1級電気工事施工管理技士(第一次検定)「電気設備」出題ポイント解説
1級電気工事施工管理技士 第一次検定「電気設備」の出題ポイントを整理。発電設備(水力・火力・太陽光・風力・燃料電池)、変電設備(変圧器・遮断器・避雷器・キュービクル)、送配電設備(CVケーブル・電圧降下・短絡電流)、構内電気設備(幹線・分電盤・三相誘導電動機始動方式)、照明・電車線・通信防災設備の頻出論点を、1級レベルの数値基準とあわせて体系的に解説します。
※受験料・試験日程・合格基準・出題範囲は改定される場合があります。最新情報は必ず建設業振興基金の公式情報でご確認ください。
出題傾向
- 分野: 発電・変電・送配電・構内電気設備・照明・電車線・道路・通信・防災設備
- 出題形式: 四肢択一式。設備の種類・特徴・適用範囲・計算問題が出題される
- 1級は機器の型式・適用電圧階級・設備容量計算など実務的な数値知識が要求される
- 太陽光・風力・燃料電池などの再エネ設備や、CVケーブル・キュービクルなど近代設備の出題が増加傾向
頻出論点1: 発電設備 - 水力・火力
- 水力発電の水車: ペルトン水車(高落差・小流量、衝動水車)/フランシス水車(中落差・中流量、反動水車)/カプラン水車(低落差・大流量、可動羽根の反動水車)。揚水発電にはポンプ水車が用いられる
- 火力発電: 汽力発電(ランキンサイクル)の熱効率は約40%。コンバインドサイクル発電(ガスタービン+蒸気タービン)は熱効率55%以上と高い
- 環境対策: 脱硫装置(SOx除去)・脱硝装置(NOx除去)・電気集じん器(ばいじん除去)を組合せる
- 原動機の特性と適用範囲、熱効率の向上技術(USC:超々臨界圧)を理解する
頻出論点2: 発電設備 - 再生可能エネルギー
- 太陽光発電: 太陽電池により光エネルギーを直接電気に変換。直流出力をパワーコンディショナ(PCS)で交流に変換し系統連系する。傾斜角・方位角と日射量が出力に影響
- 風力発電: 風の運動エネルギーで風車を回す。出力は風速の3乗に比例する。プロペラ式(水平軸)が主流
- 燃料電池: 水素と酸素の化学反応で発電。PEFC(固体高分子形)・PAFC(リン酸形)・SOFC(固体酸化物形)。発電と排熱利用でコジェネ運転
- FIT(固定価格買取制度)・FIP制度や系統連系規程の基本知識も出題される
頻出論点3: 変電設備 - 変圧器・遮断器
- 変圧器: 油入変圧器(OF・絶縁油冷却)/モールド変圧器(エポキシ樹脂封入、難燃性)/ガス絶縁変圧器(SF6)。容量・効率・温度上昇限度を確認
- 遮断器: VCB(真空遮断器、6.6kV系の主力)/GCB(ガス遮断器、SF6使用、超高圧用)/OCB(油遮断器、旧式)/ACB(気中遮断器、低圧用)
- 断路器(DS): 無負荷時に回路を開閉する。負荷電流の遮断能力はない。インターロックで誤操作防止
- 避雷器(LA): 雷サージ・開閉サージから機器を保護。酸化亜鉛形(ZnO)が主流で、制限電圧を確認
頻出論点4: 変電設備 - 計器用変成器・進相コンデンサ・キュービクル
- 計器用変圧器(VT・PT): 一次の高電圧を110V程度に変換し計器・継電器に供給。二次側を短絡してはならない
- 変流器(CT): 一次の大電流を5Aまたは1Aに変換。二次側を絶対に開放してはならない(高電圧が誘起され危険)
- 進相コンデンサ(SC)と直列リアクトル(SR): 力率改善用。直列リアクトルは高調波抑制と突入電流抑制のため、コンデンサ容量の6%以上を標準とする
- キュービクル式高圧受電設備: PF・S形(限流ヒューズ+高圧負荷開閉器、300kVA以下)/CB形(遮断器+保護継電器、300kVA超)。受電容量と保護方式で選定
頻出論点5: 送配電設備 - ケーブル・架空線
- CVケーブル: 架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル。許容温度90℃、短絡時許容温度230℃。CVT(トリプレックス形)は3心一括撚りで電流容量が大きい
- 布設方式: 直接埋設式(埋設深さ:重量物の圧力を受けるおそれ1.2m以上、その他0.6m以上)/管路式/暗きょ式(共同溝・洞道)
- 架空送電線: ACSR(鋼心アルミ撚り線)が主流。径間振動対策のダンパ、塩害対策の長幹がいし・スモッグがいし
- 短絡電流計算: 短絡容量P_s=基準容量/(%Z/100)、短絡電流I_s=定格電流×100/%Z。遮断器の遮断容量選定に必要
頻出論点6: 構内電気設備 - 幹線・分岐回路・電動機始動
- 幹線設計: 許容電流・電圧降下・短絡時の機械的強度を考慮。電圧降下は内線規程で幹線2%以下、分岐2%以下(合計4%以下)が目安
- 分電盤・分岐回路: 配線用遮断器(MCCB)・漏電遮断器(ELCB)。コンセント回路は20A・15A分岐が標準
- 三相誘導電動機の始動方式: 直入れ始動(11kW未満が目安、始動電流は定格の6〜8倍)/Y-Δ始動(15〜37kW程度、始動電流・トルクとも1/3)/リアクトル始動/始動補償器始動/インバータ始動(最も省エネ)
- 電動機の保護: 過負荷保護(サーマルリレー)・短絡保護(MCCB・ヒューズ)・欠相保護・地絡保護を組合せる
頻出論点7: 照明設備
- 照度計算: 平均照度E=(F×N×U×M)/A(F:光束、N:灯数、U:照明率、M:保守率、A:床面積)。室指数・反射率により照明率Uを求める
- LED照明: 発光効率が高く長寿命(40,000時間以上)、調光・調色が容易。演色性Ra80以上が事務所等で推奨
- 非常用照明: 建築基準法により設置。停電時30分以上点灯、床面1lx以上(直接照明)が必要
- 誘導灯: 消防法により設置。停電時20分以上(大規模建物は60分以上)点灯。避難口誘導灯・通路誘導灯がある
頻出論点8: 電車線・道路設備
- 電車線方式: 直流1,500V(在来線・地下鉄)/交流20kV/交流25kV(新幹線)。き電方式はBT(ブースタトランス)・AT(オートトランス)
- 架線方式: シンプルカテナリ/コンパウンドカテナリ/剛体電車線(地下鉄トンネル区間)
- 道路の電気設備: 道路照明(連続照明・局部照明)・トンネル照明(基本照明・入口照明・出口照明)・交通信号制御
- 新幹線の電車線は風圧・揺動・摩耗対策が必須で、定期保守の重要設備
頻出論点9: 通信・防災設備
- 自動火災報知設備: 感知器(差動式・定温式・煙感知器:光電式/イオン化式・炎感知器)/受信機(P型/R型)/発信機。警戒区域の面積は原則600m²以下
- 避雷設備: 建築基準法により高さ20m超の建物に設置義務。保護角法・回転球体法・メッシュ法で保護範囲を計算(JIS A 4201)
- SPD(避雷器・サージ防護デバイス): クラスI(直撃雷対応)/クラスII(誘導雷対応)/クラスIII(機器近傍用)。多段配置で保護する
- 構内通信設備: LAN(カテゴリ5e/6/6A)/光ファイバ(SMF/MMF)/構内交換機(PBX/IP-PBX)/インターホン
効果的な学習法
電気設備は電気工学で学んだ理論を実機・実設備に応用する分野です。第一種電気工事士や電験三種の学習経験は大きく活かせます。当サイトの一問一答で設備の名称・特徴・数値基準を反復学習し、実務イメージと結びつけて記憶しましょう。
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