FP3級「タックス・不動産・相続」の出題ポイント解説
FP3級試験の後半3分野であるタックスプランニング・不動産・相続事業承継は、合計30問前後が出題される大きな学習領域です。税金の計算方法・不動産の取得〜譲渡・相続の基礎控除など、実務FP業務でも使う必須知識を整理します。
この章の重要度
この3分野は学科60問中の半分を占める主戦場です。ここで6割以上を押さえれば合格が見えてきます。計算問題の比率が高いため、公式の正確な暗記と、実技試験での応用計算に耐える演習量が必要です。
頻出トピック一覧
1. 所得税の10区分と課税方式
利子・配当・不動産・事業・給与・退職・山林・譲渡・一時・雑の10所得。総合課税と分離課税の区分、退職所得は(収入−退職所得控除額)×1/2、一時所得は(収入−支出−50万)×1/2で計算。
2. 所得控除(15種類)と税額控除
基礎控除(48万)、配偶者控除(38万)、扶養控除(38万・特定63万)、社会保険料控除(全額)、生命保険料控除、医療費控除(10万円超or総所得5%超)、住宅ローン控除(税額控除、年末残高×0.7%×13年)。
3. 給与所得と源泉徴収・確定申告
給与所得=給与等収入−給与所得控除額。給与所得控除最低額55万、上限は年収850万超で195万。年末調整と確定申告の違い、確定申告が必要なケース(年収2,000万超・副収入20万超・退職所得など)。
4. 不動産の基礎(登記・価格・建築基準法)
不動産登記(表題部・権利部甲区・権利部乙区)、公的価格4種(公示価格・基準地標準価格・相続税路線価=公示の80%・固定資産税評価額=公示の70%)、建築基準法の建ぺい率・容積率計算、接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接道)。
5. 不動産の税金(取得・保有・譲渡)
取得時:不動産取得税・登録免許税・印紙税・消費税。保有時:固定資産税・都市計画税。譲渡時:長期譲渡所得(5年超、税率20.315%)/短期譲渡所得(5年以下、税率39.63%)。居住用財産の3,000万円特別控除、10年超所有軽減税率。
6. 相続の基本(法定相続人・法定相続分)
法定相続人の順位:配偶者は常に相続人+①子・②直系尊属・③兄弟姉妹の順で。法定相続分:配偶者+子=1/2ずつ、配偶者+親=2/3:1/3、配偶者+兄弟=3/4:1/4。代襲相続・遺留分(配偶者・子・直系尊属のみ、遺産の1/2等)。
7. 相続税の計算
基礎控除=3,000万+600万×法定相続人数。配偶者の税額軽減(法定相続分or1億6,000万円のどちらか多い方まで非課税)。小規模宅地等の特例(特定居住用330㎡80%減、特定事業用400㎡80%減、貸付事業用200㎡50%減)。
8. 贈与税と贈与税の特例
暦年課税:基礎控除110万/年、超過分に10〜55%累進税率。相続時精算課税制度(2,500万円特別控除、超過分は一律20%、令和6年以降年110万基礎控除追加)。贈与税の配偶者控除(2,000万円+基礎控除110万)、住宅取得資金贈与の非課税特例、教育資金一括贈与・結婚子育て資金贈与。
覚え方のコツ
タックス・不動産・相続は「計算式」「数値」「制度適用条件」の3重暗記が必須。所得税の10区分は「利配不事給退山譲一雑」の語呂で順序暗記、それぞれの特徴(総合or分離・1/2課税等)を表で整理。所得控除15種は「人的控除(家族)」「物的控除(保険・医療費等)」に分類すると覚えやすい。不動産の公的価格4種の倍率は「公示100→路線80→固定70→基準地100(※公示と同じ)」で暗記。相続の基礎控除は「3000+600×人数」の公式を即答できるように。小規模宅地特例の限度面積と減額率は「居住330の80、事業400の80、貸付200の50」と数値をセット暗記。贈与税の暦年課税110万と相続時精算課税2,500万は超頻出なので必ず押さえましょう。実技試験では相続税の総額計算(①各人の法定相続分で按分→②税率乗じて合計→③実際の取得割合で再按分)の流れを過去問で反復演習。
よくあるひっかけ
3分野横断の頻出ひっかけ。①給与所得控除:最低55万(65万ではない、改正後)、上限は195万(年収850万超)。②医療費控除:10万円と総所得5%のいずれか少ない方を超えた額。③譲渡所得の所有期間判定:譲渡した年の1月1日時点で5年超判定(単純な暦日計算ではない)。④建ぺい率と容積率:建ぺい率=建築面積/敷地面積、容積率=延床面積/敷地面積。前面道路幅員×(0.4or0.6)と指定容積率のうち小さい方を適用。⑤法定相続人の数え方:相続放棄した人は「放棄がなかったものとして」相続人数にカウント(基礎控除・生命保険金非課税枠計算時)。⑥配偶者の税額軽減:1億6,000万円または法定相続分のいずれか多い方まで非課税、「少ない方」ではない。⑦住宅ローン控除の要件:床面積50㎡以上(合計所得1000万以下なら40㎡以上)、居住用等の条件あり。⑧小規模宅地等の特例の適用面積:複数地の併用時は調整計算が必要で、単純合算ではない。⑨相続時精算課税選択:一度選択すると暦年課税に戻せない(贈与者ごとの選択)。
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