測量士試験「応用測量」出題ポイント解説
測量士試験「応用測量」の出題ポイントを整理。路線測量(単曲線TL/CL/M/E・偏角法・座標法・クロソイド曲線・縦断曲線)、河川測量(距離標・水準基標・定期横断・深浅)、海岸測量、用地測量(境界確認・地積測量図)、トンネル・地下測量、鉄道測量(建築限界)、ダム・港湾測量、土量計算(プリズモイダル公式・点高法)、MMS・i-Construction(LandXML・3次元設計データ)まで、午後記述で頻出する応用分野を体系化します。
※受験料・試験日程・合格基準・出題範囲は改定される場合があります。最新情報は必ず国土地理院の公式情報でご確認ください。
出題傾向
- 分野: 路線測量、河川・海岸測量、用地測量、トンネル・地下・鉄道測量、ダム・港湾、土量計算、i-Construction
- 出題形式: 午後選択問題の中心分野。路線測量・河川測量・用地測量のいずれかは毎年出題される傾向
- 計算問題: 単曲線要素(TL・CL・M・E)、クロソイド要素、土量計算(プリズモイダル公式・点高法)、座標による境界点計算
- 近年のトレンド: i-Construction(3次元設計データ・LandXML・ICT建機)の出題が拡大中
頻出論点1: 路線測量と単曲線(TL・CL・M・E)
- 路線測量: 道路・鉄道等の線形構造物の新設・改良のための測量。路線選定 → 中心線測量 → 縦断・横断測量 → 詳細測量 → 用地測量の流れで進む
- 単曲線: 道路・鉄道のカーブで用いる円弧。曲線半径R・交角IAから、接線長TL・曲線長CL・中央縦距M・外距Eが計算できる
- 主要な公式: TL = R・tan(IA/2)、CL = R・IA(ラジアン)、M = R{1-cos(IA/2)}、E = R{sec(IA/2)-1}
- BC・EC・SP: 曲線の始点(BC)・終点(EC)・中央点(SP)の追加距離を、IP(交点)の追加距離から計算する
頻出論点2: 偏角法・座標法による曲線設置
- 偏角法: BCから接線方向に対する偏角(弦の方向角)を計算し、TSの方向角と弦長で曲線上の各点を設置する古典的な方法
- 座標法: 曲線上の点の座標を直接計算し、近傍の基準点からTSやGNSSで座標値として設置する現代的な方法。中間に障害物があっても適用可能
- 中央縦距法・接線オフセット法: 補助的な設置方法。狭い範囲の補設に用いる
- 方法の選択: 現代の路線測量は座標法が主流。GNSS・TSの精度向上で偏角法の使用は減少傾向
頻出論点3: クロソイド曲線と縦断曲線
- クロソイド曲線: 曲率が弧長に比例して変化する緩和曲線。直線→単曲線間のハンドル切り増しを滑らかにする。A²=R・L(A:パラメータ、R:曲率半径、L:弧長)
- クロソイド要素: 設置にはクロソイド表からX・Y・τ(接線角)等を読み取り、座標計算する
- 縦断曲線: 縦断勾配が変化する箇所に挿入する2次放物線。視距確保・乗り心地のため一定の縦断曲線長を設ける
- 縦断曲線の式: y=(g₁-g₂)x²/(2L) で表される。L:縦断曲線長、g₁・g₂:勾配
頻出論点4: 河川・海岸測量
- 河川測量: 河川の整備・維持管理のための測量。河心線測量・距離標設置・水準基標測量・定期縦横断測量・深浅測量で構成
- 距離標: 河口から上流に向けて200m間隔で設置する標識。河川の縦断管理の基準
- 水準基標: 河川沿いに5〜10km間隔で設置する水準点。河川水位・横断測量の高さ基準
- 定期横断測量: 距離標を結ぶ線上で河川横断面を測量。1〜数年ごとに実施し河床変動を把握
- 深浅測量: 河川・港湾・湖沼の水底地形を測量する。音響測深機(シングルビーム・マルチビーム)を用いる
- 海岸測量: 海岸線測量(最低水面・平均水面・最高水面)、潮位観測、海底地形図作成等を行う
頻出論点5: 用地測量(境界確認・地積測量図)
- 用地測量: 道路・河川等の公共事業に必要な用地を取得・補償するための測量。資料調査 → 境界確認 → 用地測量図作成 → 用地買収面積計算の流れ
- 境界確認: 隣接する土地所有者の立会いのもとで境界点を確認し、境界点を測量する。立会証明書を作成
- 地積測量図: 一筆の土地の地積を明示する図面。座標値・辺長・地積計算式を記載。法務局に提出するもの
- 分筆・合筆登記: 用地買収に伴い土地を分筆する場合、地積測量図と確定測量図を作成し登記申請を行う
頻出論点6: トンネル・地下測量と鉄道測量(建築限界)
- トンネル測量: 坑外基準点測量 → 坑内基準点測量 → 中心線測量 → 出来形測量で構成。両坑口からの掘進が中央で合致する精度管理が重要
- 地下測量: 地下空間でGNSSが使えないため、TS・ジャイロ等を併用。地上基準点との連結に立坑経由の連絡測量を行う
- 鉄道測量: 鉄道線路の新設・改良に伴う測量。曲線・カント(外側レール高さ)・建築限界の確保が独特
- 建築限界: 鉄道車両が走行する空間に物を置いてはならない範囲。曲線部ではカントと曲率に応じて拡幅される
頻出論点7: ダム・港湾測量
- ダム測量: ダム計画・施工に伴う測量。貯水池の地形測量・水没範囲の用地測量、堤体出来形測量等
- ダム変位観測: 完成後のダム本体の変形・沈下を観測するため、定期的にTS・GNSS・プラムビング等で監視する
- 港湾測量: 港湾施設の建設・維持のための測量。岸壁・防波堤等の出来形測量、深浅測量、潮位観測などを行う
- 音響測深: マルチビーム測深機により、海底面を面的に高密度に計測。浚渫管理・地形変化監視に活用
頻出論点8: 土量計算(プリズモイダル公式・点高法)
- 土量計算の必要性: 道路・造成工事における切土量・盛土量の算定。施工費・残土処理計画の基礎
- 平均断面法: 隣接する2断面の面積平均に断面間距離を乗じて土量を求める。最も汎用的
- プリズモイダル(角柱体)公式: V=L/6×(A₁+4Am+A₂)。3断面(両端と中間)の面積から精密に求める
- 点高法: 造成地などを格子に分割し、各格子点の地盤高と計画高の差を平均して土量を求める手法
- 土量変化率: 地山土量→ほぐし土量→締固め土量の体積変化率(L値・C値)を考慮して土量を換算する
頻出論点9: MMS・i-Construction(3次元設計データ・LandXML)
- i-Construction: 国土交通省が推進する建設生産性革命施策。3次元設計データを起点に、ICT建機による施工・3次元出来形管理・電子納品まで一気通貫で行う
- 3次元設計データ: 道路・河川等の設計を3次元モデルとして作成。ICT建機の制御・施工管理・出来形検査に活用
- LandXML: 土木設計データの交換用XML標準フォーマット。線形・断面・サーフェスを記述できる。発注者・受注者間のデータ受け渡しに使用
- MMS活用: 道路台帳更新・施設管理・i-Construction出来形検査に車載MMSの点群が利用される
- UAV/レーザによる出来形管理: 起工測量・出来形測量をUAV写真測量や地上レーザで実施し、設計サーフェスと比較して施工管理を行う
効果的な学習法
応用測量は午後選択問題の主戦場です。出題範囲が広いので、自分が選ぶ得意分野(路線・河川・用地等)を3〜4分野に絞って深く対策するのが効率的です。単曲線要素・クロソイド・土量計算は公式を覚えるだけでなく、過去問で計算手順を体に染み込ませましょう。i-Constructionは作業規程の準則の改定で追加された新しい分野なので、最新の準則をチェックしてください。当サイトの一問一答で全章の論点を仕上げ、午後記述は過去問の模範解答を写経して論述の型を身につけましょう。
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