ビジネス実務法務検定 3級「商取引・知的財産・消費者保護」の一問一答
📖 ビジネス実務法務検定 3級「商取引・知的財産・消費者保護」の全75問と解説(一覧)
ビジネス実務法務検定 3級の商取引・知的財産・消費者保護に関する一問一答(全75問)の正解と解説の一覧です。上の一問一答で実際に解いてから、ここで復習・確認できます。
-
問1.商行為には絶対的商行為と営業的商行為がある。
正解:○(正しい)
解説:商法501条の絶対的商行為は、投機購買や手形行為のように誰が行っても商行為となるもの。502条の営業的商行為は、賃貸・運送・保険・仲立などのように営業として反復継続して行う場合に商行為となるもの。さらに商人が営業のためにする行為は附属的商行為となる(503条)。商行為にあたると商法の特則が適用される。
根拠:商法 第501条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問2.商法では商人間の取引について、書面交付義務や時効短縮(5年)等の特例がある。
正解:×(誤り)
解説:誤り。商事消滅時効5年(旧商法522条)は2020年施行の民法改正で廃止され、民法166条(主観的起算点から5年・客観的起算点から10年)に一元化された。現在、商人間取引に『時効短縮の特例』は存在しない。
根拠:民法 第166条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問3.手形・小切手は流通性のある有価証券で、独立した法律で規律される。
正解:○(正しい)
解説:手形・小切手は権利が証券に化体し、裏書によって転々流通することを予定した有価証券。取引の安全のため、原因関係と切り離す無因性や記載事項を厳格に定める要式性といった特殊な扱いが必要になるため、民法とは別に手形法・小切手法が置かれている。近年は電子記録債権(でんさい)の利用も広がっている。
-
問4.売主の契約不適合責任は2020年民法改正で旧瑕疵担保責任から大きく変更された。
正解:○(正しい)
解説:2020年施行の改正民法で、旧来の瑕疵担保責任は契約不適合責任として債務不履行責任の一類型に整理された。「隠れた瑕疵」という要件はなくなり、契約の内容に適合しているかどうかが基準になる。買主は追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・解除ができる(民法562条以下)。
-
問5.特定商取引法は通信販売・訪問販売等の特定商取引について消費者保護を図る法律である。
正解:○(正しい)
解説:クーリング・オフ制度等が代表的保護。訪問販売・通信販売・連鎖販売取引等の取引類型ごとに保護規定がある。
-
問6.クーリング・オフは契約後一定期間内であれば消費者が無条件で契約解除できる制度である。
正解:○(正しい)
解説:訪問販売や電話勧誘のように不意打ち的で消費者が冷静に判断しにくい取引について、頭を冷やす期間を与える制度。期間は法定書面を受け取った日から起算し、訪問販売・電話勧誘販売・特定継続的役務提供は8日、連鎖販売取引・業務提供誘引販売取引は20日。理由を告げる必要はなく違約金も不要。
-
問7.消費者契約法は事業者と消費者の間の契約について不当条項を無効とする法律である。
正解:○(正しい)
解説:2000年に制定された、事業者と消費者の間の情報力・交渉力の格差を前提とする法律。重要事項の不実告知や不退去などにより誤認・困惑して締結した契約は取り消すことができ、事業者の損害賠償責任を全部免除する条項など消費者の利益を一方的に害する条項は無効になる。取引類型を限定せず消費者契約一般に適用される点が特徴。
-
問8.景品表示法は不当な景品類・表示から消費者を保護する法律である。
正解:○(正しい)
解説:消費者庁が所管し、商品・サービスの品質等を実際より著しく優良に見せる優良誤認表示、価格等を著しく有利に見せる有利誤認表示、その他内閣総理大臣が指定する表示を禁止する(5条)。あわせて過大な景品類の提供も規制する。消費者が自主的・合理的に商品を選べるようにすることが目的。
-
問9.独占禁止法は私的独占・不当な取引制限・不公正な取引方法を禁止する法律である。
正解:○(正しい)
解説:公正かつ自由な競争を確保するための法律で、公正取引委員会が運用する。禁止されるのは、他の事業者の活動を排除・支配する私的独占、カルテルや入札談合のような不当な取引制限、優越的地位の濫用や不当廉売などの不公正な取引方法の3類型。違反には排除措置命令・課徴金納付命令が出され、悪質なものは刑事罰の対象にもなる。
-
問10.カルテルは複数事業者が価格・数量等を協定することで、独禁法で禁止されている。
正解:○(正しい)
解説:本来は各社が独立に決めるべき価格・数量・販路などを競争者どうしで取り決める行為で、不当な取引制限の典型。競争そのものを直接失わせるため最も悪質とされ、多額の課徴金に加え刑事罰の対象にもなる。自主的に申告した事業者の課徴金を減免する課徴金減免(リーニエンシー)制度が摘発の端緒になることも多い。
-
問11.優越的地位濫用は強者が弱者に不当な要求をする行為で、独禁法で禁止される。
正解:○(正しい)
解説:下請法(2026年1月施行で『取適法/中小受託取引適正化法』に改称)とも関連。大企業から中小企業への不当要求等。
-
問12.下請法は親事業者の下請事業者への不当な取扱いを禁止する法律である。
正解:○(正しい)
解説:支払遅延・買いたたき・返品等の禁止行為を明示。公取委が運用。なお2026年1月施行の改正で下請法は『取適法(中小受託取引適正化法)』に改称(親事業者→委託事業者)。
-
問13.知的財産権は特許権・実用新案権・意匠権・商標権・著作権等の総称である。
正解:○(正しい)
解説:人間の知的創造活動から生まれた成果や、営業上の信用を表す標識について認められる権利の総称。特許権・実用新案権・意匠権・商標権の産業財産権と著作権が代表格で、営業秘密や地理的表示、回路配置利用権、育成者権なども含まれる。登録により発生するものと、著作権のように創作と同時に発生するものがある。
-
問14.特許権は発明を保護する権利で、出願日から原則20年間存続する。
正解:○(正しい)
解説:発明(自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの)を保護し、存続期間は出願日から原則20年。新規性・進歩性・産業上利用可能性を満たす必要があり、出願できるのは発明者またはその承継人。登録日ではなく出願日起算なので、審査が長引くほど実際に行使できる期間は短くなる。
-
問15.実用新案権は物品の形状・構造の考案を保護する権利で、出願日から10年間存続する。
正解:○(正しい)
解説:物品の形状・構造・組合せに係る考案を保護し、存続期間は出願日から10年。特許と違い実体審査を経ずに登録されるため早期に権利を得られるが、有効性が保証されないので権利行使には技術評価書の提示が必要になる。方法や物質は対象外。
-
問16.意匠権は物品の形状・模様・色彩の組み合わせを保護する権利で、出願日から25年間存続する。
正解:○(正しい)
解説:物品等の形状・模様・色彩またはこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるものを保護する。2020年施行の改正で存続期間が登録日から20年から出願日から25年に変更され、建築物・内装・画像(GUI)も保護対象に加わった。
-
問17.商標権は商品・サービスの目印を保護する権利で、登録から10年間存続し更新可能。
正解:○(正しい)
解説:商品・役務の出所を示す目印を保護する権利で、存続期間は設定登録から10年。更新登録により何度でも延長でき、事実上半永久的に保護できる。商標が守るのは創作ではなく蓄積された業務上の信用だからである。登録には自他商品識別力が必要。
-
問18.著作権は著作物(思想・感情を創作的に表現したもの)を保護する権利である。
正解:○(正しい)
解説:著作権法は、思想または感情を創作的に表現したものであって文芸・学術・美術・音楽の範囲に属するものを著作物として保護する。無方式主義により創作した時点で権利が発生し、登録は不要。保護されるのは表現であって、その背後にあるアイデアそのものは保護されない。
-
問19.著作権の保護期間は原則として著作者の死後70年である(2018年改正後)。
正解:○(正しい)
解説:著作権法51条により著作者の死後70年。2018年のTPP11発効に伴う改正で50年から70年に延長された。法人その他の団体名義の著作物は著作者の死亡を基準にできないため公表後70年(53条)、映画の著作物も公表後70年(54条)となる。
-
問20.不正競争防止法は事業者間の不正競争行為を禁止する法律である。
正解:○(正しい)
解説:登録された権利がなくても、周知・著名な表示の冒用、商品形態の模倣、営業秘密の侵害、原産地等の誤認表示、競争者の信用を害する虚偽事実の告知(営業誹謗)といった行為を不正競争として差止め・損害賠償の対象とする。登録を前提とする産業財産権を補完する役割を担う。
-
問21.営業秘密は秘密管理性・有用性・非公知性の3要件を満たす情報である。
正解:○(正しい)
解説:不競法2条6項。秘密として管理されていること(秘密管理性)、事業活動に有用な技術上・営業上の情報であること(有用性)、公然と知られていないこと(非公知性)の3つをすべて満たす必要がある。特許と違い登録も公開も不要で期間の制限もないが、実務では秘密管理性が争点になりやすい。
根拠:不正競争防止法 第2条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問22.個人情報保護法は個人情報の適正な取扱いを義務付ける法律である。
正解:○(正しい)
解説:2003年に成立した、個人情報の有用性に配慮しつつ個人の権利利益を保護するための法律。2022年4月には官民に分かれていた規律を一本化する改正法が全面施行され、個人情報保護委員会が一元的に監督する体制になった。違反には勧告・命令が行われ、命令に従わない場合は罰則もある。
-
問23.個人情報取扱事業者は利用目的の特定・通知・本人の同意取得等の義務を負う。
正解:○(正しい)
解説:利用目的をできる限り特定し(個人情報保護法17条)、取得したら速やかに本人へ通知または公表する。特定した利用目的の範囲を超えて扱うには本人の同意が必要で、第三者へ提供する場合も原則として本人の同意がいる。ほかに安全管理措置、従業者・委託先の監督、開示・訂正等の請求への対応義務がある。
根拠:個人情報の保護に関する法律 第17条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問24.特定個人情報(マイナンバー)は個人情報よりさらに厳格な保護対象である。
正解:○(正しい)
解説:マイナンバーを含む特定個人情報は、番号利用法(マイナンバー法)により個人情報保護法よりも厳格に規律される。利用できる場面が社会保障・税・災害対策の分野に法律で限定され、本人の同意があっても目的外利用はできない点が最大の違い。収集・保管の制限や安全管理措置も加重されている。
-
問25.契約書作成では『契約当事者・契約内容・契約期間・代金等』の明示が重要である。
正解:○(正しい)
解説:当事者は誰か、何をどれだけいくらで、いつまでに、どのような条件で、という要素を明確に書き分けることが後日の紛争を防ぐ基本になる。あわせて解除事由・損害賠償・秘密保持・管轄裁判所などを定めておく。近年は電子署名やタイムスタンプを用いた電子契約も急速に普及している。
-
問26.電子契約法は電子的方法による契約成立を有効と認める法律である。
正解:○(正しい)
解説:電子消費者契約法は、パソコン等の操作ミスによる申込みについて、事業者が確認措置を講じていなければ錯誤による取消しを主張しやすくするなど、電子商取引の特性に応じた特則を置く。これに電子署名法(一定の電子署名がある電磁的記録に真正な成立の推定を与える)が組み合わさって、電子契約の法的有効性が支えられている。
-
問27.クレジット契約はクレジット会社・消費者・販売店の3者契約構造を持つ。
正解:○(正しい)
解説:消費者・販売店・クレジット会社の三者が関わり、消費者と販売店の売買契約と、消費者とクレジット会社の立替払契約が併存する。このため販売店とのトラブルの影響が支払いに及ぶ問題があり、割賦販売法は販売店に対する抗弁をクレジット会社にも主張できる抗弁の接続(支払停止の抗弁)などの消費者保護規定を置いている。
-
問28.商行為と民事行為に法的な区別はない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。商法501条・502条で商行為を定義。商人間取引には商法の特別規定が適用される。
根拠:商法 第501条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問29.手形・小切手は民法のみで規律される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。手形・小切手は無因性・要式性・文言性といった民法の一般原則と異なる特殊な扱いを必要とするため、手形法・小切手法という独立した法律で規律されている。証券の流通の安全を確保するための仕組みである。
-
問30.クーリング・オフは契約後30日以内であれば常に行使できる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。期間は取引類型ごとに異なる(訪問販売8日・連鎖販売20日等)。常に30日ではない。
-
問31.消費者契約法は事業者間の契約も対象とする。
正解:×(誤り)
解説:誤り。消費者契約法は『事業者と消費者間』の契約が対象。事業者間(B2B)は対象外。
-
問32.景品表示法は事業者間の取引にも適用される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。景品表示法は一般消費者による自主的かつ合理的な選択を確保することを目的としており、規制対象は消費者に向けた表示や景品類。事業者間の取引条件そのものは対象外で、そちらは独占禁止法(優越的地位の濫用など)や取適法(中小受託取引適正化法。2026年1月施行で下請法から改称)が扱う。
-
問33.独占禁止法では公正取引委員会が運用する違反対象は私的独占のみである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。独占禁止法が禁止する行為は、私的独占・不当な取引制限(カルテル、入札談合)・不公正な取引方法の3類型。公正取引委員会はこれら全体について排除措置命令や課徴金納付命令を行う。
-
問34.カルテルは独禁法上認められている合法的行為である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。カルテルは不当な取引制限の典型例で、独占禁止法が禁止する最も悪質な行為の一つ。多額の課徴金に加え刑事罰の対象にもなり、自主申告により課徴金が減免される制度(リーニエンシー)も設けられている。
-
問35.下請法は親事業者間の取引を規制する法律である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。下請法は『親事業者から下請事業者への不当行為』を規制。逆ではない。なお2026年1月施行で下請法は取適法(中小受託取引適正化法)に改称。
-
問36.特許権の存続期間は出願日から10年である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。特許権の存続期間は出願日から20年(特許法67条)。10年は実用新案権の期間で、無審査で早期に登録される代わりに保護期間が短く設定されている。
根拠:特許法 第67条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問37.実用新案権は審査主義により厳格な審査を経て登録される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。実用新案は無審査主義で、新規性・進歩性の実体審査を経ずに方式と基礎的要件の確認のみで登録される。早期に権利を得られる反面、有効性が保証されないため、権利行使には技術評価書の提示が必要になる。
-
問38.意匠権の存続期間は出願日から15年である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。意匠権の存続期間は2020年施行の改正により出願日から25年(旧法は登録日から20年)。期間だけでなく起算点も変わった点をあわせて押さえる。
-
問39.商標権は更新不可で10年で消滅する。
正解:×(誤り)
解説:誤り。商標権は設定登録から10年だが、更新登録の申請により何度でも10年ずつ延長でき、事実上半永久的に保護できる。商標が保護するのは創作ではなく蓄積された業務上の信用なので、期間を区切って消滅させる必要がないためである。
-
問40.著作権の発生には登録手続きが必要である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。著作権は無方式主義により創作した時点で自動的に発生し、登録も©表示も権利発生の要件ではない。文化庁の登録制度はあるが、これは譲渡の対抗要件や公表日の推定などのための制度である。
-
問41.著作権の保護期間は著作者の死後30年である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。著作権の保護期間は著作者の死後70年(著作権法51条)。2018年のTPP11対応の改正で50年から70年に延長された。法人その他の団体名義の著作物は公表後70年となる。
-
問42.不正競争防止法は知財侵害以外の事業者間不正競争には適用されない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。不正競争防止法は、営業秘密の侵害、原産地・品質等の誤認表示、競争者の信用を害する虚偽事実の告知(営業誹謗)、ドメイン名の不正取得など、登録された知的財産の侵害に限られない幅広い不正競争行為を対象としている。
-
問43.営業秘密の要件は秘密管理性のみで足りる。
正解:×(誤り)
解説:誤り。営業秘密の3要件=『秘密管理性・有用性・非公知性』すべて必要(不競法2条6項)。
根拠:不正競争防止法 第2条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問44.個人情報保護法では本人の同意なしに第三者提供できる場合は一切ない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。法令に基づく場合・人の生命/身体/財産保護のため等の例外規定あり(個人情報保護法27条)。
根拠:個人情報の保護に関する法律 第27条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問45.マイナンバーは個人情報保護法のみで規律される。
正解:×(誤り)
解説:誤り。マイナンバー(特定個人情報)は『番号利用法(マイナンバー法)』でさらに厳格に規律される。
-
問46.電子契約は民法上無効である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。電子契約法・電子署名法により電子契約は有効。書面要件のある一部契約は別途規定あり。
-
問47.優越的地位濫用は独禁法上問題とならない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。優越的地位の濫用は不公正な取引方法の一つとして独占禁止法で禁止されている。取引上の立場が強い事業者が相手方に不当な不利益を押しつける行為であり、課徴金の対象にもなる。
-
問48.著作権法上のフェアユース(公正利用)は日本では明文化されている。
正解:×(誤り)
解説:誤り。日本著作権法には包括的フェアユース規定はない。個別の権利制限規定(私的複製・引用等)のみ。
-
問49.特許法上の発明の要件は新規性のみである。
正解:×(誤り)
解説:誤り。特許を受けるには、産業上利用できること、出願前に公然と知られていないこと(新規性)、当業者が容易に発明できないこと(進歩性)の3つをすべて満たす必要がある(特許法29条)。新規であっても容易に思いつく発明は進歩性を欠き特許されない。
-
問50.商標権の登録要件として識別力は不要である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。商標登録には『識別力(自他商品識別力)』が必要。普通名称・慣用商標等は登録不可。
-
問51.商法上の取引時効は民法と同じ10年である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。かつて商事債権の消滅時効は5年(旧商法522条)で、民法の10年より短い特則でした。2020年改正で旧商法522条は廃止され、現在は民法166条により主観的起算5年・客観的起算10年に一元化されています。いずれにせよ「民法と同じ10年」は誤りです。
根拠:民法 第166条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問52.クレジット契約は2者契約構造である。
正解:×(誤り)
解説:誤り。クレジット契約は消費者・販売店・クレジット会社の三者が関わる構造で、消費者と販売店の売買契約と、消費者とクレジット会社の立替払契約が併存する。この構造ゆえに、割賦販売法は抗弁の接続などの消費者保護規定を置いている。
-
問53.景表法の不当表示には『優良誤認・有利誤認・その他指定するもの』があり、課徴金制度はない。
正解:×(誤り)
解説:誤り。景品表示法には課徴金制度がある。2014年の改正で導入され2016年4月に施行されたもので、優良誤認表示・有利誤認表示について、対象となる商品・役務の売上額の3%の課徴金が課される。
-
問54.商法上の商行為の種類として正しいのはどれか。
- ア.行政行為と私法行為
- イ.民事行為と商事行為
- ウ.絶対的商行為と営業的商行為
- エ.公的行為と私的行為
正解:ウ.絶対的商行為と営業的商行為
解説:商法501条の絶対的商行為(投機購買や手形行為など、誰が行っても商行為となるもの)と、502条の営業的商行為(賃貸・運送・保険・仲立など、営業として反復継続して行う場合に商行為となるもの)の2つに分類される。さらに商人が営業のためにする行為は附属的商行為(503条)とされる。
根拠:商法 第501条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問55.特定商取引法によるクーリング・オフ期間として正しいのはどれか(訪問販売)。
- ア.3日
- イ.30日
- ウ.14日
- エ.8日
正解:エ.8日
解説:訪問販売は法定書面を受け取った日から起算して8日間。電話勧誘販売や特定継続的役務提供も8日で、連鎖販売取引と業務提供誘引販売取引は仕組みが複雑で判断に時間がかかるため20日と長い。不意打ち性の高い取引について頭を冷やす期間を与える制度である。
-
問56.消費者契約法の対象として正しいのはどれか。
- ア.事業者と消費者間の契約
- イ.事業者間の契約
- ウ.行政契約
- エ.国際契約
正解:ア.事業者と消費者間の契約
解説:事業者と消費者の間に情報の質・量と交渉力の格差があることを前提とした法律なので、対象は事業者対消費者(BtoC)の契約全般。事業者間の契約は当事者が対等とみなされるため対象外であり、そちらは独占禁止法や取適法(中小受託取引適正化法。2026年1月施行で下請法から改称)が扱う。
-
問57.独禁法違反の3類型として正しいのはどれか。
- ア.売買・賃貸・委任
- イ.私的独占・不当な取引制限・不公正な取引方法
- ウ.製造・販売・サービス
- エ.いずれも該当する
正解:イ.私的独占・不当な取引制限・不公正な取引方法
解説:独占禁止法が禁止するのは、私的独占(他の事業者を排除・支配する行為)、不当な取引制限(カルテル・入札談合)、不公正な取引方法(優越的地位の濫用・不当廉売など)の3類型。契約類型や業種による分類ではない。
-
問58.カルテルの法的位置付けとして正しいのはどれか。
- ア.合法
- イ.景表法で禁止
- ウ.独禁法で禁止
- エ.民法で無効
正解:ウ.独禁法で禁止
解説:カルテルは独占禁止法が禁止する不当な取引制限の典型例。競争そのものを失わせる最も悪質な行為とされ、排除措置命令に加えて多額の課徴金、悪質な場合には刑事罰の対象にもなる。景表法は表示・景品の規制であって、カルテルを扱う法律ではない。
-
問59.下請法の規制対象として正しいのはどれか。
- ア.親事業者間の取引
- イ.国際取引
- ウ.消費者取引
- エ.親事業者から下請事業者への不当行為
正解:エ.親事業者から下請事業者への不当行為
解説:下請法は『親事業者から下請事業者への不当行為』を規制(公取委運用)。なお2026年1月施行で下請法は取適法(中小受託取引適正化法)に改称(親事業者→委託事業者)。
-
問60.特許権の存続期間として正しいのはどれか。
- ア.出願日から20年
- イ.出願日から15年
- ウ.出願日から10年
- エ.出願日から25年
正解:ア.出願日から20年
解説:特許法67条により出願日から20年。登録日起算ではないため、審査が長引くほど実際に権利行使できる期間は短くなる。10年は実用新案権、25年は意匠権(2020年改正後)の存続期間なので、まとめて整理して覚える。
根拠:特許法 第67条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問61.実用新案権の存続期間として正しいのはどれか。
- ア.出願日から5年
- イ.出願日から10年
- ウ.出願日から20年
- エ.出願日から25年
正解:イ.出願日から10年
解説:実用新案権の存続期間は出願日から10年。無審査で早期に登録される代わりに保護期間が短い。20年は特許権、25年は意匠権の期間であり、権利ごとに整理して覚える。
-
問62.意匠権の存続期間として正しいのはどれか(2020年改正後)。
- ア.10年
- イ.15年
- ウ.25年
- エ.20年
正解:ウ.25年
解説:2020年施行の改正意匠法により出願日から25年(旧法は登録日から20年)。ロングライフのデザインを長く保護する趣旨で、期間だけでなく起算点も出願日に変更された点に注意する。
-
問63.商標権の存続期間として正しいのはどれか。
- ア.登録から5年
- イ.永久
- ウ.登録から20年
- エ.登録から10年(更新可)
正解:エ.登録から10年(更新可)
解説:設定登録から10年だが、更新登録の申請により何度でも10年ずつ延長できるため、事実上半永久的に保護できる。産業財産権のうち更新できるのは商標だけで、これは商標が創作ではなく業務上の信用を保護する権利だからである。
-
問64.著作権の発生要件として正しいのはどれか。
- ア.創作と同時に発生(無方式主義)
- イ.登録手続き必要
- ウ.公表時に発生
- エ.出版時に発生
正解:ア.創作と同時に発生(無方式主義)
解説:著作権法は無方式主義を採り、創作した時点で手続なしに権利が発生する。公表・出版・登録はいずれも権利発生の要件ではない。登録を要する特許・意匠・商標との最も大きな違いであり、ベルヌ条約が加盟国に求める原則でもある。
-
問65.著作権の保護期間として正しいのはどれか(2018年改正後)。
- ア.著作者の死後30年
- イ.著作者の死後70年
- ウ.著作者の死後50年
- エ.永久
正解:イ.著作者の死後70年
解説:2018年TPP改正で『死後70年』に延長(旧法50年)。法人著作は公表後70年。
-
問66.営業秘密の3要件として正しい組合せはどれか。
- ア.識別力・登録性・有用性
- イ.新規性・進歩性・産業利用可能性
- ウ.秘密管理性・有用性・非公知性
- エ.公知性・有用性・新規性
正解:ウ.秘密管理性・有用性・非公知性
解説:不競法2条6項が定める秘密管理性・有用性・非公知性の3つをすべて満たす必要がある。新規性・進歩性・産業上利用可能性は特許の要件、識別力は商標の要件であって、営業秘密には求められない。逆に公知になってしまうと非公知性を欠いて保護されなくなる。
根拠:不正競争防止法 第2条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問67.個人情報保護法における原則的義務として該当しないものはどれか。
- ア.利用目的の特定
- イ.本人への通知
- ウ.第三者提供時の本人同意
- エ.個人情報の永久保存
正解:エ.個人情報の永久保存
解説:個人情報保護法は、利用目的の特定、本人への通知・公表、第三者提供時の同意取得、安全管理措置などを義務づける一方、利用目的の達成に必要がなくなった個人データは遅滞なく消去するよう求めている。したがって永久保存はむしろ法の求める取扱いに反する。
-
問68.マイナンバー(特定個人情報)の規律法律として正しいのはどれか。
- ア.番号利用法(マイナンバー法)
- イ.個人情報保護法のみ
- ウ.住民基本台帳法
- エ.商法
正解:ア.番号利用法(マイナンバー法)
解説:マイナンバーを含む特定個人情報は番号利用法(マイナンバー法)により規律され、社会保障・税・災害対策という法律で定められた場面でしか利用できない。本人の同意があっても目的外利用ができない点が個人情報保護法との最大の違い。住民基本台帳法や商法は根拠法ではない。
-
問69.特許要件として該当しないものはどれか。
- ア.新規性
- イ.美術性
- ウ.産業上利用可能性
- エ.進歩性
正解:イ.美術性
解説:特許法29条が求めるのは産業上利用可能性・新規性・進歩性の3つ。美感を起こさせるかどうか(美術性)は意匠の観点であって特許では問われない。特許は技術的思想を保護し、意匠は見た目のデザインを保護するという役割分担になっている。
-
問70.商標登録の要件として正しいのはどれか。
- ア.新規性
- イ.美術性
- ウ.識別力(自他商品識別力)
- エ.産業利用可能性
正解:ウ.識別力(自他商品識別力)
解説:商標は誰の商品・役務かを区別できてこそ機能するため、自他商品識別力が必要(商標法3条)。普通名称や慣用商標、産地・品質を普通に表示するだけの商標は登録できない。新規性・進歩性は特許、美術性は意匠の観点であって、商標では問われない。
-
問71.景品表示法の不当表示として正しいのはどれか。
- ア.優良誤認のみ
- イ.有利誤認のみ
- ウ.商標誤認のみ
- エ.優良誤認・有利誤認・その他指定
正解:エ.優良誤認・有利誤認・その他指定
解説:景品表示法5条は、品質・規格等を著しく優良に見せる優良誤認表示、価格その他の取引条件を著しく有利に見せる有利誤認表示、および内閣総理大臣が指定する表示(おとり広告や原産国の不当表示など)の3類型を不当表示として禁止している。
根拠:不当景品類及び不当表示防止法 第5条 (出典: e-Gov法令検索)
-
問72.景品表示法違反の課徴金制度の導入年として正しいのはどれか。
- ア.2016年
- イ.2005年
- ウ.1990年
- エ.2024年
正解:ア.2016年
解説:景品表示法の課徴金制度は2014年の改正で導入され、2016年4月1日から施行された。優良誤認表示・有利誤認表示を行った事業者に対し、対象となる商品・役務の売上額の3%を課徴金として納付させる仕組みで、違反の抑止力を高めるために設けられた。
-
問73.商事債権の消滅時効として正しいのはどれか。
- ア.1年
- イ.5年
- ウ.3年
- エ.10年
正解:イ.5年
解説:2020年改正で商法522条(商事5年)は廃止され、消滅時効は民法166条に一元化された。権利を行使できることを知った時から5年(客観的起算点から10年)で、商事債権は通常その時点を認識しているため実務上5年。
-
問74.クレジット契約の構造として正しいのはどれか。
- ア.2者(消費者と販売店)
- イ.4者
- ウ.3者(消費者・販売店・クレジット会社)
- エ.5者
正解:ウ.3者(消費者・販売店・クレジット会社)
解説:クレジット契約は3者契約(消費者・販売店・クレジット会社)。割賦販売法等で保護。
-
問75.電子契約の法的有効性として正しいのはどれか。
- ア.無効
- イ.裁判所の認証必要
- ウ.公正証書のみ有効
- エ.電子契約法・電子署名法により有効
正解:エ.電子契約法・電子署名法により有効
解説:電子契約は電子契約法・電子署名法により有効。書面要件のある契約は別途規定確認必要。