メンタルヘルス・マネジメント検定II種「個々の労働者への配慮」の一問一答
📖 メンタルヘルス・マネジメント検定II種「個々の労働者への配慮」の全55問と解説(一覧)
メンタルヘルス・マネジメント検定II種の個々の労働者への配慮に関する一問一答(全55問)の正解と解説の一覧です。上の一問一答で実際に解いてから、ここで復習・確認できます。
-
問1.管理監督者が部下のメンタルヘルス不調に早期に気づくうえで最も重視すべき着眼点はどれか。
- ア.他部署の同僚と比較してどうか
- イ.新入社員かどうか
- ウ.その部下の普段の状態と比べて「いつもと違う」かどうか
- エ.本人の家庭環境の良し悪し
正解:ウ.その部下の普段の状態と比べて「いつもと違う」かどうか
解説:ラインによるケアの基本は、日頃の部下の様子を把握し「いつもと違う」変化に気づくことである。普段との差を捉えることが早期発見の鍵となる。
-
問2.勤怠面で表れるメンタルヘルス不調のサインとして、最も典型的なものはどれか。
- ア.有給休暇を計画的に取得する
- イ.遅刻・早退・欠勤が増える
- ウ.定時に退社する
- エ.休暇申請を事前に提出する
正解:イ.遅刻・早退・欠勤が増える
解説:遅刻・早退・欠勤の増加、特に理由のはっきりしない急な休みの増加は、不調の代表的なサインである。勤怠の乱れは早期に気づきやすい変化である。
-
問3.管理監督者が行う「いつもと違う」部下への気づきについて、適切な姿勢はどれか。
- ア.気づいた変化から病名を診断する
- イ.変化に気づいたら必ず人事処分を検討する
- ウ.変化があっても本人が申し出るまで関与しない
- エ.変化に気づくことが目的で、診断は専門家に委ねる
正解:エ.変化に気づくことが目的で、診断は専門家に委ねる
解説:気づきは医学的診断ではなく、普段の様子との違いを察知することである。診断や原因の断定は専門家の役割であり、管理監督者は変化に気づき適切につなぐ役割を担う。
-
問4.部下の様子のうち、メンタルヘルス不調が疑われるサインとして最も適切なものはどれか。
- ア.これまでできていた仕事でミスが増える
- イ.以前から口数が少なく、その状態が続いている
- ウ.もともと慎重で、確認に時間をかけて仕事を進める
- エ.入社以来、昼食はひとりでとることが多い
正解:ア.これまでできていた仕事でミスが増える
解説:部下のメンタルヘルス不調に気づくには、「本人の通常の行動様式からのズレ」、つまり「いつもと違う」変化に着目することが大切である。以前と比べて遅刻が多い、口数が少なくなった、昼休みに一緒に食事に行かなくなった、仕事の能率低下やミスが目立つといった変化がサインになる。以前から口数が少ない、もともと慎重で確認に時間をかける、入社以来ひとりで昼食をとることが多い、というのはその人のふだんの様子が続いているだけで変化ではないため、それだけでは不調のサインとはいえない。
-
問5.管理監督者が部下と日頃からコミュニケーションをとる意義として、最も適切なものはどれか。
- ア.勤務態度の乱れを、意欲の問題として早めに指導できるようになる
- イ.相談しやすい関係ができ、不調の変化に早く気づけるようになる
- ウ.職場のストレス要因は本人が取り除くよう、部下に助言できるようになる
- エ.不調に気づいたとき、まず本人の家族に連絡して受診させられるようになる
正解:イ.相談しやすい関係ができ、不調の変化に早く気づけるようになる
解説:管理監督者は部下の状況を日常的に把握できる立場にあり、ラインによるケアとして職場環境等の改善と部下からの相談対応を担う。日頃から対話を重ねると相談しやすい関係ができ、いつもと違う様子に早く気づいて、本人に産業保健スタッフ等への相談や受診を促せる。心の健康問題を抱える人が健康問題以外の観点から評価されやすいことは、指針が解決すべき問題として挙げており、乱れを意欲の問題として指導するのは誤り。職場のストレス要因には本人の力だけでは取り除けないものがあり、その改善は管理監督者の役割である。本人を飛ばして家族に連絡するのは、本人の意思の尊重や個人情報の保護に反する。
-
問6.部下の話を聴く際の「積極的傾聴」の説明として最も適切なものはどれか。
- ア.相手の話を要約してすぐに解決策を示す
- イ.相手の言葉や気持ちを否定せずに受け止めて聴く
- ウ.話を遮って自分の経験を語る
- エ.正しいか間違っているかを判定しながら聴く
正解:イ.相手の言葉や気持ちを否定せずに受け止めて聴く
解説:積極的傾聴は、相手の話を否定や評価をせずに受け止め、相手の気持ちに関心を寄せて聴く態度である。助言や解決策を急ぐのではなく、まず聴くことが重視される。
-
問7.不調が疑われる部下への初期対応として、管理監督者がとるべき行動はどれか。
- ア.朝礼で全員の前で本人に事情を尋ねる
- イ.しばらく様子を見て放置する
- ウ.直ちに退職を勧める
- エ.本人が話しやすい場で声をかけ話を聴く
正解:エ.本人が話しやすい場で声をかけ話を聴く
解説:気づいた変化を踏まえ、本人が話しやすい場で声をかけ、話を聴くことが初期対応の基本である。問い詰めるのではなく、心配している旨を伝えて様子を確認する。
-
問8.管理監督者が部下を産業医や産業保健スタッフにつなぐ役割について、適切な記述はどれか。
- ア.管理監督者が自ら治療方針を決める
- イ.本人が希望しない限り専門家には一切つながない
- ウ.つなぐ前に必ず病名を確定させる
- エ.専門家につなぐ役割を担い、自分で治療はしない
正解:エ.専門家につなぐ役割を担い、自分で治療はしない
解説:管理監督者は専門家ではないため、不調が疑われる場合は産業医や産業保健スタッフなど専門家への相談・受診につなぐ役割を担う。自ら治療やカウンセリングを行うわけではない。
-
問9.部下に受診や相談を勧める際の管理監督者の対応として、最も適切なものはどれか。
- ア.本人の意思に関わらず受診を命令する
- イ.受診しなければ評価を下げると伝える
- ウ.心配を伝え、本人の意思を尊重しつつ受診を勧める
- エ.勧めるのは本人が泣き出してからにする
正解:ウ.心配を伝え、本人の意思を尊重しつつ受診を勧める
解説:受診や相談の勧奨は、本人を責めるのではなく心配している姿勢を示し、本人の意思を尊重しながら丁寧に勧めることが大切である。強制ではなく支援的に促す。
-
問10.厚生労働省のパワーハラスメント防止指針(令和2年厚生労働省告示第5号)が示す、職場におけるパワーハラスメントの要素に含まれないものはどれか。
- ア.優越的な関係を背景とした言動であること
- イ.行為者に相手を傷つける意図があること
- ウ.業務上必要かつ相当な範囲を超えたものであること
- エ.労働者の就業環境が害されるものであること
正解:イ.行為者に相手を傷つける意図があること
解説:同指針は、職場におけるパワーハラスメントを①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるもの、の3要素を全て満たすものとしている。行為者の意図は要素とされていない。客観的にみて業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導は該当しない。
-
問11.長時間労働者に対する医師の面接指導について、管理監督者の役割として適切なものはどれか。
- ア.長時間労働の部下に面接指導の利用を促す
- イ.面接指導の結果を全社に公表する
- ウ.面接指導は管理監督者が自ら実施する
- エ.面接指導を受けないよう指導する
正解:ア.長時間労働の部下に面接指導の利用を促す
解説:管理監督者は、長時間労働により健康への影響が懸念される部下に対して、面接指導の対象となることや申出の方法を周知し、面接指導を受けるよう促す役割がある。
-
問12.労働時間等設定改善法で事業主の努力義務とされている、いわゆる「勤務間インターバル」の説明として最も適切なものはどれか。
- ア.前日の終業時刻から翌日の始業時刻までの間に、一定時間以上の休息時間を確保すること
- イ.1日の労働時間の途中に、一定時間以上の休憩時間を与えること
- ウ.年次有給休暇のうち一定日数を、計画的に付与すること
- エ.始業・終業時刻を、労働者自身が日ごとに決められるようにすること
正解:ア.前日の終業時刻から翌日の始業時刻までの間に、一定時間以上の休息時間を確保すること
解説:労働時間等設定改善法2条1項は、事業主が講ずるよう努める措置として、健康及び福祉を確保するために必要な終業から始業までの時間の設定(いわゆる勤務間インターバル)を挙げている。休憩(労働基準法34条)、年次有給休暇の計画的付与(同39条6項)、フレックスタイム制とは別の仕組みである。
-
問13.障害者雇用促進法が事業主に求める、障害者である労働者への「合理的配慮」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア.常時100人を超える労働者を雇用する事業主に限って、措置を講じる義務がある
- イ.精神障害のある労働者は、この措置の対象に含まれないとされている
- ウ.措置に要する費用は、事業主ではなく全額を国が負担するとされている
- エ.過重な負担となる場合を除き、障害の特性に応じた必要な措置を講じる義務がある
正解:エ.過重な負担となる場合を除き、障害の特性に応じた必要な措置を講じる義務がある
解説:障害者雇用促進法36条の3は、事業主は障害者である労働者の障害の特性に配慮した職務の円滑な遂行に必要な施設の整備、援助を行う者の配置その他の必要な措置を講じなければならないとし、事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなるときはこの限りでないとしている。同法の障害者には精神障害(発達障害を含む)がある者も含まれる(2条1号)。
-
問14.業務を一時的なプロジェクト体制で行うなど、通常のラインによるケアが困難な業務形態の場合について、「労働者の心の健康の保持増進のための指針」の考え方として最も適切なものはどれか。
- ア.プロジェクトの期間中はラインによるケアを行わず、セルフケアに委ねる
- イ.実務で指揮命令系統の上位にいる者などがケアを行う体制を整える
- ウ.人事労務管理スタッフがラインによるケアを代行する体制を整える
- エ.プロジェクトが終了してから元の上司がまとめてケアを行う
正解:イ.実務で指揮命令系統の上位にいる者などがケアを行う体制を整える
解説:指針は、業務を一時的なプロジェクト体制で行うなど通常のラインによるケアが難しい場合、実務で指揮命令系統の上位にいる者などがケアを行う体制を整え、ラインによるケアと同等のケアを確実に行うよう求めている。ラインによるケアは、部下の状況を日常的に把握する管理監督者が担うもので、人事労務管理スタッフは職場配置や労働時間など人事労務管理の面から配慮する立場にある。期間中はセルフケアに委ねたり、終了後にまとめて行ったりするのでは、同等のケアにならない。
根拠: 厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」 PDF 4ページ 5(2)ラインによるケア(一時的なプロジェクト体制等の場合)、PDF 6ページ 5(3)オ 人事労務管理スタッフ
-
問15.厚生労働省が示す自殺予防のゲートキーパーの役割のうち、悩んでいる人に「早めに専門家に相談するよう促す」ことに当たるものはどれか。
- ア.気づき
- イ.傾聴
- ウ.見守り
- エ.つなぎ
正解:エ.つなぎ
解説:厚生労働省はゲートキーパーの役割を、気づき(家族や仲間の変化に気づいて声をかける)、傾聴(本人の気持ちを尊重し、耳を傾ける)、つなぎ(早めに専門家に相談するよう促す)、見守り(温かく寄り添いながら、じっくりと見守る)の4つとして示している。
-
問16.ハラスメントの防止について、管理監督者に求められる姿勢はどれか。
- ア.指導であれば厳しい叱責も問題ない
- イ.ハラスメントの相談は無視してよい
- ウ.成果のためなら多少の威圧は許される
- エ.ハラスメントを防ぎ良好な職場環境をつくる
正解:エ.ハラスメントを防ぎ良好な職場環境をつくる
解説:管理監督者は、ハラスメントが職場で起きないよう良好なコミュニケーションを保ち、自らがハラスメントの加害者とならないよう注意する責任がある。ハラスメントは不調の要因にもなる。
-
問17.疾病や負傷などにより治療を受ける労働者について、治療と就業の両立を支援するため、本人からの相談に応じ適切に対応するための体制の整備などの措置を事業主に求める規定(2026年4月施行)の根拠と性格として正しいものはどれか。
- ア.労働安全衛生法に定められた義務
- イ.労働施策総合推進法に定められた義務
- ウ.労働施策総合推進法に定められた努力義務
- エ.労働安全衛生法に定められた努力義務
正解:ウ.労働施策総合推進法に定められた努力義務
解説:労働施策総合推進法27条の3第1項は、疾病、負傷その他の理由により治療を受ける労働者について、就業による症状の増悪等を防ぎ治療と就業との両立を支援するため、相談に応じ適切に対応するために必要な体制の整備その他の必要な措置を講ずるよう、事業主に努めることを求めている(2026年4月1日施行の努力義務)。具体的な進め方は、同条2項に基づく「治療と就業の両立支援指針」(令和8年厚生労働省告示第28号)が示している。労働安全衛生法には、この両立支援の措置を定めた規定はない。
根拠: 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和41年法律第132号、2026-10-01 施行版) 第27条の3第1項(治療を受ける労働者の治療と就業の両立支援の措置を講ずるよう努めなければならない)・第2項(治療と就業の両立支援指針) / 高知労働局「治療と就業の両立支援指針」 令和8年4月1日から事業主の努力義務/指針は労働施策総合推進法第27条の3に基づく(令和8年厚生労働省告示第28号、令和8年2月10日公表) / 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号、2026-10-26 時点の版) 全文を「両立」で検索し、治療と就業の両立支援の措置を定めた規定が無いことを確認 (出典: e-Gov法令検索)
-
問18.パワーハラスメント防止指針で、ある言動によって「労働者の就業環境が害される」かどうかを判断する際の基準とすることが適当とされているものはどれか。
- ア.言動を受けた本人の感じ方
- イ.平均的な労働者の感じ方
- ウ.行為者の意図や目的
- エ.職場の管理監督者の判断
正解:イ.平均的な労働者の感じ方
解説:指針2(6)は、就業環境が害されるかの判断に当たっては「平均的な労働者の感じ方」、すなわち同様の状況で当該言動を受けた場合に、社会一般の労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じるような言動かどうかを基準とすることが適当としている。
-
問19.対人関係の変化として、メンタルヘルス不調が疑われるサインはどれか。
- ア.同僚と積極的に交流するようになる
- イ.チームワークが向上する
- ウ.後輩の面倒をよくみる
- エ.これまで良好だった人間関係を避けるようになる
正解:エ.これまで良好だった人間関係を避けるようになる
解説:以前は良好だった同僚との関係に距離ができる、孤立する、周囲とのやりとりを避けるようになるなど、対人関係の変化は不調のサインとなりうる。
-
問20.長時間労働者に対する面接指導について、労働安全衛生規則上、要件に該当する労働者に対して申出を行うよう勧奨することができると定められている者はどれか。
- ア.衛生推進者
- イ.産業医
- ウ.労働基準監督官
- エ.労働組合の代表者
正解:イ.産業医
解説:安衛則52条の3第4項は、産業医は面接指導の要件に該当する労働者に対して申出を行うよう勧奨することができると定めている。長時間労働者の面接指導は、要件に該当する労働者の申出により行うものとされている(同条1項)。
-
問21.管理監督者が部下のメンタルヘルスに関して気づいた変化を記録・把握する目的として、適切なものはどれか。
- ア.懲戒処分の証拠を集めるため
- イ.本人を問い詰める材料にするため
- ウ.変化の継続性を把握し適切な対応につなげるため
- エ.評価を下げる理由を探すため
正解:ウ.変化の継続性を把握し適切な対応につなげるため
解説:変化を継続的に把握することで、不調が一時的か継続的かを判断しやすくなり、適切な対応や専門家への相談に役立つ。把握は支援のためであり、監視のためではない。
-
問22.部下が「眠れない」「食欲がない」と訴えた場合、管理監督者の適切な対応はどれか。
- ア.話を聴き、必要に応じて専門家への相談を勧める
- イ.「誰でもあること」と取り合わない
- ウ.気のせいだと断定する
- エ.直ちに配置転換を決める
正解:ア.話を聴き、必要に応じて専門家への相談を勧める
解説:睡眠や食欲の変化は心身の不調のサインであり、訴えを軽視せず話を聴き、必要に応じて産業医など専門家への相談・受診を勧めることが適切である。
-
問23.管理監督者が部下に声をかける際、不調が疑われる場合に避けるべき言い方はどれか。
- ア.「最近、疲れていないか心配だ」
- イ.「困っていることがあれば話してほしい」
- ウ.「無理をしていないか気になっている」
- エ.「何をやっているんだ、しっかりしろ」
正解:エ.「何をやっているんだ、しっかりしろ」
解説:本人を責めたり問い詰めたりする言い方は、相手を追い詰めて逆効果になりうる。心配している姿勢を伝え、本人が話しやすいように配慮した声かけが望ましい。
-
問24.危機対応において、希死念慮が疑われる部下に対し管理監督者が一人で抱え込まないことが重要とされる理由はどれか。
- ア.責任を回避するため
- イ.専門家や関係者と連携し適切に対応するため
- ウ.対応を先延ばしにするため
- エ.噂を広めるため
正解:イ.専門家や関係者と連携し適切に対応するため
解説:自殺の危機など緊急性の高い状況では、管理監督者だけで対応するのは困難であり、専門家や関係者と連携することで適切かつ安全な対応が可能になる。連携が本人の安全を守る。
-
問25.カスタマーハラスメント防止指針が「抑止のための措置」として事業主に義務づけているものはどれか。
- ア.過度な要求の繰り返しなど特に悪質なものへの対処の方針を定めて周知し、その対処を行える体制を整えること
- イ.毅然と対応して労働者を保護する旨の方針を、店舗や窓口などで顧客等に向けて周知・啓発すること
- ウ.同じ業種・業態の複数の事業主が一体となって、業種の被害の実態に応じた防止の取組を行うこと
- エ.他の事業主が雇用する労働者へのカスタマーハラスメントを行ってはならない旨の方針を、自社として示すこと
正解:ア.過度な要求の繰り返しなど特に悪質なものへの対処の方針を定めて周知し、その対処を行える体制を整えること
解説:指針4(4)は、抑止のための措置として、労働者に対し過度な要求を繰り返すなど特に悪質と考えられるものへの対処の方針をあらかじめ定めて管理監督者を含む労働者に周知し、その対処を行える体制を整備しなければならないとしている(労働施策総合推進法33条1項)。方針を顧客等に周知・啓発することは4(1)イで「効果的と考えられる」、同業の事業主が一体となる取組は6(3)で「考えられる」、他社の労働者へのカスタマーハラスメントを行ってはならない旨の方針を示すことは6(4)で「望ましい」とされるにとどまり、いずれも義務ではない。
-
問26.障害者雇用促進法で、事業主が労働者の募集・採用に当たり、障害の特性に配慮した必要な措置を講じる契機とされているものはどれか。
- ア.障害者手帳の写しの提出
- イ.障害者本人からの申出
- ウ.障害者職業センターによる判定
- エ.公共職業安定所長による勧告
正解:イ.障害者本人からの申出
解説:障害者雇用促進法第36条の2は、募集・採用に当たり「障害者からの申出により」障害の特性に配慮した必要な措置を講じなければならないとしている(事業主に過重な負担となるときを除く)。雇い入れた後の措置(第36条の3)は、申出を要件としていない。
-
問27.部下から相談を受けた内容について、産業保健スタッフと情報を共有する際の配慮として適切なものはどれか。
- ア.本人の同意やプライバシーに配慮して必要な範囲で共有する
- イ.共有する際は人数が多いほどよい
- ウ.本人に無断で全社に展開する
- エ.共有はしてはならないので一切連携しない
正解:ア.本人の同意やプライバシーに配慮して必要な範囲で共有する
解説:支援のために必要な情報を共有する場合でも、本人の同意やプライバシーへの配慮が原則であり、必要最小限の範囲で取り扱うことが望ましい。むやみに共有しない。
-
問28.時間外・休日労働時間を算定した結果、1か月当たり80時間を超えた労働者がいた場合に、労働安全衛生規則上、事業者が速やかに行わなければならないこととして正しいものはどれか。
- ア.当該労働者本人に、その時間数に関する情報を知らせる
- イ.当該労働者の翌月の時間外労働を一律に禁止する
- ウ.所轄労働基準監督署長に当該労働者の氏名を報告する
- エ.当該労働者に臨時の健康診断を受けさせる
正解:ア.当該労働者本人に、その時間数に関する情報を知らせる
解説:安衛則52条の2第3項は、算定の結果1か月当たり80時間を超えた労働者に対し、その超えた時間に関する情報を速やかに通知しなければならないと定める。あわせて、これらの労働者の氏名と超えた時間に関する情報を産業医に提供しなければならない(同14条の2)。
-
問29.部下の遅刻や欠勤が増えてきた場合、管理監督者の望ましい初期対応はどれか。
- ア.欠勤の理由を問わず厳重注意のみ行う
- イ.勤怠が改善するまで放置する
- ウ.本人の評価を即座に下げる
- エ.心配する姿勢で声をかけ背景を聴く
正解:エ.心配する姿勢で声をかけ背景を聴く
解説:勤怠の乱れに気づいたら、頭ごなしに叱るのではなく、本人の状況を心配する姿勢で声をかけ、背景に何かないか話を聴くことが望ましい。
-
問30.労働安全衛生規則で、長時間労働者に対する医師の面接指導の結果の記録を事業者が作成し、保存しなければならない期間はどれか。
- ア.1年間
- イ.2年間
- ウ.5年間
- エ.7年間
正解:ウ.5年間
解説:安衛則52条の6は、事業者は面接指導の結果に基づき記録を作成して5年間保存しなければならないとし、記録には実施年月日、労働者の氏名、医師の氏名、疲労の蓄積の状況その他の心身の状況と医師の意見を記載するとしている。
-
問31.管理監督者自身がストレスをためないために有効なセルフケアとして適切なものはどれか。
- ア.ストレスを無視して働き続ける
- イ.部下に当たって発散する
- ウ.自分のストレスに気づき適切に対処・相談する
- エ.睡眠を削って業務を優先する
正解:ウ.自分のストレスに気づき適切に対処・相談する
解説:自分のストレスに気づき、休息や相談などで適切に対処することがセルフケアである。一人で抱え込まず、上司や産業保健スタッフに相談することも有効である。
-
問32.カスタマーハラスメント防止指針が、顧客等の言動が社会通念上許容される範囲を超えるかどうかの判断について示している内容として、正しいものはどれか。
- ア.「言動の内容」と「手段や態様」の一方のみが範囲を超える場合でも、該当し得るとしている
- イ.「言動の内容」と「手段や態様」の両方が範囲を超えなければ、該当しないとしている
- ウ.事業主や労働者の側の対応が原因となっているかどうかは、考慮しないとしている
- エ.言動を受けた労働者本人の感じ方を基準として、判断することが適当としている
正解:ア.「言動の内容」と「手段や態様」の一方のみが範囲を超える場合でも、該当し得るとしている
解説:指針2(5)は、言動の目的、言動が行われた経緯や状況、業種・業態、言動の態様・頻度・継続性などを総合的に考慮し、「言動の内容」と「手段や態様」に着目して判断するとし、その一方のみが範囲を超える場合でも該当し得るとしている。あわせて、事業主又は労働者の側の不適切な対応が言動の原因や背景となっている場合もあることに留意が必要とし、「平均的な労働者の感じ方」を基準とするのは就業環境が害されるかどうかの判断(2(6))である。
-
問33.障害者雇用促進法で、雇用義務(法定雇用率)の対象となる「対象障害者」として定められているものはどれか。
- ア.身体障害者、知的障害者、医師の診断書を提出した精神障害者
- イ.身体障害者、知的障害者、精神障害者保健福祉手帳を持つ精神障害者
- ウ.身体障害者、知的障害者、指定難病の医療受給者証を持つ難病患者
- エ.身体障害者、知的障害者、精神科への通院医療を受けている者
正解:イ.身体障害者、知的障害者、精神障害者保健福祉手帳を持つ精神障害者
解説:障害者雇用促進法37条2項は「対象障害者」を、身体障害者、知的障害者又は精神障害者(精神障害者保健福祉手帳の交付を受けているものに限る)と定めている。精神障害者は診断や通院だけでは対象にならず、難病患者も手帳が無ければ対象障害者に当たらない。
-
問34.長時間労働者に対する医師の面接指導(労働安全衛生法第66条の8)の対象となる要件として、労働安全衛生規則が定めるものはどれか。なお、時間は休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた時間とする。
- ア.1か月当たり60時間を超え、疲労の蓄積が認められる
- イ.1か月当たり80時間を超え、疲労の蓄積が認められる
- ウ.1か月当たり45時間を超えている
- エ.3か月の平均が70時間を超え、疲労の蓄積が認められる
正解:イ.1か月当たり80時間を超え、疲労の蓄積が認められる
解説:安衛則52条の2第1項は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた時間が1か月当たり80時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる者を面接指導の対象としている。面接指導はこの要件に該当する労働者の申出により行う(同52条の3第1項)。
-
問35.長時間労働者の面接指導について、労働者が事業者の指定した医師による面接指導を希望しない場合の取扱いとして、正しいものはどれか。
- ア.面接指導を受けなくてよいこととなる
- イ.労働基準監督署が指定する医師の面接指導を受ける
- ウ.他の医師の面接指導を受け、結果を証明する書面を提出する
- エ.指定した医師の面接指導を業務命令で受けさせる
正解:ウ.他の医師の面接指導を受け、結果を証明する書面を提出する
解説:安衛法66条の8第2項は、労働者は事業者が行う面接指導を受けなければならないとしつつ、事業者の指定した医師による面接指導を希望しない場合は、他の医師の行う相当する面接指導を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出すればよいと定めている。
-
問36.部下のメンタルヘルス不調が疑われるが本人が受診をためらう場合、管理監督者の適切な対応はどれか。
- ア.本人の意思を無視して即日受診させる
- イ.受診しないなら関わらないと突き放す
- ウ.不安を受け止めつつ相談窓口の利用を丁寧に勧める
- エ.受診を諦めて放置する
正解:ウ.不安を受け止めつつ相談窓口の利用を丁寧に勧める
解説:本人が受診をためらう場合でも、無理強いせず、産業医や相談窓口の利用を丁寧に勧め、不安を受け止めながら背中を押す配慮が望ましい。本人の意思を尊重しつつ支援する。
-
問37.職場における妊娠・出産等に関するハラスメント(いわゆるマタニティハラスメント)について、防止のための雇用管理上の措置を事業主に義務づけている法律はどれか。
- ア.労働基準法
- イ.育児・介護休業法
- ウ.女性活躍推進法
- エ.男女雇用機会均等法
正解:エ.男女雇用機会均等法
解説:妊娠・出産、産前産後休業の請求・取得などに関する言動による就業環境の悪化を防ぐ措置は、男女雇用機会均等法第15条(2026年9月30日までは第11条の3)が事業主に義務づけている。育児・介護休業法第25条は育児休業・介護休業などの制度の利用に関する言動が対象である。
-
問38.労働施策総合推進法で、パワーハラスメントの相談を行ったことと並んで、事業主がそれを理由に解雇その他不利益な取扱いをしてはならないと定められているものはどれか。
- ア.社外の弁護士に相談して助言を受けたこと
- イ.会社の事実確認に協力して事実を述べたこと
- ウ.行為者に直接、謝罪や改善を求めたこと
- エ.行為者の言動を録音して記録したこと
正解:イ.会社の事実確認に協力して事実を述べたこと
解説:労働施策総合推進法31条2項(2026年9月30日までは30条の2第2項)は、労働者が相談を行ったこと、又は事業主による当該相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、解雇その他不利益な取扱いをしてはならないと定めている。ほかの選択肢は同項に掲げられていない。
-
問39.パワーハラスメント防止指針の類型で、「管理職である労働者を退職させるため、誰でも遂行可能な業務を行わせること」が該当すると考えられる例として挙げられているものはどれか。
- ア.過大な要求
- イ.人間関係からの切り離し
- ウ.過小な要求
- エ.個の侵害
正解:ウ.過小な要求
解説:指針は代表的な類型として、身体的な攻撃、精神的な攻撃、人間関係からの切り離し、過大な要求、過小な要求、個の侵害の6つを示す。「過小な要求」は業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないことで、設問の例はこれに該当すると考えられる例として挙げられている。
-
問40.管理監督者が部下のメンタルヘルスケアの一次的な対応者として期待される理由はどれか。
- ア.部下より医学知識が豊富だから
- イ.治療を行う資格があるから
- ウ.人事権を持っているから
- エ.日常的に接し変化に気づきやすい立場だから
正解:エ.日常的に接し変化に気づきやすい立場だから
解説:管理監督者は部下と日常的に接し、その変化に気づきやすい立場にある。そのため、早期の気づきと初期対応、専門家への橋渡しを担う一次的な役割が期待される。
-
問41.労働安全衛生規則で、事業者が把握した労働時間の状況の記録を作成し、保存するための措置を講じなければならないとされる期間はどれか。
- ア.1年間
- イ.2年間
- ウ.3年間
- エ.10年間
正解:ウ.3年間
解説:安衛則52条の7の3第2項は、タイムカードによる記録やパソコンの使用時間の記録等の客観的な方法その他の適切な方法で把握した労働時間の状況の記録を作成し、3年間保存するための必要な措置を講じなければならないと定めている。
-
問42.カスタマーハラスメント防止指針(令和8年厚生労働省告示第51号)が示す、職場におけるカスタマーハラスメントの要素に含まれないものはどれか。
- ア.顧客等の言動であること
- イ.優越的な関係を背景とした言動であること
- ウ.社会通念上許容される範囲を超えた言動であること
- エ.労働者の就業環境が害されるものであること
正解:イ.優越的な関係を背景とした言動であること
解説:指針2(1)は、職場におけるカスタマーハラスメントを、①顧客等の言動であって、②労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるもの、の3要素を全て満たすものとしている(労働施策総合推進法33条1項)。「優越的な関係を背景とした言動」は職場におけるパワーハラスメントの要素(同法31条1項)で、カスタマーハラスメントの要素には含まれない。
-
問43.部下から相談を受ける際、管理監督者が守るべき秘密保持の姿勢として適切なものはどれか。
- ア.相談内容は職場の話題として共有する
- イ.相談者の名前を周囲に伝える
- ウ.本人の了解なく他者に漏らさない
- エ.内容を上司に逐一報告して回る
正解:ウ.本人の了解なく他者に漏らさない
解説:相談内容は本人のプライバシーに関わるため、本人の了解なく他者に漏らさないことが信頼関係の基礎となる。ただし本人の安全に関わる緊急時は連携が必要となる。
-
問44.管理監督者が部下にかける言葉として、相手を追い詰めにくく望ましいものはどれか。
- ア.「最近どうかな、何か困っていないか」
- イ.「みんなできているのになぜできないんだ」
- ウ.「弱音を吐くな」
- エ.「自分で何とかしろ」
正解:ア.「最近どうかな、何か困っていないか」
解説:相手を責めず、心配や関心を示す言葉は、本人が話しやすくなる。「あなたを気にかけている」という姿勢を伝えることが、相談につながりやすい。
-
問45.男女雇用機会均等法に基づくセクシュアルハラスメント防止指針の内容として、正しいものはどれか。
- ア.対価型は、性的な言動により就業環境が不快となり、能力の発揮に支障が生じるものをいう
- イ.環境型は、性的な言動を拒否したために、配置転換などの不利益を受けるものをいう
- ウ.対価型は、性的な言動への対応により、解雇・降格・減給等の不利益を受けるものをいう
- エ.対価型は行為者が事業主や上司の場合をいい、同僚の場合は環境型となる
正解:ウ.対価型は、性的な言動への対応により、解雇・降格・減給等の不利益を受けるものをいう
解説:指針2(1)は、性的な言動に対する労働者の対応により労働条件につき不利益を受けるものを「対価型」、性的な言動により就業環境が害されるものを「環境型」としている。対価型の典型例は拒否されたための解雇・降格・不利益な配置転換などで、型は行為者の立場ではなく、労働条件の不利益か就業環境の悪化かで分かれる。
-
問46.妊娠中の女性労働者から、健康診査で医師から通勤緩和の指導を受けたとの申出があった。事業主の対応として正しいものはどれか。
- ア.労働基準法に基づき、時差通勤などの必要な措置を講ずるよう努めなければならない
- イ.男女雇用機会均等法に基づき、時差通勤などの必要な措置を講じなければならない
- ウ.労働基準法に基づき、時差通勤などの必要な措置を講じなければならない
- エ.男女雇用機会均等法に基づき、時差通勤などの必要な措置を講ずるよう努めなければならない
正解:イ.男女雇用機会均等法に基づき、時差通勤などの必要な措置を講じなければならない
解説:男女雇用機会均等法18条1項(2026年10月1日の改正前は13条1項)は、妊娠中・出産後の女性労働者が保健指導や健康診査に基づく指導事項を守ることができるよう、勤務時間の変更、勤務の軽減等の必要な措置を講じることを事業主に義務づけている(努力義務ではない)。同条の指針は、医師等から通勤緩和の指導を受けた旨の申出があったときは、時差通勤、勤務時間の短縮等の必要な措置を講ずるものとしている。労働基準法の母性保護の規定(65条の軽易な業務への転換、66条の時間外労働等の制限など)は、通勤緩和を定めたものではない。
根拠: 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和47年法律第113号、2026-10-01 施行版) 第17条(保健指導・健康診査を受けるための時間の確保)・第18条第1項(指導事項を守ることができるよう勤務時間の変更、勤務の軽減等必要な措置を講じなければならない)。2026-09-30 時点の版では第12条・第13条 / 妊娠中及び出産後の女性労働者が保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするために事業主が講ずべき措置に関する指針(平成9年労働省告示第105号、令和元年厚生労働省告示第2号まで改正) 2(1) 妊娠中の通勤緩和について(医師等により通勤緩和の指導を受けた旨の申出があった場合には、時差通勤、勤務時間の短縮等の必要な措置を講ずるものとする) / 労働基準法(昭和22年法律第49号) 第65条(産前産後休業・軽易な業務への転換)・第66条(妊産婦の請求による時間外・休日・深夜業の制限)。全文に通勤緩和の規定が無いことを確認 (出典: e-Gov法令検索)
-
問47.管理監督者がセルフケアを実践することが、ラインによるケアにとっても重要とされる理由はどれか。
- ア.自身の健康を保つことで部下のケアも適切に行えるから
- イ.自分のケアは部下のケアと無関係である
- ウ.部下より優位に立つためである
- エ.評価を上げるためである
正解:ア.自身の健康を保つことで部下のケアも適切に行えるから
解説:管理監督者自身が心身の健康を保つことで、余裕をもって部下の変化に気づき、適切に対応できる。自分のケアができてこそ、部下のケアも機能する。
-
問48.部下の不調が疑われ専門家につなぐ際、管理監督者の説明として適切なものはどれか。
- ア.健康を心配している旨を伝え相談先を案内する
- イ.「問題社員だから受けろ」と伝える
- ウ.受診先は自分で探させ放置する
- エ.受診の理由を曖昧にして強制する
正解:ア.健康を心配している旨を伝え相談先を案内する
解説:専門家への相談を勧める際は、本人を責めるのではなく、健康への心配からであることを伝え、相談先の情報を分かりやすく案内することが望ましい。本人が安心して相談できるよう配慮する。
-
問49.危機的状況において、自殺をほのめかす言動があった部下への対応で最も適切なものはどれか。
- ア.様子を見て後日改めて話す
- イ.一人にせず速やかに専門家・関係者と連携し安全を確保する
- ウ.本人に強く反省を促す
- エ.他の業務を優先する
正解:イ.一人にせず速やかに専門家・関係者と連携し安全を確保する
解説:自殺をほのめかす言動は緊急性が高く、本人を一人にせず、速やかに専門家や関係者と連携して安全を確保することが最優先である。軽視や放置は危険である。
-
問50.新たな技術、商品又は役務の研究開発業務に従事する労働者について、本人の申出がなくても医師による面接指導を行わなければならないとされる時間はどれか。なお、時間は休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働した時間とする。
- ア.1か月当たり60時間を超えた場合
- イ.1か月当たり100時間を超えた場合
- ウ.1か月当たり120時間を超えた場合
- エ.1か月当たり150時間を超えた場合
正解:イ.1か月当たり100時間を超えた場合
解説:労働基準法36条11項の研究開発業務に従事する者は時間外労働の上限規制が適用されない代わりに、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えた時間が1か月当たり100時間を超えた場合、申出の有無にかかわらず医師による面接指導を受けさせなければならない(安衛法66条の8の2、安衛則52条の7の2)。
-
問51.パワーハラスメント防止指針で、「個の侵害」に該当すると考えられる例として挙げられているものはどれか。
- ア.一人の労働者に対して、同僚が集団で無視をし、職場で孤立させること
- イ.労働者に、業務とは関係のない私的な雑用の処理を強制的に行わせること
- ウ.労働者を職場外でも継続的に監視したり、私物の写真撮影をしたりすること
- エ.相手の能力を否定し罵倒する内容のメールを、複数の労働者宛てに送ること
正解:ウ.労働者を職場外でも継続的に監視したり、私物の写真撮影をしたりすること
解説:指針は「個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)」に該当すると考えられる例として、職場外でも継続的に監視したり私物の写真撮影をしたりすることを挙げている。集団での無視は「人間関係からの切り離し」、私的な雑用の強制は「過大な要求」、罵倒するメールの一斉送信は「精神的な攻撃」の例である。
-
問52.職場で良好なコミュニケーションを保つために、管理監督者が日頃から心がけるべきことはどれか。
- ア.業務指示以外は話さない
- イ.部下の話を聞かない
- ウ.距離を置いて接する
- エ.あいさつや声かけで関わりを持つ
正解:エ.あいさつや声かけで関わりを持つ
解説:あいさつや声かけ、部下の話に耳を傾けるなどの日常的な働きかけが、相談しやすい関係づくりにつながる。日頃の積み重ねが信頼関係を育む。
-
問53.管理監督者が部下に対し過重労働を防ぐために行う取り組みとして適切なものはどれか。
- ア.労働時間を把握し業務量を調整する
- イ.業務量を把握せず本人任せにする
- ウ.残業を奨励する
- エ.休暇取得を制限する
正解:ア.労働時間を把握し業務量を調整する
解説:労働時間を把握し、業務の繁閑を踏まえて応援体制を整えたり業務量を調整したりすることが、過重労働の防止につながる。管理監督者の主体的な調整が求められる。
-
問54.セクシュアルハラスメント防止指針で、ある場所が「職場」に該当するかどうかを判断する基準とされているものはどれか。
- ア.事業主が所有・管理する施設かどうか
- イ.所定労働時間内の出来事かどうか
- ウ.労働者が業務を遂行する場所かどうか
- エ.通常就業している事業所の中かどうか
正解:ウ.労働者が業務を遂行する場所かどうか
解説:指針2(2)は、「職場」とは事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指し、通常就業している場所以外でも、取引先の事務所、取引先と打合せをするための飲食店、顧客の自宅等であっても、業務を遂行する場所であれば該当するとしている。
-
問55.管理監督者が部下のメンタルヘルスケアにおいて、最終的に目指すべきこととして適切なものはどれか。
- ア.問題のある部下を排除すること
- イ.管理監督者の評価を上げること
- ウ.部下が健康に働き続けられるよう支援すること
- エ.業務効率だけを高めること
正解:ウ.部下が健康に働き続けられるよう支援すること
解説:ラインによるケアの目的は、部下が健康に働き続けられるよう支援し、不調の予防と早期対応を図ることである。気づき・対応・連携を通じて部下の健康を守ることが目標となる。