数検1級「複素数・複素関数・級数」の出題ポイント
数検1級(実用数学技能検定1級)では「複素数・複素関数・級数」も中核です。複素数の絶対値・偏角・極形式、ド・モアブルの定理、1のn乗根、オイラーの公式、そして等比級数の和・収束判定・収束半径まで問われます。本章は一問一答化できる1次計算技能の典型に絞った解説で、記述式の2次や複素積分の理論は教科書併用が必須です。
※出題範囲・基準は改定される場合があります。最新情報は必ず日本数学検定協会 公式情報でご確認ください。
複素数の絶対値・偏角・極形式
複素数 z = a + bi は絶対値 |z| = √(a^2 + b^2)、偏角 θ = arg z を用いて極形式 z = r(cosθ + i sinθ) で表せます(r=|z|)。
- 計算例:z = 1 + √3 i は |z| = √(1 + 3) = 2、偏角 θ = arctan(√3/1) = 60°(π/3)。極形式は z = 2(cos60° + i sin60°)。
- 共役複素数 z̄ = a − bi。z·z̄ = a^2 + b^2 = |z|^2。
ド・モアブルの定理
{r(cosθ + i sinθ)}^n = r^n(cos nθ + i sin nθ)。累乗計算が容易になります。
- 計算例:(1 + √3 i)^3。極形式 2(cos60°+isin60°) を用いて = 2^3(cos180° + i sin180°) = 8(−1 + 0i) = −8。
- 検算:(1+√3 i)^2 = 1 + 2√3 i + 3i^2 = 1 + 2√3 i − 3 = −2 + 2√3 i。これに (1+√3 i) を掛けると (−2+2√3 i)(1+√3 i) = −2 − 2√3 i + 2√3 i + 2·3·i^2 = −2 − 6 = −8。一致。
1のn乗根
z^n = 1 の解は単位円周上に等間隔(角度 2π/n ごと)に並ぶ n 個の複素数です。z_k = cos(2kπ/n) + i sin(2kπ/n)(k=0,1,…,n−1)。
- 計算例(1の3乗根):z^3=1 の解は k=0,1,2 で z_0 = 1、z_1 = cos120° + i sin120° = −1/2 + (√3/2)i、z_2 = cos240° + i sin240° = −1/2 − (√3/2)i。
- これは方程式 z^3 − 1 = (z−1)(z^2 + z + 1) = 0 の解と一致(z^2+z+1=0 の解が z_1, z_2)。
オイラーの公式
- e^(iθ) = cosθ + i sinθ。極形式は z = r e^(iθ) とも書けます。
- 特別な値:θ=π を代入すると e^(iπ) = cosπ + i sinπ = −1、すなわち e^(iπ) + 1 = 0(オイラーの等式)。
- ド・モアブルの定理は (e^(iθ))^n = e^(inθ) として簡潔に表せます。
等比級数・収束判定・収束半径
- 等比級数:初項 a、公比 r で |r|<1 のとき Σ_{n=0}^∞ a r^n = a/(1−r)(収束)。|r|≧1 では発散。
- 計算例:Σ_{n=0}^∞ (1/2)^n = 1/(1 − 1/2) = 2。
- 収束判定(ダランベールの比判定法):lim|a_{n+1}/a_n| = L が L<1 なら収束、L>1 なら発散。
- 収束半径:べき級数 Σ a_n x^n の収束半径 R は 1/R = lim|a_{n+1}/a_n|。例:Σ x^n/n! は |a_{n+1}/a_n| = 1/(n+1) → 0 なので R=∞(全実数で収束、これは e^x の展開)。
用語の確認は用語集、学習の進め方は勉強法ガイドを参考に。複素数・級数が固まったら次は確率分布・統計的な推測の章へ進みましょう。
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