FP3級「リスク管理(保険)」の出題ポイント解説
FP3級のリスク管理分野は、生命保険・損害保険・第三分野(医療・介護・がん)の幅広い保険商品知識を扱います。保険の基本構造から税務処理まで出題範囲が広く、暗記量は多いものの論点が明確なので過去問反復で得点源化しやすい分野です。
この章の重要度
学科試験60問中10問前後が出題。生命保険の仕組み・損害保険の種類・税務処理(保険料控除・保険金の課税)が3本柱です。FPの実務で最も顧客相談を受ける分野のため、実技試験でも生保・損保の商品選択問題が頻出します。
頻出トピック一覧
1. 保険業法とクーリング・オフ
クーリング・オフ:申込日または重要事項書受領日のいずれか遅い日から8日以内、書面または電磁的記録で撤回可。保険期間1年以下・医師診査終了後などは対象外。
2. 生命保険の基本型(定期・終身・養老)
定期保険:掛捨て・一定期間・保険料安い。終身保険:一生涯・貯蓄性あり・解約返戻金あり。養老保険:死亡時も満期時も同額の保険金。派生型として定期付終身保険・収入保障保険・逓減/逓増定期保険。
3. 保険料の仕組み(純保険料・付加保険料)
保険料=純保険料(予定死亡率・予定利率から算出)+付加保険料(予定事業費率)。3予定率が変わると保険料が変動する構造を理解。
4. 個人年金保険
終身年金(一生受取)、確定年金(一定期間受取)、有期年金(生存中の一定期間受取)、保証期間付終身年金。税制適格特約付き個人年金保険料は個人年金保険料控除の対象。
5. 火災保険・地震保険
火災保険:住宅火災保険(火災・落雷・破裂・爆発)と住宅総合保険(+水害・盗難など)。地震保険は火災保険に付帯(単独不可)、保険金額は火災保険の30〜50%、建物5,000万・家財1,000万上限。
6. 自動車保険(強制保険・任意保険)
自賠責保険(強制):対人のみ、死亡3,000万・後遺障害最大4,000万・傷害120万上限。任意保険:対人・対物・人身傷害・搭乗者傷害・車両保険を自由組合せ。
7. 第三分野の保険(医療・がん・介護)
医療保険(入院日額・手術給付)、がん保険(診断一時金・通院・先進医療特約、免責期間90日)、介護保険(公的介護認定連動型・会社独自基準型)。
8. 生命保険料控除と保険金の税務
平成24年以降の新制度:一般・介護医療・個人年金の3区分、それぞれ所得税最大4万円・住民税最大2.8万円。保険金受取時:契約者=被保険者=受取人によって所得税/相続税/贈与税の区分が変わる(「契約者と受取人が同じ=所得税」「契約者と被保険者が同じ=相続税」「3者バラバラ=贈与税」)。
覚え方のコツ
保険分野は「商品×税務」のマトリクスで整理します。生命保険の3基本型は「期間×保険金の有無」で並べ、定期=掛捨て安い、終身=一生涯、養老=満期金ありと覚えます。保険金の課税区分は「契約者(保険料負担)・被保険者・受取人の3者関係」の表を作ると迷いません。火災保険の地震保険付帯ルール(30〜50%・建物5000・家財1000)は数値セットで暗記。自賠責の上限金額(死亡3000・後遺4000・傷害120)も数字で覚えます。生命保険料控除は「3区分×所得税4万住民税2.8万=最大12万所得税控除、8.4万住民税控除」で計算できるようにしておきましょう。クーリングオフの8日間と第三分野の免責90日も数値ひっかけ頻出なので正確に。実技試験では実際の保険証券読み取り問題が出るので、証券の構成(契約者・被保険者・保険金額・特約)の理解も重要です。
よくあるひっかけ
保険分野の頻出ひっかけ。①保険金受取人と課税区分:契約者=被保険者=Aで受取人=B→相続税、契約者=A、被保険者=B、受取人=A→所得税、3者別々→贈与税。②クーリングオフ期間:8日以内(10日・14日ではない)。③地震保険の付帯:火災保険にしか付帯できない(単独加入不可)。④自賠責の補償範囲:対人のみ、対物は任意保険でカバー。⑤がん保険の免責期間:契約日から90日(180日ではない)。⑥定期保険と終身保険の解約返戻金:定期はほぼゼロ(逓減)、終身は増加していく。⑦生命保険料控除の制度:平成23年以前契約は旧制度(2区分・最大10万)、24年以降は新制度(3区分・最大12万)。契約日で適用制度が異なる。⑧地震保険の保険金額上限:建物5,000万/家財1,000万、火災保険金額の30〜50%の範囲内。⑨自動車保険の「人身傷害」と「搭乗者傷害」:前者は実損払い、後者は定額払い。
FP3級 リスク管理(保険) 章別クイズ →