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ビジネス実務法務検定 3級「労働法・紛争解決・国際法務」の一問一答

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📖 ビジネス実務法務検定 3級「労働法・紛争解決・国際法務」の全75問と解説(一覧)

ビジネス実務法務検定 3級の労働法・紛争解決・国際法務に関する一問一答(全75問)の正解と解説の一覧です。上の一問一答で実際に解いてから、ここで復習・確認できます。

  1. 問1.労働基準法は労働条件の最低基準を定めた法律で、これを下回る労使合意は無効である。

    正解:○(正しい)

    解説:労働基準法13条。労基法の基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分だけが無効となり、無効になった部分は労基法の基準がそのまま契約内容になる。労働者が合意していても無効になるのは、交渉力の差から不利な合意を強いられかねないためで、労基法が強行法規であることの表れ。

    根拠:労働基準法 第13条 (出典: e-Gov法令検索)

  2. 問2.労働契約法は労働契約に関する民事的ルールを定めた法律で、2008年に施行された。

    正解:○(正しい)

    解説:2008年施行。労働契約の成立・変更・継続・終了に関する民事上のルールを定め、判例で確立していた解雇権濫用法理(16条)や就業規則の不利益変更の考え方を条文化した。行政監督と罰則で最低基準を守らせる労働基準法とは役割が異なり、両者は補い合う関係にある。

  3. 問3.労働組合法は労働者の団結権・団体交渉権・争議権(労働三権)を保障する法律である。

    正解:○(正しい)

    解説:憲法28条が定める労働基本権(団結権・団体交渉権・団体行動権)を具体化する法律。労働組合に法人格や刑事・民事の免責を与えるとともに、組合員であることを理由とする不利益取扱いや団体交渉の正当な理由のない拒否などを不当労働行為として禁止し、労働委員会による救済を用意している。

    根拠:日本国憲法 第28条 (出典: e-Gov法令検索)

  4. 問4.労働三法は労働基準法・労働組合法・労働関係調整法を指す。

    正解:○(正しい)

    解説:労働法の基本3法。労組法・労調法は集団的労働関係、労基法は個別的労働関係を規律。

  5. 問5.雇用契約は労働者が労働を提供し使用者が賃金を支払う双務契約である。

    正解:○(正しい)

    解説:民法623条の雇用は、労働に従事することと報酬を支払うことが対価関係に立つ双務・有償契約。労働契約法はこれを「労働契約」として独自に定義し、使用者の指揮命令下で労働する実態に着目した保護規定を置いている。同じく仕事を頼む契約でも、完成を目的とする請負や事務処理を目的とする委任とは区別される。

    根拠:民法 第623条 (出典: e-Gov法令検索)

  6. 問6.労働基準法では1日8時間・週40時間が法定労働時間である。

    正解:○(正しい)

    解説:労基法32条。1日8時間・1週40時間を超えて労働させてはならないのが原則で、これを超えるには36協定の締結・届出と割増賃金の支払いが必要になる。変形労働時間制やフレックスタイム制を導入すれば、一定期間を平均して枠内に収める形で柔軟に配分できる。

    根拠:労働基準法 第32条 (出典: e-Gov法令検索)

  7. 問7.時間外労働には36協定(労使協定)の締結・届出が必要である。

    正解:○(正しい)

    解説:労基法36条。過半数労働組合または過半数代表者との労使協定を結び労働基準監督署へ届け出て、初めて法定労働時間を超える労働が適法になる。2019年からは罰則付きの上限が導入され、原則は月45時間・年360時間、特別条項を用いても年720時間などの枠を超えられない。

    根拠:労働基準法 第36条 (出典: e-Gov法令検索)

  8. 問8.割増賃金は時間外(1.25倍)・深夜(1.25倍)・休日(1.35倍)の支払いが必要である。

    正解:○(正しい)

    解説:労基法37条。時間外+深夜は1.5倍、月60h超は1.5倍(中小企業も2023年4月から)。

    根拠:労働基準法 第37条 (出典: e-Gov法令検索)

  9. 問9.有給休暇は労働者の権利で、6ヶ月継続勤務+8割以上出勤で10日付与される。

    正解:○(正しい)

    解説:労基法39条。雇入れから6か月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に10日付与され、以後は勤続年数に応じて増える(最大20日)。労働者が時季を指定して取得できるのが原則で、2019年からは年10日以上付与される者について、使用者が年5日を確実に取得させる義務も課されている。

    根拠:労働基準法 第39条 (出典: e-Gov法令検索)

  10. 問10.育児休業は子が原則1歳になるまで取得可能で、男女問わず権利を有する。

    正解:○(正しい)

    解説:育児・介護休業法5条。原則として子が1歳に達するまで取得でき、男女を問わず労働者の権利として認められる。保育所に入所できないなどの事情があれば1歳6か月、さらに2歳まで延長できる。事業主は取得を理由とする不利益取扱いをしてはならない。

  11. 問11.産後パパ育休(出生時育児休業)は2022年改正で新設された制度である。

    正解:○(正しい)

    解説:2022年10月施行の産後パパ育休(出生時育児休業)は、子の出生後8週間以内に最大4週間まで、2回に分割して取得できる制度。通常の育児休業とは別枠で取得でき、労使協定があれば休業中に一定範囲で就業することもできる。男性が出産直後の時期に育児に関われるようにする狙いがある。

  12. 問12.介護休業は93日まで取得可能で、対象家族1人につき3回まで分割取得可能である。

    正解:○(正しい)

    解説:育児・介護休業法11条。対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる。介護は育児と違って終期が読めないため、まとまった休みを一度に使い切るのではなく、介護の体制を整えるために分けて使うことが想定されている。

  13. 問13.セクハラ・パワハラ・マタハラは事業主に防止措置義務が課せられている。

    正解:○(正しい)

    解説:セクシュアルハラスメントとマタニティハラスメントは男女雇用機会均等法・育児介護休業法、パワーハラスメントは労働施策総合推進法により、事業主に方針の明確化と周知、相談窓口の設置、事後の迅速・適切な対応などの雇用管理上の措置を講じる義務がある。防止措置は努力義務ではなく法的義務である点が重要。

  14. 問14.パワハラ防止法は2020年6月(中小2022年4月)施行で、事業主に防止措置義務化された。

    正解:○(正しい)

    解説:労働施策総合推進法の改正により、大企業は2020年6月、中小企業は2022年4月から義務化された。職場のパワハラを「優越的な関係を背景とした言動」「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」「就業環境が害されるもの」の3要素で定義し、事業主に相談体制の整備などの措置を求めている。

  15. 問15.解雇には正当な理由が必要で、客観的合理性・社会的相当性が要件である。

    正解:○(正しい)

    解説:労働契約法16条。客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇は、権利濫用として無効になる。長年の判例で確立した解雇権濫用法理を条文化したもので、使用者が理由さえ述べれば自由に解雇できるわけではないことを明確にしている。

    根拠:労働契約法 第16条 (出典: e-Gov法令検索)

  16. 問16.整理解雇には4要件(人員削減必要性・回避努力・人選合理性・手続妥当性)が必要である。

    正解:○(正しい)

    解説:整理解雇は労働者側に落ち度がないのに行われるため、判例は①人員削減の必要性②解雇回避努力を尽くしたこと③被解雇者の人選が合理的であること④労働者・組合への説明など手続が妥当であること、の4つを総合的に検討する。1つでも著しく欠ければ解雇は無効と判断されやすい。

  17. 問17.普通解雇には30日前の予告または30日分の予告手当が必要である。

    正解:○(正しい)

    解説:労基法20条。少なくとも30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならない。予告日数と手当は組み合わせることもでき、たとえば15日前に予告したうえで15日分の手当を支払う形でもよい。突然職を失う労働者に生活の準備期間を保障する趣旨。

    根拠:労働基準法 第20条 (出典: e-Gov法令検索)

  18. 問18.懲戒解雇は労働者の重大な非違行為に対する制裁的解雇で、就業規則の規定が必要である。

    正解:○(正しい)

    解説:懲戒処分は企業秩序違反に対する制裁なので、あらかじめ就業規則に懲戒の種類と事由を定めて周知しておくことが必要(労基法89条9号)。加えて処分が重すぎないかも問われる。なお予告手当なしの即時解雇には、労働者の責めに帰すべき事由についての労働基準監督署長の除外認定が必要になる。

  19. 問19.有期雇用契約は契約期間中はやむを得ない事由がなければ解雇できない。

    正解:○(正しい)

    解説:労働契約法17条1項。期間の定めがある契約は当事者がその期間の就労を約束したものなので、期間途中の解雇は「やむを得ない事由」がある場合に限られ、無期契約の解雇より厳しく制限される。裏を返せば労働者も原則として期間途中に自由に辞められない。

    根拠:労働契約法 第17条 (出典: e-Gov法令検索)

  20. 問20.無期転換ルールは有期労働者が通算5年超で無期契約に転換できる制度である。

    正解:○(正しい)

    解説:労働契約法18条。2013年4月から施行され、同一の使用者との有期労働契約が通算5年を超えて更新された労働者は、申込みをすれば期間の定めのない契約に転換できる。使用者はこの申込みを拒めない(承諾したものとみなされる)ため、有期契約の濫用的な反復更新を抑える仕組みになっている。

    根拠:労働契約法 第18条 (出典: e-Gov法令検索)

  21. 問21.同一労働同一賃金は2020年4月施行のパートタイム・有期雇用労働法により規定された。

    正解:○(正しい)

    解説:パートタイム・有期雇用労働法により2020年4月(中小企業は2021年4月)から施行。通常の労働者との間で、基本給・賞与・手当などについて不合理な待遇差を設けることを禁止し、労働者から求められたときは待遇差の内容と理由を説明する義務も課している。

  22. 問22.民事訴訟は私人間の権利関係を解決する裁判手続である。

    正解:○(正しい)

    解説:私人間の権利義務をめぐる争いについて、裁判所が当事者の主張と証拠に基づいて判断し、判決という形で強制的に解決する手続。判決が確定すれば強制執行によって実現できる点が、当事者の合意に依存する和解・調停との違い。犯罪について国家が刑罰を科す刑事訴訟とは目的も手続も異なる。

  23. 問23.和解は当事者の合意により紛争を解決する方法で、訴訟内・訴訟外で行える。

    正解:○(正しい)

    解説:和解は当事者が互いに譲歩して争いをやめる契約(民法695条)。裁判外でも自由に行えるが、訴訟中に裁判所で成立した訴訟上の和解は調書に記載され、確定判決と同一の効力を持つ(民事訴訟法267条)ため、そのまま強制執行の基礎にできる。

    根拠:民事訴訟法 第267条民法 第695条 (出典: e-Gov法令検索)

  24. 問24.調停は第三者(調停委員)の仲介で当事者の合意による解決を図る制度である。

    正解:○(正しい)

    解説:民事調停法・家事事件手続法に基づき、裁判官と調停委員からなる調停委員会が間に入って話し合いによる解決を目指す手続。非公開で費用が安く、法律の枠にとらわれない柔軟な解決ができる。成立した調停調書は確定判決と同一の効力を持つが、合意に至らなければ不成立となる。

  25. 問25.仲裁は当事者が第三者(仲裁人)の判断に従う合意による紛争解決手続である。

    正解:○(正しい)

    解説:当事者が仲裁合意によりあらかじめ第三者(仲裁人)の判断に従うと決めておき、その判断で紛争を終局的に解決する手続(仲裁法)。仲裁判断は確定判決と同一の効力を持ち、原則として上訴できない。非公開で専門家を仲裁人に選べ、ニューヨーク条約により外国での執行がしやすいため、国際商事紛争で多用される。

  26. 問26.国際取引では準拠法・裁判管轄・仲裁条項の規定が重要である。

    正解:○(正しい)

    解説:国をまたぐ取引ではどの国の法が適用されるかが当然には決まらないため、準拠法(法の適用に関する通則法により当事者の選択が基本)、紛争が起きたときにどこで裁くか(裁判管轄)、訴訟ではなく仲裁によるか(仲裁条項)を契約で明示しておく。後から争うと解決に至るまでの時間と費用が跳ね上がる。

  27. 問27.コンプライアンスは法令遵守だけでなく企業倫理・社会的責任も含む概念である。

    正解:○(正しい)

    解説:文字どおりには法令遵守を意味するが、現在は社内規程・契約・企業倫理・社会からの要請に応えることまで含む広い概念として使われる。法令に触れなければ何をしてもよいわけではなく、社会的な信用を失えば事業継続が危うくなるため、CSRやESGの観点も含めて体制を整えることが求められる。

  28. 問28.労働基準法を下回る労使合意は労基法より優先される。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。労基法13条により、労基法の基準に達しない労働条件を定める部分は無効となり、その部分は労基法の基準による。労働者が同意していても無効になるのは、交渉力の差から不利な合意を強いられかねないためで、労基法が強行法規だからである。

    根拠:労働基準法 第13条 (出典: e-Gov法令検索)

  29. 問29.労働組合法は労働三権のうち団結権のみを保障する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。労働組合法は憲法28条の労働基本権を具体化し、団結権・団体交渉権・団体行動権(争議権)の労働三権すべてを保障する。団体交渉の正当な理由のない拒否や組合活動を理由とする不利益取扱いは不当労働行為として禁止されている。

  30. 問30.労働基準法では1日10時間・週50時間が法定労働時間である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。法定労働時間は1日8時間・1週40時間(労基法32条)。これを超えて労働させるには36協定の締結・届出と割増賃金の支払いが必要になる。

    根拠:労働基準法 第32条 (出典: e-Gov法令検索)

  31. 問31.時間外労働は36協定なしで自由に行える。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。時間外・休日労働をさせるには、労使協定(36協定)を締結して労働基準監督署へ届け出る必要がある(労基法36条)。2019年からは罰則付きの上限規制も加わり、原則月45時間・年360時間などの枠が課されている。

    根拠:労働基準法 第36条 (出典: e-Gov法令検索)

  32. 問32.割増賃金は時間外・深夜・休日とも1.25倍で統一されている。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。割増率は時間外が2割5分以上、深夜(22時〜5時)が2割5分以上、休日が3割5分以上(労基法37条)で統一されていない。時間外が深夜に及べば合算して5割以上になり、1か月60時間を超える時間外労働は5割以上の割増が必要になる。

  33. 問33.有給休暇の取得義務化は2019年4月から年10日に変更された。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。2019年4月から義務化されたのは、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者について、使用者が年5日を確実に取得させることである。付与日数が10日に変更されたわけではない。

  34. 問34.産後パパ育休は2010年に新設された。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。産後パパ育休(出生時育児休業)は2022年10月に施行された新しい制度。子の出生後8週間以内に最大4週間まで、2回に分割して取得でき、通常の育児休業とは別枠で利用できる。

  35. 問35.介護休業は1家族1回限りである。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。介護休業は対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる(育児・介護休業法11条)。介護は終期が読めないため、まとめて使い切るのではなく体制を整えるために分割して使えるようになっている。

  36. 問36.パワハラ防止法施行は2010年である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。パワハラ防止法(労働施策総合推進法)は『2020年6月』(中小2022年4月)施行。

  37. 問37.解雇は使用者の裁量で自由に行える。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当と認められない解雇は、権利を濫用したものとして無効になる(労働契約法16条)。長年の判例で確立した解雇権濫用法理を条文化したもので、使用者の自由な裁量は認められていない。

    根拠:労働契約法 第16条 (出典: e-Gov法令検索)

  38. 問38.整理解雇は人員削減必要性のみで合法となる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。整理解雇では、①人員削減の必要性②解雇回避努力③人選の合理性④手続の妥当性の4つが総合的に検討される。労働者に落ち度がないのに職を失わせる解雇なので、必要性だけでは足りず、他の3つを著しく欠けば無効と判断されやすい。

  39. 問39.普通解雇には予告手続きは不要である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。少なくとも30日前の予告、または30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)の支払いが必要(労基法20条)。日数と手当を組み合わせることもできる。突然職を失う労働者に生活の準備期間を保障する趣旨である。

    根拠:労働基準法 第20条 (出典: e-Gov法令検索)

  40. 問40.有期雇用は契約期間中いつでも解雇できる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。期間の定めがある労働契約では、やむを得ない事由がなければ期間途中に解雇できない(労働契約法17条1項)。当事者がその期間の就労を約束している以上、無期契約の解雇よりも厳しく制限される。

    根拠:労働契約法 第17条 (出典: e-Gov法令検索)

  41. 問41.無期転換ルールは有期労働者が通算3年超で適用される。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。無期転換申込権が発生するのは、同一の使用者との有期労働契約が通算5年を超えて更新された場合(労働契約法18条)。労働者が申し込めば使用者は拒否できず、期間の定めのない契約に転換する。

    根拠:労働契約法 第18条 (出典: e-Gov法令検索)

  42. 問42.同一労働同一賃金は努力義務に留まる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。パートタイム・有期雇用労働法により、通常の労働者との不合理な待遇差を設けることは禁止されており、努力義務ではなく法的義務。労働者から求められれば待遇差の内容と理由を説明する義務もあり、違反には行政の助言・指導・勧告が行われる。

  43. 問43.民事訴訟と刑事訴訟は同じ手続きで行われる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。民事訴訟は私人間の権利義務をめぐる争いを解決する手続、刑事訴訟は犯罪の成否と刑罰を決める手続で、根拠法(民事訴訟法・刑事訴訟法)も当事者の構造も証明の程度も異なる。同一の事件について両方が並行して進むこともある。

  44. 問44.訴訟上の和解は判決と異なり強制力がない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。訴訟上の和解は和解調書に記載されると確定判決と同一の効力を持つ(民事訴訟法267条)。したがって相手が約束を守らなければ、あらためて訴訟を起こさずに強制執行を申し立てることができる。

    根拠:民事訴訟法 第267条 (出典: e-Gov法令検索)

  45. 問45.調停は裁判所外で行うのみで裁判所では行えない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。民事調停法・家事事件手続法に基づき、裁判所で行う調停の制度がある。裁判官と調停委員からなる調停委員会が間に入って話し合いを仲介し、成立した調停調書は確定判決と同一の効力を持つ。

  46. 問46.仲裁は当事者の合意なしに行える。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。仲裁は当事者間の仲裁合意があって初めて行える手続(仲裁法2条)。合意により裁判を受ける権利を放棄して仲裁人の判断に従うことになるため、当事者の意思が不可欠である。

    根拠:仲裁法 第2条 (出典: e-Gov法令検索)

  47. 問47.国際取引では準拠法を定める必要はない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。国をまたぐ取引ではどの国の法が適用されるかが当然には決まらないため、準拠法・裁判管轄・仲裁条項を契約で明示しておくことが不可欠。定めておかないと、紛争が生じた際にまず「どこの法律でどこで争うか」から揉めることになる。

  48. 問48.コンプライアンスは法令遵守のみを意味する狭い概念である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。広義のコンプライアンスは『企業倫理・社会的責任(CSR)・ESG等』を包含。

  49. 問49.セクハラ防止措置義務は男性労働者のみが対象である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。セクシュアルハラスメントの防止措置義務は、男女を問わずすべての労働者を対象とする(男女雇用機会均等法)。同性間の言動も対象になり、被害者の性別によって保護の有無が変わることはない。

  50. 問50.懲戒解雇には就業規則の規定は不要である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。懲戒は企業秩序違反に対する制裁なので、あらかじめ就業規則に懲戒の種類と事由を定めて周知しておく必要がある(労基法89条9号)。規定がなければ懲戒解雇はできず、規定があっても処分が重すぎれば無効になりうる。

    根拠:労働基準法 第89条 (出典: e-Gov法令検索)

  51. 問51.労働三法に労働組合法は含まれない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。労働三法は労働基準法・労働組合法・労働関係調整法を指し、労働組合法はその中核。労基法が個々の労働条件の最低基準、労組法が団結と団体交渉、労調法が労働争議の調整を担うという役割分担になっている。

  52. 問52.産後パパ育休は4週間の連続取得しかできない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。産後パパ育休は子の出生後8週間以内に最大4週間まで取得でき、2回に分割することができる。分割できるようにすることで、出産直後の時期に配偶者の状況に合わせて柔軟に休めるようにしている。

  53. 問53.育児休業は女性のみが取得できる権利である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。育児休業は育児・介護休業法により男女を問わず取得できる労働者の権利。2022年の改正では、産後パパ育休の新設や分割取得の可能化、本人への個別の周知・意向確認の義務づけなど、男性の取得促進策が強化された。

  54. 問54.労働三法として正しい組合せはどれか。

    • ア.労基法・労組法・労調法
    • イ.民法・商法・会社法
    • ウ.労基法・育介法・均等法
    • エ.民訴法・刑訴法・行訴法

    正解:ア.労基法・労組法・労調法

    解説:労働三法は労働基準法(個々の労働条件の最低基準)・労働組合法(団結権と団体交渉の保障)・労働関係調整法(労働争議の予防と調整)の3つ。育児介護休業法や男女雇用機会均等法も重要な労働法だが、労働三法には含まれない。

  55. 問55.労働基準法の法定労働時間として正しいのはどれか。

    • ア.1日6時間・週30時間
    • イ.1日8時間・週40時間
    • ウ.1日7時間・週35時間
    • エ.1日10時間・週50時間

    正解:イ.1日8時間・週40時間

    解説:労基法32条により1日8時間・1週40時間。これを超えて労働させるには36協定の締結・届出と割増賃金の支払いが必要になる。変形労働時間制やフレックスタイム制を使えば、一定期間を平均してこの枠に収める形で柔軟に配分できる。

    根拠:労働基準法 第32条 (出典: e-Gov法令検索)

  56. 問56.時間外労働の上限規制(働き方改革・2019年〜)として正しいのはどれか。

    • ア.原則月20時間・年240時間
    • イ.原則月60時間・年480時間
    • ウ.原則月45時間・年360時間
    • エ.上限規制なし

    正解:ウ.原則月45時間・年360時間

    解説:原則月45時間・年360時間。特別条項でも年720時間・月100時間未満等の絶対上限あり。

  57. 問57.休日労働の割増賃金率として正しいのはどれか。

    • ア.1.0倍
    • イ.1.25倍
    • ウ.2.0倍
    • エ.1.35倍

    正解:エ.1.35倍

    解説:労基法37条の割増率は、時間外が2割5分以上、深夜が2割5分以上、休日が3割5分以上。休日労働だけ率が高いのは、法定休日の確保をより強く担保するため。時間外が深夜に及べば合算して5割以上、1か月60時間超の時間外は5割以上となる。

    根拠:労働基準法 第37条 (出典: e-Gov法令検索)

  58. 問58.有給休暇の年5日取得義務化の対象として正しいのはどれか。

    • ア.年10日以上付与される労働者
    • イ.全労働者
    • ウ.管理職のみ
    • エ.正社員のみ

    正解:ア.年10日以上付与される労働者

    解説:2019年4月施行の義務は、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者が対象。年5日については、労働者の時季指定や計画的付与で取得されない分を、使用者が時季を指定して取得させなければならない。役職や雇用形態ではなく付与日数で対象が決まる点が要点。

  59. 問59.産後パパ育休(出生時育児休業)の施行年として正しいのはどれか。

    • ア.2010年
    • イ.2022年
    • ウ.2017年
    • エ.2024年

    正解:イ.2022年

    解説:産後パパ育休(出生時育児休業)は2022年10月に施行された。子の出生後8週間以内に最大4週間まで、2回に分割して取得でき、通常の育児休業とは別枠で利用できる。男性が出産直後の時期に育児へ関われるようにする制度である。

  60. 問60.介護休業の取得可能日数として正しいのはどれか。

    • ア.10日
    • イ.30日
    • ウ.93日(3回まで分割可)
    • エ.180日

    正解:ウ.93日(3回まで分割可)

    解説:介護休業:93日まで取得可。対象家族1人につき3回まで分割取得可(育介法11条)。

  61. 問61.パワハラ防止法(労働施策総合推進法)の施行年として正しいのはどれか。

    • ア.2015年
    • イ.未施行
    • ウ.2024年
    • エ.2020年6月(中小2022年4月)

    正解:エ.2020年6月(中小2022年4月)

    解説:2020年6月施行、中小企業は2022年4月から。事業主にパワハラ防止措置義務化。

  62. 問62.解雇権濫用法理の根拠条文として正しいのはどれか。

    • ア.労契法16条
    • イ.労基法90条
    • ウ.労基法100条
    • エ.民法1条

    正解:ア.労契法16条

    解説:労働契約法16条が、客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当と認められない解雇は権利濫用として無効と定める。判例で確立した解雇権濫用法理を条文化したもの。労基法90条は就業規則作成時の意見聴取、100条は監督機関に関する規定で、解雇の効力とは関係がない。

    根拠:労働契約法 第16条 (出典: e-Gov法令検索)

  63. 問63.整理解雇の4要件として該当しないものはどれか。

    • ア.人員削減の必要性
    • イ.コスト削減目標達成
    • ウ.人選の合理性
    • エ.解雇回避努力

    正解:イ.コスト削減目標達成

    解説:整理解雇4要件=必要性・回避努力・人選合理性・手続妥当性。コスト目標は該当しない。

  64. 問64.普通解雇の予告手続として正しいのはどれか。

    • ア.即時解雇可
    • イ.60日前予告
    • ウ.30日前予告または30日分予告手当
    • エ.裁判所許可

    正解:ウ.30日前予告または30日分予告手当

    解説:労基法20条により、少なくとも30日前の予告か30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)の支払いが必要で、両者を組み合わせることもできる。突然職を失う労働者に生活の準備期間を保障する趣旨であり、裁判所の許可は要件ではない。

    根拠:労働基準法 第20条 (出典: e-Gov法令検索)

  65. 問65.有期雇用の無期転換ルールの要件として正しいのはどれか。

    • ア.通算1年超
    • イ.通算3年超
    • ウ.通算10年超
    • エ.通算5年超

    正解:エ.通算5年超

    解説:労働契約法18条により、同一の使用者との有期労働契約が通算5年を超えて更新された場合に、労働者は無期転換を申し込むことができる。申込みがあれば使用者は拒否できず、期間の定めのない契約に転換する。有期契約の濫用的な反復更新を抑えるための仕組み。

    根拠:労働契約法 第18条 (出典: e-Gov法令検索)

  66. 問66.同一労働同一賃金の法律としてのテキストとして正しいのはどれか(2020年4月施行)。

    • ア.パートタイム・有期雇用労働法
    • イ.労契法
    • ウ.労基法
    • エ.均等法

    正解:ア.パートタイム・有期雇用労働法

    解説:パートタイム・有期雇用労働法により2020年4月(中小企業は2021年4月)から施行された。通常の労働者との間で基本給・賞与・手当などに不合理な待遇差を設けることを禁止し、待遇差の内容と理由の説明義務も課している。労契法20条にあった規定を統合・整備したもの。

  67. 問67.紛争解決手段として該当しないものはどれか。

    • ア.訴訟
    • イ.給与査定
    • ウ.調停・仲裁
    • エ.和解

    正解:イ.給与査定

    解説:紛争解決手段=訴訟・和解・調停・仲裁等のADR。給与査定は人事業務で紛争解決ではない。

  68. 問68.訴訟上の和解の効力として正しいのはどれか。

    • ア.拘束力なし
    • イ.裁判所の許可必要
    • ウ.確定判決と同じ効力
    • エ.民事執行不可

    正解:ウ.確定判決と同じ効力

    解説:訴訟上の和解は和解調書に記載されると確定判決と同一の効力を持つ(民事訴訟法267条)。したがって相手が約束を守らなければ、あらためて訴訟を起こさずに強制執行を申し立てられる。裁判所の許可を別途要するものでもない。

    根拠:民事訴訟法 第267条 (出典: e-Gov法令検索)

  69. 問69.仲裁の特徴として正しいのはどれか。

    • ア.当事者合意なしで実施
    • イ.控訴可能
    • ウ.必ず公開
    • エ.当事者の仲裁合意が前提・確定判決と同等効力

    正解:エ.当事者の仲裁合意が前提・確定判決と同等効力

    解説:仲裁は当事者の仲裁合意が前提。仲裁判断は確定判決と同等で原則控訴不可。国際商事紛争で多用。

  70. 問70.国際取引で重要な事前合意項目として該当しないものはどれか。

    • ア.役員人事
    • イ.裁判管轄
    • ウ.仲裁条項
    • エ.準拠法

    正解:ア.役員人事

    解説:国際取引では準拠法・裁判管轄・仲裁条項の事前合意が紛争予防に重要。役員人事は内部組織問題。

  71. 問71.コンプライアンスの広義の意味として該当しないものはどれか。

    • ア.法令遵守
    • イ.利益最大化のみ
    • ウ.環境配慮(ESG)
    • エ.企業倫理・CSR

    正解:イ.利益最大化のみ

    解説:コンプライアンス=法令遵守+企業倫理・社会的責任・ESG。利益最大化のみは反する考え。

  72. 問72.労働組合法が保障する労働三権として該当しないものはどれか。

    • ア.団結権
    • イ.団体交渉権
    • ウ.所有権
    • エ.争議権

    正解:ウ.所有権

    解説:労働三権は憲法28条が保障する団結権・団体交渉権・団体行動権(争議権)の3つで、労働組合法がこれを具体化している。所有権は憲法29条の財産権に属するもので、労働基本権とは別の権利である。

    根拠:日本国憲法 第28条 (出典: e-Gov法令検索)

  73. 問73.懲戒解雇の要件として正しいのはどれか。

    • ア.就業規則の規定不要
    • イ.常に予告手当必要
    • ウ.裁判所の判決必要
    • エ.就業規則の規定+重大な非違行為

    正解:エ.就業規則の規定+重大な非違行為

    解説:懲戒解雇には就業規則の規定(労基法89条)+重大な非違行為が必要。即時解雇には労基署認定。

    根拠:労働基準法 第89条 (出典: e-Gov法令検索)

  74. 問74.育児休業の取得期間として正しいのはどれか。

    • ア.原則1歳まで(最大2歳まで延長可)
    • イ.常に1歳まで
    • ウ.常に2歳まで
    • エ.6ヶ月まで

    正解:ア.原則1歳まで(最大2歳まで延長可)

    解説:育児・介護休業法5条により原則として子が1歳に達するまで。保育所に入所できないなどの事情があれば1歳6か月、さらに2歳まで延長できる。男女を問わず取得でき、事業主は取得を理由とする不利益取扱いをしてはならない。

  75. 問75.労働組合法が禁止する不当労働行為に該当しないものはどれか。

    • ア.不利益取扱い
    • イ.通常の人事評価
    • ウ.支配介入
    • エ.団体交渉拒否

    正解:イ.通常の人事評価

    解説:不当労働行為=不利益取扱・団交拒否・支配介入・報復的不利益取扱い。通常の人事評価は不当労働行為ではない。