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メンタルヘルス・マネジメント検定II種 全分野の一問一答

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📖 メンタルヘルス・マネジメント検定II種「全分野」の全375問と解説(一覧)

メンタルヘルス・マネジメント検定II種の全分野に関する一問一答(全375問)の正解と解説の一覧です。上の一問一答で実際に解いてから、ここで復習・確認できます。

  1. 問1.厚生労働省の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」が示す職場復帰支援の流れは、いくつのステップで構成されているか。

    • ア.3ステップ
    • イ.5ステップ
    • ウ.4ステップ
    • エ.6ステップ

    正解:イ.5ステップ

    解説:手引きでは職場復帰支援を第1〜第5ステップの5段階で示している。各ステップの趣旨を理解することがII種では重要である。

  2. 問2.「職場復帰支援の手引き」の第1ステップに該当するものはどれか。

    • ア.主治医による職場復帰可能の判断
    • イ.最終的な職場復帰の決定
    • ウ.病気休業開始および休業中のケア
    • エ.職場復帰後のフォローアップ

    正解:ウ.病気休業開始および休業中のケア

    解説:第1ステップは「病気休業開始および休業中のケア」であり、休業開始時の安心感の提供や休業中の連絡などが含まれる。

  3. 問3.「職場復帰支援の手引き」の第2ステップの内容として正しいものはどれか。

    • ア.病気休業開始および休業中のケア
    • イ.主治医による職場復帰可能の判断
    • ウ.職場復帰支援プランの作成
    • エ.職場復帰後のフォローアップ

    正解:イ.主治医による職場復帰可能の判断

    解説:第2ステップは「主治医による職場復帰可能の判断」である。労働者が職場復帰の意思を示し、主治医による復帰可能の診断書が提出される段階を指す。

  4. 問4.「職場復帰支援の手引き」の第3ステップの内容として正しいものはどれか。

    • ア.事業者が職場復帰を最終的に決定する
    • イ.主治医が職場復帰可能と診断書で判断する
    • ウ.復帰の可否を判断し、具体的なプランを作る
    • エ.復帰後にプランの評価と見直しを行う

    正解:ウ.復帰の可否を判断し、具体的なプランを作る

    解説:手引きは職場復帰支援の流れを5つのステップに分けている。第3ステップでは、最終的な決定の前段階として、必要な情報を集めて評価したうえで職場復帰ができるかを判断し、具体的な職場復帰支援プランを作成する。主治医が診断書で職場復帰可能と判断するのは第2ステップ、事業者が最終的に職場復帰を決めるのは第4ステップ、復帰後に職場復帰支援プランの評価や見直しを行うのは第5ステップである。

    根拠: 厚生労働省・労働者健康安全機構「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」 PDF 3ページ 図2「職場復帰支援の流れ」、PDF 4ページ(第2・第3ステップ)、PDF 6ページ(第4ステップ=事業者による最終的な職場復帰の決定、第5ステップ=職場復帰支援プランの評価や見直し)

  5. 問5.「職場復帰支援の手引き」の第4ステップの内容として正しいものはどれか。

    • ア.最終的な職場復帰の決定
    • イ.病気休業開始および休業中のケア
    • ウ.職場復帰支援プランの作成
    • エ.主治医による職場復帰可能の判断

    正解:ア.最終的な職場復帰の決定

    解説:第4ステップは「最終的な職場復帰の決定」である。事業者が最終的に復帰を決定し、就業上の配慮等を労働者に通知する段階である。

  6. 問6.「職場復帰支援の手引き」の第5ステップの内容として正しいものはどれか。

    • ア.最終的な職場復帰の決定
    • イ.主治医による職場復帰可能の判断
    • ウ.職場復帰支援プランの作成
    • エ.職場復帰後のフォローアップ

    正解:エ.職場復帰後のフォローアップ

    解説:第5ステップは「職場復帰後のフォローアップ」である。復帰後も症状の再燃や勤務状況を確認し、プランの評価・見直しを行う。

  7. 問7.「職場復帰支援の手引き」の各ステップを正しい順序に並べたものはどれか。

    • ア.休業中ケア→主治医判断→復帰可否判断とプラン作成→復帰決定→フォローアップ
    • イ.復帰可否判断→主治医判断→休業中ケア→復帰決定→フォローアップ
    • ウ.主治医判断→休業中ケア→復帰決定→復帰可否判断→フォローアップ
    • エ.休業中ケア→復帰決定→主治医判断→復帰可否判断→フォローアップ

    正解:ア.休業中ケア→主治医判断→復帰可否判断とプラン作成→復帰決定→フォローアップ

    解説:正しい順序は、第1=休業開始・休業中のケア、第2=主治医による復帰可能の判断、第3=復帰可否の判断とプラン作成、第4=最終的な復帰の決定、第5=復帰後のフォローアップである。

  8. 問8.職場復帰支援の基本的な考え方として、最も適切なものはどれか。

    • ア.復帰の可否は管理監督者が単独で判断するのが基本である
    • イ.あらかじめ手順やルールを定め、組織的・計画的に行うことが基本である
    • ウ.復帰支援はその都度個別に対応すればよく、ルール化は不要である
    • エ.復帰支援は主治医にすべて任せるのが基本である

    正解:イ.あらかじめ手順やルールを定め、組織的・計画的に行うことが基本である

    解説:職場復帰支援は、休業から復帰までを一貫した流れとしてとらえ、事業者があらかじめ仕組みやルールを定めて組織的・計画的に行うことが基本である。

  9. 問9.主治医の診断書に基づく「職場復帰可能」の判断について、最も適切なものはどれか。

    • ア.主治医の復帰可能の診断書があれば、無条件にそのまま復帰させてよい
    • イ.主治医の診断書は参考程度で、まったく考慮しなくてよい
    • ウ.主治医の判断は日常生活レベルの回復を指すことがあり、業務遂行能力の回復とは限らない
    • エ.主治医の診断書があれば産業医の意見は不要である

    正解:ウ.主治医の判断は日常生活レベルの回復を指すことがあり、業務遂行能力の回復とは限らない

    解説:主治医の判断は日常生活が送れる程度の回復を意味することが多く、必ずしも職場で求められる業務遂行能力の回復を保証するものではない。職場の状況を踏まえた最終判断は事業者側で行う必要がある。

  10. 問10.職場復帰の可否を判断する際の産業医の役割として、最も適切なものはどれか。

    • ア.産業医は治療方針を決定する役割を担う
    • イ.産業医は復帰の最終決定者として配置転換を命じる
    • ウ.産業医は職場の状況を踏まえて医学的見地から復帰可否や配慮の意見を述べる
    • エ.産業医は労働者の私生活を管理する役割を担う

    正解:ウ.産業医は職場の状況を踏まえて医学的見地から復帰可否や配慮の意見を述べる

    解説:産業医は職場の業務内容や職場環境を把握したうえで、医学的見地から復帰可否や就業上の配慮について意見を述べる。職場の実情を踏まえた判断ができる点で重要な役割を担う。

  11. 問11.職場復帰支援の手引きが例示する試し出勤制度等のうち、「職場復帰前に、通常の勤務時間と同様の時間帯に、デイケア等で軽作業やグループミーティングを行ったり、図書館などで時間を過ごしたりするもの」はどれか。

    • ア.通勤訓練
    • イ.模擬出勤
    • ウ.試し出勤
    • エ.短時間勤務

    正解:イ.模擬出勤

    解説:手引きは試し出勤制度等の例として、①模擬出勤(通常の勤務時間帯にデイケア等で模擬的な軽作業やグループミーティング等を行ったり図書館などで時間を過ごしたりする)、②通勤訓練(自宅から職場の近くまで通常の出勤経路で移動し、一定時間を過ごして帰宅する)、③試し出勤(本来の職場などに試験的に一定期間継続して出勤する)を挙げている。

  12. 問12.職場復帰支援プランに含めるべき内容として、最も適切でないものはどれか。

    • ア.復帰後の勤務時間や業務内容の配慮
    • イ.職場復帰日の設定
    • ウ.管理監督者による業務上の配慮の内容
    • エ.主治医が処方する薬の種類や治療内容の決定

    正解:エ.主治医が処方する薬の種類や治療内容の決定

    解説:職場復帰支援プランには、復帰日、就業上の配慮(勤務時間・業務内容など)、フォローアップの方法などを盛り込む。治療内容や薬の処方を事業者が決めることはなく不適切である。

  13. 問13.段階的な職場復帰における業務負荷の調整について、最も適切なものはどれか。

    • ア.復帰初日から休業前と同じ業務量を課すのが望ましい
    • イ.業務負荷は本人の希望のみで決め、配慮は一切しない
    • ウ.軽減した業務から始め、段階的に通常業務へ戻していくのが望ましい
    • エ.復帰後しばらくは一切業務を与えず放置するのが望ましい

    正解:ウ.軽減した業務から始め、段階的に通常業務へ戻していくのが望ましい

    解説:復帰直後は心身の負担を抑えるため、軽減した業務から始め、状況を見ながら段階的に通常業務へ戻していくのが望ましい。いきなり元の業務量に戻すのは再発リスクを高める。

  14. 問14.厚生労働省の職場復帰支援の手引きが例示する「試し出勤制度等」のうち、「試し出勤」の説明として、最も適切なものはどれか。

    • ア.職場復帰前に、復帰の判断等を目的として、本来の職場などに一定期間継続して出勤する
    • イ.職場復帰前に、通常の勤務時間と同様の時間帯に、デイケア等で模擬的な軽作業などを行う
    • ウ.職場復帰前に、自宅から職場の近くまで通常の出勤経路で移動し、職場付近で過ごして帰宅する
    • エ.職場復帰後に、一定の期間に限って残業や深夜業務を禁止し、業務を軽減して勤務させる

    正解:ア.職場復帰前に、復帰の判断等を目的として、本来の職場などに一定期間継続して出勤する

    解説:手引きは、正式な職場復帰の決定の前に設ける試し出勤制度等として、①模擬出勤、②通勤訓練、③試し出勤を例示している。このうち試し出勤は、職場復帰前に、職場復帰の判断等を目的として、本来の職場などに試験的に一定期間継続して出勤するものである。デイケア等で模擬的な軽作業などを行うのは模擬出勤、通常の出勤経路で職場の近くまで移動して帰宅するのは通勤訓練で、手引きの規程例でも通勤訓練は試し出勤ではないとしている。残業・深夜業務の禁止は、職場復帰後の就業上の配慮の例である。

    根拠: 厚生労働省・労働者健康安全機構「改訂 心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」 p6(PDF 8枚目)「試し出勤制度」の例①模擬出勤②通勤訓練③試し出勤、p19(PDF 21枚目)(3)試し出勤制度等 ①〜③の定義、p20(PDF 22枚目)(4)イ 職場復帰後の就業上の配慮の例(残業・深夜業務の禁止)、p25(PDF 27枚目)規程例「前項の通勤訓練は、試し出勤ではない」

  15. 問15.職場復帰先の原則について、手引きが示す基本的な考え方はどれか。

    • ア.元の慣れ親しんだ職場へ復帰させる原職復帰を原則とする
    • イ.必ず新しい部署へ配置転換する
    • ウ.本人が希望すれば必ず昇進させる
    • エ.復帰先は人事が無作為に決定する

    正解:ア.元の慣れ親しんだ職場へ復帰させる原職復帰を原則とする

    解説:手引きでは、元の慣れ親しんだ職場へ復帰させる「原職復帰」を原則としている。環境の変化は新たなストレスとなりやすいためである。ただし状況により配置転換を検討する場合もある。

  16. 問16.原職復帰を原則とする理由として、最も適切なものはどれか。

    • ア.新しい環境の方がストレスが少ないため
    • イ.配置転換は人件費がかかるため
    • ウ.原職復帰の方が給与を下げやすいため
    • エ.新しい環境は人間関係や業務習得が新たなストレスとなりやすいため

    正解:エ.新しい環境は人間関係や業務習得が新たなストレスとなりやすいため

    解説:新しい職場への異動は、新たな人間関係や業務の習得が必要となり、復帰直後の労働者にとって大きなストレスとなりやすい。そのため慣れた環境への原職復帰が原則とされる。

  17. 問17.管理監督者が復職者に接する際の配慮として、最も適切なものはどれか。

    • ア.できるだけ関わらず、声をかけないようにする
    • イ.過度に気遣いすぎず自然に接し、過度な負荷を避ける
    • ウ.休業前と同じく厳しく叱咤激励する
    • エ.病気のことを職場全体に公表して注意を促す

    正解:イ.過度に気遣いすぎず自然に接し、過度な負荷を避ける

    解説:過度な気遣いや腫れ物に触るような態度はかえって本人を孤立させる。自然な態度で接し、業務上必要な範囲で声をかけながら、過度な負荷を避けることが望ましい。

  18. 問18.復職者に対する管理監督者の過度な気遣いがもたらす影響として、最も適切なものはどれか。

    • ア.本人に負担感や疎外感を生じさせることがある
    • イ.本人の自信が常に高まる
    • ウ.再発のリスクが必ずなくなる
    • エ.業務効率が必ず向上する

    正解:ア.本人に負担感や疎外感を生じさせることがある

    解説:過度な気遣いや特別扱いは、本人に「迷惑をかけている」という負担感や疎外感を生じさせることがある。適度な配慮にとどめ、自然な関わりを保つことが望ましい。

  19. 問19.職場復帰後のフォローアップ面談の目的として、最も適切なものはどれか。

    • ア.復帰後の業務評価を下げる材料を集めるため
    • イ.復帰後の体調や状況を確認し、再発の兆候を早期に把握するため
    • ウ.退職を勧めるきっかけを作るため
    • エ.本人のプライバシーを詳細に聞き出すため

    正解:イ.復帰後の体調や状況を確認し、再発の兆候を早期に把握するため

    解説:フォローアップ面談は、復帰後の体調や業務遂行状況、再発の兆候などを確認し、必要に応じてプランを見直すために行う。問題の早期発見と支援継続が目的である。

  20. 問20.心の健康問題による復職者で特に注意すべき点として、最も適切なものはどれか。

    • ア.一度回復すれば再発の心配はないため放置してよい
    • イ.復帰後は一切配慮せず通常どおり扱うべきである
    • ウ.フォローは復帰当日のみで十分である
    • エ.再発(再燃)しやすいため、復帰後も継続的なフォローが重要である

    正解:エ.再発(再燃)しやすいため、復帰後も継続的なフォローが重要である

    解説:うつ病などは再発(再燃)しやすいため、復帰後も継続的なフォローアップが重要である。回復したように見えても無理をさせず、状況を見守る必要がある。

  21. 問21.休業中の労働者に情報提供する健康保険の傷病手当金について、同一の疾病による場合の支給期間として正しいものはどれか。

    • ア.支給を始めた日から通算して6か月間
    • イ.支給を始めた日から通算して1年6か月間
    • ウ.支給を始めた日から通算して3年間
    • エ.休業が続く限り期間の上限なく支給される

    正解:イ.支給を始めた日から通算して1年6か月間

    解説:健康保険法99条は、療養のため労務に服することができないとき、その日から起算して3日を経過した日から傷病手当金を支給し(1項)、支給期間は同一の疾病等について支給を始めた日から通算して1年6か月間と定めている(4項)。職場復帰支援の手引きは、休業中の経済的な不安を軽減するため傷病手当金制度等の情報を提供することを挙げている。

  22. 問22.職場の受け入れ体制づくりについて、最も適切なものはどれか。

    • ア.短時間勤務で受け入れるときは、終業時間を早めるより始業時間を遅らせる
    • イ.受け入れる管理監督者や同僚に、心の健康問題やラインケアの研修を行う
    • ウ.試し出勤の時間帯や期間は、受け入れる職場の繁閑に合わせて決める
    • エ.異動が発症のきっかけでも、休職が始まった職場へ戻すことを原則とする

    正解:イ.受け入れる管理監督者や同僚に、心の健康問題やラインケアの研修を行う

    解説:手引きは、復帰する労働者を支える管理監督者や同僚等に過度の負担がかからないよう配慮し、管理監督者や同僚等に、心の健康問題や自殺の予防と対応に関する知識を含め、ラインケア・セルフケアを促す教育研修・情報提供を行うことが望ましいとしている。短時間勤務では、生活リズムを整える観点から、始業を遅らせるより終業を早める方が望ましい。試し出勤は事業場の都合でなく円滑な復帰のために運用し、判断に必要な時間帯・期間に限る。復帰先は「まずは元の職場」が原則だが、異動が発症のきっかけなら、以前の職場に戻すことなどを積極的に考える場合がある。

    根拠: 厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」 3(5)キ 管理監督者、同僚等への配慮等(PDF p.18〜19:配慮や支援を行う管理監督者や同僚等に過度の負担がかからないよう配慮/管理監督者、同僚等に対し、心の健康問題や自殺の予防と対応に関する知識を含め、ラインケア、セルフケアを促進するための教育研修・情報提供を行うことが望ましい)、6(3) 試し出勤制度等(PDF p.21:事業場の側の都合でなく労働者の職場復帰をスムーズに行うことを目的として運用/試し出勤は必要な時間帯・態様、時期・期間等に限るべき)、6(4)ア「まずは元の職場への復帰」の原則(PDF p.21〜22:異動等を誘因として発症したケースは以前の職場に戻すか他の職場への異動を積極的に考慮した方がよい場合がある)、6(4)イ(PDF p.22:短時間勤務は始業時間を遅らせるのではなく終業時間を早める方が望ましい)

  23. 問23.病気休業開始時(第1ステップ)に管理監督者が行うべき対応として、最も適切なものはどれか。

    • ア.休業を認めず出社を強く促す
    • イ.頻繁に連絡して業務報告を求める
    • ウ.休業中の給与をすべて打ち切る
    • エ.安心して休養できるよう手続きや制度の情報を提供する

    正解:エ.安心して休養できるよう手続きや制度の情報を提供する

    解説:第1ステップでは、労働者が安心して休養に専念できるよう、休業手続きや傷病手当金などの情報を提供し、無用な不安を取り除くことが大切である。

  24. 問24.休業中の労働者への連絡について、最も適切なものはどれか。

    • ア.療養を優先し、本人の負担にならない範囲で連絡をとる
    • イ.毎日業務連絡を入れて状況を逐一報告させる
    • ウ.休業中は一切連絡を絶つ
    • エ.早期復帰を強く迫る連絡を繰り返す

    正解:ア.療養を優先し、本人の負担にならない範囲で連絡をとる

    解説:休業中は療養が最優先であり、連絡は本人の負担にならないよう配慮する。連絡の方法や頻度はあらかじめ取り決め、過度な接触は避けることが望ましい。

  25. 問25.職場復帰の可否判断(第3ステップ)に必要な情報として、最も適切でないものはどれか。

    • ア.労働者の状態や回復状況
    • イ.主治医の意見や情報
    • ウ.業務遂行に必要な能力の回復状況
    • エ.労働者の私生活上の交友関係の詳細

    正解:エ.労働者の私生活上の交友関係の詳細

    解説:復帰可否の判断には、労働者の状態、主治医の意見、業務遂行能力、職場環境などの情報を総合的に収集する。労働者の私生活上のプライバシーを詳細に調べることは目的外であり不適切である。

  26. 問26.最終的な職場復帰の決定(第4ステップ)を行う者は誰か。

    • ア.主治医
    • イ.事業者
    • ウ.本人の家族
    • エ.同僚

    正解:イ.事業者

    解説:最終的な職場復帰の決定は事業者が行う。産業医等の意見を踏まえ、就業上の配慮の内容とともに本人に通知する。

  27. 問27.職場復帰支援プランにおける「就業上の配慮」の例として、最も適切なものはどれか。

    • ア.復帰初日から深夜勤務を割り当てる
    • イ.本人の希望を無視して通常勤務を強制する
    • ウ.短時間勤務や残業制限など段階的な配慮を行う
    • エ.配慮は与えず即戦力として扱う

    正解:ウ.短時間勤務や残業制限など段階的な配慮を行う

    解説:就業上の配慮には、短時間勤務、残業や出張の制限、負荷の軽い業務への一時的な変更などがある。これらを段階的に通常へ戻していく。

  28. 問28.復職後に管理監督者が再発の兆候を把握した場合の対応として、最も適切なものはどれか。

    • ア.早期に産業保健スタッフへ相談・連携する
    • イ.様子を見るだけで誰にも相談しない
    • ウ.本人を叱責して気合いで乗り切らせる
    • エ.ただちに退職を勧める

    正解:ア.早期に産業保健スタッフへ相談・連携する

    解説:再発の兆候に気づいた場合は、早期に産業保健スタッフ(産業医等)へ相談・連携し、対応を検討することが重要である。管理監督者が独断で医学的判断をすべきではない。

  29. 問29.試し出勤制度を導入する際の留意点として、最も適切なものはどれか。

    • ア.ルールを定めず、その都度自由に運用する
    • イ.賃金や労災の扱いは考慮しなくてよい
    • ウ.本人の同意なく強制的に実施する
    • エ.処遇や期間、業務内容などのルールを事前に明確にしておく

    正解:エ.処遇や期間、業務内容などのルールを事前に明確にしておく

    解説:試し出勤を導入する場合は、処遇(賃金・労災等の扱い)、実施期間、業務内容などのルールをあらかじめ明確にしておくことが必要である。曖昧な運用はトラブルのもとになる。

  30. 問30.職場復帰支援において管理監督者が果たす役割として、最も適切なものはどれか。

    • ア.主治医に代わって治療方針を決定する
    • イ.業務上の配慮や日常的な観察を行い、産業保健スタッフと連携する
    • ウ.復帰の可否を医学的に最終判断する
    • エ.薬の処方や服薬指導を行う

    正解:イ.業務上の配慮や日常的な観察を行い、産業保健スタッフと連携する

    解説:管理監督者は、産業保健スタッフや人事労務と連携しながら、復帰後の業務上の配慮や日常的な観察・声かけ、フォローアップ面談などを担う。医療的判断は行わない。

  31. 問31.復職者の業務目標の設定について、最も適切なものはどれか。

    • ア.休業前以上の高い目標を最初から課す
    • イ.目標は一切設定せず放任する
    • ウ.達成可能な範囲から始め、段階的に引き上げる
    • エ.本人の状況にかかわらず一律の目標を課す

    正解:ウ.達成可能な範囲から始め、段階的に引き上げる

    解説:復帰直後から過大な目標を課すと負担となり再発につながりやすい。当初は達成可能な範囲の目標から始め、回復状況に応じて段階的に引き上げることが望ましい。

  32. 問32.職場復帰支援に関する事業場のルールづくりについて、最も適切なものはどれか。

    • ア.ルールは管理監督者が個人的に決めればよい
    • イ.衛生委員会等で審議し、ルールを定めて関係者へ周知する
    • ウ.ルールは公表せず一部の者だけが把握すればよい
    • エ.ルールづくりは法律で禁止されている

    正解:イ.衛生委員会等で審議し、ルールを定めて関係者へ周知する

    解説:職場復帰支援は、衛生委員会等での調査審議を経て、就業規則等にルールを定め、関係者へ周知しておくことが望ましい。組織的・継続的な運用が再発防止にもつながる。

  33. 問33.復職可否の判断において「業務遂行能力」を重視する理由として、最も適切なものはどれか。

    • ア.業務遂行能力は復帰判断に無関係だから
    • イ.業務遂行能力よりも年齢を優先すべきだから
    • ウ.本人の希望のみで判断すべきだから
    • エ.日常生活の回復だけでは職場業務に耐えられない場合があるから

    正解:エ.日常生活の回復だけでは職場業務に耐えられない場合があるから

    解説:職場復帰は実際に業務を遂行できる状態にあるかが重要である。日常生活が送れても、職場で求められる集中力・対人対応・勤務継続などが回復していなければ再発リスクが高い。

  34. 問34.復職後のフォローアップにおいて評価・見直しの対象となるものはどれか。

    • ア.本人の私生活の交友関係
    • イ.同僚の人事評価
    • ウ.職場復帰支援プランの内容や配慮の妥当性
    • エ.主治医の診療報酬

    正解:ウ.職場復帰支援プランの内容や配慮の妥当性

    解説:フォローアップでは、症状の再燃の有無、勤務状況、職場復帰支援プランの内容そのものを評価し、必要に応じて配慮内容を見直す。プランは固定ではなく柔軟に調整する。

  35. 問35.心の健康問題で休業した労働者の復帰支援を、休業初期から始める意義として最も適切なものはどれか。

    • ア.休業初期の支援は復帰と無関係である
    • イ.休業初期は連絡を断つことが最善である
    • ウ.休業初期から支援することで安心して療養でき円滑な復帰につながる
    • エ.復帰支援は復帰直前に始めれば十分である

    正解:ウ.休業初期から支援することで安心して療養でき円滑な復帰につながる

    解説:復帰支援は休業の開始時点から始まる一連のプロセスである。早期から安心できる環境を整えることで、療養への専念と円滑な復帰につながる。

  36. 問36.職場復帰の可否判断にあたり、主治医から情報を得る際の留意点として最も適切なものはどれか。

    • ア.本人の同意を得て、必要な情報を整理し連携する
    • イ.本人の同意は不要で自由に問い合わせてよい
    • ウ.主治医には一切連絡しない
    • エ.病名のみを把握すればよい

    正解:ア.本人の同意を得て、必要な情報を整理し連携する

    解説:主治医から情報を得る際は、本人の同意を得たうえで、職場が必要とする情報(就業上の配慮など)を整理して伝え、適切に連携することが重要である。同意なく情報収集してはならない。

  37. 問37.復職者に対し「焦らせない」配慮が重要とされる理由として、最も適切なものはどれか。

    • ア.焦りや無理な業務遂行が症状の再燃を招きやすいから
    • イ.焦らせた方が早く回復するから
    • ウ.焦らせないと評価が下がるから
    • エ.焦らせることは法律で禁止されているから

    正解:ア.焦りや無理な業務遂行が症状の再燃を招きやすいから

    解説:早期の完全復帰を焦ると、無理な業務遂行により症状が再燃しやすい。本人も周囲も焦らず、段階的な回復を見守る姿勢が再発防止に役立つ。

  38. 問38.管理監督者が復職者のフォローアップ面談で確認すべき事項として、最も適切でないものはどれか。

    • ア.体調や睡眠・疲労の状況
    • イ.私生活の家庭事情の細部の詮索
    • ウ.業務量や業務内容の適否
    • エ.仕事上の困りごとの有無

    正解:イ.私生活の家庭事情の細部の詮索

    解説:面談では、体調、睡眠や疲労の状況、業務量の適否、困りごとなどを確認する。私生活の細部や家庭の事情を詮索することは目的外であり不適切である。

  39. 問39.職場復帰支援プランの作成にあたり連携すべき関係者として、最も適切なものはどれか。

    • ア.管理監督者が単独で作成する
    • イ.主治医のみで作成する
    • ウ.本人・管理監督者・人事労務・産業保健スタッフが連携して作成する
    • エ.同僚だけで作成する

    正解:ウ.本人・管理監督者・人事労務・産業保健スタッフが連携して作成する

    解説:プラン作成は、本人、管理監督者、人事労務担当者、産業医等の産業保健スタッフが連携して行うことが望ましい。多職種の協働が円滑な復帰を支える。

  40. 問40.職場復帰支援の手引きで、「まずは元の職場への復帰」という原則の例外として、適応できていた以前の職場に戻すことなどを積極的に考慮した方がよい場合があるとされるものはどれか。

    • ア.異動等を誘因として発症したケース
    • イ.休業期間が1か月未満であったケース
    • ウ.本人が昇進を強く希望しているケース
    • エ.主治医が復帰可能と判断したケース

    正解:ア.異動等を誘因として発症したケース

    解説:手引き6(4)アは、新しい環境への適応には時間と心理的負担を要するため「まずは元の職場への復帰」を原則としつつ、異動等を誘因として発症したケースでは新しい職場にうまく適応できなかった結果である可能性が高いため、適応できていた以前の職場に戻すか、他の適応可能と思われる職場への異動を積極的に考慮した方がよい場合があるとしている。

  41. 問41.職場復帰支援の手引きが、公的な事業場外資源による職場復帰支援サービスの例として挙げている「職場復帰支援(リワーク支援)事業」を行う機関はどれか。

    • ア.精神保健福祉センター
    • イ.地域産業保健センター
    • ウ.保健所
    • エ.地域障害者職業センター

    正解:エ.地域障害者職業センター

    解説:手引き6(7)は、公的な職場復帰支援サービスの例として地域障害者職業センターが行う「職場復帰支援(リワーク支援)事業」を挙げ、職場復帰後の支援として職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援事業などがあるとしている。

  42. 問42.職場復帰支援の手引きで、職場復帰後に短時間勤務を採用する場合に望ましいとされる方法はどれか。

    • ア.始業時刻を遅らせ、終業時刻は通常どおりとする
    • イ.始業・終業時刻を本人の体調に合わせて日ごとに変える
    • ウ.始業時刻は通常どおりとし、終業時刻を早める
    • エ.1日の時間は通常どおりとし、週の勤務日数を減らす

    正解:ウ.始業時刻は通常どおりとし、終業時刻を早める

    解説:手引きは、適切な生活リズムが整っていることが望ましいという観点から、短時間勤務を採用する場合には始業時間を遅らせるのではなく終業時間を早める方が望ましいとしている。

  43. 問43.休業中の労働者が復帰の意思を示した後の流れとして、最も適切なものはどれか。

    • ア.主治医の復帰可能の判断を経て、復帰可否判断とプラン作成へ進む
    • イ.ただちに事業者が単独で復帰を命じる
    • ウ.本人の意思だけで即日復帰させる
    • エ.産業医の判断を省略して復帰させる

    正解:ア.主治医の復帰可能の判断を経て、復帰可否判断とプラン作成へ進む

    解説:本人が復帰意思を示すと、主治医による職場復帰可能の判断(第2ステップ)を経て、復帰可否の判断とプラン作成(第3ステップ)へと進む。手順に沿って進めることが重要である。

  44. 問44.復職者の業務量や勤務時間を調整する目的として、最も適切なものはどれか。

    • ア.本人を職場から排除するため
    • イ.業務を他者に押し付けるため
    • ウ.心身の負担を軽減し再発を防ぎ円滑な適応を図るため
    • エ.評価を下げるため

    正解:ウ.心身の負担を軽減し再発を防ぎ円滑な適応を図るため

    解説:勤務時間や業務量の調整は、復帰直後の心身の負担を軽減し、再発を防ぎながら円滑に職場へ適応させることを目的とする。本人を特別扱いして排除するためではない。

  45. 問45.職場復帰支援において「個人情報の保護」に関する考え方として、最も適切なものはどれか。

    • ア.利用目的を明確にし、本人同意のもと必要最小限で取り扱う
    • イ.健康情報は誰でも自由に閲覧できるようにする
    • ウ.個人情報保護は職場復帰支援には適用されない
    • エ.情報は管理監督者の判断で自由に共有してよい

    正解:ア.利用目的を明確にし、本人同意のもと必要最小限で取り扱う

    解説:健康情報などの個人情報は、利用目的を明確にし、本人の同意を得たうえで、必要最小限の範囲で取り扱う。取得・保管・共有のいずれにおいても適切な管理が求められる。

  46. 問46.管理監督者が復職者の業務状況を観察する際の姿勢として、最も適切なものはどれか。

    • ア.日常の中で自然に見守り、変化に気づけば連携する
    • イ.常に監視し、些細なことも逐一指摘する
    • ウ.一切観察せず放任する
    • エ.本人の行動を記録し続けて評価材料にする

    正解:ア.日常の中で自然に見守り、変化に気づけば連携する

    解説:過度な監視は本人に圧迫感を与える。日常業務の中で自然に様子を見守り、変化に気づいたら産業保健スタッフと連携するという姿勢が望ましい。

  47. 問47.職場復帰の可否判断において、職場環境側で検討すべき事項として最も適切なものはどれか。

    • ア.本人の家族構成
    • イ.本人の趣味や嗜好
    • ウ.同僚の私生活
    • エ.受け入れ先の業務量や職場の協力体制

    正解:エ.受け入れ先の業務量や職場の協力体制

    解説:復帰可否の判断では、受け入れ先の業務内容や業務量、職場の人間関係、上司・同僚の理解と協力体制など、職場環境側の条件も検討する必要がある。

  48. 問48.復職後のフォローアップの期間についての考え方として、最も適切なものはどれか。

    • ア.目安の期間を定め、その期間が終われば再発予防の配慮も終える
    • イ.目安の期間を定め、主治医と連携しながら病状に応じて見直す
    • ウ.目安の期間を定め、病状が変わってもその期間は変えずに守る
    • エ.目安の期間を定め、その期間中は就業上の配慮を変えずに続ける

    正解:イ.目安の期間を定め、主治医と連携しながら病状に応じて見直す

    解説:職場復帰後は、管理監督者による観察と支援に加え、産業保健スタッフ等が定期的に、または就業上の配慮を更新する時期に合わせてフォローアップを行い、職場復帰支援プランを評価・見直す。そのため、期間中に就業上の配慮を見直さずに続けるのではない。フォローアップの期間はあらかじめ目安を定めるが、主治医と連携して病状に応じて柔軟に定めるのが望ましく、病状が変わっても変えないものではない。心の健康問題は再燃・再発が少なくないため、期間を終えた後も再発予防に留意する。

    根拠: 厚生労働省・中央労働災害防止協会「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」 3(5)職場復帰後のフォローアップ<第5ステップ>(PDF 18ページ:管理監督者による観察と支援・事業場内産業保健スタッフ等による定期的又は就業上の配慮の更新時期等に合わせたフォローアップとプランの評価・見直し、あらかじめ期間の目安を定める、期間は主治医と連携し病態や病状に応じて柔軟に定める、期間を終えた後も再発の予防のため慎重な対応に留意)

  49. 問49.「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」が示す職場復帰可否の判断基準の例に含まれないものはどれか。

    • ア.通勤時間帯に一人で安全に通勤できること
    • イ.主治医が完全寛解と診断していること
    • ウ.作業による疲労が翌日までに十分回復すること
    • エ.適切な睡眠覚醒リズムが整っていること

    正解:イ.主治医が完全寛解と診断していること

    解説:手引きは判断基準の例として、職場復帰への十分な意欲、通勤時間帯に一人で安全に通勤できること、勤務日・勤務時間の就労が継続して可能なこと、業務に必要な作業ができること、作業等による疲労が翌日までに十分回復していること、適切な睡眠覚醒リズム、昼間の眠気がないこと、注意力・集中力の回復などを挙げ、業務遂行能力が病前のレベルまで完全に改善していないことも考慮して判断するとしている。完全寛解の診断は例に含まれない。

  50. 問50.復職者への支援において、管理監督者が産業保健スタッフと連携する意義として最も適切なものはどれか。

    • ア.連携すると責任の所在が曖昧になるため避けるべきである
    • イ.専門的判断や再発の早期発見が可能となり、支援の質が高まる
    • ウ.管理監督者がすべて単独で対応する方がよい
    • エ.産業保健スタッフとの連携は法律で禁止されている

    正解:イ.専門的判断や再発の早期発見が可能となり、支援の質が高まる

    解説:管理監督者だけでは医学的判断や専門的対応に限界がある。産業医や保健師等の産業保健スタッフと連携することで、適切な配慮や再発の早期発見が可能になり、復帰支援の質が高まる。

  51. 問51.管理監督者が部下のメンタルヘルス不調に早期に気づくうえで最も重視すべき着眼点はどれか。

    • ア.他部署の同僚と比較してどうか
    • イ.新入社員かどうか
    • ウ.その部下の普段の状態と比べて「いつもと違う」かどうか
    • エ.本人の家庭環境の良し悪し

    正解:ウ.その部下の普段の状態と比べて「いつもと違う」かどうか

    解説:ラインによるケアの基本は、日頃の部下の様子を把握し「いつもと違う」変化に気づくことである。普段との差を捉えることが早期発見の鍵となる。

  52. 問52.勤怠面で表れるメンタルヘルス不調のサインとして、最も典型的なものはどれか。

    • ア.有給休暇を計画的に取得する
    • イ.遅刻・早退・欠勤が増える
    • ウ.定時に退社する
    • エ.休暇申請を事前に提出する

    正解:イ.遅刻・早退・欠勤が増える

    解説:遅刻・早退・欠勤の増加、特に理由のはっきりしない急な休みの増加は、不調の代表的なサインである。勤怠の乱れは早期に気づきやすい変化である。

  53. 問53.管理監督者が行う「いつもと違う」部下への気づきについて、適切な姿勢はどれか。

    • ア.気づいた変化から病名を診断する
    • イ.変化に気づいたら必ず人事処分を検討する
    • ウ.変化があっても本人が申し出るまで関与しない
    • エ.変化に気づくことが目的で、診断は専門家に委ねる

    正解:エ.変化に気づくことが目的で、診断は専門家に委ねる

    解説:気づきは医学的診断ではなく、普段の様子との違いを察知することである。診断や原因の断定は専門家の役割であり、管理監督者は変化に気づき適切につなぐ役割を担う。

  54. 問54.部下の様子のうち、メンタルヘルス不調が疑われるサインとして最も適切なものはどれか。

    • ア.これまでできていた仕事でミスが増える
    • イ.以前から口数が少なく、その状態が続いている
    • ウ.もともと慎重で、確認に時間をかけて仕事を進める
    • エ.入社以来、昼食はひとりでとることが多い

    正解:ア.これまでできていた仕事でミスが増える

    解説:部下のメンタルヘルス不調に気づくには、「本人の通常の行動様式からのズレ」、つまり「いつもと違う」変化に着目することが大切である。以前と比べて遅刻が多い、口数が少なくなった、昼休みに一緒に食事に行かなくなった、仕事の能率低下やミスが目立つといった変化がサインになる。以前から口数が少ない、もともと慎重で確認に時間をかける、入社以来ひとりで昼食をとることが多い、というのはその人のふだんの様子が続いているだけで変化ではないため、それだけでは不調のサインとはいえない。

    根拠: 厚生労働省「こころの耳」気配りしてますか-上司・同僚の方へ- 4 部下・同僚への配慮 「本人の通常の行動様式からのズレ」に着目(以前と比べて遅刻が多い、口数が少ない、昼休みに一緒に食事に行かなくなった、仕事の能率低下やミスが目立つ など)

  55. 問55.管理監督者が部下と日頃からコミュニケーションをとる意義として、最も適切なものはどれか。

    • ア.勤務態度の乱れを、意欲の問題として早めに指導できるようになる
    • イ.相談しやすい関係ができ、不調の変化に早く気づけるようになる
    • ウ.職場のストレス要因は本人が取り除くよう、部下に助言できるようになる
    • エ.不調に気づいたとき、まず本人の家族に連絡して受診させられるようになる

    正解:イ.相談しやすい関係ができ、不調の変化に早く気づけるようになる

    解説:管理監督者は部下の状況を日常的に把握できる立場にあり、ラインによるケアとして職場環境等の改善と部下からの相談対応を担う。日頃から対話を重ねると相談しやすい関係ができ、いつもと違う様子に早く気づいて、本人に産業保健スタッフ等への相談や受診を促せる。心の健康問題を抱える人が健康問題以外の観点から評価されやすいことは、指針が解決すべき問題として挙げており、乱れを意欲の問題として指導するのは誤り。職場のストレス要因には本人の力だけでは取り除けないものがあり、その改善は管理監督者の役割である。本人を飛ばして家族に連絡するのは、本人の意思の尊重や個人情報の保護に反する。

    根拠: 厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」 2①(心の健康問題を抱える労働者に対して健康問題以外の観点から評価が行われる傾向が強いという問題)・2②(個人情報の保護及び労働者の意思の尊重)、2(職場に存在するストレス要因は労働者自身の力だけでは取り除くことができないものもある)、5(2) ラインによるケア(PDF p.4:部下である労働者の状況を日常的に把握、職場環境等の把握と改善・相談対応)、6(3)イ(PDF p.9:管理監督者は日常的に労働者からの自発的な相談に対応し、必要に応じ事業場内産業保健スタッフ等や事業場外資源への相談や受診を促す)

  56. 問56.部下の話を聴く際の「積極的傾聴」の説明として最も適切なものはどれか。

    • ア.相手の話を要約してすぐに解決策を示す
    • イ.相手の言葉や気持ちを否定せずに受け止めて聴く
    • ウ.話を遮って自分の経験を語る
    • エ.正しいか間違っているかを判定しながら聴く

    正解:イ.相手の言葉や気持ちを否定せずに受け止めて聴く

    解説:積極的傾聴は、相手の話を否定や評価をせずに受け止め、相手の気持ちに関心を寄せて聴く態度である。助言や解決策を急ぐのではなく、まず聴くことが重視される。

  57. 問57.不調が疑われる部下への初期対応として、管理監督者がとるべき行動はどれか。

    • ア.朝礼で全員の前で本人に事情を尋ねる
    • イ.しばらく様子を見て放置する
    • ウ.直ちに退職を勧める
    • エ.本人が話しやすい場で声をかけ話を聴く

    正解:エ.本人が話しやすい場で声をかけ話を聴く

    解説:気づいた変化を踏まえ、本人が話しやすい場で声をかけ、話を聴くことが初期対応の基本である。問い詰めるのではなく、心配している旨を伝えて様子を確認する。

  58. 問58.管理監督者が部下を産業医や産業保健スタッフにつなぐ役割について、適切な記述はどれか。

    • ア.管理監督者が自ら治療方針を決める
    • イ.本人が希望しない限り専門家には一切つながない
    • ウ.つなぐ前に必ず病名を確定させる
    • エ.専門家につなぐ役割を担い、自分で治療はしない

    正解:エ.専門家につなぐ役割を担い、自分で治療はしない

    解説:管理監督者は専門家ではないため、不調が疑われる場合は産業医や産業保健スタッフなど専門家への相談・受診につなぐ役割を担う。自ら治療やカウンセリングを行うわけではない。

  59. 問59.部下に受診や相談を勧める際の管理監督者の対応として、最も適切なものはどれか。

    • ア.本人の意思に関わらず受診を命令する
    • イ.受診しなければ評価を下げると伝える
    • ウ.心配を伝え、本人の意思を尊重しつつ受診を勧める
    • エ.勧めるのは本人が泣き出してからにする

    正解:ウ.心配を伝え、本人の意思を尊重しつつ受診を勧める

    解説:受診や相談の勧奨は、本人を責めるのではなく心配している姿勢を示し、本人の意思を尊重しながら丁寧に勧めることが大切である。強制ではなく支援的に促す。

  60. 問60.厚生労働省のパワーハラスメント防止指針(令和2年厚生労働省告示第5号)が示す、職場におけるパワーハラスメントの要素に含まれないものはどれか。

    • ア.優越的な関係を背景とした言動であること
    • イ.行為者に相手を傷つける意図があること
    • ウ.業務上必要かつ相当な範囲を超えたものであること
    • エ.労働者の就業環境が害されるものであること

    正解:イ.行為者に相手を傷つける意図があること

    解説:同指針は、職場におけるパワーハラスメントを①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるもの、の3要素を全て満たすものとしている。行為者の意図は要素とされていない。客観的にみて業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導は該当しない。

  61. 問61.長時間労働者に対する医師の面接指導について、管理監督者の役割として適切なものはどれか。

    • ア.長時間労働の部下に面接指導の利用を促す
    • イ.面接指導の結果を全社に公表する
    • ウ.面接指導は管理監督者が自ら実施する
    • エ.面接指導を受けないよう指導する

    正解:ア.長時間労働の部下に面接指導の利用を促す

    解説:管理監督者は、長時間労働により健康への影響が懸念される部下に対して、面接指導の対象となることや申出の方法を周知し、面接指導を受けるよう促す役割がある。

  62. 問62.労働時間等設定改善法で事業主の努力義務とされている、いわゆる「勤務間インターバル」の説明として最も適切なものはどれか。

    • ア.前日の終業時刻から翌日の始業時刻までの間に、一定時間以上の休息時間を確保すること
    • イ.1日の労働時間の途中に、一定時間以上の休憩時間を与えること
    • ウ.年次有給休暇のうち一定日数を、計画的に付与すること
    • エ.始業・終業時刻を、労働者自身が日ごとに決められるようにすること

    正解:ア.前日の終業時刻から翌日の始業時刻までの間に、一定時間以上の休息時間を確保すること

    解説:労働時間等設定改善法2条1項は、事業主が講ずるよう努める措置として、健康及び福祉を確保するために必要な終業から始業までの時間の設定(いわゆる勤務間インターバル)を挙げている。休憩(労働基準法34条)、年次有給休暇の計画的付与(同39条6項)、フレックスタイム制とは別の仕組みである。

  63. 問63.障害者雇用促進法が事業主に求める、障害者である労働者への「合理的配慮」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.常時100人を超える労働者を雇用する事業主に限って、措置を講じる義務がある
    • イ.精神障害のある労働者は、この措置の対象に含まれないとされている
    • ウ.措置に要する費用は、事業主ではなく全額を国が負担するとされている
    • エ.過重な負担となる場合を除き、障害の特性に応じた必要な措置を講じる義務がある

    正解:エ.過重な負担となる場合を除き、障害の特性に応じた必要な措置を講じる義務がある

    解説:障害者雇用促進法36条の3は、事業主は障害者である労働者の障害の特性に配慮した職務の円滑な遂行に必要な施設の整備、援助を行う者の配置その他の必要な措置を講じなければならないとし、事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなるときはこの限りでないとしている。同法の障害者には精神障害(発達障害を含む)がある者も含まれる(2条1号)。

  64. 問64.業務を一時的なプロジェクト体制で行うなど、通常のラインによるケアが困難な業務形態の場合について、「労働者の心の健康の保持増進のための指針」の考え方として最も適切なものはどれか。

    • ア.プロジェクトの期間中はラインによるケアを行わず、セルフケアに委ねる
    • イ.実務で指揮命令系統の上位にいる者などがケアを行う体制を整える
    • ウ.人事労務管理スタッフがラインによるケアを代行する体制を整える
    • エ.プロジェクトが終了してから元の上司がまとめてケアを行う

    正解:イ.実務で指揮命令系統の上位にいる者などがケアを行う体制を整える

    解説:指針は、業務を一時的なプロジェクト体制で行うなど通常のラインによるケアが難しい場合、実務で指揮命令系統の上位にいる者などがケアを行う体制を整え、ラインによるケアと同等のケアを確実に行うよう求めている。ラインによるケアは、部下の状況を日常的に把握する管理監督者が担うもので、人事労務管理スタッフは職場配置や労働時間など人事労務管理の面から配慮する立場にある。期間中はセルフケアに委ねたり、終了後にまとめて行ったりするのでは、同等のケアにならない。

    根拠: 厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」 PDF 4ページ 5(2)ラインによるケア(一時的なプロジェクト体制等の場合)、PDF 6ページ 5(3)オ 人事労務管理スタッフ

  65. 問65.厚生労働省が示す自殺予防のゲートキーパーの役割のうち、悩んでいる人に「早めに専門家に相談するよう促す」ことに当たるものはどれか。

    • ア.気づき
    • イ.傾聴
    • ウ.見守り
    • エ.つなぎ

    正解:エ.つなぎ

    解説:厚生労働省はゲートキーパーの役割を、気づき(家族や仲間の変化に気づいて声をかける)、傾聴(本人の気持ちを尊重し、耳を傾ける)、つなぎ(早めに専門家に相談するよう促す)、見守り(温かく寄り添いながら、じっくりと見守る)の4つとして示している。

  66. 問66.ハラスメントの防止について、管理監督者に求められる姿勢はどれか。

    • ア.指導であれば厳しい叱責も問題ない
    • イ.ハラスメントの相談は無視してよい
    • ウ.成果のためなら多少の威圧は許される
    • エ.ハラスメントを防ぎ良好な職場環境をつくる

    正解:エ.ハラスメントを防ぎ良好な職場環境をつくる

    解説:管理監督者は、ハラスメントが職場で起きないよう良好なコミュニケーションを保ち、自らがハラスメントの加害者とならないよう注意する責任がある。ハラスメントは不調の要因にもなる。

  67. 問67.疾病や負傷などにより治療を受ける労働者について、治療と就業の両立を支援するため、本人からの相談に応じ適切に対応するための体制の整備などの措置を事業主に求める規定(2026年4月施行)の根拠と性格として正しいものはどれか。

    • ア.労働安全衛生法に定められた義務
    • イ.労働施策総合推進法に定められた義務
    • ウ.労働施策総合推進法に定められた努力義務
    • エ.労働安全衛生法に定められた努力義務

    正解:ウ.労働施策総合推進法に定められた努力義務

    解説:労働施策総合推進法27条の3第1項は、疾病、負傷その他の理由により治療を受ける労働者について、就業による症状の増悪等を防ぎ治療と就業との両立を支援するため、相談に応じ適切に対応するために必要な体制の整備その他の必要な措置を講ずるよう、事業主に努めることを求めている(2026年4月1日施行の努力義務)。具体的な進め方は、同条2項に基づく「治療と就業の両立支援指針」(令和8年厚生労働省告示第28号)が示している。労働安全衛生法には、この両立支援の措置を定めた規定はない。

    根拠: 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和41年法律第132号、2026-10-01 施行版) 第27条の3第1項(治療を受ける労働者の治療と就業の両立支援の措置を講ずるよう努めなければならない)・第2項(治療と就業の両立支援指針) / 高知労働局「治療と就業の両立支援指針」 令和8年4月1日から事業主の努力義務/指針は労働施策総合推進法第27条の3に基づく(令和8年厚生労働省告示第28号、令和8年2月10日公表) / 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号、2026-10-26 時点の版) 全文を「両立」で検索し、治療と就業の両立支援の措置を定めた規定が無いことを確認 (出典: e-Gov法令検索)

  68. 問68.パワーハラスメント防止指針で、ある言動によって「労働者の就業環境が害される」かどうかを判断する際の基準とすることが適当とされているものはどれか。

    • ア.言動を受けた本人の感じ方
    • イ.平均的な労働者の感じ方
    • ウ.行為者の意図や目的
    • エ.職場の管理監督者の判断

    正解:イ.平均的な労働者の感じ方

    解説:指針2(6)は、就業環境が害されるかの判断に当たっては「平均的な労働者の感じ方」、すなわち同様の状況で当該言動を受けた場合に、社会一般の労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じるような言動かどうかを基準とすることが適当としている。

  69. 問69.対人関係の変化として、メンタルヘルス不調が疑われるサインはどれか。

    • ア.同僚と積極的に交流するようになる
    • イ.チームワークが向上する
    • ウ.後輩の面倒をよくみる
    • エ.これまで良好だった人間関係を避けるようになる

    正解:エ.これまで良好だった人間関係を避けるようになる

    解説:以前は良好だった同僚との関係に距離ができる、孤立する、周囲とのやりとりを避けるようになるなど、対人関係の変化は不調のサインとなりうる。

  70. 問70.長時間労働者に対する面接指導について、労働安全衛生規則上、要件に該当する労働者に対して申出を行うよう勧奨することができると定められている者はどれか。

    • ア.衛生推進者
    • イ.産業医
    • ウ.労働基準監督官
    • エ.労働組合の代表者

    正解:イ.産業医

    解説:安衛則52条の3第4項は、産業医は面接指導の要件に該当する労働者に対して申出を行うよう勧奨することができると定めている。長時間労働者の面接指導は、要件に該当する労働者の申出により行うものとされている(同条1項)。

  71. 問71.管理監督者が部下のメンタルヘルスに関して気づいた変化を記録・把握する目的として、適切なものはどれか。

    • ア.懲戒処分の証拠を集めるため
    • イ.本人を問い詰める材料にするため
    • ウ.変化の継続性を把握し適切な対応につなげるため
    • エ.評価を下げる理由を探すため

    正解:ウ.変化の継続性を把握し適切な対応につなげるため

    解説:変化を継続的に把握することで、不調が一時的か継続的かを判断しやすくなり、適切な対応や専門家への相談に役立つ。把握は支援のためであり、監視のためではない。

  72. 問72.部下が「眠れない」「食欲がない」と訴えた場合、管理監督者の適切な対応はどれか。

    • ア.話を聴き、必要に応じて専門家への相談を勧める
    • イ.「誰でもあること」と取り合わない
    • ウ.気のせいだと断定する
    • エ.直ちに配置転換を決める

    正解:ア.話を聴き、必要に応じて専門家への相談を勧める

    解説:睡眠や食欲の変化は心身の不調のサインであり、訴えを軽視せず話を聴き、必要に応じて産業医など専門家への相談・受診を勧めることが適切である。

  73. 問73.管理監督者が部下に声をかける際、不調が疑われる場合に避けるべき言い方はどれか。

    • ア.「最近、疲れていないか心配だ」
    • イ.「困っていることがあれば話してほしい」
    • ウ.「無理をしていないか気になっている」
    • エ.「何をやっているんだ、しっかりしろ」

    正解:エ.「何をやっているんだ、しっかりしろ」

    解説:本人を責めたり問い詰めたりする言い方は、相手を追い詰めて逆効果になりうる。心配している姿勢を伝え、本人が話しやすいように配慮した声かけが望ましい。

  74. 問74.危機対応において、希死念慮が疑われる部下に対し管理監督者が一人で抱え込まないことが重要とされる理由はどれか。

    • ア.責任を回避するため
    • イ.専門家や関係者と連携し適切に対応するため
    • ウ.対応を先延ばしにするため
    • エ.噂を広めるため

    正解:イ.専門家や関係者と連携し適切に対応するため

    解説:自殺の危機など緊急性の高い状況では、管理監督者だけで対応するのは困難であり、専門家や関係者と連携することで適切かつ安全な対応が可能になる。連携が本人の安全を守る。

  75. 問75.カスタマーハラスメント防止指針が「抑止のための措置」として事業主に義務づけているものはどれか。

    • ア.過度な要求の繰り返しなど特に悪質なものへの対処の方針を定めて周知し、その対処を行える体制を整えること
    • イ.毅然と対応して労働者を保護する旨の方針を、店舗や窓口などで顧客等に向けて周知・啓発すること
    • ウ.同じ業種・業態の複数の事業主が一体となって、業種の被害の実態に応じた防止の取組を行うこと
    • エ.他の事業主が雇用する労働者へのカスタマーハラスメントを行ってはならない旨の方針を、自社として示すこと

    正解:ア.過度な要求の繰り返しなど特に悪質なものへの対処の方針を定めて周知し、その対処を行える体制を整えること

    解説:指針4(4)は、抑止のための措置として、労働者に対し過度な要求を繰り返すなど特に悪質と考えられるものへの対処の方針をあらかじめ定めて管理監督者を含む労働者に周知し、その対処を行える体制を整備しなければならないとしている(労働施策総合推進法33条1項)。方針を顧客等に周知・啓発することは4(1)イで「効果的と考えられる」、同業の事業主が一体となる取組は6(3)で「考えられる」、他社の労働者へのカスタマーハラスメントを行ってはならない旨の方針を示すことは6(4)で「望ましい」とされるにとどまり、いずれも義務ではない。

  76. 問76.障害者雇用促進法で、事業主が労働者の募集・採用に当たり、障害の特性に配慮した必要な措置を講じる契機とされているものはどれか。

    • ア.障害者手帳の写しの提出
    • イ.障害者本人からの申出
    • ウ.障害者職業センターによる判定
    • エ.公共職業安定所長による勧告

    正解:イ.障害者本人からの申出

    解説:障害者雇用促進法第36条の2は、募集・採用に当たり「障害者からの申出により」障害の特性に配慮した必要な措置を講じなければならないとしている(事業主に過重な負担となるときを除く)。雇い入れた後の措置(第36条の3)は、申出を要件としていない。

  77. 問77.部下から相談を受けた内容について、産業保健スタッフと情報を共有する際の配慮として適切なものはどれか。

    • ア.本人の同意やプライバシーに配慮して必要な範囲で共有する
    • イ.共有する際は人数が多いほどよい
    • ウ.本人に無断で全社に展開する
    • エ.共有はしてはならないので一切連携しない

    正解:ア.本人の同意やプライバシーに配慮して必要な範囲で共有する

    解説:支援のために必要な情報を共有する場合でも、本人の同意やプライバシーへの配慮が原則であり、必要最小限の範囲で取り扱うことが望ましい。むやみに共有しない。

  78. 問78.時間外・休日労働時間を算定した結果、1か月当たり80時間を超えた労働者がいた場合に、労働安全衛生規則上、事業者が速やかに行わなければならないこととして正しいものはどれか。

    • ア.当該労働者本人に、その時間数に関する情報を知らせる
    • イ.当該労働者の翌月の時間外労働を一律に禁止する
    • ウ.所轄労働基準監督署長に当該労働者の氏名を報告する
    • エ.当該労働者に臨時の健康診断を受けさせる

    正解:ア.当該労働者本人に、その時間数に関する情報を知らせる

    解説:安衛則52条の2第3項は、算定の結果1か月当たり80時間を超えた労働者に対し、その超えた時間に関する情報を速やかに通知しなければならないと定める。あわせて、これらの労働者の氏名と超えた時間に関する情報を産業医に提供しなければならない(同14条の2)。

  79. 問79.部下の遅刻や欠勤が増えてきた場合、管理監督者の望ましい初期対応はどれか。

    • ア.欠勤の理由を問わず厳重注意のみ行う
    • イ.勤怠が改善するまで放置する
    • ウ.本人の評価を即座に下げる
    • エ.心配する姿勢で声をかけ背景を聴く

    正解:エ.心配する姿勢で声をかけ背景を聴く

    解説:勤怠の乱れに気づいたら、頭ごなしに叱るのではなく、本人の状況を心配する姿勢で声をかけ、背景に何かないか話を聴くことが望ましい。

  80. 問80.労働安全衛生規則で、長時間労働者に対する医師の面接指導の結果の記録を事業者が作成し、保存しなければならない期間はどれか。

    • ア.1年間
    • イ.2年間
    • ウ.5年間
    • エ.7年間

    正解:ウ.5年間

    解説:安衛則52条の6は、事業者は面接指導の結果に基づき記録を作成して5年間保存しなければならないとし、記録には実施年月日、労働者の氏名、医師の氏名、疲労の蓄積の状況その他の心身の状況と医師の意見を記載するとしている。

  81. 問81.管理監督者自身がストレスをためないために有効なセルフケアとして適切なものはどれか。

    • ア.ストレスを無視して働き続ける
    • イ.部下に当たって発散する
    • ウ.自分のストレスに気づき適切に対処・相談する
    • エ.睡眠を削って業務を優先する

    正解:ウ.自分のストレスに気づき適切に対処・相談する

    解説:自分のストレスに気づき、休息や相談などで適切に対処することがセルフケアである。一人で抱え込まず、上司や産業保健スタッフに相談することも有効である。

  82. 問82.カスタマーハラスメント防止指針が、顧客等の言動が社会通念上許容される範囲を超えるかどうかの判断について示している内容として、正しいものはどれか。

    • ア.「言動の内容」と「手段や態様」の一方のみが範囲を超える場合でも、該当し得るとしている
    • イ.「言動の内容」と「手段や態様」の両方が範囲を超えなければ、該当しないとしている
    • ウ.事業主や労働者の側の対応が原因となっているかどうかは、考慮しないとしている
    • エ.言動を受けた労働者本人の感じ方を基準として、判断することが適当としている

    正解:ア.「言動の内容」と「手段や態様」の一方のみが範囲を超える場合でも、該当し得るとしている

    解説:指針2(5)は、言動の目的、言動が行われた経緯や状況、業種・業態、言動の態様・頻度・継続性などを総合的に考慮し、「言動の内容」と「手段や態様」に着目して判断するとし、その一方のみが範囲を超える場合でも該当し得るとしている。あわせて、事業主又は労働者の側の不適切な対応が言動の原因や背景となっている場合もあることに留意が必要とし、「平均的な労働者の感じ方」を基準とするのは就業環境が害されるかどうかの判断(2(6))である。

  83. 問83.障害者雇用促進法で、雇用義務(法定雇用率)の対象となる「対象障害者」として定められているものはどれか。

    • ア.身体障害者、知的障害者、医師の診断書を提出した精神障害者
    • イ.身体障害者、知的障害者、精神障害者保健福祉手帳を持つ精神障害者
    • ウ.身体障害者、知的障害者、指定難病の医療受給者証を持つ難病患者
    • エ.身体障害者、知的障害者、精神科への通院医療を受けている者

    正解:イ.身体障害者、知的障害者、精神障害者保健福祉手帳を持つ精神障害者

    解説:障害者雇用促進法37条2項は「対象障害者」を、身体障害者、知的障害者又は精神障害者(精神障害者保健福祉手帳の交付を受けているものに限る)と定めている。精神障害者は診断や通院だけでは対象にならず、難病患者も手帳が無ければ対象障害者に当たらない。

  84. 問84.長時間労働者に対する医師の面接指導(労働安全衛生法第66条の8)の対象となる要件として、労働安全衛生規則が定めるものはどれか。なお、時間は休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた時間とする。

    • ア.1か月当たり60時間を超え、疲労の蓄積が認められる
    • イ.1か月当たり80時間を超え、疲労の蓄積が認められる
    • ウ.1か月当たり45時間を超えている
    • エ.3か月の平均が70時間を超え、疲労の蓄積が認められる

    正解:イ.1か月当たり80時間を超え、疲労の蓄積が認められる

    解説:安衛則52条の2第1項は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた時間が1か月当たり80時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる者を面接指導の対象としている。面接指導はこの要件に該当する労働者の申出により行う(同52条の3第1項)。

  85. 問85.長時間労働者の面接指導について、労働者が事業者の指定した医師による面接指導を希望しない場合の取扱いとして、正しいものはどれか。

    • ア.面接指導を受けなくてよいこととなる
    • イ.労働基準監督署が指定する医師の面接指導を受ける
    • ウ.他の医師の面接指導を受け、結果を証明する書面を提出する
    • エ.指定した医師の面接指導を業務命令で受けさせる

    正解:ウ.他の医師の面接指導を受け、結果を証明する書面を提出する

    解説:安衛法66条の8第2項は、労働者は事業者が行う面接指導を受けなければならないとしつつ、事業者の指定した医師による面接指導を希望しない場合は、他の医師の行う相当する面接指導を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出すればよいと定めている。

  86. 問86.部下のメンタルヘルス不調が疑われるが本人が受診をためらう場合、管理監督者の適切な対応はどれか。

    • ア.本人の意思を無視して即日受診させる
    • イ.受診しないなら関わらないと突き放す
    • ウ.不安を受け止めつつ相談窓口の利用を丁寧に勧める
    • エ.受診を諦めて放置する

    正解:ウ.不安を受け止めつつ相談窓口の利用を丁寧に勧める

    解説:本人が受診をためらう場合でも、無理強いせず、産業医や相談窓口の利用を丁寧に勧め、不安を受け止めながら背中を押す配慮が望ましい。本人の意思を尊重しつつ支援する。

  87. 問87.職場における妊娠・出産等に関するハラスメント(いわゆるマタニティハラスメント)について、防止のための雇用管理上の措置を事業主に義務づけている法律はどれか。

    • ア.労働基準法
    • イ.育児・介護休業法
    • ウ.女性活躍推進法
    • エ.男女雇用機会均等法

    正解:エ.男女雇用機会均等法

    解説:妊娠・出産、産前産後休業の請求・取得などに関する言動による就業環境の悪化を防ぐ措置は、男女雇用機会均等法第15条(2026年9月30日までは第11条の3)が事業主に義務づけている。育児・介護休業法第25条は育児休業・介護休業などの制度の利用に関する言動が対象である。

  88. 問88.労働施策総合推進法で、パワーハラスメントの相談を行ったことと並んで、事業主がそれを理由に解雇その他不利益な取扱いをしてはならないと定められているものはどれか。

    • ア.社外の弁護士に相談して助言を受けたこと
    • イ.会社の事実確認に協力して事実を述べたこと
    • ウ.行為者に直接、謝罪や改善を求めたこと
    • エ.行為者の言動を録音して記録したこと

    正解:イ.会社の事実確認に協力して事実を述べたこと

    解説:労働施策総合推進法31条2項(2026年9月30日までは30条の2第2項)は、労働者が相談を行ったこと、又は事業主による当該相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、解雇その他不利益な取扱いをしてはならないと定めている。ほかの選択肢は同項に掲げられていない。

  89. 問89.パワーハラスメント防止指針の類型で、「管理職である労働者を退職させるため、誰でも遂行可能な業務を行わせること」が該当すると考えられる例として挙げられているものはどれか。

    • ア.過大な要求
    • イ.人間関係からの切り離し
    • ウ.過小な要求
    • エ.個の侵害

    正解:ウ.過小な要求

    解説:指針は代表的な類型として、身体的な攻撃、精神的な攻撃、人間関係からの切り離し、過大な要求、過小な要求、個の侵害の6つを示す。「過小な要求」は業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないことで、設問の例はこれに該当すると考えられる例として挙げられている。

  90. 問90.管理監督者が部下のメンタルヘルスケアの一次的な対応者として期待される理由はどれか。

    • ア.部下より医学知識が豊富だから
    • イ.治療を行う資格があるから
    • ウ.人事権を持っているから
    • エ.日常的に接し変化に気づきやすい立場だから

    正解:エ.日常的に接し変化に気づきやすい立場だから

    解説:管理監督者は部下と日常的に接し、その変化に気づきやすい立場にある。そのため、早期の気づきと初期対応、専門家への橋渡しを担う一次的な役割が期待される。

  91. 問91.労働安全衛生規則で、事業者が把握した労働時間の状況の記録を作成し、保存するための措置を講じなければならないとされる期間はどれか。

    • ア.1年間
    • イ.2年間
    • ウ.3年間
    • エ.10年間

    正解:ウ.3年間

    解説:安衛則52条の7の3第2項は、タイムカードによる記録やパソコンの使用時間の記録等の客観的な方法その他の適切な方法で把握した労働時間の状況の記録を作成し、3年間保存するための必要な措置を講じなければならないと定めている。

  92. 問92.カスタマーハラスメント防止指針(令和8年厚生労働省告示第51号)が示す、職場におけるカスタマーハラスメントの要素に含まれないものはどれか。

    • ア.顧客等の言動であること
    • イ.優越的な関係を背景とした言動であること
    • ウ.社会通念上許容される範囲を超えた言動であること
    • エ.労働者の就業環境が害されるものであること

    正解:イ.優越的な関係を背景とした言動であること

    解説:指針2(1)は、職場におけるカスタマーハラスメントを、①顧客等の言動であって、②労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるもの、の3要素を全て満たすものとしている(労働施策総合推進法33条1項)。「優越的な関係を背景とした言動」は職場におけるパワーハラスメントの要素(同法31条1項)で、カスタマーハラスメントの要素には含まれない。

  93. 問93.部下から相談を受ける際、管理監督者が守るべき秘密保持の姿勢として適切なものはどれか。

    • ア.相談内容は職場の話題として共有する
    • イ.相談者の名前を周囲に伝える
    • ウ.本人の了解なく他者に漏らさない
    • エ.内容を上司に逐一報告して回る

    正解:ウ.本人の了解なく他者に漏らさない

    解説:相談内容は本人のプライバシーに関わるため、本人の了解なく他者に漏らさないことが信頼関係の基礎となる。ただし本人の安全に関わる緊急時は連携が必要となる。

  94. 問94.管理監督者が部下にかける言葉として、相手を追い詰めにくく望ましいものはどれか。

    • ア.「最近どうかな、何か困っていないか」
    • イ.「みんなできているのになぜできないんだ」
    • ウ.「弱音を吐くな」
    • エ.「自分で何とかしろ」

    正解:ア.「最近どうかな、何か困っていないか」

    解説:相手を責めず、心配や関心を示す言葉は、本人が話しやすくなる。「あなたを気にかけている」という姿勢を伝えることが、相談につながりやすい。

  95. 問95.男女雇用機会均等法に基づくセクシュアルハラスメント防止指針の内容として、正しいものはどれか。

    • ア.対価型は、性的な言動により就業環境が不快となり、能力の発揮に支障が生じるものをいう
    • イ.環境型は、性的な言動を拒否したために、配置転換などの不利益を受けるものをいう
    • ウ.対価型は、性的な言動への対応により、解雇・降格・減給等の不利益を受けるものをいう
    • エ.対価型は行為者が事業主や上司の場合をいい、同僚の場合は環境型となる

    正解:ウ.対価型は、性的な言動への対応により、解雇・降格・減給等の不利益を受けるものをいう

    解説:指針2(1)は、性的な言動に対する労働者の対応により労働条件につき不利益を受けるものを「対価型」、性的な言動により就業環境が害されるものを「環境型」としている。対価型の典型例は拒否されたための解雇・降格・不利益な配置転換などで、型は行為者の立場ではなく、労働条件の不利益か就業環境の悪化かで分かれる。

  96. 問96.妊娠中の女性労働者から、健康診査で医師から通勤緩和の指導を受けたとの申出があった。事業主の対応として正しいものはどれか。

    • ア.労働基準法に基づき、時差通勤などの必要な措置を講ずるよう努めなければならない
    • イ.男女雇用機会均等法に基づき、時差通勤などの必要な措置を講じなければならない
    • ウ.労働基準法に基づき、時差通勤などの必要な措置を講じなければならない
    • エ.男女雇用機会均等法に基づき、時差通勤などの必要な措置を講ずるよう努めなければならない

    正解:イ.男女雇用機会均等法に基づき、時差通勤などの必要な措置を講じなければならない

    解説:男女雇用機会均等法18条1項(2026年10月1日の改正前は13条1項)は、妊娠中・出産後の女性労働者が保健指導や健康診査に基づく指導事項を守ることができるよう、勤務時間の変更、勤務の軽減等の必要な措置を講じることを事業主に義務づけている(努力義務ではない)。同条の指針は、医師等から通勤緩和の指導を受けた旨の申出があったときは、時差通勤、勤務時間の短縮等の必要な措置を講ずるものとしている。労働基準法の母性保護の規定(65条の軽易な業務への転換、66条の時間外労働等の制限など)は、通勤緩和を定めたものではない。

    根拠: 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和47年法律第113号、2026-10-01 施行版) 第17条(保健指導・健康診査を受けるための時間の確保)・第18条第1項(指導事項を守ることができるよう勤務時間の変更、勤務の軽減等必要な措置を講じなければならない)。2026-09-30 時点の版では第12条・第13条 / 妊娠中及び出産後の女性労働者が保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするために事業主が講ずべき措置に関する指針(平成9年労働省告示第105号、令和元年厚生労働省告示第2号まで改正) 2(1) 妊娠中の通勤緩和について(医師等により通勤緩和の指導を受けた旨の申出があった場合には、時差通勤、勤務時間の短縮等の必要な措置を講ずるものとする) / 労働基準法(昭和22年法律第49号) 第65条(産前産後休業・軽易な業務への転換)・第66条(妊産婦の請求による時間外・休日・深夜業の制限)。全文に通勤緩和の規定が無いことを確認 (出典: e-Gov法令検索)

  97. 問97.管理監督者がセルフケアを実践することが、ラインによるケアにとっても重要とされる理由はどれか。

    • ア.自身の健康を保つことで部下のケアも適切に行えるから
    • イ.自分のケアは部下のケアと無関係である
    • ウ.部下より優位に立つためである
    • エ.評価を上げるためである

    正解:ア.自身の健康を保つことで部下のケアも適切に行えるから

    解説:管理監督者自身が心身の健康を保つことで、余裕をもって部下の変化に気づき、適切に対応できる。自分のケアができてこそ、部下のケアも機能する。

  98. 問98.部下の不調が疑われ専門家につなぐ際、管理監督者の説明として適切なものはどれか。

    • ア.健康を心配している旨を伝え相談先を案内する
    • イ.「問題社員だから受けろ」と伝える
    • ウ.受診先は自分で探させ放置する
    • エ.受診の理由を曖昧にして強制する

    正解:ア.健康を心配している旨を伝え相談先を案内する

    解説:専門家への相談を勧める際は、本人を責めるのではなく、健康への心配からであることを伝え、相談先の情報を分かりやすく案内することが望ましい。本人が安心して相談できるよう配慮する。

  99. 問99.危機的状況において、自殺をほのめかす言動があった部下への対応で最も適切なものはどれか。

    • ア.様子を見て後日改めて話す
    • イ.一人にせず速やかに専門家・関係者と連携し安全を確保する
    • ウ.本人に強く反省を促す
    • エ.他の業務を優先する

    正解:イ.一人にせず速やかに専門家・関係者と連携し安全を確保する

    解説:自殺をほのめかす言動は緊急性が高く、本人を一人にせず、速やかに専門家や関係者と連携して安全を確保することが最優先である。軽視や放置は危険である。

  100. 問100.新たな技術、商品又は役務の研究開発業務に従事する労働者について、本人の申出がなくても医師による面接指導を行わなければならないとされる時間はどれか。なお、時間は休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働した時間とする。

    • ア.1か月当たり60時間を超えた場合
    • イ.1か月当たり100時間を超えた場合
    • ウ.1か月当たり120時間を超えた場合
    • エ.1か月当たり150時間を超えた場合

    正解:イ.1か月当たり100時間を超えた場合

    解説:労働基準法36条11項の研究開発業務に従事する者は時間外労働の上限規制が適用されない代わりに、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えた時間が1か月当たり100時間を超えた場合、申出の有無にかかわらず医師による面接指導を受けさせなければならない(安衛法66条の8の2、安衛則52条の7の2)。

  101. 問101.パワーハラスメント防止指針で、「個の侵害」に該当すると考えられる例として挙げられているものはどれか。

    • ア.一人の労働者に対して、同僚が集団で無視をし、職場で孤立させること
    • イ.労働者に、業務とは関係のない私的な雑用の処理を強制的に行わせること
    • ウ.労働者を職場外でも継続的に監視したり、私物の写真撮影をしたりすること
    • エ.相手の能力を否定し罵倒する内容のメールを、複数の労働者宛てに送ること

    正解:ウ.労働者を職場外でも継続的に監視したり、私物の写真撮影をしたりすること

    解説:指針は「個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)」に該当すると考えられる例として、職場外でも継続的に監視したり私物の写真撮影をしたりすることを挙げている。集団での無視は「人間関係からの切り離し」、私的な雑用の強制は「過大な要求」、罵倒するメールの一斉送信は「精神的な攻撃」の例である。

  102. 問102.職場で良好なコミュニケーションを保つために、管理監督者が日頃から心がけるべきことはどれか。

    • ア.業務指示以外は話さない
    • イ.部下の話を聞かない
    • ウ.距離を置いて接する
    • エ.あいさつや声かけで関わりを持つ

    正解:エ.あいさつや声かけで関わりを持つ

    解説:あいさつや声かけ、部下の話に耳を傾けるなどの日常的な働きかけが、相談しやすい関係づくりにつながる。日頃の積み重ねが信頼関係を育む。

  103. 問103.管理監督者が部下に対し過重労働を防ぐために行う取り組みとして適切なものはどれか。

    • ア.労働時間を把握し業務量を調整する
    • イ.業務量を把握せず本人任せにする
    • ウ.残業を奨励する
    • エ.休暇取得を制限する

    正解:ア.労働時間を把握し業務量を調整する

    解説:労働時間を把握し、業務の繁閑を踏まえて応援体制を整えたり業務量を調整したりすることが、過重労働の防止につながる。管理監督者の主体的な調整が求められる。

  104. 問104.セクシュアルハラスメント防止指針で、ある場所が「職場」に該当するかどうかを判断する基準とされているものはどれか。

    • ア.事業主が所有・管理する施設かどうか
    • イ.所定労働時間内の出来事かどうか
    • ウ.労働者が業務を遂行する場所かどうか
    • エ.通常就業している事業所の中かどうか

    正解:ウ.労働者が業務を遂行する場所かどうか

    解説:指針2(2)は、「職場」とは事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指し、通常就業している場所以外でも、取引先の事務所、取引先と打合せをするための飲食店、顧客の自宅等であっても、業務を遂行する場所であれば該当するとしている。

  105. 問105.管理監督者が部下のメンタルヘルスケアにおいて、最終的に目指すべきこととして適切なものはどれか。

    • ア.問題のある部下を排除すること
    • イ.管理監督者の評価を上げること
    • ウ.部下が健康に働き続けられるよう支援すること
    • エ.業務効率だけを高めること

    正解:ウ.部下が健康に働き続けられるよう支援すること

    解説:ラインによるケアの目的は、部下が健康に働き続けられるよう支援し、不調の予防と早期対応を図ることである。気づき・対応・連携を通じて部下の健康を守ることが目標となる。

  106. 問106.メンタルヘルスマネジメント検定II種(ラインケアコース)が主たる対象とする受験者層として、最も適切なものはどれか。

    • ア.一般社員・新入社員
    • イ.管理監督者(部下を持つ上司)
    • ウ.人事労務管理スタッフや経営幹部
    • エ.産業医・保健師などの専門職

    正解:イ.管理監督者(部下を持つ上司)

    解説:II種ラインケアコースは、部下を持つ管理監督者を対象とし、部下のメンタルヘルス対策の推進を学ぶコースである。

  107. 問107.近年の労働者を取り巻く社会的状況に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.仕事に関する強いストレスを感じる労働者は減少傾向にある
    • イ.精神障害等に関する労災請求件数は減少が続いている
    • ウ.ハラスメントに関する相談は企業に持ち込まれることがなくなった
    • エ.強いストレスを感じる労働者が多く、メンタルヘルス対策の重要性が高まっている

    正解:エ.強いストレスを感じる労働者が多く、メンタルヘルス対策の重要性が高まっている

    解説:近年は仕事や職業生活に関して強いストレスを感じる労働者が多く、メンタルヘルス不調や過重労働、ハラスメントが社会的課題となっている。

  108. 問108.「労働者の心の健康の保持増進のための指針」が掲げる4つのケアに含まれないものはどれか。

    • ア.セルフケア
    • イ.ラインによるケア
    • ウ.事業場外資源によるケア
    • エ.家族によるケア

    正解:エ.家族によるケア

    解説:4つのケアはセルフケア、ラインによるケア、事業場内産業保健スタッフ等によるケア、事業場外資源によるケアである。家族によるケアは含まれない。

  109. 問109.4つのケアのうち、管理監督者が主たる担い手となるものはどれか。

    • ア.セルフケア
    • イ.事業場内産業保健スタッフ等によるケア
    • ウ.ラインによるケア
    • エ.事業場外資源によるケア

    正解:ウ.ラインによるケア

    解説:ラインによるケアは、管理監督者が職場環境の把握・改善や部下の相談対応を行うもので、管理監督者が中心的役割を担う。

  110. 問110.セルフケアの担い手として最も適切なものはどれか。

    • ア.労働者本人
    • イ.管理監督者
    • ウ.産業医
    • エ.外部の専門機関

    正解:ア.労働者本人

    解説:セルフケアは労働者自身が行うケアであり、ストレスへの気づきや対処を労働者本人が担う。

  111. 問111.「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」の担い手として適切でないものはどれか。

    • ア.社外の地域の専門医療機関
    • イ.衛生管理者
    • ウ.人事労務管理スタッフ
    • エ.産業医

    正解:ア.社外の地域の専門医療機関

    解説:産業医・保健師・衛生管理者・人事労務管理スタッフ等が担い手となる。社外の地域専門機関は事業場外資源によるケアに分類される。

  112. 問112.「事業場外資源によるケア」に該当するものとして最も適切なものはどれか。

    • ア.上司による部下の相談対応
    • イ.社内の産業医による面談
    • ウ.外部EAP機関や地域の専門機関の活用
    • エ.労働者本人のストレス対処

    正解:ウ.外部EAP機関や地域の専門機関の活用

    解説:事業場外資源によるケアは、外部のEAP機関、地域の医療機関、行政機関などの社外資源を活用するケアである。

  113. 問113.管理監督者が4つのケアの中で果たすべき役割として、最も適切なものはどれか。

    • ア.職場環境の改善と部下の相談対応
    • イ.労働者自身のストレス対処法の実践
    • ウ.専門的な診断と治療の実施
    • エ.外部機関との契約締結のみ

    正解:ア.職場環境の改善と部下の相談対応

    解説:管理監督者は職場環境等の改善と、部下からの相談対応、すなわちラインによるケアを担う中心的存在である。

  114. 問114.「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(メンタルヘルス指針)が策定された年として正しいものはどれか。

    • ア.2000年
    • イ.2006年
    • ウ.2010年
    • エ.2015年

    正解:イ.2006年

    解説:同指針は2006年(平成18年)に策定され、2015年に改正された。

  115. 問115.心の健康づくり計画の策定に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.事業者が衛生委員会等での審議を踏まえて策定する
    • イ.策定は法的に禁止されている
    • ウ.労働者個人がそれぞれ独自に策定する
    • エ.外部機関が一方的に策定し企業に通知する

    正解:ア.事業者が衛生委員会等での審議を踏まえて策定する

    解説:心の健康づくり計画は事業者が策定するもので、衛生委員会等で十分な調査審議を行い、事業場の実態に即して進めることが求められる。

  116. 問116.安全配慮義務の根拠となる法律と条文として正しいものはどれか。

    • ア.労働基準法第36条
    • イ.民法第90条
    • ウ.労働安全衛生法第1条
    • エ.労働契約法第5条

    正解:エ.労働契約法第5条

    解説:安全配慮義務は労働契約法第5条に明文化されており、使用者は労働者の生命・身体等の安全を確保するよう配慮する義務を負う。

  117. 問117.労働契約法第5条が定める安全配慮義務の内容として、最も適切なものはどれか。

    • ア.労働者に高い賃金を支払う義務
    • イ.労働者の生命・身体等の安全を確保するよう配慮する義務
    • ウ.労働者を必ず正社員として雇用する義務
    • エ.労働者の私生活を監督する義務

    正解:イ.労働者の生命・身体等の安全を確保するよう配慮する義務

    解説:使用者は労働契約に伴い、労働者がその生命・身体等の安全を確保しつつ労働できるよう必要な配慮をする義務を負う。

  118. 問118.安全配慮義務における「予見可能性」と「結果回避義務」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.予見可能性は問われず結果のみで判断される
    • イ.予見可能性があれば結果回避は不要となる
    • ウ.結果回避義務は労働者本人のみが負う
    • エ.予見できた危険を回避する措置を講じたかが問われる

    正解:エ.予見できた危険を回避する措置を講じたかが問われる

    解説:安全配慮義務違反の判断では、損害発生を予見できたか(予見可能性)と、予見できた損害を回避する措置を取ったか(結果回避義務)が問われる。

  119. 問119.使用者責任(民法)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.使用者が被用者の選任・監督に相当の注意をしても免責されることはない
    • イ.使用者は、被用者が事業の執行について第三者に加えた損害の賠償責任を負う
    • ウ.賠償した使用者が被用者に求償するには、被用者の同意を得る必要がある
    • エ.使用者責任は、被用者が事業の執行と関係なく私的に加えた損害にも及ぶ

    正解:イ.使用者は、被用者が事業の執行について第三者に加えた損害の賠償責任を負う

    解説:使用者責任は民法715条の定めで、事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負い、職場のハラスメントなどでも問題になる。ただし、使用者が被用者の選任と事業の監督について相当の注意をしたとき、または相当の注意をしても損害が生じたであろうときは責任を負わないので「免責されることはない」は誤りで、責任を負うのは事業の執行についての損害に限られ、事業と関係のない私的な加害には及ばない。賠償した使用者は被用者に求償でき(同条3項)、その行使に被用者の同意は求められていない。

    根拠: 民法(明治29年法律第89号、2026-06-24 施行版) 第715条第1項(使用者責任・「その事業の執行について」・ただし書の免責)、第3項(被用者への求償権の行使を妨げない) (出典: e-Gov法令検索)

  120. 問120.メンタルヘルス不調による労働災害(労災)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.業務による強い心理的負荷が原因と認められれば労災の対象となりうる
    • イ.精神障害は労災の対象に一切ならない
    • ウ.労災認定は身体的な負傷のみが対象である
    • エ.メンタルヘルス不調はすべて私傷病として扱われる

    正解:ア.業務による強い心理的負荷が原因と認められれば労災の対象となりうる

    解説:業務による強い心理的負荷が原因と認められれば、精神障害も労災認定の対象となりうる。

  121. 問121.企業がメンタルヘルス対策に取り組む意義に関する記述として、最も適切でないものはどれか。

    • ア.労働者の健康保持と生産性の維持・向上につながる
    • イ.企業の社会的責任(CSR)の観点から重要である
    • ウ.単に企業のコストを増やすためだけに行う
    • エ.訴訟リスクなどの法的リスクの低減につながる

    正解:ウ.単に企業のコストを増やすためだけに行う

    解説:メンタルヘルス対策は生産性向上やリスク管理の観点から重要であり、コスト増だけが目的という捉え方は不適切である。

  122. 問122.企業の社会的責任(CSR)とメンタルヘルスの関係に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.CSRは環境問題のみを対象とする概念である
    • イ.CSRとメンタルヘルスは全く無関係である
    • ウ.労働者の健康配慮はCSRの一環として位置づけられる
    • エ.メンタルヘルス対策はCSR上むしろマイナス評価となる

    正解:ウ.労働者の健康配慮はCSRの一環として位置づけられる

    解説:労働者の健康への配慮は企業の社会的責任の一環として位置づけられ、ステークホルダーからの評価にも影響する。

  123. 問123.ワークライフバランスに関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.仕事と生活の調和を図る考え方であり過重労働防止にも資する
    • イ.長時間労働を推奨する考え方である
    • ウ.仕事を犠牲にして私生活を優先することのみを指す
    • エ.管理監督者には無関係な概念である

    正解:ア.仕事と生活の調和を図る考え方であり過重労働防止にも資する

    解説:ワークライフバランスは、仕事と生活の調和を図る考え方であり、過重労働の防止やメンタルヘルスの保持にも資する。

  124. 問124.「健康経営」の考え方に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.管理監督者を排除する経営手法
    • イ.健康診断を廃止する経営方針
    • ウ.利益のみを最優先し健康は考慮しない経営
    • エ.従業員の健康を経営的視点で捉え戦略的に取り組む考え方

    正解:エ.従業員の健康を経営的視点で捉え戦略的に取り組む考え方

    解説:健康経営は、従業員の健康保持・増進を経営的視点で捉え、戦略的に取り組む考え方である。

  125. 問125.過重労働による健康障害防止対策に関連する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.長時間労働と健康障害には関連がない
    • イ.労働時間の把握は不要である
    • ウ.長時間労働者に対する医師による面接指導等の対策が求められる
    • エ.過重労働対策は法令上求められていない

    正解:ウ.長時間労働者に対する医師による面接指導等の対策が求められる

    解説:長時間労働は脳・心臓疾患やメンタルヘルス不調のリスクを高めるため、労働時間の適正把握と長時間労働者への医師面接指導等の対策が求められる。

  126. 問126.労働安全衛生法に基づき事業者に課される義務の概要として、最も適切なものはどれか。

    • ア.賃金を毎年引き上げる義務
    • イ.労働者を必ず昇進させる義務
    • ウ.労働者の安全と健康を確保するための措置を講じる義務
    • エ.労働者の趣味を管理する義務

    正解:ウ.労働者の安全と健康を確保するための措置を講じる義務

    解説:労働安全衛生法は、労働者の安全と健康を確保するため、事業者に各種の措置義務を課している。

  127. 問127.過労死等防止対策推進法が定める「過労死等」に含まれないものはどれか。

    • ア.業務における過重な負荷による脳血管疾患を原因とする死亡
    • イ.業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡
    • ウ.業務中の転落事故による負傷を原因とする死亡
    • エ.業務における過重な負荷による心臓疾患(死亡に至らないもの)

    正解:ウ.業務中の転落事故による負傷を原因とする死亡

    解説:過労死等防止対策推進法2条は「過労死等」を、業務における過重な負荷による脳血管疾患・心臓疾患を原因とする死亡、業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡、またはこれらの脳血管疾患・心臓疾患・精神障害と定めている。死亡に至らない疾患も含まれるが、事故による負傷は含まれない。

  128. 問128.部下の「いつもと違う」変化に気づくことの意義に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.変化への気づきは産業医のみの役割である
    • イ.変化に気づいても何の意味もない
    • ウ.変化に気づいたら直ちに解雇すべきである
    • エ.変化への気づきは不調の早期発見・早期対応につながる

    正解:エ.変化への気づきは不調の早期発見・早期対応につながる

    解説:管理監督者が部下の普段との違いに早期に気づくことは、メンタルヘルス不調の早期発見・早期対応につながる。

  129. 問129.職場環境等の改善に関する管理監督者の役割として、最も適切なものはどれか。

    • ア.職場環境の問題は無視してよい
    • イ.職場環境の問題点を把握し改善に努める
    • ウ.職場環境改善は労働者個人の責任である
    • エ.職場環境は改善してはならない

    正解:イ.職場環境の問題点を把握し改善に努める

    解説:管理監督者は、業務量や人間関係、職場の物理的環境など職場環境の問題点を把握し改善に努める役割を担う。

  130. 問130.精神障害等に関する労災請求件数の近年の傾向として、最も適切なものはどれか。

    • ア.大きく減少している
    • イ.増加傾向にある
    • ウ.ほぼゼロである
    • エ.統計が存在しない

    正解:イ.増加傾向にある

    解説:精神障害等に関する労災請求件数は近年増加傾向にあり、メンタルヘルス対策の重要性が高まっている。

  131. 問131.ラインによるケアにおいて、管理監督者が部下から相談を受けた際の対応として、最も適切なものはどれか。

    • ア.話を傾聴し必要に応じて専門スタッフへつなぐ
    • イ.自ら診断名を告げて治療を指示する
    • ウ.相談には一切応じない
    • エ.相談内容を本人の同意なく全社に公表する

    正解:ア.話を傾聴し必要に応じて専門スタッフへつなぐ

    解説:管理監督者は部下の話を傾聴し、必要に応じて産業保健スタッフや専門機関へ適切につなぐ役割を担う。

  132. 問132.メンタルヘルスケアを進めるうえでの「一次予防」に該当するものとして、最も適切なものはどれか。

    • ア.発症した不調者の早期発見
    • イ.不調を未然に防ぐための職場環境改善
    • ウ.休職者の職場復帰支援
    • エ.重症化した労働者の治療

    正解:イ.不調を未然に防ぐための職場環境改善

    解説:一次予防は不調を未然に防ぐ取り組みであり、職場環境改善やストレスチェックによる気づきの促進などが含まれる。

  133. 問133.メンタルヘルスケアにおける「二次予防」に該当するものとして、最も適切なものはどれか。

    • ア.不調の早期発見と適切な対応
    • イ.ストレス要因のそもそもの除去
    • ウ.職場復帰支援とリハビリテーション
    • エ.不調を未然に防ぐ職場環境改善

    正解:ア.不調の早期発見と適切な対応

    解説:二次予防は、メンタルヘルス不調を早期に発見し適切な対応を図る取り組みである。

  134. 問134.メンタルヘルスケアにおける「三次予防」に該当するものとして、最も適切なものはどれか。

    • ア.休業者の職場復帰支援と再発防止
    • イ.不調の早期発見
    • ウ.不調を未然に防ぐ取り組み
    • エ.採用時の適性検査の実施

    正解:ア.休業者の職場復帰支援と再発防止

    解説:三次予防は、メンタルヘルス不調により休業した労働者の職場復帰支援や再発防止を図る取り組みである。

  135. 問135.管理監督者が部下のプライバシーを扱う際の基本姿勢として、最も適切なものはどれか。

    • ア.健康情報は自由に第三者へ提供してよい
    • イ.健康情報の取り扱いに配慮は不要である
    • ウ.健康情報はすべて社内掲示板で共有する
    • エ.健康情報は機微な個人情報として適正に取り扱う

    正解:エ.健康情報は機微な個人情報として適正に取り扱う

    解説:健康情報は機微な個人情報であり、目的に沿って適正に取り扱い、本人の同意や必要な範囲での共有に配慮する必要がある。

  136. 問136.メンタルヘルス対策が企業にもたらすリスクマネジメント上の意義として、最も適切なものはどれか。

    • ア.法的リスクとは無関係である
    • イ.訴訟リスクをむしろ高める
    • ウ.安全配慮義務違反等の法的リスクの低減に資する
    • エ.リスクとは全く関係がない

    正解:ウ.安全配慮義務違反等の法的リスクの低減に資する

    解説:適切なメンタルヘルス対策は、安全配慮義務違反による民事訴訟や労災といった法的リスクの低減に資する。

  137. 問137.心の健康づくり計画に盛り込むべき事項として、最も適切でないものはどれか。

    • ア.事業者によるメンタルヘルスケアの方針の表明
    • イ.不調が疑われる特定個人の解雇方針
    • ウ.教育研修・情報提供の実施
    • エ.メンタルヘルスケアを推進する体制の整備

    正解:イ.不調が疑われる特定個人の解雇方針

    解説:心の健康づくり計画には、方針の表明や体制整備、4つのケアの推進、教育研修等が含まれる。特定個人の解雇方針は適切な計画事項ではない。

  138. 問138.管理監督者が自身の役割を果たすうえで重要な前提として、最も適切なものはどれか。

    • ア.管理監督者はストレスとは無縁である
    • イ.管理監督者は部下のケアのみに専念し自分の健康は無視すべき
    • ウ.管理監督者は健康管理を考える必要がない
    • エ.管理監督者自身もセルフケアに目を向けることが重要である

    正解:エ.管理監督者自身もセルフケアに目を向けることが重要である

    解説:管理監督者自身もストレスを抱える存在であり、まず自らの健康(セルフケア)にも目を向けることが重要である。

  139. 問139.ハラスメントとメンタルヘルスの関係に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.ハラスメントはメンタルヘルスと無関係である
    • イ.ハラスメントはメンタルヘルス不調の要因となりうる
    • ウ.ハラスメントは管理監督者が関与しなくてよい
    • エ.ハラスメントは個人の問題で企業に責任はない

    正解:イ.ハラスメントはメンタルヘルス不調の要因となりうる

    解説:職場のハラスメントはメンタルヘルス不調の重要な要因となりうるため、管理監督者は防止に努める必要がある。

  140. 問140.事業場におけるメンタルヘルスケアを効果的に進めるための基本的な考え方として、最も適切なものはどれか。

    • ア.セルフケアのみを単独で行えばよい
    • イ.4つのケアが継続的・計画的に連携して行われる
    • ウ.ラインによるケアだけで十分である
    • エ.外部機関にすべて丸投げすればよい

    正解:イ.4つのケアが継続的・計画的に連携して行われる

    解説:4つのケアが継続的かつ計画的に、相互に連携しながら行われることが効果的なメンタルヘルスケアの基本である。

  141. 問141.労働基準法に基づく事業者の義務に関連する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.労働時間に関する規制は存在しない
    • イ.賃金の上限のみを定めている
    • ウ.管理監督者にのみ適用される法律である
    • エ.労働時間・休憩・休日等の最低基準を定めている

    正解:エ.労働時間・休憩・休日等の最低基準を定めている

    解説:労働基準法は労働時間や休憩・休日などの労働条件の最低基準を定めており、過重労働防止の基盤となる。

  142. 問142.管理監督者が部下のメンタルヘルス不調に気づいた場合の初期対応として、最も適切なものはどれか。

    • ア.気づかなかったことにする
    • イ.本人に黙って家族に通報する
    • ウ.直ちに退職を勧める
    • エ.話を聴いたうえで産業保健スタッフ等につなぐ

    正解:エ.話を聴いたうえで産業保健スタッフ等につなぐ

    解説:まずは話を聴き、必要に応じて産業医や保健師などの産業保健スタッフ、専門機関につなぐことが適切である。

  143. 問143.メンタルヘルス不調の予防における職場環境改善の意義として、最も適切なものはどれか。

    • ア.ストレス要因の改善は不調の発生抑制に資する
    • イ.職場環境は労働者個人が改善すべきである
    • ウ.職場環境改善は不調の予防に役立たない
    • エ.職場環境改善は法令で禁止されている

    正解:ア.ストレス要因の改善は不調の発生抑制に資する

    解説:過大な業務量や人間関係の問題など職場環境のストレス要因を改善することは、一次予防として不調の発生を抑えることに資する。

  144. 問144.労働安全衛生法第66条の8の3により、事業者が労働時間の状況を把握しなければならない対象について、正しいものはどれか。

    • ア.労働基準法上の管理監督者も対象に含まれる
    • イ.時間外労働が月45時間を超えた労働者に限られる
    • ウ.裁量労働制が適用される労働者は対象から除かれる
    • エ.正社員に限られ、パートタイム労働者は除かれる

    正解:ア.労働基準法上の管理監督者も対象に含まれる

    解説:同条は、面接指導を実施するため、高度プロフェッショナル制度の対象者(66条の8の4第1項)を除く労働者の労働時間の状況を把握することを事業者に義務づけている。労働基準法41条の管理監督者や裁量労働制の適用者も対象となる。把握はタイムカードやパソコンの使用時間の記録等の客観的な方法その他の適切な方法による(安衛則52条の7の3)。

  145. 問145.「労働者の心の健康の保持増進のための指針」が改正された年として正しいものはどれか。

    • ア.2008年
    • イ.2012年
    • ウ.2020年
    • エ.2015年

    正解:エ.2015年

    解説:同指針は2006年に策定され、2015年に改正された。

  146. 問146.労働基準法第36条に基づく時間外労働の「限度時間」(原則)として正しいものはどれか。

    • ア.1か月30時間・1年300時間
    • イ.1か月45時間・1年360時間
    • ウ.1か月60時間・1年480時間
    • エ.1か月80時間・1年960時間

    正解:イ.1か月45時間・1年360時間

    解説:労働基準法36条4項は限度時間を1か月45時間・1年360時間と定める(対象期間が3か月を超える1年単位の変形労働時間制では42時間・320時間)。臨時的な特別の事情がある場合でも、時間外・休日労働は1か月100時間未満、時間外労働は年720時間以内などの上限がある(同条5項・6項)。

  147. 問147.メンタルヘルスケアにおける「教育研修・情報提供」の意義として、最も適切なものはどれか。

    • ア.情報提供は労働者を不安にさせるため避けるべき
    • イ.教育研修は不要で時間の無駄である
    • ウ.教育研修は4つのケアを進める基盤として重要である
    • エ.教育研修は管理監督者には不要である

    正解:ウ.教育研修は4つのケアを進める基盤として重要である

    解説:管理監督者や労働者への教育研修・情報提供は、4つのケアを適切に進めるための基盤であり、指針でも推進が求められている。

  148. 問148.事業者がメンタルヘルスケアを推進する体制整備に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.体制整備は不要で個人任せでよい
    • イ.体制整備は外部に丸投げすればよい
    • ウ.衛生委員会等の活用など組織的な推進体制が求められる
    • エ.体制は一度作れば見直す必要はない

    正解:ウ.衛生委員会等の活用など組織的な推進体制が求められる

    解説:衛生委員会等の活用や産業保健スタッフの確保など、組織的・継続的に推進する体制づくりが求められる。

  149. 問149.管理監督者が職場のメンタルヘルス対策で果たす「キーパーソン」としての位置づけに関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.管理監督者の役割は限定的で重要ではない
    • イ.部下と接する立場にありラインケアの要として重要である
    • ウ.対策の中心は常に外部機関である
    • エ.管理監督者は対策に関与すべきでない

    正解:イ.部下と接する立場にありラインケアの要として重要である

    解説:管理監督者は部下と日常的に接し職場環境を把握できる立場にあり、ラインによるケアの要(キーパーソン)として重要な役割を担う。

  150. 問150.安全配慮義務違反に基づく損害賠償請求に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.業務で労働者に損害が生じれば、使用者に帰責事由がなくても債務不履行の賠償責任を負う
    • イ.安全配慮義務は労働契約法に定められ、違反した使用者は同法の罰則によって処罰される
    • ウ.義務違反と損害との間に因果関係が認められれば、使用者は損害賠償責任を問われうる
    • エ.書面の労働契約を結んでいない労働者に対しては、使用者は安全配慮義務を負わない

    正解:ウ.義務違反と損害との間に因果関係が認められれば、使用者は損害賠償責任を問われうる

    解説:労働契約法5条は、使用者は労働契約に伴い、労働者が生命、身体等の安全を確保しつつ労働できるよう必要な配慮をするものとすると定める。この義務に違反し、因果関係のある損害が生じれば、使用者は債務不履行(民法415条)による損害賠償責任を問われうる。ただし、債務者の責めに帰することができない事由によるときは賠償責任を負わない(同条1項ただし書)。労働契約法には罰則の規定が無く、違反は民事上の責任の問題になる。労働契約は書面が無くても合意で成立する(同法6条)ので、書面の有無で義務は無くならない。

    根拠: 労働契約法(平成十九年法律第百二十八号) 第5条 / 労働契約法(平成十九年法律第百二十八号) 第6条 / 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第415条 (出典: e-Gov法令検索)

  151. 問151.過重労働による健康障害を防止するうえで、管理監督者に求められる視点として、最も適切なものはどれか。

    • ア.部下の労働時間や業務負荷を把握し是正する視点
    • イ.部下の労働時間には関心を持たない
    • ウ.業務負荷は多いほどよいという視点
    • エ.健康より成果のみを重視する視点

    正解:ア.部下の労働時間や業務負荷を把握し是正する視点

    解説:管理監督者は部下の労働時間や業務負荷を把握し、過重な状態を是正する視点を持つことが求められる。

  152. 問152.メンタルヘルス対策を企業活動の中に位置づける考え方として、最も適切なものはどれか。

    • ア.人材確保や生産性に関わる経営課題として位置づける
    • イ.コストとしてのみ捉え削減対象とする
    • ウ.経営とは無関係な福利厚生の余興である
    • エ.法令対応のためだけの形式的な取り組みである

    正解:ア.人材確保や生産性に関わる経営課題として位置づける

    解説:メンタルヘルス対策は人材の確保・定着や生産性、企業イメージにも関わり、経営課題として位置づけることが望ましい。

  153. 問153.厚生労働省の「心理的負荷による精神障害の認定基準」で、業務による強い心理的負荷が認められるかを評価する対象期間として正しいものはどれか。

    • ア.発病前おおむね1年間
    • イ.発病前おおむね6か月の間
    • ウ.発病前おおむね3年間
    • エ.発病後おおむね6か月の間

    正解:イ.発病前おおむね6か月の間

    解説:認定基準(令和5年9月1日 基発0901第2号)の認定要件は、①対象疾病を発病していること、②発病前おおむね6か月の間に業務による強い心理的負荷が認められること、③業務以外の心理的負荷及び個体側要因により発病したとは認められないこと、の3つである。

  154. 問154.企業がメンタルヘルス不調を放置した場合に生じうる影響として、最も適切でないものはどれか。

    • ア.生産性の低下
    • イ.休職・離職の増加
    • ウ.企業イメージの向上
    • エ.法的リスクの増大

    正解:ウ.企業イメージの向上

    解説:放置は生産性低下、休職・離職の増加、法的リスクの増大などを招きうる。企業イメージの向上は放置の結果ではない。

  155. 問155.メンタルヘルスケアにおいて「事業場外資源」を活用する利点として、最も適切なものはどれか。

    • ア.社外資源は専門的知識がなく利点はない
    • イ.活用すると必ず情報が漏えいする
    • ウ.専門的な知識・技術による支援を受けられる
    • エ.社内対応より常に劣る

    正解:ウ.専門的な知識・技術による支援を受けられる

    解説:外部の専門機関は専門的な知識・技術を有し、社内では対応が難しいケースに専門的支援を提供できる利点がある。

  156. 問156.管理監督者が部下の不調に気づいた際、産業医や保健師につなぐことの意義として、最も適切なものはどれか。

    • ア.管理監督者が自ら診断すべきなので意味がない
    • イ.専門的な判断・対応につなげることができる
    • ウ.つなぐと部下の評価が下がるので避けるべき
    • エ.つなぐ行為は法令違反である

    正解:イ.専門的な判断・対応につなげることができる

    解説:医学的・専門的な判断や対応は産業保健スタッフが担うため、適切に橋渡しすることで専門的支援につなげられる。

  157. 問157.「心の健康づくり計画」を実効性あるものとするうえで重要な点として、最も適切なものはどれか。

    • ア.実施状況を評価し継続的に改善していくことが重要である
    • イ.計画は形式的に作成すればよい
    • ウ.評価や見直しはむしろ有害である
    • エ.一度策定すれば見直しは不要である

    正解:ア.実施状況を評価し継続的に改善していくことが重要である

    解説:計画は策定して終わりではなく、実施状況を評価し継続的に改善(PDCA)していくことが重要である。

  158. 問158.管理監督者がメンタルヘルスに関する正しい知識を持つことの意義として、最も適切なものはどれか。

    • ア.知識は不要で経験のみで対応すればよい
    • イ.偏見によらず適切に対応する基盤となる
    • ウ.知識を持つとかえって対応が難しくなる
    • エ.知識は専門職のみが持てばよい

    正解:イ.偏見によらず適切に対応する基盤となる

    解説:正しい知識は、偏見によらず適切に部下に対応し、早期発見・早期対応や職場環境改善を進める基盤となる。

  159. 問159.「労働者の心の健康の保持増進のための指針」が、事業者がメンタルヘルスケアを進めるうえで留意すべきこととして示している内容として、最も適切なものはどれか。

    • ア.心の健康は客観的な測定方法が確立しており、定期の検査で全員を評価できる
    • イ.家庭など職場外の問題は私生活に属するので、職場の要因に絞って対応する
    • ウ.心の健康は職場配置や人事異動などと関係が深く、人事労務管理と連携して進める
    • エ.心の健康は誰にでも関わる問題なので、関連する情報は一般の個人情報と同じに扱う

    正解:ウ.心の健康は職場配置や人事異動などと関係が深く、人事労務管理と連携して進める

    解説:指針は、メンタルヘルスケアを進めるうえで留意すべき事項として、心の健康問題の特性、個人情報の保護への配慮、人事労務管理との関係、家庭・個人生活等の職場以外の問題を挙げている。心の健康は職場配置・人事異動・職場の組織などの影響を大きく受け、人事労務管理と連携しなければ適切に進まない場合が多い。心の健康は客観的な測定方法が十分確立していない。職場外のストレス要因が影響している場合も多い。また、健康情報を含む個人情報として特に適切な保護が求められる。

    根拠: 厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」 PDF 2ページ 2 メンタルヘルスケアの基本的考え方の留意事項(①心の健康問題の特性=客観的な測定方法が十分確立していない、②個人情報の保護への配慮、③人事労務管理との関係、④家庭・個人生活等の職場以外の問題)、7 メンタルヘルスに関する個人情報の保護への配慮(健康情報を含み特に適切に保護)

  160. 問160.管理監督者が部下のメンタルヘルスに関わるうえで持つべき態度として、最も適切でないものはどれか。

    • ア.部下の変化に関心を持ち観察する
    • イ.不調を本人の甘えと決めつけて対応しない
    • ウ.必要時に産業保健スタッフへ相談する
    • エ.職場環境の改善に取り組む

    正解:イ.不調を本人の甘えと決めつけて対応しない

    解説:不調を本人の甘えと決めつけて対応しない態度は不適切であり、偏見を排し適切に支援する姿勢が求められる。

  161. 問161.職場におけるストレス要因のうち、いわゆる「作業内容および方法」に分類される要因として最も適切なものはどれか。

    • ア.上司・同僚からの支援が乏しい
    • イ.照明や騒音などの物理的環境が悪い
    • ウ.仕事の自由度や裁量権が小さい
    • エ.昇進・昇格をめぐる不公平感

    正解:ウ.仕事の自由度や裁量権が小さい

    解説:作業内容・方法に関する要因には、仕事の負荷が大きすぎる・少なすぎる、長時間労働や休憩の少なさ、仕事の役割や責任が不明確、自由度・裁量権が小さい、技能や創造性を生かす機会が少ないなどが含まれる。

  162. 問162.職場環境がメンタルヘルスに与える影響に関する記述として、最も適切でないものはどれか。

    • ア.職場環境には作業環境・作業方法・人間関係・組織など幅広い要因が含まれる
    • イ.職場環境とは温熱・照明・騒音などの物理的環境のみを指す
    • ウ.ストレス要因は単独ではなく複合的に作用して健康に影響する
    • エ.職場環境の改善はメンタルヘルス不調の一次予防につながる

    正解:イ.職場環境とは温熱・照明・騒音などの物理的環境のみを指す

    解説:職場環境は物理的環境だけでなく、人間関係・組織・労働時間・役割など広範な要因を含み、心身の健康に大きく影響する。物理的環境のみに限定する考え方は適切でない。

  163. 問163.仕事のストレス要因のうち「物理化学的な作業環境」に分類されるものとして最も適切なものはどれか。

    • ア.職場の人間関係の対立
    • イ.役割や責任の不明確さ
    • ウ.仕事の量的負荷の大きさ
    • エ.騒音や温熱などの環境条件

    正解:エ.騒音や温熱などの環境条件

    解説:作業環境要因には、温熱・照明・騒音・振動・換気・有害物質などの物理化学的環境が含まれる。人間関係や役割の不明確さは別の要因群に分類される。

  164. 問164.職業性ストレス簡易調査票に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.仕事のストレス要因・心身のストレス反応・周囲のサポートを測定できる
    • イ.項目数は120項目で、回答に1時間程度を要する
    • ウ.うつ病の診断を確定するための医学的検査である
    • エ.特定の業種のみで使用が認められている

    正解:ア.仕事のストレス要因・心身のストレス反応・周囲のサポートを測定できる

    解説:職業性ストレス簡易調査票は57項目から構成され、仕事のストレス要因・心身のストレス反応・周囲のサポートの3領域を測定できる。短時間で回答でき、あらゆる業種で利用可能である。

  165. 問165.ストレスチェック結果の集団ごとの集計・分析について、労働安全衛生規則上の位置づけとして正しいものはどれか。

    • ア.常時50人以上の事業場では実施が義務とされている
    • イ.対象労働者一人ひとりの同意がなければ実施できない
    • ウ.事業者の努力義務とされている
    • エ.管理監督者が自ら集計して行うこととされている

    正解:ウ.事業者の努力義務とされている

    解説:安衛則52条の14は、事業者は検査を行った医師等に結果を一定規模の集団ごとに集計・分析させるよう努め、その結果を勘案して必要な措置を講ずるよう努めなければならないと定めている(努力義務)。集団の結果は個人の結果ではないため、原則として個人の同意は不要とされる(ストレスチェック指針)。

  166. 問166.職業性ストレス簡易調査票の項目数として、最も適切なものはどれか。

    • ア.23項目
    • イ.57項目
    • ウ.80項目
    • エ.100項目

    正解:イ.57項目

    解説:職業性ストレス簡易調査票は57項目から構成される標準的な質問票である。

  167. 問167.ストレスチェック制度における集団分析(集団ごとの分析)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.集団分析は個人ごとの結果を上司に通知する仕組みである
    • イ.少人数でも個人が特定されないので人数の配慮は不要である
    • ウ.集団分析は労働者全員に対し義務として課されている
    • エ.部署など集団ごとに集計し職場環境改善に活用する

    正解:エ.部署など集団ごとに集計し職場環境改善に活用する

    解説:集団分析は、部署など一定規模の集団ごとにストレスチェック結果を集計・分析し、職場環境改善に活用する手法である。個人が特定されないよう一定人数以上の集団で行うのが原則で、実施は努力義務とされている。

  168. 問168.ストレスチェックの集団分析を職場環境改善に活用する際の留意点として、最も適切でないものはどれか。

    • ア.良好な集団の取り組みを他部署の参考にする
    • イ.結果をもとに具体的な職場環境改善策を検討する
    • ウ.少人数集団では個人特定のおそれに配慮する
    • エ.評価が低い集団を見つけて担当者を処分する材料に使う

    正解:エ.評価が低い集団を見つけて担当者を処分する材料に使う

    解説:集団分析は人数の少ない集団では個人が特定されるおそれがあるため、原則として一定人数(おおむね10人程度)以上の集団で実施する。結果は職場環境改善に活用し、評価が低い集団を非難する目的で使ってはならない。

  169. 問169.カラセック(Karasek)が提唱した「仕事の量-コントロールモデル(デマンド・コントロールモデル)」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.仕事の要求度が低く裁量度が高い場合に最もストレスが高い
    • イ.賃金と労働時間のみでストレスの大小が決まる
    • ウ.仕事の要求度が高く裁量度が低い場合に最もストレスが高い
    • エ.裁量度はストレスとは無関係である

    正解:ウ.仕事の要求度が高く裁量度が低い場合に最もストレスが高い

    解説:デマンド・コントロールモデルでは、仕事の要求度(量的負荷)が高く、かつ自分でコントロールできる裁量度が低い「高ストレイン」状態でストレスが高まり健康リスクが上昇するとされる。

  170. 問170.デマンド・コントロールモデルに、後に追加された第3の要素として最も適切なものはどれか。

    • ア.給与水準
    • イ.社会的支援(ソーシャルサポート)
    • ウ.通勤時間
    • エ.年齢構成

    正解:イ.社会的支援(ソーシャルサポート)

    解説:カラセックのモデルにジョンソンらが「社会的支援(ソーシャルサポート)」を加え、要求度が高く裁量度が低く、さらに社会的支援が乏しい状況で最も健康リスクが高いとされた(仕事の要求度-コントロール-サポートモデル)。

  171. 問171.シーグリスト(Siegrist)の「努力-報酬不均衡モデル」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.努力に見合う報酬が得られないとストレスが高まる
    • イ.報酬が高ければ努力の大きさは健康に影響しない
    • ウ.報酬とは賃金のみを指す
    • エ.努力が小さいほどストレスが大きくなる

    正解:ア.努力に見合う報酬が得られないとストレスが高まる

    解説:努力-報酬不均衡モデルでは、仕事で費やす努力に対して得られる報酬(賃金・尊重・地位の安定やキャリア機会など)が見合わない状態が続くとストレス反応が高まり健康障害のリスクが上がるとされる。

  172. 問172.努力-報酬不均衡モデルにおける「報酬」に含まれるものとして、最も適切でないものはどれか。

    • ア.賃金などの金銭的報酬
    • イ.周囲からの尊重や評価
    • ウ.オフィスの照明や空調の状態
    • エ.昇進などキャリア上の機会

    正解:ウ.オフィスの照明や空調の状態

    解説:このモデルの報酬には、(1)金銭(賃金)、(2)尊重(承認・評価)、(3)地位の安定・キャリア機会(昇進・雇用の安定)の3つが含まれる。仕事の物理的環境は報酬には含まれない。

  173. 問173.職場環境改善をPDCAサイクルで進める場合、「Plan(計画)」の段階で行うこととして最も適切なものはどれか。

    • ア.改善策を現場で実行する
    • イ.改善活動の効果を測定・評価する
    • ウ.集団分析結果を踏まえ改善計画を立てる
    • エ.評価結果を踏まえて次の改善につなげる

    正解:ウ.集団分析結果を踏まえ改善計画を立てる

    解説:Plan段階では、ストレスチェックの集団分析結果や職場の状況を評価して問題点を把握し、改善目標と具体的な改善計画を立てる。実行・評価・見直しは後続の段階に当たる。

  174. 問174.職場環境改善のPDCAサイクルにおいて、「Check(評価)」の段階に該当する活動はどれか。

    • ア.改善計画を立案する
    • イ.改善策を実行に移す
    • ウ.改善内容を標準化し次に展開する
    • エ.改善活動の効果を点検・評価する

    正解:エ.改善活動の効果を点検・評価する

    解説:Check段階では、実施した改善活動が計画どおり進んだか、ストレス状況や指標が改善したかを評価する。計画立案はPlan、実行はDo、見直し・標準化はActに該当する。

  175. 問175.参加型の職場環境改善の特徴として、最も適切なものはどれか。

    • ア.専門家のみが調査して一方的に改善策を指示する
    • イ.経営層だけで方針を決め現場には知らせない
    • ウ.現場の従業員が参加して改善策を検討・決定する
    • エ.個人のストレス耐性の強化のみを目的とする

    正解:ウ.現場の従業員が参加して改善策を検討・決定する

    解説:参加型職場環境改善は、その職場で働く従業員自身が話し合いに参加し、自分たちの職場の良い点や改善点を出し合って実行可能な改善策を決める手法である。当事者が参加することで実効性と納得性が高まる。

  176. 問176.「メンタルヘルスアクションチェックリスト(職場環境改善のためのヒント集)」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.うつ病のスクリーニングを行う心理検査である
    • イ.長時間労働者の医師面接の判定基準である
    • ウ.管理監督者の人事評価に用いる査定表である
    • エ.職場環境改善のための具体的な改善視点を集めたヒント集である

    正解:エ.職場環境改善のための具体的な改善視点を集めたヒント集である

    解説:メンタルヘルスアクションチェックリストは、現場ですぐに使える職場環境改善のアイデアを領域別に整理したツールで、参加型の職場環境改善の話し合いで改善のヒントを得るために用いられる。

  177. 問177.メンタルヘルスアクションチェックリストの使い方として、最も適切なものはどれか。

    • ア.従業員の参加型討議で改善アイデアを引き出すために使う
    • イ.できていない項目を数えて職場を評価・採点する
    • ウ.個人のストレス得点を算出するために使う
    • エ.産業医が診断を下すための問診票として使う

    正解:ア.従業員の参加型討議で改善アイデアを引き出すために使う

    解説:アクションチェックリストは、できていない点の指摘ではなく、現場で実行可能な改善のアイデアを引き出すために用いる。参加型の話し合いで従業員が改善提案を出す手助けとなる。

  178. 問178.管理監督者が日常的に行う職場環境の評価方法として、最も適切なものはどれか。

    • ア.年に一度の健康診断結果のみで判断する
    • イ.日常的な観察やコミュニケーションを通じて把握する
    • ウ.部下からの自己申告がない限り何もしない
    • エ.ストレスチェックの個人結果を本人の同意なく閲覧する

    正解:イ.日常的な観察やコミュニケーションを通じて把握する

    解説:管理監督者は、日常の業務指示や面談、職場の観察を通じて、部下の業務量・労働時間・人間関係・表情や言動の変化などを把握し、職場環境やストレス状況を評価することが期待される。

  179. 問179.ストレスチェック指針で、集団ごとの集計・分析の結果を実施者が事業者に提供する際、対象となる全ての労働者の同意を得ない限り提供してはならないとされる集団の規模はどれか。

    • ア.5人を下回る集団
    • イ.10人を下回る集団
    • ウ.20人を下回る集団
    • エ.30人を下回る集団

    正解:イ.10人を下回る集団

    解説:ストレスチェック指針は、集計・分析の単位が10人を下回る場合は個々の労働者が特定されるおそれがあるため、対象となる全ての労働者の同意を取得しない限り、実施者は結果を事業者に提供してはならないとしている。個人が特定されない方法で行う場合は、衛生委員会等で調査審議したうえで可能とされる。

  180. 問180.管理監督者が部下の「役割の明確化」を図ることがメンタルヘルスに有効とされる理由として、最も適切なものはどれか。

    • ア.役割の曖昧さがストレス要因となるため
    • イ.明確化すると業務量が必ず増えるため
    • ウ.役割の明確化は人件費削減に直結するため
    • エ.明確化により裁量権を奪えるため

    正解:ア.役割の曖昧さがストレス要因となるため

    解説:役割や責任の範囲が不明確だと、役割葛藤や役割の曖昧さがストレス要因となる。役割を明確にすることで、何をどこまで行うべきかが明確になり、ストレスの軽減につながる。

  181. 問181.管理監督者が部下に「裁量権(コントロール)」を付与することの意義として、最も適切なものはどれか。

    • ア.裁量権はストレスと無関係である
    • イ.裁量権を与えると必ず生産性が低下する
    • ウ.要求度が高くても裁量度を高めるとストレスが緩和される
    • エ.裁量権を奪うほど健康によい

    正解:ウ.要求度が高くても裁量度を高めるとストレスが緩和される

    解説:仕事の進め方を自分で決められる裁量度が高いと、デマンド・コントロールモデルが示すように、高い要求度のもとでもストレスが緩和されやすい。適切な裁量権の付与はストレス軽減に有効である。

  182. 問182.職場のサポート体制(ソーシャルサポート)を整えることの効果として、最も適切なものはどれか。

    • ア.ストレス要因の影響を緩和する緩衝効果が期待できる
    • イ.サポートが多いほどストレスが増える
    • ウ.サポートは個人の問題で職場とは関係ない
    • エ.サポートは要求度を必ず高める

    正解:ア.ストレス要因の影響を緩和する緩衝効果が期待できる

    解説:上司や同僚からの情緒的・道具的支援などのソーシャルサポートは、ストレス要因の影響を緩和する緩衝作用(バッファー効果)を持つとされ、メンタルヘルス不調の予防に有効である。

  183. 問183.職場環境改善活動における産業保健スタッフの役割として、最も適切なものはどれか。

    • ア.改善活動には一切関与しない
    • イ.管理監督者の業務を肩代わりして全て決定する
    • ウ.従業員を一方的に処分する権限を持つ
    • エ.専門的立場から分析や助言を行い改善を支援する

    正解:エ.専門的立場から分析や助言を行い改善を支援する

    解説:産業医・保健師などの産業保健スタッフは、専門的な立場からストレスチェック結果の分析・助言、改善計画への専門的支援、面接指導などを行い、管理監督者や事業者を支援する役割を担う。

  184. 問184.職場環境改善活動と衛生委員会との関係に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.衛生委員会はメンタルヘルスを扱ってはならない
    • イ.衛生委員会で審議・共有し組織的に推進する
    • ウ.改善計画は管理監督者個人が独断で決めるべきである
    • エ.衛生委員会は経営層のみで構成される

    正解:イ.衛生委員会で審議・共有し組織的に推進する

    解説:衛生委員会は労使で構成され、職場の安全衛生に関する事項を調査審議する場である。メンタルヘルス対策や職場環境改善の方針・計画も衛生委員会で審議・共有することで、組織的な取り組みとして推進できる。

  185. 問185.過重労働による健康障害を防止するための「労働時間管理」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.長時間労働とメンタルヘルス不調には関連がない
    • イ.労働時間の把握は労働者個人の自己責任である
    • ウ.長時間労働の削減は健康障害防止に重要である
    • エ.裁量労働制の対象者は時間把握が一切不要である

    正解:ウ.長時間労働の削減は健康障害防止に重要である

    解説:長時間労働は脳・心臓疾患やメンタルヘルス不調のリスクを高めるため、労働時間を適切に把握・管理し、時間外労働を削減することが重要である。労働時間の把握は事業者の責務である。

  186. 問186.長時間労働者に対する医師による面接指導に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.面接指導の対象は管理職に限られる
    • イ.疲労蓄積が認められる長時間労働者が対象となる
    • ウ.面接指導の結果に基づく事後措置は不要である
    • エ.面接指導は罰則として行われる

    正解:イ.疲労蓄積が認められる長時間労働者が対象となる

    解説:長時間労働により疲労の蓄積が認められ、健康障害のリスクが高いと考えられる労働者に対しては、本人の申出等を踏まえ、医師による面接指導を行い、必要な事後措置を講じる仕組みが設けられている。

  187. 問187.医師による面接指導の結果を踏まえて事業者が講ずべき措置として、最も適切なものはどれか。

    • ア.医師の意見を踏まえ就業上の必要な措置を講じる
    • イ.面接結果は記録せず破棄する
    • ウ.本人に結果を一切知らせない
    • エ.面接対象者を理由なく降格させる

    正解:ア.医師の意見を踏まえ就業上の必要な措置を講じる

    解説:事業者は面接指導の結果に基づき、医師の意見を勘案して、必要に応じ労働時間の短縮・作業転換・就業場所の変更などの就業上の措置を講じる必要がある。

  188. 問188.職場環境改善の評価方法に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.改善策の実施状況のみを見れば十分である
    • イ.計画実施の状況と結果の変化の両面から評価する
    • ウ.評価はストレスチェックの個人得点公開で行う
    • エ.改善後の評価は不要である

    正解:イ.計画実施の状況と結果の変化の両面から評価する

    解説:改善活動の評価では、改善策が計画どおり実施されたか(プロセス評価)と、ストレス状況や健康指標がどう変化したか(アウトカム評価)の両面から確認することが望ましい。

  189. 問189.職場環境等の改善の進め方として、最も適切なものはどれか。

    • ア.改善策は産業保健スタッフが専門的な立場から決め、労働者には決めた内容を周知する
    • イ.改善は事業場外の専門機関に任せ、事業場内では報告を受けて結果を承認する
    • ウ.改善は作業環境の物理的な面から行い、勤務形態や職場組織の見直しは対象外とする
    • エ.改善はできることから始め、その効果を定期的に評価して取組方法を見直す

    正解:エ.改善はできることから始め、その効果を定期的に評価して取組方法を見直す

    解説:労働者の心の健康の保持増進のための指針は、職場環境等を評価して問題点を把握したうえで、職場環境のみならず勤務形態や職場組織の見直し等の様々な観点から改善を行い、その効果を定期的に評価し、不十分なら取組方法を見直す継続的な取組を求めている。改善には労働者の意見を踏まえる必要があり、産業保健スタッフが決めて周知するだけでは足りない。事業場外資源は助言や支援を求める相手で、依存して事業者が主体性を失わないよう留意するとされている。こころの耳のヒント集も、できることから改善をはじめることを支援する。

    根拠: 厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(平成18年公示第3号、平成27年改正) 5(4)事業場外資源によるケア(依存して主体性を失わないよう留意)、6(2)イ 職場環境等の改善(職場環境のみならず勤務形態や職場組織の見直し等の様々な観点から改善・効果を定期的に評価し取組方法を見直す・必要に応じ事業場外資源の助言及び支援・労働者の意見を踏まえる必要)PDF p6・p8〜9 / 厚生労働省 こころの耳「職場改善のためのヒント集(メンタルヘルスアクションチェックリスト)」 使用上の注意(重要なポイントを中心に、できることから改善をはじめることを支援)

  190. 問190.仕事のストレス要因のうち、仕事上の責任や期待がはっきりしない状態や、矛盾する指示を受けて板ばさみになる状態をまとめて表すものはどれか。

    • ア.仕事の量的負荷や作業負荷の変動
    • イ.役割の曖昧さや役割葛藤
    • ウ.対人関係の葛藤や上司との関係
    • エ.物理化学的環境や人間工学的な問題

    正解:イ.役割の曖昧さや役割葛藤

    解説:NIOSHの職業性ストレスモデルは、仕事上のストレス要因として、物理的環境、役割葛藤、対人関係の葛藤、仕事のコントロール、量的な作業負荷などを挙げる。このうち役割に関するストレスは、仕事上の責任や期待が不明確な「役割の曖昧さ」と、矛盾する指示などによる「役割葛藤」からなる。量的負荷や作業負荷の変動は仕事の量に関する要因、対人関係の葛藤や上司との関係は職場の人間関係の要因、換気や騒音などの物理化学的環境は作業環境の要因である。

    根拠: 厚生労働省 こころの耳 用語解説「NIOSH職業性ストレスモデル」 仕事上の要因(仕事量や質、人間関係、裁量度、温度や騒音等) / 増地あゆみ「組織ストレス研究の現状と課題」北海道大学文学研究科紀要 107, pp.53-71(2002) NIOSHモデルのストレス因(物理的環境・役割葛藤・対人関係の葛藤・仕事のコントロール・量的な作業負荷など)、表(物理化学的環境・役割ストレス・職場の人間関係・作業負担)、3-1 役割ストレス(役割の曖昧さ=仕事上の責任や期待が不明確な状態、役割葛藤=矛盾する指示や人員不足による葛藤)

  191. 問191.組織に関わるストレス要因として、最も適切なものはどれか。

    • ア.個人の睡眠時間の長さ
    • イ.本人の趣味の有無
    • ウ.意思決定への参加機会の乏しさ
    • エ.家庭内の人間関係

    正解:ウ.意思決定への参加機会の乏しさ

    解説:組織要因には、組織の風土・体質、意思決定への参加機会の少なさ、コミュニケーション不足、人事評価の不公平感、組織変更などが含まれる。これらは職場全体のストレス状況に影響する。

  192. 問192.職場のストレス要因としての「人間関係」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.人間関係は良くも悪くもメンタルヘルスに影響しない
    • イ.人間関係のストレスは本人の性格のみが原因である
    • ウ.対立やハラスメントは強いストレス要因となる
    • エ.良好な人間関係はストレスを高める

    正解:ウ.対立やハラスメントは強いストレス要因となる

    解説:上司や同僚との対立、ハラスメント、孤立など職場の人間関係の問題は強いストレス要因となる。一方、良好な人間関係はソーシャルサポートとしてストレスを緩和する。

  193. 問193.管理監督者が職場のコミュニケーションを改善するための取り組みとして、最も適切でないものはどれか。

    • ア.定期的な面談の機会を設ける
    • イ.部下の発言を遮り意見を聞かない
    • ウ.部下が相談しやすい雰囲気をつくる
    • エ.必要な情報を職場内で共有する

    正解:イ.部下の発言を遮り意見を聞かない

    解説:コミュニケーション改善には、声かけや面談機会の確保、情報共有の促進、相談しやすい雰囲気づくりが有効である。部下の発言を遮り意見を聞かない態度は、かえって職場環境を悪化させる。

  194. 問194.職場環境改善における「一次予防」の位置づけとして、最も適切なものはどれか。

    • ア.不調の発生を未然に防ぐ一次予防である
    • イ.休職者の職場復帰支援を行う三次予防である
    • ウ.不調者の早期発見を目的とする二次予防である
    • エ.予防には該当しない事後対応である

    正解:ア.不調の発生を未然に防ぐ一次予防である

    解説:職場環境改善はメンタルヘルス不調の発生そのものを未然に防ぐ「一次予防」に位置づけられる。早期発見・対応は二次予防、職場復帰支援などは三次予防に当たる。

  195. 問195.職場環境改善を進める際に、ストレスチェックの集団分析結果を活用する利点として、最も適切なものはどれか。

    • ア.個人を特定して指導するために使える
    • イ.改善の必要がないことを証明するために使う
    • ウ.客観的データに基づき改善課題を把握できる
    • エ.従業員の評価を下げる材料として使える

    正解:ウ.客観的データに基づき改善課題を把握できる

    解説:集団分析結果を用いると、どの部署にどのようなストレス要因が多いかを客観的に把握でき、優先的に取り組むべき課題や改善の方向性を根拠を持って検討できる。

  196. 問196.管理監督者が部下の過重労働の兆候を把握する手がかりとして、最も適切なものはどれか。

    • ア.本人が申し出るまで一切把握できない
    • イ.健康診断の身長体重の変化のみで判断する
    • ウ.恒常的な残業や疲労の訴えなどの兆候に注目する
    • エ.過重労働は把握する必要がない

    正解:ウ.恒常的な残業や疲労の訴えなどの兆候に注目する

    解説:恒常的な残業や休日出勤、業務量の偏り、疲労を訴える言動、勤怠の乱れなどは過重労働の手がかりとなる。日常的な観察と労働時間の把握を通じて早期に気づくことが重要である。

  197. 問197.努力-報酬不均衡モデルにおいて、不均衡を生じやすくする個人側の特性として指摘されるものはどれか。

    • ア.睡眠時間の長さ
    • イ.趣味の多さ
    • ウ.通勤距離の短さ
    • エ.仕事への過度なのめり込み(オーバーコミットメント)

    正解:エ.仕事への過度なのめり込み(オーバーコミットメント)

    解説:このモデルでは、過度に仕事にのめり込む傾向(オーバーコミットメント)が強い人ほど、努力と報酬の不均衡を感じやすく、ストレス反応が高まりやすいとされる。

  198. 問198.参加型職場環境改善で「グループ討議」を行う際の進め方として、最も適切なものはどれか。

    • ア.良い点も確認しつつ実行可能な改善策を選ぶ
    • イ.欠点だけを挙げて担当者を非難する
    • ウ.管理職が結論を先に決めて押し付ける
    • エ.改善策は実行可能性を考えず理想だけを並べる

    正解:ア.良い点も確認しつつ実行可能な改善策を選ぶ

    解説:参加型改善のグループ討議では、職場の良い点をまず確認し、その上で改善のヒント集などを参考に、実行可能で優先度の高い改善策を従業員自身が選んで具体化していくのが基本である。

  199. 問199.職場環境改善の効果を高めるために重要な要素として、最も適切でないものはどれか。

    • ア.経営層の理解と支援
    • イ.現場従業員の参加
    • ウ.継続的な評価と改善
    • エ.一度実施したら見直さない単発の取り組み

    正解:エ.一度実施したら見直さない単発の取り組み

    解説:改善活動の効果を高めるには、経営層の理解と支援、現場従業員の参加、産業保健スタッフの協力、継続的な評価と見直しが重要である。一度実施して終わりにする単発の取り組みは効果が定着しにくい。

  200. 問200.「仕事の要求度-コントロール-サポートモデル」において、最も健康リスクが高いとされる状況はどれか。

    • ア.要求度が低く裁量度が高くサポートも厚い
    • イ.要求度が高く裁量度が高くサポートも厚い
    • ウ.要求度が低く裁量度が低くサポートが厚い
    • エ.要求度が高く裁量度が低くサポートも乏しい

    正解:エ.要求度が高く裁量度が低くサポートも乏しい

    解説:要求度が高く、コントロール(裁量度)が低く、さらに社会的支援(サポート)も乏しい「高ストレイン・低サポート」の状況が、最も健康リスクが高いとされる。

  201. 問201.職場環境の物理的要因の改善例として、最も適切なものはどれか。

    • ア.照明や騒音などの環境条件を整える
    • イ.上司との面談機会を増やす
    • ウ.役割分担を明確にする
    • エ.裁量権を拡大する

    正解:ア.照明や騒音などの環境条件を整える

    解説:温熱・照明・騒音・換気・レイアウトなどの物理的環境の改善は、不快感や疲労を軽減し、間接的にメンタルヘルスにも好影響を与える。照明の適正化や騒音対策はその一例である。

  202. 問202.管理監督者が改善策を実行する際の留意点として、最も適切なものはどれか。

    • ア.すべてを一度に完璧に実施しようとする
    • イ.実行可能な改善から着手し効果を確認しながら進める
    • ウ.現場の意見は無視して進める
    • エ.効果の確認は行わない

    正解:イ.実行可能な改善から着手し効果を確認しながら進める

    解説:改善策は現場の実情に合い、無理なく継続できる実行可能なものから着手し、効果を確認しながら進めることが望ましい。一度に多くを完璧に行おうとして頓挫させないことが重要である。

  203. 問203.職場環境等の評価において、管理監督者と産業保健スタッフが連携する意義として、最も適切なものはどれか。

    • ア.責任の所在を曖昧にできる
    • イ.管理監督者の負担を全て産業医に転嫁できる
    • ウ.現場の状況と専門的知見を組み合わせ効果的に改善できる
    • エ.連携することで改善活動を省略できる

    正解:ウ.現場の状況と専門的知見を組み合わせ効果的に改善できる

    解説:管理監督者は現場の状況を把握し、産業保健スタッフは専門的知見を提供する。両者が連携することで、現場の実情に即しつつ専門性を備えた効果的な改善が可能となる。

  204. 問204.職業性ストレス簡易調査票を職場環境改善に用いる際の活用方法として、最も適切なものはどれか。

    • ア.集団単位で集計しストレス要因の傾向を把握する
    • イ.個人の得点を全員の前で公表する
    • ウ.採用選考の合否判定に用いる
    • エ.人事評価の点数に直接反映させる

    正解:ア.集団単位で集計しストレス要因の傾向を把握する

    解説:職業性ストレス簡易調査票の結果を集団単位で集計・分析すると、職場のストレス要因の傾向が把握でき、職場環境改善の課題抽出や仕事のストレス判定図の作成などに活用できる。

  205. 問205.「仕事のストレス判定図」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.個人の性格を診断するための図である
    • イ.賃金水準を業界平均と比較する図である
    • ウ.集団のストレス状況を全国平均と比較して示す
    • エ.身体疾患の罹患率を予測する図である

    正解:ウ.集団のストレス状況を全国平均と比較して示す

    解説:仕事のストレス判定図は、職業性ストレス簡易調査票の結果から、量的負担・コントロール・上司や同僚の支援といった要素を用いて、集団のストレスの程度を全国平均と比較して図示するツールである。

  206. 問206.職場環境改善のための取り組みを継続させるうえで重要なこととして、最も適切なものはどれか。

    • ア.一度の改善で完結させ繰り返さない
    • イ.評価結果を次の改善に反映しない
    • ウ.担当者個人の善意のみに頼る
    • エ.PDCAサイクルを回して継続的に取り組む

    正解:エ.PDCAサイクルを回して継続的に取り組む

    解説:改善活動を定着・継続させるには、PDCAサイクルを回して評価と見直しを繰り返し、組織として位置づけ、経営層・現場・産業保健スタッフが協働する体制を維持することが重要である。

  207. 問207.職場のストレス要因のうち「労働時間」に関する要因として、最も適切なものはどれか。

    • ア.交代制勤務や長時間労働
    • イ.照明の明るさ
    • ウ.上司の性格
    • エ.オフィスのレイアウト

    正解:ア.交代制勤務や長時間労働

    解説:労働時間に関する要因には、長時間労働、不規則な勤務や交代制勤務、深夜勤務、休憩・休日の不足などが含まれ、これらは疲労の蓄積を通じてメンタルヘルスに影響する。

  208. 問208.管理監督者が「サポート体制」を整える具体策として、最も適切なものはどれか。

    • ア.相談先を明確にし助け合える体制をつくる
    • イ.困っている部下を孤立させる
    • ウ.個人の問題として一切支援しない
    • エ.支援を求める者を低く評価する

    正解:ア.相談先を明確にし助け合える体制をつくる

    解説:新人や困っている部下を支える体制づくり、相談先の明確化、相互に助け合える雰囲気の醸成などは、職場のソーシャルサポートを高め、ストレスを緩和する具体策となる。

  209. 問209.職場環境改善活動を計画する際、優先的に取り組む課題を決める方法として最も適切なものはどれか。

    • ア.くじ引きで無作為に決める
    • イ.データ上の課題の大きさと実行可能性から優先順位を付ける
    • ウ.管理職の好みだけで決める
    • エ.最も簡単な課題だけを永久に繰り返す

    正解:イ.データ上の課題の大きさと実行可能性から優先順位を付ける

    解説:集団分析やストレス判定図などの結果から、ストレス要因の大きい領域や影響範囲の広い課題を把握し、実行可能性も考慮して優先順位を付けて取り組むことが望ましい。

  210. 問210.職場環境改善における管理監督者の基本的な姿勢として、最も適切なものはどれか。

    • ア.改善はすべて産業医に任せ自分は関与しない
    • イ.自職場の課題に関心を持ち主体的に改善に取り組む
    • ウ.部下の声は聞かず指示だけを出す
    • エ.問題が表面化するまで何もしない

    正解:イ.自職場の課題に関心を持ち主体的に改善に取り組む

    解説:管理監督者は、自らの職場のストレス要因に関心を持ち、部下の声に耳を傾け、産業保健スタッフと連携しながら、できることから主体的に改善に取り組む姿勢が求められる。

  211. 問211.長時間労働による健康リスクに関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.長時間労働はメンタルヘルスに良い影響を与える
    • イ.長時間労働は疲労蓄積や睡眠不足を通じ健康リスクを高める
    • ウ.労働時間の長短は健康と無関係である
    • エ.残業が多いほど疲労は回復しやすい

    正解:イ.長時間労働は疲労蓄積や睡眠不足を通じ健康リスクを高める

    解説:長時間労働は睡眠時間の減少や疲労の蓄積を招き、脳・心臓疾患やうつ病などメンタルヘルス不調のリスクを高めることが知られている。労働時間の適正管理が重要である。

  212. 問212.職場環境改善の取り組みを評価する「アウトカム評価」に該当するものはどれか。

    • ア.改善策が計画どおり実施された数
    • イ.チェックリストを配布した枚数
    • ウ.会議を開催した回数
    • エ.ストレス反応や職場満足度の変化

    正解:エ.ストレス反応や職場満足度の変化

    解説:アウトカム評価は改善活動による結果(成果)の変化を見るもので、ストレス反応の改善、職場の満足度向上、欠勤率の低下などが指標となる。改善策が実施されたかはプロセス評価に当たる。

  213. 問213.職場環境改善を組織的に推進するために、衛生委員会で行うことが望ましい事項として最も適切なものはどれか。

    • ア.改善の方針や計画を審議し進捗を確認する
    • イ.個人のストレスチェック結果を共有する
    • ウ.委員以外の意見は一切取り入れない
    • エ.改善活動の評価は行わない

    正解:ア.改善の方針や計画を審議し進捗を確認する

    解説:衛生委員会では、職場環境改善の方針や計画の審議、ストレスチェック集団分析結果の共有と活用方針の検討、改善活動の進捗確認などを行い、労使協働で組織的に推進することが望ましい。

  214. 問214.管理監督者が日常的に職場環境を改善するうえで「業務の調整」として行うことが望ましいものはどれか。

    • ア.締切や業務量を見直し無理のない計画にする
    • イ.常に最大限の負荷をかけ続ける
    • ウ.業務の優先順位は一切付けない
    • エ.応援体制は決して組まない

    正解:ア.締切や業務量を見直し無理のない計画にする

    解説:締切や業務量を見直して無理のないスケジュールにする、応援体制を組む、優先順位を整理するなど、業務の調整によって過大な負荷を軽減することが、日常的な職場環境改善として有効である。

  215. 問215.職場環境等の評価および改善において、管理監督者が留意すべき点として最も適切でないものはどれか。

    • ア.客観的データと現場の実情を踏まえる
    • イ.従業員の参加や専門スタッフとの連携を図る
    • ウ.ストレスをすべて個人の責任とし環境要因を無視する
    • エ.継続的に評価と見直しを行う

    正解:ウ.ストレスをすべて個人の責任とし環境要因を無視する

    解説:改善はストレスチェック結果などの客観的情報と現場の実情を踏まえ、従業員の参加や産業保健スタッフとの連携のもとで進めるべきである。個人の責任に帰して環境要因を無視する姿勢は適切でない。

  216. 問216.事業場内の産業保健スタッフのうち、医学的専門知識に基づき労働者の健康管理について事業者に勧告できる権限を持つのは誰か。

    • ア.産業医
    • イ.衛生管理者
    • ウ.人事労務管理スタッフ
    • エ.衛生委員会の委員長

    正解:ア.産業医

    解説:産業医は労働安全衛生法に基づき選任され、医学的専門的立場から労働者の健康管理を行い、事業者に対して必要な勧告を行う権限を持つ。

  217. 問217.労働安全衛生法上、常時何人以上の労働者を使用する事業場で産業医の選任が義務付けられているか。

    • ア.常時10人以上
    • イ.常時30人以上
    • ウ.常時50人以上
    • エ.常時100人以上

    正解:ウ.常時50人以上

    解説:常時50人以上の労働者を使用する事業場では産業医の選任が義務付けられている。50人未満の事業場は地域産業保健センターを活用できる。

  218. 問218.産業保健スタッフのうち、保健指導や健康相談、保健師として労働者のメンタルヘルスケアに関与する職種はどれか。

    • ア.事業者
    • イ.衛生管理者
    • ウ.安全管理者
    • エ.保健師・看護師

    正解:エ.保健師・看護師

    解説:保健師・看護師は産業保健スタッフとして、健康相談や保健指導を通じてメンタルヘルス不調の早期発見・対応に重要な役割を果たす。

  219. 問219.衛生管理者の役割として最も適切なものはどれか。

    • ア.労働者を診断し治療を行う
    • イ.事業者に医学的勧告を行う
    • ウ.衛生に係る技術的事項を管理し職場環境の改善に関与する
    • エ.労災認定の決定を行う

    正解:ウ.衛生に係る技術的事項を管理し職場環境の改善に関与する

    解説:衛生管理者は労働者の健康障害を防止するための作業環境管理・作業管理・健康管理など、衛生に係る技術的事項を管理する。メンタルヘルスでは教育研修の企画実施や相談体制づくりに関与する。

  220. 問220.心の健康づくり専門スタッフに含まれる国家資格の心理職はどれか。

    • ア.社会保険労務士
    • イ.公認心理師
    • ウ.精神保健福祉相談員のみ
    • エ.衛生工学衛生管理者

    正解:イ.公認心理師

    解説:公認心理師は心理職唯一の国家資格であり、産業カウンセラーや臨床心理士とともに心の健康づくり専門スタッフとして関与する。

  221. 問221.事業場において労働者の健康障害の防止や健康の保持増進に関する事項を調査審議し、毎月1回以上開催することが求められる組織はどれか。

    • ア.人事委員会
    • イ.労働基準監督委員会
    • ウ.健康保険組合
    • エ.衛生委員会

    正解:エ.衛生委員会

    解説:安衛法18条1項により、一定規模の事業場は労働者の健康障害の防止や健康の保持増進に関する事項を調査審議する衛生委員会を設け、安衛則23条1項により毎月1回以上開催する。安全委員会と合わせて安全衛生委員会とすることもできる(安衛法19条)。

  222. 問222.人事労務管理スタッフがメンタルヘルスケアで果たす役割として適切なものはどれか。

    • ア.休職・復職や配置転換などの労務管理面で支援する
    • イ.労働者の精神疾患を診断する
    • ウ.薬物療法の処方を行う
    • エ.主治医に代わって治療方針を決める

    正解:ア.休職・復職や配置転換などの労務管理面で支援する

    解説:人事労務管理スタッフは、労働時間や配置転換、人事評価、休職・復職などの労務管理面からメンタルヘルス対策に関与する。医学的判断は行わない。

  223. 問223.「労働者の心の健康の保持増進のための指針」で、事業者が心の健康問題を有する労働者の就業上の配慮について意見を求め、尊重するものとされている相手はどれか。

    • ア.事業場外の専門医療機関
    • イ.労働組合などの労働者代表
    • ウ.事業場内産業保健スタッフ等
    • エ.部下を持つ管理監督者

    正解:ウ.事業場内産業保健スタッフ等

    解説:指針は、事業者が心の健康問題を有する労働者に対する就業上の配慮について、事業場内産業保健スタッフ等に意見を求め、これを尊重するものとしている。事業場内産業保健スタッフ等には、産業医等・衛生管理者等・保健師等・心の健康づくり専門スタッフ・人事労務管理スタッフが含まれ、産業医等は就業上の配慮が必要な場合に事業者に意見を述べる。事業場外の医療機関は専門的な相談や治療で連携する相手、管理監督者はラインによるケアの担い手で、労働組合も含め、指針がこの意見を求める相手として挙げているものではない。

    根拠: 厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(平成27年11月30日改正) 5(3)事業場内産業保健スタッフ等によるケア(就業上の配慮について事業場内産業保健スタッフ等に意見を求め、これを尊重する/ア 産業医等〜オ 人事労務管理スタッフ)・5(2)ラインによるケア・5(4)事業場外資源によるケア

  224. 問224.精神科と心療内科の一般的な違いについて、最も適切な説明はどれか。

    • ア.精神科は身体科であり心療内科は外科である
    • イ.心療内科では薬を一切使わない
    • ウ.両者に違いはなく完全に同一である
    • エ.精神科は精神疾患全般、心療内科は心理的要因による身体症状を主に扱う

    正解:エ.精神科は精神疾患全般、心療内科は心理的要因による身体症状を主に扱う

    解説:精神科は精神疾患全般を扱い、心療内科は心理的要因が関与する身体症状(心身症)を主に扱う。ただし両者の扱う範囲は重なる部分も多い。

  225. 問225.地域住民の精神保健の向上を図り、精神保健福祉に関する相談・指導のうち複雑困難なものを担う都道府県・指定都市の機関はどれか。

    • ア.精神保健福祉センター
    • イ.保健所
    • ウ.産業保健総合支援センター
    • エ.中央労働災害防止協会

    正解:ア.精神保健福祉センター

    解説:精神保健福祉センターは精神保健福祉法に基づき各都道府県・指定都市に設置され、精神保健福祉に関する技術的中核機関として複雑・困難な相談に対応する。

  226. 問226.地域における対人保健サービスの拠点であり、精神保健に関する相談も受け付ける行政機関はどれか。

    • ア.ハローワーク
    • イ.保健所
    • ウ.労働基準監督署
    • エ.年金事務所

    正解:イ.保健所

    解説:保健所は地域保健法に基づく地域保健の広域的・専門的拠点で、精神保健相談や訪問指導なども行う。

  227. 問227.事業場の産業保健活動を支援するため、各都道府県に設置され、産業医や衛生管理者などへの専門的相談・研修を行う機関はどれか。

    • ア.精神保健福祉センター
    • イ.中央労働災害防止協会
    • ウ.産業保健総合支援センター
    • エ.いのちの電話

    正解:ウ.産業保健総合支援センター

    解説:産業保健総合支援センターは独立行政法人労働者健康安全機構が各都道府県に設置し、事業場の産業保健スタッフへの専門的支援や研修を提供する。

  228. 問228.労働者数50人未満の小規模事業場の事業者や労働者に対し、長時間労働者への医師による面接指導の相談や健康相談などを原則無料で行う機関はどれか。

    • ア.健康保険組合
    • イ.労災病院
    • ウ.精神保健福祉センター
    • エ.地域産業保健センター

    正解:エ.地域産業保健センター

    解説:地域産業保健センター(産業保健総合支援センターの地域窓口)は、労働者数50人未満の小規模事業場の事業者や労働者に、長時間労働者への医師による面接指導の相談、健康相談、個別訪問による産業保健指導などを原則無料で提供している。健康保険組合は加入者への保険給付や保健事業を行う保険者で、事業場の規模で対象を分ける機関ではない。労災病院は労働者健康安全機構が運営する病院、精神保健福祉センターは都道府県が置く精神保健と精神障害者福祉の専門機関である。

    根拠: 労働者健康安全機構「地域窓口(地域産業保健センター)」 労働者数50人未満の小規模事業場の事業者や労働者に原則無料で提供する事業(1)〜(5) / 労働者健康安全機構「労災病院」 全国30カ所の労災病院を運営、勤労者医療の中核的役割 / 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律 第6条 / 健康保険法 第4条 (出典: e-Gov法令検索)

  229. 問229.労働災害防止を目的とし、安全衛生に関する教育・指導や情報提供を行う事業者団体の中核機関はどれか。

    • ア.中央労働災害防止協会
    • イ.日本年金機構
    • ウ.全国健康保険協会
    • エ.国民生活センター

    正解:ア.中央労働災害防止協会

    解説:中央労働災害防止協会(中災防)は労働災害防止団体法に基づく団体で、安全衛生教育や情報提供、メンタルヘルス対策の支援などを行う。

  230. 問230.従業員の心の健康問題に関して、企業と契約して相談・カウンセリングや専門機関紹介などのサービスを提供する外部資源を何というか。

    • ア.QC(品質管理)
    • イ.EAP(従業員支援プログラム)
    • ウ.BCP(事業継続計画)
    • エ.OJT(職場内訓練)

    正解:イ.EAP(従業員支援プログラム)

    解説:EAP(従業員支援プログラム:Employee Assistance Program)は、従業員のメンタルヘルスや生活上の問題に対する相談・支援を行うプログラムで、内部EAPと外部EAPがある。

  231. 問231.外部EAP機関を活用する利点として最も適切なものはどれか。

    • ア.相談内容が必ず人事評価に反映される
    • イ.費用が一切かからず公的に運営される
    • ウ.社外の独立機関のため従業員が相談しやすくプライバシーが守られやすい
    • エ.管理監督者の許可がなければ利用できない

    正解:ウ.社外の独立機関のため従業員が相談しやすくプライバシーが守られやすい

    解説:外部EAPは事業場から独立した第三者機関であるため、従業員がプライバシーを気にせず相談しやすく、専門性の高いサービスを継続的に受けられる利点がある。

  232. 問232.自殺予防を目的に、悩みを抱えた人の電話相談に応じるボランティアによる民間相談機関はどれか。

    • ア.労災病院
    • イ.産業保健総合支援センター
    • ウ.ハローワーク
    • エ.いのちの電話

    正解:エ.いのちの電話

    解説:いのちの電話は、自殺予防などを目的に訓練を受けたボランティアが電話相談に応じる民間の相談機関である。

  233. 問233.労働者健康安全機構が運営し、職業性疾病やじん肺、メンタルヘルスを含む勤労者医療の中核を担う医療機関はどれか。

    • ア.労災病院
    • イ.精神保健福祉センター
    • ウ.保健所
    • エ.健康保険組合の診療所

    正解:ア.労災病院

    解説:労災病院は独立行政法人労働者健康安全機構が運営し、勤労者医療の中核として職業性疾病の予防・治療やメンタルヘルス対応などを担う。

  234. 問234.「労働者の心の健康の保持増進のための指針」が、事業場外資源によるケアについて示している内容として、最も適切なものはどれか。

    • ア.専門的な知識や情報が必要な場合は、管理監督者が窓口となって事業場外資源から助言を受ける
    • イ.労働者が事業場内での相談を望まない場合は、事業場外資源の活用は控えて事業場内で対応する
    • ウ.事業場外の医療機関へ紹介するためのネットワークは、不調者が出た時点で速やかに形成する
    • エ.サービスを適切に実施できる体制や情報管理の体制が整っているかを、活用前に確認しておく

    正解:エ.サービスを適切に実施できる体制や情報管理の体制が整っているかを、活用前に確認しておく

    解説:指針は「事業場外資源によるケア」で、事業場外資源を活用する場合は、メンタルヘルスケアに関するサービスが適切に実施できる体制や、情報管理が適切に行われる体制が整備されているか等について、事前に確認することが望ましいとしています。専門的な知識や情報が必要な場合に窓口となるのは、管理監督者ではなく事業場内産業保健スタッフ等で、適切な事業場外資源から情報提供や助言を受けるなど円滑な連携を図るよう努めるものとされています。労働者が事業場内での相談等を望まないような場合には、事業場外資源を活用することがむしろ効果的とされています。医療機関や地域保健機関に労働者を速やかに紹介するためのネットワークは、不調者が出てからではなく日頃から形成しておくものとされています。あわせて、事業場外資源に依存することで事業者がメンタルヘルスケアの推進について主体性を失わないよう留意すべきとされています。

    根拠: 厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(平成18年公示第3号、平成27年11月30日改正) 5(4) 事業場外資源によるケア:「労働者が事業場内での相談等を望まないような場合にも、事業場外資源を活用することが効果的である」「事業場外資源を活用する場合は、メンタルヘルスケアに関するサービスが適切に実施できる体制や、情報管理が適切に行われる体制が整備されているか等について、事前に確認することが望ましい」「これに依存することにより事業者がメンタルヘルスケアの推進について主体性を失わないよう留意すべきである」「事業場内産業保健スタッフ等が窓口となって、適切な事業場外資源から必要な情報提供や助言を受けるなど円滑な連携を図るよう努めるものとする」「必要に応じて労働者を速やかに事業場外の医療機関及び地域保健機関に紹介するためのネットワークを日頃から形成しておくものとする」

  235. 問235.管理監督者が産業医や保健師など専門家へ部下を相談・紹介すべきタイミングとして適切なものはどれか。

    • ア.いつもと違う様子が続き業務に支障が見られる早い段階で
    • イ.症状が極めて深刻化し就業不能になってから
    • ウ.本人が退職を申し出てから
    • エ.定年退職の直前に

    正解:ア.いつもと違う様子が続き業務に支障が見られる早い段階で

    解説:いつもと違う様子が一定期間続く、業務に支障が出ているなど早期の段階で専門家へつなぐことが重要で、深刻化を待つ必要はない。

  236. 問236.うつ病など心の不調の治療の基本となる「3つの柱」に含まれないものはどれか。

    • ア.休養
    • イ.労働時間の延長
    • ウ.薬物療法
    • エ.精神療法

    正解:イ.労働時間の延長

    解説:心の不調の治療の基本は「休養」「薬物療法」「精神療法(心理療法)」である。労働時間の延長は治療ではなく悪化要因となりうる。

  237. 問237.うつ病の治療において、休養が重要とされる理由として最も適切なものはどれか。

    • ア.心身のエネルギーを回復させるために休養が不可欠である
    • イ.休養すると必ず症状が悪化する
    • ウ.休養は不要で仕事を続けた方が早く治る
    • エ.休養は薬物療法の代わりにはならないため意味がない

    正解:ア.心身のエネルギーを回復させるために休養が不可欠である

    解説:うつ病の回復には心身のエネルギーを回復させるための休養が不可欠で、十分な休養なしに無理を続けると回復が遅れたり再発につながる。

  238. 問238.抗うつ薬による薬物療法に関する説明として、最も適切なものはどれか。

    • ア.服用後すぐに効果が現れ数日で完治する
    • イ.効果発現まで時間がかかり自己判断での中断は避けるべきである
    • ウ.症状が少しでも軽くなれば直ちにやめてよい
    • エ.抗うつ薬は一度飲むと一生やめられない

    正解:イ.効果発現まで時間がかかり自己判断での中断は避けるべきである

    解説:抗うつ薬は効果が現れるまで一定期間(通常2週間〜数週間)を要し、症状が改善しても自己判断で中断せず医師の指示に従って継続することが重要である。

  239. 問239.精神療法(カウンセリングなど)に関する説明として、最も適切なものはどれか。

    • ア.対話などを通じて心理的支援を行い薬物療法と併用されることもある
    • イ.精神療法と薬物療法は決して併用できない
    • ウ.精神療法はすべての疾患を薬なしで完治させる
    • エ.精神療法は医師以外が一切関与できない

    正解:ア.対話などを通じて心理的支援を行い薬物療法と併用されることもある

    解説:精神療法は対話などを通じて心理的支援を行う治療法で、薬物療法と併用されることも多い。万能ではなく症状や病態に応じて用いられる。

  240. 問240.管理監督者が部下の主治医と連携する際の留意点として、最も適切なものはどれか。

    • ア.本人の同意なく自由に主治医へ病状を問い合わせてよい
    • イ.主治医の診断には一切従わず会社の判断を優先する
    • ウ.主治医とは絶対に連携してはならない
    • エ.本人の同意を得たうえで産業医を介して連携するのが原則である

    正解:エ.本人の同意を得たうえで産業医を介して連携するのが原則である

    解説:主治医との連携は本人の同意を得たうえで、産業医を通じて行うのが原則である。本人の同意なく主治医に問い合わせることは適切でない。

  241. 問241.主治医と産業医の役割の違いについて、最も適切な説明はどれか。

    • ア.主治医は治療を担い、産業医は就業上の措置について事業者に意見を述べる
    • イ.主治医と産業医はまったく同じ役割である
    • ウ.産業医が直接治療を行い主治医は職場を見る
    • エ.主治医は会社が雇用し産業医は本人が選ぶ

    正解:ア.主治医は治療を担い、産業医は就業上の措置について事業者に意見を述べる

    解説:主治医は患者の治療を担い、産業医は職場の状況を踏まえて就業上の措置について事業者に意見を述べる。両者の視点は異なり、連携が重要となる。

  242. 問242.復職(職場復帰)の可否判断に関する説明として、最も適切なものはどれか。

    • ア.主治医の意見を踏まえ産業医や事業者が職場状況も考慮して判断する
    • イ.管理監督者が単独で医学的に判断してよい
    • ウ.主治医の診断書があれば自動的に従前どおり復職できる
    • エ.本人の希望のみで復職日を決定する

    正解:ア.主治医の意見を踏まえ産業医や事業者が職場状況も考慮して判断する

    解説:復職可否は主治医の診断書を踏まえつつ、産業医や事業者が職場の状況を考慮して総合的に判断する。診断書のみで自動的に決まるわけではない。

  243. 問243.労働者の個人情報・健康情報の取り扱いを規律する基本的な法律はどれか。

    • ア.労働基準法
    • イ.製造物責任法
    • ウ.個人情報保護法
    • エ.独占禁止法

    正解:ウ.個人情報保護法

    解説:個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)が、健康情報を含む個人情報の取り扱いの基本ルールを定めている。

  244. 問244.労働者のメンタルヘルスに関する健康情報は、個人情報保護の観点でどのように位置づけられるか。

    • ア.公開してよい一般情報である
    • イ.特に慎重な取り扱いが求められる機微な情報である
    • ウ.会社が自由に第三者へ提供してよい情報である
    • エ.保管義務のない情報である

    正解:イ.特に慎重な取り扱いが求められる機微な情報である

    解説:健康情報は機微(センシティブ)な個人情報であり、特に慎重な取り扱いが求められる。要配慮個人情報として取得・利用に本人同意などの配慮が必要となる。

  245. 問245.労働者の健康情報を収集する際の原則として、最も適切なものはどれか。

    • ア.できるだけ多くの情報を目的にかかわらず集める
    • イ.本人に知らせずに収集する
    • ウ.収集後の利用目的は自由に変更してよい
    • エ.利用目的を明確にし必要な範囲で収集する

    正解:エ.利用目的を明確にし必要な範囲で収集する

    解説:健康情報の収集は利用目的を明確にし、その目的の達成に必要な範囲で行うのが原則である。目的外の情報を無制限に集めることは適切でない。

  246. 問246.健康情報を本来の目的以外に利用しようとする場合、原則として必要となるものはどれか。

    • ア.本人の同意
    • イ.上司の許可
    • ウ.労働組合の承認
    • エ.取引先の了承

    正解:ア.本人の同意

    解説:健康情報を取得時の利用目的の範囲を超えて利用する場合には、原則として本人の同意が必要である。

  247. 問247.健康診断の結果など労働者の健康情報の保管に関して、最も適切なものはどれか。

    • ア.アクセス制限など適切な安全管理措置のもとで保管する
    • イ.保管は不要ですぐ廃棄してよい
    • ウ.誰でも自由に閲覧できる場所に保管する
    • エ.管理監督者全員が常時閲覧できるようにする

    正解:ア.アクセス制限など適切な安全管理措置のもとで保管する

    解説:健康情報はアクセス制限など適切な安全管理措置のもとで保管し、取り扱う者を必要最小限にとどめる必要がある。誰でも閲覧できる状態は不適切である。

  248. 問248.産業保健スタッフが業務上知り得た労働者の心身の情報について負う義務はどれか。

    • ア.公表義務
    • イ.報告義務(全社員へ)
    • ウ.販売義務
    • エ.守秘義務

    正解:エ.守秘義務

    解説:医師や保健師などの専門職は法律上の守秘義務を負い、業務上知り得た秘密を正当な理由なく漏らしてはならない。

  249. 問249.労働安全衛生規則で、ストレスチェックの実施者となることができる者として定められていないものはどれか。

    • ア.保健師
    • イ.所定の研修を修了した公認心理師
    • ウ.所定の研修を修了した精神保健福祉士
    • エ.産業カウンセラーの資格のみを有する者

    正解:エ.産業カウンセラーの資格のみを有する者

    解説:安衛則52条の10第1項は、ストレスチェックの実施者を、医師、保健師、及び厚生労働大臣が定める研修を修了した歯科医師、看護師、精神保健福祉士又は公認心理師と定めている。産業カウンセラーの資格だけでは実施者になれない。

  250. 問250.労働安全衛生法上、事業者に禁止されている対応はどれか。

    • ア.労働者の同意を得て、ストレスチェックの結果を医師等から受け取ること
    • イ.医師の意見を勘案し、面接指導を受けた労働者の深夜業の回数を減らすこと
    • ウ.面接指導を申し出たことを理由に、その労働者を不利益に取り扱うこと
    • エ.面接指導の結果を、本人の同意を得ずに記録しておくこと

    正解:ウ.面接指導を申し出たことを理由に、その労働者を不利益に取り扱うこと

    解説:労働安全衛生法66条の10第3項により、事業者は、ストレスチェックの結果、医師による面接指導の対象となる労働者が面接指導を申し出たことを理由として、その労働者に不利益な取扱いをしてはならない。ほかの3つは禁止されていない。ストレスチェックの結果は、労働者の同意があれば医師等から事業者に提供できる(同意がなければ提供できない)。面接指導の結果は事業者が記録しておかなければならず、本人の同意は条件になっていない。医師の意見を勘案して、就業場所の変更・労働時間の短縮・深夜業の回数の減少などの措置を講じることは、事業者に求められている対応である。

    根拠: 労働安全衛生法 第66条の10 (出典: e-Gov法令検索)

  251. 問251.管理監督者が、部下から「誰にも言わないでほしい」と打ち明けられたメンタルヘルスの相談への対応として、最も適切なものはどれか。

    • ア.どんな場合でも絶対に誰にも伝えないと約束する
    • イ.本人の意向を無視してすぐに全社に共有する
    • ウ.相談自体をなかったことにする
    • エ.必要な支援のための連携の必要性を本人に説明し同意を得るよう努める

    正解:エ.必要な支援のための連携の必要性を本人に説明し同意を得るよう努める

    解説:本人のプライバシーに配慮しつつ、安全配慮や必要な支援のため産業保健スタッフへの連携が必要な場合は、その必要性を本人に説明し同意を得る努力をする。安易な約束で抱え込むのは適切でない。

  252. 問252.管理監督者の役割と限界に関する考え方として、最も適切なものはどれか。

    • ア.管理監督者は医療の専門家として治療まで担うべきである
    • イ.役割の限界を認識し必要に応じて専門家へつなぐべきである
    • ウ.部下の問題はすべて自分一人で解決すべきである
    • エ.専門家に任せれば管理監督者は何もしなくてよい

    正解:イ.役割の限界を認識し必要に応じて専門家へつなぐべきである

    解説:管理監督者はラインケアの担い手として重要だが、治療や診断は専門家の役割であり、自分の役割の限界を認識して専門家へつなぐことが大切である。

  253. 問253.産業医面接や健康相談で得られた情報を人事労務管理に活用する場合の留意点として、最も適切なものはどれか。

    • ア.診断名など医学的情報をそのまま全て人事に渡す
    • イ.情報は一切人事と共有してはならない
    • ウ.就業上必要な範囲の情報を本人同意のもとで提供する
    • エ.本人に無断で詳細な病歴を共有する

    正解:ウ.就業上必要な範囲の情報を本人同意のもとで提供する

    解説:医学的情報そのものではなく、就業上の措置に必要な範囲の情報を、本人の同意を得て加工・整理したうえで人事労務に提供することが望ましい。

  254. 問254.「労働者の心の健康の保持増進のための指針」に照らして、ラインによるケアを担う管理監督者の対応として、最も適切でないものはどれか。

    • ア.部下が社内の相談窓口の利用をためらうときは、事業場外の相談機関もあることを伝える
    • イ.専門的な助言が必要な事例では、自らが窓口となって事業場外の専門機関と連絡調整を行う
    • ウ.事業者が行う教育研修などを通じて、社内の相談先や事業場外資源に関する情報を得ておく
    • エ.職場環境等の評価結果をもとに、事業場内産業保健スタッフ等の助言を受けて改善を図る

    正解:イ.専門的な助言が必要な事例では、自らが窓口となって事業場外の専門機関と連絡調整を行う

    解説:指針は、事業場外資源とのネットワークの形成やその窓口となることを、事業場内産業保健スタッフ等の役割としています。事業者は、専門的な知識や情報が必要な場合は事業場内産業保健スタッフ等が窓口となって事業場外資源から情報提供や助言を受けるよう努めるものとされ、管理監督者への教育研修でも「事業場内産業保健スタッフ等との連携及びこれを通じた事業場外資源との連携の方法」を扱うとされています。指針の定義では、事業場内産業保健スタッフ等は産業医等・衛生管理者等・保健師等・心の健康づくり専門スタッフ・人事労務管理スタッフ等を指し、管理監督者(ライン)は含まれません。したがって、管理監督者が自ら窓口となって事業場外の専門機関と連絡調整を行うのは、指針の考え方に合いません。 一方、管理監督者は部下から話を聞いて適切な情報を提供し、必要に応じ事業場内産業保健スタッフ等や事業場外資源への相談や受診を促すよう努めるものとされ、指針は労働者が事業場内での相談を望まない場合にも事業場外資源の活用が効果的としています。そのため、社内の窓口をためらう部下に事業場外の相談機関を伝えるのは適切です。また、事業者は管理監督者への教育研修・情報提供で「事業場内の相談先及び事業場外資源に関する情報」を扱うものとされています。職場環境等の改善では、事業場内産業保健スタッフ等が評価結果に基づいて管理監督者に改善を助言し、管理監督者と協力して改善を図るとされています。

    根拠: 厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(平成18年公示第3号、平成27年11月30日改正) 5(3) 事業場内産業保健スタッフ等によるケア:「事業場内産業保健スタッフ等は、…事業場外資源とのネットワークの形成やその窓口となること等、心の健康づくり計画の実施に当たり、中心的な役割を果たすものである」/5(4) 事業場外資源によるケア:「労働者が事業場内での相談等を望まないような場合にも、事業場外資源を活用することが効果的である」「事業者は、メンタルヘルスケアに関する専門的な知識、情報等が必要な場合は、事業場内産業保健スタッフ等が窓口となって、適切な事業場外資源から必要な情報提供や助言を受けるなど円滑な連携を図るよう努めるものとする」/6(1)イ 管理監督者への教育研修・情報提供:「⑧ 事業場内産業保健スタッフ等との連携及びこれを通じた事業場外資源との連携の方法」「⑩ 事業場内の相談先及び事業場外資源に関する情報」/6(2)イ 職場環境等の改善:「事業場内産業保健スタッフ等は、職場環境等の評価結果に基づき、管理監督者に対してその改善を助言するとともに、管理監督者と協力しながらその改善を図り」/6(3)イ:「管理監督者は、…話を聞き、適切な情報を提供し、必要に応じ事業場内産業保健スタッフ等や事業場外資源への相談や受診を促すよう努めるものとする」/10 定義:「① ライン 日常的に労働者と接する、職場の管理監督者(上司その他労働者を指揮命令する者)をいう」「⑥ 事業場内産業保健スタッフ等 事業場内産業保健スタッフ及び事業場内の心の健康づくり専門スタッフ、人事労務管理スタッフ等をいう」

  255. 問255.内部EAPと外部EAPの違いについて、最も適切な説明はどれか。

    • ア.内部EAPは無料、外部EAPは必ず有料という違いである
    • イ.内部EAPは社内に設置、外部EAPは社外機関と契約する形態である
    • ウ.両者は名称が違うだけで内容は完全に同一である
    • エ.外部EAPは社内の人事部が直接運営する

    正解:イ.内部EAPは社内に設置、外部EAPは社外機関と契約する形態である

    解説:内部EAPは社内に相談部門を設置する形態、外部EAPは社外の専門機関と契約する形態である。外部EAPは独立性が高く相談しやすい一方、内部EAPは社内事情に通じている利点がある。

  256. 問256.労働安全衛生規則で、有害業務のない事業場が産業医を事業場に専属の者から選任しなければならないとされる規模はどれか。

    • ア.常時100人以上
    • イ.常時300人以上
    • ウ.常時1,000人以上
    • エ.常時5,000人以上

    正解:ウ.常時1,000人以上

    解説:安衛則13条1項3号は、常時1,000人以上の労働者を使用する事業場、または深夜業を含む業務など一定の有害業務に常時500人以上を従事させる事業場では、専属の産業医を選任しなければならないとしている。常時3,000人を超える事業場では2人以上の産業医を選任する(同4号)。

  257. 問257.職場復帰支援において、主治医・産業医・管理監督者・人事労務スタッフの連携が重要とされる理由として最も適切なものはどれか。

    • ア.連携すると責任の所在が曖昧になり望ましくないため
    • イ.各専門性を活かし情報共有することで円滑な復帰と再発防止につながるため
    • ウ.管理監督者が単独で判断する方が早いため
    • エ.連携は形式的なもので実質的意味はないため

    正解:イ.各専門性を活かし情報共有することで円滑な復帰と再発防止につながるため

    解説:復職支援は医学的判断と職場の受け入れ体制の両面が必要であり、それぞれの専門性を持つ関係者が情報を共有し連携することで円滑な復帰と再発防止につながる。

  258. 問258.事業場における心の健康づくり計画の調査審議の場として活用される組織はどれか。

    • ア.株主総会
    • イ.衛生委員会
    • ウ.営業会議
    • エ.懲戒委員会

    正解:イ.衛生委員会

    解説:衛生委員会は心の健康づくり計画の策定や実施状況の調査審議の場として活用され、労使が参加して議論する。

  259. 問259.「労働者の心の健康の保持増進のための指針」で、事業場内メンタルヘルス推進担当者に選任することが適当でないとされる者はどれか。

    • ア.衛生管理者
    • イ.常勤の保健師
    • ウ.人事部長
    • エ.衛生推進者

    正解:ウ.人事部長

    解説:指針5(3)④は、推進担当者は衛生管理者等や常勤の保健師等から選任することが望ましいとし、メンタルヘルスに関する個人情報を取り扱うことから、解雇、昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者(人事権を有する者。人事部長など)を選任することは適当でないとしている。常時50人未満の事業場では衛生推進者等を選任することが望ましい(同9)。

  260. 問260.地域産業保健センターが主に対象とする事業場はどれか。

    • ア.上場企業の本社のみ
    • イ.労働者50人未満の小規模事業場
    • ウ.公務員の官公庁のみ
    • エ.医療機関のみ

    正解:イ.労働者50人未満の小規模事業場

    解説:地域産業保健センターは産業医選任義務のない労働者50人未満の小規模事業場を主な対象とし、産業保健サービスを提供する。

  261. 問261.労働者の個人情報を第三者へ提供する場合の原則として、最も適切なものはどれか。

    • ア.本人の同意なく自由に提供できる
    • イ.提供先が決まればいつでも無断で提供できる
    • ウ.原則としてあらかじめ本人の同意を得る必要がある
    • エ.健康情報に限り同意は不要である

    正解:ウ.原則としてあらかじめ本人の同意を得る必要がある

    解説:個人情報を第三者に提供する場合は、法令に基づく場合などを除き、原則としてあらかじめ本人の同意を得る必要がある。

  262. 問262.「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針」で、事業者が取り扱うにはあらかじめ労働者本人の同意を得ることが必要とされる情報はどれか。

    • ア.健康診断の受診・未受診の情報
    • イ.長時間労働者による面接指導の申出の有無
    • ウ.健康相談の結果
    • エ.健康診断の事後措置について医師から聴取した意見

    正解:ウ.健康相談の結果

    解説:同指針は心身の状態の情報を3つに分類し、健康診断の受診・未受診、面接指導の申出の有無、事後措置について医師から聴取した意見などは法令に基づき事業者が直接取り扱う情報とする一方、健康相談の結果、保健指導の結果、職場復帰のための面接指導の結果などは、あらかじめ本人の同意を得ることが必要な情報としている(個人情報保護法20条2項)。

  263. 問263.健康情報を取り扱う担当者の範囲についての原則として、最も適切なものはどれか。

    • ア.全従業員が自由に扱えるようにする
    • イ.管理監督者全員に常時開示する
    • ウ.取り扱い範囲に制限は設けない
    • エ.必要最小限の範囲にとどめ権限のない者のアクセスを防ぐ

    正解:エ.必要最小限の範囲にとどめ権限のない者のアクセスを防ぐ

    解説:健康情報を取り扱う者は必要最小限の範囲にとどめ、権限のない者がアクセスできないよう管理することが原則である。

  264. 問264.事業場外資源としての医療機関を活用する場面として、最も適切なものはどれか。

    • ア.治療が必要と考えられる不調者の診療を、引き受けてもらう
    • イ.休業者の職場復帰の可否を、最終的に決めてもらう
    • ウ.事業場の心の健康づくり計画を、医療機関に策定してもらう
    • エ.事業場内メンタルヘルス推進担当者の役割を、代わりに担ってもらう

    正解:ア.治療が必要と考えられる不調者の診療を、引き受けてもらう

    解説:指針は、必要に応じて労働者を速やかに事業場外の医療機関に紹介できるネットワークを日頃からつくっておくよう求めており、治療が必要と考えられる不調者を精神科・心療内科などにつなぎ、診療を受けてもらうのが医療機関の活用の典型である。一方で、事業場外資源に頼りすぎて事業者がメンタルヘルスケアの主体性を失わないよう留意すべきとされる。心の健康づくり計画は事業者が衛生委員会等の審議を踏まえて策定し、事業場内メンタルヘルス推進担当者は事業場内産業保健スタッフ等の中から選ぶ。職場復帰は、主治医の判断を踏まえ、産業医等の意見を経て事業者が最終的に決める。

    根拠: 厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」 2・3(事業者は衛生委員会等において十分調査審議を行い、心の健康づくり計画を策定・実施)、5(3)④(事業場内メンタルヘルス推進担当者を事業場内産業保健スタッフ等の中から選任)、5(4) 事業場外資源によるケア(PDF p.6:依存により主体性を失わないよう留意、事業場外の医療機関に速やかに紹介するためのネットワークを日頃から形成) / 厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」 第2ステップ(PDF p.4・p.15:主治医の診断は必ずしも職場で求められる業務遂行能力まで回復しているとの判断とは限らず、産業医等が精査)、第4ステップ(PDF p.17:事業者による最終的な職場復帰の決定)

  265. 問265.管理監督者が部下のメンタルヘルス情報を取り扱う際の基本姿勢として、最も適切なものはどれか。

    • ア.興味本位で同僚に情報を共有する
    • イ.評価を下げる材料として記録する
    • ウ.プライバシーに配慮し必要な範囲を超えて漏らさず本人の不利益を避ける
    • エ.噂として周囲に広める

    正解:ウ.プライバシーに配慮し必要な範囲を超えて漏らさず本人の不利益を避ける

    解説:プライバシーに最大限配慮し、知り得た情報を必要な範囲を超えて漏らさず、本人の不利益にならないよう取り扱うことが基本姿勢である。

  266. 問266.コミュニケーションは大きく言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションに分けられる。次のうち非言語的コミュニケーションに該当しないものはどれか。

    • ア.話し手の表情や視線
    • イ.声の大きさやトーン
    • ウ.発せられた言葉の意味内容
    • エ.身振りや姿勢

    正解:ウ.発せられた言葉の意味内容

    解説:言葉そのものの意味内容は言語的コミュニケーションである。表情・視線・姿勢・声の調子などは非言語的コミュニケーションに含まれる。

  267. 問267.対人コミュニケーションにおいて、非言語的コミュニケーションの果たす役割について最も適切なものはどれか。

    • ア.非言語的要素は意味伝達にほとんど影響しない
    • イ.非言語的要素は感情や態度の伝達に大きく寄与する
    • ウ.非言語的要素は言語的要素より常に劣る
    • エ.非言語的要素は管理職には不要である

    正解:イ.非言語的要素は感情や態度の伝達に大きく寄与する

    解説:非言語的メッセージは感情や態度を多く伝え、言語的メッセージと矛盾する場合は非言語的なものが本心を表していることが多い。

  268. 問268.アサーション(アサーティブな自己表現)の考え方として最も適切なものはどれか。

    • ア.自分の意見を押し通すこと
    • イ.相手に合わせて自分を抑えること
    • ウ.沈黙して対立を避けること
    • エ.自分も相手も尊重して率直に表現すること

    正解:エ.自分も相手も尊重して率直に表現すること

    解説:アサーションは自分の気持ちや考えを率直に表現すると同時に、相手の立場や気持ちも尊重するコミュニケーションのあり方である。

  269. 問269.自己表現の3つのタイプのうち、相手の権利を侵害してでも自分の意見を主張し、相手を不快にさせるタイプを何と呼ぶか。

    • ア.攻撃的(アグレッシブ)
    • イ.アサーティブ
    • ウ.非主張的(ノン・アサーティブ)
    • エ.受容的

    正解:ア.攻撃的(アグレッシブ)

    解説:攻撃的(アグレッシブ)な自己表現は、自分を優先し相手を軽視する表現である。非主張的、アサーティブと区別される。

  270. 問270.自己表現の3つのタイプのうち、自分の気持ちや意見を抑えて相手に譲り、自分を後回しにするタイプはどれか。

    • ア.攻撃的(アグレッシブ)
    • イ.非主張的(ノン・アサーティブ)
    • ウ.アサーティブ
    • エ.共感的

    正解:イ.非主張的(ノン・アサーティブ)

    解説:非主張的(ノン・アサーティブ)な自己表現は自分の意見を表明できず相手に従う傾向であり、ストレスをためやすい。

  271. 問271.積極的傾聴(アクティブ・リスニング)を提唱した心理学者は誰か。

    • ア.フロイト
    • イ.ロジャーズ
    • ウ.マズロー
    • エ.セリエ

    正解:イ.ロジャーズ

    解説:積極的傾聴は来談者中心療法を確立したカール・ロジャーズの考え方に基づく。

  272. 問272.ロジャーズが示したカウンセラーの基本的態度(3条件)に含まれないものはどれか。

    • ア.受容(無条件の肯定的配慮)
    • イ.共感的理解
    • ウ.自己一致(純粋性)
    • エ.指示と助言

    正解:エ.指示と助言

    解説:ロジャーズの3条件は「受容(無条件の肯定的配慮)」「共感的理解」「自己一致(純粋性)」である。指示・助言は含まれない。

  273. 問273.ロジャーズの「自己一致(純粋性)」とはどのような態度か。

    • ア.相手に常に同意すること
    • イ.沈黙を貫くこと
    • ウ.相手を評価して導くこと
    • エ.聴き手が自分の感情に正直であること

    正解:エ.聴き手が自分の感情に正直であること

    解説:自己一致とは、聴き手が自分自身の感情に気づき、それを偽らず、ありのままの自分でいる態度をいう。

  274. 問274.ロジャーズの「共感的理解」を最もよく表しているものはどれか。

    • ア.相手の話に客観的な解釈を加えること
    • イ.相手の問題点を指摘すること
    • ウ.相手の気持ちを相手の立場に立って理解しようとすること
    • エ.相手と同じ感情に飲み込まれること

    正解:ウ.相手の気持ちを相手の立場に立って理解しようとすること

    解説:共感的理解は、相手の 私的な世界をあたかも自分のことのように、しかし「あたかも」という性質を失わずに感じ取ろうとする態度である。

  275. 問275.ロジャーズの「受容(無条件の肯定的配慮)」の説明として最も適切なものはどれか。

    • ア.相手の意見にすべて賛成すること
    • イ.相手をありのままに受け止めること
    • ウ.相手を条件つきで認めること
    • エ.相手の問題を解決してあげること

    正解:イ.相手をありのままに受け止めること

    解説:受容とは、相手の話や感情を評価・判断せず、条件をつけずありのままに受け止める態度である。

  276. 問276.傾聴における「繰り返し(反射)」の技法として最も適切なものはどれか。

    • ア.相手の言葉や感情をそのまま返す
    • イ.相手の話を要約して結論づける
    • ウ.相手に反対意見を述べる
    • エ.話題を変えて気分転換させる

    正解:ア.相手の言葉や感情をそのまま返す

    解説:繰り返し(反射)は、相手の言葉や感情を聴き手がそのまま、あるいは言い換えて返すことで、理解していることを伝える技法である。

  277. 問277.傾聴において「開かれた質問(オープン・クエスチョン)」に該当するものはどれか。

    • ア.「眠れていますか」
    • イ.「食欲はありますか」
    • ウ.「最近どのように過ごしていますか」
    • エ.「会社に行けていますか」

    正解:ウ.「最近どのように過ごしていますか」

    解説:開かれた質問は「はい・いいえ」では答えられず、相手が自由に語れる質問である。「どのように感じましたか」などが該当する。

  278. 問278.傾聴における「閉ざされた質問(クローズド・クエスチョン)」の特徴として最も適切なものはどれか。

    • ア.相手が自由に語ることを促す
    • イ.常に避けるべきである
    • ウ.「はい・いいえ」で答えられる
    • エ.感情を深く引き出すのに最適である

    正解:ウ.「はい・いいえ」で答えられる

    解説:閉ざされた質問は「はい・いいえ」や短い言葉で答えられる質問で、事実確認に向くが多用すると相手が話しにくくなる。

  279. 問279.パワーハラスメントの相談を受け、事実関係を迅速かつ正確に確認しようとしたが確認が困難な場合の対応として、パワーハラスメント防止指針が例示しているものはどれか。

    • ア.行為者と相談者を同席させて、双方の主張を突き合わせる
    • イ.相談者に、主張を裏付ける客観的な証拠の提出を求める
    • ウ.調停の申請など、中立な第三者機関に紛争処理を委ねる
    • エ.産業医に双方との面談を依頼し、事実を認定してもらう

    正解:ウ.調停の申請など、中立な第三者機関に紛争処理を委ねる

    解説:指針4(3)イは、事実関係を確認していると認められる例として、相談者・行為者の双方から確認し、主張が一致しない場合は第三者からも聴取することのほか、確認が困難な場合などに調停の申請を行うことその他中立な第三者機関に紛争処理を委ねることを挙げている。

  280. 問280.パワーハラスメント防止指針が、相談窓口の担当者の対応について示している内容として、正しいものはどれか。

    • ア.事実確認が済むまでは、人事部門と情報を共有せずに対応する
    • イ.相談者の心身の状況や受け止めなどの認識にも配慮して対応する
    • ウ.マニュアルには頼らず、担当者の裁量で個別に判断して対応する
    • エ.相談者の受け止めよりも、行為者の意図を優先して判断する

    正解:イ.相談者の心身の状況や受け止めなどの認識にも配慮して対応する

    解説:指針4(2)ロは、相談窓口では相談者の心身の状況や当該言動が行われた際の受け止めなどその認識にも配慮しながら、該当するか微妙な場合も含め広く相談に対応するとし、担当者と人事部門とが連携を図ることができる仕組みとすることや、あらかじめ作成したマニュアルに基づき対応することを、適切に対応できるようにしている例として挙げている。

  281. 問281.部下の相談に対して、管理監督者がすぐに解決策を提示することの問題点として最も適切なものはどれか。

    • ア.時間がかかりすぎる
    • イ.解決策が必ず正しいから問題ない
    • ウ.上司の評価が下がる
    • エ.相手の気持ちが十分に受け止められない

    正解:エ.相手の気持ちが十分に受け止められない

    解説:早急な解決策の提示は、相手が十分に話せず、気持ちが受け止められないまま終わり、かえって相談者を孤立させることがある。

  282. 問282.管理監督者が部下の話を傾聴する際の基本姿勢として最も不適切なものはどれか。

    • ア.自分の価値観で善悪を判断する
    • イ.相手の話を遮らない
    • ウ.相手のペースを尊重する
    • エ.相づちを打ちながら聴く

    正解:ア.自分の価値観で善悪を判断する

    解説:傾聴では相手のペースを尊重し、話を遮らない。自分の価値観で善悪を判断するのは傾聴の妨げになる。

  283. 問283.「労働者の心の健康の保持増進のための指針」で、労働者の家族から事業場に労働者に関する相談があった際に、窓口となって対応する体制を整備することが望ましいとされているのはどれか。

    • ア.直属の上司である管理監督者
    • イ.事業場内産業保健スタッフ等
    • ウ.衛生委員会の委員長
    • エ.事業場外資源のEAP機関

    正解:イ.事業場内産業保健スタッフ等

    解説:指針6(3)エは、家族は労働者の不調に最初に気づくことが少なくないとして、事業者は、家族から労働者に関する相談があった際には事業場内産業保健スタッフ等が窓口となって対応する体制を整備し、これを労働者やその家族に周知することが望ましいとしている。

  284. 問284.「労働者の心の健康の保持増進のための指針」が、労働者の家族による気づきや支援を促すために、事業者が行うことが望ましいとしているものはどれか。

    • ア.労働者本人の同意を得て、ストレスチェックの結果を家族に通知し、家庭での見守りを依頼する
    • イ.ストレスやメンタルヘルスケアの基礎知識、事業場の相談窓口等の情報を、社内報等を通じて家族に提供する
    • ウ.家族から労働者に関する相談があった際は、衛生委員会で個別に審議したうえで回答する体制を整える
    • エ.家族への情報提供は、労働者が休業に入った時点から、職場復帰支援プログラムに沿って行う

    正解:イ.ストレスやメンタルヘルスケアの基礎知識、事業場の相談窓口等の情報を、社内報等を通じて家族に提供する

    解説:指針は「労働者の家族による気づきや支援の促進」として、日常的に接している家族は労働者がメンタルヘルス不調に陥った際に最初に気づくことが少なくなく、治療勧奨、休業中、職場復帰時及び職場復帰後のサポートなどに大きな役割を果たすとしています。そのため事業者は、家族に対して、ストレスやメンタルヘルスケアに関する基礎知識、事業場のメンタルヘルス相談窓口等の情報を、社内報や健康保険組合の広報誌等を通じて提供することが望ましいとされています。家族からの相談には、事業場内産業保健スタッフ等が窓口となって対応する体制を整え、それを労働者や家族に周知することが望ましいとされており、衛生委員会で個別に審議して回答する仕組みではありません。家族の役割は治療勧奨から職場復帰後まで及ぶため、情報提供を休業に入った時点からに限る考え方は指針と合いません。ストレスチェックの結果を家族に通知して見守りを依頼することは、指針が家族への支援として挙げている取組に含まれていません。

    根拠: 厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(平成18年公示第3号、平成27年11月30日改正) 6(3)エ 労働者の家族による気づきや支援の促進:「労働者に日常的に接している家族は、労働者がメンタルヘルス不調に陥った際に最初に気づくことが少なくない。また、治療勧奨、休業中、職場復帰時及び職場復帰後のサポートなど、メンタルヘルスケアに大きな役割を果たす」「事業者は、労働者の家族に対して、ストレスやメンタルヘルスケアに関する基礎知識、事業場のメンタルヘルス相談窓口等の情報を社内報や健康保険組合の広報誌等を通じて提供することが望ましい」「家族から労働者に関する相談があった際には、事業場内産業保健スタッフ等が窓口となって対応する体制を整備するとともに、これを労働者やその家族に周知することが望ましい」

  285. 問285.解雇・雇止め・賃金の引下げ・いじめ・嫌がらせなど職場のあらゆるトラブルについて、専門の担当者が予約不要・無料で面談や電話に応じ、都道府県労働局や労働基準監督署内などに設けられている窓口はどれか。

    • ア.キャリア形成・リスキリング相談コーナー
    • イ.産業保健総合支援センター
    • ウ.総合労働相談コーナー
    • エ.精神保健福祉センター

    正解:ウ.総合労働相談コーナー

    解説:総合労働相談コーナーは都道府県労働局や労働基準監督署内などに設けられ、解雇、雇止め、配置転換、賃金の引下げ、いじめ・嫌がらせ、パワハラなどあらゆる分野の労働問題を対象に、専門の相談員が面談又は電話で対応する(予約不要・無料)。労働者・事業主のどちらの相談も受け付ける。

  286. 問286.管理監督者が相談対応で行う情報提供・助言について、最も適切なものはどれか。

    • ア.相手の話を聴く前に助言する
    • イ.一つの方法を強制する
    • ウ.本人が選択できるよう情報を提供する
    • エ.助言は一切しない

    正解:ウ.本人が選択できるよう情報を提供する

    解説:助言は相手の状況や気持ちを十分に聴いたうえで、本人が選択できるよう情報を提供する形が望ましい。

  287. 問287.部下に紹介できる相談先のうち、厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイトで、電話・SNS・メールによる相談窓口も設けているものはどれか。

    • ア.いのちの電話
    • イ.あかるい職場応援団
    • ウ.こころの耳
    • エ.精神保健福祉センター

    正解:ウ.こころの耳

    解説:「こころの耳」は厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイトで、働く人の「こころの耳電話相談」「こころの耳SNS相談」「こころの耳メール相談」を設けている。「あかるい職場応援団」は厚生労働省の職場のハラスメント対策のポータルサイト、いのちの電話は民間の電話相談、精神保健福祉センターは都道府県・指定都市の機関である。

  288. 問288.事業場内の相談先として産業医が担う役割として最も適切なものはどれか。

    • ア.人事評価を決定する
    • イ.給与計算を行う
    • ウ.懲戒処分を決める
    • エ.労働者の健康管理について専門的助言を行う

    正解:エ.労働者の健康管理について専門的助言を行う

    解説:産業医は労働者の健康管理について専門的立場から助言・指導を行い、就業上の措置に関する意見を述べる役割を担う。

  289. 問289.事業場外資源としてのEAP(従業員支援プログラム)の説明として最も適切なものはどれか。

    • ア.社内の懲戒委員会
    • イ.従業員の心の健康問題を専門的に支援する外部資源
    • ウ.労働基準監督署
    • エ.労働組合の福利厚生係

    正解:イ.従業員の心の健康問題を専門的に支援する外部資源

    解説:EAPは従業員の心の健康問題などに専門的支援を提供する外部機関・サービスであり、相談やコンサルテーションを行う。

  290. 問290.部下の主治医との連携について、管理監督者が留意すべき点として最も適切なものはどれか。

    • ア.本人の同意なく主治医に連絡してよい
    • イ.主治医より自分の判断を優先する
    • ウ.本人の同意を得たうえで連携する
    • エ.主治医とは一切関わらない

    正解:ウ.本人の同意を得たうえで連携する

    解説:主治医に情報提供や連絡を行う際は、原則として本人の同意を得る必要がある。本人を無視した接触は避ける。

  291. 問291.「眠れないので寝酒をしている」と相談してきた部下に情報提供する際、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が示すアルコールと睡眠の関係として、正しいものはどれか。

    • ア.寝つきを悪くするが、睡眠後半の深い睡眠を増やす
    • イ.一時的に寝つきを促すが、睡眠後半の眠りの質を悪化させる
    • ウ.寝つきにも睡眠後半にも影響せず、翌朝の眠気だけを強める
    • エ.睡眠前半の深い睡眠を減らすが、中途覚醒は減らす

    正解:イ.一時的に寝つきを促すが、睡眠後半の眠りの質を悪化させる

    解説:睡眠ガイド2023は、アルコールは一時的には寝つきを促進し睡眠前半では深い睡眠を増加させるが、睡眠後半の眠りの質は顕著に悪化し、飲酒量が増えるにつれて中途覚醒回数が増加するとしている。連用で依存や耐性も形成されるため、寝酒は推奨されない。

  292. 問292.相談で知り得た部下の健康情報の取り扱いとして最も適切なものはどれか。

    • ア.必要最小限の範囲で慎重に取り扱う
    • イ.誰にでも自由に共有してよい
    • ウ.本人に断りなく人事台帳に詳細記載する
    • エ.廃棄せず誰でも見られる場所に保管する

    正解:ア.必要最小限の範囲で慎重に取り扱う

    解説:健康情報は機微な個人情報であり、目的に沿った範囲で、必要最小限の関係者にのみ、本人の同意を踏まえて取り扱う。

  293. 問293.「眠れない」と相談してきた部下に情報提供する際、厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」で、スムーズな入眠のために寝床に就く前にリラックスする時間として少なくとも確保することが有効とされているのはどれか。

    • ア.15分
    • イ.30分
    • ウ.1時間
    • エ.2時間

    正解:ウ.1時間

    解説:睡眠ガイド2023は、スムーズに入眠するにはリラックスし脳の興奮を鎮めることが大切で、寝床に就く前に少なくとも1時間は家事や仕事、勉強に追われずリラックスする時間を確保することが有効としている。また、眠気がないのに無理に眠ろうとすると寝つきを悪化させることがあるとしている。

  294. 問294.部下が相談をためらう要因として考えられるものはどれか。

    • ア.上司との信頼関係がある
    • イ.プライバシーが守られている
    • ウ.気軽に話せる雰囲気がある
    • エ.評価への影響を心配する

    正解:エ.評価への影響を心配する

    解説:評価への影響や周囲に知られる不安、上司との距離などが相談をためらわせる。日常の信頼関係構築が予防になる。

  295. 問295.傾聴において沈黙が生じたとき、管理監督者の対応として最も適切なものはどれか。

    • ア.すぐに話題を変える
    • イ.相手が考える時間として尊重する
    • ウ.沈黙を埋めるため自分が話し続ける
    • エ.相談を打ち切る

    正解:イ.相手が考える時間として尊重する

    解説:沈黙は相手が考えを整理している時間でもある。無理に言葉を挟まず、相手のペースを尊重して待つことが大切である。

  296. 問296.傾聴の技法のうち「要約」の目的として最も適切なものはどれか。

    • ア.相手の話を否定する
    • イ.相手に反論する材料を集める
    • ウ.話の要点を整理して理解を確認する
    • エ.話を早く切り上げる

    正解:ウ.話の要点を整理して理解を確認する

    解説:要約は相手が話した内容の要点を聴き手が整理して返し、理解の確認と話の整理を助ける技法である。

  297. 問297.管理監督者が部下の相談を受ける際、「評価者」としての立場が相談に与える影響について最も適切なものはどれか。

    • ア.評価者であることは相談に影響しない
    • イ.評価者だから相談には最適である
    • ウ.部下が本音を話しにくくなることがある
    • エ.評価を盾に相談を強制すべきである

    正解:ウ.部下が本音を話しにくくなることがある

    解説:上司は人事評価者でもあるため、部下が本音を話しにくい場合がある。必要に応じて産業保健スタッフ等の中立的相談先につなぐ配慮が要る。

  298. 問298.部下からの相談に対し、管理監督者が「説得」しようとすることの問題点はどれか。

    • ア.時間が短縮される
    • イ.相手が受け止められていないと感じる
    • ウ.信頼関係が深まる
    • エ.相手が安心する

    正解:イ.相手が受け止められていないと感じる

    解説:説得は相手の考えを変えさせようとする行為で、相手が受け止められていないと感じ、心を閉ざす原因になる。

  299. 問299.相づちや「うなずき」が傾聴において果たす役割として最も適切なものはどれか。

    • ア.聴いていることを伝え話を促す
    • イ.話を早く終わらせる
    • ウ.相手の話を妨げる
    • エ.評価していることを示す

    正解:ア.聴いていることを伝え話を促す

    解説:相づちやうなずきは「あなたの話を聴いている」という非言語的メッセージを伝え、相手が話しやすくなる。

  300. 問300.管理監督者が部下と面談する際の環境設定として最も適切なものはどれか。

    • ア.人通りの多い廊下で立ち話する
    • イ.他の社員が同席する会議室で行う
    • ウ.プライバシーが守られる落ち着いた場所を選ぶ
    • エ.オープンスペースで大声で話す

    正解:ウ.プライバシーが守られる落ち着いた場所を選ぶ

    解説:プライバシーが守られ落ち着いて話せる場所を選ぶことが、安心して相談できる環境づくりにつながる。

  301. 問301.アサーティブな自己表現を身につけることの意義として最も適切なものはどれか。

    • ア.相手を言い負かせるようになる
    • イ.自分の意見を常に通せる
    • ウ.自他を尊重しストレスをためにくくなる
    • エ.沈黙を保てるようになる

    正解:ウ.自他を尊重しストレスをためにくくなる

    解説:アサーションは自他を尊重した率直な表現を可能にし、過度なストレスをためずに良好な人間関係を築く助けになる。

  302. 問302.管理監督者が部下の話を聴くとき、「自分の価値観で評価しながら聴く」ことの弊害として最も適切なものはどれか。

    • ア.相手が安心して話せる
    • イ.相手の真意を正確に理解できる
    • ウ.相談時間が短くなる
    • エ.相手が率直に話せなくなる

    正解:エ.相手が率直に話せなくなる

    解説:評価しながら聴くと相手の真意を歪めて受け取り、相手も評価されていると感じて率直に話せなくなる。

  303. 問303.管理監督者が相談対応で「共感」を示すことと「同情」との違いとして最も適切なものはどれか。

    • ア.共感は相手の立場で理解し、同情は感情に飲み込まれる
    • イ.共感と同情は同じである
    • ウ.同情の方が望ましい
    • エ.共感は相手を哀れむことである

    正解:ア.共感は相手の立場で理解し、同情は感情に飲み込まれる

    解説:共感は相手の気持ちを相手の立場で理解しようとすることで、相手と一体化して感情に飲み込まれる同情とは区別される。

  304. 問304.管理監督者が部下に対し、専門機関を紹介する際の説明として最も適切なものはどれか。

    • ア.機関名だけ伝えて後は本人任せにする
    • イ.紹介後は一切関与しない
    • ウ.利用を強制する
    • エ.機関の役割や守秘の仕組みを分かりやすく伝える

    正解:エ.機関の役割や守秘の仕組みを分かりやすく伝える

    解説:紹介する際は、相手が安心して利用できるよう、機関の役割や守秘義務などの情報を分かりやすく伝えることが望ましい。

  305. 問305.ストレスチェックの結果、面接指導が必要とされた高ストレス者が医師による面接指導を申し出る時期について、労働安全衛生規則の定めとして正しいものはどれか。

    • ア.結果の通知から1年以内であればいつでも
    • イ.次回のストレスチェックの実施日まで
    • ウ.管理監督者の承認を得た後
    • エ.結果の通知を受けた後、遅滞なく

    正解:エ.結果の通知を受けた後、遅滞なく

    解説:安衛則52条の16は、面接指導の申出は要件に該当する労働者が検査結果の通知を受けた後、遅滞なく行うものとし(1項)、事業者は申出があったときは遅滞なく面接指導を行わなければならないとしている(2項)。検査を行った医師等は申出を勧奨することができる(3項)。

  306. 問306.管理監督者が相談を受ける際、「問題解決は本人が主体である」という考え方として最も適切なものはどれか。

    • ア.本人が解決の主体であり支援する
    • イ.管理監督者がすべて解決すべきである
    • ウ.本人に解決を丸投げして関わらない
    • エ.解決は人事部の役割である

    正解:ア.本人が解決の主体であり支援する

    解説:傾聴を通じて本人が自分で考え整理し、解決に向かう力を引き出すことが大切で、管理監督者が代わりに解決するのではない。

  307. 問307.「労働者の心の健康の保持増進のための指針」で、管理監督者が特に話を聞き、必要に応じて相談や受診を促すよう努める対象として例示されている労働者はどれか。

    • ア.昇進して新たに管理職の役職に就いた者
    • イ.定期健康診断で有所見と判定された者
    • ウ.強度の心理的負荷を伴う出来事を経験した者
    • エ.前回のストレスチェックを受けなかった者

    正解:ウ.強度の心理的負荷を伴う出来事を経験した者

    解説:指針6(3)イは、管理監督者は、特に長時間労働等により疲労の蓄積が認められる労働者、強度の心理的負荷を伴う出来事を経験した労働者、その他特に個別の配慮が必要と思われる労働者から、話を聞き、適切な情報を提供し、必要に応じ事業場内産業保健スタッフ等や事業場外資源への相談や受診を促すよう努めるとしている。

  308. 問308.管理監督者が傾聴する際、「言い換え(パラフレーズ)」を用いる目的として最も適切なものはどれか。

    • ア.うなずきや相づちを入れ、相手の発言を促す
    • イ.長い話のエッセンスをまとめて、要点を確かめる
    • ウ.相手の話を聴き手の言葉で表し直して返し、理解を確かめる
    • エ.今ここで感じている気持ちに焦点を当て、自己理解を促す

    正解:ウ.相手の話を聴き手の言葉で表し直して返し、理解を確かめる

    解説:言い換え(いいかえ)は、相手が用いた言葉を別の表現に置き換えて伝え返す技法で、聴き手の理解が合っているかを相手との間で確かめ、話の焦点をはっきりさせる。うなずきや相づちで発言を促すのは「はげまし」、話のエッセンスをまとめて確認するのは「要約」、話し手が今ここで感じている気持ちに焦点を当てて返し、自分の感情への気づきや自己理解を助けるのは「感情の反映」である。いずれも傾聴の技法だが、言い換えとは別のものである。

    根拠: 厚生労働省 キャリアコンサルティング研修テキスト(平成24年度)第15章 PDF p.3 ③はげまし、いいかえ、要約(はげまし=うなずき・相づちで発言を促す、いいかえ=相手の用いた言葉を別の表現に置き換える、要約=話のエッセンスを確認する。会話を活性化し焦点を明確化)、④感情の反映(今ここで感じている気持ちに焦点を当てる。自分の感情に気づく機会・自己理解に役立つ) / 岩手県立総合教育センター「傾聴・応答・質問技法」 Ⅱ「応答」の効果(相手の経験・感じていることを的確に捉え、相手に伝え返して確認する)

  309. 問309.管理監督者が部下から相談を受けた内容を、上位者や産業保健スタッフと共有する必要がある場合の原則として最も適切なものはどれか。

    • ア.本人の同意を得て必要な範囲で共有する
    • イ.本人に断りなく自由に共有する
    • ウ.共有は一切してはならない
    • エ.誰にでも全内容を共有する

    正解:ア.本人の同意を得て必要な範囲で共有する

    解説:本人の利益のために共有が必要な場合でも、原則として本人の同意を得て、必要な範囲に限って共有する。

  310. 問310.傾聴のなかで「感情の反映」を行う目的として最も適切なものはどれか。

    • ア.相手の感情を否定する
    • イ.相手を笑わせる
    • ウ.相手の感情を言葉にして理解を伝える
    • エ.感情を無視して事実だけ扱う

    正解:ウ.相手の感情を言葉にして理解を伝える

    解説:感情の反映は、相手の言葉の背後にある感情を言葉にして返すことで、相手に理解されていると感じてもらう技法である。

  311. 問311.管理監督者が部下の相談に応じる際、「秘密は守る」と安易に約束することの問題点として最も適切なものはどれか。

    • ア.管理監督者が相談に応じること自体が越権となる
    • イ.相談内容を人事部門へ報告するという原則に反する
    • ウ.部下に産業医への相談や受診を勧められなくなる
    • エ.安全確保のため共有が必要な場合に対応できなくなる

    正解:エ.安全確保のため共有が必要な場合に対応できなくなる

    解説:健康情報を含む労働者の個人情報を第三者へ提供するには、原則として本人の同意が必要である。ただし、労働者の生命や健康の保護のために緊急かつ重要と判断される場合は、本人の同意を得るよう努めたうえで、必要な範囲で積極的に利用すべき場合もある。「秘密は必ず守る」と安易に約束すると、こうした場面で必要な共有ができなくなる。相談内容は人事部門へ報告するのが原則なのではない。また、管理監督者は「ラインによるケア」として部下の相談に応じ、必要に応じて産業保健スタッフ等への相談や受診を促す立場にあり、相談に応じることは越権ではなく、秘密を守ることで受診を勧められなくなるわけでもない。

    根拠: 厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(平成18年公示第3号・平成27年改正) 5(2) ラインによるケア(PDF 4枚目)、6(3)イ 管理監督者、事業場内産業保健スタッフ等による相談対応等(PDF 9〜10枚目)、7(1) 労働者の同意(PDF 11枚目)

  312. 問312.管理監督者のコミュニケーションにおいて、メッセージを「私(アイ)メッセージ」で伝えることの利点として最も適切なものはどれか。

    • ア.相手を責めずに自分の気持ちを伝えられる
    • イ.相手を強く非難できる
    • ウ.責任を相手に押しつけられる
    • エ.命令口調になる

    正解:ア.相手を責めずに自分の気持ちを伝えられる

    解説:「私は〜と感じる」というアイメッセージは、相手を責めずに自分の気持ちを伝えられ、アサーティブな表現に役立つ。

  313. 問313.管理監督者が部下の相談で「アドバイスのしすぎ」に陥らないために大切なことは何か。

    • ア.十分に傾聴したうえで必要時に情報提供する
    • イ.最初から助言を中心にする
    • ウ.助言は一切しない
    • エ.自分の成功体験を繰り返し語る

    正解:ア.十分に傾聴したうえで必要時に情報提供する

    解説:まず十分に傾聴し、相手の気持ちと状況を理解したうえで、本人が望むときに情報提供する姿勢が大切である。

  314. 問314.非言語的コミュニケーションのうち、相手との物理的な距離(対人距離)に関する説明として最も適切なものはどれか。

    • ア.対人距離は意味を持たない
    • イ.適切な距離は安心感に関係する
    • ウ.近いほど常に良い
    • エ.距離は言語に含まれる

    正解:イ.適切な距離は安心感に関係する

    解説:対人距離も非言語的コミュニケーションの一要素であり、近すぎると圧迫感を、遠すぎるとよそよそしさを与えることがある。

  315. 問315.パワーハラスメント防止指針で、事業主が相談窓口をあらかじめ定めていると認められる例として挙げられているものはどれか。

    • ア.外部の機関に相談への対応を委託すること
    • イ.相談があった都度、対応する担当者を決めること
    • ウ.相談は書面の提出があった場合に限り受け付けること
    • エ.管理監督者全員の個人の連絡先を掲示すること

    正解:ア.外部の機関に相談への対応を委託すること

    解説:指針4(2)イは、相談窓口をあらかじめ定めて労働者に周知することを求め、その例として、相談に対応する担当者をあらかじめ定めること、相談に対応するための制度を設けること、外部の機関に相談への対応を委託することを挙げている。

  316. 問316.管理監督者が部下を専門家へ橋渡しした後の関わりとして最も適切なものはどれか。

    • ア.橋渡し後は一切関わらない
    • イ.本人の同意のもと連携と見守りを続ける
    • ウ.専門家の指示を無視する
    • エ.本人を職場から排除する

    正解:イ.本人の同意のもと連携と見守りを続ける

    解説:橋渡し後も、本人の同意のもと産業保健スタッフ等と連携しながら、職場での配慮や見守りを継続することが望ましい。

  317. 問317.相談を受けた管理監督者が「自分の感情に巻き込まれず冷静に聴く」ことの意義として最も適切なものはどれか。

    • ア.相手を突き放すため
    • イ.相談を早く終えるため
    • ウ.相手より優位に立つため
    • エ.客観性を保ち適切に支援するため

    正解:エ.客観性を保ち適切に支援するため

    解説:聴き手が感情に巻き込まれると客観性を失う。自己一致を保ちつつ冷静に聴くことで適切な支援につながる。

  318. 問318.管理監督者が相談対応スキルとして「傾聴」を重視する理由として最も適切なものはどれか。

    • ア.相手が安心して気持ちを表出できるから
    • イ.早く助言を与えるため
    • ウ.相手を評価しやすくするため
    • エ.会話を短くするため

    正解:ア.相手が安心して気持ちを表出できるから

    解説:傾聴によって相手は安心して気持ちを表出でき、それ自体が心理的支援となり、問題の整理や早期対応につながる。

  319. 問319.管理監督者が、相談に来た部下に対して「ねぎらいの言葉」をかけることの意義として最も適切なものはどれか。

    • ア.相談したことを肯定し安心感を与えるため
    • イ.相手を油断させるため
    • ウ.責任を回避するため
    • エ.早く話を切り上げるため

    正解:ア.相談したことを肯定し安心感を与えるため

    解説:相談に来たこと自体を肯定的に受け止めねぎらうことで、相手は安心し、相談してよかったと感じられる。

  320. 問320.管理監督者が社内外の相談資源を部下に紹介する際、把握しておくべき情報として最も適切でないものはどれか。

    • ア.相談窓口の場所や連絡方法
    • イ.利用にあたっての守秘の仕組み
    • ウ.相談員のプライベートな個人情報
    • エ.利用できる時間や費用

    正解:ウ.相談員のプライベートな個人情報

    解説:相談資源の所在・利用方法・守秘の仕組みなどは把握すべきだが、相談員個人のプライベートな情報まで把握する必要はない。

  321. 問321.ストレス要因(ストレッサー)とストレス反応の関係について、最も適切なものはどれか。

    • ア.ストレッサーは心身に生じた反応そのものを指す
    • イ.ストレス反応とストレッサーは同義であり区別する必要はない
    • ウ.ストレッサーは外部から加わる刺激・負荷で、ストレス反応はそれに対する心身の反応である
    • エ.ストレス反応は刺激であり、ストレッサーは結果である

    正解:ウ.ストレッサーは外部から加わる刺激・負荷で、ストレス反応はそれに対する心身の反応である

    解説:ストレッサーとは外部から心身に加わる刺激・負荷を指し、ストレス反応はそれに対して生じる心身の反応である。両者を区別して理解することが基礎となる。

  322. 問322.NIOSH(米国国立労働安全衛生研究所)の職業性ストレスモデルにおいて、ストレス反応を経て最終的に至るとされるものはどれか。

    • ア.仕事への満足
    • イ.疾病(病気)
    • ウ.昇進
    • エ.緩衝要因の増加

    正解:イ.疾病(病気)

    解説:NIOSHモデルでは、仕事のストレッサーから急性ストレス反応が生じ、それが持続すると疾病(病気)に至るという流れが示される。

  323. 問323.NIOSH職業性ストレスモデルにおける「個人要因」に該当するものとして、最も適切なものはどれか。

    • ア.家庭からの要求
    • イ.上司や同僚からの支援
    • ウ.仕事の量的負荷
    • エ.年齢・性別・性格などの個人の特性

    正解:エ.年齢・性別・性格などの個人の特性

    解説:個人要因には年齢・性別・性格(タイプA行動パターン等)・自己評価などが含まれ、ストレッサーとストレス反応の関係に影響を与える。

  324. 問324.NIOSH職業性ストレスモデルにおける「仕事外の要因」に該当するものはどれか。

    • ア.家庭からの要求(家族の問題など)
    • イ.作業環境
    • ウ.仕事のコントロール度
    • エ.役割葛藤

    正解:ア.家庭からの要求(家族の問題など)

    解説:仕事外の要因には家庭からの要求や家族関係など、職場以外の生活上の負荷が含まれる。

  325. 問325.NIOSH職業性ストレスモデルにおける「緩衝要因(緩衝因子)」の説明として、最も適切なものはどれか。

    • ア.個人の性格を変化させる要因である
    • イ.ストレッサーが健康障害に至る過程を和らげる要因で、社会的支援が代表例である
    • ウ.ストレッサーを増幅させる要因である
    • エ.疾病そのものを指す

    正解:イ.ストレッサーが健康障害に至る過程を和らげる要因で、社会的支援が代表例である

    解説:緩衝要因はストレッサーがストレス反応や健康障害に至る過程を和らげる働きをもち、代表例が上司・同僚・家族などからの社会的支援(ソーシャルサポート)である。

  326. 問326.職場のストレスに対する「社会的支援(ソーシャルサポート)」の供給源として、一般に含まれないものはどれか。

    • ア.同僚
    • イ.仕事の量的負荷
    • ウ.家族や友人
    • エ.上司

    正解:イ.仕事の量的負荷

    解説:社会的支援は上司・同僚・家族・友人などから得られる。ストレッサーそのものは支援源ではない。

  327. 問327.ストレスによって生じる健康障害のメカニズムに関与する身体システムとして、最も適切な組み合わせはどれか。

    • ア.消化器系・呼吸器系・泌尿器系
    • イ.視覚系・聴覚系・触覚系
    • ウ.骨格系・筋系・皮膚系
    • エ.自律神経系・内分泌系・免疫系

    正解:エ.自律神経系・内分泌系・免疫系

    解説:ストレス反応は自律神経系・内分泌系・免疫系の3つの経路を介して身体に影響を及ぼす。

  328. 問328.ストレス時に活性化し、心拍数の増加や血圧上昇など「闘争・逃走反応」に関与する自律神経はどれか。

    • ア.副交感神経系
    • イ.感覚神経系
    • ウ.運動神経系
    • エ.交感神経系

    正解:エ.交感神経系

    解説:急性のストレス時には交感神経系が優位となり、心拍数や血圧の上昇など身体を活動状態にする反応が起こる。

  329. 問329.ストレス反応における内分泌系の経路(HPA軸)で、最終的に副腎皮質から分泌される代表的なホルモンはどれか。

    • ア.成長ホルモンのみ
    • イ.メラトニン
    • ウ.コルチゾール
    • エ.インスリン

    正解:ウ.コルチゾール

    解説:視床下部-下垂体-副腎皮質系(HPA軸)が活性化すると、副腎皮質からコルチゾールが分泌される。

  330. 問330.ストレス反応におけるHPA軸(視床下部-下垂体-副腎皮質系)の流れとして、最も適切なものはどれか。

    • ア.副腎髄質→視床下部→下垂体
    • イ.視床下部→下垂体→副腎皮質
    • ウ.副腎皮質→下垂体→視床下部
    • エ.下垂体→視床下部→副腎髄質

    正解:イ.視床下部→下垂体→副腎皮質

    解説:HPA軸では視床下部→下垂体→副腎皮質の順に刺激が伝わり、最終的にコルチゾールが分泌される。

  331. 問331.慢性的なストレスにより、コルチゾールが過剰に分泌され続けた場合に生じうる影響として、最も適切なものはどれか。

    • ア.免疫機能の抑制など、健康障害につながりうる
    • イ.免疫機能が一貫して亢進し感染症にかかりにくくなる
    • ウ.身体への影響は全く生じない
    • エ.副交感神経のみが恒常的に活性化する

    正解:ア.免疫機能の抑制など、健康障害につながりうる

    解説:コルチゾールが慢性的に過剰分泌されると、免疫機能の抑制や血糖・血圧への影響など、健康障害につながりうる。

  332. 問332.統合失調症の治療で中心的に用いられる薬として、最も適切なものはどれか。

    • ア.抗うつ薬
    • イ.抗精神病薬
    • ウ.抗不安薬
    • エ.睡眠薬

    正解:イ.抗精神病薬

    解説:統合失調症の薬物療法では抗精神病薬が中心となる。抗不安薬・睡眠薬・抗うつ薬は場合により補助的に使われることがあるが、中心となる症状への効果は期待されていない。自己判断で減量・中止すると再発を誘発しやすい(国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」)。

  333. 問333.ストレス反応の3つの側面の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

    • ア.視覚面・聴覚面・嗅覚面
    • イ.金銭面・社会面・物理面
    • ウ.身体面・心理面・行動面
    • エ.過去面・現在面・未来面

    正解:ウ.身体面・心理面・行動面

    解説:ストレス反応は身体面・心理面・行動面の3側面に現れる。管理監督者はこれらの変化に気づくことが求められる。

  334. 問334.ストレス反応のうち「身体面」に現れるものとして、最も適切なものはどれか。

    • ア.気分の落ち込みや不安
    • イ.遅刻や欠勤の増加
    • ウ.飲酒量の増加
    • エ.頭痛・肩こり・動悸・胃痛などの身体症状

    正解:エ.頭痛・肩こり・動悸・胃痛などの身体症状

    解説:身体面のストレス反応には頭痛・肩こり・動悸・胃痛・疲労感・睡眠の問題などがある。

  335. 問335.ストレス反応のうち「心理面」に現れるものとして、最も適切なものはどれか。

    • ア.暴飲暴食
    • イ.欠勤の増加
    • ウ.不安・イライラ・抑うつ気分などの感情の変化
    • エ.血圧の上昇

    正解:ウ.不安・イライラ・抑うつ気分などの感情の変化

    解説:心理面のストレス反応には不安・緊張・イライラ・抑うつ気分・集中力低下などがある。

  336. 問336.ストレス反応のうち「行動面」に現れるものとして、最も適切なものはどれか。

    • ア.動悸や発汗
    • イ.胃痛
    • ウ.抑うつ気分
    • エ.遅刻・欠勤やミスの増加、飲酒量の増加

    正解:エ.遅刻・欠勤やミスの増加、飲酒量の増加

    解説:行動面のストレス反応には遅刻・欠勤・ミスの増加・飲酒や喫煙量の増加・引きこもりなどがある。

  337. 問337.急性ストレスと慢性ストレスの違いについて、最も適切なものはどれか。

    • ア.慢性ストレスはストレッサーが長期間持続し、健康障害につながりやすい
    • イ.両者に身体への影響の差はない
    • ウ.急性ストレスは長期間続くストレスを指す
    • エ.慢性ストレスは一過性で必ず自然に消失する

    正解:ア.慢性ストレスはストレッサーが長期間持続し、健康障害につながりやすい

    解説:急性ストレスは強い刺激に対する一時的な反応であり、慢性ストレスはストレッサーが長期間持続することで生じ、健康障害につながりやすい。

  338. 問338.産業ストレス(職業性ストレス)の特徴に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.産業ストレスは仕事の量だけで決まる
    • イ.仕事の量・質、人間関係、職場環境など多様な要因が関与する
    • ウ.産業ストレスは個人の性格とは無関係である
    • エ.産業ストレスは緩衝要因の影響を受けない

    正解:イ.仕事の量・質、人間関係、職場環境など多様な要因が関与する

    解説:産業ストレスは仕事の量・質、人間関係、職場環境など多様な要因が関与し、個人要因や仕事外要因とも相互に影響し合う。

  339. 問339.職場のストレス要因のうち「仕事の質的負荷」に該当するものとして、最も適切なものはどれか。

    • ア.通勤時間が長いこと
    • イ.給与が低いこと
    • ウ.処理すべき仕事の量が多いこと
    • エ.高度な知識や難しい判断を要する仕事内容であること

    正解:エ.高度な知識や難しい判断を要する仕事内容であること

    解説:質的負荷は仕事の難しさや高度な判断・責任を要する内容に関する負荷であり、量的負荷(仕事量の多さ)とは区別される。

  340. 問340.職場のストレス要因における「役割葛藤」の説明として、最も適切なものはどれか。

    • ア.相互に矛盾する複数の役割期待を同時に受ける状態
    • イ.役割が全くない状態
    • ウ.仕事量が極端に少ない状態
    • エ.自分の役割が何か分からない状態

    正解:ア.相互に矛盾する複数の役割期待を同時に受ける状態

    解説:役割葛藤は、相互に矛盾する複数の役割期待や要求を同時に受けることで生じるストレス要因である。

  341. 問341.職場のストレス要因における「役割の曖昧さ」の説明として、最も適切なものはどれか。

    • ア.矛盾する役割を同時に求められること
    • イ.役割が固定されていること
    • ウ.自分に求められる役割や責任の範囲が不明確であること
    • エ.役割が多すぎること

    正解:ウ.自分に求められる役割や責任の範囲が不明確であること

    解説:役割の曖昧さは、自分に求められる役割や責任の範囲がはっきりしないことで生じるストレス要因である。

  342. 問342.双極性障害の躁状態に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.本人は強い苦痛を自覚し、自ら受診することが多い
    • イ.一般に、うつ状態の期間より長く続く傾向がある
    • ウ.数日で自然に治まり、再発することはまれである
    • エ.本人は気分がよく、病気の自覚を持ちにくい

    正解:エ.本人は気分がよく、病気の自覚を持ちにくい

    解説:躁状態ではとても気分がよいため本人には病気の自覚がなく、治療を受けないことがよくある。一般に躁状態よりうつ状態の期間のほうが長く続く傾向があり、再発しやすい病気である(国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」)。

  343. 問343.職場における対人関係のストレスについて、最も適切なものはどれか。

    • ア.対人関係は職場のストレス要因にはならない
    • イ.良好な人間関係はストレスを増大させる
    • ウ.対人関係は緩衝要因として働くことはない
    • エ.上司・同僚・部下との人間関係は代表的なストレス要因である

    正解:エ.上司・同僚・部下との人間関係は代表的なストレス要因である

    解説:上司・同僚・部下との人間関係は職場の代表的なストレス要因であり、良好な関係は緩衝要因にもなりうる。

  344. 問344.職場環境がストレス要因となる例として、最も適切なものはどれか。

    • ア.十分な休息時間
    • イ.騒音や不適切な照明などの物理的作業環境
    • ウ.適切な裁量の付与
    • エ.良好な人間関係

    正解:イ.騒音や不適切な照明などの物理的作業環境

    解説:温度・湿度・照明・騒音・有害物質など物理的な作業環境もストレス要因となりうる。

  345. 問345.昇進・昇格や人事異動が労働者のストレス要因となりうる理由として、最も適切なものはどれか。

    • ア.望ましい変化は決してストレスにならないため理由はない
    • イ.異動は緩衝要因であるため
    • ウ.新たな役割や環境への適応が求められ、変化自体がストレスになりうるため
    • エ.昇進は必ず健康障害を引き起こすため

    正解:ウ.新たな役割や環境への適応が求められ、変化自体がストレスになりうるため

    解説:昇進・異動は望ましい変化であっても、新たな役割・人間関係・環境への適応が必要となり、ライフイベントとしてストレス要因になりうる。

  346. 問346.ライフイベントとストレスの関係について、最も適切なものはどれか。

    • ア.ライフイベントは仕事に関するものに限られる
    • イ.結婚や昇進など望ましい出来事も適応を要するためストレス要因となりうる
    • ウ.ライフイベントは身体疾患とは無関係である
    • エ.望ましい出来事はストレス要因にならない

    正解:イ.結婚や昇進など望ましい出来事も適応を要するためストレス要因となりうる

    解説:結婚や昇進など望ましい出来事も含め、生活上の変化(ライフイベント)は適応を要するためストレス要因となりうる。

  347. 問347.うつ病の典型的な症状として、最も適切なものはどれか。

    • ア.抑うつ気分や興味・喜びの喪失、意欲・集中力の低下
    • イ.幻覚・妄想が中心症状である
    • ウ.記憶の欠落のみが生じる
    • エ.気分が高揚し活動性が著しく増す

    正解:ア.抑うつ気分や興味・喜びの喪失、意欲・集中力の低下

    解説:うつ病では抑うつ気分や興味・喜びの喪失が中心症状であり、睡眠障害・食欲低下・意欲低下・自責感などを伴う。

  348. 問348.うつ病の症状の特徴として、しばしば見られる「日内変動」の説明として最も適切なものはどれか。

    • ア.夜になるほど気分が著しく良くなる
    • イ.朝方に調子が悪く、夕方にかけてやや改善する傾向がみられる
    • ウ.気分は1日を通して全く変化しない
    • エ.昼食後に最も気分が悪化し夜間に消失する

    正解:イ.朝方に調子が悪く、夕方にかけてやや改善する傾向がみられる

    解説:うつ病では、朝方に気分の落ち込みが強く、夕方にかけてやや軽くなるという日内変動がしばしば認められる。

  349. 問349.うつ病に関する正しい理解として、最も適切なものはどれか。

    • ア.うつ病は本人の気の持ちようの問題で治療は不要である
    • イ.うつ病になった人は怠けているだけである
    • ウ.うつ病は励まし続ければ必ずすぐ治る
    • エ.うつ病は治療を要する疾患であり、休養と治療により回復が期待できる

    正解:エ.うつ病は治療を要する疾患であり、休養と治療により回復が期待できる

    解説:うつ病は「気の持ちよう」や「怠け」ではなく、治療を要する疾患であり、休養と適切な治療により回復が期待できる。

  350. 問350.うつ状態の部下への管理監督者の対応として、一般に適切でないものはどれか。

    • ア.話をよく聴き、必要に応じて専門家への相談を促す
    • イ.『頑張れ』と強く励まし続け、努力で乗り越えさせる
    • ウ.業務量を調整するなど環境面の配慮を検討する
    • エ.産業医や事業場内の相談窓口につなぐ

    正解:イ.『頑張れ』と強く励まし続け、努力で乗り越えさせる

    解説:うつ状態の人を安易に「頑張れ」と励まし続けることは、本人をさらに追い詰める場合があり望ましくない。専門家への相談につなぐことが重要である。

  351. 問351.双極性障害(躁うつ病)の特徴として、最も適切なものはどれか。

    • ア.気分の変動は一切見られない
    • イ.抑うつ状態のみが繰り返される
    • ウ.抑うつ状態に加えて気分が高揚する躁状態が現れる
    • エ.常に気分が高揚した状態が続く

    正解:ウ.抑うつ状態に加えて気分が高揚する躁状態が現れる

    解説:双極性障害では、抑うつ状態だけでなく、気分が高揚し活動性が高まる躁状態(または軽躁状態)が現れる点が特徴である。

  352. 問352.双極性障害における「躁状態」の特徴として、最も適切なものはどれか。

    • ア.強い不安発作が反復する
    • イ.興味や喜びの喪失が中心である
    • ウ.気分の高揚・活動性の亢進・睡眠欲求の減少・多弁などがみられる
    • エ.強い眠気と過眠が続く

    正解:ウ.気分の高揚・活動性の亢進・睡眠欲求の減少・多弁などがみられる

    解説:躁状態では気分の高揚、活動性の亢進、睡眠欲求の減少、多弁、誇大的な思考などがみられ、社会的・職業的な問題を生じることがある。

  353. 問353.適応障害の説明として、最も適切なものはどれか。

    • ア.周りの人には聞こえない声が聞こえるなど、幻覚や妄想が主な症状として現れる
    • イ.明確なストレス要因に対する反応として情緒・行動面の症状が生じる
    • ウ.死の危険に直面した体験の記憶が、自分の意志と関係なくよみがえり続ける
    • エ.ストレス要因から離れても改善しにくく、薬物療法が回復の中心となる

    正解:イ.明確なストレス要因に対する反応として情緒・行動面の症状が生じる

    解説:適応障害は、環境の変化によるストレスが本人の順応する力を超えたときに生じる、情緒面や行動面の不調で、うつ病など他の精神疾患の診断には至っていない状態をいう。薬物療法も行われるが、回復には環境の調整、環境に慣れること、順応する力を高めることが重要とされる。幻覚や妄想が典型的な症状なのは統合失調症、死の危険に直面した体験の記憶が自分の意志と関係なくよみがえり続けるのはPTSD(心的外傷後ストレス障害)である。

    根拠: 厚生労働省「こころの耳」用語解説「適応障害」 環境変化によるストレスが個人の順応力を越えた時に生じる情緒面および行動面の不調、うつ病など他の精神疾患の診断がつくには至っていない状態、環境調整・環境に慣れること・順応力が増えることが回復に重要 / 国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」こころの病気を知る「統合失調症」 「統合失調症」とは:陽性症状の典型は幻覚と妄想、周りの人には聞こえない声が聞こえる幻聴が多い / 国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」こころの病気を知る「PTSD」 PTSDとは:死の危険に直面した後、その体験の記憶が自分の意志とは関係なくフラッシュバックのように思い出されたり悪夢に見たりすることが続く

  354. 問354.適応障害への対応に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.原因となるストレス要因への対処や環境調整が重要である
    • イ.環境を変えても症状は全く改善しない
    • ウ.原因の特定は治療上意味がない
    • エ.ストレス要因とは無関係に薬物療法のみで対応する

    正解:ア.原因となるストレス要因への対処や環境調整が重要である

    解説:適応障害では原因となるストレス要因への対処や環境調整が重要であり、ストレス要因が軽減されれば症状の改善が期待できる。

  355. 問355.パニック障害の中心的な症状である「パニック発作」の説明として、最も適切なものはどれか。

    • ア.気分が高揚し活動性が高まる状態
    • イ.数日間持続する持続的な抑うつ気分
    • ウ.突然生じる強い不安・恐怖と動悸・息苦しさなどの身体症状の発作
    • エ.現実感を伴う幻覚体験

    正解:ウ.突然生じる強い不安・恐怖と動悸・息苦しさなどの身体症状の発作

    解説:パニック発作は、突然生じる強い不安・恐怖とともに、動悸・息苦しさ・めまい・発汗などの身体症状を伴う発作である。

  356. 問356.パニック障害でしばしばみられる「予期不安」の説明として、最も適切なものはどれか。

    • ア.過去の失敗を繰り返し思い出す不安
    • イ.他人に見られることへの不安
    • ウ.また発作が起こるのではないかという不安
    • エ.高所に対する不安

    正解:ウ.また発作が起こるのではないかという不安

    解説:予期不安は、また発作が起こるのではないかという不安であり、これが日常生活や行動の制限につながることがある。

  357. 問357.社交不安障害(社会不安障害)の特徴として、最も適切なものはどれか。

    • ア.睡眠中にのみ症状が現れる
    • イ.特定の物や状況に限らずあらゆる場面で気分が高揚する
    • ウ.幻聴を主症状とする
    • エ.人前や注目される場面で強い不安・緊張を感じ回避しようとする

    正解:エ.人前や注目される場面で強い不安・緊張を感じ回避しようとする

    解説:社交不安障害では、人前での発言や注目される場面などで強い不安・緊張を感じ、そうした状況を避けようとする傾向がある。

  358. 問358.不安障害に共通する特徴として、最も適切なものはどれか。

    • ア.過剰な不安・恐怖が持続または反復し生活に支障をきたす
    • イ.一日中気分が落ち込み、何をしても楽しめない状態が続く
    • ウ.幻覚や妄想が中心となり、考えがまとまりにくくなる
    • エ.気分が高揚し活動的になる時期と、うつ状態を繰り返す

    正解:ア.過剰な不安・恐怖が持続または反復し生活に支障をきたす

    解説:不安障害(不安症)は、差し迫った出来事への恐怖や将来への不安が状況に比べて過剰になり、それが続いて行動や社会生活に支障が出る状態で、パニック症・社交不安症・限局性恐怖症などに分かれる。動悸・震え・発汗などの身体症状を伴うこともある。一日中の気分の落ち込みや何をしても楽しめない状態はうつ病の、幻覚・妄想が中心で考えがまとまりにくくなるのは統合失調症の、気分が高揚する躁状態とうつ状態を繰り返すのは双極性障害の特徴で、不安障害に共通する特徴ではない。

    根拠: 国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」不安症 不安症とは(恐怖や不安が過剰となり行動や社会生活に影響を与える状態が続く)・さまざまな不安症 / 国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」うつ病 「うつ病」とは(一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめない) / 国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」統合失調症 「統合失調症」とは(陽性症状の典型は幻覚と妄想、考えがまとまりづらくなる) / 国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」双極性障害(躁うつ病) 「双極性障害」とは(躁状態とうつ状態を繰り返す)

  359. 問359.睡眠障害のうち「入眠障害」の説明として、最も適切なものはどれか。

    • ア.朝早く目が覚めてしまい再び眠れない
    • イ.夜間に何度も目が覚める
    • ウ.睡眠時間は足りているが熟眠感がない
    • エ.寝つくまでに時間がかかる

    正解:エ.寝つくまでに時間がかかる

    解説:入眠障害は寝つくまでに時間がかかるタイプの不眠であり、ほかに中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害などがある。

  360. 問360.睡眠障害のうち「早朝覚醒」の説明として、最も適切なものはどれか。

    • ア.寝つきが悪い
    • イ.夜間に何度も目が覚める
    • ウ.眠っても熟眠感が得られない
    • エ.予定より早く目が覚め再び眠れない

    正解:エ.予定より早く目が覚め再び眠れない

    解説:早朝覚醒は予定より早く目が覚めてしまい再入眠できない状態で、うつ病でしばしばみられる。

  361. 問361.睡眠と心の健康の関係について、最も適切なものはどれか。

    • ア.睡眠の問題はメンタルヘルス不調のサインであることが多い
    • イ.不眠はうつ病とは関連しない
    • ウ.睡眠の問題はメンタルヘルスとは無関係である
    • エ.良質な睡眠はメンタルヘルスに悪影響を及ぼす

    正解:ア.睡眠の問題はメンタルヘルス不調のサインであることが多い

    解説:不眠などの睡眠の問題はメンタルヘルス不調のサインであることが多く、うつ病など多くの精神疾患で睡眠障害がみられる。

  362. 問362.アルコール依存症に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア.身体的影響はあるが精神的影響はない
    • イ.飲酒のコントロールが困難になり生活や健康に支障をきたす疾患である
    • ウ.意志の力だけで容易にやめられる習慣の問題である
    • エ.本人の努力不足が唯一の原因である

    正解:イ.飲酒のコントロールが困難になり生活や健康に支障をきたす疾患である

    解説:アルコール依存症は、飲酒のコントロールが困難になり、生活や健康に支障をきたしてもやめられなくなる状態であり、治療を要する疾患である。

  363. 問363.アルコール依存症でみられる「耐性」の説明として、最も適切なものはどれか。

    • ア.少量の飲酒で以前より強く酔うようになること
    • イ.飲酒しても全く酔わなくなること
    • ウ.同じ効果を得るために飲酒量が増えていくこと
    • エ.飲酒欲求が完全に消失すること

    正解:ウ.同じ効果を得るために飲酒量が増えていくこと

    解説:耐性とは、同じ効果を得るために以前より多くの飲酒量を必要とするようになる状態を指す。

  364. 問364.職場におけるアルコール関連問題への管理監督者の理解として、最も適切なものはどれか。

    • ア.治療が必要な病気であり、専門の機関や相談窓口につなげる
    • イ.意志の弱さが原因であり、断酒を約束させて職場で見守る
    • ウ.飲み方の癖にすぎず、上司が飲酒量を減らすよう指導する
    • エ.私生活の問題であり、業務に支障が出るまで関与しない

    正解:ア.治療が必要な病気であり、専門の機関や相談窓口につなげる

    解説:アルコール依存症は、飲酒を自分の意思でコントロールできなくなる病気で、適切な治療とその後の支援によって回復が可能とされる。本人が問題を認めにくい「否認の病気」ともいわれるため、叱責や説得で解決しようとせず、早めに専門の医療機関や相談窓口(保健所・精神保健福祉センターなど)につなげる。意志の弱さが原因とみて約束させる、上司の指導で飲酒量を減らそうとする、業務に支障が出るまで関与しない、といった対応は治療や支援につなぐ時期を遅らせる。

    根拠: 厚生労働省「依存症対策」 依存症とは(自分の意思ではやめられない、コントロールできなくなってしまう病気、本人の心が弱いからと思われがち、否認の病気、早めに治療や支援につなげる、保健所や精神保健福祉センターに相談)・回復可能な疾患

  365. 問365.心身症の定義として、最も適切なものはどれか。

    • ア.気分の高揚を主症状とする状態
    • イ.幻覚・妄想を伴う精神疾患である
    • ウ.発症や経過に心理社会的要因が関与する身体疾患である
    • エ.身体に異常がなく心理的訴えのみがある状態

    正解:ウ.発症や経過に心理社会的要因が関与する身体疾患である

    解説:心身症は、発症や経過に心理社会的要因が密接に関与する身体疾患であり、器質的または機能的な身体の障害を伴うものをいう。神経症や精神疾患は除外される。

  366. 問366.心身症に該当しうる身体疾患の例として、一般に挙げられるものはどれか。

    • ア.視力低下のみ
    • イ.骨折
    • ウ.ウイルス性肝炎のみ
    • エ.過敏性腸症候群や緊張型頭痛など

    正解:エ.過敏性腸症候群や緊張型頭痛など

    解説:過敏性腸症候群、緊張型頭痛、本態性高血圧、胃・十二指腸潰瘍などは、心理社会的要因の関与が指摘される心身症の例として挙げられることがある。

  367. 問367.心身症と理解するうえで重要な考え方として、最も適切なものはどれか。

    • ア.身体治療に加え、背景の心理社会的要因への対応も重要である
    • イ.心身症は精神疾患であり身体治療は不要である
    • ウ.身体面の治療のみを行えばよい
    • エ.心理的要因は治療上考慮しない

    正解:ア.身体治療に加え、背景の心理社会的要因への対応も重要である

    解説:心身症では身体疾患の治療とともに、背景にある心理社会的ストレス要因への対応を併せて考えることが重要である。

  368. 問368.統合失調症の症状の理解として、最も適切なものはどれか。

    • ア.幻覚・妄想などの陽性症状や意欲低下などの陰性症状がみられる
    • イ.気分の高揚と抑うつのみを繰り返す
    • ウ.飲酒のコントロール困難が中心症状である
    • エ.発作的な強い不安のみが反復する

    正解:ア.幻覚・妄想などの陽性症状や意欲低下などの陰性症状がみられる

    解説:統合失調症では幻覚(幻聴など)や妄想といった陽性症状、意欲低下や感情の平板化といった陰性症状などがみられる。

  369. 問369.発達障害に関する基礎的な理解として、最も適切なものはどれか。

    • ア.成人になってから初めて生じる疾患である
    • イ.生まれつきの脳機能の特性に基づくもので、理解と配慮が求められる
    • ウ.本人の努力不足や育て方が原因である
    • エ.必ず知的能力の著しい低下を伴う

    正解:イ.生まれつきの脳機能の特性に基づくもので、理解と配慮が求められる

    解説:発達障害は生まれつきの脳機能の特性に基づくもので、本人の努力不足や育て方の問題ではなく、特性に応じた理解と配慮が求められる。

  370. 問370.心の健康問題に対する正しい理解と偏見(スティグマ)の是正について、最も適切なものはどれか。

    • ア.偏見は早期相談を促進する
    • イ.心の健康問題は誰にでも起こりうるもので、正しい理解が重要である
    • ウ.心の健康問題は特別な人だけに起こる
    • エ.本人の性格の弱さが唯一の原因である

    正解:イ.心の健康問題は誰にでも起こりうるもので、正しい理解が重要である

    解説:心の健康問題は誰にでも起こりうるものであり、誤解や偏見をなくし正しく理解することが、早期の相談・支援につながる。

  371. 問371.メンタルヘルス不調を抱える人への偏見が及ぼす影響として、最も適切なものはどれか。

    • ア.偏見は受診や相談を促進する
    • イ.偏見は本人が相談・受診をためらう要因となり対応が遅れうる
    • ウ.偏見はメンタルヘルス不調と無関係である
    • エ.偏見があるほど早期発見につながる

    正解:イ.偏見は本人が相談・受診をためらう要因となり対応が遅れうる

    解説:偏見やスティグマは、本人が相談や受診をためらう要因となり、結果として対応が遅れる原因になりうる。

  372. 問372.自殺予防に関する管理監督者の基本的な理解として、最も適切なものはどれか。

    • ア.自殺について話すと危険を高めるおそれがあるので、職場では話題にしないようにする
    • イ.「死ぬ」と口にする人は実際には自殺しないことが多いので、深刻に受け止めなくてよい
    • ウ.死にたいと打ち明けられたら、すぐに明るい話題に切り替えて励ますようにする
    • エ.背景にうつ病など治療可能な疾患が関与していることが多く、気づきと専門家相談が重要である

    正解:エ.背景にうつ病など治療可能な疾患が関与していることが多く、気づきと専門家相談が重要である

    解説:自殺の背景には、うつ病などの治療できる精神疾患があることが多く、治療で精神症状が改善すれば自殺を考える気持ちも和らぐ。管理監督者は部下の変化に気づき、産業保健スタッフや専門医につなぐことが大切である。自殺の話をすると危険が高まると心配して避けるより、相談先を示すなど職場でも取り上げることが望まれる。「死ぬ」と言う人は死なないというのは大きな誤解で、自殺した人の多くは事前に誰かに意図を打ち明けている。打ち明けられたら、話題をそらしたり表面的に励ましたりせず、じっくり話を聴く。

    根拠: 厚生労働省「職場における自殺の予防と対応」(改訂版) PDF 4ページ(自殺企図の背景の精神疾患・精神科受診で自殺念慮が解消)、PDF 26ページ(9)『自殺を口にする』(「死ぬ、死ぬ」と言う人は本当は死なないは大きな誤解)、PDF 29〜30ページ 日常からの配慮・自殺の予兆が見られる人への対応(③傾聴、④話題をそらさない、⑥専門医への受診を促す)

  373. 問373.部下から「死にたい」という気持ちを打ち明けられた場合の管理監督者の対応として、最も適切なものはどれか。

    • ア.訴えを真剣に受け止め傾聴し、専門家・相談窓口につなげる
    • イ.気のせいだとして取り合わない
    • ウ.誰にも相談せず一人で対応する
    • エ.『そんなことを考えるな』と否定して話を打ち切る

    正解:ア.訴えを真剣に受け止め傾聴し、専門家・相談窓口につなげる

    解説:訴えを真剣に受け止め、話を傾聴したうえで、産業医や専門医療機関など適切な支援につなげることが重要である。安易に否定したり一人で抱え込んだりしない。

  374. 問374.メンタルヘルス不調の早期発見における「いつもと違う様子」への気づきについて、最も適切なものはどれか。

    • ア.遅刻・欠勤やミスの増加など『いつもと違う』変化に気づくことが早期対応に重要である
    • イ.部下の様子の変化に管理監督者が関与すべきではない
    • ウ.変化があっても本人が申し出るまで何もしない
    • エ.勤怠や言動の変化は健康とは無関係なので注目しない

    正解:ア.遅刻・欠勤やミスの増加など『いつもと違う』変化に気づくことが早期対応に重要である

    解説:管理監督者は、遅刻・欠勤の増加、ミスの増加、表情や言動の変化など「いつもと違う」様子の変化に気づき、早期対応につなげることが重要である。

  375. 問375.ストレス反応が長期化・増悪した場合に生じうる経過として、NIOSHモデルの観点から最も適切なものはどれか。

    • ア.ストレス反応は時間が経てば必ず自然に消失し疾病には至らない
    • イ.ストレス反応と疾病の間に関連はない
    • ウ.急性ストレス反応が持続・増悪すると心身の疾病に発展しうる
    • エ.疾病は緩衝要因が増えるほど起こりやすい

    正解:ウ.急性ストレス反応が持続・増悪すると心身の疾病に発展しうる

    解説:NIOSHモデルでは、急性ストレス反応が適切に解消されず持続・増悪すると、心身の疾病に発展しうるとされる。