1級電気工事施工管理技士(第一次検定)「施工管理法」出題ポイント解説
1級電気工事施工管理技士 第一次検定「施工管理法」の出題ポイントを整理。施工計画(事前調査・仮設計画・各種申請届出)、工程管理(ネットワーク工程表のクリティカルパス・トータルフロート・フリーフロート)、品質管理(PDCA・QC七つ道具・絶縁抵抗測定・接地抵抗測定・継電器試験)、安全管理(度数率・強度率・感電防止・短絡接地)、電気工事の施工(管工事・接地工事)と応用能力問題(五肢択一)の頻出論点を体系的に解説します。
※受験料・試験日程・合格基準・出題範囲は改定される場合があります。最新情報は必ず建設業振興基金の公式情報でご確認ください。
出題傾向
- 分野: 施工計画・工程管理・品質管理・安全管理・電気工事の施工・応用能力問題
- 出題形式: 四肢択一式が中心。応用能力問題は五肢択一式で出題され、合格には施工管理法応用能力で50%以上の正答が必要
- 施工管理法は出題比率が高く合否を左右するため、優先的に学習する分野
- 1級は監督者・主任技術者の立場で問われる管理判断が重視される
頻出論点1: 施工計画 - 事前調査・施工計画書
- 事前調査: 現地調査(地形・地質・既設設備・電源・搬入経路)/契約書・設計図書の確認/関連法規・条例の確認
- 施工計画書: 総合施工計画書(全体計画)と工種別施工計画書(部分計画)を作成。発注者に提出し承認を得る
- 施工計画書の記載項目: 工事概要/計画工程表/現場組織表/指定機械/主要資材/施工方法/施工管理計画/安全管理/緊急時の体制および対応/交通管理/環境対策/現場作業環境の整備/再生資源の利用の促進と建設副産物の適正処理方法
- 仮設計画: 仮設電力・仮設照明・仮設足場・防護柵・搬入計画。請負者の責任で計画する
頻出論点2: 施工計画 - 各種申請届出
- 道路占用許可: 道路法により道路管理者(国道:国/都道府県道:都道府県/市町村道:市町村)に申請
- 道路使用許可: 道路交通法により所轄警察署長に申請。占用と使用は併せて申請するのが一般的
- 電気事業法関連: 自家用電気工作物の工事計画届出(特定の工事は経済産業大臣/産業保安監督部長へ着工30日前まで)/保安規程の届出/主任技術者選任の届出
- 労働安全衛生法関連: 機械等設置届(足場・型枠支保工等)/クレーン設置届(つり上げ荷重3t以上)/特定元方事業者の届出
- その他: 消防法(消防用設備等着工届)・建築基準法(確認申請)・電波法・航空法(高さ60m以上の障害物標識)
頻出論点3: 工程管理 - ネットワーク工程表
- ネットワーク工程表: 作業をアロー(矢印)またはノード(丸印)で表す。アロー型(ADM)とサークル型(PDM)がある
- クリティカルパス: 最早開始時刻=最遅開始時刻となる経路で、全体工期を決定する。1日でも遅れると工期に影響する
- トータルフロート(TF): 全体工期に影響を与えずに作業を遅らせられる最大日数。TF=最遅完了-最早完了
- フリーフロート(FF): 後続作業の最早開始に影響を与えずに作業を遅らせられる日数。FF≤TF
- ディペンデントフロート(DF): DF=TF-FF。後続作業のフロートを使ってしまう余裕
頻出論点4: 工程管理 - バーチャート・Sカーブ・タクト
- バーチャート(横線式): 作業ごとに開始・終了を横棒で表す。作成・読み取りが容易。作業間の関連が把握しにくいのが欠点
- ガントチャート: 縦軸に作業、横軸に達成率を表す。進捗状況が一目でわかるが、所要日数・余裕日数は分からない
- Sカーブ(出来高累計曲線): 縦軸に出来高累計、横軸に時間。バナナ曲線(上方許容限界・下方許容限界)と比較し進捗管理
- タクト工程表: 同種作業を一定の周期(タクト)で繰り返す工程に適す。高層ビルなど反復作業に有効
- 工程・原価・品質の関係: 工程を急ぐと原価増・品質低下のおそれ。三者のバランスが管理の要
頻出論点5: 品質管理 - QC七つ道具・電気試験
- PDCAサイクル: Plan(計画)→Do(実施)→Check(評価)→Act(処置)を回し継続的に改善
- QC七つ道具: パレート図(重点指向)/特性要因図(魚の骨、原因分析)/ヒストグラム(分布)/管理図(異常検出)/散布図(相関)/チェックシート(データ収集)/層別(グルーピング)
- 絶縁抵抗測定: 絶縁抵抗計(メガ)で測定。電気設備技術基準では電路の使用電圧150V以下:0.1MΩ以上、150V超300V以下:0.2MΩ以上、300V超:0.4MΩ以上
- 絶縁耐力試験: 最大使用電圧の1.5倍(直流の場合)または1.0倍(交流の場合)の電圧を10分間印加。高圧6.6kVでは10,350V交流または20,700V直流
- 接地抵抗測定: 接地抵抗計で測定。電位降下法(補助接地極P・Cを直線配置)が標準
- 継電器試験: 最小動作値試験・動作時間試験・連動試験。OCR(過電流継電器)・DGR(地絡方向継電器)等
頻出論点6: 安全管理 - 災害指標と感電防止
- 度数率: 100万延労働時間あたりの死傷者数。度数率=(死傷者数/延労働時間)×1,000,000
- 強度率: 1,000延労働時間あたりの労働損失日数。強度率=(労働損失日数/延労働時間)×1,000
- 年千人率: 労働者1,000人あたりの年間死傷者数。年千人率=(死傷者数/平均労働者数)×1,000
- 感電防止の3原則: 充電部の絶縁/充電部への接近・接触防止(柵・絶縁防具)/確実な接地
- 停電作業の手順: 開閉器の開放→検電→短絡接地(残留電荷の放電を含む)→作業→終了後に短絡接地外し→検電→開閉器投入。順序を入れ替えてはならない
- 絶縁用保護具・防具: 保護具(作業者が身に着ける:絶縁手袋・絶縁長靴・絶縁衣)/防具(充電部に取付ける:絶縁シート・絶縁カバー)。6か月以内ごとに自主検査
頻出論点7: 安全管理 - 墜落・酸欠・KY・リスクアセスメント
- 墜落防止: 高さ2m以上の作業床には手すり(高さ85cm以上)・中桟・幅木を設置。高さ2m以上で作業床のない箇所は墜落制止用器具(フルハーネス型が原則)を使用
- 酸素欠乏: 酸素濃度18%未満が酸欠(マンホール・地下ピット等)。作業前に酸素濃度測定(18%以上)と硫化水素濃度測定(10ppm以下)を実施
- KY活動(危険予知活動): 作業前にチームで危険を予知し対策を共有。4ラウンド法(現状把握→本質追究→対策樹立→目標設定)
- リスクアセスメント: 危険源の特定→リスク見積り(重大性×可能性)→リスク評価→低減措置。法的に努力義務
- 新規入場者教育・TBM: 元方事業者は新規入場者に作業手順・現場ルールを教育。ツールボックスミーティング(TBM)を毎朝実施
頻出論点8: 電気工事の施工 - 配管・接地工事
- 金属管工事: ねじ切り・ねじなし金属管。屈曲半径は管内径の6倍以上、サドル間隔2m以下、ボックス内2m以下
- 合成樹脂管: PF管(自己消火性、隠ぺい場所・露出可)/CD管(自己消火性なし、コンクリート埋設専用、オレンジ色)/VE管(硬質塩化ビニル管)
- ケーブルラック工事: 直線部の支持間隔は2m以下(垂直部は6m以下)。接続部・分岐部にも支持。アルミ製は軽量、鋼製は重量物に適す
- 接地工事の種別と適用: A種(10Ω以下、高圧・特別高圧機器)/B種(150/Ig Ω以下、変圧器低圧側中性点)/C種(10Ω以下、300V超低圧機器外箱)/D種(100Ω以下、300V以下低圧機器外箱)
- 接地線の太さ: A種・B種は引張強さ1.04kN以上または直径2.6mm以上の軟銅線、C種・D種は1.04kN以上または直径1.6mm以上
頻出論点9: 応用能力問題(五肢択一)
- 出題形式: 第一次検定の一部で出題される五肢択一式。施工管理法の実務的判断を問う
- 合格条件: 全体60%以上かつ施工管理法応用能力50%以上を同時に満たす必要がある
- 典型テーマ: ネットワーク工程表の読取り・各種申請の管理者・絶縁抵抗値や接地抵抗値の判定・感電防止措置の手順・施工計画書の記載項目など
- 対策のコツ: 四肢択一より「正しいものを2つ選ぶ」「誤っているものを2つ選ぶ」など複数選択型が多い。曖昧な選択肢を残さず確実に切り分ける
- 過去問演習で出題パターンに慣れ、選択肢を比較する読解力を養う
効果的な学習法
施工管理法は出題比率・配点が高く、合否を直接左右する分野です。とくに応用能力問題は50%以上の正答が必須となるため、苦手意識を残さず対策しましょう。2級電気工事施工管理技士を取得済みの方は基礎が共通するため、1級で求められる管理判断の視点を上乗せする学習が有効です。当サイトの一問一答で繰り返し演習し、頻出パターンを定着させてください。
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