 書くとき | 食べるとき |
| 〜ば | 書けば | 食べれば |
「書く」のように語尾だけが五十音のア〜オ段で変わるものを五段活用、「食べる」「見る」のように「e段+る」「i段+る」で変わるものを一段活用と呼びます。なお「来る」「する」は特別な変わり方をする不規則な動詞です。
3. 助詞の用法
助詞は短い言葉ですが、文の意味を大きく左右します。4級では「が・を・に・へ・で・と・は・も」などの使い分けが出ます。
- が:主語を示す 例「鳥が飛ぶ」
- を:動作の対象を示す 例「本を読む」
- に:時・場所・相手などを示す 例「三時に会う」「友だちに渡す」
- へ:方向を示す 例「東へ進む」
- で:手段・場所を示す 例「ペンで書く」「公園で遊ぶ」
- は:話題(主題)を示す 例「私は学生だ」
「は」と「が」のちがいはよく問われます。「は」はその文で何について述べるか(話題)を示し、「が」は新しい情報としての主語を示すことが多い、と覚えておくと選びやすくなります。
4. 主語・述語・修飾の係り受け
「だれが(何が)」が主語、「どうする・どんなだ・何だ」が述語です。文が長くなると、主語と述語が対応しているか、修飾語がどの言葉にかかるかを問われます。
- 例「弟が 大きな 声で 歌う。」→ 主語「弟が」、述語「歌う」、「大きな」は「声」を、「声で」は「歌う」を修飾。
係り受けの問題では、修飾語のすぐ後ろではなく、意味のうえでつながる言葉を探すのがコツです。「白い 犬の しっぽ」では「白い」が「犬」か「しっぽ」かを文脈で判断します。
5. 受身・使役
助動詞「れる・られる」「せる・させる」で、動作の表し方が変わります。
| 言い方 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 受身(れる・られる) | 動作を受ける | 先生にほめられる |
| 使役(せる・させる) | 動作をさせる | 弟に手伝わせる |
同じ「られる」でも、受身・尊敬・可能・自発と複数の意味があります。4級では文脈から「動作を受けている(受身)」かどうかを見分けられれば十分です。
6. ら抜き言葉
「食べれる」「見れる」のように、本来「られる」とすべきところで「ら」を抜いてしまう言い方を「ら抜き言葉」といい、書き言葉や試験では誤りとされます。
- ×「朝早く起きれる」→ ○「起きられる」
- ×「全部食べれる」→ ○「食べられる」
- ○「本を読める」(五段活用の動詞はもともと「読める」が正しく、ら抜きではない)
見分け方は、その動詞が一段活用か五段活用かです。一段活用(食べる・見る・起きる)は「られる」が正しく、「ら」を抜くと誤りになります。
7. 例題で確認
問 次の文の――線部「静かな」の品詞を答えなさい。「静かな 教室で 本を 読む。」
答え:形容動詞。言い切ると「静かだ」になるため形容動詞です。「静かな」は連体形で、「教室」を修飾しています。
8. 自立語と付属語
単語は、それだけで意味が分かる「自立語」と、ほかの言葉にくっついて使う「付属語」に分けられます。この区別ができると、文の組み立てが見えやすくなります。
| 種類 | 特徴 | 例 |
|---|---|---|
| 自立語 | 単独で意味が分かる | 名詞・動詞・形容詞・副詞 など |
| 付属語 | 自立語にくっついて使う | 助詞(が・を・に)・助動詞(れる・ない・た) |
たとえば「犬が走った」は、「犬(名詞)+が(助詞)+走っ(動詞)+た(助動詞)」と分けられます。「が」「た」は単独では意味をなさない付属語です。
9. 文の組み立て(文節・単語)
文は、意味を壊さずに区切れる最小のまとまり「文節」に分けられます。文節の切れ目には「ね」を入れて確かめられます。
- 例「妹が(ね)公園で(ね)遊ぶ。」→ 3文節に分けられる。
- 各文節をさらに細かくすると「妹/が/公園/で/遊ぶ」と単語に分かれる。
文節どうしの関係には、主語・述語の関係、修飾・被修飾の関係、並立(〜と〜)の関係などがあります。4級では、どの文節がどの文節にかかるかを問う係り受けの問題でこの知識を使います。
10. 学習のコツ
- 品詞は言い切りの形に直してから判断する。
- 助詞は短文ごと丸ごと覚え、入れ替えて意味の変化を確かめる。
- 「ら抜き言葉」は一段活用の動詞でだけ起こる、と覚える。
- 文節の切れ目は「ね」を入れて確認する。
文法は規則がはっきりしているので、パターンを覚えれば安定して得点できます。短い例文を自分で作って品詞や文節に分ける練習をすると、理解がぐっと深まります。最後は一問一答でくり返し確認しましょう。
日本語検定4級 (文法) の一問一答 →