電験二種の難易度と合格率【電験三種との比較】
公開: 更新:
第二種電気主任技術者(電験二種)一次試験は、電気系国家資格の中で電験一種に次ぐ難関と評される試験です。本記事では電験三種・電験一種・技術士補・1級電気工事施工管理技士などの主要資格と数値で比較しながら、電験二種の難易度の実像と科目合格制度のメリットを解説します。
※受験料・試験日程・合格基準等は改定される場合があります。最新情報は必ず電気技術者試験センターの公式情報でご確認ください。
- 電験二種一次・二次の合格率推移
- 電験三種・電験一種との難易度比較
- 技術士補・1級電気工事施工管理技士など隣接資格との比較
- 一次合格後の二次試験の難度
- 科目合格制度を活用した攻略法
電験二種の難易度の位置づけ
電験二種は、電気事業法に基づく電気主任技術者の中位資格です。5万V未満の電験三種より一段上、特別高圧の保安監督を担う電験一種より一段下に位置します。日本の電気系国家資格を難易度で並べると、電験一種 > 電験二種 ≧ 技術士(電気電子部門)二次 > 電験三種 ≧ 1級電気工事施工管理技士 > 第一種電気工事士という序列が一般的です。
合格率の推移(一次試験・2019〜2025年)
電験二種一次試験の合格率は平均28.7%で、電験三種(12%前後)の約2.4倍と数字上は高めですが、これは三種合格者など基礎ができた受験者が集まるためです。出題内容そのものは三種より明確に難化しています。
| 年度 | 一次試験合格率 | 二次試験合格率 | 二次合格者数 |
|---|---|---|---|
| 2019年度 | 23.6% | 22.8% | 574人 |
| 2020年度 | 27.2% | 27.9% | 701人 |
| 2021年度 | 25.7% | 17.2% | 413人 |
| 2022年度 | 35.2% | 24.0% | 698人 |
| 2023年度 | 24.5% | 17.7% | 474人 |
| 2024年度 | 28.9% | 18.9% | 553人 |
| 2025年度 | 35.0% | 16.5% | 611人 |
※電気技術者試験センター公表値。二次合格率は二次受験者に対する合格者の割合で、年度差が大きい点に注意(最終合格率は公表されていません)。
二次試験は記述式(電力管理+機械制御)で、年度によって難易度・合格率が大きく変動します。一次合格は出発点に過ぎず、二次対策に追加で500時間以上の学習が必要です。
他資格との難易度比較
| 資格名 | 合格率 | 難易度 | 学習時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 電験二種(一次+二次) | 一次35.0%・二次16.5%(令和7年度) | 難関 | 1,500〜2,000時間 |
| 電験一種(一次+二次) | 一次32.0%・二次31.7%(令和7年度) | 超難関 | 3,000時間以上 |
| 電験三種 | 約13〜17% | 難関 | 約1,000時間 |
| 技術士補(電気電子) | 約60% | 普通 | 200〜300時間 |
| 1級電気工事施工管理技士(第一次検定) | 約36〜42% | 普通 | 200〜400時間 |
| エネルギー管理士(電気) | 約30% | やや難 | 500〜700時間 |
| 建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) | 約18〜31% | やや難 | 300〜500時間 |
| 第一種電気工事士 | 約40〜60% | 普通 | 200〜300時間 |
電験一種との比較
電験一種はすべての事業用電気工作物を監督可能な最上位資格。最終合格率は公表されていませんが(二次試験の合格率は令和3〜7年度で8.0〜31.7%)、学習時間は3,000時間超とされ、電験二種のさらに1.5〜2倍の難度です。実務経験を積んだ電気主任技術者の到達点として位置づけられます。
電験三種との比較
三種が三角関数・複素数までの数学で済むのに対し、二種は微分方程式・ラプラス変換・ベクトル軌跡・対称座標法・パークの変換などが追加。物理面でも過渡現象・電磁波・パワエレ制御理論など、深掘り度合いが明確に増します。
技術士補(電気電子)との比較
技術士補は基礎科目+専門科目のマーク式で合格率約60%。出題範囲が広いものの深さは電験二種より浅く、難度は電験二種が大きく上回ります。電験二種ホルダーは技術士補の電気電子専門科目を有利に攻略できます。
1級電気工事施工管理技士との比較
1級電気工事施工管理技士は第一次検定の合格率が36〜42%程度(令和5〜8年度)。施工管理(工程・原価・品質・安全)と法令が中心で、電験二種の理論・計算重視の出題とは性質が異なります。難度は電験二種が明確に上です。
一次合格後の二次試験の難度
電験二種二次試験は記述式(計算過程・論述)で、電力管理(送配電・発電・施設管理)と機械制御(回転機・パワエレ・自動制御)の2科目構成。各科目の問題数は4問中2問選択で、計算量と論述量が膨大です。一次合格年とその翌年の合計2回で二次合格できないと、一次から再挑戦になります。
一次が多肢選択である程度マーク勘が効くのに対し、二次は部分点狙いの論述力・誤計算しても式を残す技術が問われ、合格率は10%台で年度差が大きいのが特徴です。一次突破直後から二次対策(記述演習・過去問10年分の手書き再現)を始めるのが鉄則です。
科目合格制度のメリット
電験二種一次は科目合格制度(3年間有効)があり、合格した科目は翌年度・翌々年度まで免除されます。社会人受験者にとって最大のメリットで、以下のような戦略が可能です。
- 得意科目先行型: 1年目に理論・法規、2年目に電力・機械を狙う配分
- 計算先行型: 1年目に理論・機械、2年目に電力・法規で先に計算系を片付ける
- 1年集中型: 1年目に4科目一括、2〜3年目に不合格科目のみ再挑戦
3年以内に4科目すべて合格すれば一次試験合格となり、二次試験の受験権が得られます。1年で全科目合格を目指すと挫折リスクが高いため、初年度は得意2科目に絞る戦略が現実的です。
合格するためのポイント
1. 電験三種からのスムーズな移行
電験三種合格直後の学習継続が最も効率的。三種の理論・電力・機械の知識を保ったまま、二種固有の数学(微分方程式・ラプラス変換)を補強します。三種合格から1年以内の二種受験が理想です。
2. 数学の補強を最初に行う
二種は微分方程式・ラプラス変換・ベクトル軌跡・複素数の極形式などが頻出。電気数学の入門書で2〜3週間の集中補強をしてから本格学習に入りましょう。
3. 過去問10年分を3周以上
電験二種は過去問の出題パターンが限定的なため、10年分を3周以上こなせば類似問題で大きく得点できます。間違えた問題はテキストに戻って原理から復習することが重要です。
よくある質問
Q. 電験二種の難易度はどれくらいですか?
電験二種は一次試験と記述式の二次試験の2段階です。一次試験の合格率は令和元〜7年度の平均で28.7%、二次試験は令和5〜7年度で16.5〜18.9%で、一次と二次を通した最終的な合格率は公表されていません。電験三種より長い学習期間を見込みましょう。
Q. 電験三種と電験二種ではどれくらい難易度が違いますか?
電験三種の合格率は令和7年度が上期12.9%・下期13.1%で、電験二種は一次・二次の2段階のため最終的な合格率は公表されていません。電験二種では微分方程式やラプラス変換なども使うため、学習時間の目安は三種の約1,000時間に対し1,500〜2,000時間です。
Q. 電験二種一次に合格しても安心できない理由は何ですか?
一次試験に合格すると、同じ年度と翌年度の二次試験(電力・管理、機械・制御の記述式)を受けられます。二次の合格率は令和5〜7年度で16.5〜18.9%のため、一次合格後は早めに記述対策を始めましょう。
Q. 科目合格制度はどれくらいメリットがありますか?
一次試験は4科目(理論・電力・機械・法規)で、合格した科目は翌年度・翌々年度の試験で申請により免除されます。1年で4科目すべてに合格するのが難しくても、2〜3年の計画で段階的に進められるため、働きながら学ぶ方にも取り組みやすい制度です。
電験二種(一次) の問題を解く →
まとめ
- 電験二種は電気系国家資格で電験一種に次ぐ難関に位置
- 一次合格率平均28.7%、二次合格率10%台(令和5〜7年度は16.5〜18.9%)、最終合格率は非公表
- 電験三種より学習時間が約2倍、数学レベルも明確に上がる
- 一次合格後の二次(記述式)が真の壁。一次突破後は二次対策最優先
- 科目合格制度(3年有効)を活用し2〜3年計画で確実に合格を狙う
第二種電気主任技術者(一次) 一問一答 →
📊 同カテゴリ資格との難易度比較【ビルメン系】
「電験二種(第二種電気主任技術者 一次)」を同じビルメン系の資格と難易度・学習時間・コスパで横並び比較しました(難易度が低い順)。自分に合った受験順や次に狙う資格の検討にお使いください。
| 資格 | 難易度 | 学習時間目安 | 国の統計で見る年収 | コスパ |
|---|---|---|---|---|
| 二級ボイラー技士 | Lv1・入門 | 50〜80時間 | 約452万円(その他の定置・建設機械運転従事者) | ○ |
| 一級ボイラー技士 | Lv2・やさしめ | 60〜100時間 | 約452万円(その他の定置・建設機械運転従事者) | ◎ |
| 第三種冷凍機械責任者 | Lv2・やさしめ | 80〜120時間 | 約452万円(その他の定置・建設機械運転従事者) | ○ |
| 第二種電気工事士 | Lv2・やさしめ | 100〜150時間 | 約628万円(電気工事従事者) | ◎ |
| 第一種電気工事士 | Lv3・標準 | 150〜250時間 | 約628万円(電気工事従事者) | ◎ |
| 建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) | Lv4・難関 | 500〜800時間 | 約452万円(その他の定置・建設機械運転従事者) | ◎ |
| 電験三種 | Lv4・難関 | 800〜1000時間 | 約704万円(電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)) | ◎ |
| 電験二種(第二種電気主任技術者 一次) ◀ この資格 | Lv5・最難関 | 600〜1000時間 | 約704万円(電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)) | ○ |
| 電験一種(第一種電気主任技術者 一次) | Lv5・最難関 | 1000〜1500時間 | 約704万円(電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)) | ○ |
※年収は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」令和7年の職種別・産業別の値から、毎月の給与×12+年間賞与で当サイトが計算した推定値です。資格を持っていない人も含む職種(または業種)全体の値で、資格ごとの年収ではありません。「—」は対応する公的な統計が無いものです。 難易度Lv・学習時間・コスパは目安です。資格の組合せ・コスパ全体像は資格コスパ比較ランキングもご覧ください。