二級ボイラー技士「燃料及び燃焼に関する知識」の出題ポイント解説
二級ボイラー技士試験の燃料及び燃焼は全40問中10問の重要分野。気体・液体・固体燃料の性質、燃焼理論、通風装置、燃焼装置(バーナ)、排ガス処理まで幅広く問われます。計算問題も含まれ、文系受験者が苦戦しがちな分野ですが、パターン化して対処可能です。
この章の重要度
10問中4問の足切りがあり、計算問題(理論空気量・空気比・熱効率)が避けられません。公式の暗記+代入練習で計算3問中2問は取れるように準備。燃料性質・通風・バーナの用語問題で確実に6〜7問取るのが合格ラインです。
頻出トピック一覧
1. 燃料の分類と性質
気体燃料(都市ガス13A・LPG・天然ガス):煤煙少・制御容易・高効率。液体燃料(重油A・B・C、軽油、灯油):取扱容易・高発熱量。固体燃料(石炭・木質バイオマス):安価・貯蔵容易だが灰処理必要。
2. 発熱量(高発熱量・低発熱量)
高発熱量(総発熱量):燃焼で発生する水蒸気の凝縮熱も含む。低発熱量(真発熱量):水蒸気が蒸気のまま放出される場合の発熱量。通常のボイラー計算では低発熱量を用います。
3. 理論空気量と空気比
理論空気量A₀:完全燃焼に必要な理論最小空気量。実際空気量A=m×A₀(m:空気比)。空気比:気体1.1〜1.2・液体1.1〜1.3・固体1.2〜1.8。空気比が大きいと排ガス損失増大、小さいと不完全燃焼。
4. 重油の性状と加熱
A重油(粘度低・硫黄少)・B重油・C重油(粘度高・硫黄多)。噴霧のためC重油は80〜105℃に加熱して粘度低下。引火点60℃以上、発熱量約41MJ/kg。硫黄分は低温腐食(SO₃+H₂O→H₂SO₄)の原因。
5. バーナ(燃焼装置)
液体燃料用:圧力噴霧式(油圧・蒸気噴霧・空気噴霧・回転式)。気体燃料用:予混合式・拡散式。燃料を微粒化して空気と十分混合させることが完全燃焼の鍵。ターンダウン比(調節幅)、NOx発生特性なども頻出。
6. 通風装置
自然通風(煙突のドラフトのみ)、押込通風(炉前ファンで空気押込、炉内正圧)、誘引通風(煙道でファン、炉内負圧)、平衡通風(押込+誘引、炉内大気圧)。平衡通風は排ガス漏れと空気侵入の両方を防ぎます。
7. 排ガス分析と完全燃焼
排ガス中のO₂・CO₂・CO濃度で燃焼状態診断。CO検出は不完全燃焼のサイン。CO₂濃度最大点=理論空気量に近い点で、完全燃焼かつO₂過剰最小の理想状態。
8. 燃焼の4大要件と異常燃焼
完全燃焼の要件:①適正な空気量、②燃料と空気の混合、③着火温度以上の炉温、④十分な燃焼時間(3T:Temperature・Turbulence・Time)。異常:失火・バックファイア・パルセーションなどの現象と対処。
覚え方のコツ
燃料・燃焼分野の攻略は「計算問題の公式を3つ暗記+定性問題は用語集で反復」のハイブリッドが最適。必須公式は「空気比m=実際空気量/理論空気量」「排ガス熱損失=(排ガス温度-外気温)×比熱×排ガス量」「熱効率=発生蒸気熱量/燃料発熱量×100」の3つ。重油のA・B・Cの粘度順(A低→C高)、加熱温度(C重油80-105℃)、空気比の目安(気体1.1前後・液体1.2・石炭1.5)をセット暗記。通風は「押込=正圧・誘引=負圧・平衡=大気圧」と覚え、それぞれの長短所をペアで把握。排ガス分析の「O₂多=空気過剰・CO検出=不完全燃焼・CO₂最大=理論空気量近辺」は3点セットで覚えます。
よくあるひっかけ
燃料燃焼のひっかけ。①高発熱量と低発熱量:水蒸気の凝縮熱を含むのが高発熱量で、逆は誤り。②空気比の大小:気体<液体<固体の順で大きくなり、逆は誤り。③重油の加熱目的:粘度低下による微粒化促進、発熱量を上げるためではない。④押込通風と誘引通風:押込は炉前ファンで炉内正圧、誘引は煙道ファンで炉内負圧、混同多し。⑤低温腐食:硫黄分の多い重油で起こる、A重油(硫黄少)では起こりにくい。⑥CO₂濃度最大点:完全燃焼かつ空気比1に近い点で、空気過剰側ではない。⑦バーナの役割:燃料の微粒化・空気との混合促進で、燃料を加熱するためではない。⑧LPG:空気より重い(CO₂類似)、自然通風の燃料漏れは下方に滞留。都市ガス13A(主成分メタン)は空気より軽い点と逆。⑨熱効率計算:低発熱量基準で計算するのが一般的、高発熱量基準との取違え。
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