秘書検定2級「マナー・接遇」の出題ポイント解説
秘書検定は記述問題も一部出ますが、本ページでは選択問題で問われる知識を中心に解説します。記述対策は公式テキスト併用を推奨します。秘書検定2級の「マナー・接遇」は配点が大きい最重要分野です。敬語の正確な使い分けと誤用の識別・電話/来客応対・席次・言葉遣い・交際(慶弔)が出題されます。2級では敬語の正誤を見分ける問題や、宗教別の弔事マナーなど、3級より細かい知識まで問われます。
※出題範囲・内容は改定される場合があります。最新情報は必ず公益財団法人 実務技能検定協会(秘書検定) 公式情報でご確認ください。
敬語の使い分けと誤用の識別
敬語は尊敬語・謙譲語・丁寧語に分けられます。2級では、正しい敬語を選ぶだけでなく、二重敬語や謙譲・尊敬の取り違えといった誤用を見抜く問題が頻出です。
| 種類 | 働き | 例 |
|---|---|---|
| 尊敬語 | 相手(や話題の人)の動作を高めて敬う | 言う→おっしゃる/見る→ご覧になる/いる→いらっしゃる |
| 謙譲語 | 自分(身内)の動作をへりくだって相手を立てる | 言う→申し上げる/見る→拝見する/行く→伺う |
| 丁寧語 | 「です・ます」で言葉づかいを丁寧にする | そうです/参ります(ていねいに述べる) |
注意したい誤用の例を挙げます。
| 誤った言い方 | 正しい言い方 | 理由 |
|---|---|---|
| おっしゃられる | おっしゃる | 「おっしゃる」に「れる」を重ねた二重敬語 |
| (来客に)資料を拝見してください | ご覧ください | 相手の動作に謙譲語「拝見」を使うのは誤り |
| 部長がそう申されました | 部長がそうおっしゃいました | 立てるべき相手に謙譲語「申す」は不適切 |
また、社外の人に自社の上司の動作を言うときは、上司を身内として扱い、敬称や尊敬語を付けず「(部長の)田中は席を外しております」のように謙譲して言います。
電話・来客応対
電話と来客の応対は、声・言葉づかい・所作で印象が決まります。基本をおさえましょう。
- 電話はベルが鳴ったら早めに出て会社名・部署名を名乗り、相手の社名・名前・用件を復唱して確認する。
- 取り次ぎは保留にして相手を長く待たせない。不在時は伝言を承り連絡先・用件・かけ直しの要否を控える。
- 電話を切るときは原則かけた側から切る(相手が目上のときは相手が切るのを待つ)。
- 来客は少し斜め前を歩いて案内し、上座をすすめる。お茶は来客(上位者)から先に出す。
- 見送りはエレベーターや玄関まで行い、姿が見えなくなるまで対応する。
席次(応接室・車・エレベーター)
2級では、応接室だけでなく車内やエレベーターの席次まで問われます。原則は「出入口から遠い・奥が上座」です。
| 場所 | 上座(上位者) | 下座(下位者) |
|---|---|---|
| 応接室 | 出入口から最も遠い席(長いす側が上位) | 出入口に近い席 |
| 運転手付きの車 | 運転席の後ろの席が最上位 | 助手席(運転手の隣)が下位 |
| 上司などが運転する車 | 運転席の隣(助手席)が上位 | 後部座席 |
| エレベーター | 操作盤の奥側が上座 | 操作盤の前(操作する位置)が下座 |
言葉遣い・クッション言葉
依頼や断りを和らげるクッション言葉は接遇の印象を左右します。場面に応じて使い分けましょう。
| クッション言葉 | 使う場面 |
|---|---|
| 恐れ入りますが | お願い・依頼をするとき |
| 申し訳ございませんが | 断る・お詫びをするとき |
| お手数ですが | 相手に手間をかけてもらうとき |
| あいにくですが | 都合がつかず応じられないとき |
| 差し支えなければ | 相手の都合を尋ねるとき |
交際(上書き・水引・賀寿・弔事)
慶事・弔事ののし袋の上書きと水引の知識が問われます。2級では宗教別の弔事や長寿の祝い(賀寿)まで問われます。
| 場面 | 上書きの例 | 水引 |
|---|---|---|
| 一般のお祝い | 御祝 | 紅白・金銀(蝶結び) |
| 結婚のお祝い | 寿・御結婚御祝 | 紅白・金銀(結び切り) |
| 香典(仏式) | 御霊前・御香典 | 黒白・双銀(結び切り) |
| 香典(神式) | 御玉串料・御榊料 | 黒白・双銀(結び切り) |
| 香典(キリスト教式) | 御花料 | 白封筒(または白黒) |
「御霊前」は宗教を問わず使えることが多い一方、「御仏前(御佛前)」は仏式の四十九日以降に用いる、という違いに注意します。
長寿の祝い(賀寿)も問われます。数え年での代表的な呼び名を覚えましょう。
| 呼び名 | 年齢(数え年) | 由来 |
|---|---|---|
| 還暦(かんれき) | 61歳 | 干支が一巡してもとに還る |
| 古希(こき) | 70歳 | 「人生七十古来稀なり」から |
| 喜寿(きじゅ) | 77歳 | 「喜」の草書が七十七に見える |
| 傘寿(さんじゅ) | 80歳 | 「傘」の略字が八十に見える |
| 米寿(べいじゅ) | 88歳 | 「米」の字が八十八に分解できる |
この章を覚えるコツ
- 誤用は「立てる相手」で判断:相手の動作には尊敬語、自分側には謙譲語。取り違えと二重敬語を狙って見抜きましょう。
- 水引は「結び切り=一度きり」:結婚・弔事・お見舞いは結び切り、と覚えると整理しやすくなります。
- 賀寿は字の由来で暗記:喜寿=七十七、米寿=八十八のように、漢字の分解で年齢を結びつけます。
用語があいまいなときは用語集で確認し、学習全体の進め方は勉強法ガイドも参考にしてください。次は技能の章に進みましょう。
→ この章の一問一答75問に挑戦