数検準1級(実用数学技能検定 準1級)「行列・一次変換」の一問一答
📖 数検準1級(実用数学技能検定 準1級)「行列・一次変換」の全45問と解説(一覧)
数検準1級(実用数学技能検定 準1級)の行列・一次変換に関する一問一答(全45問)の正解と解説の一覧です。上の一問一答で実際に解いてから、ここで復習・確認できます。
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問1.2次の正方行列 A、B について、一般に AB と BA は等しいとは限らない。
正解:○(正しい)
解説:行列の積は交換法則が成り立たない。例えば A=[[1,1],[0,1]]、B=[[1,0],[1,1]] とすると AB=[[2,1],[1,1]]、BA=[[1,1],[1,2]] で一致しない。積の順序を入れ替えられるのは一方が単位行列や零行列の場合など特別なときだけである。
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問2.行列の積では、結合法則 (AB)C = A(BC) は成り立たない。
正解:×(誤り)
解説:行列の積で成り立たないのは交換法則 AB = BA であって、結合法則は成り立つ。分配法則も成り立つ。したがって A^n のような累乗は括弧の付け方によらず一意に定まる。
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問3.2次の正方行列 A=[[a,b],[c,d]] が逆行列をもつための必要十分条件は ad-bc = 0 である。
正解:×(誤り)
解説:正しくは ad-bc ≠ 0 である。ad-bc を行列式 det A(|A|)といい、これが 0 でないときに限り逆行列が存在する。0 のとき A は正則でない(特異である)という。
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問4.A=[[a,b],[c,d]] かつ ad-bc ≠ 0 のとき、A の逆行列は 1/(ad-bc)·[[d,-b],[-c,a]] である。
正解:○(正しい)
解説:2次の逆行列は「対角成分を入れ替え、非対角成分の符号を変えて、行列式で割る」と覚える。実際 A·A^{-1} = 1/(ad-bc)·[[ad-bc,0],[0,ad-bc]] = E となる。
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問5.零行列 O はどの正方行列 A に対しても AO = OA = A を満たす。
正解:×(誤り)
解説:AO = OA = O であって A にはならない。数の 1 にあたる働きをするのは単位行列 E で、AE = EA = A を満たす。零行列は数の 0 にあたる。
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問6.AB = O(零行列)ならば、A = O または B = O である。
正解:×(誤り)
解説:行列には零因子が存在する。A=[[1,0],[0,0]]、B=[[0,0],[0,1]] はどちらも零行列でないが AB=O となる。数の世界の「積が 0 なら一方は 0」は行列では成り立たない。
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問7.2次の正方行列 A について、ケーリー・ハミルトンの定理は A^2 -(a+d)A +(ad-bc)E = O と表される。
正解:○(正しい)
解説:A=[[a,b],[c,d]] のとき成り立つ。a+d を跡(トレース)、ad-bc を行列式という。この式を使うと A^2 を A と E の1次式に落とせるので、A^n の計算や逆行列の導出が簡単になる。
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問8.行列式について |AB| = |A||B| が成り立つ。
正解:○(正しい)
解説:行列式は積を保つ。この性質から、A が正則なら |A^{-1}| = 1/|A| であること、また |A||B| ≠ 0 でなければ AB は正則でないことが分かる。
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問9.原点のまわりに角 θ だけ回転する一次変換の表現行列は [[cosθ, sinθ],[-sinθ, cosθ]] である。
正解:×(誤り)
解説:正しくは [[cosθ, -sinθ],[sinθ, cosθ]] である。点 (1,0) が (cosθ, sinθ) に移ることを確かめれば符号の位置が決まる。設問の行列は -θ の回転(時計回り)を表す。
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問10.x軸に関する対称移動を表す一次変換の行列は [[1,0],[0,-1]] である。
正解:○(正しい)
解説:(x,y) が (x,-y) に移るので、第1列は (1,0)、第2列は (0,-1) となる。同様に y軸対称は [[-1,0],[0,1]]、原点対称は [[-1,0],[0,-1]]、直線 y=x に関する対称は [[0,1],[1,0]] である。
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問11.一次変換 f、g の合成変換 g∘f を表す行列は、f の行列を A、g の行列を B とすると AB である。
正解:×(誤り)
解説:正しくは BA である。合成 g∘f は「先に f、後から g」を施すので、点 x に対し g(f(x)) = B(Ax) = (BA)x となる。行列の積は交換できないので、順序を取り違えると別の変換になる。
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問12.平行移動は一次変換の一種である。
正解:×(誤り)
解説:一次変換は x' = Ax の形で表されるので、必ず原点を原点に移す。平行移動は原点が動いてしまうため一次変換ではない(平行移動を含めたものはアフィン変換という)。
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問13.行列 A の表す一次変換によって、面積 S の図形は面積 (det A)^2·S の図形に移る。
正解:×(誤り)
解説:正しくは |det A|·S である。行列式の絶対値が面積の拡大率を表し、det A が負のときは向きが反転する。det A = 0 なら図形はつぶれて面積 0 になる。
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問14.det A = 0 である行列 A の表す一次変換は、平面全体を原点を通る直線または原点に移す。
正解:○(正しい)
解説:det A = 0 のとき A は正則でなく、像は 2 次元にならない。A が零行列なら像は原点だけ、そうでなければ像は原点を通る 1 本の直線になる。このとき逆変換は存在しない。
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問15.一次変換 f の表現行列 A が正則であれば、f の逆変換の表現行列は A^{-1} である。
正解:○(正しい)
解説:x' = Ax の両辺に左から A^{-1} を掛ければ x = A^{-1}x' となる。det A = 0 のときは逆行列が無く、異なる点が同じ点に移るため逆変換も存在しない。
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問16.2次の正方行列 A、B について、(A+B)^2 = A^2 + AB + BA + B^2 が成り立つ。
正解:○(正しい)
解説:正しい。行列の積には分配法則が成り立つので、(A+B)^2 = (A+B)(A+B) = A(A+B) + B(A+B) = A^2 + AB + BA + B^2 となる。ただし一般に AB と BA は等しくないので、数の式のように AB + BA を 2AB とまとめることはできない。(A+B)^2 = A^2 + 2AB + B^2 が成り立つのは、AB = BA のときに限られる。
根拠: 日本数学検定協会「数学検定準1級」検定の内容 高校3年程度の検定の内容に「行列の演算と一次変換」。答えは展開の計算で検算((A+B)(A+B) を分配法則で4項に分ける)
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問17.2次の正方行列 A、B がともに逆行列をもつとき、A+B も必ず逆行列をもつ。
正解:×(誤り)
解説:誤り。反例は A = E(単位行列)、B = -E である。A、B はどちらも行列式が 1 なので逆行列をもつが、A+B = O(零行列)は行列式が 0 なので逆行列をもたない。なお、積については det(AB) = det A・det B より、A、B がともに逆行列をもてば AB も必ず逆行列をもつ((AB)^{-1} = B^{-1}A^{-1})。和と積で性質が違う点に注意する。
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問18.原点のまわりに角 θ だけ回転する一次変換を表す行列を R(θ) とすると、R(θ)R(φ) = R(θ−φ) が成り立つ。
正解:×(誤り)
解説:誤り。R(θ)R(φ) は「φ だけ回転したあと、さらに θ だけ回転する」合成変換を表すので、回転角は足し合わされ R(θ)R(φ) = R(θ+φ) となる。R(θ) = [[cosθ, -sinθ],[sinθ, cosθ]] として積を計算すると、(1,1) 成分は cosθcosφ - sinθsinφ = cos(θ+φ)、(2,1) 成分は sinθcosφ + cosθsinφ = sin(θ+φ) となり、加法定理と一致する。R(θ−φ) になるのは R(θ) と R(φ) の逆行列 R(−φ) の積のときである。
根拠: 日本数学検定協会「数学検定準1級」検定の内容 高校3年程度の検定の内容に「行列の演算と一次変換」。答えは計算で検算(R(θ)R(φ) の各成分を加法定理で整理すると R(θ+φ) の成分に一致)
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問19.行列 A の n 乗 A^n を求めるとき、ケーリー・ハミルトンの定理を用いて次数を下げる方法が使える。
正解:○(正しい)
解説:A^2 = (a+d)A -(ad-bc)E と書き直せるので、x^n を x^2-(a+d)x+(ad-bc) で割った余り px+q を使って A^n = pA + qE と求められる。対角化や漸化式を使う方法もある。
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問20.対角行列 D=[[p,0],[0,q]] の n 乗は [[np,0],[0,nq]] である。
正解:×(誤り)
解説:正しくは [[p^n,0],[0,q^n]] である。対角行列どうしの積は対角成分の積になるので、累乗は各対角成分の累乗になる(n 倍ではない)。対角化 P^{-1}AP = D ができれば A^n = PD^nP^{-1} で求められる。
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問21.連立一次方程式 ax+by=p、cx+dy=q は、A=[[a,b],[c,d]] が正則なら解がただ1つに定まる。
正解:○(正しい)
解説:行列の形で A[x,y]^T = [p,q]^T と書けるので、A^{-1} が存在すれば [x,y]^T = A^{-1}[p,q]^T と一意に定まる。det A = 0 のときは解なしか無数の解のいずれかになる。
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問22.行列 A が A^2 = E を満たすとき、A は必ず単位行列 E である。
正解:×(誤り)
解説:A = -E も A^2 = E を満たす。さらに [[1,0],[0,-1]](x軸対称)や [[0,1],[1,0]](直線 y=x に関する対称)も A^2 = E を満たす。対称移動は2回行うと元に戻るからである。
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問23.一次変換によって、原点を通る直線は原点を通る直線または原点に移る。
正解:○(正しい)
解説:原点を通る直線は t·v(t は実数)と表せ、その像は t·(Av) となる。Av ≠ 0 なら原点を通る直線、Av = 0 なら原点そのものに移る。曲線に移ることはない。
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問24.行列 A の転置行列 tA について、t(AB) = tA·tB が成り立つ。
正解:×(誤り)
解説:正しくは t(AB) = tB·tA で、順序が入れ替わる。逆行列でも同様に (AB)^{-1} = B^{-1}A^{-1} となる。積の順序が反転する点が要注意である。
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問25.2次の正方行列 A が A の表す一次変換で自分自身に移る点(不動点)をもつとき、原点は必ずその1つである。
正解:○(正しい)
解説:一次変換は原点を原点に移すので、原点は常に不動点である。原点以外の不動点をもつのは Ax = x すなわち (A-E)x = 0 が自明でない解をもつとき、つまり det(A-E) = 0 のときで、これは 1 が固有値であることを意味する。
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問26.A=[[2,1],[3,2]] の逆行列として正しいものはどれか。
- ア.[[2,-1],[-3,2]]
- イ.[[2,1],[3,2]]
- ウ.[[-2,1],[3,-2]]
- エ.[[2,3],[1,2]]
正解:ア.[[2,-1],[-3,2]]
解説:ad-bc = 2·2-1·3 = 1 なので、逆行列は 1/1·[[d,-b],[-c,a]] = [[2,-1],[-3,2]]。実際に積をとると [[2,1],[3,2]]·[[2,-1],[-3,2]] = [[1,0],[0,1]] = E となり確かめられる。
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問27.A=[[1,2],[3,4]] の行列式 det A の値はどれか。
- ア.-2
- イ.10
- ウ.2
- エ.-10
正解:ア.-2
解説:det A = ad-bc = 1·4-2·3 = 4-6 = -2。値が 0 でないので A は正則であり、逆行列をもつ。なお |det A| = 2 はこの一次変換による面積の拡大率を表す。
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問28.原点のまわりに 90° 回転する一次変換の表現行列はどれか。
- ア.[[0,-1],[1,0]]
- イ.[[0,1],[-1,0]]
- ウ.[[1,0],[0,-1]]
- エ.[[-1,0],[0,-1]]
正解:ア.[[0,-1],[1,0]]
解説:回転行列 [[cosθ,-sinθ],[sinθ,cosθ]] に θ=90° を入れると [[0,-1],[1,0]]。点 (1,0) が (0,1) に移ることからも確かめられる。選択肢の [[0,1],[-1,0]] は -90°(時計回り)の回転である。
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問29.A=[[3,1],[0,3]] のとき、A^2 として正しいものはどれか。
- ア.[[9,6],[0,9]]
- イ.[[9,1],[0,9]]
- ウ.[[6,2],[0,6]]
- エ.[[9,3],[0,9]]
正解:ア.[[9,6],[0,9]]
解説:A^2 = [[3·3+1·0, 3·1+1·3],[0·3+3·0, 0·1+3·3]] = [[9,6],[0,9]]。一般に [[a,1],[0,a]]^n = [[a^n, n·a^{n-1}],[0,a^n]] となる。
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問30.A=[[1,2],[3,4]]、B=[[0,1],[1,0]] のとき、積 AB はどれか。
- ア.[[2,1],[4,3]]
- イ.[[3,4],[1,2]]
- ウ.[[0,2],[3,0]]
- エ.[[1,3],[2,4]]
正解:ア.[[2,1],[4,3]]
解説:AB の (i,j) 成分は「A の第 i 行」と「B の第 j 列」の成分どうしの積の和である。(1,1) 成分は 1·0+2·1 = 2、(1,2) 成分は 1·1+2·0 = 1、(2,1) 成分は 3·0+4·1 = 4、(2,2) 成分は 3·1+4·0 = 3 なので AB = [[2,1],[4,3]]。B を右から掛けると A の列が入れ替わる。選択肢の [[3,4],[1,2]] は BA(A の行が入れ替わる)、[[0,2],[3,0]] は成分どうしを掛けただけのもの、[[1,3],[2,4]] は A の転置行列で、どれも AB ではない。
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問31.一次変換 f が行列 A=[[2,0],[0,3]] で表されるとき、面積 6 の図形は面積いくつの図形に移るか。
- ア.6
- イ.36
- ウ.30
- エ.15
正解:イ.36
解説:面積は |det A| 倍になる。det A = 2·3-0·0 = 6 なので、6×6 = 36。x方向に2倍、y方向に3倍に引き伸ばす変換なので面積が6倍になる、と考えても同じである。
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問32.連立方程式 2x+3y=8、x+2y=5 を行列を用いて解いたときの (x,y) はどれか。
- ア.(2,1)
- イ.(1,2)
- ウ.(4,0)
- エ.(3,1)
正解:イ.(1,2)
解説:係数行列 A=[[2,3],[1,2]] は det A = 4-3 = 1 で正則。A^{-1} = [[2,-3],[-1,2]] なので [x,y]^T = [[2,-3],[-1,2]]·[8,5]^T = [16-15, -8+10]^T = [1,2]^T。もとの式に代入すると 2+6=8、1+4=5 で成り立つ。
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問33.A=[[1,1],[0,1]] の表す一次変換の説明として正しいものはどれか。
- ア.原点のまわりの45°回転
- イ.y座標に比例してx方向にずらすせん断変換
- ウ.x軸に関する対称移動
- エ.全体を2倍に拡大する変換
正解:イ.y座標に比例してx方向にずらすせん断変換
解説:(x,y) は (x+y, y) に移るので、y の値に比例して x 方向にずれる。これをせん断(シアー)という。det A = 1 なので面積は変わらず、x軸上の点 (x,0) は動かない。
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問34.A^2 = A を満たす 2次の正方行列 A(A ≠ O、A ≠ E)の表す一次変換の説明として適切なものはどれか。
- ア.原点のまわりの回転である
- イ.ある直線への射影である
- ウ.全体を拡大する変換である
- エ.逆変換をもつ変換である
正解:イ.ある直線への射影である
解説:A^2 = A は「2回行っても結果が変わらない」ことを意味し、射影の性質である。例えば A=[[1,0],[0,0]] は x軸への正射影で、A^2 = A を満たす。det A = 0 なので逆変換はもたない。
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問35.行列 A=[[a,b],[c,d]] について、(AB)^{-1} を A、B の逆行列で表したものとして正しいものはどれか(A、B はともに正則)。
- ア.A^{-1}B^{-1}
- イ.B^{-1}A^{-1}
- ウ.(A^{-1})(B^{-1})の和
- エ.AB の行列式の逆数
正解:イ.B^{-1}A^{-1}
解説:(AB)(B^{-1}A^{-1}) = A(BB^{-1})A^{-1} = AEA^{-1} = E となるので (AB)^{-1} = B^{-1}A^{-1}。積の逆をとると順序が反転する点が要注意である。
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問36.直線 y = x に関する対称移動を表す行列はどれか。
- ア.[[0,-1],[-1,0]]
- イ.[[1,0],[0,-1]]
- ウ.[[0,1],[1,0]]
- エ.[[-1,0],[0,1]]
正解:ウ.[[0,1],[1,0]]
解説:(x,y) が (y,x) に移るので [[0,1],[1,0]]。det = -1 で向きが反転し、2回行うと E に戻る(A^2 = E)。なお [[0,-1],[-1,0]] は直線 y = -x に関する対称移動である。
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問37.A=[[2,0],[0,2]] と任意の 2次正方行列 B について、AB と BA の関係として正しいものはどれか。
- ア.常に AB ≠ BA
- イ.B が正則なときだけ AB = BA
- ウ.AB = BA が常に成り立つ
- エ.det B > 0 のときだけ AB = BA
正解:ウ.AB = BA が常に成り立つ
解説:A = 2E はスカラー行列なので AB = 2B = BA となり、どんな B とも交換できる。一般の行列では交換法則が成り立たないが、単位行列の実数倍だけは例外である。
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問38.一次変換 f によって点 (1,0) が点 (2,1) に、点 (0,1) が点 (-1,3) に移るとき、f を表す行列はどれか。
- ア.[[2,-1],[1,3]]
- イ.[[2,1],[-1,3]]
- ウ.[[1,2],[3,-1]]
- エ.[[-1,2],[3,1]]
正解:ア.[[2,-1],[1,3]]
解説:一次変換を表す行列 A = [[a,b],[c,d]] で点 (1,0) を移すと (a,c)、点 (0,1) を移すと (b,d) になる。つまり A の第1列は (1,0) の像、第2列は (0,1) の像である。よって第1列が (2,1)、第2列が (-1,3) の A = [[2,-1],[1,3]] が正しい。[[2,1],[-1,3]] は像を行として並べてしまったもので、これだと (1,0) は (2,-1) に移る。残りの2つも (1,0) の像が (1,3)、(-1,3) となり条件に合わない。
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問39.ケーリー・ハミルトンの定理を用いて A=[[1,2],[3,4]] の A^2 を A と E の式で表したものはどれか。
- ア.A^2 = 4A + 2E
- イ.A^2 = 5A - 2E
- ウ.A^2 = 5A + 2E
- エ.A^2 = -5A + 2E
正解:ウ.A^2 = 5A + 2E
解説:跡は 1+4 = 5、行列式は 1·4-2·3 = -2 なので A^2 -5A +(-2)E = O、すなわち A^2 = 5A + 2E。実際 A^2 = [[7,10],[15,22]]、5A+2E = [[7,10],[15,22]] で一致する。
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問40.点 (1,2) を、原点のまわりに 180° 回転する一次変換で移した点はどれか。
- ア.(2,1)
- イ.(-2,-1)
- ウ.(-1,-2)
- エ.(1,-2)
正解:ウ.(-1,-2)
解説:180° 回転の行列は [[-1,0],[0,-1]] = -E なので、点は原点対称に移り (-1,-2) となる。θ=180° を回転行列に代入しても cos180°=-1、sin180°=0 から同じ結果が得られる。
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問41.行列 A の表す一次変換で、平面上のすべての点が1本の直線上に移るのはどのようなときか。
- ア.A の固有値がすべて正のとき
- イ.A が正則のとき
- ウ.A の跡が0のとき
- エ.A が零行列でなく det A = 0 のとき
正解:エ.A が零行列でなく det A = 0 のとき
解説:det A = 0 のとき像は 2次元にならない。A が零行列なら像は原点1点だけになるので、直線に移るのは「零行列でなく det A = 0」のときである。
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問42.A=[[0,-1],[1,0]] について、A^4 の値はどれか。
- ア.-E
- イ.O
- ウ.A
- エ.E
正解:エ.E
解説:A は 90° 回転を表すので、4回繰り返すと 360° 回転となり元に戻る。よって A^4 = E。計算でも A^2 = -E、A^4 = (-E)^2 = E と確かめられる。
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問43.A=[[1,2],[0,1]] のとき、自然数 n に対する A^n として正しいものはどれか。
- ア.[[1,2n],[0,1]]
- イ.[[1,2^n],[0,1]]
- ウ.[[1,2n],[0,n]]
- エ.[[n,2n],[0,n]]
正解:ア.[[1,2n],[0,1]]
解説:A^2 = [[1,4],[0,1]]、A^3 = A^2·A = [[1,6],[0,1]] と計算すると、(1,2) 成分が 2 ずつ増えると予想できる。A^k = [[1,2k],[0,1]] と仮定すると A^{k+1} = A^k·A = [[1,2k+2],[0,1]] となるので、数学的帰納法により A^n = [[1,2n],[0,1]]。A はx方向へのせん断(y座標の2倍だけずらす)を表し、n 回繰り返すとずれは 2n 倍になる。[[1,2^n],[0,1]] は n=2 で (1,2) 成分が 4 になり合うが、n=3 で 8 となり A^3 の 6 と合わない。[[1,2n],[0,n]]、[[n,2n],[0,n]] は対角成分が 1 のままにならないので誤り。
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問44.一次変換 f を表す行列が A、g を表す行列が B のとき、「まず f を施し、次に g を施す」合成変換を表す行列はどれか。
- ア.AB
- イ.AB と BA のどちらでもよい
- ウ.A+B
- エ.BA
正解:エ.BA
解説:g(f(x)) = B(Ax) = (BA)x なので BA。行列の積は交換できないため、AB と BA は一般に別の変換になる。合成の順序と積の順序が逆になる点が要注意である。
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問45.行列 A=[[5,0],[0,5]] の表す一次変換によって、原点を中心とする半径1の円が移る図形はどれか。
- ア.半径1の円のまま
- イ.半径25の円
- ウ.長軸5・短軸1の楕円
- エ.半径5の円
正解:エ.半径5の円
解説:A = 5E なのですべての点が原点から5倍の距離に移る相似拡大であり、円は半径5の円になる。面積は |det A| = 25 倍になるが、半径は5倍である点を混同しないこと。