一級ボイラー技士「燃料及び燃焼に関する知識」の一問一答
📖 一級ボイラー技士「燃料及び燃焼に関する知識」の全75問と解説(一覧)
一級ボイラー技士の燃料及び燃焼に関する知識に関する一問一答(全75問)の正解と解説の一覧です。上の一問一答で実際に解いてから、ここで復習・確認できます。
-
問1.重油の元素分析では、炭素・水素・酸素・窒素・硫黄の質量割合を求める。
正解:○(正しい)
解説:元素分析はC・H・O・N・Sの質量百分率を求める分析で、理論空気量や発熱量の計算根拠となる。重油は概ねC85%・H12%・S0.1〜3%程度。
-
問2.工業分析は液体燃料に対して行われ、揮発分・固定炭素・灰分・水分を求める。
正解:×(誤り)
解説:誤り。工業分析は石炭・木質バイオマス等の「固体燃料」に対して行う分析で、液体燃料には適用しない。液体燃料は元素分析や密度・粘度等で評価する。
-
問3.燃料の高発熱量(高位発熱量)は、燃焼によって生じた水蒸気の凝縮潜熱を含む値である。
正解:○(正しい)
解説:高発熱量Hh(総発熱量)は水蒸気の凝縮熱を含む。低発熱量Hl(真発熱量)はこれを含まず、Hl=Hh−2,500×(9H+W)/100[kJ/kg]の関係がある。
-
問4.ボイラー効率の計算には、通常は高発熱量を基準として用いる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。日本のボイラー効率計算では一般に「低発熱量基準」を採用する(JIS B 8222)。排ガス中の水蒸気凝縮熱は実機で回収できないため。
-
問5.A重油はC重油に比べて動粘度が低く、引火点も比較的低い。
正解:○(正しい)
解説:A重油は動粘度20mm²/s(50℃)以下、引火点60℃以上で扱いやすい。C重油は動粘度250〜400mm²/sと高粘度で、燃焼前に予熱(80〜100℃程度)が必要。
-
問6.C重油は粘度が高いため、噴霧前に加熱せず常温で使用するのが原則である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。C重油は粘度が高いため、噴霧前に80〜105℃程度に予熱して動粘度を15〜25mm²/s程度まで下げ、霧化を良好にする必要がある。
-
問7.重油中の硫黄分が燃焼するとSO2が生じ、一部はさらに酸化されてSO3となる。
正解:○(正しい)
解説:S+O2→SO2が主反応で、過剰酸素下で一部がSO2+1/2O2→SO3に酸化される。SO3は水分と結合してH2SO4となり低温腐食の原因となる。
-
問8.重油中の硫黄分の燃焼によって生成するSO3は、低温部で硫酸となり高温腐食の原因となる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。SO3は排ガス中の水分と反応してH2SO4となり、酸露点(約150℃)以下に冷却される低温伝熱面で「低温腐食」を起こす。高温腐食ではない。
-
問9.重油に含まれる残留炭素分が多いほど、バーナチップへのカーボン付着は減少し噴霧状態は安定する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。残留炭素分が多いと熱分解で固体炭素がバーナノズルやれんがに「堆積しやすく」霧化不良・燃焼不良を招く。コンラドソン残炭値で評価され、少ない方が好ましい。
-
問10.重油中のバナジウム分は、低温伝熱面でバナジウムアタックを起こす。
正解:×(誤り)
解説:誤り。バナジウム化合物(V2O5)はC重油等に含まれ、550℃以上の「高温伝熱面」で過熱器管などを侵食する高温腐食(バナジウムアタック)を起こす。
-
問11.LNG(液化天然ガス)の主成分はメタン(CH4)である。
正解:○(正しい)
解説:LNGの主成分はCH4で約85〜95%を占める。残りはエタン・プロパン等。常圧下で約−162℃に冷却液化されたもので、気化後の発熱量は約40MJ/m³N(高位)。
-
問12.LPG(液化石油ガス)の主成分はメタンで、空気より軽く上方に滞留する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。LPGの主成分はプロパン(C3H8)・ブタン(C4H10)で、空気より「重く」漏えい時は下方に滞留する。メタンが主成分なのはLNG。
-
問13.気体燃料は液体燃料に比べて少ない過剰空気で完全燃焼させやすい。
正解:○(正しい)
解説:気体燃料は空気との混合が分子レベルで容易なため、空気比1.05〜1.2程度で完全燃焼が可能。重油は1.1〜1.3、石炭は1.2〜1.4と燃料の形態が変わるほど空気比が大きくなる。
-
問14.気体燃料は単位質量あたりの発熱量が液体燃料に比べて極めて大きい。
正解:×(誤り)
解説:誤り。気体燃料は単位「体積」当たりは小さいが質量当たりは液体と同程度。問題は貯蔵密度で、気体は単位体積発熱量が小さい(メタン約36MJ/m³N、重油約42MJ/L)。
-
問15.石炭の工業分析では、水分・灰分・揮発分・固定炭素の割合を求める。
正解:○(正しい)
解説:工業分析は固体燃料の品質評価で、水分・灰分・揮発分・固定炭素の4項目を質量百分率で求める。揮発分が多いと着火性が良く、固定炭素は熱量に寄与する。
-
問16.石炭は炭化度が進むほど揮発分が増加し、固定炭素が減少する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。炭化度が進む(褐炭→瀝青炭→無煙炭)ほど揮発分は「減少」し、固定炭素は「増加」する。無煙炭は揮発分5%以下、固定炭素85%以上となる。
-
問17.木質バイオマス燃料は、燃焼時に排出されるCO2がカーボンニュートラルとみなされる。
正解:○(正しい)
解説:木質バイオマスは樹木が成長過程で大気中CO2を吸収しているため、燃焼時排出を相殺できるとされる(カーボンニュートラル)。京都議定書以降、再生可能エネルギーに位置付け。
-
問18.木質ペレット燃料の低位発熱量は、含水率が高いほど大きくなる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。含水率が増えると水分蒸発潜熱(2,500kJ/kg)で見かけ発熱量は「低下」する。木質ペレット規格は含水率10%以下に乾燥され、低位発熱量16〜18MJ/kg程度を確保する。
-
問19.燃焼の3要素とは、燃料・酸素(空気)・着火源(温度)の3つである。
正解:○(正しい)
解説:可燃物・酸素供給・着火温度(点火源)の3要素が揃って燃焼が成立する。連鎖反応を加えて燃焼の4要素とすることもある。
-
問20.理論空気量は、燃料を完全燃焼させるために理論上必要な最大の空気量である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。理論空気量は「最小」必要量。化学量論式で求まる空気量で、実際の燃焼では混合不完全さを補うため理論空気量より多い実際空気量を供給する。
-
問21.空気比mは、実際空気量Aを理論空気量A0で割った値(m=A/A0)で定義される。
正解:○(正しい)
解説:空気比m=A/A0、過剰空気率(m−1)×100%で定義。重油バーナで1.1〜1.3、ガスバーナで1.05〜1.2、微粉炭で1.15〜1.3が標準値。
-
問22.過剰空気率は、(実際空気量−理論空気量)÷実際空気量×100[%]で表される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。過剰空気率は「(A−A0)/A0×100」=(m−1)×100[%]で、理論空気量を分母とする。実際空気量を分母にしてはならない。
-
問23.空気比が大きすぎると、排ガス量と排ガス熱損失が増加してボイラー効率が低下する。
正解:○(正しい)
解説:過剰空気が多いと窒素を含む排ガス量増→排ガス顕熱損失増加。一方で小さすぎると不完全燃焼。最適空気比は燃料・バーナ形式によって決まる。
-
問24.空気比を小さくしすぎても、CO発生は増加せず排ガス損失だけが減少する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。空気比が小さすぎると酸素不足で「不完全燃焼」となり、CO・すす・未燃ガスが増加。未燃損失が排ガス損失減を上回り、効率は低下する。
-
問25.炭素1kgが完全燃焼するには、酸素32/12=2.67kgが必要となる。
正解:○(正しい)
解説:C+O2→CO2より、C12kg+O2 32kgで反応。C1kgあたり酸素32/12≈2.67kg必要。空気の酸素質量比23.2%から理論空気量は2.67/0.232≈11.5kg/kg-C。
-
問26.水素1kgが完全燃焼するには、酸素16kgが必要となる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。2H2+O2→2H2Oより、H2 4kg+O2 32kgで反応。H 1kgあたり酸素は32/4=「8kg」必要。理論空気量は8/0.232≈34.5kg/kg-Hとなる。
-
問27.硫黄1kgが完全燃焼するには、酸素1kgが必要である。
正解:○(正しい)
解説:S+O2→SO2より、S32kg+O2 32kgで反応。S 1kgあたり酸素32/32=1kg必要。理論空気量は1/0.232≈4.31kg/kg-S。
-
問28.メタンCH4 1m³Nの完全燃焼に必要な理論酸素量は1m³Nである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。CH4+2O2→CO2+2H2Oより、CH4 1molに対しO2は2mol。すなわちCH4 1m³Nの完全燃焼には酸素「2m³N」必要、理論空気量は2/0.21≈9.52m³N。
-
問29.プロパンC3H8の完全燃焼反応は、C3H8+5O2→3CO2+4H2Oで表される。
正解:○(正しい)
解説:プロパン1molにO2 5mol必要。理論空気量は5/0.21≈23.8m³N/m³N-C3H8で、メタンの約2.5倍。LPG燃焼計算の基本反応式である。
-
問30.気体燃料の理論湿り燃焼ガス量は、理論乾き燃焼ガス量より生成水蒸気量だけ少ない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。湿り燃焼ガス量は乾き燃焼ガス量に生成水蒸気量を「加算」した値(湿り>乾き)。CH4燃焼ではH2O生成分2molが湿りに含まれる。
-
問31.実際燃焼ガス量は、理論燃焼ガス量に過剰空気量を加えた値となる。
正解:○(正しい)
解説:実際燃焼ガス量G=G0+(m−1)A0で、過剰空気量(m−1)A0が加算される。排ガス分析でCO2%から空気比を逆算する手法(オストワルド線図)の基礎。
-
問32.排ガス中のCO2濃度が高いほど、空気比は大きくなっている。
正解:×(誤り)
解説:誤り。CO2濃度は空気比が小さいほど(過剰空気が少ないほど)「高く」なる。最大CO2濃度(理論空気量時)は重油で約15.5%、メタンで約11.7%。
-
問33.排ガス中のO2濃度が増えると、空気比は大きくなっていると判断できる。
正解:○(正しい)
解説:過剰空気が増えるほど未消費の酸素が排ガス中に残る。空気比m≒21/(21−O2[%])(簡易式)で推定でき、ボイラー燃焼管理の指標となる。
-
問34.圧力噴霧式(油圧噴霧式)バーナは、油に高圧(0.5〜3MPa程度)をかけてノズルから噴出させ霧化する方式である。
正解:○(正しい)
解説:圧力噴霧式は燃料油自身の圧力エネルギーで霧化。構造簡単で大容量対応可だが、ターンダウン比(流量調節範囲)が狭い(約3:1程度)のが弱点。
-
問35.蒸気噴霧式(高圧気流噴霧式)バーナは、霧化媒体に蒸気や空気を用い、ターンダウン比が広く取れる。
正解:○(正しい)
解説:高圧気流式は蒸気・空気のエネルギーで霧化するため低流量でも良好な霧化が可能。ターンダウン比5:1〜10:1で負荷変動の大きいプラントに適する。
-
問36.回転式(ロータリ式)バーナは、ノズル内の油に超高圧をかけて霧化する方式である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。回転式は高速回転(3,000〜10,000rpm)するカップの「遠心力」で油を霧化する方式。圧力霧化ではない。中小容量ボイラーで使われる。
-
問37.ガンタイプバーナは、大容量の発電用ボイラー専用として開発されたバーナである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ガンタイプはモータ・ファン・ポンプ・点火装置を一体化した「小型パッケージバーナ」で、小型温水・暖房ボイラー用。大容量発電ボイラーには圧力噴霧式・蒸気噴霧式の大型バーナが用いられる。
-
問38.ガスバーナのプレミックス(予混合)方式は、燃焼用空気とガスをバーナ内で混合した後に燃焼させる方式である。
正解:○(正しい)
解説:プレミックス方式は燃焼前に燃料と空気を混合するため、短炎で局所高温になりやすい。逆火(フラッシュバック)防止対策が必要で、低NOxバーナで活用される。
-
問39.ガスバーナの拡散燃焼方式は、ガスと空気を完全に予混合してから燃焼室に噴出する方式である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。拡散燃焼方式はガスと空気を「別々に噴出」させ、燃焼室内で拡散混合させながら燃焼させる方式。安定で逆火しにくいが炎は長くなる傾向。
-
問40.微粉炭バーナは、石炭を200メッシュ通過分70〜80%程度に微粉砕してから燃焼させる装置である。
正解:○(正しい)
解説:微粉炭は74μm以下が70%以上となるよう粉砕機(ミル)で粉砕し、一次空気で輸送して気流燃焼させる。表面積増大により短時間で燃焼を完了する。
-
問41.流動層燃焼方式(FBC)は、砂等の媒体に空気を吹き込んで流動化させた層中で固体燃料を燃焼させる方式である。
正解:○(正しい)
解説:流動床(FBC)は800〜900℃の低温燃焼が可能でサーマルNOx発生が少ない。石灰石を投入すれば炉内脱硫もでき、低品位炭・廃棄物の燃焼に有効。
-
問42.流動層燃焼は1,400℃以上の高温で行うため、サーマルNOxが多量に発生する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。流動層燃焼は800〜900℃と「低温」で行われ、サーマルNOx生成が少ない(フィックスフィールドのNO生成は1,400℃以上で急増)。低NOx化が利点。
-
問43.ボイラー排ガス中のNOxは、サーマルNOx・フューエルNOx・プロンプトNOxに分類される。
正解:○(正しい)
解説:サーマルNOxは空気中N2の高温酸化、フューエルNOxは燃料中窒素分由来、プロンプトNOxは火炎面でラジカル反応により短時間で生成するもの。
-
問44.サーマルNOxは1,000℃以下の低温で多量に発生する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。サーマルNOxはN2+O2→2NOの反応で、約1,400℃以上で急増する「高温」生成NOx。低温燃焼や火炎温度低減(2段燃焼・排ガス再循環)が抑制策。
-
問45.排ガス再循環(EGR)は、燃焼用空気に排ガスの一部を混入し火炎温度を下げてサーマルNOxを抑制する手法である。
正解:○(正しい)
解説:EGRは排ガス10〜30%を燃焼空気に混合し酸素濃度低下と熱容量増加で火炎温度を低下。サーマルNOxを20〜50%削減でき、低NOxバーナと組み合わせて使う。
-
問46.2段燃焼法は、最初に空気過剰条件で燃焼させて未燃分を発生させない方法である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。2段燃焼は1段目を「空気不足」で還元性燃焼させNOx生成を抑え、2段目(オーバーファイヤエア)で完全燃焼させる方法。一段目は空気不足が要点。
-
問47.排煙脱硫装置の湿式石灰石-石こう法は、SO2を吸収液で吸収しせっこう(CaSO4・2H2O)として回収する方法である。
正解:○(正しい)
解説:石灰石スラリーでSO2吸収→CaSO3生成→酸化してCaSO4・2H2O(せっこう)として副生回収。脱硫率90%以上で大規模火力で標準的に採用される方式。
-
問48.排煙脱硝のアンモニア接触還元法(SCR)は、触媒存在下でNOxにNH3を反応させN2とH2Oに還元する。
正解:○(正しい)
解説:4NO+4NH3+O2→4N2+6H2Oの反応で、V2O5/TiO2系触媒上300〜400℃で進行。脱硝率80〜90%が得られ、大型ボイラーの代表的脱硝方式である。
-
問49.SCR(選択接触還元法)の還元剤としては、主に塩素(Cl2)が用いられる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。SCRの還元剤は「アンモニア(NH3)または尿素(CO(NH2)2)」。塩素は還元剤ではなく、むしろ脱硝触媒被毒物質となる。
-
問50.ボイラーの大気汚染防止法上のばい煙には、いおう酸化物・ばいじん・窒素酸化物・有害物質が含まれる。
正解:○(正しい)
解説:大気汚染防止法第2条で「ばい煙」はSOx・ばいじん・有害物質(カドミウム・塩素・ふっ素・鉛等)・NOxを規定。ボイラーは特定施設としてK値規制・濃度規制を受ける。
根拠:大気汚染防止法 第2条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問51.いおう酸化物(SOx)の規制は、排出口の高さに関係なく一律の濃度基準で行われる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。SOxはK値規制(q=K×10⁻³×He²)で「有効煙突高さHe」を考慮した排出量規制。地域ごとにK値が定められ、地形・人口集中度を反映した規制となる。
-
問52.ボイラーから排出されるばいじんは、サイクロン・電気集じん機・バグフィルタ等で除去される。
正解:○(正しい)
解説:サイクロンは遠心分離(大粒径用)、電気集じん機は高電圧コロナ放電で帯電捕集(高効率)、バグフィルタはろ布で捕集(高捕集率)。集じん率は方式により50〜99.9%。
-
問53.電気集じん機は、ガス中のばいじんに正電荷を帯電させ、負電極で捕集する装置である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。一般的なEPはコロナ放電で粒子に「負電荷」を与え、「正極の集じん極」で捕集する方式。極性は装置設計上の逆転が可能だが、原理は帯電→集じん極吸着。
-
問54.ジルコニア式O2計は、応答が遅く間欠測定にしか使えないため、ボイラーの空気比制御には不適である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。ジルコニア式O2計は応答が「速く(0.数秒)」高精度で連続測定可能。酸素イオン導電性のジルコニア電解質によるネルンスト式起電力測定で、空気比制御の標準センサとして広く採用される。
-
問55.次のうち、A重油の引火点として最も近い値はどれか。
- ア.20℃
- イ.150℃以上
- ウ.60℃以上
- エ.250℃以上
正解:ウ.60℃以上
解説:A重油の引火点はJIS K 2205で60℃以上と規定される。実際の市販A重油は70〜90℃程度。灯油は40℃以上、軽油は45℃以上、C重油は70℃以上。
-
問56.炭素C 1kgを完全燃焼させるのに必要な理論酸素量[kg]として正しいものはどれか。
- ア.1.33kg
- イ.11.5kg
- ウ.8.00kg
- エ.2.67kg
正解:エ.2.67kg
解説:C+O2→CO2より、12kg-Cに対しO2 32kg必要。1kg-Cでは32/12≈2.67kg。理論空気量は2.67/0.232≈11.5kg/kg-Cとなる。
-
問57.水素H 1kgを完全燃焼させるのに必要な理論酸素量[kg]として正しいものはどれか。
- ア.8.0kg
- イ.2.0kg
- ウ.4.0kg
- エ.16kg
正解:ア.8.0kg
解説:2H2+O2→2H2Oより、4kg-Hに対しO2 32kg必要。1kg-Hでは32/4=8kg。理論空気量は8/0.232≈34.5kg/kg-H。
-
問58.メタンCH4 1m³Nを完全燃焼させるのに必要な理論空気量[m³N]として最も近い値はどれか(空気中O2=21vol%)。
- ア.2.38m³N
- イ.9.52m³N
- ウ.4.76m³N
- エ.23.8m³N
正解:イ.9.52m³N
解説:CH4+2O2→CO2+2H2Oより理論O2は2m³N。理論空気量=2/0.21≈9.52m³N/m³N-CH4。プロパンは約23.8m³N/m³Nとなる。
-
問59.空気比mと過剰空気率の関係として正しいものはどれか。
- ア.過剰空気率=m×100[%]
- イ.過剰空気率=(1/m)×100[%]
- ウ.過剰空気率=(m−1)×100[%]
- エ.過剰空気率=(m+1)×100[%]
正解:ウ.過剰空気率=(m−1)×100[%]
解説:空気比m=実際空気量/理論空気量。過剰空気率=(m−1)×100[%]。例えばm=1.25なら過剰空気率25%、m=1.0なら過剰空気率0%(理論空気量燃焼)。
-
問60.次の燃料のうち、一般的に空気比が最も小さくて済むものはどれか。
- ア.微粉炭
- イ.C重油
- ウ.A重油
- エ.都市ガス
正解:エ.都市ガス
解説:気体燃料は空気との混合が容易で空気比1.05〜1.2、油バーナ1.1〜1.3、微粉炭1.15〜1.3、ストーカ式石炭1.3〜1.5。気体<液体<固体の順に必要空気比が大きくなる。
-
問61.液体燃料用バーナのうち、油圧そのものでノズルから噴霧する方式はどれか。
- ア.圧力噴霧式バーナ
- イ.蒸気噴霧式バーナ
- ウ.回転式バーナ
- エ.ガンタイプバーナ
正解:ア.圧力噴霧式バーナ
解説:圧力噴霧式(油圧噴霧式)は0.5〜3MPaの油圧でノズル噴霧。蒸気噴霧式は蒸気エネルギ、回転式はカップ遠心力、ガンタイプは圧力霧化+ファン送風の小型一体型。
-
問62.高粘度のC重油を圧力噴霧式バーナで使用する際の予熱温度として、最も適切な範囲はどれか。
- ア.20〜30℃
- イ.80〜105℃
- ウ.40〜60℃
- エ.150〜180℃
正解:イ.80〜105℃
解説:C重油は噴霧時動粘度15〜25mm²/s(最大35mm²/s以下)が目標で、これに必要な予熱温度は80〜105℃程度。120℃以上は油中の水分蒸発でベーパロックの恐れ。
-
問63.ガスバーナのうち、燃料ガスと空気をバーナ内で予混合してから燃焼させる方式はどれか。
- ア.拡散燃焼方式
- イ.ターンダウン噴射方式
- ウ.予混合(プレミックス)方式
- エ.後混合方式
正解:ウ.予混合(プレミックス)方式
解説:予混合(プレミックス)方式は短炎で低NOx化に有利だが逆火対策が必要。拡散燃焼は別々噴出で安定だが炎が長い。先混合・部分予混合は両者の中間方式。
-
問64.石炭の工業分析で求めない項目はどれか。
- ア.水分
- イ.灰分
- ウ.固定炭素
- エ.発熱量
正解:エ.発熱量
解説:工業分析は水分・灰分・揮発分・固定炭素の4項目。発熱量は別途ボンブ熱量計で測定する項目で工業分析には含まれない。元素分析もまた別カテゴリ。
-
問65.炭化度が最も高く、揮発分が最も少ない石炭はどれか。
- ア.無煙炭
- イ.亜瀝青炭
- ウ.瀝青炭
- エ.褐炭
正解:ア.無煙炭
解説:炭化度は褐炭<亜瀝青炭<瀝青炭<無煙炭の順に進む。無煙炭は揮発分5%以下、固定炭素85%以上で着火しにくいが熱量大。褐炭は揮発分多く水分も多い。
-
問66.サーマルNOx生成を抑制する燃焼方法として、最も効果的でないものはどれか。
- ア.排ガス再循環(EGR)
- イ.空気比を大きくする
- ウ.2段燃焼
- エ.低NOxバーナの採用
正解:イ.空気比を大きくする
解説:空気比を大きくすると酸素濃度が上がりサーマルNOx生成は「増加」する。低NOx化には2段燃焼・排ガス再循環・低NOxバーナによる火炎温度低下が有効。
-
問67.湿式石灰石-石こう法による排煙脱硫で副生される物質はどれか。
- ア.硫酸アンモニウム
- イ.亜硫酸ナトリウム
- ウ.せっこう(CaSO4・2H2O)
- エ.炭酸カルシウム
正解:ウ.せっこう(CaSO4・2H2O)
解説:石灰石CaCO3がSO2を吸収しCaSO3となり、空気で酸化されてせっこう(CaSO4・2H2O)として副生。建材・セメント原料として利用可能で資源循環に貢献。
-
問68.アンモニア接触還元法(SCR)でNOxを還元する反応式として正しいものはどれか。
- ア.2NO+O2→2NO2
- イ.2NO+2CO→N2+2CO2
- ウ.NO+H2→1/2N2+H2O
- エ.4NO+4NH3+O2→4N2+6H2O
正解:エ.4NO+4NH3+O2→4N2+6H2O
解説:4NO+4NH3+O2→4N2+6H2O(標準SCR反応)。V2O5/TiO2系触媒上300〜400℃で進行し、NOxを無害なN2に還元する。脱硝率80〜90%が実用域。
-
問69.排ガス中の最大CO2濃度(理論空気量で燃焼させたとき)が最も高い燃料はどれか。
- ア.C重油
- イ.都市ガス(13A)
- ウ.プロパン
- エ.水素
正解:ア.C重油
解説:最大CO2濃度は炭素含有率の高い燃料ほど大。C重油約15.8%、A重油15.5%、都市ガス(13A)約11.7%、メタン11.7%、水素0%。重油類が最大、気体燃料は低い。
-
問70.ボイラー排ガス中のO2濃度測定によく用いられ、応答が速く高精度なセンサはどれか。
- ア.ピトー管
- イ.ジルコニア式O2計
- ウ.U字管マノメータ
- エ.オリフィス流量計
正解:イ.ジルコニア式O2計
解説:ジルコニア式O2計は酸素イオン導電性を利用したネルンスト式センサ。高温で動作し応答0.数秒、O2濃度0.1〜25%を高精度測定。空気比制御に最適で標準採用。
-
問71.ボイラー排ガス処理の集じん装置のうち、一般に集じん効率が最も高いものはどれか。
- ア.サイクロン
- イ.重力沈降式
- ウ.電気集じん機(EP)
- エ.慣性式集じん機
正解:ウ.電気集じん機(EP)
解説:集じん効率はサイクロン80〜90%、マルチサイクロン90〜95%、ベンチュリスクラバ90〜99%、慣性式70〜90%、電気集じん機(EP)99〜99.9%。EPが最高水準でボイラー排ガス処理の代表方式。
-
問72.重油中の硫黄分が燃焼してSO3となり、これがH2Oと反応して伝熱面に低温腐食を起こす温度の目安(酸露点)として最も近いものはどれか。
- ア.50℃前後
- イ.100℃前後
- ウ.300℃前後
- エ.150℃前後
正解:エ.150℃前後
解説:SO3+H2O→H2SO4の硫酸露点はSO3濃度・水分量に依存し、概ね130〜160℃。エコノマイザ・空気予熱器の冷端で発生しやすく、入口温度150℃以上を確保する設計が一般的。
-
問73.流動層燃焼ボイラー(FBC)の特徴として誤っているものはどれか。
- ア.燃焼温度が1,400℃以上と高くサーマルNOxが多発する
- イ.層内に石灰石を投入することで炉内脱硫ができる
- ウ.低品位炭や廃棄物も燃焼可能である
- エ.層内の伝熱が良好で炉断面熱負荷を大きくできる
正解:ア.燃焼温度が1,400℃以上と高くサーマルNOxが多発する
解説:流動層燃焼は800〜900℃の低温燃焼でサーマルNOx「少ない」。石灰石投入で炉内脱硫可、低品位炭・廃棄物にも対応可、層内伝熱良好で炉断面負荷高い。NOx多発は誤り。
-
問74.気体燃料の発熱量(高位)として、最も大きいものはどれか。
- ア.水素(H2)
- イ.ブタン(C4H10)
- ウ.プロパン(C3H8)
- エ.メタン(CH4)
正解:イ.ブタン(C4H10)
解説:高位発熱量[MJ/m³N]の目安: 水素12.8、メタン39.8、プロパン99.1、ブタン128.5。炭素・水素数が多いほど大きい。プロパン・ブタンはLPG主成分で気体中で高発熱量。
-
問75.硫黄S 1kgを完全燃焼させたときに生成するSO2の質量[kg]として正しいものはどれか。
- ア.3.0kg
- イ.1.0kg
- ウ.2.0kg
- エ.0.5kg
正解:ウ.2.0kg
解説:S+O2→SO2より、S 32kgからSO2 64kgが生成。1kg-Sからは64/32=2kgのSO2が発生。脱硫設備の処理量算定や排出量推算の基本計算で頻出する量論換算。