測量士試験「地形測量・写真測量」出題ポイント解説
測量士試験「地形測量・写真測量」の出題ポイントを整理。地形図の等高線(主曲線・計曲線)、TS・GNSS・電子平板による細部測量、DEM/DSM/DTM・TIN、写真測量の中心投影・B/H比・オーバーラップ60%/サイドラップ30%、4標定(内部・相互・対地・絶対)、空中三角測量・バンドル法、DPW・SfM、オルソ画像、UAV測量のGSD・GCP、MMS、航空・地上レーザスキャナと点群処理まで、近年急増するUAV・点群の論点も含めて体系化します。
※受験料・試験日程・合格基準・出題範囲は改定される場合があります。最新情報は必ず国土地理院の公式情報でご確認ください。
出題傾向
- 分野: 地形測量(TS・GNSS・電子平板)、空中写真測量、UAV測量、MMS、レーザ測量、DEM/DSM
- 出題形式: 午前択一で安定出題。午後記述ではUAV・点群処理の作業手順・精度管理が選択問題で頻出
- 計算問題: 撮影縮尺・撮影高度・地上画素寸法(GSD)・B/H比・比高による変位など、比例関係の定型問題
- 近年のトレンド: i-Construction関連でUAV・MMS・点群処理の出題が増加傾向
頻出論点1: 地形図と等高線
- 等高線: 標高の等しい点を結んだ線。閉曲線で交わらない・分岐しない。間隔が狭いほど急傾斜
- 主曲線・計曲線・補助曲線: 主曲線は基本となる等高線、計曲線は5本ごとの太線(2万5千分1なら50m間隔)、補助曲線は緩斜面で主曲線の1/2または1/4間隔で挿入
- 等高線間隔: 1/2.5万地形図は主曲線10m・計曲線50m、1/5万は主曲線20m・計曲線100m
- 地形の表現: 尾根は外向きに突出、谷は等高線が高い方へ食い込む形で表現される
頻出論点2: 細部測量(TS・GNSS・電子平板)
- TS細部測量: 基準点に器械を据え、放射法で地形・地物の特徴点を観測する。リアルタイムに座標が得られる
- GNSS細部測量: RTK-GNSSやネットワーク型RTKを用いて、移動観測で座標を取得。上空視界が確保できる場所に有効
- 電子平板(モバイルマッピング): タブレット端末上の電子地図にTS・GNSS観測値を取り込みながら現地で図化を進める方式
- 地形補備: 写真測量や既成図で表現できない部分を、TS・GNSSで現地補備する
頻出論点3: DEM・DSM・DTM・TIN
- DEM(数値標高モデル): 地表面の標高をグリッド状に持つデータ。一般に「地表面(裸地面)」を表す
- DSM(数値表層モデル): 樹木・建物等の表層を含む高さを表すモデル。航空レーザのファーストパルスや写真測量で取得
- DTM(数値地形モデル): 標高に地形特徴線(尾根・谷・崖)を加えたモデル
- TIN(不整三角網): 標高点を三角形で連結して地表を表現するモデル。地形の変化に応じて密度を調整できる
頻出論点4: 写真測量の原理(中心投影・B/H比)
- 中心投影: 写真は1点(投影中心=レンズ中心)を通る光線によって結像する中心投影。地図の正射投影とは異なり、比高による像のずれが発生する
- 主点・鉛直点・等角点: 写真の幾何学的中心が主点、鉛直線が写真面に交わる点が鉛直点。鉛直写真では主点と鉛直点が一致する
- B/H比(基線高度比): 撮影基線長Bと撮影高度Hの比。B/Hが大きいほど高さ精度が向上するが、写真の歪みも大きくなる
- 焦点距離と縮尺: 写真縮尺=焦点距離 ÷ 対地撮影高度。地上長と写真上長の比例関係から計算問題が出題される
頻出論点5: オーバーラップ60%・サイドラップ30%
- オーバーラップ(重複度): 同一コース内の隣接写真の重なり。一般に60%程度(最低60%確保)。実体視・空中三角測量のため
- サイドラップ: 隣接コース間の写真の重なり。一般に30%程度。コース間の連結のため
- UAVの場合: より高い重複度(オーバーラップ80%・サイドラップ60%程度)が推奨されるケースもある。SfM処理の安定性のため
- 撮影計画: コース間隔・撮影高度・撮影間隔は、求める縮尺・重複度・カメラ仕様から計算する
頻出論点6: 4標定(内部・相互・対地・絶対)
- 内部標定: カメラ固有の幾何学的特性(焦点距離・主点位置・レンズ歪曲)を写真座標系に再現する
- 相互標定: 隣接する2枚の写真の相対的な傾き・位置関係を決定し、立体モデルを構成する
- 対地標定(絶対標定): 立体モデルを地上座標系(縮尺・水平・傾き)に合わせる。地上基準点(GCP)を用いる
- 4標定の順序: 内部→相互→対地(または絶対)の順で実施。デジタル写真測量では同時調整で一括処理される場合が多い
頻出論点7: 空中三角測量・バンドル法・DPW・SfM
- 空中三角測量: 多数の写真の標定要素と特徴点座標を、最小二乗法で同時に決定する。地上基準点を最小限にできる
- バンドル調整法: 投影中心・撮影方向・地上点座標を未知数とし、共線条件式から最小二乗で解く同時調整法。現在の主流
- DPW(デジタル写真測量システム): 計算機上で写真の標定・図化・オルソ生成を行うシステム。ステレオ表示装置で立体図化を行う
- SfM(Structure from Motion): 複数の重複写真から特徴点を自動抽出し、カメラ位置・姿勢と3次元点群を同時推定する技術。UAV写真測量の標準処理
頻出論点8: オルソ画像とUAV測量(GSD・GCP)
- オルソ画像(正射画像): 中心投影の写真を正射投影に変換し、地図と重ね合わせられるようにした画像。地表面の標高(DEM)を用いて補正する
- GSD(地上画素寸法): 1画素が地上で何mに相当するか。GSD=撮影高度×画素サイズ÷焦点距離。求める精度に応じて撮影高度を決定する
- GCP(地上基準点): UAV測量で対地標定に用いる既知点。GCP配置の偏り・点数不足は精度劣化の原因。隅・中央への配置が原則
- UAV測量の精度管理: 検証点(CP)で水平・垂直の残差を確認し、目標精度を満たすか検査する
頻出論点9: MMS・航空レーザ・地上レーザスキャナ
- MMS(モービルマッピングシステム): 車両にGNSS/IMU/レーザスキャナ/カメラを搭載し、走行しながら周辺の3次元データを取得する。道路・トンネル・市街地の測量に有効
- 航空レーザ測量: 航空機からレーザを照射し、地表面の標高を高密度に計測。GNSS/IMUで航空機の位置・姿勢を求める。フィルタリングで樹木・建物を除去しDEMを生成
- 地上レーザスキャナ: 三脚に据え付けて周囲を全周スキャンし、高密度点群を取得。トンネル・橋梁・崖面・遺跡などの計測に用いる
- 点群処理: 取得した点群はノイズ除去・フィルタリング・分類(地表面/植生/建物)・メッシュ化を経て、DEM・DSM・3Dモデルとして活用される
効果的な学習法
地形測量・写真測量は計算問題(撮影縮尺・GSD・比高による変位)が頻出ですが、解法は比例関係を用いる定型問題のため過去問演習で確実に得点できます。UAV・MMS・点群処理は近年の出題増加分野なので、最新の作業規程の準則をベースに学習を進めましょう。当サイトの一問一答で論点を固めたら、地図編集の出題ポイントに進みましょう。
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