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第一種電気主任技術者 一次「電力」の一問一答

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📖 第一種電気主任技術者 一次「電力」の全75問と解説(一覧)

第一種電気主任技術者 一次の電力に関する一問一答(全75問)の正解と解説の一覧です。上の一問一答で実際に解いてから、ここで復習・確認できます。

  1. 問1.水力発電所の理論水力P[kW]は、流量Q[m³/s]と有効落差H[m]を用いてP=9.8QHで表される。

    正解:○(正しい)

    解説:理論水力P=ρgQH=1000×9.8×Q×H[W]=9.8QH[kW]。水車・発電機効率を乗じれば実発電出力となる。電験一種では発電所選定計算で頻出の基礎式。

  2. 問2.汽力発電のランキンサイクルにおいて、再熱再生サイクルは熱効率を低下させる目的で採用される。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。再熱で湿り度低減と高温平均吸熱、再生(抽気)で復水器排熱を削減し熱効率を向上させる。大容量機ではカルノー効率に近づけるため8段抽気再熱再生が標準。

  3. 問3.コンバインドサイクル発電は、蒸気タービンの排熱でガスタービンを駆動する複合発電方式で、汽力単独より総合熱効率が高い。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは高温の燃焼ガスでガスタービンを回し、その排熱(約500〜600℃)で蒸気を作り蒸気タービンを駆動する。高温側がガスタービンであり順序が逆。

  4. 問4.BWR(沸騰水型軽水炉)は炉心で発生した蒸気を直接タービンに送るため、原子炉と一次冷却系が分離されている。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。BWRは炉心蒸気を直接タービンへ送る一次系一系統方式である。一次・二次系を蒸気発生器で分離するのはPWR(加圧水型)で、放射性物質のタービン側流入を防ぐ。

  5. 問5.PWR(加圧水型軽水炉)では、二次冷却水を加圧器で約157気圧に保ち、炉内で沸騰しないようにしている。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。加圧されるのは一次冷却水(原子炉内冷却水)であり、約15.4MPa・約325℃で沸騰を抑制する。二次系は蒸気発生器で蒸気化される側で加圧対象ではない。

  6. 問6.風力発電のベッツ限界(Betz limit)は、理論最大効率が約75%であることを示す。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。ベッツの法則による理論最大効率は16/27≒0.593(約59.3%)である。実機は翼端損失等を含み40〜50%程度に留まる。75%という値は誤り。

  7. 問7.太陽光発電のMPPT(最大電力点追従)制御は、日射強度や温度変化に追従してパネル動作点を最大電力点付近に維持する。

    正解:○(正しい)

    解説:I-V曲線上で電力P=VIが最大となる動作点を山登り法やインクリメンタルコンダクタンス法で探索する。PCS(パワコン)の必須機能で、発電量を10〜30%改善する。

  8. 問8.架空送電線のコロナ放電は、電線表面の電位傾度が空気の絶縁破壊強度(約3kV/cm)を超えると発生する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。標準状態の空気破壊強度は約30kV/cm(波高値)である。3kV/cmは1桁小さく誤り。臨界コロナ電圧E0を超えるとコロナ損・電波障害・可聴雑音が発生する。

  9. 問9.架空送電線の多導体(複導体・4導体)化はコロナ開始電圧を下げる目的で行われる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。多導体化は等価半径を増大させ電線表面電位傾度を下げ、コロナ開始電圧を上げることが目的。インダクタンス減少と送電容量増加の効果もある。

  10. 問10.送電線の特性インピーダンス(サージインピーダンス)Z0は√(LC)で表され、架空線で約400Ω、ケーブルで約30〜50Ωである。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。無損失線路の特性インピーダンスはZ0=√(L/C)であり、√(LC)ではない(√(LC)は伝播時間の逆数に関する量)。値の範囲(架空400Ω・ケーブル30〜50Ω)は正しい。

  11. 問11.直流送電(HVDC)は、長距離・大容量・系統間連系に有利だが、無効電力の融通や周波数の異なる系統間連系はできない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。HVDCは異周波数系統(50/60Hz)間連系が可能。北本連系・佐久間FCがその例。無効電力融通は直流では不可だが、両端変換所で個別に補償する。

  12. 問12.高圧地中ケーブルの誘電体損Wd[W/m]は、ω・C・tanδ・E(対地電圧)を用いてWd=ωCEtanδで表される。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しい誘電体損の式はWd=ωCE²tanδでEは2乗。電圧の1乗ではエネルギー次元が合わない。CVケーブルのtanδは0.1%程度で高電圧時の主要損失となる。

  13. 問13.ケーブルの許容電流を制限する主因は誘電体損であり、シース損や導体抵抗損の寄与は小さい。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。常用電圧階級では導体抵抗損(I²R)が最大、次にシース損・誘電体損が続く。許容電流は導体最高温度(CVで90℃)を超えない条件で決定される。

  14. 問14.FACTSの一種であるSVC(静止型無効電力補償装置)は、サイリスタ制御でリアクトル・コンデンサを連続可変し、系統電圧を高速制御する。

    正解:○(正しい)

    解説:SVCはTCR(サイリスタ制御リアクトル)とTSC(サイリスタ投入コンデンサ)等で構成。応答速度は1〜2サイクルで、同期調相機より高速・無回転部・低保守性に優れる。

  15. 問15.STATCOMはGTOやIGBTを用いた自励式変換器を用い、SVCと比べ低電圧時の無効電力出力低下が小さい。

    正解:○(正しい)

    解説:SVCの出力は電圧の2乗に比例し低電圧時に急減する。STATCOMは電流源として動作し低電圧時も定格無効電力を出力可能で、過渡安定度向上に有効。

  16. 問16.配電線の電圧降下ΔV[V]は、抵抗R、リアクタンスX、力率角φ、線電流Iを用いて単相2線では2I(Rcosφ+Xsinφ)、三相3線では√3I(Rcosφ+Xsinφ)で近似される。

    正解:○(正しい)

    解説:送受電端電圧差の近似式。負荷力率の遅れ(φ>0)でXsinφ成分が増し電圧降下が増大する。コンデンサ進相補償で力率を1に近づければΔV低減できる。

  17. 問17.配電系統のループ式・ネットワーク式は放射状式に比べ信頼度・電圧維持で有利だが、設備費が安く保護協調も単純になる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。ネットワーク式は信頼度・電圧維持で有利だが設備費は高く、ネットワーク・プロテクターによる逆潮流遮断等で保護方式は複雑化する。需要密集地に限定採用される理由。

  18. 問18.変圧器の並列運転条件として、極性一致、巻数比一致、%インピーダンス一致、X/R比一致、三相では位相変位(角変位)と相回転一致が必要である。

    正解:○(正しい)

    解説:%Z不一致では分担電流が逆比例で偏り、X/R比不一致では循環電流の力率が悪化。Δ-Yなど位相変位の異なる結線同士の並列運転は循環電流大で不可。

  19. 問19.変圧器並列運転時の負荷分担は、定格容量に反比例し%インピーダンスに比例する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。負荷分担比は定格容量に比例・%インピーダンスに反比例(P1:P2=(SN1/Z1%):(SN2/Z2%))。%Zが小さい変圧器ほど多く負担する。本問は両関係が逆。

  20. 問20.ガス遮断器(GCB)はSF6ガスの優れた絶縁・消弧性能を利用するが、地球温暖化係数(GWP)が高くフロン代替ガスの開発が進んでいる。

    正解:○(正しい)

    解説:SF6のGWPはCO2の約23,500倍。近年は乾燥空気・CO2/O2混合・C4-FN(g3)等のSF6フリー遮断器が72.5〜420kV級で実用化されている。

  21. 問21.断路器(DS)は大電流を遮断する目的で、負荷電流通電状態でも開閉操作できる機器である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。断路器は無負荷時(または微小励磁電流)の開閉のみ可能で、負荷電流遮断能力はない。インタロックで遮断器開路後にのみ操作する。誘導性微小電流のみ専用DSで可能。

  22. 問22.避雷器(LA)は、商用周波電圧時に低抵抗となり大地と短絡し、雷サージ時には高抵抗となって続流を防止する線形抵抗素子である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。避雷器の動作は逆で、雷サージ時に低抵抗化して放流し、商用周波電圧で高抵抗を維持する非線形抵抗素子(ZnO等)である。線形抵抗では避雷器として機能しない。

  23. 問23.比率差動継電器は変圧器内部故障保護に用いられ、入出端電流の差分(動作量)が貫通電流(抑制量)に対する一定比率を超えると動作する。

    正解:○(正しい)

    解説:貫通電流時のCT誤差・励磁突入電流による誤動作を比率特性で防止。第2高調波抑制で励磁突入対応、第5高調波抑制で過励磁誤動作防止を組み合わせる。

  24. 問24.距離継電器(モー(Mho)形)は、保護区間内のインピーダンスを判別して動作するため、潮流変化や負荷脱進にも応答する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。モー形は方向性距離特性でR-X平面の円特性となり、負荷インピーダンス領域を回避する設定が可能。ロードエンクローチメント特性により負荷潮流での誤動作を回避する。

  25. 問25.短絡電流計算における対称座標法では、三相平衡系統の不平衡故障(地絡・線間短絡)を正相・逆相・零相の3つの対称分回路に分解して解く。

    正解:○(正しい)

    解説:Fortescueの定理。1線地絡では正相・逆相・零相が直列接続、線間短絡では正相と逆相が並列となる。零相回路は変圧器結線(Δ含有有無)で大きく変わる。

  26. 問26.電力系統の同期安定度における等面積法は、加速面積と減速面積が等しくなる限界故障除去角を求める手法で、主に定態安定度の解析に用いる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。等面積法は過渡安定度(大じょう乱時)の解析手法。定態安定度は微小じょう乱に対する持続的同期能力で、P=(EV/X)sinδの最大値で評価する別概念。

  27. 問27.電力系統の定態安定度限界電力は、E・V・Xを用いてP=EVXで表される(δ=90°時)。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しい定態安定度限界はP_max=EV/X(リアクタンスは分母)。Xに反比例するため送電線X低減(直列補償・多導体化)が安定度向上策となる。

  28. 問28.系統周波数制御において、GF(ガバナフリー運転)は数十秒〜数分の中長周期変動を担当し、LFC(負荷周波数制御)は数秒〜10秒程度の短周期変動に応答する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。GFが数秒〜数十秒の短周期、LFC(AGC)が数分〜10分程度の中周期、EDC(経済負荷配分)がそれ以上の長周期を担当する。役割が逆。

  29. 問29.電圧無効電力制御における進相コンデンサ投入は、系統電圧上昇・無効電力源供給の効果がある。

    正解:○(正しい)

    解説:SCはQ=ωCV²の遅れ電流を打ち消す進み無効電力を供給。系統側からは無効電力源として作用し電圧を持ち上げる。負荷力率改善と系統電圧調整に用いる。

  30. 問30.変圧器絶縁油(鉱油)は絶縁・冷却機能を持ち、含水率が上がるほど絶縁破壊強度は向上する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。水分は絶縁油の破壊強度を著しく低下させる(新油70kV/2.5mm→水分100ppmで30kV以下)。シリカゲルブリーザや脱気・浄油装置で乾燥維持が重要。

  31. 問31.電気絶縁材料のA種(105℃)・E種(120℃)・B種(130℃)・F種(155℃)・H種(180℃)等の耐熱クラスは、IEC60085で規定される。

    正解:○(正しい)

    解説:JIS C 4003(IEC60085)で常用最高温度を規定。寿命はアレニウス則に従い10℃二倍則(Montsinger則)で近似され、温度上昇は絶縁寿命を急激に縮める。

  32. 問32.酸化亜鉛(ZnO)素子の非線形係数αはSiC素子より小さく、SiC形避雷器が現代の主流となっている。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。ZnOのα=30〜50はSiCのα=5〜7より遥かに大きく、急峻な非線形性をもつ。これによりギャップレス化が可能となり、現代の主流はZnO形避雷器である。

  33. 問33.超伝導電力ケーブルは液体窒素温度(77K)で運用される高温超伝導ビスマス系・イットリウム系線材を用い、大容量・低損失送電が可能である。

    正解:○(正しい)

    解説:Bi-2223やREBCO線材を用い、66kV-200MWクラスが実証済。電気抵抗ゼロで導体損失なし、ただし冷凍機動力が必要。横浜・宮城等で実証運転実績あり。

  34. 問34.ケイ素鋼板の方向性磁性材料は、圧延方向(<100>方向)に磁化容易軸を揃え、変圧器鉄心の鉄損を低減する。

    正解:○(正しい)

    解説:ゴス集合組織により(110)[001]方位を揃え、圧延方向の透磁率を高め鉄損を半減。近年はアモルファス・ナノ結晶材料で50Hzで0.1W/kg程度の超低損失も実用化。

  35. 問35.硬銅線(HD銅線)は軟銅線に比べ機械的強度が高く、架空送電線・配電線の電線材料として用いられる。

    正解:○(正しい)

    解説:硬銅は引張強さ約400N/mm²と軟銅(約250N/mm²)より高強度で、引留可能。導電率は約97%IACSと軟銅(100%IACS)よりやや低い。ACSRも同目的の鋼心アルミ。

  36. 問36.ACSR(鋼心アルミより線)は中心アルミ線で機械強度、外周鋼線で導電性を担う複合電線で、長径間架空送電に適する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。役割が逆で、中心の鋼心で引張荷重(機械強度)を、外周のアルミより線が導電性を担う。アルミは軽量・低抵抗・安価という特性を活かす複合構造。

  37. 問37.三相3線式送電線の電力損失は、線電流I・線抵抗Rを用いてP_loss=3I²Rで計算される。

    正解:○(正しい)

    解説:三相平衡時は各線でI²R損が発生し、合計3I²R。同一電力なら電圧を√3倍にすると電流が1/√3となり損失が1/3に。高電圧送電の経済性根拠。

  38. 問38.潮流計算におけるニュートン・ラフソン法は、ガウス・ザイデル法より反復回数が多く収束が遅い。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。ニュートン・ラフソン法は2次収束で大規模系統(数千母線)でも4〜5回程度で収束し、ガウス・ザイデル法(数百回)より高速。実用系統解析の主流アルゴリズム。

  39. 問39.電力系統の電圧崩壊は、重負荷時に無効電力供給能力が不足し、P-V曲線(ノーズカーブ)の鼻先より下に運用点が逸脱して起こる。

    正解:○(正しい)

    解説:ノーズカーブ頂点(dP/dV=0)が電圧安定限界。これを超えると電圧が雪崩的に低下する電圧崩壊現象を起こす。STATCOM・SVC等で対策。

  40. 問40.%インピーダンス法では、基準容量を変えても各機器の%Zの数値は変化しない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。%Zは%Z_new=%Z_old×(S_new/S_old)で基準容量に比例して換算する必要がある。基準電圧変更時は二乗比で換算。短絡電流計算の前準備で必須。

  41. 問41.電力系統の短絡容量[MVA]は、短絡電流Iと公称電圧Vを用いてS_s=√3VIで表され、機器の短時間耐量設計の基準となる。

    正解:○(正しい)

    解説:%Z法では S_s=S_base×100/%Z。短絡容量が大きいほど系統が剛(電圧変動小)だが、遮断器の遮断容量を増す必要がある。275kV系で50kAクラスが多い。

  42. 問42.電力ケーブルのクロスボンド接地方式は、シース誘起電圧を増大させてシース損を増加させる方式である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。クロスボンド接地は3区分のシースを順次クロス接続することで誘起電圧をベクトル的に打ち消し、循環電流とシース損を抑制する方式。長距離高電圧ケーブルの標準。

  43. 問43.需要率・負荷率・不等率は配電設備設計に用いられ、需要率=最大需要電力÷設備容量、負荷率=平均需要電力÷最大需要電力で定義される。

    正解:○(正しい)

    解説:不等率=個別最大需要電力の和÷合成最大需要電力(≥1)。負荷率が高いほど設備利用率が良好で、不等率が大きいほど需要分散効果が高く設備節約できる。

  44. 問44.コージェネレーションシステム(CGS)は熱電併給により総合エネルギー効率を80%程度まで高められるが、ベースロード運用に適し負荷追従性に劣る。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。ガスエンジンCGSは数分程度で起動・出力変化可能で負荷追従性は良好。ガスタービン式も柔軟運用可能。BCP対応・分散電源として近年急増。

  45. 問45.電力貯蔵用Li-ion電池は、エネルギー密度・サイクル寿命に優れるが、過充電・温度上昇による熱暴走リスクからBMS(電池管理システム)が必須である。

    正解:○(正しい)

    解説:セル電圧監視・温度監視・セルバランシング・電流制限を行うBMSが必要。系統用ではLFP(リン酸鉄)系が安全性・寿命の観点で主流化しつつある。

  46. 問46.揚水発電は、軽負荷時(深夜)に下池→上池へ揚水し、重負荷時に発電する負荷平準化用電源で、総合効率は約70%である。

    正解:○(正しい)

    解説:揚水ロス・発電ロス・水路損で総合効率約70〜75%。最近は再エネ余剰電力吸収のため可変速揚水発電が増え、揚水入力電力を高速制御可能となった。

  47. 問47.風力発電の出力変動を緩和する目的で蓄電池併設や慣性応答制御(疑似慣性)の研究が進んでいる。

    正解:○(正しい)

    解説:インバータ電源(IBR)化で系統慣性が低下する課題に対し、グリッドフォーミングインバータでの仮想慣性提供が世界的に重要技術となっている。

  48. 問48.送電線の表皮効果は、直流電流が導体表面付近に集中する現象で、電流が大きいほど顕著となる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。表皮効果は交流電流特有の現象で、周波数が高いほど顕著(表皮深さδ=√(2/ωμσ)で周波数平方根に反比例)。直流電流では発生せず、電流の大きさで決まる現象でもない。

  49. 問49.誘電損tanδの増加は絶縁体の劣化指標で、CVケーブルの活線診断(常時監視)に用いられる。

    正解:○(正しい)

    解説:水トリー・電気トリーの発生・進展で誘電損が増加する。VLF(超低周波)tanδ試験、活線部分放電測定との併用で絶縁劣化を診断する。

  50. 問50.三相変圧器のΔ-Y結線は、一次・二次間で30°の位相変位を生じ、Y側中性点接地が容易である。

    正解:○(正しい)

    解説:Δ-Y結線(Yd1/Yd11)は昇圧用に多用され、Y側中性点接地で零相電流経路を確保。Δ側で第3高調波を循環させ波形を改善する効果もある。

  51. 問51.中性点接地方式のうち直接接地方式は、1線地絡電流が大きく地絡継電保護は容易だが、通信線誘導障害・機器絶縁が厳しくなる。

    正解:○(正しい)

    解説:187kV以上の超高圧系統で採用。一線地絡時のV相・W相異常電圧が小さく機器絶縁を低減可。一方、地絡電流が短絡電流並みに達するため遮断器負担大。

  52. 問52.消弧リアクトル接地方式は1線地絡時のアーク電流をリアクトル電流で打ち消し自然消弧させる方式で、66kV以下の中圧系統で採用される。

    正解:○(正しい)

    解説:ペーターセンコイルにより対地静電容量電流を補償しアーク自己消弧を促進する。間欠地絡が継続する場合があり、現代では抵抗接地方式が主流化。

  53. 問53.電力系統の周波数低下リレー(UFR)は、需給インバランス時に負荷遮断を行い系統崩壊を防止する保護装置である。

    正解:○(正しい)

    解説:周波数低下段階的負荷遮断(UFLS)で大規模停電を防ぐ最後の砦。50Hz系で48.7〜48.5Hz程度から順次負荷遮断する設定が多い。

  54. 問54.三相3線式送電線で公称電圧V[V]、線電流I[A]、力率cosφのとき、皮相電力S=VIで表される。

    • ア.S=√3VI
    • イ.S=VIcosφ
    • ウ.S=3VI
    • エ.S=VI/√3

    正解:ア.S=√3VI

    解説:三相3線式の皮相電力S=√3VI[VA]。有効電力P=√3VIcosφ、無効電力Q=√3VIsinφ。線間電圧と線電流を用いる公式で、電力潮流計算の基本式。

  55. 問55.100MVA基準・%Z=10%の系統における三相短絡容量[MVA]はいくらか。

    • ア.1,000
    • イ.500
    • ウ.100
    • エ.10,000

    正解:ア.1,000

    解説:短絡容量S_s=基準容量×100/%Z=100×100/10=1,000[MVA]。%Z法による標準計算で、遮断器の遮断容量選定根拠となる。電圧維持の指標にも使用。

  56. 問56.有効落差120m、流量20m³/s、水車効率0.90、発電機効率0.95の水力発電所の出力[kW]はおよそいくらか。

    • ア.約23,500
    • イ.約16,500
    • ウ.約20,100
    • エ.約14,300

    正解:ウ.約20,100

    解説:P=9.8QHη_t×η_g=9.8×20×120×0.90×0.95≒20,109[kW]。理論水力9.8QH=23,520kWに総合効率0.855を乗じる。発電所基本計算。

  57. 問57.変圧器の鉄損が一定で、銅損が負荷率の二乗に比例するとき、最大効率となる負荷率は次のうちどれか。

    • ア.鉄損>銅損のとき
    • イ.鉄損=銅損のとき
    • ウ.鉄損<銅損のとき
    • エ.鉄損の2倍=銅損のとき

    正解:イ.鉄損=銅損のとき

    解説:効率η=P_out/(P_out+P_i+a²P_c)を負荷率aで微分し最大化条件はP_i=a²P_c。つまり鉄損(無負荷損)=可変銅損(負荷損)時に最大効率となる。

  58. 問58.送電線リアクタンスX=0.4Ω/km、線路長100km、内部誘導起電力E=1.1pu、母線電圧V=1.0pu、基準容量100MVA・基準電圧275kVのとき定態安定度極限電力に最も近い値[MW]はおよそいくらか。

    • ア.約1,000
    • イ.約1,500
    • ウ.約2,080
    • エ.約3,000

    正解:ウ.約2,080

    解説:基準インピーダンス Z_B=275²/100=756Ω。X=0.4×100=40Ω→%X=40/756≒0.053pu。定態安定度極限電力 P_max=EV/X=1.1×1.0/0.053≒20.8pu。基準容量100MVAを乗じて約2,080MWとなる。

  59. 問59.次のうち酸化亜鉛形避雷器の特徴として誤っているものはどれか。

    • ア.非線形係数αが小さい(10以下)
    • イ.ギャップが不要で続流遮断が容易
    • ウ.放電耐量が大きい
    • エ.応答時間が短い

    正解:ア.非線形係数αが小さい(10以下)

    解説:ZnO素子のα=30〜50で極めて大きく、これがギャップレス化の根拠。SiCのα=5〜7とは桁違い。残りの放電耐量大・続流自動遮断・高速応答はZnO形の長所。

  60. 問60.次のうちFACTS機器に分類されないものはどれか。

    • ア.ALTS(自動負荷時電圧調整器)
    • イ.TCSC(サイリスタ制御直列補償)
    • ウ.STATCOM
    • エ.SVC(静止型無効電力補償装置)

    正解:ア.ALTS(自動負荷時電圧調整器)

    解説:FACTSは電力用半導体応用の系統制御機器の総称。SVC・TCSC・STATCOM・UPFC等が含まれる。負荷時タップ切替器(LTC)系は機械式で含まれない。

  61. 問61.対称座標法における三相平衡負荷の零相電流I0の値として正しいものはどれか。

    • ア.相電流の3倍
    • イ.相電流に等しい
    • ウ.ゼロ
    • エ.相電流の1/3

    正解:ウ.ゼロ

    解説:I0=(Ia+Ib+Ic)/3。三相平衡時はIa+Ib+Ic=0となるためI0=0。零相電流が流れるのは中性点接地系の地絡時等の不平衡条件下のみ。

  62. 問62.次のうち火力発電プラントの熱効率向上策として最も効果が小さいものはどれか。

    • ア.再熱再生サイクル採用
    • イ.蒸気圧力・温度の高温高圧化(USC化)
    • ウ.復水器真空度の維持
    • エ.ボイラ給水温度を低下させる

    正解:エ.ボイラ給水温度を低下させる

    解説:給水温度低下は経済器・空気予熱器負担増で効率悪化。給水加熱(再生サイクル)で給水温度を高めるのが正解。他3項目はいずれも熱効率改善の常套手段。

  63. 問63.保護継電方式における転送遮断方式(トランスファトリップ)の主目的はどれか。

    • ア.外部故障時の不要動作を防ぐ
    • イ.近端側の遮断器の動作時間を遅らせる
    • ウ.対向端の遮断器に故障信号を伝送し同時遮断する
    • エ.遮断器の遮断容量を増大する

    正解:ウ.対向端の遮断器に故障信号を伝送し同時遮断する

    解説:PCM電流差動・方向比較等で故障判定後、光ファイバ等で対向端へトリップ信号を送り両端同時遮断する。基幹系統の高速主保護に必須の方式。

  64. 問64.三相3線式高圧配電線(6,600V)で線電流100A、線抵抗0.3Ω/km、線リアクタンス0.4Ω/km、力率0.8(遅れ)、亘長3kmの電圧降下[V]はおよそいくらか。

    • ア.約410
    • イ.約260
    • ウ.約330
    • エ.約185

    正解:イ.約260

    解説:R=0.9Ω, X=1.2Ω。ΔV≒√3I(Rcosφ+Xsinφ)=1.732×100×(0.9×0.8+1.2×0.6)=1.732×100×(0.72+0.72)=249.4≒260V。配電計画頻出計算。

  65. 問65.原子力発電の燃料サイクルにおけるMOX燃料の主成分はどれか。

    • ア.天然ウランのみ
    • イ.濃縮ウラン約20%とトリウム
    • ウ.プルトニウムと劣化ウランの混合酸化物
    • エ.ウランと希土類の混合酸化物

    正解:ウ.プルトニウムと劣化ウランの混合酸化物

    解説:MOX(Mixed Oxide)燃料はPuO2(4〜9%)とUO2(劣化ウラン)の混合酸化物。再処理で回収したPuを軽水炉で利用するプルサーマル発電の燃料。

  66. 問66.電力系統における慣性定数H[s]の意味として最も正しいものはどれか。

    • ア.発電機の起動所要時間
    • イ.定格容量で運転する発電機の運動エネルギーを定格容量で割った時定数
    • ウ.回転子のトルク係数
    • エ.ガバナの応答時定数

    正解:イ.定格容量で運転する発電機の運動エネルギーを定格容量で割った時定数

    解説:H=(1/2)Jω²/S_N[s]。慣性定数が大きいほど周波数変動を緩和する力が強い。再エネ大量導入で系統慣性低下が課題となり仮想慣性技術が注目される。

  67. 問67.三相変圧器Δ-Y結線(11時)の二次側位相は一次側に対してどれだけ進む(または遅れる)か。

    • ア.同相
    • イ.二次側が一次側より30°遅れる
    • ウ.二次側が一次側より30°進む
    • エ.180°位相差

    正解:ウ.二次側が一次側より30°進む

    解説:ベクトル群Yd11/Dy11では二次が一次より30°進む(または時計の11時方向)。並列運転時には同位相変位の変圧器を選定する必要がある。

  68. 問68.次のうち超高圧送電線(500kV)で電線多導体化(4導体・6導体)を採用する主目的として誤っているものはどれか。

    • ア.雷サージ電圧の低減
    • イ.送電線インダクタンス低減
    • ウ.送電容量増大
    • エ.コロナ発生防止

    正解:ア.雷サージ電圧の低減

    解説:多導体化は等価半径増大→表面電位傾度低減→コロナ防止+L減・C増→送電容量増。雷サージは波頭波尾形状で決まり多導体化との直接関係は小さい。

  69. 問69.電力系統の電圧安定性指標であるノーズカーブ(P-V曲線)頂点における dP/dVの値はどれか。

    • ア.正の最大値
    • イ.ゼロ
    • ウ.負の最大値
    • エ.無限大

    正解:イ.ゼロ

    解説:ノーズカーブ頂点が電圧安定限界でdP/dV=0(感度無限大の臨界点)。これを超えるとP増加に対しV低下が止まらず電圧崩壊に至る。

  70. 問70.配電系統の力率改善用進相コンデンサSC[kvar]を、皮相電力S=500kVA・力率0.7を0.95に改善する場合に必要な容量はおよそいくらか。

    • ア.約250kvar
    • イ.約200kvar
    • ウ.約300kvar
    • エ.約400kvar

    正解:ア.約250kvar

    解説:P=Scosφ=500×0.7=350kW。Q_c=P(tanφ_1-tanφ_2)=350×(tan45.6°-tan18.2°)=350×(1.020-0.329)=350×0.691≒242≒250kvar。

  71. 問71.電力系統の安定度向上対策として効果が低いものはどれか。

    • ア.PSS(系統安定化装置)の自動電圧調整器付加
    • イ.高速再閉路装置の採用
    • ウ.送電線リアクタンスの低減(多導体化・直列コンデンサ)
    • エ.中性点直接接地から非接地方式への変更

    正解:エ.中性点直接接地から非接地方式への変更

    解説:中性点接地方式変更は地絡電流大小の変化に関係し過渡安定度向上には寄与しない。他3項目はXの低減・故障除去高速化・系統制振の代表的安定度対策。

  72. 問72.次のうち配電用変電所の主要機器でないものはどれか。

    • ア.蒸気発生器
    • イ.高圧母線・配電用遮断器
    • ウ.ガス絶縁開閉装置(GIS)
    • エ.主変圧器(配電用変圧器)

    正解:ア.蒸気発生器

    解説:蒸気発生器は原子力発電(PWR)の機器で配電用変電所には存在しない。GISは都市部の小型化変電所で主要機器化している。

  73. 問73.電力ケーブルの絶縁劣化現象「水トリー」の説明として最も正しいものはどれか。

    • ア.放電によりカーボン化した放射状の劣化痕
    • イ.水分浸入による樹枝状・噴水状の微小ボイド連鎖
    • ウ.電気的アークによる溶融炭化
    • エ.熱暴走による絶縁体の炭化

    正解:イ.水分浸入による樹枝状・噴水状の微小ボイド連鎖

    解説:水トリーは架橋ポリエチレン中に水分と電界が共存する条件下で発生する樹枝状微小欠陥連鎖。長期で電気トリー→絶縁破壊へ進展。架橋ポリエチレン高度化で抑制された。

  74. 問74.三相変圧器の励磁突入電流(インラッシュ)は、定格電流の数十倍に達し非対称・高調波(特に第2高調波)を多く含むため、差動継電器の励磁突入抑制には第2高調波抑制が用いられる。

    正解:○(正しい)

    解説:投入位相とコア残留磁束次第で励磁突入電流は定格の8〜15倍に達する。基本波に対し第2高調波20〜40%を含むのが特徴で、第2高調波抑制リレーで内部故障電流と識別する。

  75. 問75.中性点を抵抗接地方式とする目的として最も適切なものはどれか。

    • ア.1線地絡電流を非接地方式と直接接地方式の中間に制限し、地絡保護と機器絶縁を両立する
    • イ.1線地絡電流を直接接地方式より大きくする
    • ウ.零相電流を完全に遮断する
    • エ.三相短絡電流を低減する

    正解:ア.1線地絡電流を非接地方式と直接接地方式の中間に制限し、地絡保護と機器絶縁を両立する

    解説:抵抗接地は中性点に抵抗を挿入し地絡電流を100〜400A程度に制限。直接接地より誘導障害・機器ストレスを低減し、非接地より地絡継電器の動作確保が容易になる中間方式。