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秘書検定準1級 全分野の一問一答

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📖 秘書検定準1級「全分野」の全375問と解説(一覧)

秘書検定準1級の全分野に関する一問一答(全375問)の正解と解説の一覧です。上の一問一答で実際に解いてから、ここで復習・確認できます。

  1. 問1.会議で、議決に必要な最小限の出席者数のことを何というか。

    • ア.定足数
    • イ.過半数
    • ウ.採決数
    • エ.委任数

    正解:ア.定足数

    解説:定足数とは、会議が成立し議決を行うために必要な最小限の出席者数をいう。これに満たないと会議そのものが成立せず、決議も無効となる。

  2. 問2.会議で、ある事項について賛否を問い決定することを何というか。

    • ア.招集
    • イ.採決
    • ウ.招請
    • エ.上程

    正解:イ.採決

    解説:採決とは、議題について出席者の賛否を問い可否を決定する手続きをいう。採択は提出された意見・案を取り上げて選び採用すること、付議は議題として会議にかけることを指す。

  3. 問3.会議で、議題として正式に取り上げて審議にかけることを何というか。

    • ア.採決
    • イ.採択
    • ウ.上程
    • エ.動議

    正解:ウ.上程

    解説:上程とは、議案を会議の審議事項として正式に持ち出すことをいう。一括上程は複数の議案をまとめて審議にかけることを指す。採決は賛否を決すること、採択は案を選び採用することで意味が異なる。

  4. 問4.会議の最中に、出席者が議題以外の事項を口頭で正式に提議することを何というか。

    • ア.採択
    • イ.継続審議
    • ウ.分科会
    • エ.動議

    正解:エ.動議

    解説:動議とは、会議中に出席者が予定された議題以外の事項について議事を起こすよう求める正式な提議をいう。提案された案を選び採用するのは採択であり、両者は区別される。

  5. 問5.提出された議案や意見を、会議で正式に取り上げて採用することを何というか。

    • ア.採択
    • イ.採決
    • ウ.上程
    • エ.招集

    正解:ア.採択

    解説:採択とは、提出された議案・意見・請願などを会議で正式に取り上げて採用することをいう。採決は賛否を決する手続きそのものを指し、結果として採用することは採択という。

  6. 問6.ある議案について結論を出さず、次回以降の会議に持ち越して引き続き審議することを何というか。

    • ア.一括上程
    • イ.継続審議
    • ウ.分科会
    • エ.定足数

    正解:イ.継続審議

    解説:継続審議とは、結論が出ない議案を打ち切らず次回以降の会議に持ち越して審議を続けることをいう。一括上程は複数議案をまとめてかけること、分科会は部門ごとの小会議を指す。

  7. 問7.賛否同数のとき、議長が決裁のために投じる一票を何というか。

    • ア.委任状
    • イ.オブザーバー
    • ウ.キャスティングボート
    • エ.分科会

    正解:ウ.キャスティングボート

    解説:キャスティングボートとは、賛否同数の場合に議長が可否を決するために投じる決定権を持つ一票をいう。少数派が決定権を握る場合の比喩としても用いられる。

  8. 問8.会議に出席できない人が、議決権の行使を他者に委ねることを記した書面を何というか。

    • ア.始末書
    • イ.念書
    • ウ.進退伺
    • エ.委任状

    正解:エ.委任状

    解説:委任状とは、出席できない者が自らの議決権の行使を他の出席者や議長に委ねることを記した書面をいう。定足数の算定では委任状提出者を出席に含めるのが一般的である。

  9. 問9.大規模な会議で、分野ごとに分かれて専門的に審議を行う小会議を何というか。

    • ア.分科会
    • イ.本会議
    • ウ.公聴会
    • エ.全員協議会

    正解:ア.分科会

    解説:分科会とは、大きな会議の参加者を専門分野ごとに分けて個別に審議させる小会議をいう。総会で全体審議する前後に設けられ、議論を深める目的で開かれる。

  10. 問10.会議を開くために、関係者に日時・場所・議題を知らせて集まるよう求めることを何というか。

    • ア.参集
    • イ.招集
    • ウ.動議
    • エ.上程

    正解:イ.招集

    解説:招集とは、会議の主催者が構成員に対し日時・場所・議題を通知して集まるよう求めることをいう。国会の場合は天皇の国事行為として「召集」の字を用いる。

  11. 問11.会議の構成員ではないが、発言権を持たず傍聴のみを許される出席者を一般に何と呼ぶか。

    • ア.ファシリテーター
    • イ.プレゼンター
    • ウ.コーディネーター
    • エ.オブザーバー

    正解:エ.オブザーバー

    解説:オブザーバーとは、正式な構成員ではなく議決権を持たないが、会議に同席して状況を見聞きする出席者をいう。発言を求められれば意見を述べることもあるが採決には加わらない。

  12. 問12.参加者全員が車座のように向かい合い、自由に意見交換する会議形式に適した配席はどれか。

    • ア.円卓型・ロの字型
    • イ.教室型
    • ウ.劇場型
    • エ.V字型

    正解:ア.円卓型・ロの字型

    解説:少人数で自由に討議させたいときは、全員が互いの顔を見て話せる円卓(ロの字・コの字)型の配席が適する。役職順に正面を向けて並べる教室型は一方向の説明会に向く。

  13. 問13.大人数を対象に一方向で説明・報告を行う会議で、机を設けず椅子だけを前向きに並べる配席を何というか。

    • ア.ロの字型
    • イ.劇場型
    • ウ.円卓型
    • エ.アイランド型

    正解:イ.劇場型

    解説:劇場型(シアター型)は机を置かず椅子のみを前方の壇に向けて並べる配席で、多人数への講演や説明会に適する。討議には不向きである。

  14. 問14.議事録に必ず記載すべき要素として、最も適切でないものはどれか。

    • ア.開催の日時と場所
    • イ.出席者の氏名・人数
    • ウ.出席者個人の私的な感想
    • エ.決定事項と結論

    正解:ウ.出席者個人の私的な感想

    解説:議事録には開催日時・場所、出席者、議題、審議経過、決定事項などを記載する。出席者個人の私的な感想を逐一記すことは必須要素ではなく、客観的な記録に徹するのが原則である。

  15. 問15.縦書きの改まった社外文書で用いる頭語「拝啓」に対応する正しい結語はどれか。

    • ア.草々
    • イ.謹言
    • ウ.不一
    • エ.敬具

    正解:エ.敬具

    解説:拝啓には敬具(女性は「かしこ」も可)が対応する。謹啓には謹言・謹白、前略には草々が対応し、頭語と結語の組み合わせを誤らないことが求められる。

  16. 問16.特に改まった相手や重要な文書で用いる頭語「謹啓」に対応する結語はどれか。

    • ア.謹言
    • イ.敬具
    • ウ.草々
    • エ.早々

    正解:ア.謹言

    解説:謹啓には謹言または謹白が対応する。拝啓には敬具、前略には草々が対応するので混同しない。謹啓は拝啓よりも一段あらたまった頭語である。

  17. 問17.前文を省略して用件に入る頭語「前略」に対応する結語はどれか。

    • ア.敬具
    • イ.草々
    • ウ.謹白
    • エ.敬白

    正解:イ.草々

    解説:前略は時候のあいさつなど前文を省く頭語で、結語は草々(または「不一」)が対応する。急ぎの用件や略式の手紙に用い、目上の相手や礼を尽くすべき文書には使わない。

  18. 問18.返信の手紙の頭語として用いられ、「お手紙拝見しました」の意を含む語はどれか。

    • ア.拝啓
    • イ.謹啓
    • ウ.拝復
    • エ.再啓

    正解:ウ.拝復

    解説:拝復は受け取った手紙に対する返信に用いる頭語で、結語は敬具が対応する。最初に出す手紙の拝啓と区別される。

  19. 問19.社外文書のうち、祝賀・礼状・見舞いなど儀礼を目的とする文書を総称して何というか。

    • ア.通知文書
    • イ.稟議文書
    • ウ.帳票文書
    • エ.社交文書

    正解:エ.社交文書

    解説:社交文書とは、祝い状・礼状・案内状・見舞状・悔やみ状など、業務連絡そのものより儀礼・交際を目的とする社外文書をいう。取引上の事務連絡を行う取引文書と区別される。

  20. 問20.官公庁や会社など、組織・団体宛てに文書を出すとき宛名に付ける敬称はどれか。

    • ア.御中
    • イ.様
    • ウ.各位
    • エ.先生

    正解:ア.御中

    解説:組織・団体宛てには「御中」を用いる。「様」「殿」は個人宛て、「各位」は複数の個人宛てに用いる。個人名と組織名を併記する場合は個人名に「様」を付け「御中」は付けない。

  21. 問21.同じ文書を多数の人に同時に出すとき、宛名に用いる敬称はどれか。

    • ア.御中
    • イ.各位
    • ウ.殿
    • エ.様方

    正解:イ.各位

    解説:「各位」は複数の個人それぞれに敬意を表す敬称で、「会員各位」「お得意様各位」のように用いる。「各位様」「各位殿」と重ねるのは誤りである。

  22. 問22.医師・弁護士・教師など、特定の専門職や指導的立場の人への敬称として慣用的に用いられるものはどれか。

    • ア.御中
    • イ.各位
    • ウ.先生
    • エ.殿

    正解:ウ.先生

    解説:「先生」は医師・弁護士・教師・議員など指導的・専門的立場の人に対する敬称として慣用される。これらの相手に「様」を用いても誤りではないが、慣例上「先生」が適する場面が多い。

  23. 問23.宛名を「○○方」とするのは、どのような場合か。

    • ア.受取人が組織・団体のとき
    • イ.受取人が複数の個人のとき
    • ウ.受取人が役職者のとき
    • エ.受取人が他人の住所に同居・寄宿しているとき

    正解:エ.受取人が他人の住所に同居・寄宿しているとき

    解説:「○○方(がた)」は、受取人が別世帯や勤務先など他人の住所に間借り・寄宿しているときに、その世帯主や所在先を示すために用いる。敬称ではなく所在を示す語である。

  24. 問24.11月に出す改まった手紙の時候のあいさつとして、最も適切なものはどれか。

    • ア.晩秋の候
    • イ.新緑の候
    • ウ.盛夏の候
    • エ.初春の候

    正解:ア.晩秋の候

    解説:11月は晩秋から初冬で「晩秋の候」「向寒の候」「霜降の候」などが適する。「新緑の候」は5月、「盛夏の候」は7〜8月、「初春の候」は1月に用いる時候の語である。

  25. 問25.7月の盛夏に出す手紙の時候のあいさつとして適切なものはどれか。

    • ア.陽春の候
    • イ.盛夏の候
    • ウ.向寒の候
    • エ.厳寒の候

    正解:イ.盛夏の候

    解説:7月の暑い盛りには「盛夏の候」「炎暑の候」「酷暑の候」などが適する。「陽春の候」は4月、「向寒の候」は11月ごろ、「厳寒の候」は1〜2月に用いる。

  26. 問26.取引先から商品の在庫の有無を問い合わせる文書を出す場合、その文書は何文書と呼ばれるか。

    • ア.回答文書
    • イ.督促文書
    • ウ.照会文書
    • エ.案内文書

    正解:ウ.照会文書

    解説:照会文書とは、不明な事柄や必要な情報を相手に問い合わせる文書をいう。これに対し答える文書が回答文書である。依頼文書は何かを頼む文書で目的が異なる。

  27. 問27.相手からの問い合わせに対して答える文書を何というか。

    • ア.照会文書
    • イ.通知文書
    • ウ.案内文書
    • エ.回答文書

    正解:エ.回答文書

    解説:回答文書とは、照会・依頼などに対して可否や内容を答える文書をいう。問い合わせる側が照会文書、答える側が回答文書という関係になる。

  28. 問28.支払いや納品の期限が過ぎても履行されないとき、その履行を促すために出す文書を何というか。

    • ア.督促文書
    • イ.照会文書
    • ウ.回答文書
    • エ.わび状

    正解:ア.督促文書

    解説:督促文書(催促状)とは、約束された支払い・納品・返答などが期限を過ぎても行われないとき、その履行を促すために出す文書をいう。相手の事情に配慮しつつも明確に求める内容とする。

  29. 問29.取引上のミスや不手際について、相手に謝罪するために出す文書を何というか。

    • ア.督促文書
    • イ.わび状
    • ウ.照会文書
    • エ.添え状

    正解:イ.わび状

    解説:わび状(陳謝状)とは、自社の過失や不手際について相手に謝罪する文書をいう。社交文書の一種で、事実を認め誠意を示すとともに、再発防止や善後策に触れるのが望ましい。

  30. 問30.弔事に際して出す悔やみ状の書き方として、最も適切なものはどれか。

    • ア.頭語と時候のあいさつを丁寧に書く
    • イ.祝い事と同様に「重ね重ね」を用いる
    • ウ.前文を省きすぐに弔意を述べ、忌み言葉を避ける
    • エ.近況報告を長く述べてから弔意を書く

    正解:ウ.前文を省きすぐに弔意を述べ、忌み言葉を避ける

    解説:悔やみ状では「拝啓」などの頭語や時候のあいさつ、前文を省いてすぐに弔意を述べるのが礼儀とされる。また「重ね重ね」「再び」など不幸の繰り返しを連想させる忌み言葉を避ける。

  31. 問31.結婚や開店などの祝い状を書く際、避けるべき言葉として最も適切なものはどれか。

    • ア.ますます
    • イ.いよいよ
    • ウ.喜ばしい
    • エ.終わる・切れる

    正解:エ.終わる・切れる

    解説:慶事の祝い状では「切れる」「終わる」「衰える」など縁起の悪い忌み言葉を避ける。特に結婚の祝いでは「別れる」「離れる」「再び」なども避けるべきとされる。

  32. 問32.祝賀パーティーや展示会などへの出席を促すために出す文書を何というか。

    • ア.案内文書
    • イ.督促文書
    • ウ.照会文書
    • エ.回答文書

    正解:ア.案内文書

    解説:案内文書とは、会合・式典・展示会などへの出席や来場を促すために、日時・場所・内容を知らせる文書をいう。相手に行動を求める点で、単に知らせる通知文書と性格が近いが目的が出席勧奨にある。

  33. 問33.文書の右肩などに押す「秘」の表示は、何を意味するか。

    • ア.至急処理を要する文書
    • イ.取扱いを限る機密文書
    • ウ.宛名本人が開封する文書
    • エ.複写を許可する文書

    正解:イ.取扱いを限る機密文書

    解説:「秘」は機密文書であることを示す表示で、取扱いを限られた者に限定する。発送時は二重封筒にし内側の封筒に「秘」を表示するなど、外から内容が分からないよう配慮する。

  34. 問34.封筒に「親展」と記すのは、どのような意図を示すためか。

    • ア.至急配達してほしいこと
    • イ.料金が未納であること
    • ウ.宛名本人に開封してほしいこと
    • エ.複数名に回覧してほしいこと

    正解:ウ.宛名本人に開封してほしいこと

    解説:「親展」は宛名本人が自ら開封してほしいという意思を示す表示で、秘書など第三者が開封してはならない。受信文書を整理する際は親展の有無を確認することが重要である。

  35. 問35.現金を郵送する場合、法律上必ず利用しなければならない郵便はどれか。

    • ア.簡易書留
    • イ.特定記録郵便
    • ウ.速達
    • エ.現金書留

    正解:エ.現金書留

    解説:現金を郵便で送るには、専用の現金書留封筒を用いる現金書留に限られる。普通郵便や一般の書留で現金を送ることは法律で認められていない。万一の場合は申告額の範囲で賠償される。

  36. 問36.引受けから配達までの記録が残り、万一の紛失時に差出時の申告額まで賠償される、一般的な書留はどれか。

    • ア.一般書留
    • イ.特定記録郵便
    • ウ.レターパックライト
    • エ.料金別納郵便

    正解:ア.一般書留

    解説:一般書留は引受け・中継・配達の記録が残り、紛失・破損時に申告額(実損額)の範囲で賠償される。有価証券や重要書類の送付に適する。現金は現金書留に限られる。

  37. 問37.引受けの記録のみが残り、配達は受領印を取らず郵便受けに投函される、比較的安価なサービスはどれか。

    • ア.一般書留
    • イ.特定記録郵便
    • ウ.簡易書留
    • エ.現金書留

    正解:イ.特定記録郵便

    解説:特定記録郵便は引受けの記録が残り追跡できるが、配達は受領印を取らずに郵便受けへ投函される。書留より安価だが配達記録や賠償はない点が異なる。

  38. 問38.書留のうち賠償額の上限が定められ、引受けと配達の記録のみを行う、比較的安価な書留はどれか。

    • ア.一般書留
    • イ.特定記録郵便
    • ウ.簡易書留
    • エ.現金書留

    正解:ウ.簡易書留

    解説:簡易書留は引受けと配達の記録を行い、賠償は原則として上限が定められた範囲に限られる(中継の記録は省略)。一般書留より安価で、重要度がそれほど高くない書類などに用いる。

  39. 問39.通常の郵便より早く配達してほしいときに付加するサービスはどれか。

    • ア.親展
    • イ.料金後納
    • ウ.配達証明
    • エ.速達

    正解:エ.速達

    解説:速達は、通常郵便より優先的に運送・配達してもらう付加サービスで、料金を加算して利用する。書留など他のサービスと併用することもできる。

  40. 問40.A4書類などを全国一律料金で追跡付きで送れ、対面・受領印ありのサービスはどれか。

    • ア.レターパックプラス
    • イ.レターパックライト
    • ウ.スマートレター
    • エ.ゆうメール

    正解:ア.レターパックプラス

    解説:レターパックプラスは専用封筒を用い全国一律料金で、対面で届けて受領印または署名を受ける追跡付きサービスである。郵便受けへ投函されるレターパックライトとは配達方法が異なる。

  41. 問41.同一差出人が同時に10通以上の郵便を出すとき、切手を貼らず一括して料金を現金で支払う方法はどれか。

    • ア.料金後納
    • イ.料金別納
    • ウ.料金受取人払
    • エ.料金計器別納

    正解:イ.料金別納

    解説:料金別納は、同時に同額の郵便物を一定数以上(通常10通以上)まとめて出すとき、所定の表示をして料金を一括現金支払いする方法。後日まとめて支払うのは料金後納で、後納は事前の承認・契約が必要である。

  42. 問42.毎月多数の郵便を出す企業が、1か月分の料金を翌月にまとめて支払う、事前承認制の方法はどれか。

    • ア.料金別納
    • イ.料金受取人払
    • ウ.料金後納
    • エ.現金書留

    正解:ウ.料金後納

    解説:料金後納は、郵便局の事前承認を受けた差出人が、1か月分の郵便料金を翌月一括で支払う方法。その都度の支払いが不要で大量発送に便利。発送時にまとめて現金払いするのは料金別納である。

  43. 問43.アンケートの回収など、返信した受取人ではなく差出人が郵便料金を負担する仕組みはどれか。

    • ア.料金別納
    • イ.料金後納
    • ウ.特定記録
    • エ.料金受取人払

    正解:エ.料金受取人払

    解説:料金受取人払は、返信用郵便などで受取人(=回収する事業者)が、実際に返送されてきた分の料金を負担する制度。事前に郵便局の承認を受ける必要がある。

  44. 問44.郵便物が確かに配達されたことを後日証明してもらえる、一般書留に付加できるサービスはどれか。

    • ア.配達証明
    • イ.内容証明
    • ウ.特定記録
    • エ.速達

    正解:ア.配達証明

    解説:配達証明は、一般書留とした郵便物について、いつ配達したかを郵便局が証明するサービス。内容そのものを証明するのは内容証明であり、両者は目的が異なる。

  45. 問45.どのような内容の文書を、いつ、誰が誰に差し出したかを郵便局が証明する制度はどれか。

    • ア.配達証明
    • イ.内容証明
    • ウ.簡易書留
    • エ.特定記録

    正解:イ.内容証明

    解説:内容証明は、文書の内容・差出日・差出人・受取人を郵便局(日本郵便)が証明する制度で、債権の督促や契約解除の通知など法的に証拠を残したい場合に用いる。一般書留が前提となる。

  46. 問46.受発信文書を管理する際、受信した文書にまず行うべき処理として適切なものはどれか。

    • ア.そのまま破棄する
    • イ.差出人に返送する
    • ウ.受付日付を記録してから回付する
    • エ.内容を要約して原本を捨てる

    正解:ウ.受付日付を記録してから回付する

    解説:受信文書は開封後、受付日付印(受信日付)を押し受信簿などに記録してから担当部署へ回付するのが基本である。親展・書留などは扱いに注意する。日付を残すことで処理の遅延や紛失を防ぐ。

  47. 問47.文書を一定期間保存した後の取扱いを定める「保存年限」について、最も適切な説明はどれか。

    • ア.文書を作成するのに要する期間
    • イ.文書が配達されるまでの期間
    • ウ.文書を回覧する期間
    • エ.文書を保存しておくべき期間

    正解:エ.文書を保存しておくべき期間

    解説:保存年限とは、文書を法令や社内規程に従い保存しておくべき期間をいう。年限を過ぎた文書は規程に基づき廃棄・移管する。永久保存すべきものと一定年限で廃棄するものを区別して管理する。

  48. 問48.現用の文書を保管する場所から、利用頻度の低くなった文書を別の保存場所へ移すことを何というか。

    • ア.移し替え
    • イ.差し替え
    • ウ.とじ替え
    • エ.置き換え

    正解:ア.移し替え

    解説:移し替え(移管)とは、日常的に使う文書の保管場所から、参照頻度の下がった文書を書庫など別の保存スペースへ移すことをいう。これにより手元のファイルを常に使いやすい状態に保つ。

  49. 問49.ファイリングで、文書を「取引先別」「テーマ別」などの分類項目ごとにまとめて整理する方式を何というか。

    • ア.五十音別整理
    • イ.件名別整理
    • ウ.番号別整理
    • エ.地域別整理

    正解:イ.件名別整理

    解説:件名(主題)別整理は、内容のテーマや取引先などの項目ごとに文書をまとめる方式で、関連文書を一括して参照しやすい。これに対し時系列に並べるのが年月日別整理である。

  50. 問50.文書に通し番号を付け、その番号順に整理・検索する方式の長所として適切なものはどれか。

    • ア.索引なしで内容が一目で分かる
    • イ.分類項目を考える必要がない
    • ウ.無限に追加でき機密保持に優れる
    • エ.古い文書ほど前に並ぶ

    正解:ウ.無限に追加でき機密保持に優れる

    解説:番号別整理は文書に一連番号を付して並べる方式で、無限に追加でき、機密保持にも優れる(番号からは内容が分からない)。ただし検索には番号と件名を対応させる索引が別途必要になる。

  51. 問51.受け取った名刺を整理する方法として、ビジネスで一般的かつ検索しやすいものはどれか。

    • ア.受け取った日付順に積み重ねる
    • イ.色の濃い名刺から順に並べる
    • ウ.大きさの順に並べる
    • エ.会社名や氏名の五十音順に整理する

    正解:エ.会社名や氏名の五十音順に整理する

    解説:名刺は会社名または氏名の五十音順に整理するのが一般的で、必要なときに素早く探せる。業種別・地域別に分けることもあるが、基本は五十音順の名刺整理箱やファイルで管理する。

  52. 問52.メーカーから集めたカタログ類を整理する方法として、最も適切なものはどれか。

    • ア.商品分野・メーカー別に分類し最新版に差し替える
    • イ.受け取った順に重ねて保管する
    • ウ.すべて縮小コピーして1冊にとじる
    • エ.古い版も新しい版も区別せず保管する

    正解:ア.商品分野・メーカー別に分類し最新版に差し替える

    解説:カタログは商品分野・メーカー別に分類し、薄いものはハンギングフォルダーや袋ファイルに、厚いものは書架に立てて整理する。版が新しくなったら古いものと差し替え、常に最新版を保つことが重要である。

  53. 問53.国の法令の公布や政府の公示事項などを掲載する、国が発行する刊行物はどれか。

    • ア.白書
    • イ.官報
    • ウ.年鑑
    • エ.会社四季報

    正解:イ.官報

    解説:官報は、法律・政令の公布や叙位叙勲、各種公告など国の公示事項を掲載する政府発行の機関紙で、原則毎日発行される。白書とは性格が異なる。

  54. 問54.各省庁が所管分野の実態や施策を国民に報告するためにまとめた刊行物を一般に何というか。

    • ア.官報
    • イ.紳士録
    • ウ.白書
    • エ.人名録

    正解:ウ.白書

    解説:白書とは、政府の各省庁が経済・労働・環境など所管分野の現状・分析・施策を国民に報告するためにまとめた刊行物の通称をいう(経済財政白書、厚生労働白書など)。官報のような公示とは異なる。

  55. 問55.上場企業などの業績・財務・株価・特色を一冊にまとめ、年4回発行される投資・企業調査の定番資料はどれか。

    • ア.官報
    • イ.白書
    • ウ.年鑑
    • エ.会社四季報

    正解:エ.会社四季報

    解説:会社四季報は、上場企業の業績・財務状況・株価・事業の特色などを簡潔にまとめた季刊(年4回)の企業情報誌で、取引先調査や投資の参考に広く用いられる。

  56. 問56.特定分野の著名人・有力者の経歴や住所などを収録した名簿形式の資料を何というか。

    • ア.紳士録
    • イ.会社四季報
    • ウ.白書
    • エ.年鑑

    正解:ア.紳士録

    解説:紳士録は、社会的に著名な人物・有力者の氏名・経歴・住所などを収録した人名資料をいう。人名録とほぼ同義で用いられ、相手先の経歴調査などに利用される。

  57. 問57.ある分野の1年間の出来事・統計・資料を年ごとにまとめて刊行する資料を何というか。

    • ア.官報
    • イ.年鑑
    • ウ.四季報
    • エ.白書

    正解:イ.年鑑

    解説:年鑑とは、特定分野や社会全般の1年間の動向・統計・主要事項を年ごとに編集して毎年刊行する資料をいう(出版年鑑、統計年鑑など)。最新の年間データを調べる際に役立つ。

  58. 問58.毎月1回発行される雑誌の刊行形態を表す語はどれか。

    • ア.隔月刊
    • イ.季刊
    • ウ.月刊
    • エ.旬刊

    正解:ウ.月刊

    解説:月刊は毎月1回発行される刊行形態をいう。隔月刊は2か月に1回、季刊は3か月に1回(年4回)、旬刊は10日に1回の発行を指す。発行間隔を表す語を正しく区別する。

  59. 問59.2か月に1回のペースで発行される刊行形態を表す語はどれか。

    • ア.月刊
    • イ.季刊
    • ウ.週刊
    • エ.隔月刊

    正解:エ.隔月刊

    解説:隔月刊は2か月に1回(年6回)発行される刊行形態をいう。月刊は毎月、季刊は年4回、週刊は毎週の発行で、間隔がそれぞれ異なる。

  60. 問60.3か月に1回、年4回発行される刊行形態を表す語はどれか。

    • ア.季刊
    • イ.月刊
    • ウ.隔月刊
    • エ.旬刊

    正解:ア.季刊

    解説:季刊は3か月ごと、年4回発行される刊行形態をいう。会社四季報のように季節(四半期)単位で発行される資料が代表例である。隔月刊(年6回)や月刊(年12回)と混同しない。

  61. 問61.時間の経過に伴う数量の連続的な変化や推移を示すのに最も適したグラフはどれか。

    • ア.円グラフ
    • イ.折れ線グラフ
    • ウ.棒グラフ
    • エ.帯グラフ

    正解:イ.折れ線グラフ

    解説:折れ線グラフは、月別売上高や気温など、時間の経過に伴う数量の連続的な変化・傾向を示すのに適する。項目間の大小比較には棒グラフ、構成比には円・帯グラフが向く。

  62. 問62.複数の項目の数量の大小を比較するのに最も適したグラフはどれか。

    • ア.折れ線グラフ
    • イ.円グラフ
    • ウ.棒グラフ
    • エ.レーダーチャート

    正解:ウ.棒グラフ

    解説:棒グラフは、地域別売上や製品別生産量など、独立した項目同士の数量の大小を比較するのに適する。連続的な変化を示すなら折れ線、全体に対する割合なら円・帯グラフを用いる。

  63. 問63.全体を100%として、各項目が占める構成比を扇形の大きさで示すのに適したグラフはどれか。

    • ア.棒グラフ
    • イ.折れ線グラフ
    • ウ.レーダーチャート
    • エ.円グラフ

    正解:エ.円グラフ

    解説:円グラフは全体に対する各項目の構成比(割合)を扇形の中心角で示すのに適する。1つの母数の内訳を見せたいときに用い、通常は構成比の大きい順に時計回りで配置する。

  64. 問64.複数のデータの構成比を帯状に並べ、年度間などで割合の変化を比較するのに適したグラフはどれか。

    • ア.帯グラフ
    • イ.円グラフ
    • ウ.折れ線グラフ
    • エ.棒グラフ

    正解:ア.帯グラフ

    解説:帯グラフは、各年度などの構成比を同じ長さの帯で表し、複数の帯を並べて割合の推移を比較するのに適する。1つの構成比だけを示すなら円グラフ、数量比較なら棒グラフが向く。

  65. 問65.複数の評価項目のバランスを、中心から放射状に伸ばした軸上にプロットして示すグラフはどれか。

    • ア.帯グラフ
    • イ.レーダーチャート
    • ウ.円グラフ
    • エ.折れ線グラフ

    正解:イ.レーダーチャート

    解説:レーダーチャートは、複数の項目を中心から放射状の軸に取り、各値を結んで多角形で表すことで、項目間のバランスや傾向を一目で把握できる。能力評価や製品比較などに用いる。

  66. 問66.市区町村に印鑑登録した、法的に最も効力の高い印章を何というか。

    • ア.認印
    • イ.銀行印
    • ウ.実印
    • エ.訂正印

    正解:ウ.実印

    解説:実印とは、市区町村の役所に印鑑登録した印で、印鑑証明書と併せて本人の意思を法的に証明する最も重要な印章。不動産取引や契約など重要な場面で用いる。登録していない印は認印である。

  67. 問67.印鑑登録をしていない、日常的な確認や受領に用いる印章を何というか。

    • ア.実印
    • イ.契印
    • ウ.割印
    • エ.認印

    正解:エ.認印

    解説:認印とは、役所に登録していない印で、書類の確認・受領・回覧など日常的な場面で用いる。法的効力は実印に劣るが、押印の事実は意思表示とみなされるため安易な押印は避ける。

  68. 問68.金融機関に届け出て、預金の引き出しや取引に用いる印章を何というか。

    • ア.銀行印
    • イ.実印
    • ウ.消印
    • エ.捨印

    正解:ア.銀行印

    解説:銀行印とは、口座開設時に金融機関へ届け出た印で、預金の払い戻しなど金融取引に用いる。安全のため実印や認印とは別の印を銀行印として登録するのが望ましい。

  69. 問69.契約書が複数枚にわたるとき、ページのつながりを示し改ざんを防ぐためにとじ目や継ぎ目に押す印を何というか。

    • ア.割印
    • イ.契印
    • ウ.消印
    • エ.訂正印

    正解:イ.契印

    解説:契印とは、契約書が2枚以上にわたるとき、ページの継ぎ目やとじ目にまたがって押し、一連の文書であること・抜き取りや差し替えがないことを示す印である。文書が連続していることを保証する。

  70. 問70.正本と副本、契約書とその控えなど、2部の文書が同一・関連であることを示すため両方にまたがって押す印を何というか。

    • ア.契印
    • イ.捨印
    • ウ.割印
    • エ.消印

    正解:ウ.割印

    解説:割印とは、正本と控え、原本と写しなど別々の2通の文書にまたがって押し、それらが同時に作成された関連文書であることを示す印である。同一書類内のページをつなぐ契印とは区別される。

  71. 問71.文書の字句を後から訂正できるよう、あらかじめ欄外に押しておく印を何というか。

    • ア.訂正印
    • イ.契印
    • ウ.消印
    • エ.捨印

    正解:エ.捨印

    解説:捨印とは、後日の字句訂正に備えて、あらかじめ文書の欄外に押しておく印をいう。相手に無断で内容を書き換えられる危険があるため、信頼できる相手以外には押さないのが原則である。

  72. 問72.切手や収入印紙が再使用されないよう、その上にまたがって押す印を何というか。

    • ア.消印
    • イ.割印
    • ウ.契印
    • エ.捨印

    正解:ア.消印

    解説:消印とは、切手や収入印紙の再使用を防ぐため、印紙・切手と台紙にまたがって押す印をいう。郵便局が切手に押すものや、文書に貼った収入印紙に押すものがこれにあたる。

  73. 問73.文書中の誤字を訂正したとき、訂正者が確かに訂正したことを示すために訂正箇所の近くに押す小さな印を何というか。

    • ア.捨印
    • イ.訂正印
    • ウ.消印
    • エ.割印

    正解:イ.訂正印

    解説:訂正印とは、文書の字句を訂正した際、訂正した文字数を欄外に記すなどとともに、訂正が正当に行われたことを示すために押す印をいう。あらかじめ押す捨印とは押す時点が異なる。

  74. 問74.稟議書のように、関係者へ順に回して承認の押印を得ながら決裁を進める方式の文書の特徴として適切なものはどれか。

    • ア.必ず社外に発信する
    • イ.口頭のみで処理する
    • ウ.会議を開かず関係者の押印を得て決裁する
    • エ.署名押印を必要としない

    正解:ウ.会議を開かず関係者の押印を得て決裁する

    解説:稟議書は、起案者が作成し関係者・決裁者へ順に回覧して押印(合議)を得ながら承認を進める社内文書である。会議を開かずに関係者の意思決定を得られる点に特徴がある。

  75. 問75.電子文書を扱う際、紙の押印に代わって本人性と非改ざんを担保する仕組みはどれか。

    • ア.スキャン保存
    • イ.PDF変換
    • ウ.パスワード設定
    • エ.電子署名

    正解:エ.電子署名

    解説:電子署名は、電子文書について作成者が本人であること(本人性)と、作成後に内容が改ざんされていないこと(完全性)を証明する仕組みで、紙文書の署名・押印に相当する役割を果たす。

  76. 問76.ある企業が他社の株式の過半数を取得して経営権を握ることを総称して何と呼ぶか。

    • ア.M&A
    • イ.OEM
    • ウ.CSR
    • エ.OJT

    正解:ア.M&A

    解説:M&A(Mergers and Acquisitions)は「合併と買収」の総称で、株式取得や事業譲渡により他社を支配下に置く手法をいう。提携やリストラとは異なる概念である。

  77. 問77.株式公開買付けと呼ばれ、不特定多数の株主から市場外で株式を買い集めることを表す略語はどれか。

    • ア.MBO
    • イ.TOB
    • ウ.IPO
    • エ.LBO

    正解:イ.TOB

    解説:TOB(Take-Over Bid)は株式公開買付けで、買付価格・期間・株数を公告し市場外で株式を買い集める手法。M&Aの一手段だが、概念としてはM&Aより狭い。

  78. 問78.会社の経営陣が自社の株式や事業を買い取って独立・経営権を取得することを指す略語はどれか。

    • ア.TOB
    • イ.M&A
    • ウ.MBO
    • エ.IPO

    正解:ウ.MBO

    解説:MBO(Management Buyout)は経営陣による自社買収で、上場廃止や親会社からの独立に用いられる。TOBが対外的買付であるのに対し、MBOは経営陣自身が買い手となる点が異なる。

  79. 問79.未上場の会社が新たに株式を証券取引所に上場し、広く一般投資家から資金を集めることを指す略語はどれか。

    • ア.TOB
    • イ.MBO
    • ウ.M&A
    • エ.IPO

    正解:エ.IPO

    解説:IPO(Initial Public Offering)は新規株式公開で、未上場企業が初めて株式を市場に上場し資金調達を行うこと。すでに上場している会社の追加発行とは区別される。

  80. 問80.他社の株式を保有して支配・管理することを主な事業目的とする会社を何と呼ぶか。

    • ア.持株会社
    • イ.子会社
    • ウ.関連会社
    • エ.合弁会社

    正解:ア.持株会社

    解説:持株会社(ホールディングカンパニー)は他社株式の保有を通じてグループ企業を支配・管理する会社。みずから事業を行わない純粋持株会社と、事業も営む事業持株会社がある。

  81. 問81.企業が株主・取引先・従業員などの利害関係者に対し、健全で公正な経営を行う仕組みや統治を指す用語はどれか。

    • ア.コンプライアンス
    • イ.コーポレートガバナンス
    • ウ.ディスクロージャー
    • エ.アカウンタビリティ

    正解:イ.コーポレートガバナンス

    解説:コーポレートガバナンス(企業統治)は経営の透明性・公正性を確保し、不正を防ぐための監督の仕組みをいう。コンプライアンスは法令遵守を指し、概念が異なる。

  82. 問82.企業が法令や社会規範を守りながら事業活動を行うことを指す用語はどれか。

    • ア.ガバナンス
    • イ.アカウンタビリティ
    • ウ.コンプライアンス
    • エ.ステークホルダー

    正解:ウ.コンプライアンス

    解説:コンプライアンスは法令遵守を中心に、社内規程や社会的ルールを守ることを意味する。ガバナンスが「統治の仕組み」を指すのに対し、コンプライアンスは「守ること」そのものを指す。

  83. 問83.業務が適正かつ効率的に行われるよう、社内に設ける管理・統制の仕組みを何と呼ぶか。

    • ア.外部監査
    • イ.株主総会
    • ウ.内部告発
    • エ.内部統制

    正解:エ.内部統制

    解説:内部統制は、業務の有効性・財務報告の信頼性・法令遵守などを確保するため社内に整える管理体制をいう。不正防止やリスク管理の基盤となる仕組みである。

  84. 問84.会社が長期の資金を調達するために発行し、投資家への返済義務がある有価証券はどれか。

    • ア.社債
    • イ.株式
    • ウ.手形
    • エ.小切手

    正解:ア.社債

    解説:社債は会社が資金調達のために発行する債券で、満期に元本を返済し利息を支払う義務がある。株式は返済義務がなく出資者に株主の地位を与える点で異なる。

  85. 問85.企業のある時点の資産・負債・純資産の状態を一覧で示し、財政状態を表す財務諸表はどれか。

    • ア.損益計算書
    • イ.貸借対照表
    • ウ.キャッシュフロー計算書
    • エ.株主資本等変動計算書

    正解:イ.貸借対照表

    解説:貸借対照表(B/S)は決算日など一時点の資産・負債・純資産を示し、企業の財政状態を表す。一定期間の経営成績を示す損益計算書とは性質が異なる。

  86. 問86.一定期間の収益と費用を対比し、利益または損失を示す財務諸表はどれか。

    • ア.貸借対照表
    • イ.キャッシュフロー計算書
    • ウ.損益計算書
    • エ.製造原価報告書

    正解:ウ.損益計算書

    解説:損益計算書(P/L)は一会計期間の収益・費用・利益を示し、経営成績を表す。一時点の財政状態を示す貸借対照表(B/S)と対をなす基本財務諸表である。

  87. 問87.一定期間における現金の収入と支出の流れを示す財務諸表はどれか。

    • ア.貸借対照表
    • イ.損益計算書
    • ウ.利益処分計算書
    • エ.キャッシュフロー計算書

    正解:エ.キャッシュフロー計算書

    解説:キャッシュフロー計算書は営業・投資・財務の活動ごとに現金の増減を示す。利益が出ていても現金が不足する状態を把握でき、資金繰りの判断に役立つ。

  88. 問88.売上高と費用が一致し、利益も損失も出ない売上高の水準を何と呼ぶか。

    • ア.損益分岐点
    • イ.限界利益
    • ウ.固定費
    • エ.変動費

    正解:ア.損益分岐点

    解説:損益分岐点は売上高と総費用が等しく利益がゼロになる点。これを上回れば黒字、下回れば赤字となり、採算ラインの判断に用いる重要な概念である。

  89. 問89.建物や機械などの固定資産の取得費用を、使用できる期間にわたって分割して費用計上する会計処理を何と呼ぶか。

    • ア.引当金
    • イ.減価償却
    • ウ.棚卸資産
    • エ.のれん

    正解:イ.減価償却

    解説:減価償却は固定資産の取得原価を耐用年数に応じて各期に費用配分する処理。定額法や定率法があり、資産の価値減少を会計上反映させる手続きである。

  90. 問90.親会社と子会社など企業グループ全体を一つの組織とみなして作成する決算を何と呼ぶか。

    • ア.連結決算
    • イ.確定決算
    • ウ.単独決算
    • エ.中間決算

    正解:ア.連結決算

    解説:連結決算は親会社と支配下の子会社をまとめ、グループ全体の財政状態と経営成績を示す決算。個別企業ごとの単独決算とは対象範囲が異なる。

  91. 問91.株主が出資した自己資本に対し、企業がどれだけの利益を上げたかを示す指標はどれか。

    • ア.ROA
    • イ.PER
    • ウ.PBR
    • エ.ROE

    正解:エ.ROE

    解説:ROE(自己資本利益率)は当期純利益を自己資本で割った指標で、株主資本の運用効率を表す。総資産を分母とするROAとは分母が異なる点に注意する。

  92. 問92.企業が保有する総資産を使って、どれだけ効率的に利益を生み出したかを示す指標はどれか。

    • ア.ROA
    • イ.ROE
    • ウ.EPS
    • エ.ROI

    正解:ア.ROA

    解説:ROA(総資産利益率)は利益を総資産で割った指標で、資産全体の運用効率を表す。自己資本のみを分母とするROEと混同しないよう注意する。

  93. 問93.一定の期日に一定金額の支払いを約束する有価証券で、主に企業間の信用取引に用いられるものはどれか。

    • ア.小切手
    • イ.手形
    • ウ.商品券
    • エ.社債

    正解:イ.手形

    解説:手形は将来の一定期日に代金を支払うことを約束する有価証券で、支払猶予を伴う信用取引に使われる。即時の支払手段である小切手とは支払時期が異なる。

  94. 問94.銀行に預けた預金を引き当てに、券面記載額を即時に支払うことを目的とした有価証券はどれか。

    • ア.手形
    • イ.約束手形
    • ウ.小切手
    • エ.国債

    正解:ウ.小切手

    解説:小切手は当座預金を引き当てに、券面金額を即時に支払う有価証券で現金の代わりに使われる。将来期日に支払う手形とは支払時期の点で区別される。

  95. 問95.取引先の支払能力や信用度を評価し、後払い取引の限度額などを設定する管理を何と呼ぶか。

    • ア.在庫管理
    • イ.原価管理
    • ウ.工程管理
    • エ.与信管理

    正解:エ.与信管理

    解説:与信管理は取引先の信用力を調査・評価し、掛取引の限度額や条件を定めて貸し倒れを防ぐ管理。代金回収のリスクを抑えるための重要な実務である。

  96. 問96.負債の総額が資産の総額を上回り、純資産がマイナスになった状態を何と呼ぶか。

    • ア.債務超過
    • イ.赤字決算
    • ウ.資金ショート
    • エ.自転車操業

    正解:ア.債務超過

    解説:債務超過は資産を全て売却しても負債を返済しきれない状態で、純資産がマイナスになることをいう。赤字(当期の損失)とは異なり、累積的な財務悪化を示す。

  97. 問97.消費税のように、税を負担する人と納める人が異なる税を何と呼ぶか。

    • ア.直接税
    • イ.間接税
    • ウ.国税
    • エ.地方税

    正解:イ.間接税

    解説:間接税は税を負担する消費者と納税する事業者が異なる税で、消費税や酒税が代表例。負担者と納税者が一致する所得税や法人税は直接税と呼ばれる。

  98. 問98.会社など法人が得た利益(所得)に対して課される国税はどれか。

    • ア.所得税
    • イ.住民税
    • ウ.法人税
    • エ.事業税

    正解:ウ.法人税

    解説:法人税は法人の所得に課される国税で、企業活動の利益が対象。個人の所得に課される所得税とは課税主体が異なるため、混同しないよう注意する。

  99. 問99.亡くなった人の財産を相続した際に、取得した財産に対して課される国税はどれか。

    • ア.贈与税
    • イ.固定資産税
    • ウ.登録免許税
    • エ.相続税

    正解:エ.相続税

    解説:相続税は被相続人の死亡により財産を相続・遺贈で取得した場合に課される国税。生前に財産を無償で受け取った場合に課される贈与税とは課税の契機が異なる。

  100. 問100.正社員・契約社員・パートタイマーなど、働き方に応じた採用区分を総称して何と呼ぶか。

    • ア.雇用形態
    • イ.職能資格
    • ウ.労働契約
    • エ.勤務評定

    正解:ア.雇用形態

    解説:雇用形態は正社員・契約社員・パート・派遣などの採用・勤務の区分を指す。期間の定めや労働時間、雇用主との関係などで分類される人事上の概念である。

  101. 問101.派遣会社と雇用契約を結び、派遣先の指揮命令を受けて働く労働者を何と呼ぶか。

    • ア.契約社員
    • イ.派遣社員
    • ウ.嘱託社員
    • エ.出向社員

    正解:イ.派遣社員

    解説:派遣社員は派遣元会社と雇用契約を結び、派遣先の指揮命令下で働く。雇用主は派遣先ではなく派遣元である点が、直接雇用の契約社員などと異なる。

  102. 問102.会社が労働時間・休日・賃金・服務規律などの労働条件を定めた社内規則を何と呼ぶか。

    • ア.定款
    • イ.労働協約
    • ウ.就業規則
    • エ.雇用契約書

    正解:ウ.就業規則

    解説:就業規則は労働時間・休憩・休日・賃金・退職など労働条件や服務規律を定めた規則。常時10人以上の労働者を使用する事業場では作成と労働基準監督署への届出が義務づけられる。

  103. 問103.病気やけが、失業、老後などに備え、加入が義務づけられている公的な保険制度を総称して何と呼ぶか。

    • ア.生命保険
    • イ.損害保険
    • ウ.共済保険
    • エ.社会保険

    正解:エ.社会保険

    解説:社会保険は健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険・介護保険など公的保険の総称。生活上のリスクに備える制度で、一定要件を満たす労働者は加入が義務となる。

  104. 問104.業務上の災害や通勤途上の災害で被災した労働者を補償する保険はどれか。

    • ア.労災保険
    • イ.雇用保険
    • ウ.健康保険
    • エ.厚生年金

    正解:ア.労災保険

    解説:労災保険(労働者災害補償保険)は業務上・通勤途上のけがや病気、障害、死亡を補償する保険で、保険料は全額事業主が負担する。失業に備える雇用保険とは目的が異なる。

  105. 問105.従業員の職務遂行能力に応じて等級を定め、その等級により処遇を決める人事制度はどれか。

    • ア.年功序列制度
    • イ.職能資格制度
    • ウ.成果主義制度
    • エ.職務等級制度

    正解:イ.職能資格制度

    解説:職能資格制度は従業員の職務遂行能力(職能)を等級化し、それに基づき昇格・賃金を決める制度。担当する職務そのもので処遇を決める職務等級制度とは基準が異なる。

  106. 問106.従業員の業績や成果を一定期間ごとに評価し、昇給や昇進に反映させる仕組みを何と呼ぶか。

    • ア.福利厚生
    • イ.労使交渉
    • ウ.人事考課
    • エ.労務管理

    正解:ウ.人事考課

    解説:人事考課(査定)は従業員の業績・能力・態度などを評価し、昇給・昇進・配置に反映する仕組み。賃金や処遇を決める基礎資料として人事制度の中核をなす。

  107. 問107.職場における優越的な立場を背景に、業務の範囲を超えて相手を苦しめる嫌がらせを何と呼ぶか。

    • ア.セクシュアルハラスメント
    • イ.モラルハラスメント
    • ウ.マタニティハラスメント
    • エ.パワーハラスメント

    正解:エ.パワーハラスメント

    解説:パワーハラスメント(パワハラ)は職務上の地位や人間関係の優位性を背景に、業務上必要な範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与える行為。性的言動によるセクハラとは類型が異なる。

  108. 問108.妊娠・出産・育児休業などを理由に、不利益な扱いや嫌がらせを行うことを何と呼ぶか。

    • ア.マタニティハラスメント
    • イ.パワーハラスメント
    • ウ.セクシュアルハラスメント
    • エ.カスタマーハラスメント

    正解:ア.マタニティハラスメント

    解説:マタニティハラスメント(マタハラ)は妊娠・出産・育児休業の取得などを理由とした不利益取扱いや嫌がらせをいう。性的言動を指すセクハラとは原因となる事由が異なる。

  109. 問109.当事者間で権利・義務について意思が合致し、法的な拘束力が生じる約束を何と呼ぶか。

    • ア.約款
    • イ.契約
    • ウ.覚書
    • エ.念書

    正解:イ.契約

    解説:契約は申込と承諾という意思表示の合致により成立し、当事者に権利・義務を生じさせる法的な約束である。原則として書面がなくても合意のみで成立する。

  110. 問110.新しい技術的なアイデア(発明)を独占的に実施できる権利を保護する知的財産権はどれか。

    • ア.実用新案権
    • イ.意匠権
    • ウ.特許権
    • エ.商標権

    正解:ウ.特許権

    解説:特許権は高度な技術的発明を独占的に実施できる権利で、出願・審査を経て登録される。物品の形状など考案を保護する実用新案権より高度な発明が対象となる。

  111. 問111.物品の形状・構造・組み合わせに関する小発明(考案)を保護する知的財産権はどれか。

    • ア.特許権
    • イ.意匠権
    • ウ.著作権
    • エ.実用新案権

    正解:エ.実用新案権

    解説:実用新案権は物品の形状・構造などの考案を保護する権利で、特許より技術的程度が低いものを対象とし、無審査で登録される。発明を対象とする特許権と区別される。

  112. 問112.商品のデザイン(形状・模様・色彩など)を保護する知的財産権はどれか。

    • ア.意匠権
    • イ.特許権
    • ウ.実用新案権
    • エ.商標権

    正解:ア.意匠権

    解説:意匠権は物品の外観デザイン(形状・模様・色彩やその組み合わせ)を保護する権利。商品やサービスの目印であるマークを保護する商標権とは保護対象が異なる。

  113. 問113.自社の商品やサービスを他社と区別するための文字・図形・記号などの目印を保護する知的財産権はどれか。

    • ア.意匠権
    • イ.商標権
    • ウ.著作権
    • エ.特許権

    正解:イ.商標権

    解説:商標権は商品・サービスの出所を示すマーク(ブランド名やロゴ)を保護し、他社の混同を防ぐ権利である。製品の外観デザインを保護する意匠権とは目的が異なる。

  114. 問114.小説・音楽・絵画・プログラムなどの創作物(著作物)を保護し、登録なしで創作時に発生する権利はどれか。

    • ア.特許権
    • イ.商標権
    • ウ.著作権
    • エ.意匠権

    正解:ウ.著作権

    解説:著作権は文芸・音楽・美術・プログラムなどの著作物を保護する権利で、創作した時点で自動的に発生し、出願や登録は要しない。出願・登録が必要な特許権と異なる。

  115. 問115.氏名・住所・生年月日など、特定の個人を識別できる情報の適正な取扱いを企業に義務づける法律はどれか。

    • ア.不正競争防止法
    • イ.特定商取引法
    • ウ.消費者契約法
    • エ.個人情報保護法

    正解:エ.個人情報保護法

    解説:個人情報保護法は、特定の個人を識別できる情報の取得・利用・管理・第三者提供のルールを定め、本人の権利利益を守る法律。事業者に適正な取扱いを義務づける。

  116. 問116.実印として市区町村に登録した印鑑が、本人のものであることを公的に証明する書類はどれか。

    • ア.印鑑登録証明書
    • イ.住民票
    • ウ.戸籍謄本
    • エ.納税証明書

    正解:ア.印鑑登録証明書

    解説:印鑑登録証明書(印鑑証明)は、登録した実印が本人のものであることを市区町村が証明する書類。不動産取引や契約など重要な場面で本人確認のために用いられる。

  117. 問117.書類の文中の数字や金額を後から改ざんされないようにする目的で押す印を何と呼ぶか。

    • ア.実印
    • イ.捨て印
    • ウ.訂正印
    • エ.封印

    正解:イ.捨て印

    解説:割印・契印などに対し、文書の余白にあらかじめ押し、後の訂正に備える印を捨て印という。記載の誤りを訂正する際に用いる訂正印とは押す時点や目的が異なる。

  118. 問118.契約書などの課税文書に課される税で、収入印紙を貼って納めるものはどれか。

    • ア.登録免許税
    • イ.事業税
    • ウ.印紙税
    • エ.関税

    正解:ウ.印紙税

    解説:印紙税は契約書や領収書など一定の課税文書に課される税で、収入印紙を貼付・消印して納める。文書の種類や記載金額により税額が定められている。

  119. 問119.会議や打ち合わせで取り上げるべき議題・検討事項の一覧を指すカタカナ用語はどれか。

    • ア.サマリー
    • イ.レジュメ
    • ウ.プロトコル
    • エ.アジェンダ

    正解:エ.アジェンダ

    解説:アジェンダは会議で扱う議題や検討事項の一覧、または行動計画を指す。会議の論点を事前に共有して進行を効率化する役割があり、議事録(ミニッツ)とは別物である。

  120. 問120.物事を率先して進める主導権、または自ら進んで行う構想・取り組みを指すカタカナ用語はどれか。

    • ア.イニシアチブ
    • イ.アドバンテージ
    • ウ.プライオリティ
    • エ.ポテンシャル

    正解:ア.イニシアチブ

    解説:イニシアチブは主導権や率先して取り組む姿勢、構想・新たな取り組みを指す。「イニシアチブを握る」は主導権を持つ意味で用いられる。

  121. 問121.ある分野における権威、または公的に権限を持つ機関・当局を指すカタカナ用語はどれか。

    • ア.アカウンタビリティ
    • イ.オーソリティ
    • ウ.アイデンティティ
    • エ.キャパシティ

    正解:イ.オーソリティ

    解説:オーソリティは権威・第一人者、または権限を持つ当局・機関を意味する。「その道のオーソリティ」のように専門的権威を表す場面で用いられる。

  122. 問122.目標達成のための計画・枠組みや、事業の仕組み全体を指すカタカナ用語はどれか。

    • ア.スケジュール
    • イ.スペック
    • ウ.スキーム
    • エ.スタンス

    正解:ウ.スキーム

    解説:スキームは計画・枠組み・体系的な仕組みを指し、ビジネスでは事業や取引の構造を表す。「ビジネススキーム」は事業の仕組みを意味し、単なる日程とは異なる。

  123. 問123.案や仕様などを最終的に確定させることを指すカタカナ用語はどれか。

    • ア.ペンディング
    • イ.リスケ
    • ウ.アサイン
    • エ.フィックス

    正解:エ.フィックス

    解説:フィックスは内容や日程・仕様を最終決定し確定させることを指す。「日程をフィックスする」は予定を確定する意味。修正・改善を表すブラッシュアップとは異なる。

  124. 問124.すでにある案や成果物に手を加え、より良いものに磨き上げることを指すカタカナ用語はどれか。

    • ア.ブラッシュアップ
    • イ.ブレインストーミング
    • ウ.ブレークスルー
    • エ.ベンチマーク

    正解:ア.ブラッシュアップ

    解説:ブラッシュアップは既存の企画・資料・技能などを磨き直し質を高めることを指す。ゼロから作ることではなく、改善・洗練を意味する点が特徴である。

  125. 問125.業務などを保留・先送りにして決定を後回しにすることを指すカタカナ用語はどれか。

    • ア.フィックス
    • イ.ペンディング
    • ウ.アサイン
    • エ.コミット

    正解:イ.ペンディング

    解説:ペンディングは案件や決定を保留・先送りにすることを指す。「その件はペンディングにする」は結論を留保する意味で、確定を表すフィックスと対照的に用いられる。

  126. 問126.業務や役割を担当者に割り当てることを指すカタカナ用語はどれか。

    • ア.コンセンサス
    • イ.リスケ
    • ウ.アサイン
    • エ.フォーキャスト

    正解:ウ.アサイン

    解説:アサインは人に仕事や役割、座席などを割り当てることを指す。「プロジェクトにアサインする」は担当として任命する意味で、保留を表すペンディングとは異なる。

  127. 問127.関係者全員の意見が一致した合意・総意を指すカタカナ用語はどれか。

    • ア.イニシアチブ
    • イ.コンプライアンス
    • ウ.コミットメント
    • エ.コンセンサス

    正解:エ.コンセンサス

    解説:コンセンサスは関係者間で得られた合意・総意を指す。「コンセンサスを得る」は事前に関係者の同意を取りつける意味で、根回しや合意形成の場面で使われる。

  128. 問128.計画の進捗を管理するために設ける重要な節目・中間目標を指すカタカナ用語はどれか。

    • ア.マイルストーン
    • イ.スケジュール
    • ウ.プライオリティ
    • エ.デッドライン

    正解:ア.マイルストーン

    解説:マイルストーンは工程の節目となる中間目標や達成基準を指す。プロジェクト管理で進捗を確認する区切りとして用い、最終確定を表すフィックスとは概念が異なる。

  129. 問129.予定や日程を組み直す(再調整する)ことを指すカタカナ略語はどれか。

    • ア.リコール
    • イ.リスケ
    • ウ.リテラシー
    • エ.リソース

    正解:イ.リスケ

    解説:リスケはリスケジュールの略で、予定や計画を組み直すこと。会議や返済の予定を変更する場面で使われる。日程を確定するフィックスとは逆方向の操作である。

  130. 問130.業務遂行に必要な人材・資金・設備などの経営資源を指すカタカナ用語はどれか。

    • ア.スキーム
    • イ.イニシアチブ
    • ウ.リソース
    • エ.ソリューション

    正解:ウ.リソース

    解説:リソースはヒト・モノ・カネ・情報など業務に必要な経営資源を指す。「リソースが不足する」は人員や資金が足りない意味で、能力上限を表すキャパシティと区別される。

  131. 問131.判断や行動のもとになる立場・姿勢・方針を指すカタカナ用語はどれか。

    • ア.スペック
    • イ.スキル
    • ウ.スパン
    • エ.スタンス

    正解:エ.スタンス

    解説:スタンスは立場・姿勢・態度を指し、「中立のスタンスを取る」のように方針や姿勢を表す。具体的な計画や枠組みを意味するスキームとは異なる概念である。

  132. 問132.技術革新によって新たな価値や仕組みを生み出すことを指すカタカナ用語はどれか。

    • ア.イノベーション
    • イ.オペレーション
    • ウ.モチベーション
    • エ.プロモーション

    正解:ア.イノベーション

    解説:イノベーションは技術革新や新しい価値の創造を指し、製品・サービス・仕組みの革新を意味する。既存のものを磨くブラッシュアップとは異なり、新規性を伴う。

  133. 問133.在庫を最小限に抑え、必要なものを必要なときに必要なだけ調達・生産する方式を表す用語はどれか。

    • ア.アウトソーシング
    • イ.ジャストインタイム
    • ウ.ロジスティクス
    • エ.サプライチェーン

    正解:イ.ジャストインタイム

    解説:ジャストインタイムは必要なものを必要なときに必要量だけ生産・供給し、在庫の無駄を省く方式。トヨタ生産方式の中核概念で、過剰在庫を抑える管理手法である。

  134. 問134.原材料の調達から生産・流通・販売までの一連の供給連鎖を指す用語はどれか。

    • ア.バリューチェーン
    • イ.ロジスティクス
    • ウ.サプライチェーン
    • エ.フランチャイズ

    正解:ウ.サプライチェーン

    解説:サプライチェーンは原材料調達から製造・物流・販売・消費に至るまでの供給連鎖を指す。これを全体最適で管理することをサプライチェーンマネジメント(SCM)という。

  135. 問135.本部が加盟店に商標やノウハウを提供し、対価を得て同一形態の店舗を展開する方式を何と呼ぶか。

    • ア.アウトソーシング
    • イ.サプライチェーン
    • ウ.ジョイントベンチャー
    • エ.フランチャイズ

    正解:エ.フランチャイズ

    解説:フランチャイズは本部(フランチャイザー)が加盟店に商標・経営ノウハウを提供し、ロイヤルティを得て店舗網を広げる方式。コンビニや外食チェーンで広く使われる。

  136. 問136.現場で実務を通じて従業員を教育・訓練する人材育成の方法を表す略語はどれか。

    • ア.OJT
    • イ.Off-JT
    • ウ.CDP
    • エ.MBO

    正解:ア.OJT

    解説:OJT(On the Job Training)は実際の業務を通じて上司や先輩が指導する職場内訓練。職場を離れて研修などで学ぶOff-JTと対をなす人材育成の手法である。

  137. 問137.金融機関や複数企業が共同で出資し、新たに設立する合弁会社・共同事業を指す用語はどれか。

    • ア.アウトソーシング
    • イ.ジョイントベンチャー
    • ウ.フランチャイズ
    • エ.ホールディングス

    正解:イ.ジョイントベンチャー

    解説:ジョイントベンチャー(合弁事業)は複数の企業が共同出資して新会社を設立し、事業を行う形態。技術やリスクを分担できる利点があり、建設工事の共同企業体も同義で用いられる。

  138. 問138.自社業務の一部を外部の専門業者に委託することを指す用語はどれか。

    • ア.ジョイントベンチャー
    • イ.フランチャイズ
    • ウ.アウトソーシング
    • エ.インハウス

    正解:ウ.アウトソーシング

    解説:アウトソーシングは自社の業務の一部(経理・物流・ITなど)を外部の専門企業に委託すること。コスト削減や専門性活用が目的で、社内で行う内製化と対をなす。

  139. 問139.適格請求書とも呼ばれ、消費税の仕入税額控除に必要な、税率や税額を記載した請求書を指す用語はどれか。

    • ア.インセンティブ
    • イ.インバウンド
    • ウ.インフラ
    • エ.インボイス

    正解:エ.インボイス

    解説:インボイス(適格請求書)は登録番号・適用税率・消費税額などを記載した請求書で、消費税の仕入税額控除に用いる。インボイス制度の中心となる書類である。

  140. 問140.経営の意思決定に役立てるため、社内の業務データを集約・分析する活動や手法を指す略語はどれか。

    • ア.BI
    • イ.BPO
    • ウ.BPR
    • エ.BCP

    正解:ア.BI

    解説:BI(Business Intelligence)は社内に蓄積された大量のデータを集約・分析し、経営判断や意思決定に活用する手法・ツールを指す。データに基づく経営を支える仕組みである。

  141. 問141.災害や事故などの緊急事態でも事業を継続・早期復旧させるためにあらかじめ定める計画を表す略語はどれか。

    • ア.BPR
    • イ.BCP
    • ウ.BPO
    • エ.BI

    正解:イ.BCP

    解説:BCP(Business Continuity Plan)は事業継続計画で、地震や感染症など緊急時にも重要業務を継続・復旧させるための事前計画。リスク管理の一環として重視される。

  142. 問142.顧客との関係を一元的に管理し、長期的な良好関係づくりに活用する経営手法を表す略語はどれか。

    • ア.ERP
    • イ.SCM
    • ウ.CRM
    • エ.KPI

    正解:ウ.CRM

    解説:CRM(Customer Relationship Management)は顧客情報を一元管理し、顧客満足やリピートにつなげる経営手法。営業や販売の効率を支援するSFAとは対象範囲が異なる。

  143. 問143.ヒト・モノ・カネ・情報など企業の経営資源を統合管理し、業務の効率化を図るシステムを表す略語はどれか。

    • ア.CRM
    • イ.SFA
    • ウ.CSR
    • エ.ERP

    正解:エ.ERP

    解説:ERP(Enterprise Resource Planning)は会計・人事・生産・販売などの経営資源を統合管理し、情報を一元化して効率化する仕組み。顧客管理に特化したCRMとは目的が異なる。

  144. 問144.目標達成度を測るために設定する、業績評価のための重要な数値指標を表す略語はどれか。

    • ア.KPI
    • イ.ROI
    • ウ.KGI
    • エ.ROE

    正解:ア.KPI

    解説:KPI(Key Performance Indicator)は重要業績評価指標で、最終目標(KGI)に向けた進捗を測る中間的な数値目標を指す。日々の業務改善や達成度管理に用いられる。

  145. 問145.事業や企業の最終的な到達目標を数値で定めた指標を表す略語はどれか。

    • ア.KPI
    • イ.KGI
    • ウ.ROA
    • エ.PER

    正解:イ.KGI

    解説:KGI(Key Goal Indicator)は重要目標達成指標で、売上高や利益など最終的なゴールを数値化したもの。その達成過程を測る中間指標であるKPIと対をなす。

  146. 問146.投資した資金に対してどれだけの利益を得られたかを示す投資収益率を表す略語はどれか。

    • ア.ROE
    • イ.ROA
    • ウ.ROI
    • エ.EPS

    正解:ウ.ROI

    解説:ROI(Return on Investment)は投資収益率で、投資額に対して得られた利益の割合を示す。投資の費用対効果を判断する指標で、自己資本利益率のROEとは分母が異なる。

  147. 問147.自社の強み・弱み・機会・脅威の4要素を整理して経営環境を分析する手法を何と呼ぶか。

    • ア.PDCA
    • イ.5W2H
    • ウ.PEST分析
    • エ.SWOT分析

    正解:エ.SWOT分析

    解説:SWOT分析は強み(Strength)・弱み(Weakness)・機会(Opportunity)・脅威(Threat)の4要素から内部・外部環境を整理する分析手法。戦略立案の前提として用いられる。

  148. 問148.計画・実行・評価・改善を繰り返して業務を継続的に改善していく管理手法を表すものはどれか。

    • ア.PDCA
    • イ.SWOT
    • ウ.5W2H
    • エ.QCD

    正解:ア.PDCA

    解説:PDCAサイクルはPlan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返し業務を継続的に改善する手法。品質管理や目標管理で広く用いられる。

  149. 問149.決算において、当期の収益から費用を差し引いて最終的に残った利益を何と呼ぶか。

    • ア.売上総利益
    • イ.当期純利益
    • ウ.営業利益
    • エ.経常利益

    正解:イ.当期純利益

    解説:当期純利益は、売上総利益から各費用や税金を差し引いた最終的な利益で、損益計算書の末尾に示される。株主への配当や内部留保の原資となる重要な数値である。

  150. 問150.将来発生が見込まれる費用や損失に備え、あらかじめ当期の費用として計上しておく会計上の見積額を何と呼ぶか。

    • ア.内部留保
    • イ.剰余金
    • ウ.引当金
    • エ.準備金

    正解:ウ.引当金

    解説:引当金は、貸し倒れや退職給付など将来見込まれる費用・損失に備え、当期にあらかじめ計上する見積額。費用と収益を対応させる会計処理で、内部留保とは性質が異なる。

  151. 問151.取引先の社長が来社する予定を、社内の上司に伝えるときの言い方として最も適当なものはどれか。

    • ア.明日、青木様がお見えになります
    • イ.明日、青木様が参られます
    • ウ.明日、青木様が来られてきます
    • エ.明日、青木様がお越しになられます

    正解:ア.明日、青木様がお見えになります

    解説:社外の要人の動作には最上級の尊敬語を用いる。「お見えになる」は「来る」の尊敬語で、社長クラスへの表現として適切。「参られる」は謙譲語に尊敬の助動詞を重ねた誤用である。

  152. 問152.上司に対し、来客が応接室で待っている旨を伝えるときの最も適当な言い方はどれか。

    • ア.お客様が応接室でお待ちしております
    • イ.お客様が応接室でお待ちでいらっしゃいます
    • ウ.お客様が応接室でお待ちさせています
    • エ.お客様が応接室でお待ちいたしております

    正解:イ.お客様が応接室でお待ちでいらっしゃいます

    解説:来客の「待つ」動作には尊敬語「お待ちになる」を用いる。「お待ちでいらっしゃいます」も自然な敬語。「お待ちしております」は謙譲語で、来客の動作には使えず誤りである。

  153. 問153.「お客様が応接室にお戻りになられました」という言い方の問題点として正しいものはどれか。

    • ア.謙譲語を客に使っている
    • イ.丁寧語が欠けている
    • ウ.二重敬語になっている
    • エ.特に問題はなく適切である

    正解:ウ.二重敬語になっている

    解説:「お戻りになる」で尊敬語が成立しており、さらに「れる」を加えた「お戻りになられる」は尊敬を二重に重ねた二重敬語である。正しくは「お戻りになりました」とする。

  154. 問154.取引先の部長に、自社の専務(山田)が承知している旨を伝えるときの最も適当な言い方はどれか。

    • ア.山田専務がご存じです
    • イ.専務の山田がご存じでいらっしゃいます
    • ウ.山田専務が存じ上げております
    • エ.専務の山田が存じております

    正解:エ.専務の山田が存じております

    解説:社外には身内の専務に敬称も尊敬語も付けず謙譲語で表す。「専務の山田が存じております」が適切。「ご存じです」は尊敬語、「山田専務」と社外で役職敬称を付けるのも誤りである。

  155. 問155.上司の代理で取引先を訪問した際、「私が代わりに伺いました」と言うところを、より改まって述べる言い方として最も適当なものはどれか。

    • ア.代理でお伺いいたしました
    • イ.代わりに来てさしあげました
    • ウ.代理で参られました
    • エ.代わりにいらっしゃいました

    正解:ア.代理でお伺いいたしました

    解説:「代わりに」を改まって述べるときは「代理で」とし、自分の訪問は謙譲語「お伺いする」「参上する」で表す。「代理でお伺いいたしました」が丁寧で適切な言い方である。

  156. 問156.来客に、上司(部長)への面会の用件を尋ねるときの最も適当な言い方はどれか。

    • ア.何のご用でしょうか
    • イ.どのようなご用件でしょうか
    • ウ.どんな用件でいらしたのですか
    • エ.ご用件は何になりますか

    正解:イ.どのようなご用件でしょうか

    解説:用件を尋ねるときは「どのようなご用件でしょうか」と丁寧に問うのが適切。「何の用ですか」は無礼で、「どんな用件で来たのか」も来客への言い方として不適である。

  157. 問157.来客から名刺を受け取る際、相手の社名・氏名を確認したいときの最も適当な言い方はどれか。

    • ア.これ、何て読むんですか
    • イ.お名前、読めないのですが
    • ウ.失礼ですが、何とお読みすればよろしいでしょうか
    • エ.お名前は何と読まれますか

    正解:ウ.失礼ですが、何とお読みすればよろしいでしょうか

    解説:読み方が分からない名前を確かめるときは「失礼ですが」とクッション言葉を添え、「何とお読みすればよろしいでしょうか」と謙譲語で尋ねる。相手を責めない配慮ある言い方である。

  158. 問158.電話で取引先の担当者に折り返しの連絡を依頼するときの最も適当な言い方はどれか。

    • ア.電話をかけ直してもらえますか
    • イ.折り返し電話してください
    • ウ.折り返しお電話してくださいませ
    • エ.恐れ入りますが、折り返しお電話をいただけますでしょうか

    正解:エ.恐れ入りますが、折り返しお電話をいただけますでしょうか

    解説:折り返しを依頼するときは「恐れ入りますが」とクッション言葉を添え、「お電話をいただけますでしょうか」と相手の行為を尊敬・依頼形で表すのが適切である。

  159. 問159.上司が在席しているかを取引先から問われ、確認のため少し待ってもらうときの最も適当な言い方はどれか。

    • ア.少々お待ちいただけますでしょうか
    • イ.ちょっと待っててください
    • ウ.確認するので待ってください
    • エ.お待ちしてくださいませ

    正解:ア.少々お待ちいただけますでしょうか

    解説:確認のため待ってもらうときは「少々お待ちいただけますでしょうか」と相手に許可を求める依頼形が丁寧で適切。「待ってて」は無礼、「お待ちしてください」は敬語の誤用である。

  160. 問160.取引先からの電話で、名指し人(課長の佐藤)が席を外していることを伝えるときの最も適当な言い方はどれか。

    • ア.佐藤課長はただ今席を外していらっしゃいます
    • イ.あいにく佐藤はただ今席を外しております
    • ウ.佐藤課長は今おりません
    • エ.佐藤はただ今席を外されております

    正解:イ.あいにく佐藤はただ今席を外しております

    解説:社外には身内に尊敬語を使わず、「あいにく」を添えて「ただ今席を外しております」と謙譲・丁寧で伝える。「佐藤課長」と社外で役職敬称を付けたり尊敬語を使うのは誤りである。

  161. 問161.来客を上座へ案内し席を勧めるとき、最も適当な言い方はどれか。

    • ア.こちらに座っていてください
    • イ.こちらにおかけしてください
    • ウ.どうぞこちらにおかけください
    • エ.そこへお座りになってて

    正解:ウ.どうぞこちらにおかけください

    解説:席を勧めるときは「おかけになる」という尊敬語を用いる。「どうぞこちらにおかけください」が適切。「おかけしてください」は謙譲語の誤用、「座ってて」は丁寧さに欠ける。

  162. 問162.応接室で来客に上座を勧める際、洋室の応接セットで一般に上座とされる席はどれか。

    • ア.出入口に最も近い一人掛けの椅子
    • イ.出入口の脇の補助椅子
    • ウ.窓を背にしない出入口側の席
    • エ.出入口から最も遠い長椅子(ソファ)

    正解:エ.出入口から最も遠い長椅子(ソファ)

    解説:洋室の応接では出入口から最も遠い席が上座で、来客には一人掛けより長椅子(ソファ)を勧めるのが基本。出入口に近い席は下座で、接遇者が座る位置である。

  163. 問163.上司と来客を引き合わせて紹介するとき、紹介の順序として正しいものはどれか。

    • ア.先に上司を来客へ、次に来客を上司へ紹介する
    • イ.先に来客を上司へ、次に上司を来客へ紹介する
    • ウ.年齢の高い人を先に紹介する
    • エ.五十音順に紹介する

    正解:ア.先に上司を来客へ、次に来客を上司へ紹介する

    解説:紹介は地位の低い側・身内を先に、高い側・外部の人を後に紹介するのが原則。まず自社の上司を取引先に紹介し、次に取引先を上司に紹介する。順序を誤らないことが要点である。

  164. 問164.和室で来客をもてなす際、一般に上座とされる位置はどれか。

    • ア.出入口の襖に最も近い席
    • イ.床の間を背にする席
    • ウ.廊下側の縁に近い席
    • エ.窓を背にする席

    正解:イ.床の間を背にする席

    解説:和室では床の間を背にする席が最上位の上座で、来客に勧める。出入口(襖)に近い席が下座となる。床の間の有無で席次を判断するのが和室作法の基本である。

  165. 問165.運転手付きの自動車で、来客や上位者を案内するとき、最も上席とされる席はどれか。

    • ア.運転席(ドライバー席)
    • イ.助手席
    • ウ.後部座席の運転席の後ろ
    • エ.後部座席の助手席の後ろ

    正解:ウ.後部座席の運転席の後ろ

    解説:運転手付きの車では後部座席の運転席の真後ろが最上席。助手席が最下席となる。最上位者を運転席の後ろに案内するのが車内の席次作法の基本である。

  166. 問166.上司が自ら運転する自動車に来客を乗せる場合、来客に勧める上席はどれか。

    • ア.後部座席の運転席の後ろ
    • イ.後部座席の中央
    • ウ.後部座席の助手席の後ろ
    • エ.助手席

    正解:エ.助手席

    解説:持ち主や上位者が運転する車では、運転者の隣の助手席が上席となる。運転者と話しやすく対等に接する位置のためで、運転手付きの場合と上席が逆になる点に注意する。

  167. 問167.エレベーターに来客と乗り込み案内する際、操作盤の前に立つ人として適当なのは誰か。

    • ア.案内する側(接遇者)
    • イ.最上位の来客
    • ウ.最も年配の来客
    • エ.いちばん奥にいる人

    正解:ア.案内する側(接遇者)

    解説:エレベーターでは操作盤の前が下座で、案内する側(接遇者)が立って操作する。来客には操作盤から離れた奥が上座となる。来客を操作盤の前に立たせないのが要点である。

  168. 問168.来客に茶菓を出すとき、茶碗と菓子を置く位置として正しいものはどれか。

    • ア.客から見て茶を左、菓子を右に置く
    • イ.客から見て菓子を左、茶を右に置く
    • ウ.茶と菓子を客から見て縦一列に重ねて置く
    • エ.菓子は出さず茶のみ客の正面に置く

    正解:イ.客から見て菓子を左、茶を右に置く

    解説:茶菓を出す際は、客から見て菓子を左、茶を右に置くのが基本。先に菓子を出し、茶を後に置く。茶托は木目を横にし、絵柄を客の正面に向けて出すのが丁寧な作法である。

  169. 問169.込み入った要件で来客が長時間の面談を希望したが、上司の次の予定が迫っているとき、秘書の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.上司の次の予定を黙って遅らせ面談を続けさせる
    • イ.来客に予定があるからと一方的に面談を打ち切らせる
    • ウ.頃合いを見て残り時間を上司に伝え、必要なら別日を案内する
    • エ.来客に自分で切り上げるよう直接促す

    正解:ウ.頃合いを見て残り時間を上司に伝え、必要なら別日を案内する

    解説:次の予定がある場合は、来客に失礼のないよう残り時間を丁寧に伝え、必要なら改めて日を設ける提案をする。上司の予定を守りつつ来客にも配慮する判断が求められる。

  170. 問170.複数の来客がほぼ同時に受付に訪れたとき、秘書の応対として最も適当なものはどれか。

    • ア.地位の高そうな人から順に優先して通す
    • イ.全員まとめて同じ部屋へ通してしまう
    • ウ.自分の判断で先に来た人を後回しにする
    • エ.到着順を基本に、待つ人へ一声かけて順に応対する

    正解:エ.到着順を基本に、待つ人へ一声かけて順に応対する

    解説:複数来客には到着順を基本としつつ、待たせる人には「少々お待ちください」と一声かけて不快感を与えないようにする。先約や予約の有無も踏まえ公平かつ丁寧にさばくのが要点である。

  171. 問171.面会の約束がない来客(不意の来訪)が上司への面会を求めたとき、秘書の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.会社名・氏名・用件を確かめ、上司の意向を確認する
    • イ.予約がないので一律に丁重に断る
    • ウ.確認せずそのまま上司の部屋へ通す
    • エ.用件を聞かず名刺だけ預かって帰ってもらう

    正解:ア.会社名・氏名・用件を確かめ、上司の意向を確認する

    解説:予約のない来客には、会社名・氏名・用件を確かめたうえで上司の意向を確認するのが基本。即座に断ったり勝手に通したりせず、取り次ぎの判断は上司に委ねる姿勢が適切である。

  172. 問172.来客から苦情の電話を受け、内容がこみ入っていてすぐ回答できないとき、秘書の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.相手を遮り、こちらの事情を先に説明する
    • イ.最後まで聞き謝意を示し、確認のうえ折り返すと伝える
    • ウ.自分の判断で即断し回答してしまう
    • エ.担当でないからと一方的に電話を切る

    正解:イ.最後まで聞き謝意を示し、確認のうえ折り返すと伝える

    解説:苦情にはまず誠意をもって最後まで聞き、謝意を示したうえで「確認のうえ折り返す」と伝えて担当へつなぐ。相手を遮ったり言い訳を先に立てたりしないのが上級の苦情対応である。

  173. 問173.来客が約束の時刻より大幅に早く到着したが、上司が前の用件で手が離せないとき、秘書の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.約束の時刻まで外で待つよう伝える
    • イ.手が離せないので出直してもらう
    • ウ.応接室へ通し、お茶を出して上司に到着を知らせる
    • エ.確認せず上司の部屋へすぐ通す

    正解:ウ.応接室へ通し、お茶を出して上司に到着を知らせる

    解説:早すぎる来訪でも丁重に応接室へ通し、上司の都合を確認しつつ待ってもらう。お茶を出すなど配慮しながら、上司に来客の到着を知らせて指示を仰ぐのが適切な判断である。

  174. 問174.上司あての電話で、相手が名乗らずに上司を呼ぶよう求めたとき、秘書の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.言われたとおりすぐ上司に取り次ぐ
    • イ.名乗らないなら取り次げないと強く断る
    • ウ.用件だけ聞いて相手を待たせ放置する
    • エ.失礼ですが、どちら様でしょうかと丁寧に尋ねる

    正解:エ.失礼ですが、どちら様でしょうかと丁寧に尋ねる

    解説:名乗らない相手には「失礼ですが、どちら様でいらっしゃいますか」と丁寧に名前を尋ねるのが基本。確認せず取り次ぐと上司に不利益が及ぶおそれがあるため、確認は欠かせない。

  175. 問175.「資料はもう拝見されましたか」と来客に尋ねる言い方の誤りとして正しいものはどれか。

    • ア.謙譲語「拝見」を相手の動作に使っている
    • イ.「もう」が失礼にあたる
    • ウ.丁寧語が不足している
    • エ.特に誤りはなく適切である

    正解:ア.謙譲語「拝見」を相手の動作に使っている

    解説:「拝見する」は「見る」の謙譲語で自分の動作に使う語。来客が見たかを尋ねるなら尊敬語「ご覧になる」を用い「もうご覧になりましたか」とするのが正しい。

  176. 問176.上司に書類への目通しを丁寧に依頼するときの最も適当な言い方はどれか。

    • ア.こちらの書類を拝見してください
    • イ.こちらの書類にお目通しいただけますでしょうか
    • ウ.こちらの書類を見ておいてください
    • エ.こちらの書類を拝見していただけますか

    正解:イ.こちらの書類にお目通しいただけますでしょうか

    解説:上司に見てもらう依頼は尊敬語「お目通しいただく」「ご覧いただく」を用いる。「お目通しいただけますでしょうか」が丁寧で適切。「拝見してください」は謙譲語の誤用である。

  177. 問177.取引先に対し、自社の資料を送付したことを伝えるときの最も適当な言い方はどれか。

    • ア.資料をお送りになりました
    • イ.資料を送られました
    • ウ.資料をお送りいたしました
    • エ.資料を送付してさしあげました

    正解:ウ.資料をお送りいたしました

    解説:自分側の送る行為は謙譲語「お送りする」を用いる。「お送りいたしました」が適切。「お送りになりました」は尊敬語で自分の動作に使うのは誤り、「送らせていただきました」は冗長になりやすい。

  178. 問178.上司から預かった伝言を取引先に伝えるとき、「上司がよろしくと言っていた」を改まって述べる言い方はどれか。

    • ア.部長がよろしくとおっしゃっていました
    • イ.部長がよろしくと言われていました
    • ウ.部長がよろしくと申されておりました
    • エ.部長がよろしくと申しておりました

    正解:エ.部長がよろしくと申しておりました

    解説:身内の上司の言葉を社外に伝えるときは謙譲語「申す」を用い、「〜と申しておりました」とする。社外で「おっしゃっていました」と尊敬語を使うのは身内に対し不適切である。

  179. 問179.面会を断る際、相手に配慮した「お断り」の言い方として最も適当なものはどれか。

    • ア.申し訳ございませんが、ただ今はお取り次ぎいたしかねます
    • イ.無理なのでお取り次ぎできません
    • ウ.今は都合が悪いので帰ってください
    • エ.取り次ぐのは無理です

    正解:ア.申し訳ございませんが、ただ今はお取り次ぎいたしかねます

    解説:断るときは「申し訳ございませんが」「あいにくですが」とクッション言葉を添え、理由を丁寧に述べて「いたしかねます」と婉曲に表す。直截に「できません」と言い切らないのが配慮ある対応である。

  180. 問180.支払いの遅れている取引先に、催促の連絡を入れるときの最も適当な言い方はどれか。

    • ア.まだお支払いいただいていませんが、どうなっていますか
    • イ.行き違いでしたら申し訳ございませんが、ご入金をご確認いただけますでしょうか
    • ウ.早く払ってください
    • エ.お支払いが遅れていて困ります

    正解:イ.行き違いでしたら申し訳ございませんが、ご入金をご確認いただけますでしょうか

    解説:催促は相手の体面に配慮し、「行き違いでしたら申し訳ございません」と前置きしてから確認する婉曲表現が望ましい。頭から未払いを責める言い方は取引関係を損なうため避ける。

  181. 問181.こちらの手違いで取引先に迷惑をかけたとき、おわびの言い方として最も適当なものはどれか。

    • ア.どうもすみませんでした
    • イ.こちらにも事情がありまして
    • ウ.このたびは大変ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません
    • エ.ご迷惑かけてしまってどうもです

    正解:ウ.このたびは大変ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません

    解説:重いおわびには「このたびは大変ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません」と深い謝意を表す。「すみません」など軽い表現や言い訳を先に立てるのは、改まった場面に不適である。

  182. 問182.取引先から心遣いの品をいただいたとき、お礼の言い方として最も適当なものはどれか。

    • ア.どうも、わざわざすみません
    • イ.こんなにもらって悪いですね
    • ウ.気を使ってもらってどうもです
    • エ.お心遣いをいただき、誠にありがとうございます

    正解:エ.お心遣いをいただき、誠にありがとうございます

    解説:改まったお礼は「お心遣いをいただき、誠にありがとうございます」「恐れ入ります」と相手の配慮に対する感謝を述べる。「どうも」「悪いですね」など砕けた表現は丁寧さに欠ける。

  183. 問183.依頼をするとき相手の負担を和らげるために添える「クッション言葉」として最も適当なものはどれか。

    • ア.恐れ入りますが
    • イ.いいですか
    • ウ.つまり
    • エ.要するに

    正解:ア.恐れ入りますが

    解説:依頼の冒頭に「恐れ入りますが」「お手数をおかけしますが」を添えると、相手への配慮が表れ印象が和らぐ。クッション言葉は依頼・断り・反論の前に置く接遇上の基本表現である。

  184. 問184.「部長はおられますか」と取引先から尋ねられたときの、より適切とされる言い回しに関する説明として正しいものはどれか。

    • ア.「おられますか」は最も丁寧な尊敬語である
    • イ.在否を尋ねるなら「いらっしゃいますか」が無難で丁寧である
    • ウ.「いますか」と言い換えるのが最も適切である
    • エ.在否は尋ねず黙って取り次ぐべきである

    正解:イ.在否を尋ねるなら「いらっしゃいますか」が無難で丁寧である

    解説:「おる」は本来謙譲語で、「おられる」を尊敬として使うことには異論もある。来客が上司の在否を尋ねる場面では「いらっしゃいますか」が無難で丁寧とされる。相手の尊敬には「いらっしゃる」を用いる。

  185. 問185.「お客様がお越しになられました」という言い方の問題点として正しいものはどれか。

    • ア.謙譲語を客に使っている
    • イ.丁寧語が欠けている
    • ウ.二重敬語になっている
    • エ.問題はなく適切である

    正解:ウ.二重敬語になっている

    解説:「お越しになる」で尊敬語が成立しており、「れる」を加えた「お越しになられる」は尊敬を重ねた二重敬語。「お越しになりました」とするのが正しい言い方である。

  186. 問186.上司に来客の名前を取り次ぐとき、「どなたですか」をより改まって述べる言い方はどれか。

    • ア.あなたは誰ですか
    • イ.お名前は何ですか
    • ウ.どなたでございますか
    • エ.どちら様でいらっしゃいますか

    正解:エ.どちら様でいらっしゃいますか

    解説:来客本人に名前を尋ねるときは「どちら様でいらっしゃいますか」が最も丁寧。「どなたですか」よりも改まり、尊敬の「いらっしゃる」を伴う点で上級の接遇表現とされる。

  187. 問187.取引先に都合のよい日時を尋ねるときの最も適当な言い方はどれか。

    • ア.ご都合はいかがでしょうか
    • イ.都合のいい日はありますか
    • ウ.いつなら空いてますか
    • エ.都合を教えてください

    正解:ア.ご都合はいかがでしょうか

    解説:相手の都合を尋ねるときは「ご都合はいかがでしょうか」と尊敬の「ご都合」を用いて丁寧に問う。「都合いい日ありますか」など砕けた表現や命令調は改まった依頼に不適である。

  188. 問188.上司の在席中に取引先から面会を求められ、上司が会うかどうか分からないとき、来客への言い方として最も適当なものはどれか。

    • ア.すぐにお会いになります
    • イ.確認してまいりますので、少々お待ちいただけますでしょうか
    • ウ.会えるかどうか分かりません
    • エ.今は会えないと思います

    正解:イ.確認してまいりますので、少々お待ちいただけますでしょうか

    解説:面会の可否を即答できないときは「確認してまいりますので少々お待ちください」と述べ、来客に期待を持たせすぎず確認する。会えると断定したり追い返したりしないのが適切である。

  189. 問189.弔事で、仏式の通夜・葬儀に持参する香典の表書きとして、宗派を問わず最も無難に使えるものはどれか。

    • ア.御仏前
    • イ.御玉串料
    • ウ.御霊前
    • エ.御花料

    正解:ウ.御霊前

    解説:仏式では四十九日の忌明け前は「御霊前」が一般に使え、宗派を問わず無難とされる。忌明け後の法要は「御仏前」を用いる。神式やキリスト教式には「御霊前」が使えない場合もある点に注意する。

  190. 問190.神式(神道)の葬儀(神葬祭)に持参する不祝儀の表書きとして最も適当なものはどれか。

    • ア.御香典
    • イ.御仏前
    • ウ.御布施
    • エ.御玉串料

    正解:エ.御玉串料

    解説:神式では「御玉串料」「御榊料」「御神前」が用いられる。仏式の「御仏前」や「御香典」は使わない。宗教により表書きが異なる点を正しく理解しておくことが上級の交際マナーである。

  191. 問191.キリスト教式の葬儀に持参する不祝儀袋の表書きとして適当なものはどれか。

    • ア.御花料
    • イ.御香典
    • ウ.御玉串料
    • エ.御仏前

    正解:ア.御花料

    解説:キリスト教式では「御花料」が一般的で、カトリック・プロテスタント問わず使える。カトリックでは「御ミサ料」も用いる。仏式の「御香典」や神式の「御玉串料」は使わない。

  192. 問192.仏式の法要で、四十九日の忌明け後に営まれる年忌法要に持参する不祝儀の表書きとして最も適当なものはどれか。

    • ア.御霊前
    • イ.御仏前
    • ウ.御祝
    • エ.御榊料

    正解:イ.御仏前

    解説:忌明け(四十九日)以後は故人が成仏したとされるため「御仏前」を用いる。忌明け前の「御霊前」と使い分けるのが要点で、時期を取り違えないことが重要である。

  193. 問193.葬儀・告別式に参列できず、後日改めて弔意を表す現金を送るとき、香典に用いる水引の色として最も適当なものはどれか。

    • ア.紅白の蝶結び
    • イ.紅白の結び切り
    • ウ.黒白の結び切り
    • エ.金銀の蝶結び

    正解:ウ.黒白の結び切り

    解説:弔事の水引は黒白(地方により黄白)の結び切りを用いる。結び切りは一度きりを願う弔事・婚礼に使う。紅白の蝶結びは何度あってもよい慶事用で、弔事に使うのは誤りである。

  194. 問194.結婚の祝いに用いる祝儀袋の水引として最も適当なものはどれか。

    • ア.紅白の蝶結び
    • イ.黒白の結び切り
    • ウ.黄白の蝶結び
    • エ.紅白の結び切り(あわじ結び)

    正解:エ.紅白の結び切り(あわじ結び)

    解説:結婚は一度きりを願うため、紅白または金銀の結び切り(あわじ結び)を用いる。蝶結びは何度あってもよい慶事用で、結婚祝いに使うのは不適。出産・入学などには蝶結びを用いる。

  195. 問195.出産祝いや昇進祝いなど、何度繰り返してもよい慶事に用いる水引として最も適当なものはどれか。

    • ア.紅白の蝶結び
    • イ.紅白の結び切り
    • ウ.黒白の結び切り
    • エ.金銀の結び切り

    正解:ア.紅白の蝶結び

    解説:出産・昇進・入学など繰り返してよい慶事には、ほどいて結び直せる紅白の蝶結びを用いる。一度きりを願う結婚祝いの結び切りとは使い分ける。慶弔の水引は格と意味を理解して選ぶ。

  196. 問196.数え年で六十一歳を祝う長寿の賀寿の名称はどれか。

    • ア.古希
    • イ.還暦
    • ウ.喜寿
    • エ.傘寿

    正解:イ.還暦

    解説:六十一歳(満六十歳)の祝いは「還暦」で、干支が一巡し生まれ年に還ることに由来する。七十歳は古希、七十七歳は喜寿。年齢と賀寿の名称の対応を正確に覚えておくことが要点である。

  197. 問197.数え年で七十七歳を祝う賀寿の名称はどれか。

    • ア.古希
    • イ.傘寿
    • ウ.喜寿
    • エ.米寿

    正解:ウ.喜寿

    解説:七十七歳は「喜寿」で、「喜」の草書体が七十七に見えることに由来する。七十歳は古希、八十歳は傘寿、八十八歳は米寿。文字の成り立ちと年齢を結び付けて理解するとよい。

  198. 問198.数え年で八十八歳を祝う賀寿の名称はどれか。

    • ア.傘寿
    • イ.卒寿
    • ウ.白寿
    • エ.米寿

    正解:エ.米寿

    解説:八十八歳は「米寿」で、「米」の字を分解すると八十八になることに由来する。九十歳は卒寿、九十九歳は白寿、百歳は百寿(紀寿)。賀寿の名称は漢字の由来とともに覚えると確実である。

  199. 問199.数え年で九十九歳を祝う賀寿の名称はどれか。

    • ア.白寿
    • イ.卒寿
    • ウ.傘寿
    • エ.米寿

    正解:ア.白寿

    解説:九十九歳は「白寿」で、「百」から「一」を引くと「白」になることに由来する。九十歳は卒寿、百歳は百寿(紀寿)。一字違いの賀寿を混同しないよう、由来とともに整理しておく。

  200. 問200.上司の代理で取引先の通夜に弔問する際、秘書の振る舞いとして最も適当なものはどれか。

    • ア.自分の名で記帳し、自社の用件も伝える
    • イ.上司の代理である旨を伝え、上司の名で記帳する
    • ウ.代理であることは伏せて自分の弔問として振る舞う
    • エ.遺族に長く話しかけ世間話をする

    正解:イ.上司の代理である旨を伝え、上司の名で記帳する

    解説:代理での弔問では、受付で上司の名を伝え「(上司名)の代理で参りました」と名乗り、記帳も上司の氏名でする。自分の用件を述べたり長居したりせず、弔意を簡潔に表すのが作法である。

  201. 問201.弔事の席で口にしてはならない「忌み言葉」に当たるものはどれか。

    • ア.このたびはご愁傷さまでございます
    • イ.心よりお悔やみ申し上げます
    • ウ.重ね重ね残念でなりません
    • エ.安らかにお眠りください

    正解:ウ.重ね重ね残念でなりません

    解説:弔事では不幸の繰り返しを連想させる重ね言葉「重ね重ね」「たびたび」や、「再び」「追って」などを避ける。これらは忌み言葉とされ、お悔やみの場では使わないのが交際マナーである。

  202. 問202.結婚披露宴のスピーチや祝い事で避けるべき忌み言葉に当たるものはどれか。

    • ア.末永くお幸せに
    • イ.このたびはおめでとうございます
    • ウ.お二人の門出を祝して乾杯
    • エ.これでお開きとは言わず、終わりにします

    正解:エ.これでお開きとは言わず、終わりにします

    解説:婚礼では別離や再婚を連想させる「切れる」「別れる」「戻る」「離れる」などを忌み言葉として避ける。慶弔それぞれに避けるべき言葉があり、場面に応じて言い換えるのが上級のマナーである。

  203. 問203.病気で入院した取引先へ見舞いに行く際の心得として最も適当なものはどれか。

    • ア.容体に配慮し短時間で切り上げ、鉢植えは避ける
    • イ.鉢植えの花を持参して長く話し込む
    • ウ.病状を詳しく尋ねて記録する
    • エ.大人数で訪ね賑やかに励ます

    正解:ア.容体に配慮し短時間で切り上げ、鉢植えは避ける

    解説:見舞いは相手の容体に配慮し、長居を避け短時間で切り上げる。鉢植えは「根づく=寝つく」を連想させ避ける。病状を根掘り葉掘り尋ねず、励ましを簡潔に伝えるのが見舞いの作法である。

  204. 問204.目上の人へ贈る中元・歳暮の表書きと贈答の格に関する説明として正しいものはどれか。

    • ア.黒白の結び切りに「御中元」と書く
    • イ.紅白の蝶結びに「御中元」「御歳暮」と書く
    • ウ.水引は付けず無地で贈る
    • エ.「御霊前」と書いて贈る

    正解:イ.紅白の蝶結びに「御中元」「御歳暮」と書く

    解説:中元・歳暮は紅白の蝶結びの水引に「御中元」「御歳暮」と書く。日ごろの感謝を表す贈答で、目上には品の格を相手の立場に見合うよう選ぶ。蝶結びは繰り返してよい贈答に用いる。

  205. 問205.上司の代理で取引先の祝賀会に出席するとき、秘書の振る舞いとして最も適当なものはどれか。

    • ア.自分が主賓のように振る舞い長く挨拶する
    • イ.代理であることを伏せて出席する
    • ウ.上司の代理である旨を伝え、託された祝意や祝儀を確実に渡す
    • エ.祝儀は渡さず名刺だけ置いて帰る

    正解:ウ.上司の代理である旨を伝え、託された祝意や祝儀を確実に渡す

    解説:代理出席では受付で「(上司名)の代理で参りました」と伝え、祝意を述べる。上司から託された祝辞や祝儀があれば確実に渡す。自分の判断で勝手に挨拶を引き受けないのが要点である。

  206. 問206.祝儀・不祝儀の現金を包む際、新札の扱いに関する説明として正しいものはどれか。

    • ア.慶弔ともに必ず新札を用いる
    • イ.慶弔ともに必ず古い札を用いる
    • ウ.弔事に新札、慶事に古札を用いる
    • エ.慶事は新札、弔事は新札を避けるのが基本である

    正解:エ.慶事は新札、弔事は新札を避けるのが基本である

    解説:祝い事には用意していた印として新札を包むのが礼儀。弔事には「不幸を予期して用意していた」印象を避けるため新札は使わず、新札しかなければ一度折り目を付けて包むのが作法である。

  207. 問207.取引先の社長が亡くなり、会社として弔電を打つとき、宛名・敬称の扱いとして最も適当なものはどれか。

    • ア.喪主あてに打ち、故人のご逝去を悼む文面とする
    • イ.故人本人あてに敬称を付けて打つ
    • ウ.差出人を伏せて匿名で打つ
    • エ.社名だけで代表者名は書かない

    正解:ア.喪主あてに打ち、故人のご逝去を悼む文面とする

    解説:弔電は喪主あてに打ち、故人には敬称を付けず「ご逝去」を悼む。喪主名が分からない場合は「(社名)ご遺族様」などとする。差出人は会社名・代表者名を明記するのが格式ある扱いである。

  208. 問208.上司あてにかかってきた電話を別室の上司に取り次ぐ際、相手を待たせる時間が長くなりそうなときの対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.保留にしたまま長く待たせ続ける
    • イ.事情を伝え、折り返しの連絡を提案するなど相手の負担を減らす
    • ウ.確認せず電話を切ってしまう
    • エ.待てない相手が悪いと考え放置する

    正解:イ.事情を伝え、折り返しの連絡を提案するなど相手の負担を減らす

    解説:取り次ぎに時間がかかるときは、保留のまま長く待たせず、いったん事情を伝えて折り返しを提案するなど相手の負担を減らす。無言で待たせ続けないのが上級の電話応対である。

  209. 問209.「社長がそのように申し上げておりました」という言い方の誤りとして正しいものはどれか。

    • ア.「おりました」が丁寧すぎる
    • イ.社長に役職を付けている点が誤り
    • ウ.謙譲語の選び方が不適切で、身内の発言には「申しておりました」とする
    • エ.特に誤りはなく適切である

    正解:ウ.謙譲語の選び方が不適切で、身内の発言には「申しておりました」とする

    解説:「申し上げる」は「言う」の謙譲語で、相手に向かって述べる自分の動作に使う語。社内で社長の発言を社外に伝えるなら「申しておりました」とする。身内の社長の動作に「申し上げる」は不適である。

  210. 問210.来客に上着やコートを預かるかどうか尋ねるときの最も適当な言い方はどれか。

    • ア.上着、預かってあげましょうか
    • イ.上着は預けてください
    • ウ.コートをお預けになってください
    • エ.お差し支えなければ、お預かりいたしましょうか

    正解:エ.お差し支えなければ、お預かりいたしましょうか

    解説:預かりの申し出は「お預かりしましょうか」と謙譲語で相手に申し出る。「お預かりいたしましょうか」がより丁寧。「預かってあげます」は恩着せがましく、命令調も不適である。

  211. 問211.会食の席で取引先を接待するとき、料理屋の和室における上座への案内として最も適当なものはどれか。

    • ア.最上位の来客を床の間を背にする上座へ案内する
    • イ.接待する側が床の間を背にする席に座る
    • ウ.来客を出入口に近い席へ案内する
    • エ.席次は気にせず空いた席に座る

    正解:ア.最上位の来客を床の間を背にする上座へ案内する

    解説:和室の会食では床の間を背にする席が上座で、最上位の来客を案内する。接待する側(ホスト)は出入口に近い下座に座るのが作法。席次を取り違えないことが接待での要点である。

  212. 問212.会食で乾杯の発声や着席のタイミングなど、接待する側(ホスト役)の心得として最も適当なものはどれか。

    • ア.主賓より先に料理に箸をつけ場を進める
    • イ.主賓を上座に案内し、料理が行き渡るよう気を配る
    • ウ.自分の食事を優先し会話には加わらない
    • エ.主賓を下座に座らせ自分が上座に着く

    正解:イ.主賓を上座に案内し、料理が行き渡るよう気を配る

    解説:接待では主賓を上座に案内し、料理や酒が行き渡るよう気を配り、主賓より先に箸をつけない。場の進行に配慮し相手を立てるのがホスト役の務めで、自分の飲食を優先しないのが要点である。

  213. 問213.取引先からの祝い(自社上司の昇進祝いなど)に対し、後日お礼状を出すときの心得として最も適当なものはどれか。

    • ア.お礼状は出さず口頭で済ませる
    • イ.数か月後にまとめて出す
    • ウ.感謝と今後の厚誼を願う言葉を、時機を逸さず早めに出す
    • エ.形式句のみで感謝の言葉は書かない

    正解:ウ.感謝と今後の厚誼を願う言葉を、時機を逸さず早めに出す

    解説:祝いへのお礼状は、いただいたことへの感謝と今後の厚誼を願う言葉を、時機を逸さず早めに出すのが礼儀。形式的な定型句だけでなく相手への謝意を具体的に表すと丁寧な印象になる。

  214. 問214.「恐れ入りますが、お名前を頂戴できますでしょうか」という言い方の問題点として指摘されることはどれか。

    • ア.「恐れ入りますが」が不要である
    • イ.丁寧すぎてかえって失礼になる
    • ウ.特に問題はなく最も適切である
    • エ.名前を「頂戴する」のは語法上不適とされる

    正解:エ.名前を「頂戴する」のは語法上不適とされる

    解説:名前は「頂戴する(もらう)」ものではないため、「お名前を頂戴する」は不適とされる。「お名前をお聞かせ願えますか」「お名前を伺ってもよろしいですか」とするのが正しいとされる。

  215. 問215.上司への報告で「ご報告させていただきます」を、より簡潔で適切に言い換えた表現はどれか。

    • ア.ご報告いたします
    • イ.ご報告になります
    • ウ.ご報告してさしあげます
    • エ.ご報告される予定です

    正解:ア.ご報告いたします

    解説:「させていただく」は相手の許可・恩恵がある場合に使う表現で、多用すると過剰になる。自分から報告する場面は謙譲語「ご報告いたします」「報告いたします」が簡潔で適切とされる。

  216. 問216.取引先に資料を確認してもらい意見を求めるとき、最も適当な言い方はどれか。

    • ア.拝見していただきご意見を聞かせてください
    • イ.ご覧いただき、ご意見を伺えますでしょうか
    • ウ.見てもらって意見ください
    • エ.ご覧になられてご意見を申してください

    正解:イ.ご覧いただき、ご意見を伺えますでしょうか

    解説:相手に見て意見をもらう依頼は尊敬語「ご覧いただく」と「ご意見を伺う」を組み合わせる。「ご覧いただきご意見を伺えますでしょうか」が丁寧で適切。「拝見していただく」は誤用である。

  217. 問217.上司が席にいないことを来客に伝え、戻り時刻を案内するときの最も適当な言い方はどれか。

    • ア.部長はお戻りになる予定でいらっしゃいます
    • イ.部長は今いないので分かりません
    • ウ.あいにく部長はただ今席を外しており、○時頃には戻る予定でございます
    • エ.部長はそのうち戻られます

    正解:ウ.あいにく部長はただ今席を外しており、○時頃には戻る予定でございます

    解説:不在を伝える際は「あいにく」を添え、身内に尊敬語を使わず「ただ今席を外しております」「○時頃には戻る予定でございます」と謙譲・丁寧で案内する。身内に「お戻りになる」は不適である。

  218. 問218.来客を見送る際、エレベーターホールでの振る舞いとして最も適当なものはどれか。

    • ア.扉が閉まる前に背を向けて立ち去る
    • イ.乗り込んだのを見たらすぐ自席に戻る
    • ウ.見送りはせず受付で別れる
    • エ.扉が閉まるまで姿勢を正して見送り、お辞儀をする

    正解:エ.扉が閉まるまで姿勢を正して見送り、お辞儀をする

    解説:見送りでは扉が閉まるまで姿勢を正して見送り、軽くお辞儀をする。扉が閉まる前に背を向けたり立ち去ったりせず、最後まで丁寧に見送るのが接遇の基本作法である。

  219. 問219.お辞儀のうち、来客の送迎や深い感謝・おわびの際に用いる最も丁寧なお辞儀の名称はどれか。

    • ア.最敬礼
    • イ.会釈
    • ウ.敬礼(普通礼)
    • エ.目礼

    正解:ア.最敬礼

    解説:上体を約四十五度倒す「最敬礼」が最も丁寧で、送迎・謝罪・深い感謝に用いる。約三十度の「敬礼(普通礼)」は一般的な挨拶、約十五度の「会釈」は廊下ですれ違うときなどに用いる。

  220. 問220.廊下で来客とすれ違うときや、軽い挨拶に用いる、上体を約十五度倒すお辞儀の名称はどれか。

    • ア.敬礼(普通礼)
    • イ.会釈
    • ウ.最敬礼
    • エ.立礼

    正解:イ.会釈

    解説:約十五度の「会釈」は廊下ですれ違うときや軽い挨拶に用いる。約三十度の敬礼、約四十五度の最敬礼と角度で使い分ける。場面に応じてお辞儀の深さを変えるのが接遇の基本である。

  221. 問221.「こちらが資料になります」という接客用語に関する説明として正しいものはどれか。

    • ア.最も丁寧な言い方で問題はない
    • イ.「こちら」が不適切で「これ」とすべきである
    • ウ.変化を表す「なります」を物の提示に使う点が不適で、「でございます」とする
    • エ.敬語が足りず「資料になられます」とすべきである

    正解:ウ.変化を表す「なります」を物の提示に使う点が不適で、「でございます」とする

    解説:「〜になります」は本来、変化を表す表現で、物を指し示す場面では不適とされる。「こちらが資料でございます」とするのが正しい。いわゆるバイト敬語の典型で、改まった場では避ける。

  222. 問222.来客に複数の案内先のうち一つを選んでもらうとき、最も適当な言い方はどれか。

    • ア.どっちにしますか
    • イ.どちらにいたしますか
    • ウ.どれにされるのですか
    • エ.どちらになさいますか

    正解:エ.どちらになさいますか

    解説:選択を尋ねるときは「いずれになさいますか」「どちらになさいますか」と尊敬語「なさる」を用いる。「どっちにしますか」は砕けすぎ、「どちらにいたしますか」は謙譲語で相手の動作に使うのは誤りである。

  223. 問223.取引先へ電話をかけ、相手の都合を尋ねてから用件に入るときの最も適当な言い方はどれか。

    • ア.ただ今お時間よろしいでしょうかと都合を尋ねてから用件に入る
    • イ.いきなり用件を話し始める
    • ウ.忙しいかどうかは聞かず長々と話す
    • エ.都合が悪ければ向こうから言うだろうと考える

    正解:ア.ただ今お時間よろしいでしょうかと都合を尋ねてから用件に入る

    解説:電話では用件に入る前に「ただ今お時間よろしいでしょうか」と相手の都合を確かめるのが礼儀。いきなり用件を切り出さず、相手への配慮を示すのが上級の電話応対のマナーである。

  224. 問224.取引先の慶事(新社屋落成など)に祝いの品を贈るとき、表書きとして最も適当なものはどれか。

    • ア.御霊前
    • イ.御祝(祝御落成)
    • ウ.御仏前
    • エ.御香典

    正解:イ.御祝(祝御落成)

    解説:落成・開店・創立などの慶事には「御祝」「祝御落成」などと書き、紅白の水引を用いる。弔事用の「御霊前」や「御仏前」を慶事に使うのは重大な誤りで、慶弔の取り違えは厳に避ける。

  225. 問225.上司から「例の件、先方に伝えておいて」と指示され、取引先に伝言する際の言い方として最も適当なものはどれか。

    • ア.部長が〜とおっしゃっていました
    • イ.部長が〜と言われていました
    • ウ.部長が〜と申しておりました
    • エ.部長が〜と申されていました

    正解:ウ.部長が〜と申しておりました

    解説:上司の伝言を社外に伝えるときは謙譲語で「(上司)が〜と申しておりました」と表す。「おっしゃっていました」は身内に尊敬語を使う誤り。伝言と分かるよう責任の所在を明らかにするのも要点である。

  226. 問226.上級秘書Aは、上司(部長)が出張中に、専務から「部長が進めている新規案件の進捗を今すぐ報告してほしい」と急ぎで求められた。Aは案件の概要は把握しているが、最終的な判断や数字は上司しか答えられない部分がある。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.把握している事実は専務に伝え、判断を要する点は上司に至急連絡して指示を仰ぐ
    • イ.上司が不在なので戻るまで一切答えられないと専務に断る
    • ウ.案件の全体像を自分の推測で補って専務に報告する
    • エ.専務には何も言わず、上司が戻ってから報告すればよいと考える

    正解:ア.把握している事実は専務に伝え、判断を要する点は上司に至急連絡して指示を仰ぐ

    解説:上級秘書は上司の不在時でも組織の動きを止めない機転が要る。自分が答えられる事実は伝え、判断を要する点は上司に至急連絡して回答を仰ぐのが適当。憶測で答えたり、上司不在を理由に拒むのは上席者への配慮を欠く。

  227. 問227.上級秘書Aは、上司が複数の重要会議を抱える多忙な日に、取引先の重役から「ぜひ今日中に短時間でも面会したい」と連絡を受けた。上司に確認すると「今日は無理だが、先方の顔は立てたい」と言う。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.他の予定を勝手に削って今日の面会をねじ込む
    • イ.本日は予定が立て込む旨を丁重に詫び、代替日時の候補を複数示して調整する
    • ウ.今日は無理だと事実だけ伝えて電話を切る
    • エ.上司に相談せず、来週まで会えないと先方に回答する

    正解:イ.本日は予定が立て込む旨を丁重に詫び、代替日時の候補を複数示して調整する

    解説:上級秘書は上司と相手双方の体面を保つ調整が求められる。多忙を率直に詫びつつ代替日時を複数提示し、上司の意向どおり相手の顔を立てる対応が適当。一方的な断りや、無理な割り込みはどちらかの面目をつぶす。

  228. 問228.上級秘書Aは、上司主催の会食の席で、招いた取引先の役員が上司の旧知の話題を持ち出し、場が大いに盛り上がった一方、同席した若手の取引先担当者が会話に入れず手持ち無沙汰にしているのに気づいた。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.盛り上がっているので何もせず成り行きに任せる
    • イ.話題を断ち切って全員に別の話題を振り直す
    • ウ.若手担当者にさりげなく料理を勧めたり話を向け、会話に加われるよう橋渡しする
    • エ.若手担当者に「退屈そうですね」と直接声をかける

    正解:ウ.若手担当者にさりげなく料理を勧めたり話を向け、会話に加われるよう橋渡しする

    解説:上級秘書は同席者全員への目配りが必要。盛り上がりを妨げない程度に、入れずにいる人へ料理を勧めたり話を向けるなど自然に会話に加われるよう橋渡しするのが品位ある機転。放置や、場を仕切り直すのは行き過ぎ。

  229. 問229.上級秘書Aは、上司から「明日の役員会の資料は極秘扱いだ」と念を押されていた。その夜、社内の親しい先輩秘書から「明日の役員会、何が議題になるか聞いている?」と尋ねられた。先輩は上司とも親しい間柄である。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.先輩は上司とも親しいので、口止めしたうえで教える
    • イ.うわさ程度ならよいと思い、議題をぼかして伝える
    • ウ.断ると角が立つので、当たり障りのない範囲で一部だけ話す
    • エ.極秘事項なので立場上話せないと、角の立たない言い方で伝える

    正解:エ.極秘事項なので立場上話せないと、角の立たない言い方で伝える

    解説:機密は相手が誰であっても守るのが上級秘書の鉄則。親しさや相手の立場を理由に漏らせば信頼を失う。立場上話せない旨を角の立たない言い方で伝え、知らないふりも含め情報を出さないのが適当。

  230. 問230.上級秘書Aの下に新人秘書Bが配属された。Bは仕事熱心だが、来客に対する言葉遣いに不慣れで、時折ぞんざいな印象を与えてしまう。Aの指導として、最も適当なものはどれか。

    • ア.来客のいない場で具体例を挙げて改善点を伝え、適切な言い方の手本を示す
    • イ.来客の面前でその都度すぐに言い直しを指示する
    • ウ.本人の自覚に任せ、特に何も言わずに見守る
    • エ.他の秘書の前でBの言葉遣いの悪さを指摘し、注意を促す

    正解:ア.来客のいない場で具体例を挙げて改善点を伝え、適切な言い方の手本を示す

    解説:上級秘書は後輩の手本であり育成役。来客の前で叱れば双方が気まずく、放置も成長を妨げる。人のいないところで具体例を挙げて改善点を伝え、よい言い方を示すのが指導者としての適切な配慮である。

  231. 問231.上級秘書Aは、上司から理不尽とも思える指示を急に受け、内心では納得できなかった。しかし指示には従わざるを得ない状況である。このときのAの心構えとして、最も適当なものはどれか。

    • ア.納得できない旨をその場で率直に上司に抗議する
    • イ.感情を抑えてまず指示を遂行し、疑問があれば後で冷静に確認・進言する機会を持つ
    • ウ.不満な態度を顔に出し、周囲に分かるようにする
    • エ.気が進まないので指示を後回しにして様子を見る

    正解:イ.感情を抑えてまず指示を遂行し、疑問があれば後で冷静に確認・進言する機会を持つ

    解説:上級秘書は感情を自制し、まず指示を遂行するのが基本。不満を表に出せば職場の空気を乱す。疑問があれば後で冷静に確認・進言の機会を持つのが成熟した対応で、その場で抗弁したり投げやりになるのは不適当。

  232. 問232.上級秘書Aは、上司が会議で発言する際に使う数値資料に、自分が前任から引き継いだ古いデータが含まれている可能性に気づいた。会議開始まで時間はわずかしかない。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.時間がないので、そのまま使ってもらう
    • イ.自分の判断で正しいと思うデータに差し替えておく
    • ウ.古いデータの疑いがある旨を直ちに上司に伝え、確認を促す
    • エ.会議後に上司へ報告すればよいと考える

    正解:ウ.古いデータの疑いがある旨を直ちに上司に伝え、確認を促す

    解説:上級秘書は上司に恥をかかせない先回りが要る。確証がなくても気づいた点はすぐ上司に伝え、確認・差し替えを促すのが適当。黙認すれば上司の信用に関わり、勝手な差し替えは別の誤りを招く。

  233. 問233.上級秘書Aは、複数の役員秘書をまとめる立場にある。ある日、他の役員秘書Cが上司(役員)への取り次ぎでミスをし、相手を怒らせてしまった。CはAに相談してきた。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.Cの責任なので自分で何とかするよう突き放す
    • イ.Cに代わってAが勝手に相手へ謝罪し、後で報告すればよいと処理する
    • ウ.Cのミスを他の秘書にも共有し、注意喚起の材料にする
    • エ.Cを責めず事実を整理させ、相手への謝意の伝え方と上司への報告の仕方を助言する

    正解:エ.Cを責めず事実を整理させ、相手への謝意の伝え方と上司への報告の仕方を助言する

    解説:上級秘書は人間関係の調整役。まずCを責めず事実を整理させ、相手への謝意の伝え方や上司への報告の仕方を助言するのが適当。突き放したり、Cに代わって勝手に動くのは育成にも信頼関係にも反する。

  234. 問234.上級秘書Aは、上司から「最近忙しくて部下をねぎらえていない。何かよい機会はないか」と相談された。上司の負担を増やさず、部下にも喜ばれる提案をしたい。Aの提案として、最も適当なものはどれか。

    • ア.上司の手を煩わせず喜ばれるよう、節目の機会に短い慰労の場を設ける案を準備して提案する
    • イ.上司が多忙なので、特に何もしなくてよいと答える
    • ウ.大規模な社内イベントを企画し、上司に運営も任せる案を出す
    • エ.上司に相談せず、Aの判断で部下を集めて慰労会を開く

    正解:ア.上司の手を煩わせず喜ばれるよう、節目の機会に短い慰労の場を設ける案を準備して提案する

    解説:上級秘書は上司の意図をくみ、実現しやすい形に整えて提案する。手間をかけず効果のある選択肢を示すのが補佐。上司を煩わせる大掛かりな案や、上司の意に沿わない案を独断で進めるのは不適当。

  235. 問235.上級秘書Aは、上司が外部の重要人物と電話中、別の取引先から上司宛に「至急の決裁が必要」と電話が入った。上司の電話は当分終わりそうにない。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.上司の通話中の電話に割り込んで取り次ぐ
    • イ.状況を詫びて折り返しの段取りを示し、用件を正確に控えて通話後すぐ上司に伝える
    • ウ.至急なので自分の判断で決裁内容を相手に回答する
    • エ.上司が手を離せないので、また連絡してほしいと伝えて切る

    正解:イ.状況を詫びて折り返しの段取りを示し、用件を正確に控えて通話後すぐ上司に伝える

    解説:上級秘書は緊急度を見極めて優先順位をさばく。相手に状況を詫びて折り返しの段取りを示し、上司には電話が終わり次第すぐ伝えられるよう用件を正確にメモするのが適当。割り込みや放置は不適当。

  236. 問236.上級秘書Aは、上司の指示で社内表彰式の段取りを任された。当日、表彰される予定の社員の一人が直前に体調を崩し欠席となった。上司は他の来賓対応で手が離せない。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.予定どおり進めて、欠席者の表彰だけ無言で飛ばす
    • イ.上司の判断を待つため、表彰式の進行を一旦止める
    • ウ.後日授与の案内など進行に支障ない代替を準備し、要点を上司に伝えて了承を得る
    • エ.欠席者は表彰対象から外すと、Aの判断で確定する

    正解:ウ.後日授与の案内など進行に支障ない代替を準備し、要点を上司に伝えて了承を得る

    解説:上級秘書は不測の事態に先を読んで動く。欠席者の扱いを進行に支障なく整え(後日授与の案内や式次第の調整など)、要点を上司に簡潔に伝えて了承を得るのが適当。式を止めたり、独断で重大な変更を確定するのは不適当。

  237. 問237.上級秘書Aは、上司が信頼している取引先の担当者が、最近たびたびAに「上司の予定を前もって教えてほしい」と細かく尋ねてくるのに気づいた。悪意は感じられないが、社外に逐一予定を知らせるのは適切でないと感じる。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.信頼関係があるので、聞かれるまま予定をすべて伝える
    • イ.急に何も教えないようにして相手を遠ざける
    • ウ.上司に無断で、今後は一切予定を伝えないと相手に通告する
    • エ.必要な範囲に限って丁重に案内し、それ以上は差し控える

    正解:エ.必要な範囲に限って丁重に案内し、それ以上は差し控える

    解説:上司の予定は社外に無闇に伝えるべき情報ではない。相手との関係を損なわないよう、必要な範囲に限って案内し、それ以上は丁重にとどめるのが上級秘書の判断。すべて教えるのも、急に冷淡にするのも不適当。

  238. 問238.上級秘書Aは、上司から「君に任せた仕事の進め方は、もう少し効率を考えてはどうか」と忠告を受けた。Aには自分なりのやり方への自負があった。忠告の受け方として、最も適当なものはどれか。

    • ア.まず助言に礼を述べ、指摘を受け止めて自分の進め方を見直す
    • イ.自分のやり方には理由がある旨をその場で説明して反論する
    • ウ.返事だけして、実際には今までどおり続ける
    • エ.忠告を受けたことを不満に思い、態度に出す

    正解:ア.まず助言に礼を述べ、指摘を受け止めて自分の進め方を見直す

    解説:上級秘書は忠告を素直に受け止め、改善に生かす姿勢が品位を保つ。まず礼を述べ、自分のやり方を見直すのが成熟した対応。反論で正当化したり、表面的に受け流すのは成長を妨げ、印象も損ねる。

  239. 問239.上級秘書Aは、上司が出席する業界の会合で、上司が他社の役員と名刺交換をする場に同席した。相手の役員が上司の肩書を一段低く誤って呼んだ。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.相手にその場で「肩書が違います」とはっきり訂正する
    • イ.会話の流れの中でさりげなく正しい肩書を添え、自然に伝わるようにする
    • ウ.誤りに気づかないふりをして何もしない
    • エ.後で相手の会社に連絡し、肩書の訂正を申し入れる

    正解:イ.会話の流れの中でさりげなく正しい肩書を添え、自然に伝わるようにする

    解説:上司の体面に関わる場面では、相手にも上司にも恥をかかせない配慮が要る。会話の流れの中でさりげなく正しい肩書を添えるなど自然に訂正するのが適当。その場で強く正したり、放置するのは双方の面目を損なう。

  240. 問240.上級秘書Aの後輩秘書Dが、最近遅刻が増え、仕事にも身が入っていない様子である。事情を聞くと家庭の事情で悩んでいるという。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.家庭の事情には立ち入らず、遅刻は本人の問題として放っておく
    • イ.Dの事情を上司や同僚に詳しく伝え、皆で気遣うよう促す
    • ウ.事情に理解を示しつつ、業務に支障が出ない工夫を一緒に考え、必要なら上司への相談を助言する
    • エ.私事を理由に甘えていると、Dを厳しく叱る

    正解:ウ.事情に理解を示しつつ、業務に支障が出ない工夫を一緒に考え、必要なら上司への相談を助言する

    解説:上級秘書は後輩の事情にも配慮しつつ、業務への影響は見過ごさない調整役。事情に理解を示したうえで業務に支障が出ない工夫を一緒に考え、必要なら上司への相談も助言するのが適当。私事に深入りも放置も不適当。

  241. 問241.上級秘書Aは、上司の代理で社外の打ち合わせに同席し、議事を記録するよう指示された。打ち合わせ中、出席者の一人が事実と異なる発言をしたが、それを正すのはAの立場では出過ぎだと感じた。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.その場で発言を遮り、事実と違うと指摘する
    • イ.誤った発言もそのまま正しいものとして記録する
    • ウ.記録は残さず、Aの記憶だけで後日処理する
    • エ.発言は正確に記録し、後で事実と異なる点を上司に報告して判断を仰ぐ

    正解:エ.発言は正確に記録し、後で事実と異なる点を上司に報告して判断を仰ぐ

    解説:上級秘書は補佐の分をわきまえつつ、上司の不利益は防ぐ。その場で口を挟まず正確に記録し、後で上司に事実と異なる点を報告して判断を仰ぐのが適当。勝手な訂正も、誤りを伏せるのも不適当である。

  242. 問242.上級秘書Aは、上司が懇意にしている取引先から、季節の贈答品が上司宛に届いた。社内規程では一定額を超える贈答品の受領には届出が必要だが、品物は規程の額に近く判断が微妙である。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.規程に照らした扱いを上司に確認し、届出の要否を含め指示を仰ぐ
    • イ.微妙な額なので届出は不要と自分で判断して受領する
    • ウ.規程に触れそうなので、上司に断らず先方に送り返す
    • エ.額のことには触れず、ふつうに受け取って礼状だけ出す

    正解:ア.規程に照らした扱いを上司に確認し、届出の要否を含め指示を仰ぐ

    解説:微妙な判断は独断せず、規程に照らして上司に確認するのが上級秘書の誠実な対応。受領可否や届出の要否を上司に諮り指示を仰ぐ。勝手に受領・返送したり、規程を無視するのは公正さを欠く。

  243. 問243.上級秘書Aは、上司が複数の部下の中から一人を昇進させる選考を控えていることを、補佐の過程で知った。候補の一人とAは個人的に親しい。Aの心構えとして、最も適当なものはどれか。

    • ア.親しい候補に、選考があることを内々に知らせておく
    • イ.私情を交えず選考の情報は一切漏らさず、公平な姿勢を保つ
    • ウ.候補が有利になるよう、上司にそれとなく推す
    • エ.親しさからつい話してしまわぬよう、しばらく候補を避ける

    正解:イ.私情を交えず選考の情報は一切漏らさず、公平な姿勢を保つ

    解説:上級秘書には公平さと機密保持が求められる。私情を交えず情報を一切漏らさないのが原則。親しい候補に内々に知らせたり、選考に影響を与えようとするのは公正さに反し、信頼を失う行為である。

  244. 問244.上級秘書Aは、上司が外部講演に招かれ、当日の進行や接遇を任された。会場で主催者側の担当者が不慣れで、上司の控室や登壇時刻の案内に手間取っている。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.主催者の仕事なので口を出さず、上司を待たせたままにする
    • イ.主催者を差し置いて、Aが会場全体を取り仕切る
    • ウ.主催者を立てつつ、進行の確認や控室の調整を申し出て不足をさりげなく補う
    • エ.案内が遅いと主催者の担当者をその場でとがめる

    正解:ウ.主催者を立てつつ、進行の確認や控室の調整を申し出て不足をさりげなく補う

    解説:上級秘書は上司が滞りなく役割を果たせるよう先回りする。主催者を立てつつ、進行の確認や控室の調整を申し出て不足を補うのが機転。主催者任せで放置も、出しゃばって主催者の役割を奪うのも不適当。

  245. 問245.上級秘書Aは、上司から「来週の出張、君も同行してほしい」と言われたが、同じ日に別の役員から「重要会議の準備を手伝ってほしい」と依頼された。どちらも断りにくい。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.後から頼まれた役員の依頼を、上司に相談せず断る
    • イ.両方引き受け、無理をしてでも自分一人でこなそうとする
    • ウ.先に頼んだ上司を優先すると即断し、役員には理由を告げず断る
    • エ.直属の上司に事情を伝え、優先順位や代替案を相談して調整する

    正解:エ.直属の上司に事情を伝え、優先順位や代替案を相談して調整する

    解説:上級秘書は板挟みの調整も冷静に行う。まず直属の上司に事情を伝え、優先順位や代替案(他の人への依頼など)を相談して決めるのが筋。一方を独断で断ったり、両方抱えて破綻させるのは不適当。

  246. 問246.上級秘書Aは、上司が机上に出したまま席を外した書類に、社外秘の人事案が含まれているのに気づいた。来客の予定が迫っており、来客の目に触れる恐れがある。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.来客の目に触れぬよう速やかに伏せて収め、後で上司にその旨を伝える
    • イ.上司のものなので触れず、そのままにしておく
    • ウ.内容をよく確認してから、必要に応じて整理し直す
    • エ.来客にこの席に近づかないよう注意しておく

    正解:ア.来客の目に触れぬよう速やかに伏せて収め、後で上司にその旨を伝える

    解説:機密の保全は上級秘書の重要な務め。来客の目に触れぬよう速やかに見えない場所へ収め、後で上司にその旨を伝えるのが適当。放置は情報漏えいの恐れがあり、内容に立ち入って読み込むのは越権である。

  247. 問247.上級秘書Aは、新人秘書Eから「上司に頼まれた仕事を、自分の判断でこう進めてよいか」と相談を受けた。Eの案には誤りはないが、上司の意向を確認した方がよい点が含まれている。Aの助言として、最も適当なものはどれか。

    • ア.案に誤りがないなら、すべてEの判断に任せてよいと答える
    • イ.上司の意向を確認すべき点を具体的に示し、確認の仕方も助言する
    • ウ.Eの案を退け、Aが代わりに進め方を決めてしまう
    • エ.上司に聞くまでもないと、確認は不要だと伝える

    正解:イ.上司の意向を確認すべき点を具体的に示し、確認の仕方も助言する

    解説:上級秘書は後輩に判断の勘所を教える役。案そのものを評価しつつ、上司の意向を確認すべき点を具体的に示し、確認の仕方も助言するのが指導。すべて任せきりも、Aが代わって判断するのも育成にならない。

  248. 問248.上級秘書Aは、上司が体調を崩し気味なのに、多忙で休もうとしないことに気づいた。上司の健康は気がかりだが、進言は出過ぎになるかもしれない。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.上司の自己管理の問題なので、何も言わずにおく
    • イ.上司に強く休養を迫り、予定を勝手にすべて取りやめる
    • ウ.差し出口にならぬよう配慮しつつ、予定調整の余地を示して健康に配慮した進言をする
    • エ.上司の家族に連絡し、休ませるよう頼む

    正解:ウ.差し出口にならぬよう配慮しつつ、予定調整の余地を示して健康に配慮した進言をする

    解説:上級秘書は上司の体調にも目を配り、補佐として無理のない進言を行う。差し出口にならぬよう配慮しつつ、予定の調整余地を示すなど健康に配慮した進言をするのが適当。黙認も、強く休養を迫るのも不適当。

  249. 問249.上級秘書Aは、上司の指示で重要な来客を応接室に案内した。談笑の中で来客が「実は御社の○○という新製品の話を小耳に挟んだのだが」と未公表の情報に触れる発言をした。Aはその情報を業務上知っている。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.知っていることなので、差し支えない範囲で内容を補足する
    • イ.「その話は本当です」と肯定して相手の関心に応える
    • ウ.知らないと言い切るのも不自然なので、概要だけ説明する
    • エ.話を否定も肯定もせず、上司に委ねる形で受け流す

    正解:エ.話を否定も肯定もせず、上司に委ねる形で受け流す

    解説:未公表情報は相手が水を向けても秘書が確認・肯定してはならない。話を否定も肯定もせず、上司に委ねる形で受け流すのが上級秘書の機密保持。うっかり認めたり、詳しく語るのは重大な漏えいになる。

  250. 問250.上級秘書Aは、複数の秘書を束ねる立場で、繁忙期に業務が一部の秘書に偏っているのに気づいた。負担の重い秘書から不満も漏れ始めている。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.業務量を見直して公平に配分し直し、必要なら上司に相談する
    • イ.不満を言う秘書をわがままだとたしなめる
    • ウ.繁忙期だけのことなので、不満には取り合わない
    • エ.負担の重い秘書だけを特別扱いして他の秘書の仕事を肩代わりさせる

    正解:ア.業務量を見直して公平に配分し直し、必要なら上司に相談する

    解説:上級秘書は職場全体の調和を保つ調整役。業務量を見直して公平に配分し直し、必要なら上司に相談するのが適当。不満を無視したり、特定の秘書だけをかばう・責めるのは人間関係の調整に反する。

  251. 問251.上級秘書Aは、上司が主賓として招かれた式典に同行した。式典後の歓談で、上司が他社の人物と込み入った話を始めた。Aは席を外すべきか迷ったが、近くで控えていた。話の内容に機密性が感じられる。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.話の内容を把握するため、近くで聞き取れる位置に留まる
    • イ.上司の妨げにならぬよう声の届かない位置にさりげなく下がり、呼べば応じられる距離を保つ
    • ウ.用がなさそうなので、その場をすっかり離れて別室で待つ
    • エ.上司に「席を外しましょうか」と話の途中で声をかける

    正解:イ.上司の妨げにならぬよう声の届かない位置にさりげなく下がり、呼べば応じられる距離を保つ

    解説:込み入った話には立ち会わない配慮が上級秘書の品位。上司の妨げにならぬよう、声の届かない位置にさりげなく下がり、必要があれば応じられる距離を保つのが適当。聞き耳を立てたり、遠く離れて役目を放棄するのは不適当。

  252. 問252.上級秘書Aは、上司から急ぎの私的な用事(家族への贈り物の手配など)を頼まれた。同時に業務上の重要な締め切りも迫っている。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.頼まれた私用をまず片付け、業務の締め切りは後回しにする
    • イ.私用は業務外なので引き受けられないと断る
    • ウ.業務の締め切りを優先しつつ、私用の処理の見通しを上司に伝えて段取りする
    • エ.私用を独断で後回しにし、上司には何も言わずにおく

    正解:ウ.業務の締め切りを優先しつつ、私用の処理の見通しを上司に伝えて段取りする

    解説:上級秘書は公私の優先順位を見極めつつ、上司の依頼にも応える。業務の締め切りを優先しながら、私用は処理の見通しを上司に伝えて段取りするのが適当。私用を即優先するのも、断るのも、独断で後回しにして黙るのも不適当。

  253. 問253.上級秘書Aは、上司が信頼する古参の社員Fから「君の上司は今度の件で社内で評判がよくないらしいよ」と耳打ちされた。Aはその真偽を確かめようがない。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.上司の評判が気になるので、Fに詳しく事情を問いただす
    • イ.聞いた話をそのまま上司に伝えて注意を促す
    • ウ.Fの話に同調し、自分も日頃感じていた不満を口にする
    • エ.真偽の定かでない話には同調も否定もせず、受け流して広げない

    正解:エ.真偽の定かでない話には同調も否定もせず、受け流して広げない

    解説:上級秘書は根拠のないうわさに動かされず、品位を保つ。同調も否定もせず受け流し、上司の信用に関わる無責任な話を広げないのが適当。同調したり、上司に逐一報告して不安にさせる、相手に食ってかかるのは不適当。

  254. 問254.上級秘書Aは、上司の代理で取引先の祝賀会に出席することになった。先方には自社の社長も顔を出す予定で、複数の取引先関係者が集まる。Aの身だしなみと振る舞いについて、最も適当なものはどれか。

    • ア.祝賀会にふさわしい装いを整え、目立ちすぎず礼を尽くして応対する
    • イ.自社を印象づけるため、できるだけ華やかに装って目立つようにする
    • ウ.代理にすぎないので、目立たぬよう終始隅で黙っている
    • エ.気楽な集まりと考え、ふだんどおりの服装で出席する

    正解:ア.祝賀会にふさわしい装いを整え、目立ちすぎず礼を尽くして応対する

    解説:上級秘書は上司・自社の顔として品位ある装いと控えめな振る舞いが求められる。場にふさわしい装いを整え、目立ちすぎず礼を尽くして応対するのが適当。華美に装うのも、私的な場のように振る舞うのも、終始隅で黙すのも不適当。

  255. 問255.上級秘書Aは、上司が大事にしている取引先の担当者から「実は近々独立を考えている。よい話があれば紹介してほしい」と内々に相談された。Aは上司の人脈をある程度把握している。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.相手の役に立とうと、上司の人脈をいくつか紹介してあげる
    • イ.安請け合いせず、相談の内容は上司に取り次いで判断を仰ぐ
    • ウ.独立の話を社内の同僚にも伝えて協力を募る
    • エ.上司に無断で、後日よい話を探して相手に知らせる

    正解:イ.安請け合いせず、相談の内容は上司に取り次いで判断を仰ぐ

    解説:上司の人脈や情報を秘書の判断で私的に動かすのは越権かつ機密に関わる。相談を受けても安請け合いせず、上司に取り次ぐか上司の判断を仰ぐのが適当。勝手に紹介したり、上司の情報を提供するのは不適当。

  256. 問256.上級秘書Aは、上司の指示で社内会議の運営を任された。会議中、出席役員の一人が感情的になり、別の役員と口論になりかけた。上司は議長として収拾に努めているが、場が険悪である。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.口論に割って入り、Aが両者を仲裁する
    • イ.秘書の役目ではないので、成り行きを黙って見ている
    • ウ.議長を立てつつ、休憩や茶菓の用意などで自然に間を取り、場が和らぐよう支える
    • エ.感情的になった役員に、落ち着くようその場で直接注意する

    正解:ウ.議長を立てつつ、休憩や茶菓の用意などで自然に間を取り、場が和らぐよう支える

    解説:上級秘書は会議運営の補佐として場を和らげる機転を働かせる。議長(上司)を立てつつ、休憩や茶菓の用意などで自然に間を取り、収拾を支えるのが適当。出しゃばって仲裁するのも、傍観するのも不適当。

  257. 問257.上級秘書Aは、後輩秘書Gが来客応対で機転を利かせ、難しい場面をうまく収めたのを見た。一方で、Gのやり方には今後のために改善した方がよい点もあった。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.改善点だけを伝え、よかった点には特に触れない
    • イ.うまくいったのだから、特に何も言わずにおく
    • ウ.他の秘書の前でGをほめ、改善点も同じ場で指摘する
    • エ.よかった点を具体的に認めたうえで、改善点を前向きに伝える

    正解:エ.よかった点を具体的に認めたうえで、改善点を前向きに伝える

    解説:上級秘書は後輩を育てる手本。まずよかった点を具体的に認めてやる気を支え、そのうえで改善点を前向きに伝えるのが指導の要領。長所に触れず欠点だけ指摘したり、何も言わないのは育成として不十分である。

  258. 問258.上級秘書Aは、上司が出席する重要会議の直前、上司の上着のボタンが取れかかっているのに気づいた。会議には社外の重要人物も出席する。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.人目につかぬよう上司にそっと知らせ、直す手だてを用意する
    • イ.会議が始まるので、気づかなかったことにする
    • ウ.会議の出席者の前で、上着のボタンを直すよう声をかける
    • エ.上司に断らず、Aが勝手に上着を預かって繕う

    正解:ア.人目につかぬよう上司にそっと知らせ、直す手だてを用意する

    解説:上司の体面に関わる細部に気づき、さりげなく整えるのが上級秘書の配慮。人目につかぬよう上司にそっと知らせ、直す手だてを用意するのが適当。指摘せず放置すれば上司が恥をかき、人前で大げさに繕うのは不適当。

  259. 問259.上級秘書Aは、上司が懇意の取引先と商談中、先方が出した条件に上司が難色を示し、その場の雰囲気がやや硬くなった。茶菓を運ぶタイミングでもある。Aの振る舞いとして、最も適当なものはどれか。

    • ア.上司に有利になるよう、商談にそれとなく口を添える
    • イ.茶菓を出すなど自然な所作でさりげなく間を作り、場が和らぐよう配慮する
    • ウ.硬い空気を察せず、勢いよく茶菓を運び込む
    • エ.雰囲気が悪いので、茶菓を出すのはやめておく

    正解:イ.茶菓を出すなど自然な所作でさりげなく間を作り、場が和らぐよう配慮する

    解説:上級秘書は商談の内容に立ち入らず、場の空気を和らげる気配りを行う。茶菓を出すなど自然な所作で間を作り、双方が話しやすい雰囲気にするのが適当。商談に口を挟むのも、硬い空気を察せず無造作に振る舞うのも不適当。

  260. 問260.上級秘書Aは、上司から「最近の若手秘書は気が利かない」とこぼされ、「君から少し言ってやってくれ」と頼まれた。Aは若手にも事情があると感じている。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.上司の言葉をそのまま若手に伝え、反省を促す
    • イ.若手にも事情があるからと、結局何もしない
    • ウ.上司の懸念を踏まえ、若手に具体的な気配りの仕方を前向きに教える
    • エ.若手をかばい、上司に若手の言い分をそのまま伝える

    正解:ウ.上司の懸念を踏まえ、若手に具体的な気配りの仕方を前向きに教える

    解説:上級秘書は上司の意を受けつつ、頭ごなしに後輩を責めない調整役。上司の懸念を踏まえ、若手に具体的な気配りの仕方を前向きに教えるのが適当。上司の言葉をそのまま伝えて萎縮させたり、何もしないのは不適当。

  261. 問261.上級秘書Aは、上司が信頼する部下Hが、上司に無断である取引先と接触し、後で問題になりそうな約束をしたらしいと小耳に挟んだ。確証はない。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.Hを呼んで、約束の内容を問いただす
    • イ.確証がないので、まったく気に留めずにおく
    • ウ.うわさを社内の関係者に伝えて注意を促す
    • エ.むやみに広げず、上司に関わる懸念として事実確認の必要を控えめに伝える

    正解:エ.むやみに広げず、上司に関わる懸念として事実確認の必要を控えめに伝える

    解説:確証のない話を独断で動くのは行き過ぎだが、上司の不利益に関わる懸念は見過ごせない。むやみに広げず、上司に関わる重要事として事実関係を確かめる必要を上司に控えめに伝えるのが適当。詰問や放置、社内に広めるのは不適当。

  262. 問262.上級秘書Aは、上司から「君もそろそろ後輩を一人前に育ててほしい」と任された。後輩秘書Iは素直だが、失敗を恐れて自分から動こうとしない。Aの育て方として、最も適当なものはどれか。

    • ア.任せる範囲を見極めて段階的に仕事を任せ、失敗は責めず助言して経験を積ませる
    • イ.失敗されると困るので、当面は手本を見せるだけにとどめる
    • ウ.自分で動かないIに、失敗したら厳しく咎めて奮起を促す
    • エ.本人の自覚が育つまで、仕事を任せず見守るだけにする

    正解:ア.任せる範囲を見極めて段階的に仕事を任せ、失敗は責めず助言して経験を積ませる

    解説:上級秘書は後輩の自立を促す育成を行う。任せる範囲を見極めて少しずつ仕事を任せ、失敗を責めず助言して経験を積ませるのが適当。失敗を厳しく咎める、任せず手本だけ見せ続ける、放任はいずれも自立を妨げる。

  263. 問263.上級秘書Aは、上司が外部の人物と面談中、Aは隣室で別の作業をしていた。面談相手が帰り際、Aに「今日の話は他言無用で頼む」と念を押して去った。後日、上司から「あの面談の内容、君は聞いていたか」と尋ねられた。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.余計なことに関わりたくないので、何も聞いていないと答える
    • イ.聞こえた範囲を事実どおり伝え、他言無用と念を押された旨も報告する
    • ウ.聞いた内容を、確認のため別の社員にも話して整合を取る
    • エ.念を押されたので、上司にも内容は言えないと答える

    正解:イ.聞こえた範囲を事実どおり伝え、他言無用と念を押された旨も報告する

    解説:上級秘書は知り得た範囲を正直に、かつ機密を守って答える。聞こえた範囲を事実どおり上司に伝え、他言無用の念押しがあった旨も併せて報告するのが誠実な対応。聞いていないと偽る、内容を他言するのは不適当。

  264. 問264.上級秘書Aは、上司の指示で長年の取引先へ慶弔の手配をすることが多い。あるとき、取引先の社長の訃報に接したが、社葬か密葬か、香典や供花の扱いをどうするか判断に迷う点があった。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.急ぐので、前例に倣ってAの判断ですべて手配する
    • イ.迷う点には触れず、ふつうの取引先と同じ扱いで済ませる
    • ウ.前例や先方の意向を確認し、迷う点は上司に諮って指示を仰ぐ
    • エ.判断がつかないので、手配自体を後回しにする

    正解:ウ.前例や先方の意向を確認し、迷う点は上司に諮って指示を仰ぐ

    解説:慶弔は会社の体面と相手への礼を左右する。前例や先方の意向を確認し、判断に迷う点は上司に諮って指示を仰ぐのが上級秘書の慎重さ。独断で手配したり、確認を怠って通例で済ませるのは失礼につながる。

  265. 問265.上級秘書Aは、上司が信頼を寄せる取引先の担当者と、業務を通じて個人的にも親しくなった。あるとき相手から「ここだけの話だが」と、相手の会社の内部事情を打ち明けられそうになった。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.親しいので、相手の会社の事情を進んで聞いておく
    • イ.聞いた内部事情を、参考になると上司に伝える
    • ウ.他社の話を社内の同僚にも共有して話題にする
    • エ.立場をわきまえ、他社の内部事情には深く立ち入らないよう穏やかにとどめる

    正解:エ.立場をわきまえ、他社の内部事情には深く立ち入らないよう穏やかにとどめる

    解説:他社の内部事情に深入りするのは立場上望ましくない。親しさに流されず、立場をわきまえて深く立ち入らないよう穏やかにとどめるのが上級秘書の品位。進んで聞き出すのも、聞いた話を上司や社内に持ち込むのも不適当。

  266. 問266.上級秘書Aは、上司が外部の表彰式で挨拶をすることになり、原稿の下準備を任された。式の格式は高く、来賓も多い。Aの心構えとして、最も適当なものはどれか。

    • ア.会の趣旨と出席者を踏まえて要点を整理し、最終判断は上司に委ねる
    • イ.Aの判断で挨拶の内容を完成させ、上司に確認は求めない
    • ウ.格式ばらない方がよいと考え、くだけた内容で下準備する
    • エ.原稿は上司が考えるものなので、特に準備はしない

    正解:ア.会の趣旨と出席者を踏まえて要点を整理し、最終判断は上司に委ねる

    解説:上級秘書は上司が場にふさわしく振る舞えるよう、格式や相手に配慮して下準備を整える。会の趣旨と出席者を踏まえて要点を整理し、最終判断は上司に委ねるのが適当。独断で内容を決めたり、格式を軽んじるのは不適当。

  267. 問267.上級秘書Aは、上司が出張先から電話で「予定より一日早く帰る。社内には明日まで伏せておいてくれ」と指示した。ところが、上司の帰社を心待ちにしている部下から「部長はいつ戻られますか」と尋ねられた。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.部下が心待ちなので、こっそり早く戻ることを教える
    • イ.上司の指示なので、伏せるべき早期帰社の事実は話さず予定どおりの帰社日を答える
    • ウ.上司に断らず、部下にだけ早期帰社を伝えてよいと判断する
    • エ.上司の指示を破り、社内に早期帰社を周知する

    正解:イ.上司の指示なので、伏せるべき早期帰社の事実は話さず予定どおりの帰社日を答える

    解説:上司の指示で伏せるよう言われた以上、相手が誰でも口外しないのが原則。予定どおりの帰社日を答えるにとどめ、上司の指示を守るのが適当。早く帰る事実を漏らしたり、指示に反して特別扱いするのは信頼を損なう。

  268. 問268.上級秘書Aは、上司の指示で社外の重要な会合の受付・接遇を担当した。会合の途中、出席者の一人が体調を崩して具合が悪そうにしているのに気づいた。会の進行は続いている。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.進行を優先し、その人の様子には立ち入らない
    • イ.会の進行を止め、全員にその人の体調不良を知らせる
    • ウ.進行を乱さぬようそっと声をかけ、休める場所へ案内し必要なら手当てを手配する
    • エ.本人が言い出すまで、何もせず待つ

    正解:ウ.進行を乱さぬようそっと声をかけ、休める場所へ案内し必要なら手当てを手配する

    解説:上級秘書は出席者の安全と会の進行の両方に配慮する。進行を乱さぬよう、その人にそっと声をかけて休める場所へ案内し、必要なら手当ての手配をするのが適当。進行優先で放置するのも、会全体を止めて騒ぐのも不適当。

  269. 問269.上級秘書Aは、上司が信頼する古参社員から、Aの後輩秘書について「あの子は気が利かない」と陰で言われているのを耳にした。後輩本人は知らない。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.聞いた陰口をそのまま後輩に伝え、注意させる
    • イ.古参社員の話に同調し、自分も後輩の至らなさを語る
    • ウ.陰口のことには触れず、後輩には何も助言しない
    • エ.本人を萎縮させぬよう配慮しつつ、必要な点を建設的に助言する

    正解:エ.本人を萎縮させぬよう配慮しつつ、必要な点を建設的に助言する

    解説:上級秘書は後輩を守りつつ前向きに育てる。陰口をそのまま本人に伝えれば傷つけ、放置すれば成長の機を逃す。本人を萎縮させぬよう配慮しながら、必要な点を建設的に助言するのが適当。陰口に同調するのは品位を欠く。

  270. 問270.上級秘書Aは、後輩秘書Jから「上司にミスを報告するのが怖い。黙っていてはいけないか」と相談された。ミスは早めに伝えれば対処できる種類のものである。Aの助言として、最も適当なものはどれか。

    • ア.早く正直に報告した方が対処でき信頼にもつながると諭し、報告の仕方を助言する
    • イ.大きな問題でなければ黙っていてもよいと勧める
    • ウ.報告は本人の責任だからと、相談を突き放す
    • エ.Jに代わってAが上司にミスを報告してしまう

    正解:ア.早く正直に報告した方が対処でき信頼にもつながると諭し、報告の仕方を助言する

    解説:上級秘書は報告の大切さを後輩に教える。ミスは早く正直に報告した方が対処でき信頼にもつながると諭し、報告の仕方を助言するのが適当。隠すことを勧める、突き放す、Aが代わりに報告して本人の学びを奪うのは不適当。

  271. 問271.上級秘書Aは、上司が複数の予定を抱える日に、上司の家族から「急ぎ本人に伝えたいことがある」と私的な電話が入った。緊急の様子だが、上司は今まさに重要な会議に入る直前である。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.私的な電話なので、会議が終わるまで取り次がない
    • イ.会議直前と伝えつつ、緊急なら要点を確認し上司に速やかに知らせて判断を仰ぐ
    • ウ.Aの判断で、家族に折り返しを約束して会議を優先させる
    • エ.家族から用件を詳しく聞き出し、Aが代わりに処理する

    正解:イ.会議直前と伝えつつ、緊急なら要点を確認し上司に速やかに知らせて判断を仰ぐ

    解説:私的でも緊急性のある連絡は上司の判断に委ねるべき。会議直前であることを家族に伝えつつ、緊急なら要点を確認して上司に速やかに知らせ、対応を仰ぐのが適当。私用だからと取り次がない、無断で内容に立ち入るのは不適当。

  272. 問272.上級秘書Aは、上司が大切にしている来客の応対中、上司が席を外した隙に来客から「実は前回の取引でこちらに不手際があったのではと感じている」と打ち明けられた。Aには事の経緯が分からない。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.経緯は分からないが、その場で不手際を認めて謝罪する
    • イ.こちらに非はないと、根拠なくはっきり否定する
    • ウ.話を丁寧に受け止めて誠意を示し、確認のうえ上司から改めて応じる旨を伝える
    • エ.自分には関係ないと、話題を変えてやり過ごす

    正解:ウ.話を丁寧に受け止めて誠意を示し、確認のうえ上司から改めて応じる旨を伝える

    解説:上級秘書は分からないことに憶測で答えず、相手の心情に配慮する。話を丁寧に受け止めて誠意を示しつつ、確認のうえ上司から改めて応じる旨を伝えるのが適当。その場で謝罪や弁明を断定するのは、事実誤認や責任問題を招く。

  273. 問273.上級秘書Aは、上司が信頼を寄せていた取引先との関係が、ある行き違いから気まずくなっているのを感じた。先方の担当者とAは個人的に良好な関係にある。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.個人的な関係を生かし、Aの判断で勝手に仲を取り持つ
    • イ.上司同士の問題なので、Aは一切関わらない
    • ウ.先方の担当者に、上司の内情をくわしく打ち明けて協力を求める
    • エ.上司に状況を伝え意向を確認したうえで、良好な関係を生かして橋渡しに努める

    正解:エ.上司に状況を伝え意向を確認したうえで、良好な関係を生かして橋渡しに努める

    解説:関係修復は上司の判断と意向が前提。秘書が個人的関係で独断で動くのは越権になりかねない。良好な関係を生かしつつも、上司に状況を伝え意向を確認したうえで橋渡しに努めるのが適当。独断での仲介や、放置は不適当。

  274. 問274.上級秘書Aは、上司から「最近の自分の進め方について、率直に気づいた点があれば言ってほしい」と意見を求められた。Aには改善した方がよいと思う点がある。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.求めに応じ、礼を失わない言い方で気づいた点を具体的に進言する
    • イ.差し障りがあるので「特にありません」と答えておく
    • ウ.日頃の不満も交え、改善点を批判的に並べ立てる
    • エ.他の人もそう言っていると、第三者の意見として伝える

    正解:ア.求めに応じ、礼を失わない言い方で気づいた点を具体的に進言する

    解説:上司から求められたときは、上級秘書として誠実かつ礼を失わない言い方で進言するのが適当。求められても「特にない」と避けるのは補佐として物足りず、批判的に並べ立てたり、第三者の名を借りて言うのは品位を欠く。

  275. 問275.上級秘書Aは、上司から「来客には常に分け隔てなく接するように」と日頃言われている。ある日、肩書のない若い来客と、大手取引先の役員がほぼ同時に来訪した。Aの応対として、最も適当なものはどれか。

    • ア.役員を優先し、若い来客は後回しにする
    • イ.来訪順や約束の有無の筋に沿って、双方に丁寧に応対する
    • ウ.若い来客には簡単に応対し、役員には特に手厚くする
    • エ.肩書を確かめてから、応対の丁寧さを変える

    正解:イ.来訪順や約束の有無の筋に沿って、双方に丁寧に応対する

    解説:公平な応対は上級秘書の基本姿勢。来訪順や約束の有無といった筋に沿って、どちらにも丁寧に応対するのが適当。肩書で露骨に差をつけたり、若い来客を軽んじるのは公平さを欠き、上司の方針にも反する。

  276. 問276.上級秘書Aは、社内の他部署の秘書から「あなたの上司の決裁が遅くて、こちらの仕事が滞っている」と強い口調で苦情を言われた。Aにも事情は分からない。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.上司を弁護し、苦情に強く言い返す
    • イ.相手に同調し、自分も上司の仕事ぶりに不満だと話す
    • ウ.相手の困りごとを冷静に受け止め、事情を確認して上司に伝え対応する旨を示す
    • エ.自分には関係ないと、苦情を取り合わない

    正解:ウ.相手の困りごとを冷静に受け止め、事情を確認して上司に伝え対応する旨を示す

    解説:上級秘書は感情に巻き込まれず、上司の体面も守りつつ関係を調整する。相手の困りごとを冷静に受け止め、事情を確認して上司に伝え、対応する旨を示すのが適当。上司を弁護して言い返すのも、相手に同調して上司を悪く言うのも不適当。

  277. 問277.上級秘書Aは、上司が信頼する役員秘書仲間のKから「私の上司の出張先を教えてくれと外部の人に聞かれて困っている。あなたならどう断る?」と相談された。Aの助言として、最も適当なものはどれか。

    • ア.信頼できそうな相手なら教えてよいと助言する
    • イ.用件があるなら本人から連絡すると突き放すよう勧める
    • ウ.外部には誰にでも出張先を教えてよいと答える
    • エ.所在は明かさず、用件を承って本人に取り次ぐ形にするとよいと助言する

    正解:エ.所在は明かさず、用件を承って本人に取り次ぐ形にするとよいと助言する

    解説:上司の所在は社外に軽々に伝えてはならない情報。相手を立てつつも、所在は明かさず用件を承って取り次ぐ形にするのが上級秘書の定石。教える方法を助言するのも、無下に断るやり方を勧めるのも不適当。

  278. 問278.上級秘書Aは、上司が出席する会議の資料を準備したが、上司から「この数字の根拠を会議で問われたら、君が代わりに答えられるか」と確認された。Aは資料を作成しており内容を把握している。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.自分が把握する事実の根拠は答えられる旨を伝え、判断に関わる点は上司が答えると整理する
    • イ.資料は作ったので、判断を含め何でも代わりに答えると請け合う
    • ウ.会議で答えるのは荷が重いので、何も答えられないと伝える
    • エ.数字のことは上司に任せ、自分は把握していないことにする

    正解:ア.自分が把握する事実の根拠は答えられる旨を伝え、判断に関わる点は上司が答えると整理する

    解説:上級秘書は補佐の範囲をわきまえる。自分が把握している事実の根拠は答えられる旨を伝え、判断や方針に関わる部分は上司が答えるべきと整理して臨むのが適当。すべて引き受けるのも、把握しているのに答えられないとするのも不適当。

  279. 問279.上級秘書Aは、上司が多忙のあまり、Aへの指示が言葉足らずで分かりにくいことが続いた。仕事に支障が出始めている。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.指示が分かりにくいと、上司に不満を伝える
    • イ.指示の要点を復唱・確認するなど、誤解を防ぐ工夫をする
    • ウ.分からないまま、Aの自己判断で仕事を進める
    • エ.分かりにくい指示への不満を態度に表す

    正解:イ.指示の要点を復唱・確認するなど、誤解を防ぐ工夫をする

    解説:上級秘書は感情を抑え、補佐として確認を工夫する。不満をぶつけず、指示の要点を復唱・確認するなど誤解を防ぐ工夫をするのが適当。指示が悪いと責めるのも、分からぬまま自己判断で進めるのも、不満を態度に出すのも不適当。

  280. 問280.上級秘書Aは、上司の指示で来客に贈る手土産を選ぶことになった。相手は格式を重んじる老舗の取引先で、過去にも何度か贈答のやり取りがある。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.時間がないので、手近な品で間に合わせる
    • イ.印象づけようと、独断で目新しく変わった品を選ぶ
    • ウ.前例や相手の好みを踏まえ品位ある品を候補に挙げ、上司の確認を得る
    • エ.贈答は形式なので、相手の格式は気にせず選ぶ

    正解:ウ.前例や相手の好みを踏まえ品位ある品を候補に挙げ、上司の確認を得る

    解説:上級秘書は相手の格式と過去の経緯を踏まえて失礼のない選定を行う。前例や相手の好みを踏まえ品位ある品を候補に挙げ、上司の確認を得るのが適当。安易に間に合わせたり、独断で奇をてらうのは相手への礼を欠く。

  281. 問281.上級秘書Aは、上司が信頼する取引先との会食を設定する際、相手方の宗教上・健康上の事情で食べられないものがあると以前聞いた記憶があった。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.記憶を頼りに、それらしい料理を避けて手配する
    • イ.細かいことは気にせず、ふつうの会食として手配する
    • ウ.相手にその場で食べられないものを細かく問いただす
    • エ.事前に事情を確認し、それを踏まえて店や料理を手配する

    正解:エ.事前に事情を確認し、それを踏まえて店や料理を手配する

    解説:上級秘書は相手への細やかな配慮で会食を成功に導く。記憶に頼らず事前に事情を確認し、それを踏まえて店や料理を手配するのが適当。確認せず記憶だけで決める、配慮を省く、相手に直接根掘り葉掘り尋ねるのは不適当。

  282. 問282.上級秘書Aは、上司から急ぎの調べ物を頼まれたが、必要な情報は他部署が管理しており、すぐには手に入りそうにない。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.他部署に当たって入手の見込みを確かめ、時間を要する場合は経過を上司に報告して指示を仰ぐ
    • イ.すぐには無理なので、できないと上司に断る
    • ウ.正確な情報が分からないので、おおよその見当で答えておく
    • エ.入手に時間がかかることを上司に言わず、一人で抱え込む

    正解:ア.他部署に当たって入手の見込みを確かめ、時間を要する場合は経過を上司に報告して指示を仰ぐ

    解説:上級秘書は不確かなまま進めず、見通しを上司に伝える。他部署に当たって入手の見込みを確かめ、時間がかかる場合は途中経過を上司に報告して指示を仰ぐのが適当。できないと諦める、憶測で答える、黙って抱え込むのは不適当。

  283. 問283.上級秘書Aは、上司が大事な来客との面談を終えた直後、来客が忘れ物(手帳らしきもの)を残して帰ったのに気づいた。中身は私的なものと思われる。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.持ち主を確かめるため、手帳の中身を確認する
    • イ.中は見ずに丁重に保管し、速やかに本人へ連絡して返却の手はずを整える
    • ウ.次に来たときに返せばよいと、特に連絡せず置いておく
    • エ.上司の判断を仰ぐまで、誰にも知らせず自分の手元に留めておく

    正解:イ.中は見ずに丁重に保管し、速やかに本人へ連絡して返却の手はずを整える

    解説:忘れ物は中を見ずに丁重に扱い、速やかに本人へ連絡して返却の手はずを整えるのが上級秘書の誠実さと配慮。中身を確認するのはプライバシーに反し、放置や上司の私物のように扱うのは不適当である。

  284. 問284.上級秘書Aは、上司の出張に同行した先で、上司が現地の取引先と会食をすることになった。Aも末席に同席した。会食の場で上司が現地の名物や相手の趣味の話で場を和ませている。Aの振る舞いとして、最も適当なものはどれか。

    • ア.場を盛り上げようと、Aが進んで話の中心になる
    • イ.末席なので、終始うつむいて何もしない
    • ウ.上司が中心の場を立て、相手や上司に気を配り必要な気配りに徹する
    • エ.退屈なので、料理を味わうことに専念する

    正解:ウ.上司が中心の場を立て、相手や上司に気を配り必要な気配りに徹する

    解説:上級秘書は会食の場で出過ぎず、場を支える控えめな配慮を行う。上司が中心の場を立て、相手や上司の様子に気を配って必要な気配り(取り分けや飲み物など)に徹するのが適当。話の中心になろうとするのも、無関心も不適当。

  285. 問285.上級秘書Aは、上司が信頼する部下が、Aに「上司に内緒で相談したいことがある」と打ち明けてきた。内容は仕事上の悩みらしい。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.何があっても上司には一切言わないと約束して聞く
    • イ.内緒の話は受けられないと、相談を断る
    • ウ.相談を聞くと言いつつ、すぐに上司にその内容を報告する
    • エ.まず相談を受け止め、内容によっては上司に伝えるべきか本人と一緒に考える

    正解:エ.まず相談を受け止め、内容によっては上司に伝えるべきか本人と一緒に考える

    解説:上級秘書は相手の信頼に応えつつ、必要なら上司への橋渡しも考える。まず相談を受け止め、内容によっては上司に伝えるべきか本人と一緒に考えるのが適当。約束して一切口外しないと請け合うのも、すぐ上司に告げ口するのも不適当。

  286. 問286.上級秘書Aは、上司が出席する公式行事で、上司の隣席に座る来賓の氏名・肩書をあらかじめ把握しておくよう指示された。当日、把握していた肩書と実際が一部異なることに気づいた。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.気づいた相違を速やかに上司にそっと知らせ、正しい呼称で応対できるようにする
    • イ.今さら言っても仕方ないので、相違には触れずにおく
    • ウ.正しい肩書を確かめるため、来賓本人にその場で尋ねる
    • エ.事前情報のとおりでよいと考え、誤った肩書のままにする

    正解:ア.気づいた相違を速やかに上司にそっと知らせ、正しい呼称で応対できるようにする

    解説:上司が来賓に失礼のないよう、正確な情報を直前でも上司に伝えるのが上級秘書の務め。気づいた相違を速やかに上司にそっと知らせ、正しい呼称で応対できるようにするのが適当。黙認も、その場で来賓に確かめるのも不適当。

  287. 問287.上級秘書Aは、上司が部下を厳しく叱責している場面に居合わせた。叱られている部下は明らかに落ち込んでおり、上司もやや感情的になっている。Aの振る舞いとして、最も適当なものはどれか。

    • ア.見かねて二人の間に入り、叱責をやめさせる
    • イ.その場では立ち入らず、後で部下にさりげなく声をかけてフォローする
    • ウ.落ち込む部下に、上司も言い過ぎだと同調してみせる
    • エ.気まずいので、その場をすぐに離れて関わらない

    正解:イ.その場では立ち入らず、後で部下にさりげなく声をかけてフォローする

    解説:上司の指導の場に秘書が口を挟むのは越権。その場では立ち入らず、後で落ち込んだ部下にさりげなく声をかけてフォローするのが上級秘書の人間関係への配慮。仲裁に入るのも、部下に同調して上司を批判するのも不適当。

  288. 問288.上級秘書Aは、上司宛に届いた手紙の中に、差出人不明で内容も穏当でないもの(苦情めいた匿名の文書)が混じっていた。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.穏当でない内容なので、上司の目に触れる前に処分する
    • イ.内容を社内の人にも見せて、対応を相談する
    • ウ.上司宛のものなので、内容を伝えたうえで上司の判断に委ねる
    • エ.差出人不明なので、開封せず放置しておく

    正解:ウ.上司宛のものなので、内容を伝えたうえで上司の判断に委ねる

    解説:上司宛の文書はたとえ匿名で穏当でなくても、秘書が独断で処分してはならない。内容を要約するなどして上司に判断を委ねるのが適当。勝手に捨てる、内容を社内に言いふらす、無視して放置するのは不適当である。

  289. 問289.上級秘書Aは、上司が大切にしている部下が結婚することを、本人から「まだ社内では伏せている」と内々に聞いた。後日、上司が「最近あの部下に何か変わった様子はないか」とAに尋ねた。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.上司にだけは話してよいだろうと、結婚のことを伝える
    • イ.問われたので、変わった様子はないと事実と異なる答えをする
    • ウ.本人に断らずに、結婚を控えていることをそれとなくほのめかす
    • エ.本人の意向を尊重し、業務に支障のない私事については答えを差し控える

    正解:エ.本人の意向を尊重し、業務に支障のない私事については答えを差し控える

    解説:本人が伏せている私事は、上級秘書が勝手に口外すべきではない。本人の意向を尊重し、業務に支障のない私事として答えを差し控えるのが適当。上司にだからと漏らすのも、嘘で取り繕うのも、本人に断りなく明かすのも不適当。

  290. 問290.上級秘書Aは、上司から「君に任せておけば安心だ」と日頃から信頼されている。あるとき、Aは自分の判断ミスで上司に迷惑をかける小さな失敗をした。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.速やかに上司に報告し、わびたうえで再発防止の対処を講じる
    • イ.信頼を失いたくないので、失敗を上司に隠しておく
    • ウ.小さな失敗なので、報告せずに自分で処理する
    • エ.失敗の原因を他に求め、言い訳に終始する

    正解:ア.速やかに上司に報告し、わびたうえで再発防止の対処を講じる

    解説:上級秘書は信頼に甘えず、失敗を率直に認める誠実さが品位を保つ。速やかに上司に報告し、再発防止の対処を講じるのが適当。信頼を失う恐れから隠す、軽く済ませて報告しない、言い訳に終始するのは信頼をかえって損なう。

  291. 問291.上級秘書Aは、上司が信頼する役員と廊下で行き会った際、その役員から「君の上司、最近少し疲れているように見えるね」と気遣う言葉をかけられた。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.心配してくれた役員に、上司の疲れの事情を詳しく打ち明ける
    • イ.気遣いに礼を述べ、上司の内情には立ち入らず差し障りない範囲で応じる
    • ウ.そんなことはないと、気遣いをそっけなく否定する
    • エ.上司の体調を案じ、役員に休ませるよう取り計らってほしいと頼む

    正解:イ.気遣いに礼を述べ、上司の内情には立ち入らず差し障りない範囲で応じる

    解説:上司の様子について社内とはいえ役員に詳しく語るのは慎むべき。気遣いに礼を述べつつ、上司の私事や内情に立ち入らず差し障りない範囲で応じるのが上級秘書の節度。内情を打ち明けるのも、冷淡にあしらうのも不適当。

  292. 問292.上級秘書Aは、上司の代理で社外の会議に出席した際、終了後に出席者から名刺交換を求められ、その後「ぜひ一度ゆっくり話したい」と個人的な誘いを受けた。相手は上司の取引上重要な立場の人物である。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.重要な人物なので、個人的な誘いに進んで応じる
    • イ.立場上応じられないと、相手の面目に構わずきっぱり断る
    • ウ.好意に礼を述べつつ、業務に関わることは上司を通す旨を角を立てずに伝える
    • エ.上司に無断で、相手と個人的なやり取りを続ける

    正解:ウ.好意に礼を述べつつ、業務に関わることは上司を通す旨を角を立てずに伝える

    解説:上級秘書は立場をわきまえ、私的な深入りを避ける。相手の好意に礼を述べつつ、業務に関わることは上司を通すのが筋として角を立てずにとどめるのが適当。安易に個人的に応じるのも、無下に断って相手の面目をつぶすのも不適当。

  293. 問293.上級秘書Aは、上司が信頼する社内の人物から、Aが業務上知り得た上司のスケジュールの一部を「ちょっと教えてほしい」と軽い調子で聞かれた。差し障りはなさそうだが、上司から特に許可は得ていない。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.社内の人なので、聞かれたスケジュールをそのまま教える
    • イ.許可がないからと、用件も聞かず一律に断る
    • ウ.上司に無断で、教えてよいか他の秘書に相談して決める
    • エ.相手の用件を確かめ、必要な範囲にとどめて案内し、迷えば上司に確認する

    正解:エ.相手の用件を確かめ、必要な範囲にとどめて案内し、迷えば上司に確認する

    解説:上司の予定は許可なく無闇に伝えないのが原則だが、業務上必要な範囲なら配慮しつつ応じる。相手の用件を確かめ、必要な範囲にとどめて案内し、判断に迷えば上司に確認するのが適当。何でも教えるのも、一律に拒むのも不適当。

  294. 問294.上級秘書Aは、上司が信頼する取引先と、自社の別部署とが利害の対立する案件で板挟みになりそうな立場に置かれた。両者からそれぞれの言い分を聞かされている。Aの心構えとして、最も適当なものはどれか。

    • ア.いずれにも肩入れせず冷静に事実を整理し、判断は上司に委ねる
    • イ.上司の取引先の方を有利にするよう、その言い分を後押しする
    • ウ.一方から聞いた言い分を、もう一方に伝えて反応を探る
    • エ.面倒な立場なので、どちらの話にも関わらないようにする

    正解:ア.いずれにも肩入れせず冷静に事実を整理し、判断は上司に委ねる

    解説:上級秘書は公平さを保ち、軽々に一方に与しない。いずれにも肩入れせず冷静に事実を整理し、判断は上司に委ねるのが適当。どちらかに肩入れする、聞いた言い分を相手方に漏らす、面倒だと関わりを避けるのは不適当。

  295. 問295.上級秘書Aは、上司が信頼する取引先から「御社の□□さん(同僚)の対応がよくなかった」と苦情を伝えられた。同僚にも言い分があるかもしれない。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.同僚にも事情があるはずだと、苦情をやんわり受け流す
    • イ.まず謝意を示し、事実を確認のうえ対応する旨を伝え、社内で事情を確かめる
    • ウ.相手の前で、同僚の対応の悪さをはっきり認めて非難する
    • エ.自分には関係ないと、苦情は同僚に直接言うよう促す

    正解:イ.まず謝意を示し、事実を確認のうえ対応する旨を伝え、社内で事情を確かめる

    解説:上級秘書は相手の苦情を真摯に受け止めつつ、一方的に同僚を責めない調整を行う。まず謝意を示し、事実を確認のうえ適切に対応する旨を伝え、社内で事情を確かめるのが適当。その場で同僚を非難するのも、苦情を軽んじるのも不適当。

  296. 問296.上級秘書Aは、上司が複数の会合に招かれ、日程が重なって一部に出席できない事態が生じた。断る相手の中には、上司が今後も良好な関係を保ちたい先がある。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.出席できない旨だけを、事務的に各先へ通知する
    • イ.上司に断らず、Aの判断で代理出席者を勝手に立てる
    • ウ.上司の意向を確認し、丁重な欠席連絡や代理出席・後日の挨拶など関係を損なわない手だてを整える
    • エ.重なったものは仕方ないと、連絡せず放置する

    正解:ウ.上司の意向を確認し、丁重な欠席連絡や代理出席・後日の挨拶など関係を損なわない手だてを整える

    解説:上級秘書は欠席の場合も相手の体面に配慮する。上司の意向を確認し、丁重な欠席の連絡や代理出席・後日の挨拶など関係を損なわない手だてを整えるのが適当。事務的に断るだけ、独断で代理を立てる、放置するのは不適当。

  297. 問297.上級秘書Aは、上司から「最近、君に任せきりで申し訳ない。負担が大きすぎないか」と気遣われた。実際、Aの業務はかなり増えている。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.心配をかけまいと、まったく問題ないと装う
    • イ.この際とばかりに、日頃の不満を上司にぶつける
    • ウ.負担が大きいので、一部の業務を勝手に手放してしまう
    • エ.気遣いに礼を述べ、現状を率直に伝えて必要なら分担や優先順位を相談する

    正解:エ.気遣いに礼を述べ、現状を率直に伝えて必要なら分担や優先順位を相談する

    解説:上級秘書は無理を抱え込まず、状況を正直に伝えて持続可能に働く。気遣いに礼を述べ、現状を率直に伝えて必要なら分担や優先順位を相談するのが適当。やせ我慢で大丈夫と装う、不満をぶつける、業務を勝手に放り出すのは不適当。

  298. 問298.上級秘書Aは、上司から「君は秘書として一通りのことができるようになった。これからは自分で考えて動く場面も増える」と言われた。今後の心構えとして、最も適当なものはどれか。

    • ア.任された範囲で主体的に判断しつつ、重要な事項は上司に確認する姿勢を保つ
    • イ.信頼されたのだから、これからは何でも独断で進めてよいと考える
    • ウ.判断を誤るのが怖いので、従来どおり指示が出るまで動かない
    • エ.上司の手間を省くため、確認を要する事項も自分の判断で済ませる

    正解:ア.任された範囲で主体的に判断しつつ、重要な事項は上司に確認する姿勢を保つ

    解説:上級秘書は自律的に動きつつ、補佐の本分(上司の判断を要する事項は仰ぐ)を忘れない。任された範囲で主体的に判断し、重要な事項は上司に確認する姿勢を保つのが適当。何でも独断で進める、逆に従来どおり指示待ちに徹するのは不適当。

  299. 問299.上級秘書Aは、上司が信頼する取引先の役員を見送る際、相手が「いつも秘書の方によくしてもらって助かる」とAをねぎらった。上司も同席している。Aの応対として、最も適当なものはどれか。

    • ア.ほめられたことを喜び、得意げに自分の働きを語る
    • イ.礼を述べつつ控えめに受け、手柄を誇らない応対をする
    • ウ.とんでもないと過度に卑下し、恐縮しきってみせる
    • エ.上司を差し置いて、相手と長く話し込んで親しさを示す

    正解:イ.礼を述べつつ控えめに受け、手柄を誇らない応対をする

    解説:上級秘書はほめられても出過ぎず、品位を保って謙虚に応じる。礼を述べつつ控えめに受け、手柄を誇らないのが適当。得意になるのも、卑下しすぎるのも、上司を差し置いて長く話し込むのも、その場にふさわしくない。

  300. 問300.上級秘書Aは、上司が外出から戻る予定の時刻を過ぎても戻らず、連絡もつかない。次の来客の予定時刻が迫っている。Aの対応として、最も適当なものはどれか。

    • ア.間に合わないと決めつけ、来客に来訪を断る連絡を入れる
    • イ.上司から連絡が来るまで、何もせず待つ
    • ウ.上司への連絡を試みつつ、来客到着に備え待っていただく段取りや応対を準備する
    • エ.来客に、上司が約束を忘れているようだとそのまま伝える

    正解:ウ.上司への連絡を試みつつ、来客到着に備え待っていただく段取りや応対を準備する

    解説:上級秘書は不測の事態に落ち着いて先を読んで備える。上司への連絡を試みつつ、来客が到着した場合に備えて待っていただく段取りや代替の応対を準備しておくのが適当。慌てて来客に断りを入れるのも、何もせず待つだけも不適当。

  301. 問301.上級秘書A子は、上司(専務)あての来客と、上司が出席する役員会の開始時刻が重なってしまっていることに気づいた。来客は重要取引先の社長である。A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.重なっている事実を上司に報告し、どちらを優先するか指示を仰ぐ
    • イ.取引先の社長が重要なので、役員会への欠席を秘書の判断で決める
    • ウ.役員会を優先し、来客には秘書の判断で日を改めてもらう
    • エ.両方に間に合うよう、来客の応対を後輩秘書に任せて済ませる

    正解:ア.重なっている事実を上司に報告し、どちらを優先するか指示を仰ぐ

    解説:重要な予定が重なった場合、調整の優先順位や対応は上司の判断事項である。秘書は事実を整理して早めに上司へ報告し、指示を仰ぐのが上級秘書として適当である。

  302. 問302.上司が急な出張で不在の間に、取引先から「契約条件の一部を変更したい」との連絡が入った。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.上司が不在なので、変更には応じられないと秘書が断る
    • イ.条件変更の内容を正確に聞き取り、上司に連絡して指示を仰ぐ
    • ウ.急ぐ用件なので、秘書の判断で変更を了承しておく
    • エ.上司の代わりに担当役員へ取り次ぎ、その場で決めてもらう

    正解:イ.条件変更の内容を正確に聞き取り、上司に連絡して指示を仰ぐ

    解説:契約条件の変更は上司(または担当部門)の判断事項であり、秘書が諾否を答える権限はない。要件を正確に聞き取り、上司に連絡して指示を仰ぐのが適当である。

  303. 問303.上司から「来週の業界団体の会合に代理で出席し、あいさつをしてきてほしい」と指示された。上級秘書として、出席前に確認しておくべきこととして最も適当なものはどれか。

    • ア.会合の終了後に懇親会があるかどうか
    • イ.出席者名簿に自分の氏名がどう記載されるか
    • ウ.あいさつの趣旨や、その場でどこまで上司の意向として答えてよいかの範囲
    • エ.会場までの交通手段を秘書一人で決めてよいか

    正解:ウ.あいさつの趣旨や、その場でどこまで上司の意向として答えてよいかの範囲

    解説:代理出席では、どこまでを上司の意向として発言・対応してよいか、あいさつの趣旨や持ち帰るべき事項を事前に確認しておく必要がある。これにより上司の意図に沿った代理が務まる。

  304. 問304.上司が体調を崩して急に欠席することになった会議で、上司が報告するはずだった案件があった。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.上司の資料を秘書が代読し、質問にも秘書の判断で答える
    • イ.上司が欠席なので、報告は次回でよいと秘書が決めて連絡する
    • ウ.報告案件は重要なので、無断で別の役員に代理を依頼する
    • エ.会議主催者に欠席を連絡し、報告案件の扱いを上司に確認して指示に従う

    正解:エ.会議主催者に欠席を連絡し、報告案件の扱いを上司に確認して指示に従う

    解説:上司の欠席と報告案件の扱いは、上司や会議主催者の判断による。秘書は速やかに主催者へ欠席を連絡し、報告の代理や延期について上司の指示を得て対応する。

  305. 問305.上司から複数の用件を同時に指示され、来客の取り次ぎや電話も重なっている。上級秘書として優先順位を判断する際の考え方として、最も適当なものはどれか。

    • ア.緊急度と重要度、上司の意向を踏まえて総合的に判断する
    • イ.指示された順番どおりに、必ず先のものから片付ける
    • ウ.処理が簡単に終わるものから先に片付ける
    • エ.来客や電話は後回しにし、上司の指示だけを優先する

    正解:ア.緊急度と重要度、上司の意向を踏まえて総合的に判断する

    解説:優先順位は緊急度と重要度、上司の意向を踏まえて判断する。指示された順や処理の容易さで機械的に決めるのではなく、相手や事の重大さを見て総合的に判断するのが上級秘書である。

  306. 問306.上司が在席中に、取引先から上司あての電話が入った。同時に別の重要な来客も到着した。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.来客を待たせず先に通し、電話は切ってかけ直してもらう
    • イ.電話を取り次いでから来客を案内し、両者に状況を伝えて配慮する
    • ウ.電話を保留にし、来客にはしばらく待つよう一方的に告げる
    • エ.どちらも自分一人では無理なので上司に直接対応してもらう

    正解:イ.電話を取り次いでから来客を案内し、両者に状況を伝えて配慮する

    解説:両者を待たせないため、まず来客には取り次ぎ中である旨を伝えて少し待ってもらい、電話は要件を確認して上司の在席や都合を踏まえ取り次ぐか折り返すか判断する。相手に失礼のないよう並行して対応する。

  307. 問307.上級秘書が独断で行ってよい業務と、上司に確認すべき業務の線引きについて、最も適当なものはどれか。

    • ア.面会の諾否や予定の確約も、慣れていれば秘書が独断でよい
    • イ.すべての業務をその都度上司に確認してから行う
    • ウ.定型的な事務処理は秘書の裁量で行い、面会の諾否などは上司に確認する
    • エ.上司が忙しいときは、重要事項も秘書がまとめて判断してよい

    正解:ウ.定型的な事務処理は秘書の裁量で行い、面会の諾否などは上司に確認する

    解説:日程の事務的調整や定型的な事務処理は秘書の裁量で行ってよいが、面会の諾否や予定の確約、重要事項の判断は上司の意向確認を要する。権限の範囲をわきまえることが上級秘書に求められる。

  308. 問308.上司の出張手配をする際、上級秘書として配慮すべき点として最も適当なものはどれか。

    • ア.とにかく最も安く済む交通手段と宿を優先して手配する
    • イ.上司の好みは聞かず、秘書が良いと思う宿を予約する
    • ウ.現地での連絡先は不要なので確認せず手配を進める
    • エ.前後の予定や移動の余裕を考え、上司が支障なく動ける日程を組む

    正解:エ.前後の予定や移動の余裕を考え、上司が支障なく動ける日程を組む

    解説:出張手配では、上司の前後の予定や体調、移動時間の余裕、宿泊や現地での連絡先まで考え、無理のない日程を組む。最安・最短だけを優先するのではなく、上司が支障なく職務を果たせるよう段取りする。

  309. 問309.上司の指示で、社外の重要な会議の運営準備を任された。上級秘書として準備の中心に置くべき考え方として最も適当なものはどれか。

    • ア.出席者や会議の目的を踏まえ、当日滞りなく進むよう全体を段取りする
    • イ.自分が動きやすいように、慣れた手順だけで準備する
    • ウ.資料の用意さえできていれば、当日の進行は出席者任せでよい
    • エ.上司の指示がない部分は準備せず、当日その場で対応する

    正解:ア.出席者や会議の目的を踏まえ、当日滞りなく進むよう全体を段取りする

    解説:会議運営では、出席者・目的・進行を踏まえ、当日滞りなく進むよう資料・会場・時間配分・接遇まで全体を見て段取りする。自分のやりやすさではなく、会議が成功することを基準に準備する。

  310. 問310.上司あての慶弔に関する手配を任された上級秘書A子。取引先の社長が亡くなったとの知らせを受けた。まず確認・対応すべきこととして最も適当なものはどれか。

    • ア.事実は確認せず、前例どおりに弔電だけを打っておく
    • イ.通夜・葬儀の日時や形式を正確に確認し、上司の意向を聞いて手配する
    • ウ.上司に伝える前に、秘書の判断で供花と参列を手配する
    • エ.取引先の社長なので、特に対応はしなくてよいと判断する

    正解:イ.通夜・葬儀の日時や形式を正確に確認し、上司の意向を聞いて手配する

    解説:弔事では、まず通夜・葬儀の日時・形式・喪主等の事実を正確に把握し、上司の意向(参列・弔電・供花など)を確認して、社の慣例や格に沿って迅速に手配する。事実確認と上司の意向確認が先である。

  311. 問311.上司が懇意にしている社外の要人から、上司個人あての私的な相談の電話が入った。上司は外出中である。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.相談内容を詳しく聞き取り、秘書が助言する
    • イ.私的な用件なので、取り次ぎはできないと断る
    • ウ.上司の不在を丁重に伝え、戻り次第連絡する旨を申し出る
    • エ.上司の携帯番号をその場で相手に教える

    正解:ウ.上司の不在を丁重に伝え、戻り次第連絡する旨を申し出る

    解説:私的・機微な相談は内容に立ち入らず、丁重に上司の不在を伝え、戻り次第連絡する旨を申し出るのが適当。相手との関係に配慮しつつ、要件の詳細を無理に聞き出さない。

  312. 問312.上級秘書が後輩秘書に業務を分担して任せる際の進め方として、最も適当なものはどれか。

    • ア.後輩の力量に関係なく、すべて同じ量を一律に割り振る
    • イ.失敗されると困るので、結局すべて自分でやり直す前提で任せる
    • ウ.任せた後は一切確認せず、結果だけを後で受け取る
    • エ.目的や注意点を伝えて任せ、要所で進捗を確認しながら進める

    正解:エ.目的や注意点を伝えて任せ、要所で進捗を確認しながら進める

    解説:分担では、後輩の習熟度に応じて任せる範囲を決め、目的や注意点を伝えたうえで任せ、要所で進捗を確認する。丸投げや過度な口出しを避け、育成も意識して進めるのが上級秘書である。

  313. 問313.上司が機密性の高い人事案件に関わっており、その資料を扱うことになった上級秘書A子。資料の取り扱いとして最も適当なものはどれか。

    • ア.関係者以外の目に触れないよう厳重に管理し、取り扱いを最小限にする
    • イ.親しい同僚には内容を話してもよいと考える
    • ウ.急ぎでなければ机の上に出したまま席を外す
    • エ.コピーを多めに取り、複数の場所に分けて保管する

    正解:ア.関係者以外の目に触れないよう厳重に管理し、取り扱いを最小限にする

    解説:機密資料は関係者以外の目に触れぬよう厳重に管理し、必要最小限の取り扱いにとどめる。机上放置やうわさ話の種にせず、保管・廃棄まで慎重に行うのが上級秘書の機密保持である。

  314. 問314.上司から「この件は当分、社内の誰にも言わないように」と口止めされた案件について、他部署の管理職から「上司は今どんな案件を抱えているのか」と尋ねられた。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.相手が管理職なので、差し支えのない範囲で内容を伝える
    • イ.答えられない旨を丁重に伝え、機密は漏らさない
    • ウ.上司に口止めされていることまで具体的に説明する
    • エ.うわさになる前にと、自分から進んで内容を共有する

    正解:イ.答えられない旨を丁重に伝え、機密は漏らさない

    解説:機密事項は相手が上位者であっても漏らしてはならない。角を立てずに、答えられない旨を丁重に伝えて受け流すのが、秘書の機密保持として適当である。

  315. 問315.上司が複数の会議を掛け持ちしており、移動時間が極端に短い日程になっている。上級秘書A子が日程調整で配慮すべきこととして最も適当なものはどれか。

    • ア.予定が詰まっているほど効率的なので、そのまま進める
    • イ.遅刻は上司の責任なので、秘書は日程に口を出さない
    • ウ.移動や予備の時間を見込み、無理があれば調整を上司に提案する
    • エ.会議の時間は変えられないので、移動は走ってもらう前提にする

    正解:ウ.移動や予備の時間を見込み、無理があれば調整を上司に提案する

    解説:過密日程は遅刻や上司の疲労を招く。移動や予備の時間を見込み、無理があれば早めに上司へ伝えて調整を提案する。詰め込みを是とせず、上司が職務を全うできる日程に整える。

  316. 問316.上司の在席中、面識のない人物が「上司に至急会いたい」と予約なしで来訪した。用件は明かさないという。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.至急というので、用件を聞かずにすぐ上司に通す
    • イ.予約がないので、用件にかかわらずその場で断る
    • ウ.相手が用件を言わないなら、名前だけ控えて帰ってもらう
    • エ.所属・氏名・用件を丁重に尋ね、上司に取り次いで判断を仰ぐ

    正解:エ.所属・氏名・用件を丁重に尋ね、上司に取り次いで判断を仰ぐ

    解説:予約のない来客は、相手の所属・氏名・用件を丁重に尋ね、その内容を上司に取り次いで会うか否かの判断を仰ぐ。秘書が独断で通すことも一律に断ることも避け、上司の意向を確認する。

  317. 問317.上司が出席する社外の祝賀会の招待状が届いた。上級秘書A子が出欠の手配を進める際の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.招待内容を整理して上司に確認し、意向に沿って期限内に返信する
    • イ.上司に確認せず、毎回出席として返信しておく
    • ウ.返信期限ぎりぎりまで上司に伝えず保留しておく
    • エ.祝儀や服装などは上司が考えることなので一切触れない

    正解:ア.招待内容を整理して上司に確認し、意向に沿って期限内に返信する

    解説:出欠は上司の判断であり、秘書は招待の内容・日時・先方との関係を整理して上司に確認し、意向に沿って期限内に返信・手配する。祝儀や服装など付随する手配にも配慮する。

  318. 問318.上司が大切にしている取引先との会食を手配することになった上級秘書A子。手配で特に配慮すべき点として最も適当なものはどれか。

    • ア.自分が行ってみたい話題の店を選んで予約する
    • イ.先方の好みや格、人数や予算を踏まえ、上司の意向に沿って手配する
    • ウ.予算は気にせず、とにかく高級な店にしておけばよい
    • エ.個室かどうかは当日の雰囲気で決めればよいので予約時は指定しない

    正解:イ.先方の好みや格、人数や予算を踏まえ、上司の意向に沿って手配する

    解説:重要な会食では、先方の格や好み・苦手な食材、人数、個室の要否、予算、立地などを踏まえて店を選び、上司が接遇に専念できるよう段取りする。自分の好みではなく相手と上司の意向を基準にする。

  319. 問319.上司の判断を仰ぐべき事項について、上司が会議中で連絡が取れず、相手は早急な返答を求めている。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.早急に求められているので、秘書の判断で返答してしまう
    • イ.上司に連絡が取れないので、返答はできないと突き放す
    • ウ.事情を伝えて返答の目安を示し、上司に確認後に回答すると伝える
    • エ.会議中の上司に何度も割り込んで、その場で答えさせる

    正解:ウ.事情を伝えて返答の目安を示し、上司に確認後に回答すると伝える

    解説:急ぎでも秘書に判断権限のない事項は独断で答えない。相手に事情を伝えていつまでに返答できるか目安を示し、上司に連絡が取れ次第確認して回答するのが適当である。

  320. 問320.上司が長期出張に出る前に、その間の業務を上級秘書として整理しておくことになった。準備として最も適当なものはどれか。

    • ア.不在中の案件は、戻ってからまとめて処理すればよいと考える
    • イ.判断が必要なことは、秘書がすべて独断で処理する方針にする
    • ウ.不在中は来客や連絡を一切受けないことにして外部に通知する
    • エ.想定される案件への対応方針や緊急時の連絡方法を上司と確認しておく

    正解:エ.想定される案件への対応方針や緊急時の連絡方法を上司と確認しておく

    解説:上司不在中は、想定される来客・連絡・案件への対応方針と、判断を要する場合の連絡方法や代理者を事前に上司と確認しておく。これにより不在中も滞りなく業務が回る。

  321. 問321.上司が複数の部門を統括しており、各部門から上司への面会・報告の希望が集中している。上級秘書A子が調整する際の考え方として最も適当なものはどれか。

    • ア.緊急度や重要度、上司の方針を踏まえて公平かつ効率的に組む
    • イ.希望を出した順に、機械的に予定へ入れていく
    • ウ.声の大きい部門や立場の強い人を優先して入れる
    • エ.調整が難しいので、すべての希望をそのまま詰め込む

    正解:ア.緊急度や重要度、上司の方針を踏まえて公平かつ効率的に組む

    解説:面会・報告の調整は、緊急度・重要度・所要時間・上司の負担を考え、上司の方針を踏まえて公平かつ効率的に組む。早い者勝ちや部門の声の大きさで決めるのではなく、全体最適を図る。

  322. 問322.上司の代理で社内の打ち合わせに出席した上級秘書A子。その場で、上司の判断が必要な事項について意見を求められた。対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.出席している以上、その場で秘書が判断して答える
    • イ.上司の判断が必要なので、持ち帰って確認し後日回答すると伝える
    • ウ.上司ならこう言うだろうと推測して代弁する
    • エ.意見を求められても、何も答えずに黙っている

    正解:イ.上司の判断が必要なので、持ち帰って確認し後日回答すると伝える

    解説:代理出席でも、上司の判断を要する事項を秘書が決めてはならない。持ち帰って上司に確認し、後日回答する旨を伝えるのが適当である。事前に確認した範囲を超えて答えない。

  323. 問323.上司が重要な来客と面談中、別の取引先から「先ほどの見積もりの件で確認したい」と上司あての電話が入った。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.面談中でも構わず、すぐ上司に電話を取り次ぐ
    • イ.見積もりの件なので、秘書がその場で内容を答えてしまう
    • ウ.用件と相手を確認し、面談後に折り返す旨を丁重に伝える
    • エ.上司は手が離せないので、電話を一方的に切ってしまう

    正解:ウ.用件と相手を確認し、面談後に折り返す旨を丁重に伝える

    解説:面談中の上司を安易に呼び出さず、用件と相手を確認し、面談後に折り返す旨を丁重に伝える。緊急なら面談の妨げにならない方法でメモ等により上司の意向を確認する。

  324. 問324.上司から「最近、私あての雑用が多く本来の業務に集中できない」と相談された。上級秘書として、まず取り組むべきこととして最も適当なものはどれか。

    • ア.上司の業務の進め方の問題なので、秘書は関与しない
    • イ.雑用を断るよう、上司に強く進言する
    • ウ.上司の予定をすべて秘書がいったん白紙にして組み直す
    • エ.秘書や他で引き受けられる用件を見極め、上司の負担を軽くする

    正解:エ.秘書や他で引き受けられる用件を見極め、上司の負担を軽くする

    解説:上司が本来業務に専念できるよう、秘書や他の担当に回せる用件を見極めて引き受け、上司の負担を軽くするのが上級秘書の役割。問題を上司任せにせず、補佐の幅を広げて支える。

  325. 問325.上司が出席予定だった会合に、急用で出席できなくなった。会合の主催者は上司と親しい間柄である。上級秘書A子の連絡として最も適当なものはどれか。

    • ア.わかった時点で速やかに、丁重に欠席のおわびを伝える
    • イ.親しい間柄なので、連絡は会合当日でよいと考える
    • ウ.理由は一切伝えず、ただ欠席とだけ事務的に連絡する
    • エ.上司本人ではないので、連絡は後輩秘書に任せきりにする

    正解:ア.わかった時点で速やかに、丁重に欠席のおわびを伝える

    解説:欠席連絡は、わかった時点で速やかに、丁重に欠席のおわびと理由(差し支えない範囲)を伝える。親しい間柄でも礼を欠かず、必要なら上司から直接連絡するか確認する。

  326. 問326.上司が在席していないとき、上司の親族と名乗る人物から「上司の自宅の住所を教えてほしい」と電話があった。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.親族と名乗っているので、住所をその場で教える
    • イ.用件を伺い、上司に確認したうえで対応する
    • ウ.確認するのは失礼なので、聞かれたまま個人情報を伝える
    • エ.電話では分からないので、本人に会いに来るよう求める

    正解:イ.用件を伺い、上司に確認したうえで対応する

    解説:上司の個人情報は、相手が親族を名乗っても安易に教えない。用件を伺い、上司に取り次ぐか確認したうえで対応する。情報管理の観点から慎重に扱うのが上級秘書である。

  327. 問327.上司から「来月の社内行事の運営を任せる」と言われた上級秘書A子。後輩秘書数名と進めることになった。チームでの進め方として最も適当なものはどれか。

    • ア.責任を負いたくないので、後輩に丸投げして任せきりにする
    • イ.自分一人ですべてをこなし、後輩には手を出させない
    • ウ.役割と期限を明確にし、進捗を共有しながら全体を取りまとめる
    • エ.細部まで逐一自分が指示し、後輩には考えさせない

    正解:ウ.役割と期限を明確にし、進捗を共有しながら全体を取りまとめる

    解説:チーム業務では、全体の段取りと各自の役割・期限を明確にし、進捗を共有して全体を見ながら調整する。自分で抱え込まず、各自が力を発揮できるよう取りまとめるのが上級秘書である。

  328. 問328.上司が外出から戻る予定の時刻になっても連絡がなく、次の来客の時刻が迫っている。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.上司に連絡せず、来客には何も告げずに待たせ続ける
    • イ.上司が遅れるのは仕方ないので、来客に帰ってもらう
    • ウ.来客の応対を後輩に任せ、自分は何も対応しない
    • エ.上司に連絡して戻りを確認し、来客への対応も準備しておく

    正解:エ.上司に連絡して戻りを確認し、来客への対応も準備しておく

    解説:上司と連絡を取って戻りの見込みを確認し、間に合わない場合に備えて来客への対応(待っていただく、日程変更など)を準備する。来客に失礼のないよう先を見越して動くのが上級秘書である。

  329. 問329.上司の指示で重要な書類を作成中、上司から急ぎの別件を頼まれた。両方とも期限が近い。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.両方の期限と重要度を上司に確認し、優先や分担を相談して進める
    • イ.頼まれた順に処理し、間に合わない分は仕方ないとする
    • ウ.自分の判断で片方を大幅に後回しにして黙って進める
    • エ.両方は無理なので、できそうな一方だけやると上司に伝えて済ます

    正解:ア.両方の期限と重要度を上司に確認し、優先や分担を相談して進める

    解説:複数の急ぎを抱えたときは、両方の期限と重要度を上司に確認し、優先順位や進め方の指示を仰ぐか、後輩への分担を提案して期限内に仕上げる。独断で一方を後回しにして上司の意図とずれることを避ける。

  330. 問330.上司宛ての中元・歳暮が複数届いた。上級秘書A子が行う処理として最も適当なものはどれか。

    • ア.いちいち報告すると煩雑なので、何も記録せず受け取っておく
    • イ.差出人を記録し、上司に報告して礼状や返礼の要否を確認する
    • ウ.返礼は秘書の判断で、すべて同じ品を一律に送り返す
    • エ.誰から届いたかは関係ないので、まとめて保管するだけにする

    正解:イ.差出人を記録し、上司に報告して礼状や返礼の要否を確認する

    解説:贈答品は差出人・品目を記録し、上司に報告して礼状や返礼の要否を確認する。社の方針や前例も踏まえ、礼を欠かないよう手配する。受け取りっぱなしや独断の返礼は避ける。

  331. 問331.上司が信頼している取引先の担当者が、上司に内密の相談を持ちかけてきた。上司は出張中で数日戻らない。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.相談内容を詳しく聞き出し、秘書として助言する
    • イ.上司が信頼している相手なので、秘書が代わりに決める
    • ウ.上司の不在を丁重に伝え、急ぐなら確認方法を案内する
    • エ.内密な話なので、聞かなかったことにして取り次がない

    正解:ウ.上司の不在を丁重に伝え、急ぐなら確認方法を案内する

    解説:内密の相談は内容に深入りせず、上司の不在と戻りの目安を丁重に伝え、急ぐ場合は上司の意向を確認できる方法を案内する。相手との信頼関係に配慮しつつ、自分が判断・代行しない。

  332. 問332.上司が会議の議長を務める会議で、上級秘書A子が運営補佐を任された。会議中に予定時間を大幅に超過しそうな様子である。A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.秘書が会議の進行を引き取り、議論を打ち切る
    • イ.予定どおりに終わらせるため、出席者の発言を秘書が制止する
    • ウ.超過は議長の責任なので、秘書は何も知らせずにいる
    • エ.時間の経過と次の予定を上司に目立たぬよう知らせ、判断を委ねる

    正解:エ.時間の経過と次の予定を上司に目立たぬよう知らせ、判断を委ねる

    解説:進行は議長である上司の判断事項。秘書は時間の経過を目立たぬよう上司に知らせ、次の予定との兼ね合いを伝えて判断材料を提供する。進行に直接口を出して仕切るのは越権である。

  333. 問333.上司から名指しで「君に任せたい仕事がある」と、後輩秘書の前で指示を受けた上級秘書A子。だが内容は後輩でも十分こなせるものだった。A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.いったん引き受け、必要なら分担を上司に相談する
    • イ.後輩でもできる仕事なので、その場で後輩に押し付ける
    • ウ.自分には不要な仕事だと考え、指示を断る
    • エ.指示を受けたのは形だけと考え、誰も手をつけずに放置する

    正解:ア.いったん引き受け、必要なら分担を上司に相談する

    解説:指示を受けたのは自分であり、まずは引き受ける。そのうえで後輩の育成や負荷分散の観点から、必要なら上司に相談して分担を図る。後輩に勝手に押し付けたり、指示を断ったりはしない。

  334. 問334.上司が複数の社外団体で役職に就いており、それぞれの会合や付き合いの予定が増えている。上級秘書A子の予定管理として最も適当なものはどれか。

    • ア.依頼があった順に、すべて予定へ入れていく
    • イ.本来業務との兼ね合いを見て、重複や過密は上司に相談する
    • ウ.社外の役職は私的な付き合いなので、秘書は管理しない
    • エ.予定が多いほど評価が上がるので、断らせないようにする

    正解:イ.本来業務との兼ね合いを見て、重複や過密は上司に相談する

    解説:社外の役職に伴う予定は重複や負担が生じやすい。本来業務との兼ね合いを見て、重複や過密を早めに上司に伝え、優先順位や調整を相談する。すべてを機械的に入れず全体を俯瞰して管理する。

  335. 問335.上司が出張先で体調を崩し、予定していた帰社が遅れることになった。社内には上司を待つ来客や会議が控えている。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.上司の体調は伏せ、来客には理由を告げず待たせ続ける
    • イ.上司が戻れないので、来客や会議をすべて秘書が代行する
    • ウ.状況を確認し、関係先に丁重に連絡して日程の再調整を進める
    • エ.上司の私的な問題なので、秘書は何も手配しない

    正解:ウ.状況を確認し、関係先に丁重に連絡して日程の再調整を進める

    解説:上司の状況を確認し、関係先や来客に事情(差し支えない範囲)を丁重に伝えて日程の再調整を進める。上司の負担を増やさぬよう連絡や手配を引き受け、必要なら代理や延期を上司に確認する。

  336. 問336.上級秘書A子は、上司の意向に沿って後輩秘書に来客応対を任せている。後輩が応対中に判断に迷い、A子に助けを求めてきた。A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.任せた以上、後輩に最後まで一人で対応させる
    • イ.来客の前で後輩のやり方を叱り、その場で指導する
    • ウ.判断は上司にしかできないと言い、来客を待たせ続ける
    • エ.速やかに支援し、必要なら自分が引き取って適切に対応する

    正解:エ.速やかに支援し、必要なら自分が引き取って適切に対応する

    解説:後輩が迷ったときは、来客を待たせ過ぎないよう速やかに支援し、必要なら自分が引き取って適切に対応する。後輩を見放さず、かつ来客に失礼のないよう配慮するのが上級秘書である。

  337. 問337.上司から「この資料はまだ社内で公にできない段階だ」と言われた企画資料を扱う上級秘書A子。資料を社内で回覧する必要が出てきた。対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.回覧の範囲や時期を上司に確認し、指示に従って取り扱う
    • イ.業務に必要なので、秘書の判断で関係者へ回覧する
    • ウ.急ぐので、いったん全部署に配ってから上司に報告する
    • エ.回覧は無理なので、口頭で内容を伝えて回す

    正解:ア.回覧の範囲や時期を上司に確認し、指示に従って取り扱う

    解説:公にできない段階の資料は、上司の許可なく回覧してはならない。回覧の必要が生じたら、範囲や時期を上司に確認し、その指示に従って取り扱うのが機密保持として適当である。

  338. 問338.上司が懇意にする取引先の社長から、上司あてに「内々に近況を伝えたい」と来訪があった。上司は会議中である。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.会議中なので、用件も聞かずに帰ってもらう
    • イ.丁重に応対し、上司の状況を伝えて意向を確認し対応する
    • ウ.懇意な相手なので、会議に割り込んで上司を呼び出す
    • エ.秘書が代わりに近況を聞き取り、上司には伝えない

    正解:イ.丁重に応対し、上司の状況を伝えて意向を確認し対応する

    解説:予約のない要人の来訪は、丁重に応対して上司の状況を伝え、待てるか改めるかを相手の意向も聞きつつ、会議の合間に上司へ知らせて判断を仰ぐ。要人に失礼のないよう配慮しながら上司の意向を確認する。

  339. 問339.上司の指示で、社外の重要な祝賀行事に上司の名代として上級秘書A子が出席することになった。当日の振る舞いとして最も適当なものはどれか。

    • ア.代理なので気楽に、私的な意見も自由に述べる
    • イ.目立つように、上司よりも積極的に発言して印象を残す
    • ウ.上司の代理である自覚を持ち、節度ある言動を心がける
    • エ.代理は形式なので、早めに退席して構わないと考える

    正解:ウ.上司の代理である自覚を持ち、節度ある言動を心がける

    解説:名代として出席する際は、上司の代理である自覚を持ち、礼儀正しく節度ある言動を心がける。事前に確認した範囲を超えた発言や約束はせず、上司の体面を保つよう振る舞う。

  340. 問340.上司から「重要な来客の予定が入ったら、その前後は他の予定を入れないでほしい」と言われている。新たに別件の面会希望が来た。上級秘書A子の調整として最も適当なものはどれか。

    • ア.空いていれば前後でも構わず別件を入れる
    • イ.上司の指示は形式的なものとして無視する
    • ウ.別件は重要でないので、確認せずに断ってしまう
    • エ.重要来客の前後を避けて入れ、難しければ上司に確認する

    正解:エ.重要来客の前後を避けて入れ、難しければ上司に確認する

    解説:上司の方針(重要来客の前後を空ける)を踏まえ、別件は前後を避けて入れるか、調整が難しければ上司に確認する。指示の意図をくみ取って予定を組むのが上級秘書である。

  341. 問341.上司が不在のときに、社長秘書から「社長が至急、上司に確認したいことがある」と連絡が入った。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.上司に速やかに連絡して指示を仰ぎ、間を取り持つ
    • イ.上司が不在なので、社長秘書に後日にしてほしいと伝える
    • ウ.秘書の判断で、確認内容にその場で答えてしまう
    • エ.社長の用件でも、上司の予定を乱すので取り次がない

    正解:ア.上司に速やかに連絡して指示を仰ぎ、間を取り持つ

    解説:社長からの至急の用件は、上司に速やかに連絡して指示を仰ぎ、上司と社長秘書の間を取り持つ。秘書が内容を勝手に判断・回答せず、迅速な取り次ぎを優先する。

  342. 問342.上司が会議で長時間席を外す間に、決裁を求める書類が複数持ち込まれた。中には期限が当日中のものもある。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.期限が迫っているので、秘書が代わりに決裁印を押す
    • イ.期限順に整理し、上司に知らせて指示を仰ぎ、すぐ決裁できるよう備える
    • ウ.上司が戻るまで、期限を過ぎても放置しておく
    • エ.急ぐ書類は他の役員に回して決裁してもらう

    正解:イ.期限順に整理し、上司に知らせて指示を仰ぎ、すぐ決裁できるよう備える

    解説:決裁は上司の権限であり秘書が押印・判断してはならない。期限のあるものを優先順に整理し、会議の合間に上司へ知らせて指示を仰ぐか、戻り次第すぐ決裁できるよう準備しておく。

  343. 問343.上司が複数の来客と立て続けに面談する日、面談と面談の間が空いていない予定になっている。上級秘書A子の準備として最も適当なものはどれか。

    • ア.効率的なので、間を空けずそのまま面談を続けてもらう
    • イ.間が空かないのは上司の都合なので、秘書は何もしない
    • ウ.短い間を設けるなど、無理なく回せるよう段取りを整える
    • エ.面談時間を半分にして、無理にでも予定を詰め込む

    正解:ウ.短い間を設けるなど、無理なく回せるよう段取りを整える

    解説:連続面談では、見送りや次の準備、上司の小休止の時間が取れず疲労や遅延を招く。あらかじめ短い間を設けるか、それが難しければ進行を見ながら無理なく回せるよう段取りする。詰め込みを当然としない。

  344. 問344.上司が出張中、上司あてに「以前の依頼の返事を急ぎたい」という連絡が入った。依頼内容は上司にしか分からない。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.急ぐというので、秘書が推測で返事をしておく
    • イ.上司にしか分からないので、対応できないと突き放す
    • ウ.上司に連絡せず、戻ってからでよいと相手に一方的に告げる
    • エ.上司の不在と返答の目安を伝え、上司に確認してから回答する

    正解:エ.上司の不在と返答の目安を伝え、上司に確認してから回答する

    解説:上司しか分からない内容は秘書が答えられない。相手に上司の不在と返答の目安を丁重に伝え、上司に連絡して指示を仰ぎ、上司の意向を確認してから回答する。憶測で答えない。

  345. 問345.上司から「後輩のB子に、来客応対をもっと任せられるようにしてほしい」と言われた上級秘書A子。育成の進め方として最も適当なものはどれか。

    • ア.手本を示し要点を伝え、段階的に任せて振り返りで育てる
    • イ.最初から難しい来客もすべて一人で任せて慣れさせる
    • ウ.失敗が心配なので、いつまでも見るだけにとどめる
    • エ.やり方は教えず、自分で見て覚えるよう放っておく

    正解:ア.手本を示し要点を伝え、段階的に任せて振り返りで育てる

    解説:育成は、まず手本を示し、要点を伝えたうえで段階的に任せ、振り返りで気づきを促す。いきなり全部任せたり、逆に手本だけで実践させなかったりせず、習熟に応じて任せる範囲を広げる。

  346. 問346.上司の交際先である取引先で、慶事(社長就任)があったとの知らせを受けた上級秘書A子。手配として最も適当なものはどれか。

    • ア.事実を確認せず、前例だけで祝電を打っておく
    • イ.事実を確認し、上司の意向を聞いて慣例に沿って手配する
    • ウ.慶事は相手の問題なので、特に対応しない
    • エ.上司に伝える前に、秘書の判断で贈答品を手配する

    正解:イ.事実を確認し、上司の意向を聞いて慣例に沿って手配する

    解説:慶事では、事実(就任日・式典の有無など)を確認し、上司の意向を聞いて祝電・祝意・贈答を社の慣例や格に沿って手配する。前例も参考にしつつ、上司に確認してから行う。

  347. 問347.上司が出席する会議の資料を準備していた上級秘書A子。会議直前に、一部の数値に誤りがある可能性に気づいた。上司は移動中である。A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.間に合わないので、誤りには触れずそのまま配布する
    • イ.秘書の判断で数値を書き換えて配布する
    • ウ.速やかに上司へ知らせ、確認のうえ訂正の指示を仰ぐ
    • エ.会議後に上司へ報告すればよいと考え、何もしない

    正解:ウ.速やかに上司へ知らせ、確認のうえ訂正の指示を仰ぐ

    解説:誤りの可能性は早急に上司へ知らせ、確認のうえ訂正や差し替えの指示を仰ぐ。黙って配布したり独断で書き換えたりせず、上司が誤った資料で会議に臨まないよう速やかに対応する。

  348. 問348.上司が在席中、面談予約のある来客が約束の時刻より大幅に早く到着した。上司はまだ別の用件中である。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.予約時刻より早いので、いったん外で待つよう告げる
    • イ.上司が手が離せないので、来客に出直すよう求める
    • ウ.予約があるので、上司の用件を中断させてすぐ通す
    • エ.丁重に応対し、上司の都合を確認して案内・取り次ぎを判断する

    正解:エ.丁重に応対し、上司の都合を確認して案内・取り次ぎを判断する

    解説:早く着いた来客には丁重に応対し、約束の時刻まで待っていただけるよう案内する。上司の都合を確認し、早められるなら取り次ぎ、難しければ理由を添えて待っていただく。来客に失礼のないよう配慮する。

  349. 問349.上司が複数の重要案件を抱える繁忙期に、上級秘書A子が日々の業務報告を行う際の仕方として最も適当なものはどれか。

    • ア.要点を簡潔にまとめ、判断を要する事項を区別して伝える
    • イ.起きたことをすべて時系列で細かく報告する
    • ウ.上司が忙しいので、報告は一切せずにためておく
    • エ.重要かどうかにかかわらず、思いついた順に口頭で伝える

    正解:ア.要点を簡潔にまとめ、判断を要する事項を区別して伝える

    解説:繁忙期の報告は、要点を簡潔にまとめ、判断を要することと済んだことを区別して、上司の時間を取らせず的確に伝える。細部まで逐一報告して上司の負担を増やさず、必要な情報を過不足なく届ける。

  350. 問350.上司が外出中、取引先から「上司と進めている件で、別の部署にも話を通しておきたい」と相談された。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.良いことなので、秘書の判断で別の部署に話を通しておく
    • イ.要件を聞いて上司に報告し、進め方の指示を仰ぐ
    • ウ.上司が外出中なので、対応できないと断る
    • エ.取引先の希望どおり、その場で他部署の担当を呼び出す

    正解:イ.要件を聞いて上司に報告し、進め方の指示を仰ぐ

    解説:案件の社内調整は上司や担当の判断事項。秘書が勝手に他部署へ話を通さず、要件を聞いて上司に報告し、進め方の指示を仰ぐ。独断で社内を動かさないのが権限の範囲をわきまえた対応である。

  351. 問351.上司が大切にしている恩師の訃報を受け取った上級秘書A子。上司は重要な会議中である。A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.会議中なので、終わるまで知らせず手配もしない
    • イ.秘書の判断で、上司に断りなく弔電や供花を手配する
    • ウ.会議の状況を見て速やかに知らせ、意向を確認して手配する
    • エ.私的なことなので、上司には伝えず放っておく

    正解:ウ.会議の状況を見て速やかに知らせ、意向を確認して手配する

    解説:上司の私的にも重い訃報は、会議をいたずらに乱さぬよう配慮しつつ、上司に知らせる必要性が高い。会議の状況を見てメモ等で速やかに伝え、弔事の手配は上司の意向を確認して進める。

  352. 問352.上司が複数の部下を呼んで打ち合わせをする予定で、上級秘書A子が会議室や時間の調整を任された。各部下の予定が合わない。A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.全員の都合が合わないので、打ち合わせは中止と決める
    • イ.上司の予定だけ確保し、部下は来られる人だけでよいとする
    • ウ.調整は難しいので、各自に直接決めてもらい関与しない
    • エ.各自の予定を整理し、候補を絞って提案し上司の判断を仰ぐ

    正解:エ.各自の予定を整理し、候補を絞って提案し上司の判断を仰ぐ

    解説:全員の都合が合わない場合は、各自の予定を整理し、上司の優先方針に沿って候補日時を絞り込んで提案する。必要なら上司に判断を仰ぐ。調整を投げ出さず、決められるよう材料を整える。

  353. 問353.上司宛ての電話で、相手が名乗らずに「上司は今どこにいるか」と居場所を尋ねてきた。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.丁重に相手と用件を伺い、必要なら折り返す旨を伝える
    • イ.急いでいる様子なので、上司の居場所を教える
    • ウ.名乗らない相手なので、何も言わず電話を切る
    • エ.居場所は分からないことにして、用件も聞かない

    正解:ア.丁重に相手と用件を伺い、必要なら折り返す旨を伝える

    解説:上司の居場所などは、相手や用件が不明なまま安易に教えない。丁重に相手と用件を伺い、必要なら折り返す旨を伝える。情報管理の観点から慎重に応対するのが上級秘書である。

  354. 問354.上司から「君に任せている範囲のことは、いちいち聞かなくてよい」と言われている上級秘書A子。だが今回、判断が難しい事項に直面した。A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.任されているので、難しくても必ず自分一人で決める
    • イ.判断が難しく上司の意向に関わるので、確認してから進める
    • ウ.聞くなと言われたので、対応せずに放置する
    • エ.面倒なので、いつもどおり前例だけで処理する

    正解:イ.判断が難しく上司の意向に関わるので、確認してから進める

    解説:任されている範囲でも、判断が難しく上司の意向に関わる事項は確認するのが適当。任されているからと無理に独断せず、線引きを見極めて必要なときは上司に相談するのが上級秘書の判断である。

  355. 問355.上司の海外出張の手配を任された上級秘書A子。航空券や宿のほか、特に配慮すべき点として最も適当なものはどれか。

    • ア.国内出張と同じ手順でよいので、特別な配慮はしない
    • イ.できるだけ多くの予定を詰め込めるよう、休息は考えない
    • ウ.時差や現地事情、緊急連絡手段や必要書類まで見越して手配する
    • エ.現地のことは分からないので、手配は上司本人に任せる

    正解:ウ.時差や現地事情、緊急連絡手段や必要書類まで見越して手配する

    解説:海外出張では、時差や移動の負担、現地の事情、緊急時の連絡手段、必要書類(旅券等)まで見越して手配する。国内と同様に最安だけを優先せず、上司が支障なく職務を果たせるよう備える。

  356. 問356.上司が出席する会議で、上司から「議事をまとめておくように」と指示された上級秘書A子。議事録作成として最も適当なものはどれか。

    • ア.印象に残った発言だけを、感想を交えて書く
    • イ.自分の意見も議事録に加えて主張する
    • ウ.発言は省き、結論だけを一行で書いておく
    • エ.決定事項や要点、担当や期限を正確に整理して記録する

    正解:エ.決定事項や要点、担当や期限を正確に整理して記録する

    解説:議事録は、決定事項・要点・担当や期限を正確に記録し、発言者や経緯も必要に応じて整理する。自分の意見や憶測を交えず、事実に基づいて簡潔・正確にまとめるのが適当である。

  357. 問357.上司が在席していないとき、報道関係者を名乗る人物から「上司の見解を取材したい」と電話があった。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.相手や用件を確認し、上司や広報に取り次いで指示を仰ぐ
    • イ.上司の考えを推測して、秘書がコメントする
    • ウ.上司が不在なので、取材はできないと一律に断る
    • エ.報道なので、社の内部事情を進んで詳しく話す

    正解:ア.相手や用件を確認し、上司や広報に取り次いで指示を仰ぐ

    解説:取材対応は上司や広報の判断事項。秘書が見解を述べてはならない。相手・媒体・用件を丁重に確認し、上司や担当部署に取り次いで指示を仰ぐ。安易にコメントせず、正規の手順で対応する。

  358. 問358.上司が複数の案件で多忙を極め、上級秘書A子も後輩秘書も手いっぱいになっている。新たな業務依頼が舞い込んだ。A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.手が空いていないので、確認せずその場で断る
    • イ.現状の業務量と期限を見て、優先順位や分担を相談して対応する
    • ウ.とにかく引き受け、後で間に合わなければ仕方ないとする
    • エ.後輩に押し付けて、自分の負担だけは増やさないようにする

    正解:イ.現状の業務量と期限を見て、優先順位や分担を相談して対応する

    解説:繁忙時の追加依頼は、現状の業務量と期限を見て、優先順位や分担、上司への確認を行い、無理なら調整を相談する。安請け合いも、独断で断ることも避け、全体を見て対応するのが上級秘書である。

  359. 問359.上司の指示で社外の重要会議の会場を手配することになった上級秘書A子。会場選定で重視すべき点として最も適当なものはどれか。

    • ア.自社から近く、秘書が手配しやすい場所だけで選ぶ
    • イ.費用が最も安いことだけを基準に決める
    • ウ.出席者数や格、立地や設備を総合して目的に見合う会場を選ぶ
    • エ.会場の格や設備は問わず、空いていればどこでもよい

    正解:ウ.出席者数や格、立地や設備を総合して目的に見合う会場を選ぶ

    解説:会場は、出席者数・格・立地(来客の利便)・設備・控室や接遇の可否などを総合して選ぶ。自分の都合や費用だけでなく、会議の目的と出席者に見合うかを基準に選定するのが上級秘書である。

  360. 問360.上司が外出先から「予定していた帰社を取りやめ、直接帰宅する」と連絡してきた。社内には上司を待つ会議があった。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.上司が来ないので、会議は秘書の判断で打ち切る
    • イ.上司の私的な都合なので、会議には何も知らせない
    • ウ.待っている人がいるので、上司に翻意するよう求める
    • エ.関係者に速やかに連絡し、扱いを上司に確認して手配する

    正解:エ.関係者に速やかに連絡し、扱いを上司に確認して手配する

    解説:上司の指示を受け、会議の関係者へ速やかに事情(差し支えない範囲)を伝え、延期や代理など今後の扱いを上司に確認して手配する。連絡を怠って関係者を待たせたり、独断で会議内容を進めたりしない。

  361. 問361.上司が信頼を寄せる取引先と、社内の関係者との間で、ある案件をめぐり意見が食い違っている。板挟みになった上級秘書A子の立場のわきまえ方として最も適当なものはどれか。

    • ア.双方の用件を正確に上司へ伝え、判断は上司に委ねる
    • イ.取引先の側に立って、社内を説得して回る
    • ウ.秘書の考えで折衷案を作り、双方に押し通す
    • エ.面倒なので、どちらの言い分も上司に取り次がない

    正解:ア.双方の用件を正確に上司へ伝え、判断は上司に委ねる

    解説:案件の調整・判断は上司や担当の役割であり、秘書がどちらかに肩入れして交渉に踏み込むのは越権。双方の用件を正確に上司へ伝え、判断は上司に委ねる。中立を保ち、橋渡しに徹する。

  362. 問362.上司から「来客中はよほどのことがない限り取り次がないように」と言われている上級秘書A子。面談中に、上司の家族から「至急の連絡がある」と電話が入った。A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.取り次ぐなと言われているので、用件も聞かず断る
    • イ.緊急性を確かめ、緊急ならメモ等で上司に知らせ判断を仰ぐ
    • ウ.家族なので、面談を中断させてすぐ電話に出てもらう
    • エ.秘書が家族から用件を聞き取り、上司には伝えない

    正解:イ.緊急性を確かめ、緊急ならメモ等で上司に知らせ判断を仰ぐ

    解説:家族からの至急の連絡は「よほどのこと」に当たり得る。用件の緊急性を丁重に確かめ、緊急なら面談の妨げにならぬ方法(メモ等)で上司に知らせて判断を仰ぐ。一律に取り次がないとするのは不適当である。

  363. 問363.上司が出張で数日不在の間、上級秘書A子が在席するように指示された。不在中の上司あての来客・連絡への基本姿勢として最も適当なものはどれか。

    • ア.上司が不在なので、来客や連絡はすべて断る
    • イ.判断が必要なことは、秘書がすべて独断で処理する
    • ウ.用件を確認・記録し、緊急は連絡、他は戻り次第報告できるよう整える
    • エ.記録は不要なので、来客や連絡があったことも伝えない

    正解:ウ.用件を確認・記録し、緊急は連絡、他は戻り次第報告できるよう整える

    解説:不在中は、来客や連絡を丁重に応対して用件を確認・記録し、緊急のものは取り決めた方法で上司に連絡、その他は戻り次第報告できるよう整理しておく。独断で処理せず、放置もしないのが基本である。

  364. 問364.上司が複数の会議をはしごする日に、ある会議の終了時刻が読めず、次の会議に遅れる恐れがある。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.遅れそうでも何もせず、成り行きに任せる
    • イ.上司の判断を仰がず、次の会議を欠席にしてしまう
    • ウ.前の会議を秘書が打ち切って、上司を移動させる
    • エ.次の会議の主催者へ早めに見込みを伝え、上司にも状況を知らせる

    正解:エ.次の会議の主催者へ早めに見込みを伝え、上司にも状況を知らせる

    解説:遅れの恐れがある場合は、次の会議の主催者へ早めに見込みを伝えて調整を図り、上司にも状況を知らせる。何もせず遅刻させたり、独断で会議を欠席扱いにしたりせず、先回りして対応する。

  365. 問365.上司から名刺整理を任されている上級秘書A子。上司の人脈を把握するうえでの管理の仕方として最も適当なものはどれか。

    • ア.所属や役職の変更を反映して分類・更新し、参照しやすく管理する
    • イ.受け取った順に箱へ入れておくだけにする
    • ウ.古い名刺はすべて処分し、新しいものだけ残す
    • エ.個人情報なので、誰の名刺かは記録せず保管する

    正解:ア.所属や役職の変更を反映して分類・更新し、参照しやすく管理する

    解説:名刺は、所属・役職の変更や交際の経緯を踏まえて分類・更新し、必要なときにすぐ参照できるよう管理する。単に集めるだけでなく、上司の人間関係への配慮に役立つよう整えるのが上級秘書である。

  366. 問366.上司が在席中、取引先の担当者が「上司に一言あいさつだけしたい」と予約なしで立ち寄った。上司は次の予定が迫っている。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.あいさつだけなので、確認せずすぐ上司に通す
    • イ.丁重に応対し、上司の都合を確認して取り次ぎを判断する
    • ウ.予約がないので、用件にかかわらず一律に断る
    • エ.次の予定があるので、相手に何も告げず帰ってもらう

    正解:イ.丁重に応対し、上司の都合を確認して取り次ぎを判断する

    解説:短いあいさつでも上司の都合があるため、丁重に応対して上司の状況を伝え、可能か確認して取り次ぐか、難しければ事情を添えて改めてもらう。来客に失礼なく、上司の予定も守るよう配慮する。

  367. 問367.上司が出席する祝賀パーティーで、上級秘書A子が随行することになった。随行の役割として最も適当なものはどれか。

    • ア.上司よりも積極的に出席者と歓談し、人脈を広げる
    • イ.随行は付き添うだけなので、特に何もしない
    • ウ.上司が役割を果たせるよう、進行や時間を陰で支える
    • エ.上司の代わりに、その場で意思決定を行う

    正解:ウ.上司が役割を果たせるよう、進行や時間を陰で支える

    解説:随行では、上司が滞りなく所定の役割を果たせるよう、進行や時間、相手先への配慮を陰で支える。前に出て目立つのではなく、上司を補佐し、必要なときに控えめに動くのが随行の役割である。

  368. 問368.上司から、ある重要な企画について「進捗を逐一報告してほしい」と言われた上級秘書A子。だが企画は別の担当者が進めており、秘書は詳細に立ち入る立場にない。A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.企画を秘書が主導し、内容まで自分で決めて進める
    • イ.立場にないので、報告の指示を受けても何もしない
    • ウ.担当者に断りなく、企画の詳細を勝手に外部へ確認する
    • エ.担当者と連携し、報告に必要な情報を得て上司に伝える

    正解:エ.担当者と連携し、報告に必要な情報を得て上司に伝える

    解説:秘書の職務範囲を超えて企画に立ち入るのではなく、担当者と連携して報告に必要な情報を得て上司に伝える。自分が企画を仕切るのではなく、上司への報告という役割の範囲で動く。

  369. 問369.上司が在席していないとき、取引先から「先日の上司との約束の確認をしたい」と連絡があった。約束の内容は秘書も把握していた。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.要件を確認し、確約や変更は上司に取り次いで対応する
    • イ.把握しているので、秘書が約束を確定・変更する
    • ウ.上司が不在なので、約束の件は分からないと答える
    • エ.相手の言うとおりに、その場で内容を変えてしまう

    正解:ア.要件を確認し、確約や変更は上司に取り次いで対応する

    解説:把握していても、上司に関わる約束の確約や変更は上司の判断事項。秘書は要件を確認し、把握している事実は丁重に伝えつつ、最終的な確認は上司に取り次ぐ。独断で確約や変更をしない。

  370. 問370.上司の指示で、後輩秘書が作成した来客リストを上級秘書A子が確認したところ、いくつか不備があった。A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.後輩に気づかせず、自分が黙ってすべて直しておく
    • イ.どこをどう直すか具体的に伝えて修正させ、次に生かす
    • ウ.不備があったことを上司に報告し、後輩を叱責してもらう
    • エ.後輩の責任なので、そのまま使って後で問題にする

    正解:イ.どこをどう直すか具体的に伝えて修正させ、次に生かす

    解説:不備は、後輩を頭ごなしに責めず、どこをどう直すかを具体的に伝えて修正させ、なぜそうするかを示して次に生かす。自分で黙って直すだけでは育成にならず、放置すれば業務に支障する。

  371. 問371.上司が出張中、上司あての郵便物の中に、開封しないと緊急性が判断できないものがあった。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.親展や私信でも、緊急かもしれないのですべて開封する
    • イ.緊急性が分からないので、戻るまで一切手を付けない
    • ウ.取り決めに従い、迷う場合は上司に連絡して指示を仰ぐ
    • エ.秘書の判断で全部開封し、必要な返事まで出しておく

    正解:ウ.取り決めに従い、迷う場合は上司に連絡して指示を仰ぐ

    解説:私信や親展でない業務上の郵便は、あらかじめの取り決めや慣行に従って扱う。緊急性の判断のため開封してよいか迷う場合は、上司に連絡して指示を仰ぐのが安全である。親展・私信は開封しない。

  372. 問372.上司が重要な来客と面談中、その来客に関係する別の取引先から「面談はもう終わったか」と探りを入れるような電話が入った。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.正直に、今どの取引先と面談中かを伝える
    • イ.探りなので、何も言わず電話を切る
    • ウ.面談はまだ終わっていないと、状況を詳しく説明する
    • エ.面談相手は明かさず、用件を伺って折り返す旨を伝える

    正解:エ.面談相手は明かさず、用件を伺って折り返す旨を伝える

    解説:誰がいつ面談しているかは機密に関わり得る。来客の有無や面談相手を安易に明かさず、用件を伺って上司の都合に応じ折り返す旨を伝える。情報管理に配慮して慎重に応対する。

  373. 問373.上司が複数の予定の中で、上司本人の休息や移動を考慮せずに予定を詰めてほしいと指示してきた。上級秘書A子の対応として最も適当なものはどれか。

    • ア.懸念があれば事実を添えて進言し、上司の判断を仰ぐ
    • イ.指示どおり、移動や休息を一切考えずに詰め込む
    • ウ.上司の指示を無視し、秘書の判断で間を空ける
    • エ.詰め込みは無理だと、調整せずに指示を断る

    正解:ア.懸念があれば事実を添えて進言し、上司の判断を仰ぐ

    解説:上司の意向は尊重しつつ、無理な日程が遅延や体調への影響を招く懸念があれば、事実を添えて進言し判断を仰ぐ。盲従して支障を招くのも、独断で勝手に間を空けるのも避け、上司に判断材料を示す。

  374. 問374.上司から「来客のC社長は時間に正確な方だ」と聞いている上級秘書A子。C社長との面談を設定する際の配慮として最も適当なものはどれか。

    • ア.相手の特性は予定に関係ないので、通常どおり詰めて組む
    • イ.前後に余裕を持たせ、時間どおりに迎えられるよう段取りする
    • ウ.正確な相手なので、多少待たせても問題ないと考える
    • エ.面談時刻を相手に伝えず、当日その場で調整する

    正解:イ.前後に余裕を持たせ、時間どおりに迎えられるよう段取りする

    解説:相手の特性(時間に正確)を踏まえ、待たせないよう前後の予定に余裕を持たせ、上司が時間どおりに迎えられるよう段取りする。相手への配慮を予定の組み方に反映するのが上級秘書である。

  375. 問375.上司が出席する社外会合で、上司が他社の要人と懇談する場面が想定される。上級秘書A子が事前に準備しておくとよいこととして最も適当なものはどれか。

    • ア.懇談は上司次第なので、特に何も準備しない
    • イ.上司に代わって、秘書が要人と先に話を進めておく
    • ウ.相手の所属や役職、過去の交流を整理して上司に渡しておく
    • エ.相手の情報は機密なので、上司にも知らせない

    正解:ウ.相手の所属や役職、過去の交流を整理して上司に渡しておく

    解説:上司が要人と滞りなく懇談できるよう、相手の所属・役職・過去の交流などの情報を整理して上司に渡しておく。上司が相手に失礼なく対応できるよう陰で支えるのが上級秘書の配慮である。