1級電気通信工事施工管理技士(第一次検定)「電気通信工学」出題ポイント解説
1級電気通信工事施工管理技士 第一次検定「電気通信工学」の出題ポイントを整理。電気工学基礎(直流交流・電子回路・パワエレ)、電気通信工学(変調復調・標本化定理・PCM・誤り訂正・多重化)、有線通信(光ファイバ伝送・WDM)、無線通信(5G・MIMO・アンテナ)、ネットワーク技術(OSI・TCP/IPv6・OSPF・VLAN)、ディジタル技術の頻出論点を、1級レベル(応用能力重視)で体系的に解説します。
※受験料・試験日程・合格基準・出題範囲は改定される場合があります。最新情報は必ず全国建設研修センターの公式情報でご確認ください。
出題傾向
- 分野: 電気工学基礎・電気通信工学・有線/無線通信・ネットワーク技術・ディジタル技術
- 出題形式: 四肢択一マークシート。合格基準は全体60%以上+応用能力5問中2問以上
- 1級では2級より深い知識と最新技術(5G・IPv6・光通信)の理解が求められる
- 用語の暗記だけでなく、原理・計算・特性比較を押さえることが重要
頻出論点1: 電気工学基礎(直流・交流・電力)
- 直流回路: オームの法則・キルヒホッフの法則・合成抵抗(直列は和、並列は逆数和の逆数)・電力P=VI=I²R
- 交流回路: 実効値は最大値の1/√2。RLC回路でLは電流が90°遅れ、Cは90°進む
- 力率改善: 進相コンデンサで遅れ力率を改善。皮相電力=√(有効²+無効²)
- 三相交流: Y結線とΔ結線。三相電力P=√3×線間電圧×線電流×cosθ
- 電磁誘導: ファラデーの法則(起電力=−dΦ/dt)・レンツの法則(誘導電流は変化を妨げる向き)
頻出論点2: 電子回路・パワーエレクトロニクス
- 半導体素子: ダイオード(整流・ツェナー・LED)・トランジスタ(バイポーラ/FET)・サイリスタ・IGBT・MOSFET
- 増幅回路: 共通エミッタ・共通ベース・共通コレクタの特徴。負帰還で安定化、正帰還で発振
- 発振・演算増幅器: コルピッツ・ハートレー発振回路。オペアンプの理想特性(入力インピーダンス∞、出力0)
- パワエレ: 整流回路(半波・全波・三相)・チョッパ・インバータ(PWM制御)・コンバータ。スイッチング損失と高調波対策
頻出論点3: 変調・復調と多元接続
- アナログ変調: AM(占有帯域が狭く構造単純)・FM(雑音に強いが帯域広)・PM
- ディジタル変調: ASK・FSK・PSK(BPSK/QPSK/8PSK)・QAM(16/64/256QAMで多値化)・OFDM(直交周波数分割多重)
- 復調: 同期検波(位相情報を利用)・包絡線検波・遅延検波。ビット誤り率(BER)が品質指標
- 多元接続: FDMA・TDMA・CDMA(拡散符号で同一周波数共有)・OFDMA(LTE/5G下りで採用)
頻出論点4: 標本化・PCM・誤り検出/訂正
- 標本化定理: 信号の最高周波数fmaxの2倍以上の周波数で標本化すれば原信号を復元可能(ナイキスト周波数2fmax)
- PCM: 標本化→量子化→符号化。量子化ステップ数nに対しSN比は約6n dB改善。圧伸(A則・μ則)で低レベル信号のSN比改善
- 誤り検出: パリティ(奇偶検査)・CRC(バースト誤り検出に強い)・チェックサム
- 誤り訂正: ハミング符号(1ビット訂正・2ビット検出)・畳み込み符号+ビタビ復号・リードソロモン・LDPC・ターボ符号。FECで再送なしに訂正
頻出論点5: 多重化技術
- FDM(周波数分割多重): 周波数帯域を分割。アナログ伝送で多用
- TDM(時分割多重): 時間軸分割。同期式TDM(STM)と非同期式(ATM・統計多重)
- WDM(波長分割多重): CWDM(粗波長・20nm間隔)とDWDM(高密度・0.8nm以下間隔・長距離大容量)
- CDM: スペクトラム拡散方式(DSSS・FHSS)。秘匿性・耐干渉性に優れる
- SDH/SONET: STM-1(155.52Mbps)を基本単位とした同期ディジタル伝送階層
頻出論点6: 有線通信と光ファイバ伝送
- 光ファイバ原理: コア(高屈折率)とクラッド(低屈折率)の境界での全反射。臨界角以上で全反射
- SMFとMMF: シングルモード(コア径約9μm・長距離大容量)/マルチモード(コア径50/62.5μm・短距離・LED光源も可)
- 損失: 接続損失(融着<コネクタ)・曲げ損失・吸収/レイリー散乱損失。1.31μm(零分散)と1.55μm(最低損失)の波長帯
- 分散: モード分散(MMF)・波長(材料・構造)分散(SMF)・偏波モード分散。波長分散補償ファイバ(DCF)で補償
- WDM/EDFA: 波長多重で大容量化、エルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)で1.55μm帯を一括増幅
- 光伝送方式: SDH/OTN・PON(GE-PON/XG-PON)・ROADM・コヒーレント伝送(100G/400G)
頻出論点7: 無線通信(5G・MIMO・アンテナ)
- 5G NR: 高速大容量(eMBB)・超低遅延(URLLC)・多数同時接続(mMTC)。Sub6(6GHz以下)とミリ波(24GHz以上)
- MIMO/Massive MIMO: 複数アンテナで空間多重化。ビームフォーミングで指向性を電子的に制御し利得・干渉抑制
- OFDM/OFDMA: 多数の直交サブキャリアで周波数選択性フェージング耐性。CP(サイクリックプレフィックス)で符号間干渉抑制
- アンテナの種類: ダイポール(半波長)・八木・パラボラ(高指向性・固定マイクロ波)・ホーン・アレイアンテナ
- 伝搬: 自由空間伝搬損失∝距離²、フリスの伝達公式。フレネルゾーン・回折・マルチパスフェージング
- 衛星通信: 静止衛星(赤道上空36,000km)・LEO/MEO。Ku/Ka帯マイクロ波で大容量回線
頻出論点8: ネットワーク技術(OSI・TCP/IP・ルーティング)
- OSI参照モデル: 物理/データリンク/ネットワーク/トランスポート/セッション/プレゼンテーション/アプリケーション層
- TCP/IPv4: TCPは信頼性(3-wayハンドシェイク・再送・順序制御)、UDPはコネクションレス。IPv4は32ビット
- IPv6: 128ビット・無制限のアドレス空間・IPsec標準実装・NDPで近隣探索・SLAAC自動構成。デュアルスタック移行
- ルーティング: 静的ルーティング/動的(RIP・OSPF(リンクステート・SPF)・BGP(パスベクタ・AS間))。OSPFはエリア構成で大規模対応
- VLAN: IEEE 802.1QでVLANタグ付け。ブロードキャストドメイン分割・セキュリティ・トランクポート
- QoS: DiffServ・IntServ・MPLS(ラベルスイッチング)で帯域・遅延保証
頻出論点9: ディジタル技術(論理回路・コンピュータ)
- 論理回路: AND・OR・NOT・NAND・NOR・XOR。ド・モルガンの定理・カルノー図で簡略化
- 進数変換: 2進・10進・16進。1バイト=8ビット=0〜255。2の補数で負数表現
- 順序回路: フリップフロップ(RS/D/JK/T)・カウンタ・シフトレジスタ
- コンピュータ構成: CPU(制御部・演算部)・主記憶・キャッシュ・I/O。パイプライン処理・割込み
- 暗号・認証: 共通鍵(AES)・公開鍵(RSA・楕円曲線)・ハッシュ(SHA-256)・電子署名・PKI
効果的な学習法
電気通信工学は範囲が広く1級では応用能力も問われるため、用語暗記だけでなく原理・計算・特性比較を押さえることが重要です。当サイトの一問一答で繰り返し演習し定着させましょう。あわせて電気通信設備の出題ポイントへ進むと、ここで学んだ理論が実際の設備の理解に直結します。
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