メンタルヘルス・マネジメント検定II種「社内外資源との連携・プライバシーへの配慮」の一問一答
📖 メンタルヘルス・マネジメント検定II種「社内外資源との連携・プライバシーへの配慮」の全50問と解説(一覧)
メンタルヘルス・マネジメント検定II種の社内外資源との連携・プライバシーへの配慮に関する一問一答(全50問)の正解と解説の一覧です。上の一問一答で実際に解いてから、ここで復習・確認できます。
-
問1.事業場内の産業保健スタッフのうち、医学的専門知識に基づき労働者の健康管理について事業者に勧告できる権限を持つのは誰か。
- ア.産業医
- イ.衛生管理者
- ウ.人事労務管理スタッフ
- エ.衛生委員会の委員長
正解:ア.産業医
解説:産業医は労働安全衛生法に基づき選任され、医学的専門的立場から労働者の健康管理を行い、事業者に対して必要な勧告を行う権限を持つ。
-
問2.労働安全衛生法上、常時何人以上の労働者を使用する事業場で産業医の選任が義務付けられているか。
- ア.常時10人以上
- イ.常時30人以上
- ウ.常時50人以上
- エ.常時100人以上
正解:ウ.常時50人以上
解説:常時50人以上の労働者を使用する事業場では産業医の選任が義務付けられている。50人未満の事業場は地域産業保健センターを活用できる。
-
問3.産業保健スタッフのうち、保健指導や健康相談、保健師として労働者のメンタルヘルスケアに関与する職種はどれか。
- ア.事業者
- イ.衛生管理者
- ウ.安全管理者
- エ.保健師・看護師
正解:エ.保健師・看護師
解説:保健師・看護師は産業保健スタッフとして、健康相談や保健指導を通じてメンタルヘルス不調の早期発見・対応に重要な役割を果たす。
-
問4.衛生管理者の役割として最も適切なものはどれか。
- ア.労働者を診断し治療を行う
- イ.事業者に医学的勧告を行う
- ウ.衛生に係る技術的事項を管理し職場環境の改善に関与する
- エ.労災認定の決定を行う
正解:ウ.衛生に係る技術的事項を管理し職場環境の改善に関与する
解説:衛生管理者は労働者の健康障害を防止するための作業環境管理・作業管理・健康管理など、衛生に係る技術的事項を管理する。メンタルヘルスでは教育研修の企画実施や相談体制づくりに関与する。
-
問5.心の健康づくり専門スタッフに含まれる国家資格の心理職はどれか。
- ア.社会保険労務士
- イ.公認心理師
- ウ.精神保健福祉相談員のみ
- エ.衛生工学衛生管理者
正解:イ.公認心理師
解説:公認心理師は心理職唯一の国家資格であり、産業カウンセラーや臨床心理士とともに心の健康づくり専門スタッフとして関与する。
-
問6.事業場において労働者の健康障害の防止や健康の保持増進に関する事項を調査審議し、毎月1回以上開催することが求められる組織はどれか。
- ア.人事委員会
- イ.労働基準監督委員会
- ウ.健康保険組合
- エ.衛生委員会
正解:エ.衛生委員会
解説:安衛法18条1項により、一定規模の事業場は労働者の健康障害の防止や健康の保持増進に関する事項を調査審議する衛生委員会を設け、安衛則23条1項により毎月1回以上開催する。安全委員会と合わせて安全衛生委員会とすることもできる(安衛法19条)。
-
問7.人事労務管理スタッフがメンタルヘルスケアで果たす役割として適切なものはどれか。
- ア.休職・復職や配置転換などの労務管理面で支援する
- イ.労働者の精神疾患を診断する
- ウ.薬物療法の処方を行う
- エ.主治医に代わって治療方針を決める
正解:ア.休職・復職や配置転換などの労務管理面で支援する
解説:人事労務管理スタッフは、労働時間や配置転換、人事評価、休職・復職などの労務管理面からメンタルヘルス対策に関与する。医学的判断は行わない。
-
問8.「労働者の心の健康の保持増進のための指針」で、事業者が心の健康問題を有する労働者の就業上の配慮について意見を求め、尊重するものとされている相手はどれか。
- ア.事業場外の専門医療機関
- イ.労働組合などの労働者代表
- ウ.事業場内産業保健スタッフ等
- エ.部下を持つ管理監督者
正解:ウ.事業場内産業保健スタッフ等
解説:指針は、事業者が心の健康問題を有する労働者に対する就業上の配慮について、事業場内産業保健スタッフ等に意見を求め、これを尊重するものとしている。事業場内産業保健スタッフ等には、産業医等・衛生管理者等・保健師等・心の健康づくり専門スタッフ・人事労務管理スタッフが含まれ、産業医等は就業上の配慮が必要な場合に事業者に意見を述べる。事業場外の医療機関は専門的な相談や治療で連携する相手、管理監督者はラインによるケアの担い手で、労働組合も含め、指針がこの意見を求める相手として挙げているものではない。
-
問9.精神科と心療内科の一般的な違いについて、最も適切な説明はどれか。
- ア.精神科は身体科であり心療内科は外科である
- イ.心療内科では薬を一切使わない
- ウ.両者に違いはなく完全に同一である
- エ.精神科は精神疾患全般、心療内科は心理的要因による身体症状を主に扱う
正解:エ.精神科は精神疾患全般、心療内科は心理的要因による身体症状を主に扱う
解説:精神科は精神疾患全般を扱い、心療内科は心理的要因が関与する身体症状(心身症)を主に扱う。ただし両者の扱う範囲は重なる部分も多い。
-
問10.地域住民の精神保健の向上を図り、精神保健福祉に関する相談・指導のうち複雑困難なものを担う都道府県・指定都市の機関はどれか。
- ア.精神保健福祉センター
- イ.保健所
- ウ.産業保健総合支援センター
- エ.中央労働災害防止協会
正解:ア.精神保健福祉センター
解説:精神保健福祉センターは精神保健福祉法に基づき各都道府県・指定都市に設置され、精神保健福祉に関する技術的中核機関として複雑・困難な相談に対応する。
-
問11.地域における対人保健サービスの拠点であり、精神保健に関する相談も受け付ける行政機関はどれか。
- ア.ハローワーク
- イ.保健所
- ウ.労働基準監督署
- エ.年金事務所
正解:イ.保健所
解説:保健所は地域保健法に基づく地域保健の広域的・専門的拠点で、精神保健相談や訪問指導なども行う。
-
問12.事業場の産業保健活動を支援するため、各都道府県に設置され、産業医や衛生管理者などへの専門的相談・研修を行う機関はどれか。
- ア.精神保健福祉センター
- イ.中央労働災害防止協会
- ウ.産業保健総合支援センター
- エ.いのちの電話
正解:ウ.産業保健総合支援センター
解説:産業保健総合支援センターは独立行政法人労働者健康安全機構が各都道府県に設置し、事業場の産業保健スタッフへの専門的支援や研修を提供する。
-
問13.労働者数50人未満の小規模事業場の事業者や労働者に対し、長時間労働者への医師による面接指導の相談や健康相談などを原則無料で行う機関はどれか。
- ア.健康保険組合
- イ.労災病院
- ウ.精神保健福祉センター
- エ.地域産業保健センター
正解:エ.地域産業保健センター
解説:地域産業保健センター(産業保健総合支援センターの地域窓口)は、労働者数50人未満の小規模事業場の事業者や労働者に、長時間労働者への医師による面接指導の相談、健康相談、個別訪問による産業保健指導などを原則無料で提供している。健康保険組合は加入者への保険給付や保健事業を行う保険者で、事業場の規模で対象を分ける機関ではない。労災病院は労働者健康安全機構が運営する病院、精神保健福祉センターは都道府県が置く精神保健と精神障害者福祉の専門機関である。
根拠: 労働者健康安全機構「地域窓口(地域産業保健センター)」 労働者数50人未満の小規模事業場の事業者や労働者に原則無料で提供する事業(1)〜(5) / 労働者健康安全機構「労災病院」 全国30カ所の労災病院を運営、勤労者医療の中核的役割 / 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律 第6条 / 健康保険法 第4条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問14.労働災害防止を目的とし、安全衛生に関する教育・指導や情報提供を行う事業者団体の中核機関はどれか。
- ア.中央労働災害防止協会
- イ.日本年金機構
- ウ.全国健康保険協会
- エ.国民生活センター
正解:ア.中央労働災害防止協会
解説:中央労働災害防止協会(中災防)は労働災害防止団体法に基づく団体で、安全衛生教育や情報提供、メンタルヘルス対策の支援などを行う。
-
問15.従業員の心の健康問題に関して、企業と契約して相談・カウンセリングや専門機関紹介などのサービスを提供する外部資源を何というか。
- ア.QC(品質管理)
- イ.EAP(従業員支援プログラム)
- ウ.BCP(事業継続計画)
- エ.OJT(職場内訓練)
正解:イ.EAP(従業員支援プログラム)
解説:EAP(従業員支援プログラム:Employee Assistance Program)は、従業員のメンタルヘルスや生活上の問題に対する相談・支援を行うプログラムで、内部EAPと外部EAPがある。
-
問16.外部EAP機関を活用する利点として最も適切なものはどれか。
- ア.相談内容が必ず人事評価に反映される
- イ.費用が一切かからず公的に運営される
- ウ.社外の独立機関のため従業員が相談しやすくプライバシーが守られやすい
- エ.管理監督者の許可がなければ利用できない
正解:ウ.社外の独立機関のため従業員が相談しやすくプライバシーが守られやすい
解説:外部EAPは事業場から独立した第三者機関であるため、従業員がプライバシーを気にせず相談しやすく、専門性の高いサービスを継続的に受けられる利点がある。
-
問17.自殺予防を目的に、悩みを抱えた人の電話相談に応じるボランティアによる民間相談機関はどれか。
- ア.労災病院
- イ.産業保健総合支援センター
- ウ.ハローワーク
- エ.いのちの電話
正解:エ.いのちの電話
解説:いのちの電話は、自殺予防などを目的に訓練を受けたボランティアが電話相談に応じる民間の相談機関である。
-
問18.労働者健康安全機構が運営し、職業性疾病やじん肺、メンタルヘルスを含む勤労者医療の中核を担う医療機関はどれか。
- ア.労災病院
- イ.精神保健福祉センター
- ウ.保健所
- エ.健康保険組合の診療所
正解:ア.労災病院
解説:労災病院は独立行政法人労働者健康安全機構が運営し、勤労者医療の中核として職業性疾病の予防・治療やメンタルヘルス対応などを担う。
-
問19.「労働者の心の健康の保持増進のための指針」が、事業場外資源によるケアについて示している内容として、最も適切なものはどれか。
- ア.専門的な知識や情報が必要な場合は、管理監督者が窓口となって事業場外資源から助言を受ける
- イ.労働者が事業場内での相談を望まない場合は、事業場外資源の活用は控えて事業場内で対応する
- ウ.事業場外の医療機関へ紹介するためのネットワークは、不調者が出た時点で速やかに形成する
- エ.サービスを適切に実施できる体制や情報管理の体制が整っているかを、活用前に確認しておく
正解:エ.サービスを適切に実施できる体制や情報管理の体制が整っているかを、活用前に確認しておく
解説:指針は「事業場外資源によるケア」で、事業場外資源を活用する場合は、メンタルヘルスケアに関するサービスが適切に実施できる体制や、情報管理が適切に行われる体制が整備されているか等について、事前に確認することが望ましいとしています。専門的な知識や情報が必要な場合に窓口となるのは、管理監督者ではなく事業場内産業保健スタッフ等で、適切な事業場外資源から情報提供や助言を受けるなど円滑な連携を図るよう努めるものとされています。労働者が事業場内での相談等を望まないような場合には、事業場外資源を活用することがむしろ効果的とされています。医療機関や地域保健機関に労働者を速やかに紹介するためのネットワークは、不調者が出てからではなく日頃から形成しておくものとされています。あわせて、事業場外資源に依存することで事業者がメンタルヘルスケアの推進について主体性を失わないよう留意すべきとされています。
-
問20.管理監督者が産業医や保健師など専門家へ部下を相談・紹介すべきタイミングとして適切なものはどれか。
- ア.いつもと違う様子が続き業務に支障が見られる早い段階で
- イ.症状が極めて深刻化し就業不能になってから
- ウ.本人が退職を申し出てから
- エ.定年退職の直前に
正解:ア.いつもと違う様子が続き業務に支障が見られる早い段階で
解説:いつもと違う様子が一定期間続く、業務に支障が出ているなど早期の段階で専門家へつなぐことが重要で、深刻化を待つ必要はない。
-
問21.うつ病など心の不調の治療の基本となる「3つの柱」に含まれないものはどれか。
- ア.休養
- イ.労働時間の延長
- ウ.薬物療法
- エ.精神療法
正解:イ.労働時間の延長
解説:心の不調の治療の基本は「休養」「薬物療法」「精神療法(心理療法)」である。労働時間の延長は治療ではなく悪化要因となりうる。
-
問22.うつ病の治療において、休養が重要とされる理由として最も適切なものはどれか。
- ア.心身のエネルギーを回復させるために休養が不可欠である
- イ.休養すると必ず症状が悪化する
- ウ.休養は不要で仕事を続けた方が早く治る
- エ.休養は薬物療法の代わりにはならないため意味がない
正解:ア.心身のエネルギーを回復させるために休養が不可欠である
解説:うつ病の回復には心身のエネルギーを回復させるための休養が不可欠で、十分な休養なしに無理を続けると回復が遅れたり再発につながる。
-
問23.抗うつ薬による薬物療法に関する説明として、最も適切なものはどれか。
- ア.服用後すぐに効果が現れ数日で完治する
- イ.効果発現まで時間がかかり自己判断での中断は避けるべきである
- ウ.症状が少しでも軽くなれば直ちにやめてよい
- エ.抗うつ薬は一度飲むと一生やめられない
正解:イ.効果発現まで時間がかかり自己判断での中断は避けるべきである
解説:抗うつ薬は効果が現れるまで一定期間(通常2週間〜数週間)を要し、症状が改善しても自己判断で中断せず医師の指示に従って継続することが重要である。
-
問24.精神療法(カウンセリングなど)に関する説明として、最も適切なものはどれか。
- ア.対話などを通じて心理的支援を行い薬物療法と併用されることもある
- イ.精神療法と薬物療法は決して併用できない
- ウ.精神療法はすべての疾患を薬なしで完治させる
- エ.精神療法は医師以外が一切関与できない
正解:ア.対話などを通じて心理的支援を行い薬物療法と併用されることもある
解説:精神療法は対話などを通じて心理的支援を行う治療法で、薬物療法と併用されることも多い。万能ではなく症状や病態に応じて用いられる。
-
問25.管理監督者が部下の主治医と連携する際の留意点として、最も適切なものはどれか。
- ア.本人の同意なく自由に主治医へ病状を問い合わせてよい
- イ.主治医の診断には一切従わず会社の判断を優先する
- ウ.主治医とは絶対に連携してはならない
- エ.本人の同意を得たうえで産業医を介して連携するのが原則である
正解:エ.本人の同意を得たうえで産業医を介して連携するのが原則である
解説:主治医との連携は本人の同意を得たうえで、産業医を通じて行うのが原則である。本人の同意なく主治医に問い合わせることは適切でない。
-
問26.主治医と産業医の役割の違いについて、最も適切な説明はどれか。
- ア.主治医は治療を担い、産業医は就業上の措置について事業者に意見を述べる
- イ.主治医と産業医はまったく同じ役割である
- ウ.産業医が直接治療を行い主治医は職場を見る
- エ.主治医は会社が雇用し産業医は本人が選ぶ
正解:ア.主治医は治療を担い、産業医は就業上の措置について事業者に意見を述べる
解説:主治医は患者の治療を担い、産業医は職場の状況を踏まえて就業上の措置について事業者に意見を述べる。両者の視点は異なり、連携が重要となる。
-
問27.復職(職場復帰)の可否判断に関する説明として、最も適切なものはどれか。
- ア.主治医の意見を踏まえ産業医や事業者が職場状況も考慮して判断する
- イ.管理監督者が単独で医学的に判断してよい
- ウ.主治医の診断書があれば自動的に従前どおり復職できる
- エ.本人の希望のみで復職日を決定する
正解:ア.主治医の意見を踏まえ産業医や事業者が職場状況も考慮して判断する
解説:復職可否は主治医の診断書を踏まえつつ、産業医や事業者が職場の状況を考慮して総合的に判断する。診断書のみで自動的に決まるわけではない。
-
問28.労働者の個人情報・健康情報の取り扱いを規律する基本的な法律はどれか。
- ア.労働基準法
- イ.製造物責任法
- ウ.個人情報保護法
- エ.独占禁止法
正解:ウ.個人情報保護法
解説:個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)が、健康情報を含む個人情報の取り扱いの基本ルールを定めている。
-
問29.労働者のメンタルヘルスに関する健康情報は、個人情報保護の観点でどのように位置づけられるか。
- ア.公開してよい一般情報である
- イ.特に慎重な取り扱いが求められる機微な情報である
- ウ.会社が自由に第三者へ提供してよい情報である
- エ.保管義務のない情報である
正解:イ.特に慎重な取り扱いが求められる機微な情報である
解説:健康情報は機微(センシティブ)な個人情報であり、特に慎重な取り扱いが求められる。要配慮個人情報として取得・利用に本人同意などの配慮が必要となる。
-
問30.労働者の健康情報を収集する際の原則として、最も適切なものはどれか。
- ア.できるだけ多くの情報を目的にかかわらず集める
- イ.本人に知らせずに収集する
- ウ.収集後の利用目的は自由に変更してよい
- エ.利用目的を明確にし必要な範囲で収集する
正解:エ.利用目的を明確にし必要な範囲で収集する
解説:健康情報の収集は利用目的を明確にし、その目的の達成に必要な範囲で行うのが原則である。目的外の情報を無制限に集めることは適切でない。
-
問31.健康情報を本来の目的以外に利用しようとする場合、原則として必要となるものはどれか。
- ア.本人の同意
- イ.上司の許可
- ウ.労働組合の承認
- エ.取引先の了承
正解:ア.本人の同意
解説:健康情報を取得時の利用目的の範囲を超えて利用する場合には、原則として本人の同意が必要である。
-
問32.健康診断の結果など労働者の健康情報の保管に関して、最も適切なものはどれか。
- ア.アクセス制限など適切な安全管理措置のもとで保管する
- イ.保管は不要ですぐ廃棄してよい
- ウ.誰でも自由に閲覧できる場所に保管する
- エ.管理監督者全員が常時閲覧できるようにする
正解:ア.アクセス制限など適切な安全管理措置のもとで保管する
解説:健康情報はアクセス制限など適切な安全管理措置のもとで保管し、取り扱う者を必要最小限にとどめる必要がある。誰でも閲覧できる状態は不適切である。
-
問33.産業保健スタッフが業務上知り得た労働者の心身の情報について負う義務はどれか。
- ア.公表義務
- イ.報告義務(全社員へ)
- ウ.販売義務
- エ.守秘義務
正解:エ.守秘義務
解説:医師や保健師などの専門職は法律上の守秘義務を負い、業務上知り得た秘密を正当な理由なく漏らしてはならない。
-
問34.労働安全衛生規則で、ストレスチェックの実施者となることができる者として定められていないものはどれか。
- ア.保健師
- イ.所定の研修を修了した公認心理師
- ウ.所定の研修を修了した精神保健福祉士
- エ.産業カウンセラーの資格のみを有する者
正解:エ.産業カウンセラーの資格のみを有する者
解説:安衛則52条の10第1項は、ストレスチェックの実施者を、医師、保健師、及び厚生労働大臣が定める研修を修了した歯科医師、看護師、精神保健福祉士又は公認心理師と定めている。産業カウンセラーの資格だけでは実施者になれない。
-
問35.労働安全衛生法上、事業者に禁止されている対応はどれか。
- ア.労働者の同意を得て、ストレスチェックの結果を医師等から受け取ること
- イ.医師の意見を勘案し、面接指導を受けた労働者の深夜業の回数を減らすこと
- ウ.面接指導を申し出たことを理由に、その労働者を不利益に取り扱うこと
- エ.面接指導の結果を、本人の同意を得ずに記録しておくこと
正解:ウ.面接指導を申し出たことを理由に、その労働者を不利益に取り扱うこと
解説:労働安全衛生法66条の10第3項により、事業者は、ストレスチェックの結果、医師による面接指導の対象となる労働者が面接指導を申し出たことを理由として、その労働者に不利益な取扱いをしてはならない。ほかの3つは禁止されていない。ストレスチェックの結果は、労働者の同意があれば医師等から事業者に提供できる(同意がなければ提供できない)。面接指導の結果は事業者が記録しておかなければならず、本人の同意は条件になっていない。医師の意見を勘案して、就業場所の変更・労働時間の短縮・深夜業の回数の減少などの措置を講じることは、事業者に求められている対応である。
根拠: 労働安全衛生法 第66条の10 (出典: e-Gov法令検索)
-
問36.管理監督者が、部下から「誰にも言わないでほしい」と打ち明けられたメンタルヘルスの相談への対応として、最も適切なものはどれか。
- ア.どんな場合でも絶対に誰にも伝えないと約束する
- イ.本人の意向を無視してすぐに全社に共有する
- ウ.相談自体をなかったことにする
- エ.必要な支援のための連携の必要性を本人に説明し同意を得るよう努める
正解:エ.必要な支援のための連携の必要性を本人に説明し同意を得るよう努める
解説:本人のプライバシーに配慮しつつ、安全配慮や必要な支援のため産業保健スタッフへの連携が必要な場合は、その必要性を本人に説明し同意を得る努力をする。安易な約束で抱え込むのは適切でない。
-
問37.管理監督者の役割と限界に関する考え方として、最も適切なものはどれか。
- ア.管理監督者は医療の専門家として治療まで担うべきである
- イ.役割の限界を認識し必要に応じて専門家へつなぐべきである
- ウ.部下の問題はすべて自分一人で解決すべきである
- エ.専門家に任せれば管理監督者は何もしなくてよい
正解:イ.役割の限界を認識し必要に応じて専門家へつなぐべきである
解説:管理監督者はラインケアの担い手として重要だが、治療や診断は専門家の役割であり、自分の役割の限界を認識して専門家へつなぐことが大切である。
-
問38.産業医面接や健康相談で得られた情報を人事労務管理に活用する場合の留意点として、最も適切なものはどれか。
- ア.診断名など医学的情報をそのまま全て人事に渡す
- イ.情報は一切人事と共有してはならない
- ウ.就業上必要な範囲の情報を本人同意のもとで提供する
- エ.本人に無断で詳細な病歴を共有する
正解:ウ.就業上必要な範囲の情報を本人同意のもとで提供する
解説:医学的情報そのものではなく、就業上の措置に必要な範囲の情報を、本人の同意を得て加工・整理したうえで人事労務に提供することが望ましい。
-
問39.「労働者の心の健康の保持増進のための指針」に照らして、ラインによるケアを担う管理監督者の対応として、最も適切でないものはどれか。
- ア.部下が社内の相談窓口の利用をためらうときは、事業場外の相談機関もあることを伝える
- イ.専門的な助言が必要な事例では、自らが窓口となって事業場外の専門機関と連絡調整を行う
- ウ.事業者が行う教育研修などを通じて、社内の相談先や事業場外資源に関する情報を得ておく
- エ.職場環境等の評価結果をもとに、事業場内産業保健スタッフ等の助言を受けて改善を図る
正解:イ.専門的な助言が必要な事例では、自らが窓口となって事業場外の専門機関と連絡調整を行う
解説:指針は、事業場外資源とのネットワークの形成やその窓口となることを、事業場内産業保健スタッフ等の役割としています。事業者は、専門的な知識や情報が必要な場合は事業場内産業保健スタッフ等が窓口となって事業場外資源から情報提供や助言を受けるよう努めるものとされ、管理監督者への教育研修でも「事業場内産業保健スタッフ等との連携及びこれを通じた事業場外資源との連携の方法」を扱うとされています。指針の定義では、事業場内産業保健スタッフ等は産業医等・衛生管理者等・保健師等・心の健康づくり専門スタッフ・人事労務管理スタッフ等を指し、管理監督者(ライン)は含まれません。したがって、管理監督者が自ら窓口となって事業場外の専門機関と連絡調整を行うのは、指針の考え方に合いません。 一方、管理監督者は部下から話を聞いて適切な情報を提供し、必要に応じ事業場内産業保健スタッフ等や事業場外資源への相談や受診を促すよう努めるものとされ、指針は労働者が事業場内での相談を望まない場合にも事業場外資源の活用が効果的としています。そのため、社内の窓口をためらう部下に事業場外の相談機関を伝えるのは適切です。また、事業者は管理監督者への教育研修・情報提供で「事業場内の相談先及び事業場外資源に関する情報」を扱うものとされています。職場環境等の改善では、事業場内産業保健スタッフ等が評価結果に基づいて管理監督者に改善を助言し、管理監督者と協力して改善を図るとされています。
-
問40.内部EAPと外部EAPの違いについて、最も適切な説明はどれか。
- ア.内部EAPは無料、外部EAPは必ず有料という違いである
- イ.内部EAPは社内に設置、外部EAPは社外機関と契約する形態である
- ウ.両者は名称が違うだけで内容は完全に同一である
- エ.外部EAPは社内の人事部が直接運営する
正解:イ.内部EAPは社内に設置、外部EAPは社外機関と契約する形態である
解説:内部EAPは社内に相談部門を設置する形態、外部EAPは社外の専門機関と契約する形態である。外部EAPは独立性が高く相談しやすい一方、内部EAPは社内事情に通じている利点がある。
-
問41.労働安全衛生規則で、有害業務のない事業場が産業医を事業場に専属の者から選任しなければならないとされる規模はどれか。
- ア.常時100人以上
- イ.常時300人以上
- ウ.常時1,000人以上
- エ.常時5,000人以上
正解:ウ.常時1,000人以上
解説:安衛則13条1項3号は、常時1,000人以上の労働者を使用する事業場、または深夜業を含む業務など一定の有害業務に常時500人以上を従事させる事業場では、専属の産業医を選任しなければならないとしている。常時3,000人を超える事業場では2人以上の産業医を選任する(同4号)。
-
問42.職場復帰支援において、主治医・産業医・管理監督者・人事労務スタッフの連携が重要とされる理由として最も適切なものはどれか。
- ア.連携すると責任の所在が曖昧になり望ましくないため
- イ.各専門性を活かし情報共有することで円滑な復帰と再発防止につながるため
- ウ.管理監督者が単独で判断する方が早いため
- エ.連携は形式的なもので実質的意味はないため
正解:イ.各専門性を活かし情報共有することで円滑な復帰と再発防止につながるため
解説:復職支援は医学的判断と職場の受け入れ体制の両面が必要であり、それぞれの専門性を持つ関係者が情報を共有し連携することで円滑な復帰と再発防止につながる。
-
問43.事業場における心の健康づくり計画の調査審議の場として活用される組織はどれか。
- ア.株主総会
- イ.衛生委員会
- ウ.営業会議
- エ.懲戒委員会
正解:イ.衛生委員会
解説:衛生委員会は心の健康づくり計画の策定や実施状況の調査審議の場として活用され、労使が参加して議論する。
-
問44.「労働者の心の健康の保持増進のための指針」で、事業場内メンタルヘルス推進担当者に選任することが適当でないとされる者はどれか。
- ア.衛生管理者
- イ.常勤の保健師
- ウ.人事部長
- エ.衛生推進者
正解:ウ.人事部長
解説:指針5(3)④は、推進担当者は衛生管理者等や常勤の保健師等から選任することが望ましいとし、メンタルヘルスに関する個人情報を取り扱うことから、解雇、昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者(人事権を有する者。人事部長など)を選任することは適当でないとしている。常時50人未満の事業場では衛生推進者等を選任することが望ましい(同9)。
-
問45.地域産業保健センターが主に対象とする事業場はどれか。
- ア.上場企業の本社のみ
- イ.労働者50人未満の小規模事業場
- ウ.公務員の官公庁のみ
- エ.医療機関のみ
正解:イ.労働者50人未満の小規模事業場
解説:地域産業保健センターは産業医選任義務のない労働者50人未満の小規模事業場を主な対象とし、産業保健サービスを提供する。
-
問46.労働者の個人情報を第三者へ提供する場合の原則として、最も適切なものはどれか。
- ア.本人の同意なく自由に提供できる
- イ.提供先が決まればいつでも無断で提供できる
- ウ.原則としてあらかじめ本人の同意を得る必要がある
- エ.健康情報に限り同意は不要である
正解:ウ.原則としてあらかじめ本人の同意を得る必要がある
解説:個人情報を第三者に提供する場合は、法令に基づく場合などを除き、原則としてあらかじめ本人の同意を得る必要がある。
-
問47.「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針」で、事業者が取り扱うにはあらかじめ労働者本人の同意を得ることが必要とされる情報はどれか。
- ア.健康診断の受診・未受診の情報
- イ.長時間労働者による面接指導の申出の有無
- ウ.健康相談の結果
- エ.健康診断の事後措置について医師から聴取した意見
正解:ウ.健康相談の結果
解説:同指針は心身の状態の情報を3つに分類し、健康診断の受診・未受診、面接指導の申出の有無、事後措置について医師から聴取した意見などは法令に基づき事業者が直接取り扱う情報とする一方、健康相談の結果、保健指導の結果、職場復帰のための面接指導の結果などは、あらかじめ本人の同意を得ることが必要な情報としている(個人情報保護法20条2項)。
-
問48.健康情報を取り扱う担当者の範囲についての原則として、最も適切なものはどれか。
- ア.全従業員が自由に扱えるようにする
- イ.管理監督者全員に常時開示する
- ウ.取り扱い範囲に制限は設けない
- エ.必要最小限の範囲にとどめ権限のない者のアクセスを防ぐ
正解:エ.必要最小限の範囲にとどめ権限のない者のアクセスを防ぐ
解説:健康情報を取り扱う者は必要最小限の範囲にとどめ、権限のない者がアクセスできないよう管理することが原則である。
-
問49.事業場外資源としての医療機関を活用する場面として、最も適切なものはどれか。
- ア.治療が必要と考えられる不調者の診療を、引き受けてもらう
- イ.休業者の職場復帰の可否を、最終的に決めてもらう
- ウ.事業場の心の健康づくり計画を、医療機関に策定してもらう
- エ.事業場内メンタルヘルス推進担当者の役割を、代わりに担ってもらう
正解:ア.治療が必要と考えられる不調者の診療を、引き受けてもらう
解説:指針は、必要に応じて労働者を速やかに事業場外の医療機関に紹介できるネットワークを日頃からつくっておくよう求めており、治療が必要と考えられる不調者を精神科・心療内科などにつなぎ、診療を受けてもらうのが医療機関の活用の典型である。一方で、事業場外資源に頼りすぎて事業者がメンタルヘルスケアの主体性を失わないよう留意すべきとされる。心の健康づくり計画は事業者が衛生委員会等の審議を踏まえて策定し、事業場内メンタルヘルス推進担当者は事業場内産業保健スタッフ等の中から選ぶ。職場復帰は、主治医の判断を踏まえ、産業医等の意見を経て事業者が最終的に決める。
根拠: 厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」 2・3(事業者は衛生委員会等において十分調査審議を行い、心の健康づくり計画を策定・実施)、5(3)④(事業場内メンタルヘルス推進担当者を事業場内産業保健スタッフ等の中から選任)、5(4) 事業場外資源によるケア(PDF p.6:依存により主体性を失わないよう留意、事業場外の医療機関に速やかに紹介するためのネットワークを日頃から形成) / 厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」 第2ステップ(PDF p.4・p.15:主治医の診断は必ずしも職場で求められる業務遂行能力まで回復しているとの判断とは限らず、産業医等が精査)、第4ステップ(PDF p.17:事業者による最終的な職場復帰の決定)
-
問50.管理監督者が部下のメンタルヘルス情報を取り扱う際の基本姿勢として、最も適切なものはどれか。
- ア.興味本位で同僚に情報を共有する
- イ.評価を下げる材料として記録する
- ウ.プライバシーに配慮し必要な範囲を超えて漏らさず本人の不利益を避ける
- エ.噂として周囲に広める
正解:ウ.プライバシーに配慮し必要な範囲を超えて漏らさず本人の不利益を避ける
解説:プライバシーに最大限配慮し、知り得た情報を必要な範囲を超えて漏らさず、本人の不利益にならないよう取り扱うことが基本姿勢である。