ビジネス実務法務検定 3級 全分野の一問一答
📖 ビジネス実務法務検定 3級「全分野」の全300問と解説(一覧)
ビジネス実務法務検定 3級の全分野に関する一問一答(全300問)の正解と解説の一覧です。上の一問一答で実際に解いてから、ここで復習・確認できます。
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問1.商行為には絶対的商行為と営業的商行為がある。
正解:○(正しい)
解説:商法501条の絶対的商行為は、投機購買や手形行為のように誰が行っても商行為となるもの。502条の営業的商行為は、賃貸・運送・保険・仲立などのように営業として反復継続して行う場合に商行為となるもの。さらに商人が営業のためにする行為は附属的商行為となる(503条)。商行為にあたると商法の特則が適用される。
根拠: 商法 第501条 (出典: e-Gov法令検索)
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問2.商法では商人間の取引について、書面交付義務や時効短縮(5年)等の特例がある。
正解:×(誤り)
解説:誤り。商事消滅時効5年(旧商法522条)は2020年施行の民法改正で廃止され、民法166条(主観的起算点から5年・客観的起算点から10年)に一元化された。現在、商人間取引に『時効短縮の特例』は存在しない。
根拠: 民法 第166条 (出典: e-Gov法令検索)
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問3.手形・小切手は流通性のある有価証券で、独立した法律で規律される。
正解:○(正しい)
解説:手形・小切手は権利が証券に化体し、裏書によって転々流通することを予定した有価証券。取引の安全のため、原因関係と切り離す無因性や記載事項を厳格に定める要式性といった特殊な扱いが必要になるため、民法とは別に手形法・小切手法が置かれている。近年は電子記録債権(でんさい)の利用も広がっている。
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問4.売主の契約不適合責任は2020年民法改正で旧瑕疵担保責任から大きく変更された。
正解:○(正しい)
解説:2020年施行の改正民法で、旧来の瑕疵担保責任は契約不適合責任として債務不履行責任の一類型に整理された。「隠れた瑕疵」という要件はなくなり、契約の内容に適合しているかどうかが基準になる。買主は追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・解除ができる(民法562条以下)。
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問5.特定商取引法は通信販売・訪問販売等の特定商取引について消費者保護を図る法律である。
正解:○(正しい)
解説:クーリング・オフ制度等が代表的保護。訪問販売・通信販売・連鎖販売取引等の取引類型ごとに保護規定がある。
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問6.クーリング・オフは、訪問販売など法律で定められた取引について、一定期間内であれば消費者が理由を問わず契約の申込みの撤回や解除をできる制度である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。特定商取引法などが、訪問販売・電話勧誘販売のように不意打ち的で冷静に判断しにくい取引に限って認める制度で、期間は法定書面を受け取った日から起算し、訪問販売・電話勧誘販売・特定継続的役務提供は8日、連鎖販売取引・業務提供誘引販売取引は20日(訪問販売は特定商取引法9条)。理由は不要で違約金も請求されない。通信販売にクーリング・オフはないが、広告に申込みの撤回等についての特約の表示がなければ、商品の引渡しを受けた日から起算して8日以内は申込みの撤回・解除ができる(15条の3第1項)。
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問7.消費者契約法は事業者と消費者の間の契約について不当条項を無効とする法律である。
正解:○(正しい)
解説:2000年に制定された、事業者と消費者の間の情報力・交渉力の格差を前提とする法律。重要事項の不実告知や不退去などにより誤認・困惑して締結した契約は取り消すことができ、事業者の損害賠償責任を全部免除する条項など消費者の利益を一方的に害する条項は無効になる。取引類型を限定せず消費者契約一般に適用される点が特徴。
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問8.景品表示法は不当な景品類・表示から消費者を保護する法律である。
正解:○(正しい)
解説:消費者庁が所管し、商品・サービスの品質等を実際より著しく優良に見せる優良誤認表示、価格等を著しく有利に見せる有利誤認表示、その他内閣総理大臣が指定する表示を禁止する(5条)。あわせて過大な景品類の提供も規制する。消費者が自主的・合理的に商品を選べるようにすることが目的。
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問9.独占禁止法は私的独占・不当な取引制限・不公正な取引方法を禁止する法律である。
正解:○(正しい)
解説:独占禁止法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)第3条は「事業者は、私的独占又は不当な取引制限をしてはならない」と定め、第19条は「事業者は、不公正な取引方法を用いてはならない」と定めている。この3類型が禁止行為で、公正取引委員会が運用する。違反には排除措置命令(同法第7条・第20条)や課徴金納付命令(同法第7条の2)が出され、私的独占・不当な取引制限は同法第89条第1項第1号により5年以下の拘禁刑又は500万円以下の罰金の対象にもなる。
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問10.カルテルは複数事業者が価格・数量等を協定することで、独禁法で禁止されている。
正解:○(正しい)
解説:本来は各社が独立に決めるべき価格・数量・販路などを競争者どうしで取り決める行為で、不当な取引制限の典型。競争そのものを直接失わせるため最も悪質とされ、多額の課徴金に加え刑事罰の対象にもなる。自主的に申告した事業者の課徴金を減免する課徴金減免(リーニエンシー)制度が摘発の端緒になることも多い。
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問11.優越的地位濫用は強者が弱者に不当な要求をする行為で、独禁法で禁止される。
正解:○(正しい)
解説:下請法(2026年1月施行で『取適法/中小受託取引適正化法』に改称)とも関連。大企業から中小企業への不当要求等。
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問12.取適法(旧下請法。2026年1月改称)は、委託事業者の中小受託事業者への不当な取扱いを禁止する法律である。
正解:○(正しい)
解説:取適法は、委託事業者による支払遅延・買いたたき・返品などの禁止行為を定め(5条)、公正取引委員会・中小企業庁などが運用する。2026年1月1日施行の改正で下請法は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(略称:中小受託取引適正化法・取適法)に改称され、親事業者は「委託事業者」、下請事業者は「中小受託事業者」、下請代金は「製造委託等代金」になった。
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問13.知的財産権は特許権・実用新案権・意匠権・商標権・著作権等の総称である。
正解:○(正しい)
解説:人間の知的創造活動から生まれた成果や、営業上の信用を表す標識について認められる権利の総称。特許権・実用新案権・意匠権・商標権の産業財産権と著作権が代表格で、営業秘密や地理的表示、回路配置利用権、育成者権なども含まれる。登録により発生するものと、著作権のように創作と同時に発生するものがある。
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問14.特許権は発明を保護する権利で、出願日から原則20年間存続する。
正解:○(正しい)
解説:発明(自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの)を保護し、存続期間は出願日から原則20年。新規性・進歩性・産業上利用可能性を満たす必要があり、出願できるのは発明者またはその承継人。登録日ではなく出願日起算なので、審査が長引くほど実際に行使できる期間は短くなる。
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問15.実用新案権は物品の形状・構造の考案を保護する権利で、出願日から10年間存続する。
正解:○(正しい)
解説:物品の形状・構造・組合せに係る考案を保護し、存続期間は出願日から10年。特許と違い実体審査を経ずに登録されるため早期に権利を得られるが、有効性が保証されないので権利行使には技術評価書の提示が必要になる。方法や物質は対象外。
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問16.意匠権は物品の形状・模様・色彩の組み合わせを保護する権利で、出願日から25年間存続する。
正解:○(正しい)
解説:物品等の形状・模様・色彩またはこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるものを保護する。2020年施行の改正で存続期間が登録日から20年から出願日から25年に変更され、建築物・内装・画像(GUI)も保護対象に加わった。
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問17.商標権は商品・サービスの目印を保護する権利で、登録から10年間存続し更新可能。
正解:○(正しい)
解説:商品・役務の出所を示す目印を保護する権利で、存続期間は設定登録から10年。更新登録により何度でも延長でき、事実上半永久的に保護できる。商標が守るのは創作ではなく蓄積された業務上の信用だからである。登録には自他商品識別力が必要。
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問18.著作権は著作物(思想・感情を創作的に表現したもの)を保護する権利である。
正解:○(正しい)
解説:著作権法は、思想または感情を創作的に表現したものであって文芸・学術・美術・音楽の範囲に属するものを著作物として保護する。無方式主義により創作した時点で権利が発生し、登録は不要。保護されるのは表現であって、その背後にあるアイデアそのものは保護されない。
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問19.著作権の保護期間は原則として著作者の死後70年である(2018年改正後)。
正解:○(正しい)
解説:著作権法51条により著作者の死後70年。2018年のTPP11発効に伴う改正で50年から70年に延長された。法人その他の団体名義の著作物は著作者の死亡を基準にできないため公表後70年(53条)、映画の著作物も公表後70年(54条)となる。
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問20.不正競争防止法は事業者間の不正競争行為を禁止する法律である。
正解:○(正しい)
解説:登録された権利がなくても、周知・著名な表示の冒用、商品形態の模倣、営業秘密の侵害、原産地等の誤認表示、競争者の信用を害する虚偽事実の告知(営業誹謗)といった行為を不正競争として差止め・損害賠償の対象とする。登録を前提とする産業財産権を補完する役割を担う。
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問21.営業秘密は秘密管理性・有用性・非公知性の3要件を満たす情報である。
正解:○(正しい)
解説:不競法2条6項。秘密として管理されていること(秘密管理性)、事業活動に有用な技術上・営業上の情報であること(有用性)、公然と知られていないこと(非公知性)の3つをすべて満たす必要がある。特許と違い登録も公開も不要で期間の制限もないが、実務では秘密管理性が争点になりやすい。
根拠: 不正競争防止法 第2条 (出典: e-Gov法令検索)
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問22.個人情報保護法は個人情報の適正な取扱いを義務付ける法律である。
正解:○(正しい)
解説:2003年に成立した、個人情報の有用性に配慮しつつ個人の権利利益を保護するための法律。令和3年の改正(令和3年法律第37号)で、民間事業者・国の行政機関・地方公共団体などで分かれていた規律がこの法律に一本化され、2022年4月に国の行政機関等、2023年4月に地方公共団体等の分が施行された。個人情報保護委員会が一元的に監督し、違反には勧告・命令が行われ、命令に従わない場合は罰則もある。
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問23.個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱うに当たって利用目的をできる限り特定し、取得したときは原則として利用目的を本人に通知または公表しなければならない。
正解:○(正しい)
解説:正しい。個人情報保護法17条1項は利用目的をできる限り特定することを、21条1項は取得したときに、あらかじめ公表している場合を除き速やかに利用目的を本人に通知または公表することを求めている。本人の同意は取得のたびに必要なのではなく、特定した利用目的の範囲を超えて取り扱うとき(18条1項)、要配慮個人情報を取得するとき(20条2項)、個人データを第三者に提供するとき(27条1項)などに原則として必要になる。
根拠: 個人情報の保護に関する法律 第17条 (出典: e-Gov法令検索)
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問24.特定個人情報(マイナンバー)は個人情報よりさらに厳格な保護対象である。
正解:○(正しい)
解説:マイナンバーを含む特定個人情報は、番号利用法(マイナンバー法)により個人情報保護法よりも厳格に規律される。利用できるのは番号法や条例で定められた事務に限られ、本人の同意があっても目的外利用はできない点が最大の違い(令和5年改正で3分野以外の国家資格の免許などの行政事務にも広がった)。収集・保管の制限や安全管理措置も加重されている。
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問25.契約書作成では『契約当事者・契約内容・契約期間・代金等』の明示が重要である。
正解:○(正しい)
解説:当事者は誰か、何をどれだけいくらで、いつまでに、どのような条件で、という要素を明確に書き分けることが後日の紛争を防ぐ基本になる。あわせて解除事由・損害賠償・秘密保持・管轄裁判所などを定めておく。近年は電子署名やタイムスタンプを用いた電子契約も急速に普及している。
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問26.電子消費者契約法は、消費者がパソコン等の操作ミスでした申込みについて、事業者が申込み内容の確認の措置を講じていない場合などに、重過失があっても錯誤による取消しを主張できるようにする民法の特例を定めている。
正解:○(正しい)
解説:電子消費者契約法3条は、消費者の電子消費者契約の申込み等が操作ミスによる重要な錯誤に基づく場合、民法95条3項(重過失のある表意者は取り消せない)を適用しないと定める。ただし事業者が確認を求める措置を講じた場合などは除かれる。
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問27.クレジット契約はクレジット会社・消費者・販売店の3者契約構造を持つ。
正解:○(正しい)
解説:消費者・販売店・クレジット会社の三者が関わり、消費者と販売店の売買契約と、消費者とクレジット会社の立替払契約が併存する。このため販売店とのトラブルの影響が支払いに及ぶ問題があり、割賦販売法は販売店に対する抗弁をクレジット会社にも主張できる抗弁の接続(支払停止の抗弁)などの消費者保護規定を置いている。
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問28.商行為と民事行為に法的な区別はない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。商法501条・502条で商行為を定義。商人間取引には商法の特別規定が適用される。
根拠: 商法 第501条 (出典: e-Gov法令検索)
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問29.手形・小切手は民法のみで規律される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。手形・小切手は無因性・要式性・文言性といった民法の一般原則と異なる特殊な扱いを必要とするため、手形法・小切手法という独立した法律で規律されている。証券の流通の安全を確保するための仕組みである。
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問30.クーリング・オフは契約後30日以内であれば常に行使できる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。期間は取引類型ごとに異なる(訪問販売8日・連鎖販売20日等)。常に30日ではない。
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問31.消費者契約法は事業者間の契約も対象とする。
正解:×(誤り)
解説:誤り。消費者契約法は『事業者と消費者間』の契約が対象。事業者間(B2B)は対象外。
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問32.景品表示法は事業者間の取引にも適用される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。景品表示法は一般消費者による自主的かつ合理的な選択を確保することを目的としており、規制対象は消費者に向けた表示や景品類。事業者間の取引条件そのものは対象外で、そちらは独占禁止法(優越的地位の濫用など)や取適法(中小受託取引適正化法。2026年1月施行で下請法から改称)が扱う。
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問33.独占禁止法では公正取引委員会が運用する違反対象は私的独占のみである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。独占禁止法第3条が私的独占と不当な取引制限(カルテル、入札談合)を、同法第19条が不公正な取引方法を禁止しており、禁止行為は3類型ある。公正取引委員会はこれら全体について排除措置命令(同法第7条・第20条)や課徴金納付命令(同法第7条の2)を行う。
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問34.カルテルは独禁法上認められている合法的行為である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。カルテルは不当な取引制限の典型例で、独占禁止法が禁止する最も悪質な行為の一つ。多額の課徴金に加え刑事罰の対象にもなり、自主申告により課徴金が減免される制度(リーニエンシー)も設けられている。
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問35.取適法(旧下請法。2026年1月改称)は、委託事業者どうしの取引を規制する法律である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。取適法が規制するのは、委託事業者から中小受託事業者への製造委託等の取引における不当な行為である(1条・5条)。2026年1月1日施行の改正で下請法は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(略称:中小受託取引適正化法・取適法)に改称され、親事業者は「委託事業者」、下請事業者は「中小受託事業者」、下請代金は「製造委託等代金」になった。
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問36.特許権の存続期間は出願日から10年である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。特許権の存続期間は出願日から20年(特許法67条)。10年は実用新案権の期間で、無審査で早期に登録される代わりに保護期間が短く設定されている。
根拠: 特許法 第67条 (出典: e-Gov法令検索)
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問37.実用新案権は審査主義により厳格な審査を経て登録される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。実用新案は無審査主義で、新規性・進歩性の実体審査を経ずに方式と基礎的要件の確認のみで登録される。早期に権利を得られる反面、有効性が保証されないため、権利行使には技術評価書の提示が必要になる。
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問38.意匠権の存続期間は出願日から15年である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。意匠権の存続期間は2020年施行の改正により出願日から25年(旧法は登録日から20年)。期間だけでなく起算点も変わった点をあわせて押さえる。
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問39.商標権は更新不可で10年で消滅する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。商標権は設定登録から10年だが、更新登録の申請により何度でも10年ずつ延長でき、事実上半永久的に保護できる。商標が保護するのは創作ではなく蓄積された業務上の信用なので、期間を区切って消滅させる必要がないためである。
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問40.著作権の発生には登録手続きが必要である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。著作権は無方式主義により創作した時点で自動的に発生し、登録も©表示も権利発生の要件ではない。文化庁の登録制度はあるが、これは譲渡の対抗要件や公表日の推定などのための制度である。
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問41.著作権の保護期間は著作者の死後30年である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。著作権の保護期間は著作者の死後70年(著作権法51条)。2018年のTPP11対応の改正で50年から70年に延長された。法人その他の団体名義の著作物は公表後70年となる。
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問42.不正競争防止法は知財侵害以外の事業者間不正競争には適用されない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。不正競争防止法は、営業秘密の侵害、原産地・品質等の誤認表示、競争者の信用を害する虚偽事実の告知(営業誹謗)、ドメイン名の不正取得など、登録された知的財産の侵害に限られない幅広い不正競争行為を対象としている。
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問43.営業秘密の要件は秘密管理性のみで足りる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。営業秘密の3要件=『秘密管理性・有用性・非公知性』すべて必要(不競法2条6項)。
根拠: 不正競争防止法 第2条 (出典: e-Gov法令検索)
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問44.個人情報保護法では本人の同意なしに第三者提供できる場合は一切ない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。法令に基づく場合・人の生命/身体/財産保護のため等の例外規定あり(個人情報保護法27条)。
根拠: 個人情報の保護に関する法律 第27条 (出典: e-Gov法令検索)
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問45.マイナンバーは個人情報保護法のみで規律される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。マイナンバー(特定個人情報)は『番号利用法(マイナンバー法)』でさらに厳格に規律される。
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問46.電子契約は民法上無効である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。民法522条2項により、契約の成立には法令に特別の定めがある場合を除き書面等の方式を要しないので、電子的方法による契約も有効に成立する。電子署名法3条は本人の電子署名がある電磁的記録の真正な成立を推定する規定である。
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問47.優越的地位濫用は独禁法上問題とならない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。優越的地位の濫用は不公正な取引方法の一つとして独占禁止法で禁止されている。取引上の立場が強い事業者が相手方に不当な不利益を押しつける行為であり、課徴金の対象にもなる。
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問48.著作権法上のフェアユース(公正利用)は日本では明文化されている。
正解:×(誤り)
解説:誤り。日本著作権法には包括的フェアユース規定はない。個別の権利制限規定(私的複製・引用等)のみ。
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問49.特許法上の発明の要件は新規性のみである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。特許を受けるには、産業上利用できること、出願前に公然と知られていないこと(新規性)、当業者が容易に発明できないこと(進歩性)の3つをすべて満たす必要がある(特許法29条)。新規であっても容易に思いつく発明は進歩性を欠き特許されない。
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問50.商標権の登録要件として識別力は不要である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。商標登録には『識別力(自他商品識別力)』が必要。普通名称・慣用商標等は登録不可。
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問51.2020年4月施行の改正民法のもとでも、商行為によって生じた債権には、民法とは別に商法が定める独自の消滅時効期間が適用される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。商事債権の消滅時効を5年とした旧商法522条は2020年4月の民法改正に伴い削除された。現在は商行為によって生じた債権も民法166条1項(知った時から5年・行使できる時から10年)による。
根拠: 民法 第166条 (出典: e-Gov法令検索)
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問52.クレジット契約は2者契約構造である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。クレジット契約は消費者・販売店・クレジット会社の三者が関わる構造で、消費者と販売店の売買契約と、消費者とクレジット会社の立替払契約が併存する。この構造ゆえに、割賦販売法は抗弁の接続などの消費者保護規定を置いている。
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問53.景表法の不当表示には『優良誤認・有利誤認・その他指定するもの』があり、課徴金制度はない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。景品表示法には課徴金制度がある。2014年の改正で導入され2016年4月に施行されたもので、優良誤認表示・有利誤認表示について、原則として対象となる商品・役務の売上額の3%の課徴金が課される(8条1項)。さらに2024年10月施行の改正で、過去10年以内に課徴金納付命令を受けた事業者が再び違反した場合は4.5%になった(同条5項)。
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問54.商法501条が定める、誰が行っても商行為となる行為を何というか。
- ア.営業的商行為
- イ.附属的商行為
- ウ.絶対的商行為
- エ.一方的商行為
正解:ウ.絶対的商行為
解説:商法501条の絶対的商行為は、利益を得て譲渡する意思をもってする有償取得(投機購買)や手形その他の商業証券に関する行為などで、商人でない者が1回だけ行っても商行為となる。営業的商行為(502条)は営業として行うときに商行為となるもの、附属的商行為(503条)は商人が営業のためにする行為。一方的商行為は当事者の一方にとってだけ商行為となる行為のことで、その場合も双方に商法が適用される(3条1項)。
根拠: 商法 第501条 (出典: e-Gov法令検索)
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問55.特定商取引法によるクーリング・オフ期間として正しいのはどれか(訪問販売)。
- ア.3日
- イ.30日
- ウ.14日
- エ.8日
正解:エ.8日
解説:訪問販売は法定書面を受け取った日から起算して8日間。電話勧誘販売や特定継続的役務提供も8日で、連鎖販売取引と業務提供誘引販売取引は仕組みが複雑で判断に時間がかかるため20日と長い。不意打ち性の高い取引について頭を冷やす期間を与える制度である。
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問56.消費者契約法の対象として正しいのはどれか。
- ア.事業者と消費者間の契約
- イ.事業者間の契約
- ウ.行政契約
- エ.国際契約
正解:ア.事業者と消費者間の契約
解説:事業者と消費者の間に情報の質・量と交渉力の格差があることを前提とした法律なので、対象は事業者対消費者(BtoC)の契約全般。事業者間の契約は当事者が対等とみなされるため対象外であり、そちらは独占禁止法や取適法(中小受託取引適正化法。2026年1月施行で下請法から改称)が扱う。
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問57.独占禁止法が禁止する行為の3類型として正しい組合せはどれか。
- ア.私的独占・優越的地位の濫用・不当表示
- イ.私的独占・不当な取引制限・不公正な取引方法
- ウ.不当な取引制限・不公正な取引方法・不当表示
- エ.私的独占・不当廉売・不当表示
正解:イ.私的独占・不当な取引制限・不公正な取引方法
解説:独占禁止法は、3条で私的独占と不当な取引制限(カルテル・入札談合など)を、19条で不公正な取引方法を禁止しており、これが禁止行為の3類型である。優越的地位の濫用や不当廉売は、2条9項が定める不公正な取引方法の中の個々の行為で、3類型と並ぶ別の類型ではない。不当表示(実際より著しく優良と示す表示など)は景品表示法5条が禁止するもので、独占禁止法の3類型には入らない。
根拠: 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 第2条 / 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 第3条 / 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 第19条 / 不当景品類及び不当表示防止法 第5条 (出典: e-Gov法令検索)
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問58.カルテルの法的位置付けとして正しいのはどれか。
- ア.合法
- イ.景表法で禁止
- ウ.独禁法で禁止
- エ.民法で無効
正解:ウ.独禁法で禁止
解説:カルテルは独占禁止法第3条が禁止する「不当な取引制限」の典型例である。競争そのものを失わせる最も悪質な行為とされ、排除措置命令(同法第7条)に加えて課徴金納付命令(同法第7条の2)の対象となり、同法第89条第1項第1号により5年以下の拘禁刑又は500万円以下の罰金にも問われる。景品表示法は表示・景品の規制であって、カルテルを扱う法律ではない。
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問59.取適法(旧下請法。2026年1月改称)の規制対象として正しいのはどれか。
- ア.事業者が一般消費者に向けてする不当な表示や過大な景品類の提供
- イ.競争関係にある事業者どうしが価格や数量を取り決めるカルテル
- ウ.委託事業者が中小受託事業者に対してする受領拒否や代金の支払遅延
- エ.事業者が訪問販売や電話勧誘販売でする不当な勧誘
正解:ウ.委託事業者が中小受託事業者に対してする受領拒否や代金の支払遅延
解説:取適法(製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律)は、委託事業者が中小受託事業者に製造委託等をした場合の受領拒否・支払遅延・減額・返品などを禁止する(5条)。2026年1月1日施行の改正で下請法から改称され、親事業者は「委託事業者」、下請事業者は「中小受託事業者」となった。不当表示・過大な景品類は景品表示法、カルテルは独占禁止法、訪問販売などの不当な勧誘は特定商取引法の規制対象である。
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問60.特許権の存続期間として正しいのはどれか。
- ア.出願日から20年
- イ.出願日から15年
- ウ.出願日から10年
- エ.出願日から25年
正解:ア.出願日から20年
解説:特許法67条により出願日から20年。登録日起算ではないため、審査が長引くほど実際に権利行使できる期間は短くなる。10年は実用新案権、25年は意匠権(2020年改正後)の存続期間なので、まとめて整理して覚える。
根拠: 特許法 第67条 (出典: e-Gov法令検索)
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問61.実用新案権の存続期間として正しいのはどれか。
- ア.出願日から5年
- イ.出願日から10年
- ウ.出願日から20年
- エ.出願日から25年
正解:イ.出願日から10年
解説:実用新案権の存続期間は出願日から10年。無審査で早期に登録される代わりに保護期間が短い。20年は特許権、25年は意匠権の期間であり、権利ごとに整理して覚える。
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問62.意匠権の存続期間として正しいのはどれか(2020年改正後)。
- ア.10年
- イ.15年
- ウ.25年
- エ.20年
正解:ウ.25年
解説:2020年施行の改正意匠法により出願日から25年(旧法は登録日から20年)。ロングライフのデザインを長く保護する趣旨で、期間だけでなく起算点も出願日に変更された点に注意する。
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問63.商標権の存続期間として正しいのはどれか。
- ア.登録から5年
- イ.永久
- ウ.登録から20年
- エ.登録から10年(更新可)
正解:エ.登録から10年(更新可)
解説:設定登録から10年だが、更新登録の申請により何度でも10年ずつ延長できるため、事実上半永久的に保護できる。産業財産権のうち更新できるのは商標だけで、これは商標が創作ではなく業務上の信用を保護する権利だからである。
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問64.著作権の発生要件として正しいのはどれか。
- ア.創作と同時に発生
- イ.登録手続き必要
- ウ.公表時に発生
- エ.出版時に発生
正解:ア.創作と同時に発生
解説:著作者人格権と著作権の享有には、いかなる方式の履行も要しない(著作権法17条2項)。これを無方式主義といい、著作権は著作物を創作した時点で発生する。登録・公表・出版はいずれも権利が発生するための要件ではない。設定の登録で権利が発生する特許権・意匠権・商標権との大きな違いである。
根拠: 著作権法 第17条 (出典: e-Gov法令検索)
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問65.著作権の保護期間として正しいのはどれか(2018年改正後)。
- ア.著作者の死後30年
- イ.著作者の死後70年
- ウ.著作者の死後50年
- エ.永久
正解:イ.著作者の死後70年
解説:2018年TPP改正で『死後70年』に延長(旧法50年)。法人著作は公表後70年。
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問66.営業秘密の3要件として正しい組合せはどれか。
- ア.識別力・登録性・有用性
- イ.新規性・進歩性・産業利用可能性
- ウ.秘密管理性・有用性・非公知性
- エ.公知性・有用性・新規性
正解:ウ.秘密管理性・有用性・非公知性
解説:不競法2条6項が定める秘密管理性・有用性・非公知性の3つをすべて満たす必要がある。新規性・進歩性・産業上利用可能性は特許の要件、識別力は商標の要件であって、営業秘密には求められない。逆に公知になってしまうと非公知性を欠いて保護されなくなる。
根拠: 不正競争防止法 第2条 (出典: e-Gov法令検索)
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問67.個人情報保護法における原則的義務として該当しないものはどれか。
- ア.利用目的の特定
- イ.本人への通知
- ウ.第三者提供時の本人同意
- エ.個人情報の永久保存
正解:エ.個人情報の永久保存
解説:個人情報保護法は、利用目的の特定、本人への通知・公表、第三者提供時の同意取得、安全管理措置などを義務づける一方、利用目的の達成に必要がなくなった個人データは遅滞なく消去するよう求めている。したがって永久保存はむしろ法の求める取扱いに反する。
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問68.特定個人情報について、取り扱える事務を法律や条例で定めるものに限り、本人の同意があっても目的外では使えないとするなど、個人情報保護法より厳しい規律を置いている法律はどれか。
- ア.住民基本台帳法
- イ.行政手続法
- ウ.番号利用法
- エ.次世代医療基盤法
正解:ウ.番号利用法
解説:特定個人情報(個人番号をその内容に含む個人情報)は、番号利用法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律。いわゆるマイナンバー法)が、個人情報保護法の特例として厳しく規律している。個人番号を利用できる事務は法律や条例で定めるものに限られ(9条)、特定個人情報の提供も法律が定める場合に限られる(19条)ため、本人の同意があってもそれ以外の目的では使えない。住民基本台帳法は住民票や住民票コードの制度、行政手続法は処分・届出などの行政手続に共通するルール、次世代医療基盤法は医療情報を匿名加工・仮名加工して研究開発に使う仕組みを定める法律である。
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問69.特許要件として該当しないものはどれか。
- ア.新規性
- イ.美術性
- ウ.産業上利用可能性
- エ.進歩性
正解:イ.美術性
解説:特許法29条が求めるのは産業上利用可能性・新規性・進歩性の3つ。美感を起こさせるかどうか(美術性)は意匠の観点であって特許では問われない。特許は技術的思想を保護し、意匠は見た目のデザインを保護するという役割分担になっている。
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問70.商標登録の要件として正しいのはどれか。
- ア.新規性
- イ.美術性
- ウ.識別力(自他商品識別力)
- エ.産業利用可能性
正解:ウ.識別力(自他商品識別力)
解説:商標は誰の商品・役務かを区別できてこそ機能するため、自他商品識別力が必要(商標法3条)。普通名称や慣用商標、産地・品質を普通に表示するだけの商標は登録できない。新規性・進歩性は特許、美術性は意匠の観点であって、商標では問われない。
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問71.景品表示法5条1号に当たる表示の説明として、正しいものはどれか。
- ア.商品の価格その他の取引条件について、実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示
- イ.商品の取引に付随して、内閣総理大臣が制限する最高額を超える価額の景品類を提供すること
- ウ.商品の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがあるとして、内閣総理大臣が指定する表示
- エ.商品の取引について、品質、規格その他の内容を実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に示す表示
正解:エ.商品の取引について、品質、規格その他の内容を実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に示す表示
解説:景品表示法5条は、自己の供給する商品・役務の取引について不当な表示を禁じている。1号は品質・規格その他の内容を実際より著しく優良と示す表示(優良誤認表示)、2号は価格その他の取引条件を著しく有利と誤認させる表示(有利誤認表示)、3号は誤認されるおそれがあるとして内閣総理大臣が指定する表示である。取引条件を有利に見せる表示は2号、内閣総理大臣が指定する表示は3号に当たる。最高額を超える景品類の提供は、4条に基づく景品類の制限の問題で、5条の表示の規制ではない。
根拠: 不当景品類及び不当表示防止法 第5条 / 不当景品類及び不当表示防止法 第4条 (出典: e-Gov法令検索)
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問72.景品表示法の課徴金制度が施行された年として正しいのはどれか。
- ア.2014年
- イ.2005年
- ウ.2016年
- エ.2020年
正解:ウ.2016年
解説:景品表示法の課徴金制度は、2014年(平成26年)の改正で導入が決まり、2016年4月1日に施行された。優良誤認表示・有利誤認表示をした事業者に、原則として対象商品・役務の売上額の3%の課徴金を課す(8条1項)。2024年10月施行の改正で、10年以内に課徴金納付命令を受けた事業者の再度の違反は4.5%となった(同条5項)。
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問73.2020年4月施行の改正民法のもとで、商行為によって生じた債権を、債権者が権利を行使できることを知った時から行使しないときの消滅時効期間として正しいのはどれか。
- ア.1年
- イ.5年
- ウ.3年
- エ.10年
正解:イ.5年
解説:商事債権を5年とした旧商法522条は2020年4月の民法改正に伴い削除され、商行為によって生じた債権も民法166条1項による。権利を行使できることを知った時から5年(1号)、権利を行使できる時から10年(2号)のいずれかで時効消滅する。
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問74.割賦販売法が個別クレジット(個別信用購入あっせん)について定める「抗弁の接続」の説明として、正しいものはどれか。
- ア.購入者が、書面を受け取ってから一定期間内であれば、クレジット契約の申込みを無条件で撤回できること
- イ.購入者が、販売店に対して生じている事由をもって、クレジット会社からの支払請求を拒めること
- ウ.購入者が、販売店の不実告知で誤認してしたクレジット契約の申込みの意思表示を取り消せること
- エ.購入者が、販売店の債務不履行を理由に、クレジット会社にそれまでの支払額の返還を求められること
正解:イ.購入者が、販売店に対して生じている事由をもって、クレジット会社からの支払請求を拒めること
解説:抗弁の接続とは、個別クレジットの購入者が、商品が引き渡されないなど販売店に対して生じている事由をもって、クレジット会社からの支払の請求に対抗できる(支払を拒める)ことをいう(割賦販売法35条の3の19第1項。これに反する購入者に不利な特約は無効=同条2項。支払総額が政令で定める金額に満たないものには適用されない=同条4項)。消費者・販売店・クレジット会社の3者が関わり、売買契約と立替払の契約が別々に結ばれるため法が特に定めたもので、対抗できるのはこれからの支払であり、すでに支払った分の返還まで求められる制度ではない。書面を受け取ってから一定期間内の無条件の撤回はクーリング・オフ(35条の3の10)、販売店の不実告知による取消しは35条の3の13の制度である。
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問75.法令に特別の定めのない契約を、インターネット上で電子データをやり取りして結ぶ場合(電子契約)の説明として、正しいものはどれか。
- ア.電子署名がなければ、申込みと承諾が合致しても成立しない
- イ.書面を作成しなくても、申込みと承諾の合致によって成立する
- ウ.本人の電子署名があれば、記録された内容が真実であると推定される
- エ.電子署名のない電磁的記録は、裁判で証拠として用いることができない
正解:イ.書面を作成しなくても、申込みと承諾の合致によって成立する
解説:民法522条により、契約は申込みに対して相手方が承諾をしたときに成立し(1項)、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を要しない(2項)。電子契約も申込みと承諾の合致によって成立し、電子署名の有無は成立に影響しない。電子署名法3条は、本人による電子署名が行われている電磁的記録は真正に成立したもの(本人の意思に基づいて作成されたもの)と推定するという証拠の規定で、記録された内容が真実であることまで推定するものではない。電子署名のない電磁的記録も裁判の証拠とすることができ、どこまで信用できるかは裁判所が判断する。
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問76.会社法は2005年に成立し2006年に施行された、会社の組織・運営を定める法律である。
正解:○(正しい)
解説:それまで商法第2編・有限会社法・株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律などに分かれていた規律を、2005年成立・2006年施行の会社法に統合した。同時に有限会社は新設できなくなり(既存のものは特例有限会社として存続)、最低資本金制度の廃止や機関設計の柔軟化など、設立と運営のハードルを下げる改正が行われた。
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問77.会社の種類には株式会社・合同会社・合名会社・合資会社の4種類がある。
正解:○(正しい)
解説:会社法2条1号は株式会社・合名会社・合資会社・合同会社の4種類を会社と定める。株式会社と合同会社は社員が有限責任、合名会社は全社員が無限責任、合資会社は無限責任社員と有限責任社員が混在する。合同会社は有限責任でありながら定款自治の自由度が高く、近年設立数が増えている。
根拠: 会社法 第2条 (出典: e-Gov法令検索)
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問78.株式会社は最低資本金1円から設立可能である。
正解:○(正しい)
解説:2005年成立の会社法で最低資本金制度が廃止され、資本金1円でも株式会社を設立できるようになった。起業のハードルを下げるためで、代わりに債権者の保護は剰余金の分配規制など別の仕組みで図られている。
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問79.合同会社(LLC)は出資者全員が有限責任で、定款自治の自由度が高い。
正解:○(正しい)
解説:Limited Liability Company。Google等の外資系日本法人で活用。柔軟な組織設計可能。
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問80.株式会社の機関設計には『株主総会と取締役』が最低限必要である。
正解:○(正しい)
解説:会社法326条1項により、株式会社には必ず株主総会と取締役1人以上を置く。取締役会・監査役・会計監査人などは定款で任意に設置できるが、公開会社は取締役会が必要(327条1項1号)、大会社は会計監査人が必要(328条)といった義務づけがある。
根拠: 会社法 第326条 (出典: e-Gov法令検索)
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問81.公開会社(譲渡制限なしの株式会社)は取締役会の設置が義務付けられる。
正解:○(正しい)
解説:会社法327条1項1号。公開会社とは発行する株式の全部または一部に譲渡制限がない会社をいい、株主が広く分散して個々の株主による監督が期待しにくいため、取締役会という合議体による業務執行の決定と相互監督を義務づけている。全株式譲渡制限会社では取締役会は任意設置。
根拠: 会社法 第327条 (出典: e-Gov法令検索)
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問82.取締役会設置会社では監査役の設置が原則として必要である。
正解:○(正しい)
解説:会社法327条2項。取締役会を置くと業務執行の決定が取締役に委ねられるため、これを監視する監査役が原則として必要になる。ただし指名委員会等設置会社・監査等委員会設置会社は別の監査の仕組みを持つので不要であり、非公開会社で会計参与を置く場合の例外もある。
根拠: 会社法 第327条 (出典: e-Gov法令検索)
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問83.大会社は資本金5億円以上または負債200億円以上の株式会社を指す。
正解:○(正しい)
解説:会社法2条6号。最終事業年度の貸借対照表上、資本金5億円以上または負債総額200億円以上のいずれかに当たれば大会社となる。社会的な影響が大きいため会計監査人の設置義務(328条)など重い規制が課される。どちらか一方を満たせば該当する点に注意。
根拠: 会社法 第2条 (出典: e-Gov法令検索)
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問84.株主総会は株式会社の最高意思決定機関である。
正解:○(正しい)
解説:取締役選任・解任・定款変更・合併等の重要事項を決議。普通決議・特別決議・特殊決議の3種。
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問85.株主総会の特別決議は、原則として、議決権を行使できる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成で可決される。
正解:○(正しい)
解説:会社法309条2項により、特別決議は議決権を行使できる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し(定款で3分の1以上まで引下げ可)、出席株主の議決権の3分の2以上の多数で行う。定款変更・合併等の組織再編・解散などに必要である。
根拠: 会社法 第309条 (出典: e-Gov法令検索)
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問86.取締役の任期は原則2年で、定款で短縮可能(非公開会社では最長10年)。
正解:○(正しい)
解説:会社法332条1項により、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までが原則。定款や株主総会決議で短縮でき、全株式譲渡制限会社では定款で最長10年まで伸長できる(同条2項)。株主が定期的に信任を問える仕組みと地位の安定とのバランスを取っている。
根拠: 会社法 第332条 (出典: e-Gov法令検索)
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問87.取締役は会社に対し善管注意義務と忠実義務を負う。
正解:○(正しい)
解説:会社と取締役の関係は委任に関する規定に従うため(会社法330条)、取締役は民法644条の善管注意義務を負う。加えて355条が法令・定款・株主総会決議を遵守し会社のため忠実に職務を行う忠実義務を定める。これらに違反して会社に損害を与えれば任務懈怠責任(423条)を負う。
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問88.取締役の競業避止義務は、取締役が会社の事業と競合する取引を行う際の制限である。
正解:○(正しい)
解説:会社法356条1項1号。事前に株主総会(取締役会設置会社は取締役会)の承認必要。
根拠: 会社法 第356条 (出典: e-Gov法令検索)
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問89.取締役の利益相反取引には事前に株主総会(取締役会)の承認が必要である。
正解:○(正しい)
解説:会社法356条1項2号(取締役が自ら会社と取引する直接取引)・3号(会社が取締役の債務を保証するなどの間接取引)。取締役が自己や第三者の利益を優先して会社に不利な条件で取引するおそれがあるため、重要な事実を開示して承認を得なければならない。取締役会設置会社では取締役会の承認となる(365条1項)。
根拠: 会社法 第356条 (出典: e-Gov法令検索)
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問90.代表取締役は会社を代表する権限を持つ取締役である。
正解:○(正しい)
解説:会社法349条。代表取締役は会社の業務に関する一切の裁判上・裁判外の行為をする権限を持ち、その権限に加えた制限は善意の第三者に対抗できない。取締役会設置会社では取締役会の決議で選定する(362条3項)。代表権を持たない取締役と区別される呼称である。
根拠: 会社法 第349条 (出典: e-Gov法令検索)
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問91.監査役は取締役の職務執行を監査する機関で、独立性が求められる。
正解:○(正しい)
解説:会社法381条。取締役の職務執行を監査し、事業の報告を求め、業務・財産の状況を調査できる。取締役から独立して監査する必要があるため任期は取締役より長い4年とされ(336条1項)、取締役や使用人を兼ねることはできない(335条2項)。原則として会計監査と業務監査の両方を担う。
根拠: 会社法 第381条 (出典: e-Gov法令検索)
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問92.会計監査人は公認会計士または監査法人で、計算書類の監査を担当する。
正解:○(正しい)
解説:会社法337条1項により、公認会計士または監査法人でなければならない。計算書類等の監査を担い、大会社や委員会型の会社では設置が義務づけられる(328条など)。財務諸表の適正性を担保するため、会計の職業的専門家に資格が限定されている。
根拠: 会社法 第337条 (出典: e-Gov法令検索)
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問93.指名委員会等設置会社は指名・監査・報酬の3委員会で経営を監督する形態である。
正解:○(正しい)
解説:会社法2条12号。指名委員会・監査委員会・報酬委員会を置き、各委員会は取締役3人以上で構成してその過半数は社外取締役でなければならない。業務執行は執行役が担い取締役会は監督に専念するため、経営(執行)と監督の分離がもっとも徹底された形態といえる。
根拠: 会社法 第2条 (出典: e-Gov法令検索)
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問94.監査等委員会設置会社は監査等委員(取締役)が監査を行う組織形態である。
正解:○(正しい)
解説:会社法2条11号の2。2014年改正(2015年施行)で導入された形態で、3人以上・過半数が社外取締役である監査等委員である取締役が監査を担う。監査役会設置会社より社外役員の負担を抑えつつ、指名委員会等設置会社ほど3委員会の設置を求めない中間的な選択肢として用意された。
根拠: 会社法 第2条 (出典: e-Gov法令検索)
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問95.株式会社の設立には定款の作成・出資の履行・登記が必要である。
正解:○(正しい)
解説:定款を作成して公証人の認証を受け(会社法30条1項)、発起人等が出資を履行し、本店所在地で設立登記をすることで会社が成立する(49条)。発起人だけが出資する発起設立と、株主を募集する募集設立がある。登記が会社の成立要件になっている点が重要。
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問96.定款は会社の根本規則で、絶対的記載事項を欠くと無効となる。
正解:○(正しい)
解説:絶対的記載事項:目的・商号・本店所在地・設立時出資財産・発起人氏名等(会社法27条)。
根拠: 会社法 第27条 (出典: e-Gov法令検索)
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問97.新株発行は株主総会または取締役会の決議により行われる。
正解:○(正しい)
解説:公開会社では機動的な資金調達のため、原則として取締役会の決議で募集事項を決定できる(会社法201条1項)。一方、非公開会社では既存株主の持株比率の変動が重大な意味を持つため、原則として株主総会の特別決議が必要(199条2項・309条2項5号)。特に有利な払込金額で発行する場合は公開会社でも株主総会特別決議が要る。
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問98.合併・分割・株式交換・株式移転等の組織再編には株主総会特別決議が必要である。
正解:○(正しい)
解説:合併・会社分割・株式交換・株式移転は、株主の地位や会社の基礎に重大な変更をもたらすため、原則として株主総会の特別決議による承認が必要(会社法309条2項12号)。ただし対価が小さい簡易組織再編や支配関係のある略式組織再編では総会決議を省略できる。反対株主には株式買取請求権が認められる。
根拠: 会社法 第309条 (出典: e-Gov法令検索)
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問99.剰余金の配当は株主総会または取締役会(一定要件下)の決議で行われる。
正解:○(正しい)
解説:原則は株主総会の決議(会社法454条)。ただし会計監査人を置き、監査役会等の監査体制を備え、取締役の任期を1年としたうえで定款に定めた会社では、取締役会の決議で配当できる(459条)。いずれの場合も分配可能額を超える配当はできず、債権者保護のための財源規制がかかる。
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問100.株主代表訴訟は、株主が会社のために取締役等の責任を追及する制度である。
正解:○(正しい)
解説:会社法847条。公開会社では6か月(定款でこれより短い期間を定めればその期間)前から引き続き株式を有する株主が、まず会社に取締役等の責任を追及する訴えの提起を請求し(1項)、会社が60日以内に訴えを提起しないときに、会社のために自ら訴えを提起できる(3項)。公開会社でない株式会社では保有期間の要件はない(2項)。
根拠: 会社法 第847条 (出典: e-Gov法令検索)
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問101.商業登記は会社の重要事項を公示する制度で、第三者対抗要件となる。
正解:○(正しい)
解説:会社法908条1項。登記すべき事項は登記の後でなければ善意の第三者に対抗できず、登記した後は正当な事由がある場合を除き対抗できる。誰でも登記事項証明書を取得でき、取引の相手方が会社の代表者や資本金を確認できる公示制度として機能する。
根拠: 会社法 第908条 (出典: e-Gov法令検索)
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問102.商法では商人の定義として『自己の名をもって商行為をすることを業とする者』とする。
正解:○(正しい)
解説:商法4条1項。自己の名をもって商行為をすることを業とする者をいい、「自己の名で」=権利義務の帰属主体となること、「業として」=営利目的で反復継続して行うことが要件。商行為は501条・502条に列挙されている。商人にあたると商行為法や商業帳簿などの規律が適用される。
根拠: 商法 第4条 (出典: e-Gov法令検索)
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問103.会社法は1950年代に成立した古い法律である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。会社法は2005年成立・2006年施行。それ以前は商法第2編等が会社法に相当。
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問104.会社の種類には株式会社のみがある。
正解:×(誤り)
解説:誤り。会社法2条1号は株式会社・合名会社・合資会社・合同会社の4種類を定めている。有限会社は2006年の会社法施行により新設できなくなったが、既存のものは特例有限会社として存続している。
根拠: 会社法 第2条 (出典: e-Gov法令検索)
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問105.株式会社の最低資本金は1000万円である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。2005年成立の会社法で最低資本金制度は廃止され、資本金1円でも設立できる。1000万円は旧商法時代の株式会社の最低資本金額(旧有限会社は300万円)で、現行法には残っていない。
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問106.合同会社(LLC)は出資者が無限責任を負う。
正解:×(誤り)
解説:誤り。合同会社は全社員が有限責任で、出資額を限度に責任を負うにとどまる。無限責任を負うのは合名会社の社員と合資会社の無限責任社員。合同会社は有限責任と定款自治の自由度を兼ね備えている点が特徴である。
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問107.公開会社では取締役会の設置は任意である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。公開会社では取締役会設置が義務(会社法327条1項1号)。譲渡制限会社は任意。
根拠: 会社法 第327条 (出典: e-Gov法令検索)
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問108.大会社の判定基準は資本金1億円以上である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。大会社は資本金5億円以上または負債総額200億円以上(会社法2条6号)。1億円は法人税法上の中小法人の区分などで使われる数字であって、会社法の大会社の基準ではない。
根拠: 会社法 第2条 (出典: e-Gov法令検索)
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問109.株主総会の特別決議は議決権の過半数の賛成で可決される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。特別決議は出席した株主の議決権の3分の2以上が必要(会社法309条2項)。過半数で足りるのは普通決議であり、定款変更や組織再編のように重大な事項ほど決議要件が加重される。
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問110.取締役の任期は原則10年である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。取締役の任期は原則2年(会社法332条1項)。全株式譲渡制限会社に限り、定款で最長10年まで伸長できる(同条2項)にとどまる。なお監査役の任期は4年で、取締役より長い点もあわせて押さえる。
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問111.取締役は競業取引について何の制限もなく行える。
正解:×(誤り)
解説:誤り。取締役が自己または第三者のために会社の事業の部類に属する取引をするには、重要な事実を開示して承認を得なければならない(会社法356条1項1号、取締役会設置会社では365条1項により取締役会の承認)。会社の顧客や事業機会を奪う危険があるためである。
根拠: 会社法 第356条 (出典: e-Gov法令検索)
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問112.取締役は利益相反取引でも承認なしに自由に行える。
正解:×(誤り)
解説:誤り。直接取引・間接取引のいずれについても、重要な事実を開示して承認を得る必要がある(会社法356条1項2号・3号、取締役会設置会社では365条1項)。取締役が自己の利益を優先して会社に不利な条件で取引するおそれがあるためである。
根拠: 会社法 第356条 (出典: e-Gov法令検索)
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問113.監査役は取締役会の構成員である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。監査役は取締役会から独立した監査機関であって、その構成員ではない。取締役会に出席し必要があれば意見を述べる義務はあるが(会社法383条1項)、議決権はない。取締役や使用人を兼ねることも禁じられている(335条2項)。
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問114.会計監査人は弁護士でもよい。
正解:×(誤り)
解説:誤り。会計監査人は公認会計士または監査法人でなければならない(会社法337条1項)。計算書類の適正性を職業的専門家として監査させる制度なので、会計の専門資格に限定されている。
根拠: 会社法 第337条 (出典: e-Gov法令検索)
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問115.指名委員会等設置会社では3委員会の各委員が取締役以外でもよい。
正解:×(誤り)
解説:誤り。指名委員会・監査委員会・報酬委員会の委員は取締役の中から取締役会の決議で選定され、各委員会の委員の過半数は社外取締役でなければならない。取締役以外の者が委員になることはできない。
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問116.定款は会社設立後に作成すればよい。
正解:×(誤り)
解説:誤り。定款は発起人が設立に際して作成し、公証人の認証を受ける必要がある(会社法26条・30条1項)。会社の根本規則であり設立手続の出発点なので、設立後に作成するということはありえない。
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問117.新株発行は常に株主総会の決議が必要である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。公開会社では原則として取締役会の決議で募集事項を決定できる(会社法201条1項)。株主総会の特別決議が必要になるのは非公開会社の場合や、公開会社でも特に有利な払込金額で発行する場合である。
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問118.合併には株主総会の普通決議で足りる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。合併・会社分割・株式交換・株式移転は株主総会の特別決議が必要(会社法309条2項12号)。会社の基礎に重大な変更をもたらすためで、簡易組織再編・略式組織再編にあたる場合に限って決議を省略できる。
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問119.株主代表訴訟は誰でも提訴できる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。株主代表訴訟を起こせるのは株主に限られ、公開会社では6か月(定款で短縮可)前から引き続き株式を有する株主であることが必要(会社法847条1項)。公開会社でない株式会社では保有期間の要件はないが(同条2項)、いずれにせよ株主でない者は提訴できない。また、まず会社に提訴を請求し、60日以内に会社が訴えを提起しないときに株主が訴えを提起できる(同条3項)。
根拠: 会社法 第847条 (出典: e-Gov法令検索)
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問120.商業登記は内部資料で誰でも閲覧不可。
正解:×(誤り)
解説:誤り。商業登記は取引の安全のための公示制度であり、誰でも登記事項証明書を取得して代表者や資本金などを確認できる。登記すべき事項は登記の後でなければ善意の第三者に対抗できない(会社法908条1項)。
根拠: 会社法 第908条 (出典: e-Gov法令検索)
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問121.商人とは事業を営む全ての者を指す。
正解:×(誤り)
解説:誤り。商人は『自己の名をもって商行為をすることを業とする者』(商法4条1項)。商行為の反復継続が要件。
根拠: 商法 第4条 (出典: e-Gov法令検索)
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問122.株主総会で議決権を行使できるのは取締役のみである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。株主総会の議決権は『株主』が持つ。取締役は議決権を持たない(株主でない取締役の場合)。
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問123.取締役会設置会社では監査役の設置は任意である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。取締役会設置会社は原則として監査役を置かなければならない(会社法327条2項本文)。例外は、監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社(監査役を置くことができない。同条4項)と、公開会社でない会計参与設置会社(同条2項ただし書)である。
根拠: 会社法 第327条 (出典: e-Gov法令検索)
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問124.代表取締役は会社の業務執行権はあるが代表権はない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。代表取締役は会社を代表する権限を持ち、業務に関する一切の裁判上・裁判外の行為をすることができる(会社法349条4項)。むしろ代表権を持たない取締役と区別するための呼称であり、代表権があることが定義そのものである。
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問125.合名会社の社員は有限責任のみを負う。
正解:×(誤り)
解説:誤り。合名会社の社員は会社債権者に対して直接・連帯・無限の責任を負う。有限責任なのは株式会社の株主、合同会社の社員、合資会社の有限責任社員である。
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問126.剰余金の配当には常に裁判所の許可が必要である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。剰余金配当は株主総会または取締役会(一定要件下)の決議で実施可。裁判所の許可は不要。
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問127.定款の絶対的記載事項を欠いても定款は有効である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。目的・商号・本店の所在地・設立に際して出資される財産の価額またはその最低額・発起人の氏名等は絶対的記載事項であり、1つでも欠けると定款自体が無効になる(会社法27条)。記載しなければ効力を生じない相対的記載事項や、任意的記載事項とは区別される。
根拠: 会社法 第27条 (出典: e-Gov法令検索)
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問128.監査等委員会設置会社は会社法に存在しない組織形態である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。監査等委員会設置会社は2014年会社法改正で導入された組織形態(会社法2条11号の2)。
根拠: 会社法 第2条 (出典: e-Gov法令検索)
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問129.会社法が施行された年として正しいのはどれか。
- ア.2005年
- イ.2014年
- ウ.2006年
- エ.1990年
正解:ウ.2006年
解説:会社法は2005年(平成17年法律第86号)に成立し、2006年に施行された。それまで商法第2編・有限会社法・商法特例法などに分かれていた会社に関する規定を統合した法律である。2005年は成立の年、2014年は監査等委員会設置会社を新設した改正の年で、施行の年ではない。
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問130.会社法上の会社の種類として該当しないものはどれか。
- ア.株式会社
- イ.有限会社
- ウ.合資会社
- エ.合同会社(LLC)
正解:イ.有限会社
解説:会社法2条1号の会社は株式会社・合名会社・合資会社・合同会社の4種類。有限会社は会社法の施行(2006年)で新たに設立できなくなり、既存の有限会社は法律上は株式会社(商号に「有限会社」を使う特例有限会社)として存続している。
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問131.株式会社の最低資本金として正しいのはどれか。
- ア.1000万円
- イ.300万円
- ウ.1円
- エ.設立不可
正解:ウ.1円
解説:2005年成立の会社法で最低資本金制度が廃止され、資本金1円でも株式会社を設立できる。1000万円は旧商法時代の株式会社、300万円は旧有限会社の最低資本金で、いずれも現行法では要求されない。起業の障壁を下げる一方、債権者保護は分配規制などで図られている。
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問132.合同会社(LLC)の特徴として正しいのはどれか。
- ア.全社員無限責任
- イ.上場義務あり
- ウ.株式発行可
- エ.全社員有限責任
正解:エ.全社員有限責任
解説:合同会社は全社員が有限責任で、出資額を限度に責任を負う。株式を発行する仕組みがなく上場もできないが、利益配分や機関設計を定款で自由に定められる(定款自治)点が株式会社との違い。無限責任を負うのは合名会社の社員と合資会社の無限責任社員である。
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問133.公開会社(譲渡制限なしの株式会社)が必須で設置すべき機関はどれか。
- ア.取締役会
- イ.取締役のみ
- ウ.監査等委員会
- エ.委員会のみ
正解:ア.取締役会
解説:公開会社は取締役会を置かなければならない(会社法327条1項1号)。株式に譲渡制限がなく株主が広く分散するため、合議体による意思決定と相互監督が求められるからである。監査等委員会や指名委員会等は選択できる機関設計であって、必置ではない。
根拠: 会社法 第327条 (出典: e-Gov法令検索)
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問134.大会社の定義として正しいのはどれか。
- ア.資本金1億円以上または負債総額100億円以上
- イ.資本金5億円以上または負債総額200億円以上
- ウ.資本金5億円以上かつ負債総額200億円以上
- エ.資本金3億円以上または負債総額50億円以上
正解:イ.資本金5億円以上または負債総額200億円以上
解説:会社法2条6号により、最終事業年度の貸借対照表で資本金5億円以上または負債総額200億円以上のいずれかに当たる株式会社が大会社。両方を満たす必要はない(「かつ」ではない)。大会社には会計監査人の設置(328条)などの規制がかかる。1億円は法人税法上の中小法人の区分などで使われる数字で、会社法の大会社の基準ではない。
根拠: 会社法 第2条 (出典: e-Gov法令検索)
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問135.株主総会の特別決議の決議要件(定足数を満たしたうえでの賛成の割合)として正しいのはどれか。
- ア.出席した株主の議決権の過半数
- イ.出席した株主の議決権の4分の3以上
- ウ.出席した株主の議決権の3分の2以上
- エ.総株主の同意
正解:ウ.出席した株主の議決権の3分の2以上
解説:会社法309条2項により、特別決議は議決権の過半数を有する株主の出席(定款で3分の1以上まで引下げ可)を定足数とし、出席株主の議決権の3分の2以上の多数で行う。出席株主の議決権の過半数で足りるのは普通決議(309条1項)である。
根拠: 会社法 第309条 (出典: e-Gov法令検索)
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問136.取締役の任期について正しいのはどれか。
- ア.原則1年
- イ.原則10年
- ウ.原則4年
- エ.原則2年
正解:エ.原則2年
解説:会社法332条1項により、取締役の任期は選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までが原則。公開会社でない会社(監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社を除く)は定款で10年まで伸長でき(同条2項)、監査等委員会設置会社の監査等委員でない取締役は1年となる(同条3項)。4年は監査役の任期(336条1項)。
根拠: 会社法 第332条 (出典: e-Gov法令検索)
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問137.取締役が必要な承認を得ずに競業取引(会社の事業の部類に属する取引)をした場合の扱いとして正しいのはどれか。
- ア.取引は無効となり、会社は取引の相手方に無効を主張できる
- イ.取引は有効だが、取締役は取引の相手方に損害賠償責任を負う
- ウ.取引は有効だが、取締役は会社に損害賠償責任を負いうる
- エ.取引は有効で、会社に損害が生じても取締役は責任を負わない
正解:ウ.取引は有効だが、取締役は会社に損害賠償責任を負いうる
解説:取締役が自己または第三者のために会社の事業の部類に属する取引をするには、重要な事実を開示して株主総会(取締役会設置会社では取締役会)の承認を受けなければならない(会社法356条1項1号・365条1項)。承認なしにした競業取引も、会社法にこれを無効とする規定はなく取引自体は有効だが、取締役は任務を怠ったものとして会社に損害賠償責任を負い、取締役や第三者が得た利益の額が会社の損害額と推定される(423条1項・2項)。
根拠: 会社法 第356条 (出典: e-Gov法令検索)
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問138.公開会社である監査役会設置会社で、定款に別段の定めがない場合の代表取締役の選定方法として、正しいものはどれか。
- ア.株主総会の決議
- イ.取締役会の決議
- ウ.監査役会の決議
- エ.取締役の互選
正解:イ.取締役会の決議
解説:公開会社は取締役会を置かなければならず(会社法327条1項1号)、取締役会は取締役の中から代表取締役を選定する(362条3項)。取締役会を置かない会社では、定款、定款の定めに基づく取締役の互選、または株主総会の決議によって代表取締役を定める(349条3項)。取締役会設置会社でも、定款で株主総会の決議により代表取締役を選定できると定めることは認められる(295条2項、最決平成29年2月21日)。監査役会は取締役の職務の執行を監査する機関で、代表取締役を選定しない。
根拠: 会社法 第362条 (出典: e-Gov法令検索)
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問139.会計監査人の資格として正しいのはどれか。
- ア.弁護士
- イ.税理士
- ウ.公認会計士または監査法人
- エ.司法書士
正解:ウ.公認会計士または監査法人
解説:会社法337条1項により公認会計士または監査法人に限られる。計算書類の適正性を職業的専門家として監査させる制度だからである。弁護士・税理士・司法書士はいずれも別の専門資格であって、会計監査人にはなれない。
根拠: 会社法 第337条 (出典: e-Gov法令検索)
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問140.指名委員会等設置会社の3委員会として正しいのはどれか。
- ア.指名・監査・執行
- イ.指名・報酬・執行
- ウ.監査・報酬・執行
- エ.指名・監査・報酬
正解:エ.指名・監査・報酬
解説:指名委員会等設置会社は、指名委員会・監査委員会・報酬委員会の3つを置く株式会社である(会社法2条12号)。指名委員会は株主総会に出す取締役の選任・解任の議案を決め、監査委員会は執行役等の職務の執行を監査し、報酬委員会は執行役等の個人別の報酬を決める。各委員会は委員3人以上で組織し、その過半数は社外取締役でなければならない。業務の執行は委員会ではなく執行役が担い、3委員会は監督の役割を受け持つ。執行は委員会の名前ではないので、執行を含む組合せはどれも誤り。
根拠: 会社法 第2条 / 会社法 第400条 / 会社法 第404条 / 会社法 第418条 (出典: e-Gov法令検索)
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問141.監査等委員会設置会社の導入年として正しいのはどれか。
- ア.2014年
- イ.2010年
- ウ.2005年
- エ.2020年
正解:ア.2014年
解説:2014年の会社法改正で新設され(会社法2条11号の2)、翌2015年に施行された。監査役会設置会社より社外役員の人数負担を抑えつつ、指名委員会等設置会社ほど3委員会の設置を求めない中間的な選択肢として用意された形態である。
根拠: 会社法 第2条 (出典: e-Gov法令検索)
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問142.定款の絶対的記載事項として該当しないものはどれか。
- ア.目的
- イ.設立年月日
- ウ.本店所在地
- エ.商号
正解:イ.設立年月日
解説:絶対的記載事項:目的・商号・本店所在地・設立時出資財産・発起人氏名等(会社法27条)。設立年月日は登記事項。
根拠: 会社法 第27条 (出典: e-Gov法令検索)
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問143.公開会社において、株主代表訴訟(責任追及等の訴え)の提起を会社に請求できる株主の要件として、会社法の原則に照らし正しいものはどれか。
- ア.1年前から引き続き株式を有する株主
- イ.総株主の議決権の3%以上を有する株主
- ウ.6か月前から引き続き株式を有する株主
- エ.総株主の議決権の過半数を有する株主
正解:ウ.6か月前から引き続き株式を有する株主
解説:会社法847条1項により、公開会社では6か月(これを下回る期間を定款で定めればその期間)前から引き続き株式を有する株主が、会社に責任追及等の訴えの提起を請求でき、会社が請求の日から60日以内に提訴しないときは自ら提訴できる(同条3項)。議決権や持株数の割合の要件はないが、定款で単元未満株主を除くことができる(同条1項括弧書)。公開会社でない会社では保有期間の要件がない(同条2項)。議決権の3%以上の保有は、役員の解任の訴え(854条1項)などの要件である。
根拠: 会社法 第847条 (出典: e-Gov法令検索)
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問144.商人の定義として正しいのはどれか。
- ア.裁判所が認定した者
- イ.全ての事業者
- ウ.会社のみ
- エ.自己の名で商行為を業とする者
正解:エ.自己の名で商行為を業とする者
解説:商法4条1項の商人は、自己の名をもって商行為をすることを業とする者。「自己の名で」は権利義務の帰属主体になること、「業として」は営利目的で反復継続することを意味する。事業者であれば当然に商人になるわけではなく、裁判所の認定によるものでもない。なお会社は当然に商人として扱われる。
根拠: 商法 第4条 (出典: e-Gov法令検索)
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問145.合名会社の社員の責任として正しいのはどれか。
- ア.無限責任
- イ.有限責任のみ
- ウ.株主と同じ
- エ.責任なし
正解:ア.無限責任
解説:合名会社の社員は『無限責任』。合資会社は無限責任社員+有限責任社員、合同会社・株式会社は全員有限責任。
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問146.剰余金の配当を原則として決定する機関はどれか。
- ア.取締役会
- イ.株主総会
- ウ.監査役会
- エ.代表取締役
正解:イ.株主総会
解説:会社法454条1項により、剰余金の配当は、その都度、株主総会の決議で配当財産の種類や効力発生日などを定めるのが原則。会計監査人設置会社で取締役の任期が1年であるなど一定の要件を満たし、定款に定めた会社では取締役会で決めることもできる(459条1項)が、これは例外である。
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問147.会社法908条1項が定める商業登記の効力として正しいのはどれか。
- ア.登記すべき事項は、登記の後でなければ悪意の第三者にも対抗できない
- イ.登記すべき事項は、登記の前であっても善意の第三者に対抗できる
- ウ.登記すべき事項は、登記の後でなければ善意の第三者に対抗できない
- エ.登記すべき事項は、登記の後であれば、正当な事由の有無を問わず第三者に対抗できる
正解:ウ.登記すべき事項は、登記の後でなければ善意の第三者に対抗できない
解説:会社法908条1項前段により、登記すべき事項は、登記の後でなければ善意の第三者に対抗できない。登記の後は原則として第三者に対抗できるが、第三者が正当な事由によって登記があることを知らなかったときは対抗できない(同項後段)。取引の相手方が登記事項証明書で会社の代表者などを確かめられるようにする公示制度である。
根拠: 会社法 第908条 (出典: e-Gov法令検索)
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問148.新株発行の決議機関(公開会社)として正しいのはどれか。
- ア.株主総会のみ
- イ.会計監査人
- ウ.代表取締役単独
- エ.取締役会
正解:エ.取締役会
解説:公開会社の新株発行は『取締役会』決議(特に有利発行の場合等は株主総会特別決議)。
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問149.合併などの組織再編に原則として必要な決議はどれか。
- ア.株主総会の特別決議
- イ.株主総会の普通決議
- ウ.取締役会の決議
- エ.監査役会の決議
正解:ア.株主総会の特別決議
解説:合併・会社分割・株式交換・株式移転などは会社の基礎に重大な変更をもたらすため、原則として株主総会の特別決議(会社法309条2項12号)による承認が必要。ただし、公開会社が合併で消滅し、その株主に譲渡制限株式等が交付される場合などは、より重い特殊決議が必要になり(309条3項2号)、逆に簡易・略式の組織再編では株主総会の決議を省略できる。
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問150.取締役の善管注意義務の根拠として正しいのはどれか。
- ア.会社法90条
- イ.会社法330条(民法644条適用)
- ウ.会社法100条
- エ.商法1条
正解:イ.会社法330条(民法644条適用)
解説:取締役の善管注意義務=会社法330条(民法644条適用)。忠実義務は会社法355条。
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問151.日本の法体系は憲法を最高法規とし、法律・命令・条例の順に効力の優先順位がある。
正解:○(正しい)
解説:正しい。憲法98条で憲法を国の最高法規と規定。「命令」は行政機関が定める政令・省令などの総称(政令>省令)で、効力の順位は憲法>法律>命令(政令・省令)>条例。条例は法令(法律・命令)に違反できない(地方自治法14条1項)。
根拠: 地方自治法 第14条 / 日本国憲法 第98条 (出典: e-Gov法令検索)
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問152.民法は私法の一般法で、企業間取引にも個人間取引にも適用される。
正解:○(正しい)
解説:民法は市民生活全般のルールを定める私法の一般法で、企業間の取引にも当然に適用される。ただし商取引には迅速性・専門性が求められるため商法が特別法として置かれ、商事については商法が優先し、商法に定めがなければ商慣習、それもなければ民法による(商法1条2項)。
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問153.商法は民法の特別法で、商事取引には商法が優先適用される。
正解:○(正しい)
解説:特別法優先原則。例:商人間の売買における買主の検査・通知義務(商法526条)など。なお商事債権の5年の特別時効(旧商法522条)は2020年改正で廃止され消滅時効は民法166条に一元化された。
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問154.契約は申込みと承諾の意思表示の合致により成立する。
正解:○(正しい)
解説:民法522条1項。契約は申込みに対して相手方が承諾したときに成立し、原則として書面などの方式は不要(同条2項=方式の自由)。ただし保証契約(446条2項)のように、慎重な判断を求めるため例外的に書面を要求する契約もある。
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問155.契約自由の原則には『契約締結の自由・相手方選択の自由・内容決定の自由・方式の自由』の4つがある。
正解:○(正しい)
解説:締結するかどうかの自由、誰と結ぶかの自由、内容をどう定めるかの自由、どんな方式で結ぶかの自由の4つ(民法521条・522条2項で明文化)。ただし無制限ではなく、公序良俗に反する契約(90条)や強行法規に反する契約は無効となり、消費者契約法・借地借家法・労働法などによる修正も受ける。
根拠: 民法 第90条 (出典: e-Gov法令検索)
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問156.意思表示は表意者の真意と異なる場合、心裡留保・錯誤・詐欺・強迫により無効や取消の対象となる。
正解:○(正しい)
解説:心裡留保(93条)=本心でないと知りつつする意思表示、錯誤(95条)=重要な点についての勘違い、詐欺・強迫(96条)=欺かれ、あるいは脅されてした意思表示。錯誤・詐欺・強迫は取消し、心裡留保は相手方が悪意・有過失のとき無効となる。表示どおりの効果を認めると表意者に酷だから効力を否定する仕組み。
根拠: 民法 第93条 (出典: e-Gov法令検索)
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問157.錯誤による意思表示は、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであれば、原則として取り消すことができる。
正解:○(正しい)
解説:正しい。民法95条1項により、重要な錯誤に基づく意思表示は取り消すことができる(2020年改正で無効から取消しに変更)。ただし、法律行為の基礎とした事情についての錯誤(動機の錯誤)は、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限られ(同条2項)、表意者に重大な過失があれば、相手方が錯誤を知っていた場合などを除き取り消せない(同条3項)。
根拠: 民法 第95条 (出典: e-Gov法令検索)
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問158.詐欺による意思表示は取消すことができる(民法96条)。
正解:○(正しい)
解説:民法96条1項により取り消すことができる(無効ではなく取消しなので、取り消すまでは有効)。ただし同条3項により、詐欺による取消しは善意無過失の第三者に対抗できない。だまされた側にも落ち度があるためで、落ち度のない強迫による取消しが第三者にも対抗できるのと対照的。
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問159.未成年者(18歳未満の者)が法定代理人の同意を得ずにした法律行為は、原則として取り消すことができる。
正解:○(正しい)
解説:正しい。民法4条により成年は18歳(2022年4月施行の改正で20歳から引下げ)。未成年者が法定代理人の同意を得ずにした法律行為は取り消すことができる(5条1項・2項)。ただし、単に権利を得または義務を免れる行為(5条1項ただし書)、処分を許された財産の処分(5条3項)、営業を許された場合のその営業に関する行為(6条1項)は取り消せない。
根拠: 民法 第5条 (出典: e-Gov法令検索)
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問160.代理は本人のためにすることを示して代理人が行う法律行為で、効果は本人に帰属する。
正解:○(正しい)
解説:民法99条。代理人が「本人のためにすることを示して」(顕名)代理権の範囲内でした意思表示は、直接本人に効果が帰属する。顕名がなければ原則として代理人自身のためにした行為とみなされる(100条)。本人は代理制度によって活動範囲を広げられる。
根拠: 民法 第99条 (出典: e-Gov法令検索)
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問161.表見代理は、代理権がない者の行為でも一定要件下で本人に効果を帰属させる制度である。
正解:○(正しい)
解説:民法109条(代理権授与の表示)・110条(権限外の行為)・112条(代理権消滅後の行為)の3類型。本来は無権代理で本人に効果は及ばないが、本人に帰責性があり、相手方が代理権の存在を信じたことに正当な理由がある場合には、取引の安全を守るため本人に効果を帰属させる。
根拠: 民法 第109条 (出典: e-Gov法令検索)
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問162.時効には『取得時効』と『消滅時効』の2種類がある。
正解:○(正しい)
解説:取得時効は一定期間の占有などにより権利を取得する制度(162条以下)、消滅時効は権利を行使しないまま期間が経過して権利が消滅する制度(166条以下)。長く続いた事実状態を保護し、時の経過による立証困難を避けることが趣旨。いずれも当事者が援用しなければ裁判所は時効を前提に判断できない(145条)。「援用」とは、時効の完成によって利益を受ける者が「時効が完成したので、その利益を受ける」と相手方に主張する意思表示のことをいう。
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問163.2020年4月施行の改正民法のもとで、債権は、原則として、権利を行使できることを知った時から5年、または権利を行使できる時から10年行使しないときに時効によって消滅する。
正解:○(正しい)
解説:正しい。民法166条1項により、債権は権利を行使できることを知った時から5年(1号)、または権利を行使できる時から10年(2号)行使しないときに時効消滅する。ただし人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権は、10年が20年に延ばされる(167条)。改正前の職業別の短期消滅時効や商事時効(旧商法522条)は廃止された。
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問164.不法行為による損害賠償請求権の消滅時効は、人の生命・身体を害する場合を除き、損害および加害者を知った時から3年または不法行為の時から20年である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。民法724条により、被害者またはその法定代理人が損害および加害者を知った時から3年(1号)、不法行為の時から20年(2号)で時効消滅する。人の生命・身体を害する不法行為では、被害が重大で権利行使に時間がかかることから、3年が5年に延ばされている(724条の2)。
根拠: 民法 第724条 (出典: e-Gov法令検索)
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問165.契約の不履行(債務不履行)は『履行遅滞・履行不能・不完全履行』の3類型に分類される。
正解:○(正しい)
解説:履行遅滞=期限が来ても履行しない、履行不能=履行が不可能になった、不完全履行=履行はしたが内容が不完全、の3類型に整理される。いずれも民法415条により損害賠償請求の対象となり、類型に応じて解除に催告が必要かどうかなどの扱いが変わる。
根拠: 民法 第415条 (出典: e-Gov法令検索)
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問166.債務不履行があっても、その不履行が債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、債権者は原則として損害賠償を請求できない。
正解:○(正しい)
解説:正しい。民法415条1項ただし書により、契約その他の債務の発生原因および取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由による不履行であれば、債務者は損害賠償責任を負わない。つまり債務不履行責任は無過失責任ではない。ただし金銭債務の不履行については、不可抗力を抗弁にできない(419条3項)という例外がある。
根拠: 民法 第415条 (出典: e-Gov法令検索)
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問167.契約解除は債務不履行があった場合に相手方が一方的に契約関係を解消する権利である。
正解:○(正しい)
解説:民法541条により、相当の期間を定めて催告してもなお履行がなければ解除できる(催告解除)。履行不能や履行拒絶が明確な場合など催告が無意味なときは、催告なしに解除できる(542条・無催告解除)。2020年改正で、解除に債務者の帰責事由は不要であることが明確化された。
根拠: 民法 第541条 (出典: e-Gov法令検索)
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問168.保証契約は書面でしなければ効力を生じない(民法446条2項)。
正解:○(正しい)
解説:民法446条2項。保証は他人の債務のために自分の財産を差し出す重い約束であり、情義に流されて安易に結ばれることを防ぐため、書面(電磁的記録を含む)でしなければ効力を生じない要式契約とされている。連帯保証も同じ。
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問169.売買契約では、目的物の引渡しと代金の支払いが同時履行の関係にある。
正解:○(正しい)
解説:民法533条(同時履行の抗弁権)。双務契約の本質的特徴で、自己の履行と引換えに相手の履行を拒める権利。
根拠: 民法 第533条 (出典: e-Gov法令検索)
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問170.売買の目的物に契約不適合がある場合、買主は修補・代替物・代金減額・損害賠償・解除を請求できる。
正解:○(正しい)
解説:民法562条以下。引き渡された目的物が種類・品質・数量について契約の内容に適合しない場合、買主は追完請求(修補・代替物・不足分の引渡し)、代金減額請求、損害賠償請求、契約の解除ができる。2020年改正で、法定責任と説明されていた瑕疵担保責任から、契約内容との適合性を問う債務不履行責任として再構成された。
根拠: 民法 第562条 (出典: e-Gov法令検索)
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問171.賃貸借契約は、賃貸人が物を使用させ、賃借人が賃料を支払う双務契約である。
正解:○(正しい)
解説:民法601条。賃貸人が物を使用収益させ、賃借人が賃料を支払って契約終了時に返還することを約する契約で、双方が対価的な義務を負う双務契約。継続的契約の代表例であり、建物や土地の賃貸借には賃借人保護のため借地借家法という特別法が優先適用される。
根拠: 民法 第601条 (出典: e-Gov法令検索)
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問172.請負契約は仕事の完成を目的とし、報酬の支払いと結果に対する責任を伴う契約である。
正解:○(正しい)
解説:民法632条。仕事の完成に対して報酬が支払われる契約で、完成しなければ原則として報酬を請求できない点が、事務処理そのものを目的とする委任と決定的に異なる。完成した仕事に契約不適合があれば、注文者は追完・報酬減額・損害賠償・解除を求めうる。
根拠: 民法 第632条 (出典: e-Gov法令検索)
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問173.委任契約は法律行為や事務処理を委託する契約で、原則として受任者は無償である(民法648条)。
正解:○(正しい)
解説:民法648条1項は、特約がなければ受任者は報酬を請求できないと定める。委任はもともと信頼関係に基づく事務処理として想定されていたため。もっとも商人がその営業の範囲内で他人のために行為をしたときは相当の報酬を請求でき(商法512条)、弁護士等への委任も報酬の特約を結ぶのが通常なので、実際には有償が一般的。
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問174.債権譲渡は債権者が第三者に債権を移転する行為で、債務者への通知または承諾で対抗要件を備える。
正解:○(正しい)
解説:民法467条。譲渡人から債務者への通知、または債務者の承諾があれば債務者に対抗でき、それが確定日付のある証書によってされていれば債務者以外の第三者にも対抗できる。二重譲渡が起きたときにどちらが優先するかを明確にするための仕組み。
根拠: 民法 第467条 (出典: e-Gov法令検索)
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問175.連帯債務では、債権者は連帯債務者の誰に対しても全額の履行を請求できる。
正解:○(正しい)
解説:民法436条。債権者は連帯債務者の1人に対しても、同時にまたは順次に全員に対しても、全部または一部の履行を請求できる。誰からでも回収できるので債権の担保力が高まる。弁済した債務者は、他の債務者に対しその負担部分に応じて求償できる(442条)。
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問176.保証人は主たる債務者が履行しない場合に責任を負うが、催告の抗弁権・検索の抗弁権を有する。
正解:○(正しい)
解説:催告の抗弁権(民法452条)=まず主たる債務者に請求するよう求められる権利、検索の抗弁権(453条)=主たる債務者に弁済の資力がありかつ執行が容易であることを証明して、先に主債務者の財産に執行するよう求められる権利。保証債務が主債務に対して補充的であることの表れで、連帯保証にはこれらがない。
根拠: 民法 第452条 (出典: e-Gov法令検索)
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問177.連帯保証は保証人に催告の抗弁権・検索の抗弁権がなく、連帯債務に近い責任を負う。
正解:○(正しい)
解説:民法454条により、連帯保証人には催告の抗弁権も検索の抗弁権もない。したがって債権者は主たる債務者を飛ばして、いきなり連帯保証人に全額を請求できる。なお商行為によって生じた債務の保証は連帯保証となる(商法511条2項)ため、企業取引の保証は連帯保証であることが多い。
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問178.日本の法体系では法律より条例の方が優先される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。憲法94条は条例を「法律の範囲内で」制定できると定めており、効力の順位は憲法>法律>政令>省令>条例。法律に反する条例は効力を持たない。
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問179.商法は民法の一般法である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。逆で、民法が私法の一般法、商法が商事についての特別法。特別法は一般法に優先するので商事にはまず商法が適用され、商法に定めがなければ商慣習、それもなければ民法による(商法1条2項)。
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問180.契約は申込みのみで成立し、承諾は不要である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。契約は申込みと承諾という2つの意思表示の合致によって成立する(民法522条1項)。一方の意思表示だけで相手を拘束できるとすれば私的自治の原則に反するため、承諾が不可欠である。
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問181.契約自由の原則は無制限である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。公序良俗違反(民法90条)・強行法規違反は無効。労働法等の保護規定もあり。
根拠: 民法 第90条 (出典: e-Gov法令検索)
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問182.未成年者が法定代理人の同意を得ずにした法律行為は、確定的に有効であり、取り消すことはできない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。未成年者が法律行為をするには法定代理人の同意が必要で、同意を得ずにした法律行為は取り消すことができる(民法5条1項・2項)。取り消すまでは有効だが、取り消されると初めから無効であったものとみなされる(同法121条)ので、確定的に有効とはいえない。ただし、単に権利を得または義務を免れる法律行為(5条1項ただし書)、法定代理人が処分を許した財産の処分(5条3項。目的を定めて許した場合はその目的の範囲内)、営業を許された未成年者のその営業に関する行為(6条1項)は、同意がなくても取り消せない。
根拠: 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第5条 (出典: e-Gov法令検索)
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問183.代理人の行為の効果は代理人自身に帰属する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。代理人が本人のためにすることを示して代理権の範囲内でした行為の効果は、直接本人に帰属する(民法99条・顕名主義)。顕名がなかった場合に例外的に代理人自身のための行為とみなされる(100条)にすぎない。
根拠: 民法 第99条 (出典: e-Gov法令検索)
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問184.時効の種類は消滅時効のみである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。時効には『取得時効』と『消滅時効』の2種類がある。取得時効は一定期間の占有などによって権利を取得する制度(民法162条以下)、消滅時効は権利を行使しないまま期間が経過して権利が消滅する制度(166条以下)で、権利が生まれる向きと消える向きで逆になる。両者とも、期間が経過しただけでは足りず当事者の援用が必要になる点は共通する(145条)。「援用」とは、時効の完成によって利益を受ける者が「時効が完成したので、その利益を受ける」と相手方に主張する意思表示のことをいう。
根拠: 民法 第145条 (出典: e-Gov法令検索)
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問185.債権の消滅時効は権利行使可能時から30年である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。2020年改正で『知った時から5年、権利行使可能時から10年』のいずれか早い方。
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問186.債務不履行で損害賠償請求するには債務者の故意のみが要件である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。債務不履行責任は故意に限られず過失でも生じる。逆に民法415条1項ただし書により、契約や取引上の社会通念に照らして債務者に帰責事由がないといえる場合は免責される。故意だけを要件とすると責任がほとんど成立しなくなってしまう。
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問187.保証契約は口頭でも有効である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。保証契約は書面(または電磁的記録)でしなければ効力を生じない(民法446条2項・3項)。他人の債務を肩代わりする重い約束を、情義に流されて口約束で負うことを防ぐための要式性である。
根拠: 民法 第446条 (出典: e-Gov法令検索)
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問188.売買契約では引渡しと代金支払いは別個に履行する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。双務契約では、相手方が債務の履行を提供するまで自分の履行を拒める同時履行の抗弁権が認められる(民法533条)。売買では引渡しと代金支払いが原則として同時履行の関係に立ち、先に履行した側だけが取りはぐれる不公平を防いでいる。
根拠: 民法 第533条 (出典: e-Gov法令検索)
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問189.契約不適合責任は2020年改正後も『瑕疵担保責任』と呼ばれる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。2020年改正で『瑕疵担保責任→契約不適合責任』に名称変更(民法562条以下)。
根拠: 民法 第562条 (出典: e-Gov法令検索)
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問190.賃貸借契約の借主は賃料を支払う義務がない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。賃料の支払いは賃借人の中心的な義務であり、これがあるからこそ賃貸借は有償・双務の契約になる(民法601条)。賃料の不払いが続いて信頼関係が破壊されたと評価されれば、契約解除の理由になる。
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問191.請負契約は仕事の完成が目的ではない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。請負は仕事の完成を目的とする契約(民法632条)。事務処理そのものを目的とするのが委任(643条)であり、完成が必要かどうかが両者を分ける最大の違いになる。
根拠: 民法 第632条 (出典: e-Gov法令検索)
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問192.委任契約は常に有償である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。民法648条1項は特約がなければ報酬を請求できないとしており、民法上は無償が原則。ただし商人が営業の範囲内で行為をしたときは相当の報酬を請求でき(商法512条)、実務では報酬の特約を結ぶのが通常なので有償が一般的というだけである。
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問193.債権譲渡は債務者の同意なしには絶対に行えない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。債権は、債務者の同意がなくても、債権者(譲渡人)と譲受人の合意で譲り渡すことができる(民法466条1項。ただし、債権の性質が譲渡を許さないときは譲り渡せない)。債務者に対抗するには、譲渡人から債務者への通知か、債務者の承諾が必要である(同467条1項)。債務者以外の第三者に対抗するには、その通知または承諾を確定日付のある証書で行う必要がある(同条2項)。当事者が譲渡を禁止・制限する特約をしていても、2020年4月施行の改正民法では譲渡の効力は妨げられない(同466条2項)。ただし、特約を知っていた、または重大な過失で知らなかった譲受人に対しては、債務者は履行を拒むことができる(同条3項)。
根拠: 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第466条 / 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第467条 (出典: e-Gov法令検索)
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問194.連帯債務では各債務者が分割した金額のみ責任を負う。
正解:×(誤り)
解説:誤り。連帯債務では各債務者がそれぞれ債務の全額について責任を負い、債権者は誰に対しても全額を請求できる(民法436条)。分割されるのは債務者どうしの内部的な負担部分の話にすぎず、弁済した者は他の債務者に求償できる(442条)。
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問195.連帯保証人は催告の抗弁権を有する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。連帯保証人には催告の抗弁権も検索の抗弁権も認められない(民法454条)。だからこそ債権者は主たる債務者の資力を問わず、いきなり連帯保証人へ全額を請求できる。
根拠: 民法 第454条 (出典: e-Gov法令検索)
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問196.錯誤による意思表示は常に無効である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。2020年改正で『無効→取消』に変更(民法95条)。表意者に重大な過失がある場合は取消不可。
根拠: 民法 第95条 (出典: e-Gov法令検索)
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問197.不法行為の損害賠償請求権の消滅時効は1年である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。損害および加害者を知った時から3年、不法行為時から20年(民法724条)。生命・身体侵害は5年。
根拠: 民法 第724条 (出典: e-Gov法令検索)
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問198.契約解除には常に催告が必要である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。原則催告必要だが、定期行為(民法542条1項4号)・履行不能等の場合は催告不要で即時解除可。
根拠: 民法 第542条 (出典: e-Gov法令検索)
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問199.民法は強行法規のみで構成されている。
正解:×(誤り)
解説:誤り。民法は任意法規が中心。当事者間で異なる合意があれば民法規定に優先する。強行法規(公序良俗関連等)は例外。
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問200.代理権限を超えた代理行為は常に本人に効果が帰属する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。代理権限内なら本人に帰属、超えた場合は無権代理。ただし表見代理が成立すれば本人に帰属(民法110条等)。
根拠: 民法 第110条 (出典: e-Gov法令検索)
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問201.債権譲渡禁止特約は2020年改正後も絶対的に有効である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。2020年改正により、譲渡制限特約が付いていても債権譲渡自体は有効となった(民法466条2項)。ただし譲受人が特約につき悪意または重過失の場合は、債務者はその譲受人への履行を拒み、譲渡人へ弁済等ができる(同条3項)。『譲渡が無効になる』のではない点が改正の核心。
根拠: 民法 第466条 (出典: e-Gov法令検索)
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問202.保証人は主たる債務が消滅しても保証債務を負い続ける。
正解:×(誤り)
解説:誤り。保証債務には付従性があり、主たる債務が弁済や時効などで消滅すれば保証債務も当然に消滅する。保証はあくまで主債務の履行を担保するためのものだから。主債務より重い保証債務を負わないこと(民法448条)も付従性の表れである。
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問203.時効は当事者が主張しなくても裁判所が自動的に判断する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。民法145条は「時効は、当事者……が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない」と定めており、期間の経過だけでは裁判所は時効を判断の前提にできない。「援用」とは、時効の完成によって利益を受ける者が「時効が完成したので、その利益を受ける」と相手方に主張する意思表示のことをいう。したがって、消滅時効が完成していても、債務者が援用しなければ裁判所は請求を認容する。趣旨は、借りたものは返すという当事者の意思を尊重し、時効の利益を受けるかどうかを本人の判断に委ねる点にある。なお消滅時効では、債務者本人だけでなく保証人・物上保証人・第三取得者など「権利の消滅について正当な利益を有する者」も援用できる(145条かっこ書)。
根拠: 民法 第145条 (出典: e-Gov法令検索)
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問204.日本の法体系で最も効力が高いものはどれか。
- ア.法律
- イ.条例
- ウ.憲法
- エ.政令
正解:ウ.憲法
解説:憲法98条1項が憲法を最高法規と定め、これに反する法律・命令などは効力を有しないとしている。効力の順位は憲法>法律>政令>省令>条例で、条例は法律の範囲内でのみ制定できる(憲法94条)。
根拠: 日本国憲法 第98条 (出典: e-Gov法令検索)
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問205.民法と商法の関係として正しいのはどれか。
- ア.商法が一般法、民法が特別法
- イ.民法が憲法と同位
- ウ.両者は同位
- エ.民法が一般法、商法が特別法
正解:エ.民法が一般法、商法が特別法
解説:民法が私法の一般法、商法が商事取引の特別法。特別法優先原則で商事には商法が適用。
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問206.契約成立の要件として正しいのはどれか。
- ア.申込みと承諾の意思表示の合致
- イ.承諾のみ
- ウ.申込みのみ
- エ.公正証書の作成
正解:ア.申込みと承諾の意思表示の合致
解説:民法522条1項により、申込みに対して相手方が承諾したときに成立する。同条2項は方式の自由を定めており、書面や公正証書は原則として不要。申込みだけ、あるいは承諾だけでは意思表示が合致していないので契約は成立しない。
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問207.契約自由の原則の4つに含まれないものはどれか。
- ア.契約締結の自由
- イ.遵守義務の自由
- ウ.内容決定の自由
- エ.相手方選択の自由
正解:イ.遵守義務の自由
解説:契約自由の原則は、締結の自由・相手方選択の自由・内容決定の自由・方式の自由の4つ。いったん有効に契約が成立すれば当事者はそれに拘束されるので、「守るかどうかの自由」は存在しない。むしろ約束を守らせることこそ契約法の目的である。
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問208.民法上の未成年者(18歳未満の者)の法律行為について正しいのはどれか。
- ア.法定代理人の同意を得ずにした行為は、原則として無効である
- イ.法定代理人の同意を得ずにした行為は、原則として取り消すことができる
- ウ.法定代理人の同意を得ずにした行為でも、取り消すことはできない
- エ.法定代理人の同意を得ずにした行為は、法定代理人に限り取り消すことができる
正解:イ.法定代理人の同意を得ずにした行為は、原則として取り消すことができる
解説:民法4条により18歳未満が未成年者で、法定代理人の同意を得ない法律行為は取り消すことができる(5条1項・2項)。無効ではないので、取り消すまでは有効である。取り消せるのは法定代理人に限られず、未成年者本人も取り消せる(120条1項)。単に権利を得または義務を免れる行為や、処分を許された財産の処分などは例外として取り消せない。
根拠: 民法 第5条 (出典: e-Gov法令検索)
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問209.代理の効果帰属について正しいのはどれか。
- ア.効果は代理人に帰属
- イ.効果は契約相手に帰属
- ウ.効果は誰にも帰属しない
- エ.効果は本人に帰属
正解:エ.効果は本人に帰属
解説:民法99条。代理人が本人のためにすることを示して代理権の範囲内でした行為の効果は、代理人ではなく直接本人に帰属する。これが顕名主義であり、本人は代理人を用いて活動範囲を広げることができる。
根拠: 民法 第99条 (出典: e-Gov法令検索)
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問210.表見代理が成立する例として該当しないものはどれか。
- ア.民法117条(無権代理人の責任)
- イ.民法110条(権限超越)
- ウ.民法112条(代理権消滅後)
- エ.民法109条(代理権授与表示)
正解:ア.民法117条(無権代理人の責任)
解説:表見代理は民法109条(代理権授与の表示)・110条(権限外の行為)・112条(代理権消滅後の行為)の3類型。117条は、代理権を証明できず本人の追認も得られない無権代理人が、相手方の選択に従い履行または損害賠償の責任を負うとする規定で、本人に効果を帰属させる表見代理とは別の制度である。
根拠: 民法 第90条 (出典: e-Gov法令検索)
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問211.2020年4月施行の改正民法のもとで、債権の消滅時効の原則として正しいのはどれか。
- ア.権利を行使できることを知った時から3年、または権利を行使できる時から20年
- イ.権利を行使できることを知った時から5年、または権利を行使できる時から10年
- ウ.権利を行使できることを知った時から1年、または権利を行使できる時から5年
- エ.権利を行使できることを知った時から10年、または権利を行使できる時から20年
正解:イ.権利を行使できることを知った時から5年、または権利を行使できる時から10年
解説:民法166条1項により、債権は権利を行使できることを知った時から5年、または権利を行使できる時から10年行使しないと時効消滅する(どちらか先に満了した時点で消滅)。3年・20年は不法行為による損害賠償請求権(724条)の期間で、混同しやすい。人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権は、10年が20年に延ばされる(167条)。
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問212.不法行為による損害賠償請求権(人の生命・身体を害するものを除く)の消滅時効として正しいのはどれか。
- ア.損害および加害者を知った時から5年、または不法行為の時から10年
- イ.損害および加害者を知った時から1年、または不法行為の時から10年
- ウ.損害および加害者を知った時から3年、または不法行為の時から20年
- エ.損害および加害者を知った時から3年、または不法行為の時から10年
正解:ウ.損害および加害者を知った時から3年、または不法行為の時から20年
解説:民法724条により、被害者またはその法定代理人が損害および加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年で時効消滅する。人の生命・身体を害する不法行為では3年が5年に延ばされる(724条の2)。5年・10年は債権一般の消滅時効(166条1項)の期間なので区別する。
根拠: 民法 第724条 (出典: e-Gov法令検索)
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問213.債務不履行の3類型として該当しないものはどれか。
- ア.履行遅滞
- イ.履行不能
- ウ.不完全履行
- エ.契約締結拒否
正解:エ.契約締結拒否
解説:債務不履行3類型:遅滞・不能・不完全履行。契約締結拒否は債務不履行ではなく契約成立段階の問題。
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問214.保証契約の成立要件として正しいのはどれか。
- ア.書面が必要
- イ.口頭で足りる
- ウ.公正証書が必要
- エ.常に裁判所の許可が必要
正解:ア.書面が必要
解説:民法446条2項により、書面(電磁的記録を含む)が必要な要式契約。他人の債務を肩代わりする重い約束を情義的に負うことを防ぐ趣旨で、口頭では効力を生じない。公正証書まで求められるのは事業用融資の個人保証など特殊な場合に限られ、裁判所の許可は不要。
根拠: 民法 第446条 (出典: e-Gov法令検索)
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問215.売買契約の同時履行の抗弁権の根拠条文として正しいのはどれか。
- ア.民法90条
- イ.民法533条
- ウ.民法415条
- エ.民法724条
正解:イ.民法533条
解説:民法533条が同時履行の抗弁権を定める。90条は公序良俗違反の無効、415条は債務不履行による損害賠償、724条は不法行為の消滅時効の規定であり、いずれも同時履行とは関係がない。
根拠: 民法 第533条 (出典: e-Gov法令検索)
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問216.契約不適合責任(2020年改正後)の権利として該当しないものはどれか。
- ア.修補請求
- イ.代金減額請求
- ウ.懲罰的賠償請求
- エ.損害賠償請求
正解:ウ.懲罰的賠償請求
解説:民法562条以下:修補・代替物・代金減額・損害賠償・解除。懲罰的賠償は日本法に原則なし。
根拠: 民法 第562条 (出典: e-Gov法令検索)
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問217.請負契約の目的として正しいのはどれか。
- ア.事務処理
- イ.金銭の貸付
- ウ.物の使用
- エ.仕事の完成
正解:エ.仕事の完成
解説:民法632条により請負は仕事の完成を目的とする。事務処理は委任(643条)、物の使用は賃貸借(601条)、金銭の貸付は消費貸借(587条)で、それぞれ別の典型契約として整理されている。
根拠: 民法 第632条 (出典: e-Gov法令検索)
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問218.連帯保証と通常の保証の違いとして正しいのはどれか。
- ア.連帯保証には催告・検索の抗弁権なし
- イ.通常保証には催告の抗弁権がない
- ウ.連帯保証には催告の抗弁権がある
- エ.両者の違いはない
正解:ア.連帯保証には催告・検索の抗弁権なし
解説:通常の保証人は催告の抗弁権(民法452条)と検索の抗弁権(453条)を持ち、まず主たる債務者に請求・執行するよう求められる。連帯保証人にはこれらがない(454条)ため、債権者はいきなり全額を請求でき、担保としての力が強い。
根拠: 民法 第454条 (出典: e-Gov法令検索)
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問219.債権譲渡の対抗要件として正しいのはどれか。
- ア.債務者の同意
- イ.債務者への通知または承諾
- ウ.公正証書の作成
- エ.裁判所の許可
正解:イ.債務者への通知または承諾
解説:民法467条により、譲渡人から債務者への通知または債務者の承諾が対抗要件。債務者の「同意」は要件ではなく、譲渡自体は債務者の意思にかかわらず有効にできる。債務者以外の第三者に対抗するには、確定日付のある証書による必要がある。
根拠: 民法 第467条 (出典: e-Gov法令検索)
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問220.時効の援用について正しいのはどれか。
- ア.援用不要・裁判所が自動判断
- イ.援用は禁止
- ウ.当事者の援用が必要
- エ.援用は強行法規違反
正解:ウ.当事者の援用が必要
解説:「援用」とは、時効の完成によって利益を受ける者が「時効が完成したので、その利益を受ける」と相手方に主張する意思表示のことをいう。民法145条は「時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない」と定めており、期間が経過しただけでは裁判所は時効を判断の前提にできない。したがって「当事者の援用が必要」が正しい。趣旨は、借りたものは返すという当事者の意思を尊重し、時効の利益を受けるかどうかを本人の判断に委ねる点にある。消滅時効が完成していても「それでも支払う」という選択は本人に残されている。「援用不要・裁判所が自動判断」は145条が正面から否定している。「援用は禁止」「援用は強行法規違反」は、法が明文で認めている制度を禁止・違法とするもので誤り。なお、時効の利益をあらかじめ放棄することはできない(146条)が、これは援用を禁じる規定ではなく、債権者が優越的な立場を利用して事前に放棄させることを防ぐためのものである。
根拠: 民法 第145条 (出典: e-Gov法令検索)
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問221.民法上、原則として無効とされる意思表示はどれか。
- ア.心裡留保による意思表示
- イ.錯誤による意思表示
- ウ.詐欺による意思表示
- エ.虚偽表示による意思表示
正解:エ.虚偽表示による意思表示
解説:相手方と通じてした虚偽の意思表示(虚偽表示)は無効で、その無効は善意の第三者に対抗できない(民法94条)。心裡留保による意思表示は原則として有効で、相手方が表意者の真意でないことを知り、または知ることができたときに限り無効となる(93条1項)。錯誤(重要なもの)による意思表示と詐欺による意思表示は、取り消すことができる(95条1項・96条1項)。
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問222.連帯債務で各債務者が負う責任として正しいのはどれか。
- ア.全額
- イ.分割した金額のみ
- ウ.債務者数で按分した金額
- エ.ゼロ
正解:ア.全額
解説:各債務者が債務の全額について責任を負い、債権者は誰に対しても全額を請求できる(民法436条)。頭数で按分されるのは債務者どうしの内部的な負担部分にすぎず、全額を弁済した者は他の債務者に負担部分に応じて求償できる(442条)。
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問223.契約解除で原則として必要な手続きはどれか。
- ア.即時解除
- イ.相当期間を定めた催告
- ウ.公正証書作成
- エ.裁判所の判決
正解:イ.相当期間を定めた催告
解説:民法541条:原則として相当期間を定めた催告が必要。履行不能・定期行為等は例外(催告不要)。
根拠: 民法 第541条 (出典: e-Gov法令検索)
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問224.民法における強行法規・任意法規の関係として正しいのはどれか。
- ア.民法は全て強行法規
- イ.民法は全て任意法規
- ウ.民法は任意法規中心・公序良俗等は強行法規
- エ.民法と公序良俗は無関係
正解:ウ.民法は任意法規中心・公序良俗等は強行法規
解説:民法の規定の多くは任意規定で、当事者が異なる合意をすればその合意が優先する(民法91条)。他方、公序良俗に反する法律行為を無効とする90条や、消費者・借家人・労働者を保護する規定などは強行法規であり、これに反する合意は無効になる。
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問225.民法上、所有の意思をもって平穏かつ公然と他人の物を占有した者が、占有の開始の時に善意・無過失であった場合、その物の所有権を時効取得するのに必要な占有の期間として正しいのはどれか。
- ア.5年
- イ.10年
- ウ.20年
- エ.30年
正解:イ.10年
解説:民法162条2項により、占有開始時に善意・無過失であれば10年間の占有で所有権を時効取得する。善意・無過失でない場合は20年間の占有が必要である(同条1項)。
根拠: 民法 第166条 (出典: e-Gov法令検索)
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問226.労働基準法は労働条件の最低基準を定めた法律で、これを下回る労使合意は無効である。
正解:○(正しい)
解説:労働基準法13条。労基法の基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分だけが無効となり、無効になった部分は労基法の基準がそのまま契約内容になる。労働者が合意していても無効になるのは、交渉力の差から不利な合意を強いられかねないためで、労基法が強行法規であることの表れ。
根拠: 労働基準法 第13条 (出典: e-Gov法令検索)
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問227.労働契約法は労働契約に関する民事的ルールを定めた法律で、2008年に施行された。
正解:○(正しい)
解説:2008年施行。労働契約の成立・変更・継続・終了に関する民事上のルールを定め、判例で確立していた解雇権濫用法理(16条)や就業規則の不利益変更の考え方を条文化した。行政監督と罰則で最低基準を守らせる労働基準法とは役割が異なり、両者は補い合う関係にある。
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問228.労働組合法は労働者の団結権・団体交渉権・争議権(労働三権)を保障する法律である。
正解:○(正しい)
解説:憲法28条が定める労働基本権(団結権・団体交渉権・団体行動権)を具体化する法律。労働組合に法人格や刑事・民事の免責を与えるとともに、組合員であることを理由とする不利益取扱いや団体交渉の正当な理由のない拒否などを不当労働行為として禁止し、労働委員会による救済を用意している。
根拠: 日本国憲法 第28条 (出典: e-Gov法令検索)
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問229.労働三法は労働基準法・労働組合法・労働関係調整法を指す。
正解:○(正しい)
解説:労働法の基本3法。労組法・労調法は集団的労働関係、労基法は個別的労働関係を規律。
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問230.雇用契約は労働者が労働を提供し使用者が賃金を支払う双務契約である。
正解:○(正しい)
解説:民法623条の雇用は、労働に従事することと報酬を支払うことが対価関係に立つ双務・有償契約。労働契約法はこれを「労働契約」として独自に定義し、使用者の指揮命令下で労働する実態に着目した保護規定を置いている。同じく仕事を頼む契約でも、完成を目的とする請負や事務処理を目的とする委任とは区別される。
根拠: 民法 第623条 (出典: e-Gov法令検索)
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問231.労働基準法では1日8時間・週40時間が法定労働時間である。
正解:○(正しい)
解説:労基法32条。1日8時間・1週40時間を超えて労働させてはならないのが原則で、これを超えるには36協定の締結・届出と割増賃金の支払いが必要になる。変形労働時間制やフレックスタイム制を導入すれば、一定期間を平均して枠内に収める形で柔軟に配分できる。
根拠: 労働基準法 第32条 (出典: e-Gov法令検索)
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問232.時間外労働には36協定(労使協定)の締結・届出が必要である。
正解:○(正しい)
解説:労基法36条。過半数労働組合または過半数代表者との労使協定を結び労働基準監督署へ届け出て、初めて法定労働時間を超える労働が適法になる。2019年からは罰則付きの上限が導入され、原則は月45時間・年360時間、特別条項を用いても年720時間などの枠を超えられない。
根拠: 労働基準法 第36条 (出典: e-Gov法令検索)
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問233.割増賃金は時間外(1.25倍)・深夜(1.25倍)・休日(1.35倍)の支払いが必要である。
正解:○(正しい)
解説:労基法37条。時間外+深夜は1.5倍、月60h超は1.5倍(中小企業も2023年4月から)。
根拠: 労働基準法 第37条 (出典: e-Gov法令検索)
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問234.有給休暇は労働者の権利で、6ヶ月継続勤務+8割以上出勤で10日付与される。
正解:○(正しい)
解説:労基法39条。雇入れから6か月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に10日付与され、以後は勤続年数に応じて増える(最大20日)。労働者が時季を指定して取得できるのが原則で、2019年からは年10日以上付与される者について、使用者が年5日を確実に取得させる義務も課されている。
根拠: 労働基準法 第39条 (出典: e-Gov法令検索)
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問235.育児休業は子が原則1歳になるまで取得可能で、男女問わず権利を有する。
正解:○(正しい)
解説:育児・介護休業法5条。原則として子が1歳に達するまで取得でき、男女を問わず労働者の権利として認められる。保育所に入所できないなどの事情があれば1歳6か月、さらに2歳まで延長できる。事業主は取得を理由とする不利益取扱いをしてはならない。
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問236.産後パパ育休(出生時育児休業)は、2022年10月に施行された改正育児・介護休業法で新設された制度である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。出生時育児休業(産後パパ育休)は、2021年に成立した改正育児・介護休業法(令和3年法律第58号)で新設され、2022年10月1日に施行された(育児・介護休業法9条の2)。子の出生後8週間以内に最大4週間まで、2回に分割して取得でき、通常の育児休業とは別枠で取得できる。労使協定があれば休業中に一定範囲で就業することもできる。
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問237.介護休業は93日まで取得可能で、対象家族1人につき3回まで分割取得可能である。
正解:○(正しい)
解説:育児・介護休業法11条。対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる。介護は育児と違って終期が読めないため、まとまった休みを一度に使い切るのではなく、介護の体制を整えるために分けて使うことが想定されている。
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問238.セクハラ・パワハラ・マタハラは事業主に防止措置義務が課せられている。
正解:○(正しい)
解説:セクシュアルハラスメントとマタニティハラスメントは男女雇用機会均等法・育児介護休業法、パワーハラスメントは労働施策総合推進法により、事業主に方針の明確化と周知、相談窓口の設置、事後の迅速・適切な対応などの雇用管理上の措置を講じる義務がある。防止措置は努力義務ではなく法的義務である点が重要。
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問239.パワハラ防止法は2020年6月(中小2022年4月)施行で、事業主に防止措置義務化された。
正解:○(正しい)
解説:労働施策総合推進法の改正により、大企業は2020年6月、中小企業は2022年4月から義務化された。職場のパワハラを「優越的な関係を背景とした言動」「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」「就業環境が害されるもの」の3要素で定義し、事業主に相談体制の整備などの措置を求めている。
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問240.解雇には正当な理由が必要で、客観的合理性・社会的相当性が要件である。
正解:○(正しい)
解説:労働契約法16条。客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇は、権利濫用として無効になる。長年の判例で確立した解雇権濫用法理を条文化したもので、使用者が理由さえ述べれば自由に解雇できるわけではないことを明確にしている。
根拠: 労働契約法 第16条 (出典: e-Gov法令検索)
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問241.整理解雇の有効性は、判例上、人員整理の必要性・解雇回避の努力・人選の合理性・解雇手続の妥当性の4つの観点から判断される。
正解:○(正しい)
解説:正しい。整理解雇は労働者に落ち度がないのに行われるため、この4点から有効性が判断される。かつては1つでも欠ければ解雇は無効とする考え方(4要件説)が有力だったが、近年は4点を考慮すべき要素として総合的に判断する考え方(4要素説)が有力とされる(厚生労働省「スタートアップ労働条件」Q&A)。
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問242.普通解雇には30日前の予告または30日分の予告手当が必要である。
正解:○(正しい)
解説:労基法20条。少なくとも30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならない。予告日数と手当は組み合わせることもでき、たとえば15日前に予告したうえで15日分の手当を支払う形でもよい。突然職を失う労働者に生活の準備期間を保障する趣旨。
根拠: 労働基準法 第20条 (出典: e-Gov法令検索)
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問243.懲戒解雇は労働者の重大な非違行為に対する制裁的解雇で、就業規則の規定が必要である。
正解:○(正しい)
解説:懲戒処分は企業秩序違反に対する制裁なので、あらかじめ就業規則に懲戒の種類と事由を定めて周知しておくことが必要(労基法89条9号)。加えて処分が重すぎないかも問われる。なお予告手当なしの即時解雇には、労働者の責めに帰すべき事由についての労働基準監督署長の除外認定が必要になる。
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問244.有期雇用契約は契約期間中はやむを得ない事由がなければ解雇できない。
正解:○(正しい)
解説:労働契約法17条1項。期間の定めがある契約は当事者がその期間の就労を約束したものなので、期間途中の解雇は「やむを得ない事由」がある場合に限られ、無期契約の解雇より厳しく制限される。裏を返せば労働者も原則として期間途中に自由に辞められない。
根拠: 労働契約法 第17条 (出典: e-Gov法令検索)
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問245.無期転換ルールは有期労働者が通算5年超で無期契約に転換できる制度である。
正解:○(正しい)
解説:労働契約法18条。2013年4月から施行され、同一の使用者との有期労働契約が通算5年を超えて更新された労働者は、申込みをすれば期間の定めのない契約に転換できる。使用者はこの申込みを拒めない(承諾したものとみなされる)ため、有期契約の濫用的な反復更新を抑える仕組みになっている。
根拠: 労働契約法 第18条 (出典: e-Gov法令検索)
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問246.同一労働同一賃金は2020年4月施行のパートタイム・有期雇用労働法により規定された。
正解:○(正しい)
解説:パートタイム・有期雇用労働法により2020年4月(中小企業は2021年4月)から施行。通常の労働者との間で、基本給・賞与・手当などについて不合理な待遇差を設けることを禁止し、労働者から求められたときは待遇差の内容と理由を説明する義務も課している。
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問247.民事訴訟は私人間の権利関係を解決する裁判手続である。
正解:○(正しい)
解説:私人間の権利義務をめぐる争いについて、裁判所が当事者の主張と証拠に基づいて判断し、判決という形で強制的に解決する手続。判決が確定すれば強制執行によって実現できる点が、当事者の合意に依存する和解・調停との違い。犯罪について国家が刑罰を科す刑事訴訟とは目的も手続も異なる。
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問248.和解は当事者の合意により紛争を解決する方法で、訴訟内・訴訟外で行える。
正解:○(正しい)
解説:正しい。和解は当事者が互いに譲歩して争いをやめる契約である(民法695条)。裁判外でも自由に行えるが、訴訟中に裁判所で成立した訴訟上の和解は、裁判所書記官が電子調書を作成してファイルに記録すると確定判決と同一の効力を持つ(民事訴訟法267条1項。2026年5月21日施行の改正前は「調書に記載したとき」)。そのため、そのまま強制執行の基礎にできる。
根拠: 民法 第695条 / 民事訴訟法 第267条 / 民事訴訟法(e-Gov 法令API v2 で2026-05-20時点と2026-05-22時点の267条を比較) 旧267条「和解…を調書に記載したときは、その記載は、確定判決と同一の効力を有する」→新267条1項 (出典: e-Gov法令検索)
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問249.調停は第三者(調停委員)の仲介で当事者の合意による解決を図る制度である。
正解:○(正しい)
解説:民事調停法・家事事件手続法に基づき、裁判官と調停委員からなる調停委員会が間に入って話し合いによる解決を目指す手続。非公開で費用が安く、法律の枠にとらわれない柔軟な解決ができる。成立した調停調書は確定判決と同一の効力を持つが、合意に至らなければ不成立となる。
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問250.仲裁は当事者が第三者(仲裁人)の判断に従う合意による紛争解決手続である。
正解:○(正しい)
解説:当事者が仲裁合意によりあらかじめ第三者(仲裁人)の判断に従うと決めておき、その判断で紛争を終局的に解決する手続(仲裁法)。仲裁判断は確定判決と同一の効力を持ち、原則として上訴できない。非公開で専門家を仲裁人に選べ、ニューヨーク条約により外国での執行がしやすいため、国際商事紛争で多用される。
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問251.国際取引では準拠法・裁判管轄・仲裁条項の規定が重要である。
正解:○(正しい)
解説:国をまたぐ取引ではどの国の法が適用されるかが当然には決まらないため、準拠法(法の適用に関する通則法により当事者の選択が基本)、紛争が起きたときにどこで裁くか(裁判管轄)、訴訟ではなく仲裁によるか(仲裁条項)を契約で明示しておく。後から争うと解決に至るまでの時間と費用が跳ね上がる。
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問252.コンプライアンスは法令遵守だけでなく企業倫理・社会的責任も含む概念である。
正解:○(正しい)
解説:文字どおりには法令遵守を意味するが、現在は社内規程・契約・企業倫理・社会からの要請に応えることまで含む広い概念として使われる。法令に触れなければ何をしてもよいわけではなく、社会的な信用を失えば事業継続が危うくなるため、CSRやESGの観点も含めて体制を整えることが求められる。
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問253.労働基準法を下回る労使合意は労基法より優先される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。労基法13条により、労基法の基準に達しない労働条件を定める部分は無効となり、その部分は労基法の基準による。労働者が同意していても無効になるのは、交渉力の差から不利な合意を強いられかねないためで、労基法が強行法規だからである。
根拠: 労働基準法 第13条 (出典: e-Gov法令検索)
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問254.労働組合法は労働三権のうち団結権のみを保障する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。労働組合法は憲法28条の労働基本権を具体化し、団結権・団体交渉権・団体行動権(争議権)の労働三権すべてを保障する。団体交渉の正当な理由のない拒否や組合活動を理由とする不利益取扱いは不当労働行為として禁止されている。
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問255.労働基準法では1日10時間・週50時間が法定労働時間である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。法定労働時間は1日8時間・1週40時間(労基法32条)。これを超えて労働させるには36協定の締結・届出と割増賃金の支払いが必要になる。
根拠: 労働基準法 第32条 (出典: e-Gov法令検索)
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問256.時間外労働は36協定なしで自由に行える。
正解:×(誤り)
解説:誤り。時間外・休日労働をさせるには、労使協定(36協定)を締結して労働基準監督署へ届け出る必要がある(労基法36条)。2019年からは罰則付きの上限規制も加わり、原則月45時間・年360時間などの枠が課されている。
根拠: 労働基準法 第36条 (出典: e-Gov法令検索)
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問257.割増賃金は時間外・深夜・休日とも1.25倍で統一されている。
正解:×(誤り)
解説:誤り。割増率は時間外が2割5分以上、深夜(22時〜5時)が2割5分以上、休日が3割5分以上(労基法37条)で統一されていない。時間外が深夜に及べば合算して5割以上になり、1か月60時間を超える時間外労働は5割以上の割増が必要になる。
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問258.有給休暇の取得義務化は2019年4月から年10日に変更された。
正解:×(誤り)
解説:誤り。2019年4月から義務化されたのは、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者について、使用者が年5日を確実に取得させることである。付与日数が10日に変更されたわけではない。
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問259.産後パパ育休は2010年に新設された。
正解:×(誤り)
解説:誤り。産後パパ育休(出生時育児休業)は2022年10月に施行された新しい制度。子の出生後8週間以内に最大4週間まで、2回に分割して取得でき、通常の育児休業とは別枠で利用できる。
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問260.介護休業は1家族1回限りである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。介護休業は対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる(育児・介護休業法11条)。介護は終期が読めないため、まとめて使い切るのではなく体制を整えるために分割して使えるようになっている。
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問261.パワハラ防止法施行は2010年である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。パワハラ防止法(労働施策総合推進法)は『2020年6月』(中小2022年4月)施行。
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問262.解雇は使用者の裁量で自由に行える。
正解:×(誤り)
解説:誤り。客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当と認められない解雇は、権利を濫用したものとして無効になる(労働契約法16条)。長年の判例で確立した解雇権濫用法理を条文化したもので、使用者の自由な裁量は認められていない。
根拠: 労働契約法 第16条 (出典: e-Gov法令検索)
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問263.整理解雇は人員削減必要性のみで合法となる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。整理解雇では、①人員削減の必要性②解雇回避努力③人選の合理性④手続の妥当性の4つが総合的に検討される。労働者に落ち度がないのに職を失わせる解雇なので、必要性だけでは足りず、他の3つを著しく欠けば無効と判断されやすい。
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問264.普通解雇には予告手続きは不要である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。少なくとも30日前の予告、または30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)の支払いが必要(労基法20条)。日数と手当を組み合わせることもできる。突然職を失う労働者に生活の準備期間を保障する趣旨である。
根拠: 労働基準法 第20条 (出典: e-Gov法令検索)
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問265.有期雇用は契約期間中いつでも解雇できる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。期間の定めがある労働契約では、やむを得ない事由がなければ期間途中に解雇できない(労働契約法17条1項)。当事者がその期間の就労を約束している以上、無期契約の解雇よりも厳しく制限される。
根拠: 労働契約法 第17条 (出典: e-Gov法令検索)
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問266.無期転換ルールは有期労働者が通算3年超で適用される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。無期転換申込権が発生するのは、同一の使用者との有期労働契約が通算5年を超えて更新された場合(労働契約法18条)。労働者が申し込めば使用者は拒否できず、期間の定めのない契約に転換する。
根拠: 労働契約法 第18条 (出典: e-Gov法令検索)
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問267.同一労働同一賃金は努力義務に留まる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。パートタイム・有期雇用労働法により、通常の労働者との不合理な待遇差を設けることは禁止されており、努力義務ではなく法的義務。労働者から求められれば待遇差の内容と理由を説明する義務もあり、違反には行政の助言・指導・勧告が行われる。
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問268.民事訴訟と刑事訴訟は同じ手続きで行われる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。民事訴訟は私人間の権利義務をめぐる争いを解決する手続、刑事訴訟は犯罪の成否と刑罰を決める手続で、根拠法(民事訴訟法・刑事訴訟法)も当事者の構造も証明の程度も異なる。同一の事件について両方が並行して進むこともある。
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問269.訴訟上の和解は判決と異なり強制力がない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。訴訟上の和解は、裁判所書記官が電子調書を作成してファイルに記録すると確定判決と同一の効力を持つ(民事訴訟法267条1項。2026年5月21日施行の改正前は「調書に記載したとき」)。したがって相手が約束を守らなければ、あらためて訴訟を起こさずに強制執行を申し立てることができる。
根拠: 民事訴訟法 第267条 / 民事訴訟法(e-Gov 法令API v2 で2026-05-20時点と2026-05-22時点の267条を比較) 旧267条「和解…を調書に記載したときは、その記載は、確定判決と同一の効力を有する」→新267条1項 (出典: e-Gov法令検索)
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問270.調停は裁判所外で行うのみで裁判所では行えない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。民事調停法・家事事件手続法に基づき、裁判所で行う調停の制度がある。裁判官と調停委員からなる調停委員会が間に入って話し合いを仲介し、成立した調停調書は確定判決と同一の効力を持つ。
-
問271.仲裁は当事者の合意なしに行える。
正解:×(誤り)
解説:誤り。仲裁は当事者間の仲裁合意があって初めて行える手続(仲裁法2条)。合意により裁判を受ける権利を放棄して仲裁人の判断に従うことになるため、当事者の意思が不可欠である。
根拠: 仲裁法 第2条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問272.国際取引では準拠法を定める必要はない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。国をまたぐ取引ではどの国の法が適用されるかが当然には決まらないため、準拠法・裁判管轄・仲裁条項を契約で明示しておくことが不可欠。定めておかないと、紛争が生じた際にまず「どこの法律でどこで争うか」から揉めることになる。
-
問273.コンプライアンスは法令遵守のみを意味する狭い概念である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。広義のコンプライアンスは『企業倫理・社会的責任(CSR)・ESG等』を包含。
-
問274.セクハラ防止措置義務は男性労働者のみが対象である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。セクシュアルハラスメントの防止措置義務は、男女を問わずすべての労働者を対象とする(男女雇用機会均等法)。同性間の言動も対象になり、被害者の性別によって保護の有無が変わることはない。
-
問275.懲戒解雇には就業規則の規定は不要である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。懲戒は企業秩序違反に対する制裁なので、あらかじめ就業規則に懲戒の種類と事由を定めて周知しておく必要がある(労基法89条9号)。規定がなければ懲戒解雇はできず、規定があっても処分が重すぎれば無効になりうる。
根拠: 労働基準法 第89条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問276.労働三法に労働組合法は含まれない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。労働三法は労働基準法・労働組合法・労働関係調整法を指し、労働組合法はその中核。労基法が個々の労働条件の最低基準、労組法が団結と団体交渉、労調法が労働争議の調整を担うという役割分担になっている。
-
問277.産後パパ育休は4週間の連続取得しかできない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。産後パパ育休は子の出生後8週間以内に最大4週間まで取得でき、2回に分割することができる。分割できるようにすることで、出産直後の時期に配偶者の状況に合わせて柔軟に休めるようにしている。
-
問278.育児休業は女性のみが取得できる権利である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。育児休業は育児・介護休業法により男女を問わず取得できる労働者の権利。2022年4月・10月に順次施行された改正(令和3年法律第58号)では、産後パパ育休の新設や育児休業の分割取得、本人への個別の周知・意向確認の義務づけなど、男性の取得促進策が強化された。
-
問279.労働三法として正しい組合せはどれか。
- ア.労基法・労組法・労調法
- イ.民法・商法・会社法
- ウ.労基法・育介法・均等法
- エ.民訴法・刑訴法・行訴法
正解:ア.労基法・労組法・労調法
解説:労働三法は労働基準法(個々の労働条件の最低基準)・労働組合法(団結権と団体交渉の保障)・労働関係調整法(労働争議の予防と調整)の3つ。育児介護休業法や男女雇用機会均等法も重要な労働法だが、労働三法には含まれない。
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問280.労働基準法の法定労働時間として正しいのはどれか。
- ア.1日6時間・週30時間
- イ.1日8時間・週40時間
- ウ.1日7時間・週35時間
- エ.1日10時間・週50時間
正解:イ.1日8時間・週40時間
解説:労基法32条により1日8時間・1週40時間。これを超えて労働させるには36協定の締結・届出と割増賃金の支払いが必要になる。変形労働時間制やフレックスタイム制を使えば、一定期間を平均してこの枠に収める形で柔軟に配分できる。
根拠: 労働基準法 第32条 (出典: e-Gov法令検索)
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問281.時間外労働の上限規制(働き方改革・2019年〜)として正しいのはどれか。
- ア.原則月20時間・年240時間
- イ.原則月60時間・年480時間
- ウ.原則月45時間・年360時間
- エ.上限規制なし
正解:ウ.原則月45時間・年360時間
解説:原則月45時間・年360時間。特別条項でも年720時間・月100時間未満等の絶対上限あり。
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問282.休日労働の割増賃金率として正しいのはどれか。
- ア.1.0倍
- イ.1.25倍
- ウ.2.0倍
- エ.1.35倍
正解:エ.1.35倍
解説:労基法37条の割増率は、時間外が2割5分以上、深夜が2割5分以上、休日が3割5分以上。休日労働だけ率が高いのは、法定休日の確保をより強く担保するため。時間外が深夜に及べば合算して5割以上、1か月60時間超の時間外は5割以上となる。
根拠: 労働基準法 第37条 (出典: e-Gov法令検索)
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問283.有給休暇の年5日取得義務化の対象として正しいのはどれか。
- ア.年10日以上付与される労働者
- イ.全労働者
- ウ.管理職のみ
- エ.正社員のみ
正解:ア.年10日以上付与される労働者
解説:2019年4月施行の義務は、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者が対象。年5日については、労働者の時季指定や計画的付与で取得されない分を、使用者が時季を指定して取得させなければならない。役職や雇用形態ではなく付与日数で対象が決まる点が要点。
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問284.産後パパ育休(出生時育児休業)の施行年として正しいのはどれか。
- ア.2010年
- イ.2022年
- ウ.2017年
- エ.2024年
正解:イ.2022年
解説:産後パパ育休(出生時育児休業)は2022年10月に施行された。子の出生後8週間以内に最大4週間まで、2回に分割して取得でき、通常の育児休業とは別枠で利用できる。男性が出産直後の時期に育児へ関われるようにする制度である。
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問285.介護休業の取得可能日数として正しいのはどれか。
- ア.10日
- イ.30日
- ウ.93日(3回まで分割可)
- エ.180日
正解:ウ.93日(3回まで分割可)
解説:介護休業:93日まで取得可。対象家族1人につき3回まで分割取得可(育介法11条)。
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問286.パワハラ防止措置を事業主に義務づけた労働施策総合推進法の改正規定が、大企業について施行された時期として正しいのはどれか。
- ア.2019年4月
- イ.2020年6月
- ウ.2017年1月
- エ.2024年4月
正解:イ.2020年6月
解説:職場のパワーハラスメントを防止するための雇用管理上の措置義務(労働施策総合推進法30条の2。2026年10月1日の改正で31条に繰り下げ)は、令和元年法律第24号による改正で設けられ、2020年6月1日に施行された。中小企業は2022年4月1日から義務となった。2017年1月は男女雇用機会均等法の改正(妊娠・出産等に関するハラスメントの防止措置など)の施行、2019年4月は働き方改革関連法による労働基準法改正(時間外労働の上限規制など)の大企業への施行の時期である。
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問287.解雇権濫用法理の根拠条文として正しいのはどれか。
- ア.労契法16条
- イ.労基法90条
- ウ.労基法100条
- エ.民法1条
正解:ア.労契法16条
解説:労働契約法16条が、客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当と認められない解雇は権利濫用として無効と定める。判例で確立した解雇権濫用法理を条文化したもの。労基法90条は就業規則作成時の意見聴取、100条は監督機関に関する規定で、解雇の効力とは関係がない。
根拠: 労働契約法 第16条 (出典: e-Gov法令検索)
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問288.整理解雇の4要件として該当しないものはどれか。
- ア.人員削減の必要性
- イ.コスト削減目標達成
- ウ.人選の合理性
- エ.解雇回避努力
正解:イ.コスト削減目標達成
解説:整理解雇4要件=必要性・回避努力・人選合理性・手続妥当性。コスト目標は該当しない。
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問289.普通解雇の予告手続として正しいのはどれか。
- ア.即時解雇可
- イ.60日前予告
- ウ.30日前予告または30日分予告手当
- エ.裁判所許可
正解:ウ.30日前予告または30日分予告手当
解説:労基法20条により、少なくとも30日前の予告か30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)の支払いが必要で、両者を組み合わせることもできる。突然職を失う労働者に生活の準備期間を保障する趣旨であり、裁判所の許可は要件ではない。
根拠: 労働基準法 第20条 (出典: e-Gov法令検索)
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問290.有期雇用の無期転換ルールの要件として正しいのはどれか。
- ア.通算1年超
- イ.通算3年超
- ウ.通算10年超
- エ.通算5年超
正解:エ.通算5年超
解説:労働契約法18条により、同一の使用者との有期労働契約が通算5年を超えて更新された場合に、労働者は無期転換を申し込むことができる。申込みがあれば使用者は拒否できず、期間の定めのない契約に転換する。有期契約の濫用的な反復更新を抑えるための仕組み。
根拠: 労働契約法 第18条 (出典: e-Gov法令検索)
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問291.パートタイム・有期雇用労働法(2020年4月施行。中小企業は2021年4月から適用)の、いわゆる同一労働同一賃金に関する定めとして、正しいものはどれか。
- ア.基本給・賞与などの待遇ごとに、通常の労働者との不合理な相違を禁止している
- イ.通常の労働者との待遇差は、賃金の総額で比べて不合理でなければよいとしている
- ウ.待遇差の内容と理由は、労働者から求められても説明しなくてよいとしている
- エ.不合理な待遇差を設けた事業主には、刑事罰を科すこととしている
正解:ア.基本給・賞与などの待遇ごとに、通常の労働者との不合理な相違を禁止している
解説:パートタイム・有期雇用労働法8条は、短時間・有期雇用労働者の基本給・賞与その他の待遇のそれぞれについて、職務の内容、職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、その待遇の性質・目的に照らして適切なものを考慮して、通常の労働者との間に不合理と認められる相違を設けることを禁止している。賃金の総額ではなく待遇ごとに判断する。事業主は、労働者から求められたときは、通常の労働者との待遇の相違の内容と理由を説明しなければならない(14条2項)。8条の違反そのものに罰則はなく、行政の助言・指導・勧告(18条1項)や民事上の請求によって是正が図られる。有期契約労働者の不合理な労働条件を禁じていた労働契約法の旧20条は、この法律に統合された。
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問292.裁判所で、裁判官と民間から選ばれた委員が当事者の間に入り、話し合いによる合意での解決を目指す手続はどれか。
- ア.仲裁
- イ.訴訟
- ウ.民事調停
- エ.支払督促
正解:ウ.民事調停
解説:民事調停は、裁判官と民間から選ばれた調停委員で構成する調停委員会が当事者の話し合いを仲介し、合意による解決を目指す手続。合意が成立して調書に記載されると、裁判上の和解と同一の効力を持つ(民事調停法16条)。仲裁は当事者が選んだ仲裁人の判断に従う手続、訴訟は裁判所が判決で判断する手続、支払督促は金銭の支払などを債務者に命じる簡易な手続で、いずれも話し合いによる合意を目的としない。
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問293.訴訟上の和解の効力として正しいのはどれか。
- ア.当事者の一方が2週間以内に異議を申し立てれば、効力を失う
- イ.契約としての効力しかなく、強制執行の基礎とはならない
- ウ.調書に記録されると、確定判決と同一の効力を有する
- エ.判決と同じく、不服があれば控訴して争うことができる
正解:ウ.調書に記録されると、確定判決と同一の効力を有する
解説:民事訴訟法267条1項により、訴訟の中で成立した和解が調書(電子調書)に記録されると、確定判決と同一の効力を有する。相手が約束を守らなければ、あらためて訴訟を起こさずに強制執行を申し立てられる。和解は当事者の合意なので、控訴で争う仕組みも、異議で効力を失う仕組みもない。
根拠: 民事訴訟法 第267条 (出典: e-Gov法令検索)
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問294.仲裁の特徴として正しいのはどれか。
- ア.当事者の合意がなくても、一方の申立てで始められる
- イ.仲裁判断に不服があれば、高等裁判所に控訴できる
- ウ.仲裁の手続は、法律により公開で行わなければならない
- エ.仲裁判断は、確定判決と同一の効力を有する
正解:エ.仲裁判断は、確定判決と同一の効力を有する
解説:仲裁は、当事者が仲裁合意(仲裁法2条1項)によって第三者(仲裁人)の判断に従うと決めて行う手続で、合意がなければ始められない。仲裁判断は確定判決と同一の効力を有し(45条1項)、控訴のような上訴の仕組みはなく、限られた事由による取消しの申立て(44条)ができるにとどまる。専門家を仲裁人に選べ、国際商事紛争で多く使われる。
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問295.国際取引の契約で、紛争が生じたときにどの国の法律を適用するかを定めておく条項を何というか。
- ア.裁判管轄条項
- イ.仲裁条項
- ウ.準拠法条項
- エ.完全合意条項
正解:ウ.準拠法条項
解説:準拠法条項は、契約の成立や効力をどの国の法によって判断するかを定める条項で、日本の法の適用に関する通則法7条も、法律行為の成立・効力は当事者が選択した地の法によるとしている。裁判管轄条項はどの国のどの裁判所で争うか、仲裁条項は訴訟ではなく仲裁で解決することを定める条項、完全合意条項は契約書に書かれたことが当事者の合意のすべてであることを確認する条項である。
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問296.公益通報者保護法に関する記述として、正しいものはどれか。
- ア.労働者が勤務先に公益通報をしたことを理由とする解雇も、30日前に予告すれば有効となる
- イ.退職後1年以内の者が元の勤務先について行う通報は、公益通報に当たらない
- ウ.労働者が勤務先に公益通報をしたことを理由として行われた解雇は、無効となる
- エ.不正の利益を得る目的での通報も、内容が真実なら公益通報に当たる
正解:ウ.労働者が勤務先に公益通報をしたことを理由として行われた解雇は、無効となる
解説:公益通報者保護法は、労働者が勤務先(役務提供先等)に公益通報をしたことを理由として事業者が行った解雇を無効とする(3条1号。2026年12月1日施行の改正後は、3条1項が解雇その他不利益な取扱いを禁止し、同条2項が解雇を無効とする)。予告をしても有効にはならない。公益通報には、退職後1年以内の者が元の勤務先について行う通報も含まれ(2条1項1号)、不正の利益を得る目的など不正の目的で行う通報は公益通報に当たらない(2条1項)。
根拠: 公益通報者保護法 第2条 / 公益通報者保護法 第3条 / 公益通報者保護法 第3条 / 東京商工会議所 ビジネス実務法務検定試験 試験要項 各級の基準・出題範囲(第59・60回は2025年12月1日現在成立している法律に準拠) (出典: e-Gov法令検索)
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問297.労働組合法が保障する労働三権として該当しないものはどれか。
- ア.団結権
- イ.団体交渉権
- ウ.経営参加権
- エ.争議権
正解:ウ.経営参加権
解説:労働三権は、憲法28条が保障する団結権・団体交渉権・団体行動権(争議権)の3つで、労働組合法がこれを具体化している。経営参加権は労働三権に含まれない。
根拠: 日本国憲法 第28条 (出典: e-Gov法令検索)
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問298.懲戒解雇の要件として正しいのはどれか。
- ア.就業規則の規定不要
- イ.常に予告手当必要
- ウ.裁判所の判決必要
- エ.就業規則の規定+重大な非違行為
正解:エ.就業規則の規定+重大な非違行為
解説:懲戒解雇には就業規則の規定(労基法89条)+重大な非違行為が必要。即時解雇には労基署認定。
根拠: 労働基準法 第89条 (出典: e-Gov法令検索)
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問299.育児休業の取得期間として正しいのはどれか。
- ア.原則として子が1歳6か月に達するまで
- イ.原則として子が1歳に達するまで
- ウ.原則として子が3歳に達するまで
- エ.原則として子が6か月に達するまで
正解:イ.原則として子が1歳に達するまで
解説:育児・介護休業法5条1項により、育児休業は原則として1歳に満たない子について取得できる。保育所に入れないなどの事情があれば1歳6か月まで、さらに2歳まで延長できる(同条3項・4項)。3歳は、所定労働時間の短縮措置(短時間勤務)の対象となる子の年齢である(23条1項)。男女を問わず取得できる。
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問300.労働組合法が禁止する不当労働行為に該当しないものはどれか。
- ア.組合員であることを理由とする解雇
- イ.正当な理由のない団体交渉の拒否
- ウ.最小限の広さの事務所の供与
- エ.組合の運営経費に対する経理上の援助
正解:ウ.最小限の広さの事務所の供与
解説:労働組合法7条は、組合員であることなどを理由とする解雇その他の不利益取扱い(1号)、正当な理由のない団体交渉の拒否(2号)、組合の結成・運営への支配介入や運営経費への経理上の援助(3号)などを不当労働行為として禁止する。ただし同条3号ただし書により、最小限の広さの事務所の供与や、厚生資金・福利などの基金への寄附は経理上の援助から除かれている。