電験二種を活かせる職種と年収【就職・転職ガイド】
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第二種電気主任技術者(電験二種)は17万V未満の事業用電気工作物の保安監督ができる上位国家資格で、大規模工場・特高受電ビル・発電所に欠かせない存在。電験三種より扱える電圧範囲が広く、年収・キャリアの伸びしろも大きい点が魅力です。本記事では電験二種を活かせる職種・想定年収・キャリアパスを解説します。
※受験料・試験日程・合格基準等は改定される場合があります。最新情報は必ず電気技術者試験センターの公式情報でご確認ください。
電験二種を活かせる主な職種
1. 大規模工場・プラントの電気主任技術者
製造業の大規模工場では特別高圧(22kV・66kV・77kV)で受電するケースが多く、電験二種保有者でないと電気主任技術者として選任できません。福利厚生・退職金も手厚い大手メーカーの案件が中心です。
2. 特高受電ビル・商業施設の主任技術者
超高層ビル・大型商業施設・データセンター等は特高受電が主流で、電験二種保有者の常駐ニーズが高い分野です。ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)との併用でさらに評価が上がります。
3. 発電所・電力会社
火力・水力・再エネ発電所、電力会社の送配電部門で電気設備の運用・保守を担当。電力業界は安定志向で福利厚生も手厚い傾向があり、中途採用でも電験二種は強力な武器になります。
4. 電気保安協会・電気管理技術者
各地の電気保安協会で保安業務を担当する道と、独立して電気管理技術者として保安管理契約を結ぶ道があります。独立して受託できるのは電圧7,000V以下で受電する需要設備などで、必要な実務経験は第二種で4年です(下の「独立開業」を参照)。
5. 電気設計・コンサルティング
電気設備のコンサル会社・設計事務所で受変電設備の設計・監修を担当します。電験二種の専門性が直接評価される技術職で、年齢を重ねても価値が落ちにくいキャリアです。
主任技術者として配置できる範囲
| 資格 | 選任できる事業用電気工作物の電圧範囲 |
|---|---|
| 電験一種 | すべての事業用電気工作物(電圧無制限) |
| 電験二種 | 17万V未満の事業用電気工作物 |
| 電験三種 | 5万V未満の事業用電気工作物(出力5,000kW未満) |
電験二種は大半の工場・大型ビル・地方発電所の主任技術者を担える資格範囲で、三種から二種へのステップアップで担当可能な施設規模が大幅に広がります。
国の統計で見る給与
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和7年)の職種別の値です。 電気主任技術者は、統計では「電気・電子・電気通信技術者」に数えられます。電気機器の設計・製造の技術者なども同じ職種に入るため、保安業務だけの平均ではありません。
電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 推定年収(※) | 704万円 |
| 毎月の給与(きまって支給する現金給与額) | 448,600円 |
| 年間賞与その他特別給与額 | 1,656,200円 |
| 平均年齢/平均勤続年数 | 42.1歳/15.1年 |
勤め先の規模で差があります(推定年収)。
| 企業規模 | 推定年収 |
|---|---|
| 1,000人以上 | 750万円 |
| 100〜999人 | 676万円 |
| 10〜99人 | 598万円 |
経験年数による違い(所定内給与額×12+年間賞与で計算。残業代は含みません)。
| 経験年数 | 年収の目安 |
|---|---|
| 0年 | 378万円 |
| 1〜4年 | 506万円 |
| 5〜9年 | 591万円 |
| 10〜14年 | 670万円 |
| 15年以上 | 770万円 |
※推定年収=毎月の給与(6月分・残業代などを含む)×12+前年1年間の賞与。当サイトで計算した値で、厚生労働省の公表値そのものではありません。 対象は一般労働者(短時間労働者を除く)・企業規模10人以上の事業所です。その職種で働く人全体の値で、この資格を持っている人だけの平均ではありません。 出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」令和7年 (e-Stat 職種別の表)
電験の種別(一種・二種・三種)で分けた公的な統計はありません。違うのは担当できる設備の範囲で、電験二種は17万V未満の事業用電気工作物まで保安監督できます。
資格手当
資格手当の有無や金額は会社ごとに決まり、資格ごとの公的な統計はありません。国の調査では、技能手当・技術(資格)手当を出している企業は全体の48.5%、 支給された人の平均は月21,500円でした(令和6年11月分)。この資格が手当の対象になるか、いくらかは、応募先の求人票や就業規則で確かめてください。
| 企業規模 | 手当がある企業の割合(※) | 支給された人の平均(月額) |
|---|---|---|
| 1,000人以上 | 53.1% | 20,900円 |
| 300〜999人 | 57.5% | 19,100円 |
| 100〜299人 | 56.9% | 20,500円 |
| 30〜99人 | 51.3% | 25,000円 |
※何らかの手当を出している企業のうち、技能手当・技術(資格)手当を出している企業の割合。「技能手当・技術(資格)手当」は特定の技能、検査資格などを有する者に対して支給する賃金(調査の定義)。対象は常用労働者30人以上の民営企業。 出典:厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」(概況 第17表(支給企業割合)・第18表(支給された労働者1人平均支給額))
電気主任技術者に選任された人に「選任者手当」を別に出す会社もあります。金額は会社ごとに違うため、求人票や就業規則で確かめてください。
独立開業(電気主任技術者の外部委託)
電気主任技術者の免状を受け、告示で定める実務経験などの要件を満たすと、「電気管理技術者」として事業場の保安管理業務を受託できます(委託契約ごとに産業保安監督部の承認が必要)。対象は電圧7,000V以下で受電する需要設備などに限られ、特別高圧の事業場は対象外です。
免状の種類で変わるのは、受託に必要な実務経験の年数です。
| 免状の種類 | 必要な従事期間 |
|---|---|
| 第一種電気主任技術者 | 3年 |
| 第二種電気主任技術者 | 4年 |
| 第三種電気主任技術者 | 5年 |
「自家用電気工作物の保安管理業務に関する講習」を修了した場合は免状の種類にかかわらず3年、設備容量300kVA以下などの電気工作物を受託する場合はさらに1年減じられます(令和6年6月1日施行)。 出典:平成15年経済産業省告示第249号/中部近畿産業保安監督部近畿支部「保安管理業務に従事したい方」
受託できる件数や報酬は、設備の規模・地域・契約先によって変わります。独立を考える段階で、保安法人や既に独立している方の条件を確かめてください。
二次試験合格後のキャリアアップ
一次のみ合格でも自己研鑽の証として履歴書記載は可能ですが、電気主任技術者として実際に選任されるには二次試験合格が必須です。二次は記述式・論述式の難関ですが、最終合格すれば以下のキャリアが拓けます。
- 二次合格直後:電気主任技術者として大規模施設に選任
- 3〜5年実務:管理職・主任ポジションへ
- 実務4年以上:電気管理技術者として独立、または電験一種にステップアップ
- 独立後:7,000V以下で受電する需要設備などの保安管理契約を受託
経験年数による給与の違いは、上の「国の統計で見る給与」の経験年数別の表を参考にしてください。
よくある質問
Q. 電験二種だけで就職・転職できますか?
電験二種は、電圧17万V未満の事業用電気工作物の電気主任技術者として選任を受けられる資格です。大規模な工場やビル、発電所などの求人で活かせますが、採用では実務経験もあわせて見られることが多いため、応募先の求人票で条件を確かめましょう。
Q. 電験二種の想定年収はいくらですか?
年収は勤務先の業種や規模、担当する設備、実務経験によって大きく変わります。気になる求人の給与や資格手当の条件を比べて、目安をつかむのがおすすめです。
Q. 二次試験に合格しないと役立たないですか?
一次試験の合格は学習の到達度を示すものとして履歴書に書けますが、電気主任技術者の免状を受けるには二次試験の合格が必要です。一次合格後は同じ年度と翌年度の2回、二次試験を受けられるので、最終合格を目指して計画を立てましょう。
Q. 電験二種は独立開業できますか?
電気主任技術者の免状を受け、告示で定める実務経験などの要件を満たすと、電気管理技術者として事業場の保安管理業務を受託できます(委託契約ごとに産業保安監督部の承認が必要)。対象は電圧7,000V以下で受電する需要設備などに限られます。
関連資格との組み合わせで価値倍増
- ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者):大型ビル管理者として鬼に金棒
- 第一種電気工事士:施工〜保安まで一気通貫で対応可能
- エネルギー管理士:省エネ法対応で大規模事業所の幹部候補に
- 1級電気工事施工管理技士:施工管理+保安管理のスーパー人材へ
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まとめ
電験二種は17万V未満の事業用電気工作物を担える希少国家資格で、就職・転職・独立のすべてで強力な武器となります。給与は勤務先の規模で大きく変わるため、上の「国の統計で見る給与」と応募先の求人票を見比べてください。特高受電施設・大規模工場・発電所の需要が続くかぎり、価値が落ちにくい資格です。
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