1級電気工事施工管理技士の仕事・年収・活かせる業界
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1級電気工事施工管理技士は、建設業法上の特定建設業の営業所専任技術者および現場の監理技術者になることができる国家資格です。電気設備工事の現場を統括する立場として、サブコン・電気設備工事会社・ゼネコンの中核ポジションで活躍できます。資格手当が付くケースも多い職種です。本記事では仕事内容・年収・活かせる業界を整理します。
※受験料・試験日程・合格基準等は改定される場合があります。最新情報は必ず建設業振興基金の公式情報でご確認ください。
1級電気工事施工管理技士の主な仕事内容
電気設備工事の現場で施工計画・工程管理・品質管理・安全管理・原価管理の5大管理業務を担います。具体的には次のような業務に従事します。
- 施工計画書の作成: 設計図書をもとに工事手順・使用機材・人員配置を計画
- 工程管理: ネットワーク工程表で全体工程を組み立て、進捗に応じて調整
- 品質管理: 配線・接続・絶縁抵抗測定等の検査・記録
- 安全管理: 感電・墜落・火災等の災害防止対策、KY活動・新規入場者教育
- 原価管理: 材料費・労務費・外注費を予算内に収める
- 下請業者の調整: 専門工事業者との打合せ・指示・出来形確認
- 発注者・設計者との折衝: 変更指示の受領・施工図の承認手続き
建設業法上の効力(重要)
1級電気工事施工管理技士の資格は、建設業法上の以下の要件を満たします。これが取得の最大のメリットです。
| 項目 | 1級 | 2級 |
|---|---|---|
| 特定建設業の営業所専任技術者 | ○(要件充足) | × |
| 一般建設業の営業所専任技術者 | ○ | ○ |
| 監理技術者(元請で下請代金の総額5,000万円以上(建築一式8,000万円以上)の現場) | ○ | × |
| 主任技術者 | ○ | ○ |
| 経営事項審査の技術力評点 | 5点 | 2点 |
特に監理技術者になれる点が1級と2級の決定的な違いです。大規模な電気設備工事を元請として受注する企業にとって、1級電気工事施工管理技士は不可欠な人材となります。
年収の目安
国の統計で見る給与
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和7年)の職種別の値です。 電気工事の施工管理をする技術者は、統計では「電気・電子・電気通信技術者」に数えられます(現場で工事を行う人は別の「電気工事従事者」)。
電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 推定年収(※) | 704万円 |
| 毎月の給与(きまって支給する現金給与額) | 448,600円 |
| 年間賞与その他特別給与額 | 1,656,200円 |
| 平均年齢/平均勤続年数 | 42.1歳/15.1年 |
勤め先の規模で差があります(推定年収)。
| 企業規模 | 推定年収 |
|---|---|
| 1,000人以上 | 750万円 |
| 100〜999人 | 676万円 |
| 10〜99人 | 598万円 |
経験年数による違い(所定内給与額×12+年間賞与で計算。残業代は含みません)。
| 経験年数 | 年収の目安 |
|---|---|
| 0年 | 378万円 |
| 1〜4年 | 506万円 |
| 5〜9年 | 591万円 |
| 10〜14年 | 670万円 |
| 15年以上 | 770万円 |
※推定年収=毎月の給与(6月分・残業代などを含む)×12+前年1年間の賞与。当サイトで計算した値で、厚生労働省の公表値そのものではありません。 対象は一般労働者(短時間労働者を除く)・企業規模10人以上の事業所です。その職種で働く人全体の値で、この資格を持っている人だけの平均ではありません。 出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」令和7年 (e-Stat 職種別の表)
資格手当の有無や金額は会社ごとに決まり、資格ごとの公的な統計はありません。国の調査では、技能手当・技術(資格)手当を出している企業は全体の48.5%、 支給された人の平均は月21,500円でした(令和6年11月分)。この資格が手当の対象になるか、いくらかは、応募先の求人票や就業規則で確かめてください。
| 企業規模 | 手当がある企業の割合(※) | 支給された人の平均(月額) |
|---|---|---|
| 1,000人以上 | 53.1% | 20,900円 |
| 300〜999人 | 57.5% | 19,100円 |
| 100〜299人 | 56.9% | 20,500円 |
| 30〜99人 | 51.3% | 25,000円 |
※何らかの手当を出している企業のうち、技能手当・技術(資格)手当を出している企業の割合。「技能手当・技術(資格)手当」は特定の技能、検査資格などを有する者に対して支給する賃金(調査の定義)。対象は常用労働者30人以上の民営企業。 出典:厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」(概況 第17表(支給企業割合)・第18表(支給された労働者1人平均支給額))
監理技術者として大規模現場に常駐すると、現場手当が加算されることもあります。
活かせる業界・企業
1. 電気設備工事会社(サブコン)
関電工・きんでん・九電工・トーエネック・東光電気工事等の大手電気工事サブコンが代表例です。受変電設備・配線・照明・防災設備等の電気設備工事を元請で受注し、1級電気工事施工管理技士の有資格者を多数抱えています。新卒入社後、実務経験を積んで1級取得→監理技術者として現場を統括するのが王道キャリアです。
2. ゼネコン(総合建設業)
スーパーゼネコン・準大手ゼネコンの設備部門で電気工事の発注者側管理を行います。電気工事はサブコンに発注するケースが多いものの、ゼネコン側でも電気設備の知識を持つ施工管理者が必要であり、1級電気工事施工管理技士の有資格者は重宝されます。
3. 自家用電気工作物の設置者・管理者
大規模工場・データセンター・商業施設の電気設備管理部門でも需要があります。電気主任技術者と兼務すれば、施設の電気設備全般を統括できる人材として高い評価を受けます。
4. 設計事務所・コンサルタント
建築設備設計事務所で電気設備の設計・監理業務に携わるキャリアもあります。施工側の経験を活かして実務的な設計ができる点が評価されます。
5. 公共部門(官公庁)
国土交通省・地方自治体の電気設備工事の発注監督業務、独立行政法人(UR・JR等)の電気設備部門でも資格保有者が活躍しています。
独立・転職市場でのバリュー
建設業界は2024年問題(残業規制強化)と高齢化により、施工管理技士の需要が常に求人を上回る状況が続いています。1級電気工事施工管理技士の求人倍率は高く、転職市場でも有利な資格の一つです。経営事項審査での技術者評点(5点)が高いため、独立して建設業許可を取得する際にも本資格は強力な武器となります。
同じ建設業界の関連資格と組み合わせ
- 2級電気工事施工管理技士: 中小規模工事の主任技術者として最初に取得する資格。1級の前段階
- 第三種電気主任技術者(電験三種): 自家用電気工作物の保安監督。施工+保安で守備範囲が広がる
- 第二種電気工事士: 一般用電気工作物の工事資格。現場の実作業もできるようになる
- 第一種電気工事士: 自家用電気工作物(500kW未満)の工事資格
- 1級建築施工管理技士: ゼネコンでの活躍を目指すなら親和性が高い
- 1級土木施工管理技士: 公共インフラ系の電気設備工事に強くなる
キャリアパスのモデル
- 20代前半: 電気工事会社入社→現場担当者として施工管理を学ぶ
- 20代後半: 2級電気工事施工管理技士取得→中小現場の主任技術者
- 30代前半: 1級電気工事施工管理技士の第一次検定合格→「1級技士補」として大規模現場に参画
- 30代後半: 第二次検定合格→監理技術者として大型工事を統括
- 40代以上: 所長・部長・取締役へ昇進、または独立して建設業許可取得
1級電気工事施工管理技士は、電気工事業界で長期的にキャリアを築くための必須資格と言えます。受験資格の実務経験要件が大幅に緩和されたことで、若手のうちに第一次検定を取得する人が増えており、早期取得のメリットが拡大しています。
1級電気工事施工管理技士(第一次検定) 一問一答 →