ビジネス実務法務検定 3級「法体系と契約・民法基礎」の一問一答
📖 ビジネス実務法務検定 3級「法体系と契約・民法基礎」の全75問と解説(一覧)
ビジネス実務法務検定 3級の法体系と契約・民法基礎に関する一問一答(全75問)の正解と解説の一覧です。上の一問一答で実際に解いてから、ここで復習・確認できます。
-
問1.日本の法体系は憲法を最高法規とし、法律・命令・条例の順に効力の優先順位がある。
正解:○(正しい)
解説:正しい。憲法98条で憲法を国の最高法規と規定。「命令」は行政機関が定める政令・省令などの総称(政令>省令)で、効力の順位は憲法>法律>命令(政令・省令)>条例。条例は法令(法律・命令)に違反できない(地方自治法14条1項)。
根拠: 地方自治法 第14条 / 日本国憲法 第98条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問2.民法は私法の一般法で、企業間取引にも個人間取引にも適用される。
正解:○(正しい)
解説:民法は市民生活全般のルールを定める私法の一般法で、企業間の取引にも当然に適用される。ただし商取引には迅速性・専門性が求められるため商法が特別法として置かれ、商事については商法が優先し、商法に定めがなければ商慣習、それもなければ民法による(商法1条2項)。
-
問3.商法は民法の特別法で、商事取引には商法が優先適用される。
正解:○(正しい)
解説:特別法優先原則。例:商人間の売買における買主の検査・通知義務(商法526条)など。なお商事債権の5年の特別時効(旧商法522条)は2020年改正で廃止され消滅時効は民法166条に一元化された。
-
問4.契約は申込みと承諾の意思表示の合致により成立する。
正解:○(正しい)
解説:民法522条1項。契約は申込みに対して相手方が承諾したときに成立し、原則として書面などの方式は不要(同条2項=方式の自由)。ただし保証契約(446条2項)のように、慎重な判断を求めるため例外的に書面を要求する契約もある。
-
問5.契約自由の原則には『契約締結の自由・相手方選択の自由・内容決定の自由・方式の自由』の4つがある。
正解:○(正しい)
解説:締結するかどうかの自由、誰と結ぶかの自由、内容をどう定めるかの自由、どんな方式で結ぶかの自由の4つ(民法521条・522条2項で明文化)。ただし無制限ではなく、公序良俗に反する契約(90条)や強行法規に反する契約は無効となり、消費者契約法・借地借家法・労働法などによる修正も受ける。
根拠: 民法 第90条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問6.意思表示は表意者の真意と異なる場合、心裡留保・錯誤・詐欺・強迫により無効や取消の対象となる。
正解:○(正しい)
解説:心裡留保(93条)=本心でないと知りつつする意思表示、錯誤(95条)=重要な点についての勘違い、詐欺・強迫(96条)=欺かれ、あるいは脅されてした意思表示。錯誤・詐欺・強迫は取消し、心裡留保は相手方が悪意・有過失のとき無効となる。表示どおりの効果を認めると表意者に酷だから効力を否定する仕組み。
根拠: 民法 第93条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問7.錯誤による意思表示は、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであれば、原則として取り消すことができる。
正解:○(正しい)
解説:正しい。民法95条1項により、重要な錯誤に基づく意思表示は取り消すことができる(2020年改正で無効から取消しに変更)。ただし、法律行為の基礎とした事情についての錯誤(動機の錯誤)は、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限られ(同条2項)、表意者に重大な過失があれば、相手方が錯誤を知っていた場合などを除き取り消せない(同条3項)。
根拠: 民法 第95条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問8.詐欺による意思表示は取消すことができる(民法96条)。
正解:○(正しい)
解説:民法96条1項により取り消すことができる(無効ではなく取消しなので、取り消すまでは有効)。ただし同条3項により、詐欺による取消しは善意無過失の第三者に対抗できない。だまされた側にも落ち度があるためで、落ち度のない強迫による取消しが第三者にも対抗できるのと対照的。
-
問9.未成年者(18歳未満の者)が法定代理人の同意を得ずにした法律行為は、原則として取り消すことができる。
正解:○(正しい)
解説:正しい。民法4条により成年は18歳(2022年4月施行の改正で20歳から引下げ)。未成年者が法定代理人の同意を得ずにした法律行為は取り消すことができる(5条1項・2項)。ただし、単に権利を得または義務を免れる行為(5条1項ただし書)、処分を許された財産の処分(5条3項)、営業を許された場合のその営業に関する行為(6条1項)は取り消せない。
根拠: 民法 第5条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問10.代理は本人のためにすることを示して代理人が行う法律行為で、効果は本人に帰属する。
正解:○(正しい)
解説:民法99条。代理人が「本人のためにすることを示して」(顕名)代理権の範囲内でした意思表示は、直接本人に効果が帰属する。顕名がなければ原則として代理人自身のためにした行為とみなされる(100条)。本人は代理制度によって活動範囲を広げられる。
根拠: 民法 第99条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問11.表見代理は、代理権がない者の行為でも一定要件下で本人に効果を帰属させる制度である。
正解:○(正しい)
解説:民法109条(代理権授与の表示)・110条(権限外の行為)・112条(代理権消滅後の行為)の3類型。本来は無権代理で本人に効果は及ばないが、本人に帰責性があり、相手方が代理権の存在を信じたことに正当な理由がある場合には、取引の安全を守るため本人に効果を帰属させる。
根拠: 民法 第109条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問12.時効には『取得時効』と『消滅時効』の2種類がある。
正解:○(正しい)
解説:取得時効は一定期間の占有などにより権利を取得する制度(162条以下)、消滅時効は権利を行使しないまま期間が経過して権利が消滅する制度(166条以下)。長く続いた事実状態を保護し、時の経過による立証困難を避けることが趣旨。いずれも当事者が援用しなければ裁判所は時効を前提に判断できない(145条)。「援用」とは、時効の完成によって利益を受ける者が「時効が完成したので、その利益を受ける」と相手方に主張する意思表示のことをいう。
-
問13.2020年4月施行の改正民法のもとで、債権は、原則として、権利を行使できることを知った時から5年、または権利を行使できる時から10年行使しないときに時効によって消滅する。
正解:○(正しい)
解説:正しい。民法166条1項により、債権は権利を行使できることを知った時から5年(1号)、または権利を行使できる時から10年(2号)行使しないときに時効消滅する。ただし人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権は、10年が20年に延ばされる(167条)。改正前の職業別の短期消滅時効や商事時効(旧商法522条)は廃止された。
-
問14.不法行為による損害賠償請求権の消滅時効は、人の生命・身体を害する場合を除き、損害および加害者を知った時から3年または不法行為の時から20年である。
正解:○(正しい)
解説:正しい。民法724条により、被害者またはその法定代理人が損害および加害者を知った時から3年(1号)、不法行為の時から20年(2号)で時効消滅する。人の生命・身体を害する不法行為では、被害が重大で権利行使に時間がかかることから、3年が5年に延ばされている(724条の2)。
根拠: 民法 第724条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問15.契約の不履行(債務不履行)は『履行遅滞・履行不能・不完全履行』の3類型に分類される。
正解:○(正しい)
解説:履行遅滞=期限が来ても履行しない、履行不能=履行が不可能になった、不完全履行=履行はしたが内容が不完全、の3類型に整理される。いずれも民法415条により損害賠償請求の対象となり、類型に応じて解除に催告が必要かどうかなどの扱いが変わる。
根拠: 民法 第415条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問16.債務不履行があっても、その不履行が債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、債権者は原則として損害賠償を請求できない。
正解:○(正しい)
解説:正しい。民法415条1項ただし書により、契約その他の債務の発生原因および取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由による不履行であれば、債務者は損害賠償責任を負わない。つまり債務不履行責任は無過失責任ではない。ただし金銭債務の不履行については、不可抗力を抗弁にできない(419条3項)という例外がある。
根拠: 民法 第415条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問17.契約解除は債務不履行があった場合に相手方が一方的に契約関係を解消する権利である。
正解:○(正しい)
解説:民法541条により、相当の期間を定めて催告してもなお履行がなければ解除できる(催告解除)。履行不能や履行拒絶が明確な場合など催告が無意味なときは、催告なしに解除できる(542条・無催告解除)。2020年改正で、解除に債務者の帰責事由は不要であることが明確化された。
根拠: 民法 第541条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問18.保証契約は書面でしなければ効力を生じない(民法446条2項)。
正解:○(正しい)
解説:民法446条2項。保証は他人の債務のために自分の財産を差し出す重い約束であり、情義に流されて安易に結ばれることを防ぐため、書面(電磁的記録を含む)でしなければ効力を生じない要式契約とされている。連帯保証も同じ。
-
問19.売買契約では、目的物の引渡しと代金の支払いが同時履行の関係にある。
正解:○(正しい)
解説:民法533条(同時履行の抗弁権)。双務契約の本質的特徴で、自己の履行と引換えに相手の履行を拒める権利。
根拠: 民法 第533条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問20.売買の目的物に契約不適合がある場合、買主は修補・代替物・代金減額・損害賠償・解除を請求できる。
正解:○(正しい)
解説:民法562条以下。引き渡された目的物が種類・品質・数量について契約の内容に適合しない場合、買主は追完請求(修補・代替物・不足分の引渡し)、代金減額請求、損害賠償請求、契約の解除ができる。2020年改正で、法定責任と説明されていた瑕疵担保責任から、契約内容との適合性を問う債務不履行責任として再構成された。
根拠: 民法 第562条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問21.賃貸借契約は、賃貸人が物を使用させ、賃借人が賃料を支払う双務契約である。
正解:○(正しい)
解説:民法601条。賃貸人が物を使用収益させ、賃借人が賃料を支払って契約終了時に返還することを約する契約で、双方が対価的な義務を負う双務契約。継続的契約の代表例であり、建物や土地の賃貸借には賃借人保護のため借地借家法という特別法が優先適用される。
根拠: 民法 第601条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問22.請負契約は仕事の完成を目的とし、報酬の支払いと結果に対する責任を伴う契約である。
正解:○(正しい)
解説:民法632条。仕事の完成に対して報酬が支払われる契約で、完成しなければ原則として報酬を請求できない点が、事務処理そのものを目的とする委任と決定的に異なる。完成した仕事に契約不適合があれば、注文者は追完・報酬減額・損害賠償・解除を求めうる。
根拠: 民法 第632条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問23.委任契約は法律行為や事務処理を委託する契約で、原則として受任者は無償である(民法648条)。
正解:○(正しい)
解説:民法648条1項は、特約がなければ受任者は報酬を請求できないと定める。委任はもともと信頼関係に基づく事務処理として想定されていたため。もっとも商人がその営業の範囲内で他人のために行為をしたときは相当の報酬を請求でき(商法512条)、弁護士等への委任も報酬の特約を結ぶのが通常なので、実際には有償が一般的。
-
問24.債権譲渡は債権者が第三者に債権を移転する行為で、債務者への通知または承諾で対抗要件を備える。
正解:○(正しい)
解説:民法467条。譲渡人から債務者への通知、または債務者の承諾があれば債務者に対抗でき、それが確定日付のある証書によってされていれば債務者以外の第三者にも対抗できる。二重譲渡が起きたときにどちらが優先するかを明確にするための仕組み。
根拠: 民法 第467条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問25.連帯債務では、債権者は連帯債務者の誰に対しても全額の履行を請求できる。
正解:○(正しい)
解説:民法436条。債権者は連帯債務者の1人に対しても、同時にまたは順次に全員に対しても、全部または一部の履行を請求できる。誰からでも回収できるので債権の担保力が高まる。弁済した債務者は、他の債務者に対しその負担部分に応じて求償できる(442条)。
-
問26.保証人は主たる債務者が履行しない場合に責任を負うが、催告の抗弁権・検索の抗弁権を有する。
正解:○(正しい)
解説:催告の抗弁権(民法452条)=まず主たる債務者に請求するよう求められる権利、検索の抗弁権(453条)=主たる債務者に弁済の資力がありかつ執行が容易であることを証明して、先に主債務者の財産に執行するよう求められる権利。保証債務が主債務に対して補充的であることの表れで、連帯保証にはこれらがない。
根拠: 民法 第452条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問27.連帯保証は保証人に催告の抗弁権・検索の抗弁権がなく、連帯債務に近い責任を負う。
正解:○(正しい)
解説:民法454条により、連帯保証人には催告の抗弁権も検索の抗弁権もない。したがって債権者は主たる債務者を飛ばして、いきなり連帯保証人に全額を請求できる。なお商行為によって生じた債務の保証は連帯保証となる(商法511条2項)ため、企業取引の保証は連帯保証であることが多い。
-
問28.日本の法体系では法律より条例の方が優先される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。憲法94条は条例を「法律の範囲内で」制定できると定めており、効力の順位は憲法>法律>政令>省令>条例。法律に反する条例は効力を持たない。
-
問29.商法は民法の一般法である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。逆で、民法が私法の一般法、商法が商事についての特別法。特別法は一般法に優先するので商事にはまず商法が適用され、商法に定めがなければ商慣習、それもなければ民法による(商法1条2項)。
-
問30.契約は申込みのみで成立し、承諾は不要である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。契約は申込みと承諾という2つの意思表示の合致によって成立する(民法522条1項)。一方の意思表示だけで相手を拘束できるとすれば私的自治の原則に反するため、承諾が不可欠である。
-
問31.契約自由の原則は無制限である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。公序良俗違反(民法90条)・強行法規違反は無効。労働法等の保護規定もあり。
根拠: 民法 第90条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問32.未成年者が法定代理人の同意を得ずにした法律行為は、確定的に有効であり、取り消すことはできない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。未成年者が法律行為をするには法定代理人の同意が必要で、同意を得ずにした法律行為は取り消すことができる(民法5条1項・2項)。取り消すまでは有効だが、取り消されると初めから無効であったものとみなされる(同法121条)ので、確定的に有効とはいえない。ただし、単に権利を得または義務を免れる法律行為(5条1項ただし書)、法定代理人が処分を許した財産の処分(5条3項。目的を定めて許した場合はその目的の範囲内)、営業を許された未成年者のその営業に関する行為(6条1項)は、同意がなくても取り消せない。
根拠: 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第5条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問33.代理人の行為の効果は代理人自身に帰属する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。代理人が本人のためにすることを示して代理権の範囲内でした行為の効果は、直接本人に帰属する(民法99条・顕名主義)。顕名がなかった場合に例外的に代理人自身のための行為とみなされる(100条)にすぎない。
根拠: 民法 第99条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問34.時効の種類は消滅時効のみである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。時効には『取得時効』と『消滅時効』の2種類がある。取得時効は一定期間の占有などによって権利を取得する制度(民法162条以下)、消滅時効は権利を行使しないまま期間が経過して権利が消滅する制度(166条以下)で、権利が生まれる向きと消える向きで逆になる。両者とも、期間が経過しただけでは足りず当事者の援用が必要になる点は共通する(145条)。「援用」とは、時効の完成によって利益を受ける者が「時効が完成したので、その利益を受ける」と相手方に主張する意思表示のことをいう。
根拠: 民法 第145条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問35.債権の消滅時効は権利行使可能時から30年である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。2020年改正で『知った時から5年、権利行使可能時から10年』のいずれか早い方。
-
問36.債務不履行で損害賠償請求するには債務者の故意のみが要件である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。債務不履行責任は故意に限られず過失でも生じる。逆に民法415条1項ただし書により、契約や取引上の社会通念に照らして債務者に帰責事由がないといえる場合は免責される。故意だけを要件とすると責任がほとんど成立しなくなってしまう。
-
問37.保証契約は口頭でも有効である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。保証契約は書面(または電磁的記録)でしなければ効力を生じない(民法446条2項・3項)。他人の債務を肩代わりする重い約束を、情義に流されて口約束で負うことを防ぐための要式性である。
根拠: 民法 第446条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問38.売買契約では引渡しと代金支払いは別個に履行する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。双務契約では、相手方が債務の履行を提供するまで自分の履行を拒める同時履行の抗弁権が認められる(民法533条)。売買では引渡しと代金支払いが原則として同時履行の関係に立ち、先に履行した側だけが取りはぐれる不公平を防いでいる。
根拠: 民法 第533条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問39.契約不適合責任は2020年改正後も『瑕疵担保責任』と呼ばれる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。2020年改正で『瑕疵担保責任→契約不適合責任』に名称変更(民法562条以下)。
根拠: 民法 第562条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問40.賃貸借契約の借主は賃料を支払う義務がない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。賃料の支払いは賃借人の中心的な義務であり、これがあるからこそ賃貸借は有償・双務の契約になる(民法601条)。賃料の不払いが続いて信頼関係が破壊されたと評価されれば、契約解除の理由になる。
-
問41.請負契約は仕事の完成が目的ではない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。請負は仕事の完成を目的とする契約(民法632条)。事務処理そのものを目的とするのが委任(643条)であり、完成が必要かどうかが両者を分ける最大の違いになる。
根拠: 民法 第632条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問42.委任契約は常に有償である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。民法648条1項は特約がなければ報酬を請求できないとしており、民法上は無償が原則。ただし商人が営業の範囲内で行為をしたときは相当の報酬を請求でき(商法512条)、実務では報酬の特約を結ぶのが通常なので有償が一般的というだけである。
-
問43.債権譲渡は債務者の同意なしには絶対に行えない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。債権は、債務者の同意がなくても、債権者(譲渡人)と譲受人の合意で譲り渡すことができる(民法466条1項。ただし、債権の性質が譲渡を許さないときは譲り渡せない)。債務者に対抗するには、譲渡人から債務者への通知か、債務者の承諾が必要である(同467条1項)。債務者以外の第三者に対抗するには、その通知または承諾を確定日付のある証書で行う必要がある(同条2項)。当事者が譲渡を禁止・制限する特約をしていても、2020年4月施行の改正民法では譲渡の効力は妨げられない(同466条2項)。ただし、特約を知っていた、または重大な過失で知らなかった譲受人に対しては、債務者は履行を拒むことができる(同条3項)。
根拠: 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第466条 / 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第467条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問44.連帯債務では各債務者が分割した金額のみ責任を負う。
正解:×(誤り)
解説:誤り。連帯債務では各債務者がそれぞれ債務の全額について責任を負い、債権者は誰に対しても全額を請求できる(民法436条)。分割されるのは債務者どうしの内部的な負担部分の話にすぎず、弁済した者は他の債務者に求償できる(442条)。
-
問45.連帯保証人は催告の抗弁権を有する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。連帯保証人には催告の抗弁権も検索の抗弁権も認められない(民法454条)。だからこそ債権者は主たる債務者の資力を問わず、いきなり連帯保証人へ全額を請求できる。
根拠: 民法 第454条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問46.錯誤による意思表示は常に無効である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。2020年改正で『無効→取消』に変更(民法95条)。表意者に重大な過失がある場合は取消不可。
根拠: 民法 第95条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問47.不法行為の損害賠償請求権の消滅時効は1年である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。損害および加害者を知った時から3年、不法行為時から20年(民法724条)。生命・身体侵害は5年。
根拠: 民法 第724条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問48.契約解除には常に催告が必要である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。原則催告必要だが、定期行為(民法542条1項4号)・履行不能等の場合は催告不要で即時解除可。
根拠: 民法 第542条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問49.民法は強行法規のみで構成されている。
正解:×(誤り)
解説:誤り。民法は任意法規が中心。当事者間で異なる合意があれば民法規定に優先する。強行法規(公序良俗関連等)は例外。
-
問50.代理権限を超えた代理行為は常に本人に効果が帰属する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。代理権限内なら本人に帰属、超えた場合は無権代理。ただし表見代理が成立すれば本人に帰属(民法110条等)。
根拠: 民法 第110条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問51.債権譲渡禁止特約は2020年改正後も絶対的に有効である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。2020年改正により、譲渡制限特約が付いていても債権譲渡自体は有効となった(民法466条2項)。ただし譲受人が特約につき悪意または重過失の場合は、債務者はその譲受人への履行を拒み、譲渡人へ弁済等ができる(同条3項)。『譲渡が無効になる』のではない点が改正の核心。
根拠: 民法 第466条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問52.保証人は主たる債務が消滅しても保証債務を負い続ける。
正解:×(誤り)
解説:誤り。保証債務には付従性があり、主たる債務が弁済や時効などで消滅すれば保証債務も当然に消滅する。保証はあくまで主債務の履行を担保するためのものだから。主債務より重い保証債務を負わないこと(民法448条)も付従性の表れである。
-
問53.時効は当事者が主張しなくても裁判所が自動的に判断する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。民法145条は「時効は、当事者……が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない」と定めており、期間の経過だけでは裁判所は時効を判断の前提にできない。「援用」とは、時効の完成によって利益を受ける者が「時効が完成したので、その利益を受ける」と相手方に主張する意思表示のことをいう。したがって、消滅時効が完成していても、債務者が援用しなければ裁判所は請求を認容する。趣旨は、借りたものは返すという当事者の意思を尊重し、時効の利益を受けるかどうかを本人の判断に委ねる点にある。なお消滅時効では、債務者本人だけでなく保証人・物上保証人・第三取得者など「権利の消滅について正当な利益を有する者」も援用できる(145条かっこ書)。
根拠: 民法 第145条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問54.日本の法体系で最も効力が高いものはどれか。
- ア.法律
- イ.条例
- ウ.憲法
- エ.政令
正解:ウ.憲法
解説:憲法98条1項が憲法を最高法規と定め、これに反する法律・命令などは効力を有しないとしている。効力の順位は憲法>法律>政令>省令>条例で、条例は法律の範囲内でのみ制定できる(憲法94条)。
根拠: 日本国憲法 第98条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問55.民法と商法の関係として正しいのはどれか。
- ア.商法が一般法、民法が特別法
- イ.民法が憲法と同位
- ウ.両者は同位
- エ.民法が一般法、商法が特別法
正解:エ.民法が一般法、商法が特別法
解説:民法が私法の一般法、商法が商事取引の特別法。特別法優先原則で商事には商法が適用。
-
問56.契約成立の要件として正しいのはどれか。
- ア.申込みと承諾の意思表示の合致
- イ.承諾のみ
- ウ.申込みのみ
- エ.公正証書の作成
正解:ア.申込みと承諾の意思表示の合致
解説:民法522条1項により、申込みに対して相手方が承諾したときに成立する。同条2項は方式の自由を定めており、書面や公正証書は原則として不要。申込みだけ、あるいは承諾だけでは意思表示が合致していないので契約は成立しない。
-
問57.契約自由の原則の4つに含まれないものはどれか。
- ア.契約締結の自由
- イ.遵守義務の自由
- ウ.内容決定の自由
- エ.相手方選択の自由
正解:イ.遵守義務の自由
解説:契約自由の原則は、締結の自由・相手方選択の自由・内容決定の自由・方式の自由の4つ。いったん有効に契約が成立すれば当事者はそれに拘束されるので、「守るかどうかの自由」は存在しない。むしろ約束を守らせることこそ契約法の目的である。
-
問58.民法上の未成年者(18歳未満の者)の法律行為について正しいのはどれか。
- ア.法定代理人の同意を得ずにした行為は、原則として無効である
- イ.法定代理人の同意を得ずにした行為は、原則として取り消すことができる
- ウ.法定代理人の同意を得ずにした行為でも、取り消すことはできない
- エ.法定代理人の同意を得ずにした行為は、法定代理人に限り取り消すことができる
正解:イ.法定代理人の同意を得ずにした行為は、原則として取り消すことができる
解説:民法4条により18歳未満が未成年者で、法定代理人の同意を得ない法律行為は取り消すことができる(5条1項・2項)。無効ではないので、取り消すまでは有効である。取り消せるのは法定代理人に限られず、未成年者本人も取り消せる(120条1項)。単に権利を得または義務を免れる行為や、処分を許された財産の処分などは例外として取り消せない。
根拠: 民法 第5条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問59.代理の効果帰属について正しいのはどれか。
- ア.効果は代理人に帰属
- イ.効果は契約相手に帰属
- ウ.効果は誰にも帰属しない
- エ.効果は本人に帰属
正解:エ.効果は本人に帰属
解説:民法99条。代理人が本人のためにすることを示して代理権の範囲内でした行為の効果は、代理人ではなく直接本人に帰属する。これが顕名主義であり、本人は代理人を用いて活動範囲を広げることができる。
根拠: 民法 第99条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問60.表見代理が成立する例として該当しないものはどれか。
- ア.民法117条(無権代理人の責任)
- イ.民法110条(権限超越)
- ウ.民法112条(代理権消滅後)
- エ.民法109条(代理権授与表示)
正解:ア.民法117条(無権代理人の責任)
解説:表見代理は民法109条(代理権授与の表示)・110条(権限外の行為)・112条(代理権消滅後の行為)の3類型。117条は、代理権を証明できず本人の追認も得られない無権代理人が、相手方の選択に従い履行または損害賠償の責任を負うとする規定で、本人に効果を帰属させる表見代理とは別の制度である。
根拠: 民法 第90条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問61.2020年4月施行の改正民法のもとで、債権の消滅時効の原則として正しいのはどれか。
- ア.権利を行使できることを知った時から3年、または権利を行使できる時から20年
- イ.権利を行使できることを知った時から5年、または権利を行使できる時から10年
- ウ.権利を行使できることを知った時から1年、または権利を行使できる時から5年
- エ.権利を行使できることを知った時から10年、または権利を行使できる時から20年
正解:イ.権利を行使できることを知った時から5年、または権利を行使できる時から10年
解説:民法166条1項により、債権は権利を行使できることを知った時から5年、または権利を行使できる時から10年行使しないと時効消滅する(どちらか先に満了した時点で消滅)。3年・20年は不法行為による損害賠償請求権(724条)の期間で、混同しやすい。人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権は、10年が20年に延ばされる(167条)。
-
問62.不法行為による損害賠償請求権(人の生命・身体を害するものを除く)の消滅時効として正しいのはどれか。
- ア.損害および加害者を知った時から5年、または不法行為の時から10年
- イ.損害および加害者を知った時から1年、または不法行為の時から10年
- ウ.損害および加害者を知った時から3年、または不法行為の時から20年
- エ.損害および加害者を知った時から3年、または不法行為の時から10年
正解:ウ.損害および加害者を知った時から3年、または不法行為の時から20年
解説:民法724条により、被害者またはその法定代理人が損害および加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年で時効消滅する。人の生命・身体を害する不法行為では3年が5年に延ばされる(724条の2)。5年・10年は債権一般の消滅時効(166条1項)の期間なので区別する。
根拠: 民法 第724条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問63.債務不履行の3類型として該当しないものはどれか。
- ア.履行遅滞
- イ.履行不能
- ウ.不完全履行
- エ.契約締結拒否
正解:エ.契約締結拒否
解説:債務不履行3類型:遅滞・不能・不完全履行。契約締結拒否は債務不履行ではなく契約成立段階の問題。
-
問64.保証契約の成立要件として正しいのはどれか。
- ア.書面が必要
- イ.口頭で足りる
- ウ.公正証書が必要
- エ.常に裁判所の許可が必要
正解:ア.書面が必要
解説:民法446条2項により、書面(電磁的記録を含む)が必要な要式契約。他人の債務を肩代わりする重い約束を情義的に負うことを防ぐ趣旨で、口頭では効力を生じない。公正証書まで求められるのは事業用融資の個人保証など特殊な場合に限られ、裁判所の許可は不要。
根拠: 民法 第446条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問65.売買契約の同時履行の抗弁権の根拠条文として正しいのはどれか。
- ア.民法90条
- イ.民法533条
- ウ.民法415条
- エ.民法724条
正解:イ.民法533条
解説:民法533条が同時履行の抗弁権を定める。90条は公序良俗違反の無効、415条は債務不履行による損害賠償、724条は不法行為の消滅時効の規定であり、いずれも同時履行とは関係がない。
根拠: 民法 第533条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問66.契約不適合責任(2020年改正後)の権利として該当しないものはどれか。
- ア.修補請求
- イ.代金減額請求
- ウ.懲罰的賠償請求
- エ.損害賠償請求
正解:ウ.懲罰的賠償請求
解説:民法562条以下:修補・代替物・代金減額・損害賠償・解除。懲罰的賠償は日本法に原則なし。
根拠: 民法 第562条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問67.請負契約の目的として正しいのはどれか。
- ア.事務処理
- イ.金銭の貸付
- ウ.物の使用
- エ.仕事の完成
正解:エ.仕事の完成
解説:民法632条により請負は仕事の完成を目的とする。事務処理は委任(643条)、物の使用は賃貸借(601条)、金銭の貸付は消費貸借(587条)で、それぞれ別の典型契約として整理されている。
根拠: 民法 第632条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問68.連帯保証と通常の保証の違いとして正しいのはどれか。
- ア.連帯保証には催告・検索の抗弁権なし
- イ.通常保証には催告の抗弁権がない
- ウ.連帯保証には催告の抗弁権がある
- エ.両者の違いはない
正解:ア.連帯保証には催告・検索の抗弁権なし
解説:通常の保証人は催告の抗弁権(民法452条)と検索の抗弁権(453条)を持ち、まず主たる債務者に請求・執行するよう求められる。連帯保証人にはこれらがない(454条)ため、債権者はいきなり全額を請求でき、担保としての力が強い。
根拠: 民法 第454条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問69.債権譲渡の対抗要件として正しいのはどれか。
- ア.債務者の同意
- イ.債務者への通知または承諾
- ウ.公正証書の作成
- エ.裁判所の許可
正解:イ.債務者への通知または承諾
解説:民法467条により、譲渡人から債務者への通知または債務者の承諾が対抗要件。債務者の「同意」は要件ではなく、譲渡自体は債務者の意思にかかわらず有効にできる。債務者以外の第三者に対抗するには、確定日付のある証書による必要がある。
根拠: 民法 第467条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問70.時効の援用について正しいのはどれか。
- ア.援用不要・裁判所が自動判断
- イ.援用は禁止
- ウ.当事者の援用が必要
- エ.援用は強行法規違反
正解:ウ.当事者の援用が必要
解説:「援用」とは、時効の完成によって利益を受ける者が「時効が完成したので、その利益を受ける」と相手方に主張する意思表示のことをいう。民法145条は「時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない」と定めており、期間が経過しただけでは裁判所は時効を判断の前提にできない。したがって「当事者の援用が必要」が正しい。趣旨は、借りたものは返すという当事者の意思を尊重し、時効の利益を受けるかどうかを本人の判断に委ねる点にある。消滅時効が完成していても「それでも支払う」という選択は本人に残されている。「援用不要・裁判所が自動判断」は145条が正面から否定している。「援用は禁止」「援用は強行法規違反」は、法が明文で認めている制度を禁止・違法とするもので誤り。なお、時効の利益をあらかじめ放棄することはできない(146条)が、これは援用を禁じる規定ではなく、債権者が優越的な立場を利用して事前に放棄させることを防ぐためのものである。
根拠: 民法 第145条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問71.民法上、原則として無効とされる意思表示はどれか。
- ア.心裡留保による意思表示
- イ.錯誤による意思表示
- ウ.詐欺による意思表示
- エ.虚偽表示による意思表示
正解:エ.虚偽表示による意思表示
解説:相手方と通じてした虚偽の意思表示(虚偽表示)は無効で、その無効は善意の第三者に対抗できない(民法94条)。心裡留保による意思表示は原則として有効で、相手方が表意者の真意でないことを知り、または知ることができたときに限り無効となる(93条1項)。錯誤(重要なもの)による意思表示と詐欺による意思表示は、取り消すことができる(95条1項・96条1項)。
-
問72.連帯債務で各債務者が負う責任として正しいのはどれか。
- ア.全額
- イ.分割した金額のみ
- ウ.債務者数で按分した金額
- エ.ゼロ
正解:ア.全額
解説:各債務者が債務の全額について責任を負い、債権者は誰に対しても全額を請求できる(民法436条)。頭数で按分されるのは債務者どうしの内部的な負担部分にすぎず、全額を弁済した者は他の債務者に負担部分に応じて求償できる(442条)。
-
問73.契約解除で原則として必要な手続きはどれか。
- ア.即時解除
- イ.相当期間を定めた催告
- ウ.公正証書作成
- エ.裁判所の判決
正解:イ.相当期間を定めた催告
解説:民法541条:原則として相当期間を定めた催告が必要。履行不能・定期行為等は例外(催告不要)。
根拠: 民法 第541条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問74.民法における強行法規・任意法規の関係として正しいのはどれか。
- ア.民法は全て強行法規
- イ.民法は全て任意法規
- ウ.民法は任意法規中心・公序良俗等は強行法規
- エ.民法と公序良俗は無関係
正解:ウ.民法は任意法規中心・公序良俗等は強行法規
解説:民法の規定の多くは任意規定で、当事者が異なる合意をすればその合意が優先する(民法91条)。他方、公序良俗に反する法律行為を無効とする90条や、消費者・借家人・労働者を保護する規定などは強行法規であり、これに反する合意は無効になる。
-
問75.民法上、所有の意思をもって平穏かつ公然と他人の物を占有した者が、占有の開始の時に善意・無過失であった場合、その物の所有権を時効取得するのに必要な占有の期間として正しいのはどれか。
- ア.5年
- イ.10年
- ウ.20年
- エ.30年
正解:イ.10年
解説:民法162条2項により、占有開始時に善意・無過失であれば10年間の占有で所有権を時効取得する。善意・無過失でない場合は20年間の占有が必要である(同条1項)。
根拠: 民法 第166条 (出典: e-Gov法令検索)