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ビジネス実務法務検定 2級「労働法・紛争解決・倒産処理」の一問一答

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📖 ビジネス実務法務検定 2級「労働法・紛争解決・倒産処理」の全75問と解説(一覧)

ビジネス実務法務検定 2級の労働法・紛争解決・倒産処理に関する一問一答(全75問)の正解と解説の一覧です。上の一問一答で実際に解いてから、ここで復習・確認できます。

  1. 問1.労働基準法上、賃金は通貨で、直接労働者に、その全額を、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない(賃金支払いの5原則)。

    正解:○(正しい)

    解説:賃金支払いの5原則(労基法24条)は通貨払い・直接払い・全額払い・毎月1回以上払い・一定期日払い。法令や労使協定に別段の定めがある場合を除き原則として現金で本人に支払います。

    根拠:労働基準法 第24条 (出典: e-Gov法令検索)

  2. 問2.労働基準法上、使用者は労働者を解雇しようとする場合、原則として少なくとも14日前にその予告をしなければならない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは少なくとも30日前の予告が必要で、予告をしない場合は30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければなりません(労基法20条)。14日前ではありません。

    根拠:労働基準法 第20条 (出典: e-Gov法令検索)

  3. 問3.労働契約法16条により、解雇は客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効となる。

    正解:○(正しい)

    解説:解雇権濫用法理(労契法16条)は判例法理を立法化したもので、合理的理由と社会的相当性を欠く解雇は無効とされます。整理解雇については四要素(人員削減の必要性等)も考慮されます。

    根拠:労働契約法 第16条 (出典: e-Gov法令検索)

  4. 問4.労働契約法18条の無期転換ルールにより、同一の使用者との間で有期労働契約が通算3年を超えた場合、労働者は無期労働契約への転換を申し込むことができる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは通算「5年」を超えた場合に無期転換申込権が発生します(労契法18条1項)。3年ではありません。一定の高度専門職や定年後継続雇用者には特例があります。

    根拠:労働契約法 第18条 (出典: e-Gov法令検索)

  5. 問5.労働基準法上、使用者は労働者に対して、1週間に40時間、1日に8時間を超えて労働させてはならないのが原則である。

    正解:○(正しい)

    解説:法定労働時間は週40時間・1日8時間(労基法32条)。これを超えて時間外労働をさせるには、36協定の締結・届出と割増賃金の支払いが必要です。

    根拠:労働基準法 第32条 (出典: e-Gov法令検索)

  6. 問6.労働基準法上、労働時間が6時間を超える場合は少なくとも30分、8時間を超える場合は少なくとも45分の休憩を労働時間の途中に与えれば足りる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは6時間超で45分以上、8時間超で1時間以上の休憩が必要です(労基法34条)。30分・45分ではありません。休憩は労働時間の途中に一斉付与・自由利用が原則です。

    根拠:労働基準法 第34条 (出典: e-Gov法令検索)

  7. 問7.労働基準法上、雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者には、10労働日の年次有給休暇を与えなければならない。

    正解:○(正しい)

    解説:年次有給休暇は6か月継続勤務・出勤率8割以上で10日付与(労基法39条)。その後は勤続年数に応じて加算され、最大年20日。時季変更権は使用者にあります。

    根拠:労働基準法 第39条 (出典: e-Gov法令検索)

  8. 問8.労働組合法上、使用者が労働組合に加入したことを理由として労働者を解雇しても、業務上の合理的な理由がある限り不当労働行為には該当しない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。組合員であること等を理由とする解雇は労組法7条1号の不利益取扱いに該当し不当労働行為です。業務上の理由を後付けしても違法。労働委員会への救済申立てができます。

    根拠:労働組合法 第7条 (出典: e-Gov法令検索)

  9. 問9.労働組合法上、労働協約は書面に作成し、両当事者が署名又は記名押印することによって効力を生ずる。

    正解:○(正しい)

    解説:労働協約は書面化・署名/記名押印が効力要件(労組法14条)。口頭の合意では協約としての規範的効力は生じません。有効期間は最長3年です。

    根拠:労働組合法 第14条 (出典: e-Gov法令検索)

  10. 問10.労働者派遣法上、派遣労働者を同一の組織単位に派遣できる期間は、原則として5年を上限とする。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは派遣先の同一組織単位への派遣可能期間は原則3年が上限です(個人単位の期間制限、派遣法40条の3)。事業所単位も原則3年です。

    根拠:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第40条の3 (出典: e-Gov法令検索)

  11. 問11.労働者派遣法上、港湾運送業務・建設業務・警備業務・医療関係業務(一部)は労働者派遣が原則として禁止されている。

    正解:○(正しい)

    解説:派遣禁止業務として港湾運送・建設・警備・医療関係(病院等)が定められています(派遣法4条)。違反は罰則対象。労使協定方式や派遣先均等均衡方式での待遇確保も必要。

    根拠:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第4条 (出典: e-Gov法令検索)

  12. 問12.労災保険法上、業務上の負傷・疾病・障害・死亡だけでなく、通勤による負傷・疾病等も保険給付の対象となる。

    正解:○(正しい)

    解説:労災保険は業務災害だけでなく通勤災害も対象(労災保険法7条)。通勤とは合理的な経路・方法での住居と就業場所間の移動を指し、逸脱・中断には例外規定があります。

    根拠:労働者災害補償保険法 第7条 (出典: e-Gov法令検索)

  13. 問13.労災保険の保険料は労使が折半で負担するのが原則である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。労災保険料は事業主が全額負担するのが原則です。社会保険(健康保険・厚生年金)は労使折半ですが、労災保険は業務上の災害補償であるため使用者の全額負担です。

  14. 問14.男女雇用機会均等法は、募集・採用・配置・昇進・教育訓練・福利厚生・退職・解雇等あらゆる場面での性別を理由とする差別を禁止している。

    正解:○(正しい)

    解説:均等法は雇用の全ステージで性別を理由とする差別を禁止し、間接差別も規制対象。セクハラ・マタハラの防止措置も事業主に義務付けています(均等法11条等)。

    根拠:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 第11条 (出典: e-Gov法令検索)

  15. 問15.育児・介護休業法上、1歳に満たない子を養育する労働者は、原則として、その子が1歳に達するまで育児休業を取得することができる。

    正解:○(正しい)

    解説:育児休業は原則として子が1歳に達するまで取得可能(育介法5条)。保育所に入所できない等の事情があれば最長2歳まで延長可。父母ともに取得時はパパママ育休プラスで1歳2か月まで。

  16. 問16.民事訴訟法上、訴訟物の価額が140万円を超えない請求は地方裁判所の管轄に属する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。訴額140万円以下の請求は簡易裁判所の事物管轄、それを超える請求が地方裁判所の管轄です(裁判所法33条1項1号)。逆になっています。

    根拠:裁判所法 第33条 (出典: e-Gov法令検索)

  17. 問17.民事訴訟において、確定判決の理由中の判断にも原則として既判力が生じ、当事者は別訴で同一の争点を蒸し返すことができない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。既判力は判決主文に表示された訴訟物に関する判断にのみ生じ、判決理由中の判断には原則生じません(民訴法114条1項)。例外として相殺の抗弁の判断にのみ既判力が及びます。

    根拠:民事訴訟法 第114条 (出典: e-Gov法令検索)

  18. 問18.民事保全法上、金銭債権を保全するために債務者の財産を処分できないようにする手続を仮処分という。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。金銭債権の保全のため債務者財産の処分を禁ずるのは仮差押え。仮処分は係争物に関する仮処分(特定物の処分禁止等)と仮の地位を定める仮処分があります(民保法20条・23条)。

  19. 問19.破産手続において、破産管財人は破産者が破産手続開始前にした債権者を害する行為を否認することができる。

    正解:○(正しい)

    解説:破産管財人は詐害行為・偏頗行為を否認することができ(破産法160条以下)、否認権の行使により流出財産を破産財団に回復し、債権者に公平に分配します。

    根拠:破産法 第160条 (出典: e-Gov法令検索)

  20. 問20.民事再生手続は、原則として裁判所が選任した管財人が事業の経営と財産の管理処分を行う管理型の手続である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。民事再生はDIP型(債務者占有)が原則で、再生債務者自身が業務遂行・財産管理を継続します。経営権の喪失を伴うのは会社更生(管財人が経営)です。

  21. 問21.会社更生手続は株式会社のみを対象とし、裁判所が選任する更生管財人が事業の経営と財産の管理処分を行う。

    正解:○(正しい)

    解説:会社更生法の適用対象は株式会社のみで、更生管財人が経営権を握る管理型手続。担保権者も手続に取り込まれ、原則として個別行使が制限される強力な再建型手続です。

  22. 問22.破産手続において抵当権者は別除権者として手続外で抵当権を実行することはできず、必ず破産手続内で配当を受けなければならない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。抵当権・質権等の担保権者は別除権者として破産手続によらず権利行使ができます(破産法65条)。手続外で抵当権実行が可能で、不足額のみ破産債権として行使します。

    根拠:破産法 第65条 (出典: e-Gov法令検索)

  23. 問23.刑法上、業務上自己の占有する他人の物を横領した者は業務上横領罪となり、単純横領罪より法定刑が重い。

    正解:○(正しい)

    解説:業務上横領罪(刑法253条)は10年以下の拘禁刑で、単純横領罪(5年以下)より重い。業務に基づく信頼関係を破る点で違法性が大きいとされます。経理担当者の使い込み等が典型例。

    根拠:刑法 第253条 (出典: e-Gov法令検索)

  24. 問24.刑法上の背任罪は、他人のためにその事務を処理する者が、自己又は第三者の利益を図り、又は本人に損害を加える目的で、任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えた場合に成立する。

    正解:○(正しい)

    解説:背任罪(刑法247条)は事務処理者・図利加害目的・任務違背行為・財産上の損害を要件とします。取締役等の特別背任罪(会社法960条)はより重く罰せられます。

    根拠:会社法 第960条刑法 第247条 (出典: e-Gov法令検索)

  25. 問25.公益通報者保護法により、公益通報を行ったことを理由とする解雇は無効とされ、降格・減給その他不利益取扱いも禁止される。

    正解:○(正しい)

    解説:公益通報者保護法は通報者の解雇無効・不利益取扱い禁止を定めます。2022年改正で従業員300人超の事業者には内部通報窓口の整備が義務化され、通報対応従事者には守秘義務が課されました。

  26. 問26.国際取引における契約紛争では、当事者は契約に適用される準拠法を合意により選択することができないのが原則である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。法の適用に関する通則法7条により当事者自治の原則が認められ、当事者は準拠法を自由に選択できます。選択がない場合は最密接関係地法(同8条)が適用されます。

    根拠:法の適用に関する通則法 第7条 (出典: e-Gov法令検索)

  27. 問27.外国判決が日本で承認された場合、民事執行法上の執行判決を経ることなく、直ちに日本国内で強制執行することができる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。外国判決の承認自体は要件を満たせば自動的ですが、日本での強制執行には別途、執行判決を求める訴え(民執法24条)が必要です。承認=即執行ではありません。

    根拠:民事執行法 第24条 (出典: e-Gov法令検索)

  28. 問28.労働審判の審判に対しては当事者から異議申立てができず、審判は直ちに確定する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。労働審判に異議が申し立てられると審判は失効し、訴え提起擬制により通常訴訟に移行します(労審法21条・22条)。異議がない場合は裁判上の和解と同一の効力を有します。

  29. 問29.強制執行を行うためには、執行力のある債務名義の正本が必要であり、確定判決・仮執行宣言付判決・執行証書(公正証書)等が代表例である。

    正解:○(正しい)

    解説:強制執行には執行文付き債務名義(民執法22条)が必要。代表例は確定判決・仮執行宣言・調停調書・和解調書・執行証書(金銭消費貸借等の公正証書)です。

    根拠:民事執行法 第22条 (出典: e-Gov法令検索)

  30. 問30.労働基準法上、使用者は労働者の同意があれば、賃金の一部を商品券や自社製品で支払うことが認められている。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。賃金は通貨払いが原則で、労働者の同意のみでは現物給付できません。法令・労働協約に別段の定めが必要です(労基法24条1項)。同意だけでは不可。

    根拠:労働基準法 第24条 (出典: e-Gov法令検索)

  31. 問31.労働安全衛生法上、常時50人以上の労働者を使用する事業者は、医師による定期的なストレスチェックの実施が義務付けられている。

    正解:○(正しい)

    解説:ストレスチェック制度は常時50人以上の事業場で年1回以上の実施が義務(安衛法66条の10)。50人未満は当分の間努力義務。高ストレス者には医師面接指導が必要です。

    根拠:労働安全衛生法 第66条の10 (出典: e-Gov法令検索)

  32. 問32.パートタイム・有期雇用労働法により、通常の労働者と短時間・有期雇用労働者との間で、基本給・賞与その他の待遇のそれぞれについて不合理な相違を設けることが禁止される(同一労働同一賃金)。

    正解:○(正しい)

    解説:パート有期法8条・9条は不合理な待遇差を禁止(均衡待遇)し、職務内容等が同一なら差別禁止(均等待遇)。各待遇ごとに性質・目的に照らして判断します。

  33. 問33.労働組合法上、使用者は団体交渉を申し入れられても、業務多忙等の理由により拒否することが認められている。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正当な理由のない団体交渉拒否は労組法7条2号の不当労働行為。業務多忙は正当事由になりません。使用者は誠実交渉義務を負い、形式応答のみでは違法です。

    根拠:労働組合法 第7条 (出典: e-Gov法令検索)

  34. 問34.民事訴訟の口頭弁論において、当事者の一方が期日に出頭しない場合、出頭した相手方の陳述に基づき裁判所は欠席判決を直ちに言い渡さなければならない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。民訴法に欠席判決の制度はなく、欠席者の準備書面記載事項は陳述したものとみなされ(158条)審理が進みます。両当事者欠席が2回続くと訴え取下げ擬制(263条)。

  35. 問35.民事調停は、当事者が互いに譲歩して紛争を解決することを目的とし、裁判官と民間から選ばれた調停委員からなる調停委員会が手続を主宰する。

    正解:○(正しい)

    解説:民事調停は調停委員会主宰の話合いによる紛争解決手続。調停成立時の調書は確定判決と同一の効力を有し(民調法16条)債務名義となります。簡易裁判所が原則管轄。

  36. 問36.ADRにおける仲裁の仲裁判断は、当事者が再度通常裁判所に訴えを提起すれば容易に覆すことができる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。仲裁判断は確定判決と同一の効力を有し(仲裁法45条)、取消事由は仲裁法44条の限定事由のみ。実体判断の不服を理由に裁判所で争うことは原則できません。

    根拠:仲裁法 第44条仲裁法 第45条 (出典: e-Gov法令検索)

  37. 問37.外国為替及び外国貿易法上、武器・大量破壊兵器関連等の輸出には経済産業大臣の許可が必要である。

    正解:○(正しい)

    解説:外為法は対外取引の自由を原則としつつ、国際的な平和・安全維持等のため武器輸出・キャッチオール規制対象貨物等に許可制を設けます。違反は罰則対象です。

  38. 問38.刑法上の贈収賄罪は公務員に対する賄賂のみを対象とし、民間企業の役職員に対する利益供与は処罰の対象とならない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。刑法の贈収賄罪は公務員が対象ですが、会社法967条に取締役等の贈収賄罪、不正競争防止法18条に外国公務員贈賄罪があり、民間役員等への利益供与も処罰されます。

    根拠:不正競争防止法 第18条会社法 第967条 (出典: e-Gov法令検索)

  39. 問39.労働基準法36条に基づく時間外・休日労働協定(36協定)について、最も適切なものはどれか。

    • ア.36協定は事業場の過半数代表者又は過半数労働組合との書面協定を労働基準監督署長に届け出ることで効力を生ずる。
    • イ.36協定は使用者が単独で作成し労働基準監督署長に届け出ればよく、労働者代表との締結は不要である。
    • ウ.36協定は労使で締結すれば足り、労働基準監督署長への届出は効力要件ではない。
    • エ.36協定を締結すれば時間外労働について割増賃金を支払う必要はなくなる。

    正解:ア.36協定は事業場の過半数代表者又は過半数労働組合との書面協定を労働基準監督署長に届け出ることで効力を生ずる。

    解説:36協定は事業場の労働者の過半数代表者または過半数組合と書面で締結し、労基署長へ届け出ることで時間外労働が適法化されます。締結・届出のいずれを欠いても適法化されません。

  40. 問40.労働基準法上の年次有給休暇に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.年次有給休暇は6か月継続勤務すれば出勤率にかかわらず必ず付与される。
    • イ.年10日以上の有給休暇が付与される労働者には、使用者は年5日について時季を指定して取得させる義務がある。
    • ウ.使用者は事業の正常な運営を妨げる場合でも有給休暇の時季変更権を行使できない。
    • エ.年次有給休暇は付与から1年以内に行使しなければ完全に消滅し、繰越しは認められない。

    正解:イ.年10日以上の有給休暇が付与される労働者には、使用者は年5日について時季を指定して取得させる義務がある。

    解説:年5日の時季指定義務(労基法39条7項)は年10日以上付与される労働者全員が対象で、2019年4月施行の働き方改革関連法による義務です。違反は1人あたり30万円以下の罰金。

    根拠:労働基準法 第39条 (出典: e-Gov法令検索)

  41. 問41.労働契約法に基づく解雇権濫用法理(労契法16条)について、最も適切なものはどれか。

    • ア.解雇は経営判断であり、合理的な理由がなくても使用者の自由になし得る。
    • イ.労働者が30日前の予告を受けていれば理由を問わず解雇は有効である。
    • ウ.客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当と認められない解雇は無効である。
    • エ.整理解雇は会社の経営判断であり、人選の合理性等は問題とならない。

    正解:ウ.客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当と認められない解雇は無効である。

    解説:労契法16条は客観的合理的理由と社会通念上の相当性を要件とし、これを欠く解雇は無効。整理解雇では人員削減の必要性・解雇回避努力・人選の合理性・手続の妥当性の4要素で判断されます。

    根拠:労働契約法 第16条 (出典: e-Gov法令検索)

  42. 問42.労働者派遣に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.派遣労働者は派遣元事業主と雇用契約を結ばず、派遣先と直接雇用契約を締結する。
    • イ.建設業務・港湾運送業務は派遣が解禁されており自由に派遣できる。
    • ウ.派遣労働者には同一労働同一賃金の規制は及ばない。
    • エ.派遣先の同一組織単位への派遣可能期間は個人単位で原則3年が上限である。

    正解:エ.派遣先の同一組織単位への派遣可能期間は個人単位で原則3年が上限である。

    解説:派遣法は事業所単位(原則3年)・個人単位(同一組織単位で3年)の二重の期間制限を設けます。事業所単位は派遣先労使の意見聴取で延長可能。派遣禁止業務もあります。

  43. 問43.労働組合法上の不当労働行為に該当しないものはどれか。

    • ア.業務上の必要性に基づき非組合員と組合員を同じ基準で配置転換すること。
    • イ.労働組合に加入したことを理由に労働者を解雇すること。
    • ウ.正当な理由なく団体交渉を拒否すること。
    • エ.労働組合の運営に支配介入し、経費を援助すること。

    正解:ア.業務上の必要性に基づき非組合員と組合員を同じ基準で配置転換すること。

    解説:労組法7条の類型は不利益取扱い(1号)・団交拒否(2号)・支配介入/経費援助(3号)・救済申立てを理由とする報復的不利益取扱い(4号)。経営上必要な配置転換は原則として不当労働行為に当たりません。

    根拠:労働組合法 第7条 (出典: e-Gov法令検索)

  44. 問44.労働者災害補償保険(労災保険)の保険給付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.労災保険の保険料は労使折半で負担する。
    • イ.労災保険は事業主が全額負担し、業務上災害と通勤災害の双方を補償する。
    • ウ.労災給付の請求は使用者を経由しなければ行うことができない。
    • エ.労災保険給付は業務上災害のみを対象とし、通勤災害は対象外である。

    正解:イ.労災保険は事業主が全額負担し、業務上災害と通勤災害の双方を補償する。

    解説:労災保険の保険料は全額事業主負担で、業務災害・通勤災害を補償。療養給付・休業給付・障害給付・遺族給付等があり、申請は労働基準監督署長に対して行います。

  45. 問45.民事訴訟の管轄に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.訴額140万円以下の請求はすべて地方裁判所の管轄に属する。
    • イ.管轄の合意は明文の根拠がなく認められない。
    • ウ.訴額140万円以下の請求は原則として簡易裁判所の事物管轄に属する。
    • エ.被告の住所地によって管轄を決める普通裁判籍の制度は廃止されている。

    正解:ウ.訴額140万円以下の請求は原則として簡易裁判所の事物管轄に属する。

    解説:訴額140万円以下の請求は簡易裁判所(事物管轄)。普通裁判籍は被告住所地、財産権上の訴えでは義務履行地等の特別裁判籍があり(民訴法4条以下)、当事者の合意管轄も認められます。

    根拠:民事訴訟法 第4条 (出典: e-Gov法令検索)

  46. 問46.民事訴訟の既判力に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.既判力は確定前の判決にも仮執行宣言があれば及ぶ。
    • イ.既判力は判決理由中の判断にも全面的に及ぶ。
    • ウ.既判力は当事者だけでなく無関係の第三者にも常に及ぶ。
    • エ.既判力は確定判決の主文に包含される判断に生じ、判決理由中の判断には原則として生じない。

    正解:エ.既判力は確定判決の主文に包含される判断に生じ、判決理由中の判断には原則として生じない。

    解説:既判力は確定判決の主文に表示された訴訟物に関する判断にのみ生じ(民訴法114条1項)、判決理由中の判断には原則生じません。例外として相殺の抗弁の判断には既判力があります(同条2項)。

    根拠:民事訴訟法 第114条 (出典: e-Gov法令検索)

  47. 問47.民事保全における仮差押えと仮処分の区別について、最も適切なものはどれか。

    • ア.仮差押えは金銭債権を保全するために債務者財産の処分を禁ずる手続である。
    • イ.仮処分は金銭債権の保全のために債務者財産を処分禁止する手続である。
    • ウ.仮差押えは金銭債権以外の請求権を保全する手続である。
    • エ.仮差押えと仮処分は同一の手続を指し区別はない。

    正解:ア.仮差押えは金銭債権を保全するために債務者財産の処分を禁ずる手続である。

    解説:仮差押えは金銭債権の強制執行保全のため債務者財産の処分を制限する手続(民保法20条)。仮処分は係争物に関するもの(21条)と仮の地位を定めるもの(23条)に分かれます。

  48. 問48.破産手続における否認権について、最も適切なものはどれか。

    • ア.否認権は破産債権者が個別に行使することができる。
    • イ.否認権の行使主体は破産管財人であり、流出財産を破産財団に回復させる権能である。
    • ウ.否認権の対象は破産手続開始後の行為のみである。
    • エ.否認権は無償行為のみを対象とし、有償行為には及ばない。

    正解:イ.否認権の行使主体は破産管財人であり、流出財産を破産財団に回復させる権能である。

    解説:否認権(破産法160条以下)は破産管財人のみが行使でき、詐害行為否認・偏頗行為否認・無償行為否認があります。流出した財産を破産財団に回復させ債権者の公平な分配を実現します。

    根拠:破産法 第160条 (出典: e-Gov法令検索)

  49. 問49.民事再生手続と会社更生手続の違いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.民事再生は株式会社のみが利用でき、会社更生は個人も利用できる。
    • イ.民事再生は管財人が経営を行うのが原則で、会社更生は債務者自身が経営する。
    • ウ.民事再生は原則DIP型で債務者が経営継続、会社更生は管財人が経営権を握る管理型である。
    • エ.両手続とも担保権者の権利は手続外で自由に行使できる点で共通する。

    正解:ウ.民事再生は原則DIP型で債務者が経営継続、会社更生は管財人が経営権を握る管理型である。

    解説:民事再生はDIP型で再生債務者が経営継続、対象は法人・個人を問いません。会社更生は管理型で更生管財人が経営権を握り、対象は株式会社のみ。担保権の制限の強さも異なります。

  50. 問50.倒産処理手続における担保権の取扱いについて、最も適切なものはどれか。

    • ア.破産手続では担保権者は一般債権者と同じ順位で配当を受ける。
    • イ.破産手続では担保権者の権利行使は完全に禁止される。
    • ウ.会社更生でも担保権は別除権として自由に行使できる。
    • エ.民事再生では担保権は別除権として原則手続外で行使できる。

    正解:エ.民事再生では担保権は別除権として原則手続外で行使できる。

    解説:破産・民事再生では担保権は別除権として手続外行使可能(破産法65条、民再法53条)。会社更生では更生担保権として手続内に取り込まれ個別行使は制限されます(会更法47条)。

    根拠:破産法 第65条 (出典: e-Gov法令検索)

  51. 問51.国際取引における紛争解決手段としての国際商事仲裁の特徴として、最も適切なものはどれか。

    • ア.ニューヨーク条約により外国仲裁判断は加盟国間で広く承認・執行され得る。
    • イ.仲裁判断には既判力は生じない。
    • ウ.仲裁手続は必ず公開法廷で行われる。
    • エ.外国仲裁判断は当該国でしか執行できず国際的執行は困難である。

    正解:ア.ニューヨーク条約により外国仲裁判断は加盟国間で広く承認・執行され得る。

    解説:ニューヨーク条約により外国仲裁判断は170か国以上で承認執行が比較的容易で、国際商事紛争で広く利用されます。手続非公開・専門家による判断・一審制等が特徴です。

  52. 問52.外国判決の日本における承認に関する民事訴訟法118条の要件として、必須でないものはどれか。

    • ア.判決国の間接管轄が認められること。
    • イ.判決書が日本語で作成されていること。
    • ウ.敗訴被告への適式な送達等の手続保障があること。
    • エ.判決内容・手続が日本の公序良俗に反しないこと。

    正解:イ.判決書が日本語で作成されていること。

    解説:民訴法118条の要件は(1)間接管轄、(2)敗訴被告への適式送達等、(3)判決内容と訴訟手続が公序良俗に反しないこと、(4)相互の保証。判決言語は要件ではありません。

    根拠:民事訴訟法 第118条 (出典: e-Gov法令検索)

  53. 問53.刑法上の業務上横領罪に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.業務上横領罪は単純横領罪より法定刑が軽い。
    • イ.業務上横領罪の成立には他人の物の占有を要しない。
    • ウ.業務上横領罪は10年以下の拘禁刑で、単純横領罪より法定刑が重い。
    • エ.業務上横領罪は親告罪である。

    正解:ウ.業務上横領罪は10年以下の拘禁刑で、単純横領罪より法定刑が重い。

    解説:業務上横領罪(刑法253条)は10年以下の拘禁刑で、単純横領罪(5年以下)より重く処罰されます。経理担当者が会社資金を私的流用するケースが典型例。占有の濫用・着服が成立要件です。

    根拠:刑法 第253条 (出典: e-Gov法令検索)

  54. 問54.会社法上の特別背任罪に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.特別背任罪は会社の従業員一般を対象とする犯罪である。
    • イ.特別背任罪は故意の任務違背を要件としない。
    • ウ.特別背任罪は単純背任罪より法定刑が軽い。
    • エ.特別背任罪は取締役等の役員が対象で、刑法の単純背任罪より重い法定刑が定められている。

    正解:エ.特別背任罪は取締役等の役員が対象で、刑法の単純背任罪より重い法定刑が定められている。

    解説:特別背任罪(会社法960条)は取締役・執行役・監査役等が任務違背により会社に損害を与えた場合に成立し、10年以下の拘禁刑または1000万円以下の罰金(併科可)。刑法の単純背任罪より重い処罰です。

    根拠:会社法 第960条 (出典: e-Gov法令検索)

  55. 問55.公益通報者保護法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.従業員301人以上の事業者には内部公益通報対応体制の整備が義務付けられている。
    • イ.公益通報を行った労働者を解雇することは法律上許容されている。
    • ウ.内部通報対応従事者には守秘義務は課されていない。
    • エ.公益通報者保護法は派遣労働者・退職者には適用されない。

    正解:ア.従業員301人以上の事業者には内部公益通報対応体制の整備が義務付けられている。

    解説:2022年改正で常時使用労働者数301人以上の事業者に内部通報体制整備が義務化(300人以下は努力義務)。従事者には守秘義務が課され、違反には刑事罰もあります。通報者保護も拡充。

  56. 問56.反社会的勢力との関係遮断に関する企業実務として、最も不適切なものはどれか。

    • ア.契約書に反社会的勢力排除条項(反社条項)を盛り込む。
    • イ.反社会的勢力であることが判明した場合、短期的な利益を優先して取引を継続する。
    • ウ.新規取引先について反社チェックを実施する。
    • エ.業界団体や警察と連携した情報共有体制を構築する。

    正解:イ.反社会的勢力であることが判明した場合、短期的な利益を優先して取引を継続する。

    解説:反社対応では契約への反社条項導入・取引先反社チェック・問題発生時の契約解除等が標準実務。短期利益のための継続取引は暴排条例違反・企業価値毀損のリスクが大きく禁忌です。

  57. 問57.労働基準法上の労働時間に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.法定労働時間は1日6時間・週30時間である。
    • イ.休日労働の割増率は10%以上で足りる。
    • ウ.法定労働時間は1日8時間・週40時間で、時間外労働には原則25%以上の割増賃金が必要である。
    • エ.深夜労働には割増賃金の支払いは不要である。

    正解:ウ.法定労働時間は1日8時間・週40時間で、時間外労働には原則25%以上の割増賃金が必要である。

    解説:法定労働時間は週40時間・1日8時間(労基法32条)。時間外・休日・深夜労働には25%以上・35%以上・25%以上の割増賃金が必要(37条)。月60時間超は50%以上です。

    根拠:労働基準法 第32条 (出典: e-Gov法令検索)

  58. 問58.労働契約法18条の無期転換ルールに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.有期労働契約が通算3年を超えた時点で自動的に無期労働契約になる。
    • イ.無期転換申込みは使用者の承諾がない限り効力を生じない。
    • ウ.無期転換ルールには高度専門職等の特例は一切認められない。
    • エ.通算5年を超えた有期労働者は無期転換申込権を行使することで無期労働契約に転換できる。

    正解:エ.通算5年を超えた有期労働者は無期転換申込権を行使することで無期労働契約に転換できる。

    解説:通算契約期間が5年を超えた有期労働者は、現契約期間満了までに申込みをすることで次期から無期労働契約に転換します。クーリング期間(原則6か月以上)があれば通算がリセットされます。

  59. 問59.男女雇用機会均等法上のセクシュアルハラスメント防止について、事業主の義務として最も適切なものはどれか。

    • ア.事業主は雇用管理上必要な措置(方針明確化・相談体制整備・事後対応等)を講じる義務を負う。
    • イ.セクハラ相談対応は法的義務ではなく任意の取組とされている。
    • ウ.セクハラ被害を訴えた労働者を異動させることは事業主の裁量で自由になし得る。
    • エ.セクハラは加害者個人の問題で、事業主には何らの責任も生じない。

    正解:ア.事業主は雇用管理上必要な措置(方針明確化・相談体制整備・事後対応等)を講じる義務を負う。

    解説:均等法11条により事業主は雇用管理上必要な措置(方針明確化・相談体制整備・事後対応・プライバシー保護等)を講じる義務を負います。発生時の被害者不利益取扱いも禁止です。

    根拠:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 第11条 (出典: e-Gov法令検索)

  60. 問60.育児・介護休業法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.育児休業は原則として子が3歳に達するまで取得できる。
    • イ.介護休業は対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割取得が可能である。
    • ウ.所定外労働の制限を求める権利は法定されていない。
    • エ.育児休業を取得できるのは女性労働者に限られる。

    正解:イ.介護休業は対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割取得が可能である。

    解説:育休は原則1歳まで(保育所入所不可等で最長2歳)、介護休業は対象家族1人につき通算93日まで3回を上限に分割取得可能(育介法11条)。2022年から産後パパ育休(出生時育児休業)も新設。

  61. 問61.パートタイム・有期雇用労働法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.正社員とパート・有期労働者の間の待遇差は使用者の自由に委ねられている。
    • イ.同一労働同一賃金の規制は派遣労働者には及ばない。
    • ウ.基本給・賞与等の待遇ごとに不合理な相違を設けることが禁止される(均衡待遇)。
    • エ.待遇差の理由について事業主は労働者から説明を求められても応じる義務はない。

    正解:ウ.基本給・賞与等の待遇ごとに不合理な相違を設けることが禁止される(均衡待遇)。

    解説:短時間・有期労働者と通常労働者の間の不合理待遇差を禁止(均衡待遇・8条)し、職務内容・人材活用が同一なら差別禁止(均等待遇・9条)。各待遇ごとに性質・目的に照らし判断します。

  62. 問62.労働者派遣の同一労働同一賃金(派遣労働者の待遇確保)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.派遣労働者には同一労働同一賃金の規制は適用されない。
    • イ.派遣労働者の賃金水準は派遣元が任意に決定でき法規制はない。
    • ウ.労使協定方式は派遣先の労働組合との協定で足りる。
    • エ.派遣先均等・均衡方式と労使協定方式のいずれかによる待遇確保が派遣元に義務付けられている。

    正解:エ.派遣先均等・均衡方式と労使協定方式のいずれかによる待遇確保が派遣元に義務付けられている。

    解説:改正派遣法により派遣労働者の待遇は派遣先均等・均衡方式または労使協定方式(過半数代表との協定)のいずれかで確保することが派遣元に義務付けられました(派遣法30条の3・30条の4)。

    根拠:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第30条の3 (出典: e-Gov法令検索)

  63. 問63.労働組合法上の労働協約の効力に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.労働協約の労働条件基準は規範的効力により個別労働契約を直接規律する。
    • イ.労働協約には書面性は要求されていない。
    • ウ.労働協約に違反する個別労働契約の部分は当然には無効とならない。
    • エ.労働協約の有効期間は法律上の制限がなく無期限とすることもできる。

    正解:ア.労働協約の労働条件基準は規範的効力により個別労働契約を直接規律する。

    解説:労組法16条により、協約所定の労働条件基準に違反する労働契約部分は無効となり、協約基準が直接労働契約を規律します(規範的効力)。協約有効期間は最長3年(労組法15条)です。

    根拠:労働組合法 第15条労働組合法 第16条 (出典: e-Gov法令検索)

  64. 問64.強制執行の手続に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.強制執行に債務名義は不要である。
    • イ.強制執行の申立てには執行文付き債務名義の正本が必要である。
    • ウ.確定判決は債務名義に当たらない。
    • エ.債務者の財産情報を取得する公的手続は法律上存在しない。

    正解:イ.強制執行の申立てには執行文付き債務名義の正本が必要である。

    解説:強制執行には執行文付き債務名義の正本が必要(民執法22条・26条)。財産開示手続(196条)・第三者からの情報取得手続(204条以下)が整備され、債権者の権利実現を強化しています。

    根拠:民事執行法 第22条 (出典: e-Gov法令検索)

  65. 問65.民事訴訟の判決の種類に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.訴訟要件を欠く場合は請求棄却判決がなされる。
    • イ.確認判決には常に執行力が生じる。
    • ウ.訴え却下判決は訴訟要件を欠く場合の訴訟判決であり、本案判決ではない。
    • エ.中間判決の制度は廃止されている。

    正解:ウ.訴え却下判決は訴訟要件を欠く場合の訴訟判決であり、本案判決ではない。

    解説:判決には終局判決(本案判決・訴訟判決)と中間判決があります。訴え却下判決は訴訟要件を欠く場合の訴訟判決で、請求棄却判決とは性質が異なります。確認判決には執行力は通常生じません。

  66. 問66.民事訴訟法上の証拠調べに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.民事訴訟では裁判所が職権で全ての事実を調査する職権探知主義が採用されている。
    • イ.裁判官は法定の証拠評価基準に厳格に拘束される(法定証拠主義)。
    • ウ.民事訴訟には証人尋問の制度は存在しない。
    • エ.民事訴訟では弁論主義の下、当事者が主要事実を主張立証する責任を負う。

    正解:エ.民事訴訟では弁論主義の下、当事者が主要事実を主張立証する責任を負う。

    解説:民事訴訟では弁論主義の下、主要事実の主張立証は当事者の責任。証拠調べには証人尋問・当事者尋問・鑑定・書証・検証等があり、自由心証主義(247条)により裁判官が証拠を評価します。

  67. 問67.ADR(裁判外紛争解決手続)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.ADR促進法に基づく認証ADR機関の手続には時効完成猶予の効力が認められる。
    • イ.ADRは裁判所内の手続のみを指し、民間機関での解決は含まない。
    • ウ.ADRには仲裁は含まれない。
    • エ.ADRで成立した合意には全く法的拘束力がない。

    正解:ア.ADR促進法に基づく認証ADR機関の手続には時効完成猶予の効力が認められる。

    解説:ADR促進法(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律)により認証ADR機関制度が整備され、認証機関での手続中は時効完成猶予の効力等が認められます。仲裁・調停・あっせん等があります。

  68. 問68.国際取引における準拠法選択について、最も適切なものはどれか。

    • ア.契約準拠法は当事者の合意では選択できず常に契約地法による。
    • イ.通則法上、契約準拠法は原則として当事者の合意により選択できる(当事者自治)。
    • ウ.消費者契約・労働契約には準拠法選択について特別な保護規定はない。
    • エ.当事者による準拠法選択は常に当該国の強行規定の適用を排除する。

    正解:イ.通則法上、契約準拠法は原則として当事者の合意により選択できる(当事者自治)。

    解説:通則法7条は契約準拠法の当事者自治を認め、選択がない場合は最密接関係地法(8条)。消費者契約・労働契約には弱者保護のための特則があり(11条・12条)、強行規定の適用が確保されます。

    根拠:法の適用に関する通則法 第7条 (出典: e-Gov法令検索)

  69. 問69.外国為替及び外国貿易法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.外為法は対外取引を全面的に許可制としている。
    • イ.対内直接投資には一切の規制が及ばない。
    • ウ.武器や大量破壊兵器関連貨物の輸出には経済産業大臣の許可が必要である。
    • エ.外為法違反には罰則は定められていない。

    正解:ウ.武器や大量破壊兵器関連貨物の輸出には経済産業大臣の許可が必要である。

    解説:外為法は対外取引の自由を原則としつつ、国際的平和・安全等のため一定の取引に許可・届出を課します。武器・大量破壊兵器関連の輸出(リスト規制)やキャッチオール規制があり違反は厳罰です。

  70. 問70.刑法上の詐欺罪に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.詐欺罪は財物のみを対象とし、財産上の利益を対象とする犯罪類型はない。
    • イ.詐欺罪は被欺罔者の処分行為を要件としない。
    • ウ.詐欺罪の法定刑は1年以下の拘禁刑と軽微である。
    • エ.詐欺罪は欺罔行為と相手方の錯誤・処分行為・財産的損害の連鎖を要件とする。

    正解:エ.詐欺罪は欺罔行為と相手方の錯誤・処分行為・財産的損害の連鎖を要件とする。

    解説:詐欺罪(刑法246条)は欺罔行為・錯誤・処分行為・財産的損害の連鎖と故意・不法領得の意思を要件とします。10年以下の拘禁刑。1項詐欺は財物、2項詐欺は財産上の利益が対象です。

    根拠:刑法 第246条 (出典: e-Gov法令検索)

  71. 問71.独占禁止法上の不当な取引制限(談合・カルテル)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.不当な取引制限には課徴金・刑事罰が課され、課徴金減免制度(リニエンシー)も整備されている。
    • イ.談合・カルテルは独占禁止法上規制されておらず合法である。
    • ウ.不当な取引制限は事業者単独の行為でも成立する。
    • エ.リニエンシー制度は廃止されている。

    正解:ア.不当な取引制限には課徴金・刑事罰が課され、課徴金減免制度(リニエンシー)も整備されている。

    解説:不当な取引制限(独禁法3条後段・2条6項)は事業者間の合意による競争実質的制限行為で、課徴金(売上の最大10%等)・刑事罰・課徴金減免(リニエンシー)制度の対象。談合は典型例です。

  72. 問72.刑事訴訟法上、企業が刑事手続の対象となる場合に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.法人は刑事罰の対象とならず役員のみが処罰される。
    • イ.独占禁止法・金融商品取引法等の両罰規定により法人と行為者の双方が処罰される。
    • ウ.両罰規定では法人は無過失でも常に処罰される。
    • エ.両罰規定の対象犯罪は法律で限定されておらず、すべての犯罪に及ぶ。

    正解:イ.独占禁止法・金融商品取引法等の両罰規定により法人と行為者の双方が処罰される。

    解説:両罰規定は行為者個人と法人の双方を処罰する規定で、独禁法・金商法・税法等多くの行政刑罰法規にあります。法人には罰金刑が科され、選任監督上の過失がなければ免責される判例法理があります。

  73. 問73.労働審判手続に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.労働審判は労働基準監督署が主宰する行政手続である。
    • イ.労働審判には当事者からの異議申立てによる訴訟移行制度は存在しない。
    • ウ.労働審判は地方裁判所で原則3回以内の期日により迅速に解決を図る手続である。
    • エ.労働審判員は使用者側からのみ任命される。

    正解:ウ.労働審判は地方裁判所で原則3回以内の期日により迅速に解決を図る手続である。

    解説:労働審判は労働関係民事紛争を対象とし、地方裁判所で労働審判官1名・労働審判員2名(労使各1名)の委員会が原則3回以内の期日で調停・審判する迅速手続。審判に異議があれば訴訟移行します。

  74. 問74.民事執行法上の財産開示手続に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.財産開示手続における虚偽陳述等には現在も過料の制裁しかない。
    • イ.第三者からの財産情報取得手続は法律上認められていない。
    • ウ.財産開示手続は債務者の同意がなければ実施できない。
    • エ.財産開示手続における虚偽陳述・不出頭等には刑事罰(拘禁刑・罰金)が科される。

    正解:エ.財産開示手続における虚偽陳述・不出頭等には刑事罰(拘禁刑・罰金)が科される。

    解説:2019年改正民執法により財産開示手続が強化され、虚偽陳述・出頭拒否は6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の刑事罰対象に。第三者からの情報取得手続も新設されました。

  75. 問75.労働基準法上の就業規則に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.常時10人以上の労働者を使用する事業場は就業規則の作成と労基署長への届出が義務付けられる。
    • イ.就業規則の不利益変更は労働者の同意があれば合理性がなくとも有効である。
    • ウ.就業規則の作成義務は常時30人以上の労働者を使用する事業場にのみ課される。
    • エ.就業規則の作成・変更には労働者代表の同意が効力要件である。

    正解:ア.常時10人以上の労働者を使用する事業場は就業規則の作成と労基署長への届出が義務付けられる。

    解説:常時10人以上の労働者を使用する使用者は就業規則を作成・届出義務(労基法89条)。作成・変更時に過半数代表者等の意見聴取が必要(90条)。不利益変更には合理性が必要(労契法10条)。

    根拠:労働基準法 第89条労働契約法 第10条 (出典: e-Gov法令検索)