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建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)「建築物の環境衛生・健康影響の発展問題」の一問一答

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📖 建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)「建築物の環境衛生・健康影響の発展問題」の全75問と解説(一覧)

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の建築物の環境衛生・健康影響の発展問題に関する一問一答(全75問)の正解と解説の一覧です。上の一問一答で実際に解いてから、ここで復習・確認できます。

  1. 問1.酸素欠乏症は空気中の酸素濃度がおおむね18%未満になると発生のおそれが生じるとされる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。労働安全衛生関係法令上、酸素濃度18%未満を酸素欠乏とし、頭痛やめまい等の症状が現れる。さらに濃度が低下すると意識喪失や死亡に至るため、ピットや槽内など閉鎖空間の作業環境管理が重要である。

  2. 問2.人体の体温調節中枢が存在する部位として正しいものはどれか。

    • ア.小脳
    • イ.海馬
    • ウ.延髄
    • エ.視床下部

    正解:エ.視床下部

    解説:体温調節中枢は間脳の視床下部にあり、皮膚や深部の温度受容器からの情報を統合してセットポイントへ向け、血管運動・発汗・ふるえ等を制御する恒常性の中枢である。小脳・延髄・海馬は体温調節中枢ではない。

  3. 問3.光源の色温度は、低色温度ほど青白く、高色温度ほど赤みを帯びた光色になる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。色温度が低いほど赤み(暖色)を帯び、高いほど青白く(寒色)なる。低色温度ほど青白く高色温度ほど赤みという記述は色味の対応が逆であり、正しくは低色温度=赤み、高色温度=青白い、である。

  4. 問4.高温環境で人体が放熱する際、主たる役割を担う放熱経路はどれか。

    • ア.汗の蒸発(潜熱)
    • イ.対流
    • ウ.伝導
    • エ.放射

    正解:ア.汗の蒸発(潜熱)

    解説:気温が皮膚温に近づくと放射・対流・伝導といった顕熱による放熱はほとんど効かなくなり、高温下では汗が蒸発するときの潜熱放熱が体温維持の主役となる。湿度が高いと蒸発が妨げられ放熱効率は低下する。

  5. 問5.一酸化炭素はヘモグロビンとの親和性が酸素の200倍以上と極めて高く、組織への酸素供給を阻害する。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。一酸化炭素のヘモグロビン親和性は酸素の約200〜250倍と極めて高く、一酸化炭素ヘモグロビンを形成して酸素運搬能を著しく低下させる。低濃度でも組織の低酸素を招くため不完全燃焼に注意が必要である。

  6. 問6.成人の総体水分量と細胞内外の分布として最も適切なものはどれか。

    • ア.体重の約40%で約半分が細胞内液
    • イ.体重の約60%で約3分の2が細胞内液
    • ウ.体重の約80%で大半が血漿
    • エ.体重の約20%で大半が細胞外液

    正解:イ.体重の約60%で約3分の2が細胞内液

    解説:成人の総体水分は体重比約60%で、うち約3分の2が細胞内液、約3分の1が細胞外液に分布する。乳児は割合が高く、肥満では脂肪組織が水分に乏しいため割合が下がる。他の選択肢は分布が実際と異なる。

  7. 問7.演色評価数Raは、値が小さいほど自然光下に近い色の見え方が得られ、演色性が良いことを示す。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。演色評価数Raは最大100に近い値ほど基準光下に近い自然な色再現が得られ演色性が良い。値が小さいほど演色性が良いという記述は大小関係が逆で、正しくは値が大きいほど演色性が良い、である。

  8. 問8.基礎代謝量の測定条件に関する記述として、誤っているものはどれか。

    • ア.絶食状態で測定する
    • イ.早朝覚醒後の安静仰臥位で測定する
    • ウ.食後すぐの満腹状態で測定する
    • エ.快適な室温下で測定する

    正解:ウ.食後すぐの満腹状態で測定する

    解説:誤り。基礎代謝は早朝覚醒後・絶食(食事誘発性熱産生を排除)・安静仰臥位・快適室温で測定するのが原則である。満腹状態では消化に伴う産熱が加わるため基礎代謝の測定条件として不適切である。

  9. 問9.クリプトスポリジウムは塩素消毒に弱く、通常の塩素消毒で容易に不活化できる原虫である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。クリプトスポリジウムはオーシスト形態で塩素消毒に強い抵抗性を示し、通常の塩素消毒では容易に不活化できない。塩素消毒で容易に不活化できるという記述は正しくなく、ろ過や紫外線処理が有効である。

  10. 問10.代謝量を表す単位「met」に関する記述として正しいものはどれか。

    • ア.1met=約100Wで体格に依存しない絶対値である
    • イ.metは着衣の断熱性を表す単位である
    • ウ.metが大きいほど寒く感じる指標である
    • エ.安静座位の代謝量が1metに相当する

    正解:エ.安静座位の代謝量が1metに相当する

    解説:metは代謝量を表す相対単位で、安静座位の代謝量を1met(約58W/m2)とする。clo(着衣量)とは別概念で、活動が激しいほどmetは大きくなる。着衣量や寒暖感を直接表す指標ではない。

  11. 問11.ノロウイルスはアルコール消毒に対して感受性が高く、手指のアルコール擦式消毒のみで確実に不活化できる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。ノロウイルスはエンベロープを持たないためアルコールへの抵抗性が高く、手指のアルコール消毒のみでは確実に不活化できない。流水と石けんによる手洗いや次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効である。

  12. 問12.WBGT(屋外で日射がある場合)の算定式として正しいものはどれか。

    • ア.0.7×自然湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度
    • イ.0.7×自然湿球温度+0.3×黒球温度
    • ウ.0.7×乾球温度+0.3×黒球温度
    • エ.自然湿球温度と黒球温度の単純平均

    正解:ア.0.7×自然湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度

    解説:屋外で日射がある場合のWBGTは0.7×自然湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度で算定する。屋内および日射のない屋外では0.7×自然湿球温度+0.3×黒球温度となり、乾球温度を含まない点が異なる。

  13. 問13.二酸化炭素そのものは室内空気汚染の総合指標として用いられるが、通常の室内濃度では直接的な毒性はほとんどない。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。室内の二酸化炭素は在室者の呼気に由来し換気状態の総合指標とされ、建築物衛生法では1000ppm以下に管理する。数千ppm程度までは直接毒性は小さく、おもに換気不良を示すマーカーとして扱われる。

  14. 問14.PMV(予測平均温冷感申告)の符号と温冷感の対応として正しいものはどれか。

    • ア.+3が寒い、0が中立、−3が暑い
    • イ.+3が暑い、0が中立、−3が寒い
    • ウ.0が最も不快
    • エ.+3が快適、−3が不快

    正解:イ.+3が暑い、0が中立、−3が寒い

    解説:PMVは+3(暑い)から−3(寒い)までの7段階で温冷感を表し、0が中立である。快適域はおおむね±0.5程度とされる。符号を逆に対応させた選択肢や快適不快の対応とした選択肢は誤りである。

  15. 問15.成人の体水分量は体重のおおむね60%を占め、その3分の2は細胞内液として存在する。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。成人の総体水分は体重比約60%で、その約3分の2が細胞内液、残り約3分の1が細胞外液(組織間液と血漿)に分布する。乳児では割合が高く、肥満では脂肪が水に乏しいため割合がやや下がる。

  16. 問16.着衣の熱抵抗(断熱性)を表す単位として正しいものはどれか。

    • ア.lx(ルクス)
    • イ.met(メット)
    • ウ.clo(クロ)
    • エ.dB(デシベル)

    正解:ウ.clo(クロ)

    解説:cloは着衣の熱抵抗を表す単位で1clo≒0.155m2K/Wである。metは代謝量、lxは照度、dBは音圧レベル等の単位であり、着衣量を表すのはcloである。単位と対象量の対応を正確に押さえることが重要である。

  17. 問17.同じ音圧レベルの音源が2つ重なると、合成音圧レベルはおおむね6dB増加する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。等しいレベルの非干渉音源が2つ重なるとパワーが2倍になり、合成レベルの増加は10×log2で約3dBである。6dB増加するという記述は正しくなく、正しくは約3dBの増加である。

  18. 問18.不快指数DIの算定に用いられる要素の組合せとして正しいものはどれか。

    • ア.気温と気流
    • イ.気温と輻射
    • ウ.湿度と気流
    • エ.気温と湿度

    正解:エ.気温と湿度

    解説:不快指数は乾球温度と湿度(湿球温度または相対湿度)から計算され、気流や輻射熱は考慮しない。湿度が高いほど蒸発放熱が妨げられて値が大きくなり、蒸し暑く感じる関係を表す簡便な体感指標である。

  19. 問19.スクリーニング検査の感度が高いほど、真に疾病のある者を陰性と判定する見逃しが増える。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。感度は疾病のある者を正しく陽性と判定する割合であり、感度が高いほど見逃し(偽陰性)はむしろ減る。感度が高いほど見逃しが増えるという記述は感度の意味と逆であり正しくない。

  20. 問20.有効温度ET(Effective Temperature)が考慮しない要素はどれか。

    • ア.輻射熱
    • イ.湿度
    • ウ.気温
    • エ.気流

    正解:ア.輻射熱

    解説:有効温度ETは気温・湿度・気流を統合した体感指標であり、輻射熱は考慮しない。この欠点を補うため、輻射熱を加味した修正有効温度CETが用いられる。気温・湿度・気流はいずれもETの構成要素である。

  21. 問21.VDT作業では、ディスプレイ面の照度は書類面より十分高く、両者の輝度対比を大きくするほど目の負担が軽減する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。VDT作業ではディスプレイ面・書類面・周辺の輝度対比をなるべく小さく保つことが望ましく、過大な対比はかえって眼精疲労を招く。対比を大きくするほど目の負担が軽減するという記述は正しくない。

  22. 問22.一酸化炭素のヘモグロビンに対する親和性として最も適切なものはどれか。

    • ア.酸素の約2倍
    • イ.酸素の約200〜250倍
    • ウ.酸素とほぼ同等
    • エ.酸素より低い

    正解:イ.酸素の約200〜250倍

    解説:一酸化炭素のヘモグロビン親和性は酸素の約200〜250倍と極めて高く、一酸化炭素ヘモグロビンを形成して酸素運搬を阻害する。低濃度でも組織の低酸素を招くため、不完全燃焼に伴う中毒に注意が必要である。

  23. 問23.血液のpHは緩衝系・呼吸・腎臓の働きによって、おおむね7.35〜7.45の狭い範囲に保たれている。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。動脈血pHは重炭酸緩衝系を中心に、肺による二酸化炭素排出と腎臓による水素イオン・重炭酸イオンの調整で7.40前後の狭い範囲に維持される。これは酸塩基平衡という恒常性の代表例である。

  24. 問24.酸素欠乏症が発生するおそれが生じるとされる空気中の酸素濃度の目安はどれか。

    • ア.21%未満
    • イ.16%超
    • ウ.18%未満
    • エ.23.5%超

    正解:ウ.18%未満

    解説:通常の大気の酸素濃度は約21%で、18%未満になると酸素欠乏とされ頭痛やめまい等の症状が現れる。さらに低下すると意識喪失や死亡に至るため、閉鎖空間での作業環境の酸素濃度管理が重要である。

  25. 問25.有効温度ETは気温・湿度・気流の3要素を統合した温熱指標であるが、輻射熱の影響は含まない。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。有効温度ETは気温・湿度・気流を総合した体感温度指標で、輻射熱は考慮しない。この欠点を補うため、輻射の影響を加味した修正有効温度CETが別に用いられ、放射暖房環境などの評価に役立つ。

  26. 問26.石綿(アスベスト)曝露との関連が特に強い悪性腫瘍はどれか。

    • ア.胃がん
    • イ.甲状腺がん
    • ウ.白血病
    • エ.中皮腫

    正解:エ.中皮腫

    解説:中皮腫は胸膜や腹膜等の中皮細胞に生じる悪性腫瘍で、石綿曝露との関連が極めて強く潜伏期間は数十年に及ぶ。石綿は肺がんのリスクも高めるが、特徴的に関連が強いのは中皮腫である。胃がん等は関連が薄い。

  27. 問27.人体の熱産生に占める基礎代謝の割合は極めて小さく、安静時の産熱の大半は骨格筋の運動による。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。安静時の熱産生はおもに肝臓・脳など内臓代謝と基礎代謝に由来し、骨格筋の運動による産熱はあくまで身体活動時に増加するものである。安静時の産熱の大半を骨格筋運動が占めるという記述は正しくない。

  28. 問28.シックビル症候群の特徴として、誤っているものはどれか。

    • ア.特定の単一病原体による感染症と定義される
    • イ.退室すると症状が軽快する傾向がある
    • ウ.当該建物に在室すると症状が出やすい
    • エ.頭痛や粘膜刺激などの非特異的症状を呈する

    正解:ア.特定の単一病原体による感染症と定義される

    解説:誤り。シックビル症候群は特定の単一原因に帰せないことが多く、感染症とは定義されない。換気不良や化学物質等が複合して在室で増悪し退室で軽快する非特異的症状を呈する点が特徴であり、感染症とする記述は不適切である。

  29. 問29.不感蒸泄は発汗とは異なり、自覚されないまま皮膚や呼気から水分が失われる現象で、成人で1日あたり約900mLに及ぶ。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。不感蒸泄は皮膚からの蒸散と呼気からの水分喪失の合計で、成人ではおおむね1日約900mL程度とされる。体温調節を意図しない持続的な水分損失であり、水分出納や脱水を考えるうえで無視できない量である。

  30. 問30.音圧レベルが20dB増加したとき、音圧(物理量)はおおむね何倍になるか。

    • ア.2倍
    • イ.10倍
    • ウ.100倍
    • エ.20倍

    正解:イ.10倍

    解説:音圧レベルは20×log(音圧比)で定義されるため、20dBの増加は音圧比10の1乗で10倍となる。なお音の強さ(パワー)でみると20dB増は100倍となるため、音圧と音の強さの違いを混同しないことが重要である。

  31. 問31.ホルムアルデヒドは常温で液体であり、建材から放散されても気中に拡散することはない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。ホルムアルデヒドは常温で刺激臭のある無色の気体であり、合板や接着剤等から気中に放散して粘膜刺激やシックハウスの原因となる。常温で液体で気中に拡散しないという記述は正しくない。

  32. 問32.等しい音圧レベルの非干渉音源が2つ重なったときの合成音圧レベルの増加量として正しいものはどれか。

    • ア.約6dB
    • イ.約10dB
    • ウ.約3dB
    • エ.約20dB

    正解:ウ.約3dB

    解説:等しいレベルの音源が2つ重なるとパワーが2倍になり、合成レベルの増加は10×log2で約3dBとなる。音源が3つで約4.8dB、10倍の音源で10dBの増加となる。約6dBや約10dBとする選択肢は誤りである。

  33. 問33.交感神経が優位になると皮膚血管は拡張し、発汗が抑制されて熱の放散が促進される。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。交感神経優位では皮膚血管は収縮して放熱を抑え、一方で汗腺も交感神経支配のため発汗はむしろ促進される。記述は皮膚血管反応と発汗の方向がともに実際と食い違っており正しくない。

  34. 問34.残響時間に関するセービンの式 T=0.161V/A について、正しい記述はどれか。

    • ア.室容積Vに反比例する
    • イ.総吸音力Aに比例する
    • ウ.室温に比例する
    • エ.室容積Vに比例し総吸音力Aに反比例する

    正解:エ.室容積Vに比例し総吸音力Aに反比例する

    解説:セービンの式T=0.161V/Aより、残響時間は室容積Vに比例し総吸音力Aに反比例する。吸音材を増やすほど残響時間は短くなり、大空間ほど残響が長くなる関係を表す。室温に比例するという記述は誤りである。

  35. 問35.PMVは予測平均温冷感申告で、+3が最も寒い、−3が最も暑いと感じる状態を表す。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。PMVは+3が暑い側、0が中立、−3が寒い側を表す7段階の指標で、記述は寒暖を示す符号が逆である。正しくは+3が暑い、−3が寒いであり、快適域はおおむね±0.5程度とされる。

  36. 問36.壁の遮音性能を表す透過損失TLに関する記述として正しいものはどれか。

    • ア.値が大きいほど遮音性能が高い
    • イ.TLが0で完全遮音である
    • ウ.値が大きいほど遮音性能が低い
    • エ.TLは室容積で決まる

    正解:ア.値が大きいほど遮音性能が高い

    解説:透過損失TLは入射音に対する透過音の減衰量で、値が大きいほど音を通しにくく遮音性能が高い。質量則により壁が重く周波数が高いほどTLは大きくなる傾向がある。値が大きいほど遮音性能が低いとする記述は誤りである。

  37. 問37.騒音性難聴は内耳の有毛細胞の障害によって生じ、いったん高度に障害された有毛細胞は再生しないため不可逆である。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。騒音性難聴は強大音による内耳コルチ器の有毛細胞障害で生じ、ヒトの有毛細胞は再生能に乏しいため高度な障害は不可逆となる。初期は4000Hz付近の聴力低下(c5dip)が現れるのが特徴である。

  38. 問38.騒音性難聴の初期に最も聴力低下が現れやすい周波数として適切なものはどれか。

    • ア.250Hz付近
    • イ.4000Hz付近
    • ウ.125Hz付近
    • エ.8000Hz付近

    正解:イ.4000Hz付近

    解説:騒音性難聴は初期に4000Hz付近の聴力低下(いわゆるc5dip)が特徴的で、会話領域より高音域から障害が始まる。進行すると会話音域にも及び日常会話に支障をきたす。低音域から始まるわけではない。

  39. 問39.飛沫感染は5μmより大きい飛沫が空気中を長時間浮遊して遠くまで届くことで成立する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。飛沫感染は比較的大きな飛沫がおおむね1〜2mの短距離で落下することにより成立し、長時間浮遊して遠くまでは届かない。長距離まで届くのは飛沫核による空気感染であり、記述は機序を取り違えている。

  40. 問40.騒音の評価指標に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

    • ア.等価騒音レベル(LAeq)は変動する騒音のエネルギー平均を表す
    • イ.騒音レベルの測定にはA特性音圧レベルが用いられる
    • ウ.等価騒音レベルは瞬間最大値のみを表す指標である
    • エ.NC値は室内騒音の評価に用いられる

    正解:ウ.等価騒音レベルは瞬間最大値のみを表す指標である

    解説:等価騒音レベル(LAeq)は一定時間内の変動騒音を等価なエネルギーをもつ定常騒音レベルに換算した時間平均値であり、瞬間最大値のみを表すものではない。瞬間最大値のみとするのは不適切。エネルギー平均の意味、A特性の使用、NC値の室内評価利用は正しい記述である。

  41. 問41.予測不満足者率PPDは、PMVが0のときに0%となり、温熱的に不満足な者が完全にいなくなる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。PPDはPMVが0でも最小で約5%となり、0%にはならない。万人を満足させる温熱環境は存在せず約5%程度の不満足が残るのがPMV-PPDモデルの前提であり、0%になるという記述は正しくない。

  42. 問42.グレア(まぶしさ)の原因として最も関係が薄いものはどれか。

    • ア.視野内の高輝度光源
    • イ.大きな輝度対比
    • ウ.光沢面での反射
    • エ.室温の上昇

    正解:エ.室温の上昇

    解説:グレアは視野内の過度な輝度や輝度対比、光沢面の反射等により生じる視覚的障害で、室温の上昇は直接の原因ではない。室温は温熱環境の要素であり、まぶしさを生む光学的要因とは区別される。

  43. 問43.壁の遮音性能を表す透過損失TLは、値が大きいほど遮音性能が低いことを意味する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。透過損失TLは入射音に対し透過音がどれだけ減衰したかを表す量で、値が大きいほど音を通しにくく遮音性能が高い。値が大きいほど遮音性能が低いという記述は大小関係が逆で正しくない。

  44. 問44.VDT作業における輝度対比の管理として、最も適切なものはどれか。

    • ア.画面・書類・周辺の輝度対比を小さく保つ
    • イ.画面を周辺より極端に明るくする
    • ウ.対比を最大化して見やすくする
    • エ.周辺照度を0にする

    正解:ア.画面・書類・周辺の輝度対比を小さく保つ

    解説:VDT作業では画面・書類・周辺の輝度対比をなるべく小さく抑えることが眼精疲労の予防に望ましい。過大な対比や極端な明暗差はかえって目の負担を増すため避けるべきであり、対比の最大化は不適切である。

  45. 問45.ヒトの体温調節中枢は視床下部に存在し、設定された温度に向けて産熱と放熱のバランスを制御している。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。体温調節中枢は間脳の視床下部にあり、皮膚や深部の温度受容器からの情報をもとにセットポイントへ向けて、皮膚血管の収縮拡張・発汗・ふるえなどを駆使して産熱と放熱を釣り合わせる恒常性機構である。

  46. 問46.ヒトの概日リズムを覚醒方向へ最も強く同調させる刺激はどれか。

    • ア.就寝直前の強い光
    • イ.朝の強い高色温度の光
    • ウ.低色温度の弱い光
    • エ.暗所での安静

    正解:イ.朝の強い高色温度の光

    解説:概日リズムは約24時間周期で光により同調し、朝の強い高色温度(青色寄り)の光はメラトニン分泌を抑えて覚醒と同調を促す。就寝直前の強い光は睡眠相を後退させるため、覚醒方向への望ましい刺激ではない。

  47. 問47.スクリーニング検査の特異度が高いほど、健康な者を誤って陽性と判定する偽陽性が増える。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。特異度は疾病のない者を正しく陰性と判定する割合であり、特異度が高いほど偽陽性はむしろ減る。特異度が高いほど偽陽性が増えるという記述は特異度の意味と逆であり正しくない。

  48. 問48.レジオネラ症の主たる感染経路として正しいものはどれか。

    • ア.汚染食品の経口摂取
    • イ.蚊による媒介
    • ウ.汚染水のエアロゾル吸入
    • エ.性的接触

    正解:ウ.汚染水のエアロゾル吸入

    解説:レジオネラ属菌は冷却塔水や循環式浴槽等で増殖し、発生したエアロゾルの吸入により肺炎を起こす。通常はヒトからヒトへは感染せず、経口摂取や蚊による媒介、性的接触では感染しない点が特徴である。

  49. 問49.シックビル症候群は、原因物質や機序が必ずしも特定されないまま、在室者に頭痛や粘膜刺激等の症状が現れることがある。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。シックビル症候群は特定の単一原因に帰せないことが多く、化学物質・換気不良・温熱や心理的要因等が複合して生じる。在室時に頭痛や目鼻喉の刺激・倦怠感等を呈し、退室で軽快する点が特徴である。

  50. 問50.給水栓における遊離残留塩素の保持基準として正しいものはどれか。

    • ア.0.01mg/L以上
    • イ.1.0mg/L以上
    • ウ.残留塩素は不要
    • エ.0.1mg/L以上

    正解:エ.0.1mg/L以上

    解説:水道法に基づき給水栓水の遊離残留塩素は0.1mg/L以上(結合残留塩素では0.4mg/L以上)の保持が求められる。これにより配管内での病原微生物の再増殖を抑え、水系感染を防止する役割を果たす。

  51. 問51.グレアとは視野内の過度な輝度や輝度対比によって生じる不快感や見えにくさのことをいう。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。グレアはまぶしさによる不快感(不快グレア)や対象が見えにくくなる現象(減能グレア)を指す。光源の高輝度・大きな輝度対比・光沢面での反射などが原因となり、作業効率の低下や眼精疲労を招く。

  52. 問52.大量発汗による脱水時に水分のみを補給した場合に起こりやすい病態はどれか。

    • ア.低ナトリウム血症
    • イ.高血糖
    • ウ.高カルシウム血症
    • エ.代謝性アルカローシス

    正解:ア.低ナトリウム血症

    解説:発汗では水とナトリウムがともに失われるため、水分のみを補給すると体液が希釈されて低ナトリウム血症となり、けいれん等を招くことがある。電解質を含む経口補水液などでの補給が推奨される。

  53. 問53.放射・対流・伝導による放熱は周囲温度が皮膚温に近づくと減少し、高温環境では蒸発(発汗)が主たる放熱手段となる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。気温が皮膚温に近づくと温度差による顕熱放熱(放射・対流・伝導)はほとんど効かなくなり、高温下では汗が蒸発するときの潜熱放熱が体温維持の主役となる。湿度が高いと蒸発が妨げられ放熱効率が低下する。

  54. 問54.慢性カドミウム中毒に起因する公害病として正しいものはどれか。

    • ア.水俣病
    • イ.イタイイタイ病
    • ウ.アスベスト肺
    • エ.四日市ぜんそく

    正解:イ.イタイイタイ病

    解説:カドミウムの慢性経口曝露はイタイイタイ病の原因で、腎尿細管障害と骨軟化症による激痛や骨折を特徴とする。水俣病は有機水銀、四日市ぜんそくは大気汚染、アスベスト肺は石綿が原因であり原因物質が異なる。

  55. 問55.感染症法において、エボラ出血熱やペストは三類感染症に分類される。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。エボラ出血熱やペストは最も危険性が高い一類感染症に分類される。三類感染症はコレラ・細菌性赤痢・腸管出血性大腸菌感染症等が該当し、これらを三類とする記述は分類が誤っており正しくない。

  56. 問56.電離放射線の人体影響のうち、しきい値がなく被曝量に応じて発生確率が増す影響はどれか。

    • ア.急性放射線症
    • イ.確定的影響
    • ウ.確率的影響
    • エ.非確率的影響

    正解:ウ.確率的影響

    解説:確率的影響(発がん・遺伝的影響)はしきい値がなく被曝量とともに発生確率が増す影響である。確定的影響はしきい値があり、それを超えると線量に応じて重篤度が増す影響であり、両者の性質の違いを区別する必要がある。

  57. 問57.電離放射線の人体影響のうち、しきい値がなく被曝量に応じて発生確率が増す影響を確定的影響という。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。しきい値がなく被曝量とともに発生確率が増すのは確率的影響(発がん・遺伝的影響)である。確定的影響はしきい値があり、それを超えると線量に応じて重篤度が増す影響を指す。記述は名称が逆で正しくない。

  58. 問58.紫外線のうち、表皮でのビタミンD生成に関与する一方、日焼けや皮膚がんの原因ともなる波長域はどれか。

    • ア.UV-A
    • イ.可視光
    • ウ.UV-C
    • エ.UV-B

    正解:エ.UV-B

    解説:UV-B(280〜315nm)は表皮でビタミンD合成を促す一方、DNA損傷を介して日焼け(紅斑)や皮膚がんのリスクを高める。UV-Aはより深部に届き光老化に関与し、UV-Cは大気で吸収され地表にほとんど届かない。

  59. 問59.アスベスト(石綿)の吸入による健康影響は曝露後すぐに現れ、潜伏期間は数日程度と短い。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。石綿関連疾患である中皮腫や肺がんは潜伏期間が極めて長く、中皮腫では曝露から20〜50年を経て発症することが特徴である。曝露後すぐに数日で現れるという記述は正しくない。

  60. 問60.微生物処理の用語に関する記述として正しいものはどれか。

    • ア.滅菌は芽胞を含むすべての微生物を死滅・除去する
    • イ.滅菌より消毒の方が厳格である
    • ウ.消毒は芽胞を含むすべての微生物を死滅させる
    • エ.殺菌は芽胞を必ず死滅させる

    正解:ア.滅菌は芽胞を含むすべての微生物を死滅・除去する

    解説:滅菌は芽胞を含むすべての微生物を完全に死滅・除去する最も厳格な処理である。消毒は病原性微生物を害のない程度に減らす処理で芽胞まで保証せず、滅菌より緩やかである。消毒が滅菌より厳格とする記述は誤りである。

  61. 問61.WBGTの算定において、屋外で日射がある場合は黒球温度が一切考慮されない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。屋外で日射がある場合のWBGTは、自然湿球温度・黒球温度・乾球温度の三要素から算定され、黒球温度を含めて輻射熱を評価する。黒球温度が一切考慮されないという記述は正しくない。

  62. 問62.感染症法における結核の分類として正しいものはどれか。

    • ア.一類感染症
    • イ.二類感染症
    • ウ.五類感染症
    • エ.三類感染症

    正解:イ.二類感染症

    解説:結核は飛沫核(空気)感染する疾患で、感染症法では二類感染症に分類され、就業制限や入院勧告等の措置の対象となる。一類はエボラ出血熱等の最重症が該当し、結核を一類や三類とするのは誤りである。

  63. 問63.WBGTは値が大きいほど暑熱負荷が大きいことを示し、運動や作業の中止基準として用いられる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。WBGT(湿球黒球温度)は気温・湿度・輻射・気流を総合した暑熱指標で、値が大きいほど熱中症の危険が高い。数値に応じて運動や作業を制限・中止する基準が設けられ、現場の熱中症予防に活用される。

  64. 問64.ノロウイルスの消毒に関する記述として、誤っているものはどれか。

    • ア.次亜塩素酸ナトリウムが有効である
    • イ.流水と石けんによる手洗いが重要である
    • ウ.手指のアルコール消毒のみで確実に不活化できる
    • エ.85〜90℃で90秒以上の加熱が有効である

    正解:ウ.手指のアルコール消毒のみで確実に不活化できる

    解説:誤り。ノロウイルスはエンベロープを持たずアルコール抵抗性が高いため、アルコール消毒のみでは確実に不活化できない。次亜塩素酸ナトリウムや十分な加熱、流水と石けんによる手洗いが有効な対策である。

  65. 問65.不快指数DIは気温と湿度から算出される指標で、湿度が高いほど同じ気温でも値が大きくなる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。不快指数は乾球温度と湿度(湿球温度や相対湿度)から計算され、湿度が高いほど汗の蒸発放熱が妨げられて蒸し暑く感じるため値が大きくなる。輻射熱や気流は考慮しない簡便な体感指標である。

  66. 問66.標準予防策(スタンダードプリコーション)の考え方として正しいものはどれか。

    • ア.防護具は使用しない
    • イ.感染症と診断された患者にのみ適用する
    • ウ.手指衛生は不要である
    • エ.感染症の有無を問わず全患者の血液・体液を感染性とみなす

    正解:エ.感染症の有無を問わず全患者の血液・体液を感染性とみなす

    解説:標準予防策は患者の感染症診断の有無を問わず、すべての血液・体液・分泌物等を感染源とみなして手指衛生や個人防護具で対応する院内感染対策の基本である。診断済みの患者にのみ適用するという記述は誤りである。

  67. 問67.音圧レベルが10dB増加すると音圧(音の物理量)はおおむね約3.16倍になる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。音圧レベルは20×log(音圧比)で定義されるため、10dBの増加は音圧比10の0.5乗で約3.16倍に相当する。なお音の強さ(パワー)でみると10dB増は10倍となる点を混同しないよう注意する。

  68. 問68.感染性廃棄物の取扱いとして正しいものはどれか。

    • ア.バイオハザードマーク付き専用容器で分別保管する
    • イ.破砕後に水で希釈して下水へ流す
    • ウ.常温で長期間屋外保管する
    • エ.一般ごみと混合して廃棄する

    正解:ア.バイオハザードマーク付き専用容器で分別保管する

    解説:感染性廃棄物は性状に応じた色のバイオハザードマーク付き専用容器に分別密閉し、特別管理廃棄物として適正に保管・委託処理する。一般ごみとの混合や下水への放流、長期間の屋外放置はいずれも不適切である。

  69. 問69.残響時間は室内で音源を止めてから音圧レベルが60dB減衰するまでの時間で、室容積に比例し吸音力に反比例する。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。残響時間はセービンの式T=0.161V/Aで表され、室容積Vに比例し総吸音力Aに反比例する。音源停止後に60dB減衰するまでの時間として定義され、室の音響設計や聞き取りやすさの基本指標となる。

  70. 問70.ネズミによる衛生上の被害として、誤っているものはどれか。

    • ア.ノミやダニを介した病原体媒介
    • イ.紫外線による室内殺菌作用
    • ウ.食品の食害や汚染
    • エ.かじりによる配線損傷

    正解:イ.紫外線による室内殺菌作用

    解説:誤り。ネズミは食害・汚染、外部寄生虫を介した病原体媒介、かじりによる配線損傷など衛生害獣としての被害をもたらす。紫外線による室内殺菌作用などの有益な作用はなく、これを被害として挙げるのは不適切である。

  71. 問71.照度の単位はルクス(lx)であり、単位面積当たりに入射する光束(ルーメン)で定義される。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。照度は受照面の明るさを表す量で、1lxは1m2当たり1lmの光束が入射する状態と定義される。光源の全光束はlm、光度はcd、輝度はcd/m2で表され、これらを区別して用いることが照明設計の基本である。

  72. 問72.疫学指標に関する記述として正しいものはどれか。

    • ア.罹患率は一時点での保有割合を表す
    • イ.有病率と罹患率は常に一致する
    • ウ.有病率は一時点での疾病保有割合を表す
    • エ.罹患率は横断的指標である

    正解:ウ.有病率は一時点での疾病保有割合を表す

    解説:有病率はある一時点で疾病を有する者の割合(横断的・静的指標)、罹患率は一定期間の新規発生割合(縦断的・動的指標)である。慢性疾患では両者は一致しないことが多く、罹患率を横断的指標とする記述は誤りである。

  73. 問73.発熱時は体温調節のセットポイント自体が上昇するため、悪寒やふるえによって体温を高める反応が起こる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。発熱は発熱物質によりセットポイントが上方移動した状態で、実際の体温がそれより低い間は寒けやふるえ・血管収縮で産熱を高め、体温をセットポイントまで上昇させる生体反応として説明される。

  74. 問74.相対危険度(リスク比)が1より大きいことが示す意味として正しいものはどれか。

    • ア.検査の感度が高い
    • イ.曝露が予防因子である
    • ウ.曝露と疾病に関連がない
    • エ.曝露が危険因子である可能性を示す

    正解:エ.曝露が危険因子である可能性を示す

    解説:相対危険度は曝露群と非曝露群の罹患率の比で、1を超えると曝露が危険因子である可能性、1未満は予防因子、1は関連なしを示す。コホート研究で算定する関連の強さの指標であり、検査の感度とは無関係である。

  75. 問75.着衣量を表すクロ値(clo)は、値が大きいほど断熱性が高く、放熱を妨げる衣服であることを示す。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。クロ値は着衣の熱抵抗を表す単位で1cloは約0.155m2K/Wに相当する。値が大きいほど断熱性が高く放熱を妨げるため、PMV算定では着衣量として温冷感に影響し、冬季の厚着ほど高い値になる。