数検1級「積分法(重積分・広義積分)」の出題ポイント
数検1級(実用数学技能検定1級)の「積分法」は、置換積分・部分積分・広義積分といった1変数積分から、回転体の体積、そして大学数学の二重積分・累次積分・極座標変換まで広がります。本章は一問一答化できる1次計算技能の典型に絞った解説で、記述式の2次や厳密な収束判定は教科書併用が必須です。
※出題範囲・基準は改定される場合があります。最新情報は必ず日本数学検定協会 公式情報でご確認ください。
置換積分・部分積分
- 置換積分:∫f(g(x))g'(x)dx で u=g(x) と置く。例:∫2x·e^(x^2)dx は u=x^2 として ∫e^u du = e^u = e^(x^2) + C。
- 部分積分:∫f g' dx = f g − ∫f' g dx。例:∫x e^x dx = x e^x − ∫1·e^x dx = x e^x − e^x = (x−1)e^x + C。
- 計算例:∫logx dx は f=logx、g'=1 とみて = x logx − ∫x·(1/x)dx = x logx − x + C。
広義積分
積分区間が無限、または被積分関数が発散する点を含む積分です。極限で定義します。
- 計算例1:∫[1→∞] 1/x^2 dx = lim[t→∞] [−1/x](1からt) = lim(−1/t + 1) = 1(収束)。
- 計算例2:∫[0→∞] e^(−x) dx = [−e^(−x)](0から∞) = 0 − (−1) = 1。
- ∫[1→∞] 1/x dx = lim[t→∞] logt = ∞(発散)。1/x^p の広義積分は p>1 で収束、p≦1 で発散。
回転体の体積
- x軸まわり:y=f(x) を a≦x≦b で x軸まわりに回転 → V = π∫[a→b] {f(x)}^2 dx。
- 計算例:y=√x(0≦x≦4)を x軸まわりに回転すると V = π∫[0→4] (√x)^2 dx = π∫[0→4] x dx = π[x^2/2](0から4) = π·8 = 8π。
二重積分・累次積分
2変数関数を領域上で積分するのが二重積分です。長方形領域なら累次積分(順に1変数ずつ積分)で計算します。
- 計算例:∬_D xy dxdy(D: 0≦x≦1, 0≦y≦2)= ∫[0→1]( ∫[0→2] xy dy )dx = ∫[0→1] x·[y^2/2](0から2) dx = ∫[0→1] x·2 dx = 2·[x^2/2](0から1) = 1。
- 内側から外側へ、定数とみなす変数を固定して順に積分します。
極座標変換
円や扇形の領域では x=r cosθ、y=r sinθ と置くと計算が楽になります。このときヤコビアンが r となり、dxdy = r dr dθ。
- 計算例:単位円 D: x^2+y^2≦1 上で ∬_D 1 dxdy(=面積)を極座標で計算すると ∫[0→2π]∫[0→1] r dr dθ = ∫[0→2π] [r^2/2](0から1) dθ = ∫[0→2π] (1/2) dθ = (1/2)·2π = π(半径1の円の面積と一致)。
ガンマ関数の基本値
- 定義:Γ(s) = ∫[0→∞] x^(s−1) e^(−x) dx。
- 基本性質:Γ(n) = (n−1)!(n が正整数)。例 Γ(1)=0!=1、Γ(2)=1!=1、Γ(3)=2!=2、Γ(4)=3!=6。
- 漸化式:Γ(s+1) = s·Γ(s)。半整数値:Γ(1/2) = √π。
用語の確認は用語集、学習の進め方は勉強法ガイドを参考に。積分法が固まったら次は微分方程式の章へ進みましょう。
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