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第一種電気主任技術者 一次「横断・難問演習」の一問一答

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📖 第一種電気主任技術者 一次「横断・難問演習」の全74問と解説(一覧)

第一種電気主任技術者 一次の横断・難問演習に関する一問一答(全74問)の正解と解説の一覧です。上の一問一答で実際に解いてから、ここで復習・確認できます。

  1. 問1.対称座標法において、三相不平衡電流の零相電流I0は、三相電流Ia,Ib,Icの算術平均(Ia+Ib+Ic)/3で求められ、Δ結線回路では中性線がないため常にI0=0となる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。対称座標変換I0=(Ia+Ib+Ic)/3であり、Δ結線や中性点非接地系では零相電流の流路がなく、I0=0となる(地絡時の充電電流は別途)。1線地絡電流計算で必須の概念。

  2. 問2.100MVA基準容量で系統リアクタンスX=j0.2pu、発電機背後リアクタンスXd''=j0.15puのとき、母線3相短絡容量は基準容量を合成リアクタンスで除し、約286MVAとなる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。合成リアクタンスX=j(0.2+0.15)=j0.35pu。短絡容量Ss=Sbase/X=100/0.35≒286MVA。これにより遮断器の遮断容量(定格遮断電流×√3×定格電圧)を選定する。

  3. 問3.潮流計算におけるニュートン・ラフソン法は、ガウス・ザイデル法より反復回数が少なく収束性が高いが、各反復でヤコビアン行列の更新と逆行列計算が必要なため1反復あたりの計算量が大きい。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。N-R法は2次収束で大規模系統に有利だが、ヤコビアン∂P/∂θ、∂Q/∂Vの算出とLU分解が必要。高速分解潮流(FDLF)はB'/B''を固定して計算量を削減する近似手法。

  4. 問4.発電機の同期化力係数Ps=(E×V/X)cosδは、相差角δが90°のとき最大値を取り、これを超えると同期外れに至るため、定態安定極限はδ=90°と定義される。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。同期化力Ps=dP/dδ=(EV/X)cosδで、δ=0で最大、δ=90°で0(極限)となる。送電電力P=(EV/X)sinδがδ=90°で最大、これが定態安定極限。同期化力と送電電力を混同した誤り。

  5. 問5.電力系統の慣性定数H[MW・s/MVA]が小さくなるほど、需給インバランス発生時の周波数変化率(RoCoF)は大きくなり、再エネ大量導入で同期発電機が減少すると周波数安定度が低下する。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。動揺方程式2H(df/dt)=ΔP/Sより、Hが小さいとdf/dt大。再エネ(PV/風力)はインバータ接続で慣性を持たないため、合成慣性制御や蓄電池による疑似慣性が必要となる。

  6. 問6.三相平衡負荷で線間電圧V=6600V、線電流I=100A、力率cosφ=0.8(遅れ)のとき、複素電力S=P+jQは有効電力P≒914kW、無効電力Q≒686kvarで合計皮相電力S=1143kVAとなる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。S=√3VI=√3×6600×100=1143kVA。P=Scosφ=1143×0.8=914kW。Q=Ssinφ=1143×0.6=686kvar。複素電力S=914+j686[kVA]、|S|=1143kVA。

  7. 問7.受電端力率を0.7から0.95(遅れ)に改善するために必要なコンデンサ容量Qcは、Qc=P(tanφ1-tanφ2)で計算され、P=500kWの場合約345kvarとなる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。tanφ1=tan(cos⁻¹0.7)≒1.020、tanφ2=tan(cos⁻¹0.95)≒0.329。Qc=500×(1.020-0.329)≒345kvar。高圧進相コンデンサの選定基準。

  8. 問8.保護協調において、上位遮断器の動作時間は下位遮断器の動作時間より長く設定し、両者の差(時間協調値)は通常0.3〜0.5秒程度確保することで、事故点直近の遮断器のみが動作する選択遮断を実現する。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。OCRの動作時間整定で上位ほど長く(階層的遅延)、CB遮断時間+保護リレーリセット時間+余裕で0.3〜0.5秒差を設ける。瞬時要素は短絡事故のみ動作させ過電流要素と協調。

  9. 問9.高圧進相コンデンサに直列リアクトル(SR)を6%設置する目的は、第5調波(250Hz)に対して誘導性とし高調波拡大を防止することであり、リアクタンス比はコンデンサ容量に対する比率で表される。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。直列リアクトルXL/Xc=6%にすると、第5調波(f=5×50=250Hz)で5²×0.06=1.5>1となり全体が誘導性。高調波電流の流入抑制と母線高調波電圧拡大防止の両効果がある。

  10. 問10.三相かご形誘導電動機をV/f一定制御するインバータ駆動では、低速域でステータ抵抗による電圧降下が無視できず、トルク低下を補償するためトルクブースト機能を用いる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。V/f一定で磁束を一定維持するが、低周波では|V|≒I×R1+jωL×Iの抵抗成分が支配的となり磁束低下。トルクブーストで電圧を上乗せして補償する。汎用インバータの標準機能。

  11. 問11.誘導電動機のベクトル制御では、固定子電流をd軸(磁束電流id)とq軸(トルク電流iq)に分解し、磁束とトルクを独立制御するため、直流機と同等の高応答性が得られる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。回転座標(dq軸)変換により磁束軸とトルク軸を分離。磁束方程式と運動方程式が非干渉化し、idで磁束、iqでトルクを瞬時制御。サーボや電気自動車駆動で必須技術。

  12. 問12.PWMインバータ出力のLCフィルタにおいて、共振周波数fr=1/(2π√(LC))はキャリア周波数より十分高く設定し、出力電圧波形のリプル除去と過渡応答性を両立する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。LCフィルタの共振周波数はキャリア周波数より十分「低く」(通常1/10以下)、基本波周波数より「高く」設定する。共振周波数がキャリアに近いと高調波が増幅され逆効果。

  13. 問13.PID制御で比例ゲインKpを大きくすると応答は速くなるが、行き過ぎ量(オーバーシュート)が増加し、過大な場合は持続振動や発散に至る。微分動作Tdは振動抑制に寄与する。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。Kp増大→応答高速化だが安定余裕低下。微分動作は誤差の変化率に比例する操作量で予測的に振動を抑える。ジーグラ・ニコルス整定法は限界感度法で各係数を決定する古典手法。

  14. 問14.状態空間表現dx/dt=Ax+Bu, y=Cx+Duにおいて、システムの可制御性は可制御性行列[B AB A²B …]のランクがシステム次数nに等しいことで判定される。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。カルマンの可制御性判定。同様に可観測性は[C; CA; CA²; …]のランクがnに等しいことで判定。現代制御理論の基礎で、状態フィードバック設計やオブザーバ構成の前提条件。

  15. 問15.カスケード制御は内側ループ(副制御)と外側ループ(主制御)を組み合わせ、内側ループの応答時定数を外側より十分小さく(通常1/3以下)することで、外乱抑制能力と応答性を向上させる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。内側ループは速い外乱(流量・圧力)を高速除去し、外側ループは目標値追従。プロセス制御で主流の構成で、副ループの開放/閉鎖切替は手動・自動の切替に対応。

  16. 問16.高圧自家用受電設備の年次点検において、6.6kV高圧ケーブルの絶縁抵抗測定で1500MΩ以上を確認できれば、絶縁劣化はないと判定できるため、tanδ測定や直流漏れ電流測定は不要である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。絶縁抵抗測定は表面・水分の影響を受け絶縁劣化の早期発見に限界がある。tanδ測定(誘電正接)や直流漏れ電流測定は内部劣化(水トリー等)の進行度判定に有効で、診断手法として併用が推奨される。

  17. 問17.電気事業法上、出力500kW未満の自家用電気工作物の主任技術者は、外部委託承認制度により電気保安法人または電気管理技術者へ委託でき、設置者は専任不要となる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。電気事業法施行規則52条第2項により、受電電圧7,000V以下・出力2,000kW未満の自家用電気工作物(需要設備)は外部委託承認の対象で、出力500kWはこの範囲内のため委託でき、設置者は選任不要となる。承認は主たる事業場の所在地を管轄する産業保安監督部長が行う。

    根拠:電気事業法施行規則 第52条 (出典: e-Gov法令検索)

  18. 問18.保安規程で定める日常巡視点検は、自家用電気工作物の運転状態を目視・計器確認するもので、月次点検以上の頻度で実施し、点検記録は法定保存期間として3年以上の保管が求められる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。電気事業法106条系の保安規程に基づき、月次・年次点検の実施頻度と記録保管(3年以上)が標準。記録には測定値・異常の有無・是正措置を含める。電気主任技術者の責務。

    根拠:電気事業法 第106条 (出典: e-Gov法令検索)

  19. 問19.電気事故報告において、感電死傷事故は電気関係報告規則3条で「速報24時間以内・詳報30日以内」、波及事故は「速報24時間以内」が義務付けられている。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。電気関係報告規則3条で事故区分ごとに報告期限が規定。感電・破損・主要電気工作物の損壊・波及事故等が対象。報告先は管轄の産業保安監督部長。違反は法令違反となる。

    根拠:電気関係報告規則 第3条 (出典: e-Gov法令検索)

  20. 問20.BEMS(Building Energy Management System)は、空調・照明・受電を統合監視し、デマンドコントロール・力率改善・節電制御によりエネルギー使用合理化法(省エネ法)対応に寄与する。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。BEMSはセントラル監視と最適制御で年間電力消費を10〜30%削減可能。省エネ法のエネルギー管理指定工場(年1500kL原油換算以上)では中長期計画への組み込みが推奨される。

  21. 問21.FIT(固定価格買取制度)は2012年開始の再エネ買取制度で、2022年以降の新規認定はFIP(Feed-in Premium)へ段階移行し、市場価格連動のプレミアム単価が事業者に支払われる方式となった。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。FIT(固定単価)から市場統合型FIP(プレミアム加算)へ。アグリゲーター介在で需給調整市場参加が前提となり、再エネの市場規律導入と発電事業者の自律的調整インセンティブ付与が狙い。

  22. 問22.需給調整市場は2024年度から全商品全国大での運用が開始され、調整力区分は一次調整力・二次調整力①・二次調整力②・三次調整力①・三次調整力②の5区分で構成される。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。応動時間と継続時間で5区分(10秒〜30分応動)。一次=ガバナフリー相当、二次=AFC、三次=オフライン応動。蓄電池・DR(デマンドレスポンス)も入札可能で、VPPアグリゲーターの主戦場。

  23. 問23.蓄電池併設PVシステムで充電効率90%、放電効率90%の場合、ラウンドトリップ効率は0.9+0.9=1.8、すなわち180%となる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。ラウンドトリップ効率は充電と放電の積で、0.9×0.9=0.81=81%。エネルギーは消費を経るたびに損失するため、効率は乗算で計算する。加算は概念的誤り。リチウムイオン電池は通常85〜95%。

  24. 問24.故障率λ[件/時]が一定の指数分布に従う機器では、平均故障間隔MTBF=1/λで、信頼度関数R(t)=exp(-λt)、t=MTBFでR≒0.368となる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。指数分布の特性で、R(MTBF)=e⁻¹≒0.368。故障率λが一定なバスタブ曲線の偶発故障期(平坦部)に該当。電気機器の中間期に適用される標準モデル。

  25. 問25.信頼度R1,R2の機器を直列接続したシステム信頼度はR=R1×R2、並列接続(冗長)はR=1-(1-R1)(1-R2)で、並列冗長は単体より高信頼度となる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。直列は乗算で低下、並列は両方故障する確率の余事象。例:R1=R2=0.9なら直列0.81、並列0.99。電源・通信の冗長化、N+1構成の理論的根拠。

  26. 問26.ラプラス変換でステップ応答R(s)=K/(s(Ts+1))の最終値定理による定常値はlim s→0 sR(s)=Kで、一次遅れ系のゲインKに等しい。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。最終値定理lim t→∞ f(t)=lim s→0 sF(s)。一次遅れ系のステップ応答最終値はゲインK、時定数Tで応答速度決定。制御工学の基本概念で過渡応答解析の出発点。

  27. 問27.フーリエ級数展開で、周期Tの方形波(振幅A)に含まれる高調波は奇数次のみで、第n次高調波の振幅は4A/(nπ)に比例し、第3調波は基本波の1/3となる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。方形波のフーリエ係数bn=4A/(nπ)(n奇数のみ)。第3調波は基本波の1/3、第5調波は1/5。インバータ出力のスイッチング波形解析や高調波電流計算の基礎となる。

  28. 問28.三相インバータ(2レベル)で線間電圧波形のTHD(全高調波歪率)は約30%程度であるが、3レベル中性点クランプ式(NPC)では波形が階段状に近づきTHDが半減する。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。マルチレベル化で出力波形が正弦波に接近し低次高調波が減少。NPC・モジュラーマルチレベル(MMC)はHVDCや大容量モータドライブに採用、フィルタ小型化と低損失化を実現。

  29. 問29.電圧フリッカは△V10指標で評価され、視感度補正後の10Hz相当電圧変動値が0.45V(100V系)を超えるとちらつきが顕在化する。電気炉やアーク炉が主要発生源。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。△V10指標は10Hzで人間の視感度最大の特性を利用。電気事業者の管理目標は0.45V以下。SVCやSTATCOMによる無効電力高速補償でフリッカ抑制が可能。

  30. 問30.中性点接地方式のうち抵抗接地方式は1線地絡電流を100A〜数百A程度に制限し、通信誘導障害低減と地絡継電器確実動作の両立を図る方式で、66kV/77kV系統で主流である。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。直接接地は地絡電流大で通信誘導大、非接地は検出困難。抵抗接地は中間的特性で日本の特別高圧系統で広く採用。187kV以上は直接接地、22kV以下は非接地が主流。

  31. 問31.電力ケーブルの誘電損Wd=ωCV²tanδで、Vは相電圧、Cは静電容量、tanδは誘電正接。CVケーブルはOFケーブルよりtanδが小さく長距離大容量送電に有利。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。CVケーブル(架橋ポリエチレン)はtanδ≒0.1%、OFケーブル(油浸紙)は約0.3%。CV化により誘電損低減、メンテナンスフリー化、許容温度上昇(90℃)で電流容量増加が実現。

  32. 問32.送電線のサージインピーダンスZ=√(L/C)は架空線で約400Ω、ケーブルで約30〜50Ωで、線路終端開放時の進入電圧波は2倍に反射する。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。終端開放(Z2=∞)の反射係数ρ=(Z2-Z1)/(Z2+Z1)=1、入射波と同振幅同極性の反射波が重畳し終端電圧は2倍。雷サージ侵入時の機器絶縁設計で考慮する。

  33. 問33.電力系統の電圧安定性解析で、負荷増加時にPV曲線(送電電力P-受電端電圧V特性)の鼻先(ノーズ点)を超えると電圧崩壊に至るため、運用は鼻先に対し電圧安定マージンを確保する。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。PV曲線のノーズ点は電圧安定限界で、これを超えると数学的に解が存在しない。長距離送電や重負荷時に問題となり、無効電力補償(SVC・SC)で曲線を拡張し安定度向上を図る。

  34. 問34.電気主任技術者は外部委託承認を受けた事業場であっても、年4回以上の現地確認(月次点検)を実施しなければならず、頻度の軽減は認められない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。2023年経済産業省令改正で、スマート保安(遠隔監視・自動診断)導入要件を満たせば月次点検を3ヶ月に1回(年4回)へ軽減可能。デジタル技術活用による保安頻度合理化が認められた。

  35. 問35.電力品質の評価指標SAIDIは1需要家あたりの年間停電時間、SAIFIは年間停電回数を表し、日本のSAIDIは欧米諸国と比較して短く、世界トップレベルの供給信頼度を維持している。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。日本のSAIDIは年間約20分程度で、米国(約200分)・欧州(50〜100分)と比較し著しく短い。多重系統構成・予防保全・地中化推進等の総合的取り組みの成果。

  36. 問36.短絡電流計算における%インピーダンス法では、基準容量を統一して各機器の%Zを合算し、短絡容量Ss=Sbase×100/%Zで算出する。受変電設備の遮断器選定の標準手法。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。%Z=Z×Sbase/V²×100で異容量機器の合成計算が容易。例:電源側%Z=5%+変圧器%Z=10%=15%、Sbase=1000kVAなら短絡容量=1000×100/15≒6667kVA。

  37. 問37.発電機の励磁制御(AVR)は端子電圧を一定に保つフィードバック制御で、応答が遅すぎると過渡安定度が低下するが、応答を速くしすぎると系統振動を励起する場合がある。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。高速AVRは過渡安定度向上に有効だが、ゲインが大きすぎると0.2〜2Hzの低周波電力動揺(系統間動揺)を増幅する。PSS(系統安定化装置)で位相補償し動揺減衰を図る。

  38. 問38.電気主任技術者法定講習(電気事業法施行規則)は、外部委託承認を受けている電気管理技術者・電気保安法人所属技術者は受講不要であるが、専任の主任技術者は5年に1回受講義務がある。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。電気主任技術者は選任形態(専任・兼任・外部委託)に関わらず、5年以内ごとに保安管理業務講習(法定講習)受講義務がある(電気事業法施行規則52条の2)。委託でも受講必要。

    根拠:電気事業法施行規則 第52条の2 (出典: e-Gov法令検索)

  39. 問39.電力市場における容量市場は、4年後の供給力を確保するメインオークションで価格決定し、kW価値を取引するもので、発電所の固定費回収を保証する仕組みである。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。容量市場は2020年度初オークション(2024年度実需給)から開始。kWh市場の収益不足を補い投資回収を予見性高くする。経過措置で既設電源の入札価格は減額。容量拠出金は小売事業者負担。

  40. 問40.電気自動車(EV)のV2G(Vehicle to Grid)は、EVの蓄電池を需給調整市場や分散型電源として活用する技術で、双方向充電器(CHAdeMO V2H含む)が前提となる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。V2G/V2HはEVを動く蓄電池として活用、需給調整市場のVPP・DRリソースとなる。日本はCHAdeMO規格で双方向充放電を標準実装、米国はCCS、欧州もISO15118で対応進展中。

  41. 問41.電力用半導体素子のうちIGBTは電圧駆動かつスイッチング損失が小さく、高耐圧大電流分野(数kV・数千A)に適し、HVDCや大容量モータドライブに広く採用される。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)はMOSFETの電圧駆動性とバイポーラの大電流性を併せ持つ。SiC-MOSFETは更に高速・低損失で、車載インバータ・データセンタUPSへ展開。

  42. 問42.HVDC(高圧直流送電)は、長距離送電損失低減・非同期連系・潮流制御性に優れ、日本では北海道・本州間連系、紀伊水道直流連系、新北海道本州連系が運用中である。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。HVDCは充電電流ゼロでケーブル長距離送電に最適、周波数の異なる系統連系(50/60Hz)も可能。北本連系600MW(+90MW)、紀伊水道2800MW、新北本300MWで運用。VSC方式が主流化。

  43. 問43.風力発電のドップラー型LIDARは事前風速計測でブレード角制御を最適化する技術であり、ピッチ制御の応答遅れを補償しタービン疲労低減と発電量増加(数%)を実現する。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。LIDAR(光検知測距)で数百m前方の風速を計測しフィードフォワード制御を実現。突風時のピッチ制御を予測的に行い、構造応力低減と発電量2〜3%向上が報告されている。洋上風力で普及。

  44. 問44.太陽光発電のMPPT制御(最大電力点追従)は、I-V特性の最大電力点をリアルタイムで追従する制御で、山登り法(P&O法)・インクリメンタルコンダクタンス法等が用いられる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。MPPTはdP/dV=0となる動作点を探索。山登り法は実装簡単だが部分陰影下で局所最大に陥る欠点。グローバルMPPT(GA・PSO応用)で解決。パワコン効率の主要要素。

  45. 問45.電力用変圧器の効率最大は鉄損(無負荷損)=銅損(負荷損)となる負荷率で、通常50〜70%負荷で最大効率となるよう設計される。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。η=出力/(出力+鉄損+α²×全負荷銅損)を最大化する負荷率α=√(鉄損/全負荷銅損)。常時負荷率を考慮し設計し、配電用変圧器は40〜70%で最高効率となるよう銅損調整。

  46. 問46.対称座標法による1線地絡電流計算で、a相地絡時の地絡電流Ig=3E/(Z1+Z2+Z0+3Zf)で、Zfは地絡抵抗、Z1,Z2,Z0は正相・逆相・零相インピーダンス。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。境界条件Ib=Ic=0、Va=Ifg×Zfから対称分回路を直列接続。直接接地系では1線地絡電流が3相短絡電流を超える場合あり、零相インピーダンス管理が重要。

  47. 問47.受変電設備の力率改善コンデンサ群投入時の突入電流は定格の数十倍に達するため、限流リアクトル付き直列リアクトル(6%SR)で突入電流を定格の数倍以下に抑制する。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。コンデンサ単体投入では数十倍の高周波突入電流が発生。直列リアクトル併設で電流上昇率di/dt抑制と高調波対策を兼ね、コンデンサ・遮断器の寿命延伸に寄与する。

  48. 問48.電気事業法上の波及事故(他者波及事故)が発生した場合、原因究明と再発防止策を含む詳報を事故発生から原則として「24時間以内」に経済産業大臣に提出しなければならない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。波及事故の速報は24時間以内だが、詳報は「事故発生日から起算して30日以内」に提出。電気関係報告規則3条で速報と詳報の期限は明確に区別されている。

    根拠:電気関係報告規則 第3条 (出典: e-Gov法令検索)

  49. 問49.電力系統の同期安定度解析における等面積法は、過渡安定極限を加速面積=減速面積の条件で判定する図的解析法で、第一動揺の安定判別に有効である。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。動揺方程式の積分形から得られる解析手法で、加速エネルギー≤減速可能エネルギーが安定条件。詳細解析は時間領域シミュレーション(EMTP等)で実施するが、等面積法は概略判定に有用。

  50. 問50.原子力発電所の非常用ディーゼル発電機は2台以上設置し、シビアアクシデント対策として可搬型電源車・空冷ガスタービン発電機も配備する多重多様性が求められる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。福島事故後の新規制基準で外部電源喪失(SBO)対策強化。電源多重化(独立電源)・多様化(駆動源異なる)・分散配置(共通要因故障防止)が義務化。電源確保は重要安全機能の要。

  51. 問51.電気主任技術者が選任を行う事業場で、ある月の点検記録に異常を発見しながら是正措置を怠り波及事故に至った場合、電気主任技術者個人が刑事責任(罰金等)を問われる可能性がある。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。電気事業法第43条(主任技術者の義務)違反として保安監督義務違反、業務上過失致死傷罪(刑法211条)、業務上失火罪等の構成要件該当性がある。記録改ざんは虚偽記載で別罪。

    根拠:刑法 第211条電気事業法 第43条 (出典: e-Gov法令検索)

  52. 問52.FMEA(故障モード影響解析)は機器の各部品の故障モードを列挙し、影響度・発生頻度・検出度の3指標を1〜10で評点しRPN(Risk Priority Number)=積で優先順位を決定する手法。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。FMEAはボトムアップ的信頼性解析で、RPNが大きい項目から対策実施。設計FMEA(DFMEA)とプロセスFMEA(PFMEA)があり、ISO 9001/IATF 16949等で品質管理に組み込まれる。

  53. 問53.BCP(事業継続計画)における電源確保策として、UPS(蓄電池+インバータ)は瞬時切替で短時間負荷、発電機は長時間負荷を担う組み合わせで、両者の起動時間ギャップを埋める設計が標準。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。UPSは瞬時(<10ms)対応で5〜30分継続、ディーゼル発電機は10〜30秒起動で長時間継続。両者の連携でデータセンタ・病院等のミッションクリティカル負荷の連続供給を実現する。

  54. 問54.発電機回転速度N=120f/Pで、4極機の50Hz運転時の同期速度は1800rpm、60Hz運転時は2160rpmとなる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。N=120f/Pで4極(P=4)・50Hzなら1500rpm、60Hzなら1800rpm。問題文は2極機の値と混同。同期速度公式は基本中の基本で、計算間違いは致命的。

  55. 問55.基準容量100MVA、系統側%Z=20%、変圧器%Z=15%、合計%Z=35%(基準容量換算)のとき、母線における三相短絡容量はおよそ何MVAか。

    • ア.286MVA
    • イ.143MVA
    • ウ.200MVA
    • エ.100MVA

    正解:ア.286MVA

    解説:Ss=Sbase×100/%Z=100×100/35≒285.7≒286MVA。%Z法による短絡容量計算の基本式。遮断器の遮断容量はこれより大きく選定(JIS C 4607では125%安全率)。

  56. 問56.有効電力P=500kW、力率cosφ=0.7(遅れ)の負荷を、力率0.95(遅れ)まで改善するのに必要な進相コンデンサ容量Qcはおよそいくらか。

    • ア.345kvar
    • イ.412kvar
    • ウ.500kvar
    • エ.691kvar

    正解:ア.345kvar

    解説:Qc=P(tanφ1-tanφ2)。tan(cos⁻¹0.7)≒1.020、tan(cos⁻¹0.95)≒0.329。Qc=500×(1.020-0.329)≒345kvar。電気管理技術者の標準計算で実務頻出。

  57. 問57.電力用変圧器の鉄損(無負荷損)Pi=100W、全負荷時銅損(負荷損)Pc=200Wの場合、効率が最大となる負荷率はおよそ何%か。

    • ア.70%
    • イ.50%
    • ウ.100%
    • エ.141%

    正解:ア.70%

    解説:最大効率条件Pi=α²×Pc。α=√(Pi/Pc)=√(100/200)=√0.5≒0.707=70.7%。配電用変圧器は常用負荷率を考慮し60〜70%で最高効率となるよう設計される。

  58. 問58.周波数50Hz、極数2(P=2)の同期発電機の同期速度はいくらか。

    • ア.3000rpm
    • イ.1800rpm
    • ウ.1500rpm
    • エ.3600rpm

    正解:ア.3000rpm

    解説:N=120f/P=120×50/2=3000rpm。タービン発電機は高速回転で2極機が標準、水車発電機は低速で多極機が一般的。極数と速度の関係は基本中の基本。

  59. 問59.一次遅れ系のステップ応答y(t)=K(1-exp(-t/T))において、t=Tのときの応答値はゲインKの何倍か。

    • ア.1.0
    • イ.0.5
    • ウ.0.632
    • エ.0.368

    正解:ウ.0.632

    解説:t=Tでy(T)=K(1-e⁻¹)≒K×0.632。時定数Tは応答が定常値の63.2%に達する時間として定義される。制御工学の基本特性で、応答速度評価の指標。

  60. 問60.有効電力P=5kW、無効電力Q=3kvarの三相負荷の皮相電力Sはいくらか。

    • ア.3kVA
    • イ.5kVA
    • ウ.5.83kVA
    • エ.7kVA

    正解:ウ.5.83kVA

    解説:S=√(P²+Q²)=√(25+9)=√34≒5.83kVA。複素電力S=P+jQの絶対値。力率cosφ=P/S=5/5.83≒0.857となる。

  61. 問61.三相3線式線間電圧6600V、定格容量1000kVAの変圧器二次側定格電流はおよそ何Aか(力率1とする)。

    • ア.100A
    • イ.10A
    • ウ.1000A
    • エ.10000A

    正解:ア.100A

    解説:I=S/(√3×V)=1000×10³/(√3×6600)≒87.5A、ほぼ100A。三相電力公式の基本適用。受電設備の電流値感覚として重要。

  62. 問62.電圧フリッカの管理指標として日本で標準的に用いられているものはどれか。

    • ア.△V10で0.45V以下
    • イ.5%THDのみ管理
    • ウ.6回繰返し平均1%
    • エ.RMS変動率3%以下

    正解:ア.△V10で0.45V以下

    解説:△V10は10Hzでの人間視感度最大の特性を利用した指標で、視感度補正後の電圧変動値0.45V(100V系)以下が管理目標。電気炉・アーク炉等の負荷で重要。

  63. 問63.電力系統において、6%直列リアクトル付き高圧進相コンデンサが主に抑制する高調波周波数はどれか(基本波50Hz)。

    • ア.350Hz
    • イ.150Hz
    • ウ.250Hz
    • エ.50Hz

    正解:ウ.250Hz

    解説:第5調波(5×50=250Hz)。6%SRでL/C比から5²×0.06=1.5>1となり全体が誘導性となり第5調波電流が流入しなくなる。三相整流回路の主要発生高調波。

  64. 問64.線形時不変システムdx/dt=Ax+Buの可制御性判定条件として正しいものはどれか。

    • ア.可制御性行列のランク=システム次数
    • イ.システム行列Aの行列式≠0
    • ウ.状態方程式の解が一意
    • エ.全固有値の実部が負

    正解:ア.可制御性行列のランク=システム次数

    解説:可制御性行列Uc=[B AB A²B …Aⁿ⁻¹B]のランクがシステム次数nに等しければ可制御。カルマンの判定法で、状態フィードバック設計の前提条件となる現代制御理論の基本。

  65. 問65.理想方形波(振幅A・周期T)のフーリエ級数展開において、含まれる高調波成分はどれか。

    • ア.全偶数次
    • イ.第1調波のみ
    • ウ.奇数次のみ
    • エ.全次数同振幅

    正解:ウ.奇数次のみ

    解説:方形波は奇関数で対称性から偶数次が消え、奇数次のみ(1,3,5,7…)。第n次振幅=4A/(nπ)。インバータPWM波形・矩形波スイッチング電源の高調波解析の基礎。

  66. 問66.電気関係報告規則において、波及事故(他者へ波及した停電事故)の速報期限はどれか。

    • ア.7日以内
    • イ.48時間以内
    • ウ.24時間以内
    • エ.30日以内

    正解:ウ.24時間以内

    解説:速報は事故発生時から24時間以内に電話・FAX等で経済産業大臣(産業保安監督部長)に報告。詳報は30日以内に文書提出。電気主任技術者の重要法定義務。

  67. 問67.電気主任技術者が受講義務を負う保安管理業務講習(法定講習)の受講周期はどれか。

    • ア.10年以内
    • イ.5年以内
    • ウ.7年以内
    • エ.3年以内

    正解:イ.5年以内

    解説:電気事業法施行規則52条の2により5年以内ごとに講習受講義務。専任・外部委託問わず全員対象。技術動向や法令改正をフォローし保安水準維持を図る制度。

    根拠:電気事業法施行規則 第52条の2 (出典: e-Gov法令検索)

  68. 問68.需給調整市場の5商品区分のうち、最も応動時間が短く(10秒以内)、ガバナフリー相当の周波数調整に用いられる商品はどれか。

    • ア.一次調整力
    • イ.二次調整力①
    • ウ.三次調整力①
    • エ.三次調整力②

    正解:ア.一次調整力

    解説:一次調整力は10秒以内応動・5分継続、周波数の高速変動を抑制。二次①は5分以内・30分継続(LFC/AFC)、三次は15分以内応動(オフライン投入可能)で経済負荷配分相当。

  69. 問69.蓄電池システムで充電効率90%、放電効率90%の場合、ラウンドトリップ効率はおよそ何%か。

    • ア.90%
    • イ.81%
    • ウ.95%
    • エ.180%

    正解:イ.81%

    解説:RTE=ηchg×ηdis=0.9×0.9=0.81=81%。エネルギー損失は積算されるため乗算で計算。リチウムイオン電池は85〜95%、レドックスフロー65〜75%が標準的指標。

  70. 問70.データセンタの電源BCP対策として、瞬時停電から長時間停電まで連続供給を実現する標準的構成はどれか。

    • ア.UPS+発電機の組合せ
    • イ.発電機のみ
    • ウ.瞬時切替UPSのみ
    • エ.コンセント増設

    正解:ア.UPS+発電機の組合せ

    解説:UPS(蓄電池+インバータ)が瞬時(<10ms)切替で短時間負荷を担い、ディーゼル発電機(10〜30秒起動)が長時間負荷を引き継ぐ多重構成。両者の起動時間ギャップを蓄電池容量で埋める。

  71. 問71.FMEA(故障モード影響解析)におけるリスク優先度RPNの算定式はどれか。

    • ア.MTBF最大化
    • イ.RPN=影響度×発生度×検出度
    • ウ.コスト最小化
    • エ.共通要因故障の確認

    正解:イ.RPN=影響度×発生度×検出度

    解説:RPN=影響度(Severity)×発生頻度(Occurrence)×検出度(Detection)で1〜1000の値となる。各指標1〜10点評価。RPN大の項目から対策実施し設計品質向上を図る。

  72. 問72.太陽光発電のMPPT(最大電力点追従)制御で最も広く採用されている手法はどれか。

    • ア.山登り法(P&O)
    • イ.PI制御
    • ウ.ロバスト制御
    • エ.デッドビート制御

    正解:ア.山登り法(P&O)

    解説:山登り法(P&O:Perturb & Observe法)は動作電圧を微小変化させ電力増減を観測しMPPを探索。実装簡単で広く採用。部分陰影下では局所最大停滞があり、グローバルMPPT手法も併用される。

  73. 問73.三相全波整流回路(6パルス)で発生する低次高調波のうち、振幅が最大となる主要次数はどれか。

    • ア.第3調波
    • イ.第1調波
    • ウ.第5調波
    • エ.第7調波

    正解:ウ.第5調波

    解説:6パルス整流の理論高調波次数はn=6k±1(k=1,2,…)で第5・7・11・13調波が発生。最低次は第5調波で振幅1/5(基本波比)。12パルス化すると第5・7が打消され第11・13が主成分。

  74. 問74.電気設備技術基準解釈で定める、高圧電路の絶縁耐力試験における試験電圧の標準値として、6600V電路に対する試験電圧はおよそ何Vか(交流の場合)。

    • ア.約10350V
    • イ.約6600V
    • ウ.約3450V
    • エ.約13800V

    正解:ア.約10350V

    解説:高圧電路の絶縁耐力試験は最大使用電圧の1.5倍の電圧を10分間連続して加えます。6600V系の最大使用電圧は約6900V(6600×1.15/1.1)で、試験電圧は6900×1.5≒10350Vです。