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ビジネス実務法務検定 2級「法体系と契約・民法」の一問一答

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📖 ビジネス実務法務検定 2級「法体系と契約・民法」の全75問と解説(一覧)

ビジネス実務法務検定 2級の法体系と契約・民法に関する一問一答(全75問)の正解と解説の一覧です。上の一問一答で実際に解いてから、ここで復習・確認できます。

  1. 問1.日本の法源には、成文法のみならず、慣習法・判例法・条理などの不文法も含まれる。

    正解:○(正しい)

    解説:法源とは法の存在形式をいい、憲法・法律・命令等の成文法に加え、慣習法・判例法・条理といった不文法も含まれる。

  2. 問2.条例は地方公共団体が法律の範囲内で制定する自主法であり、当該団体の区域内で効力を有する。

    正解:○(正しい)

    解説:憲法94条に基づき、地方公共団体は法律の範囲内で条例を制定でき、当該区域内に限り効力を有する。

    根拠: 日本国憲法 第94条 (出典: e-Gov法令検索)

  3. 問3.条約は国家間の合意であって、国内的効力を持つことはなく、別途国内法による立法措置を必ず要する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは、条約は公布により国内的効力を持ち得る(直接適用可能な条約もある)。立法措置を要するのは非自動執行条約等に限られる。

  4. 問4.私法と公法の区別は相対的なものであり、民法は私法の一般法、商法は私法の特別法として位置づけられる。

    正解:○(正しい)

    解説:民法は私人間の権利義務を規律する一般法、商法は商人・商行為に関する特別法。特別法は一般法に優先する。

  5. 問5.判例には一般的拘束力があり、最高裁判所の判例は下級審裁判所を法律と同等の効力で拘束する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは、判例に一般的法的拘束力は認められず、事実上の拘束力にとどまる(裁判所法4条は当該事件限り)。

    根拠: 裁判所法 第4条 (出典: e-Gov法令検索)

  6. 問6.成年被後見人がした日用品の購入その他日常生活に関する行為であっても、成年後見人は常にこれを取り消すことができる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは、日用品の購入その他日常生活に関する行為は取消対象外(民法9条ただし書)。本人の自己決定尊重の趣旨。

    根拠: 民法 第9条 (出典: e-Gov法令検索)

  7. 問7.被保佐人が保佐人の同意を得ずに不動産を売却した場合でも、当該売買は完全に有効であり取り消すことはできない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは、不動産その他重要な財産の処分(13条1項3号)は保佐人の同意が必要で、無同意なら取消可能。

  8. 問8.心裡留保による意思表示は、相手方が表意者の真意でないことを知り、または知ることができたときは無効となる。

    正解:○(正しい)

    解説:民法93条1項ただし書。原則有効だが、相手方が悪意・有過失の場合は無効。第三者には対抗できない場合あり。

    根拠: 民法 第93条 (出典: e-Gov法令検索)

  9. 問9.通謀虚偽表示による意思表示は当事者間でも有効であり、善意の第三者にも対抗できる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは、通謀虚偽表示は当事者間で無効(民法94条1項)、ただし善意の第三者には対抗できない(同2項)。

    根拠: 民法 第94条 (出典: e-Gov法令検索)

  10. 問10.錯誤による意思表示は、その錯誤が法律行為の目的および取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、原則として取り消すことができる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。民法95条1項により、重要な錯誤に基づく意思表示は取り消すことができる(2020年施行の改正で無効から取消しに変更)。ただし、法律行為の基礎とした事情についての錯誤(動機の錯誤)は、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限られ(同条2項)、表意者に重大な過失があれば、相手方が錯誤を知っていた・重大な過失で知らなかった場合や同じ錯誤に陥っていた場合を除き取り消せない(同条3項)。

    根拠: 民法 第95条 (出典: e-Gov法令検索)

  11. 問11.詐欺による意思表示の取消しは、取消し前の善意・無過失の第三者にも対抗することができる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは、詐欺取消しは善意・無過失の第三者に対抗できない(民法96条3項)。強迫の場合は第三者に対抗可能。

    根拠: 民法 第96条 (出典: e-Gov法令検索)

  12. 問12.代理行為が有効に成立するには、代理人が本人のためにすることを示して意思表示をする顕名が原則として必要である。

    正解:○(正しい)

    解説:民法99条1項の顕名主義。顕名なき場合は代理人自身の行為とみなされる(100条本文)が、相手方が知り得たときは別。

    根拠: 民法 第99条 (出典: e-Gov法令検索)

  13. 問13.無権代理人が締結した契約は、本人の追認がなくとも当然に本人に対して効力を生ずる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは、無権代理行為は本人の追認がなければ本人に効力を生じない(民法113条1項)。

    根拠: 民法 第113条 (出典: e-Gov法令検索)

  14. 問14.表見代理は、代理権授与の表示・権限外行為・代理権消滅後の三類型があり、相手方の善意・無過失を要件とする。

    正解:○(正しい)

    解説:民法109条・110条・112条。本人の帰責性と相手方の正当な信頼を保護する制度で、相手方は善意無過失が必要。

    根拠: 民法 第109条 (出典: e-Gov法令検索)

  15. 問15.債権の消滅時効は、債権者が権利を行使することができることを知った時から10年、または権利を行使することができる時から20年で完成する。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは、知った時から5年・行使可能時から10年(民法166条1項)。2020年改正で短期化された。

    根拠: 民法 第166条 (出典: e-Gov法令検索)

  16. 問16.時効の更新事由には確定判決等による権利の確定や権利の承認があり、更新が生じた場合には時効期間は新たに進行を開始する。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。裁判上の請求は、まず時効の完成猶予事由となり(民法147条1項)、確定判決またはこれと同一の効力を有するものによって権利が確定したときに、時効はその事由の終了時から新たに進行を始める(同条2項=更新)。権利の承認も更新事由である(152条1項)。旧法の「中断」は、この完成猶予と更新に分けて整理された。

    根拠: 民法 第147条 (出典: e-Gov法令検索)

  17. 問17.物権は法律で定めるもののほか、当事者の合意により自由に新しい種類の物権を創設することができる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは、物権法定主義により、物権は法律で定めるもの以外は創設できない(民法175条)。

    根拠: 民法 第175条 (出典: e-Gov法令検索)

  18. 問18.不動産物権変動は登記がなければ当事者間でも効力を生じず、登記は物権変動の効力発生要件である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは、登記は対抗要件にすぎず、当事者間では意思表示のみで物権変動が生じる(民法176条・177条)。

    根拠: 民法 第176条 (出典: e-Gov法令検索)

  19. 問19.即時取得は動産につき認められる制度であり、取引行為によって、平穏・公然・善意・無過失で占有を開始した者が、即時にその動産について行使する権利を取得する。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。民法192条は、取引行為によって、平穏かつ公然と動産の占有を始めた者が善意・無過失であるときに、即時にその動産について行使する権利を取得すると定める。動産取引の安全を守る制度で、不動産には適用されず、取引行為によらない占有の開始(拾得など)も対象外。盗品・遺失物には被害者等の回復請求の特則がある(193条)。

    根拠: 民法 第192条 (出典: e-Gov法令検索)

  20. 問20.抵当権は被担保債権が弁済されると消滅するが、当該抵当権の効力は果実には及ばない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは、抵当権の効力は被担保債権の不履行後の果実に及ぶ(民法371条)。付加一体物にも及ぶ。

    根拠: 民法 第371条 (出典: e-Gov法令検索)

  21. 問21.根抵当権は元本確定前であっても被担保債権の範囲は固定されており、新たな債権が担保の対象に加わることはない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは、元本確定前は一定範囲の不特定債権を極度額まで担保し、被担保債権は入れ替わる(民法398条の2)。

    根拠: 民法 第398条の2 (出典: e-Gov法令検索)

  22. 問22.債務不履行による損害賠償は、通常生ずべき損害に加え、特別な事情による損害も当事者が予見すべきであったときは賠償範囲に含まれる。

    正解:○(正しい)

    解説:民法416条。1項で通常損害、2項で当事者が予見すべき特別事情による損害が賠償範囲となる。

    根拠: 民法 第416条 (出典: e-Gov法令検索)

  23. 問23.連帯債務者の一人について生じた事由は、原則として他の連帯債務者にも全面的に効力を及ぼす。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは、2020年改正で絶対効事由が縮小され、原則相対効(民法441条)。弁済・更改・相殺・混同のみ絶対効。

    根拠: 民法 第441条 (出典: e-Gov法令検索)

  24. 問24.保証契約は債権者と保証人との間で書面または電磁的記録により締結しなければ効力を生じない。

    正解:○(正しい)

    解説:民法446条2項・3項。保証契約は要式契約で、書面(または電磁的記録)によらなければ無効となる。

    根拠: 民法 第446条 (出典: e-Gov法令検索)

  25. 問25.連帯保証人には催告の抗弁権および検索の抗弁権が認められており、これにより主たる債務者への請求を主張できる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは、連帯保証人には催告・検索の抗弁権がない(民法454条)。通常保証との重要な差異。

    根拠: 民法 第454条 (出典: e-Gov法令検索)

  26. 問26.債権譲渡を債務者以外の第三者に対抗するには、譲渡人からの単なる口頭の通知で足り、確定日付ある証書は不要である。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは、債務者以外の第三者対抗要件は確定日付ある証書による通知または承諾が必要(民法467条2項)。

    根拠: 民法 第467条 (出典: e-Gov法令検索)

  27. 問27.相殺は、双方の債務が同種の目的を有し、自働債権が弁済期にあることが要件である(受働債権は弁済期になくても期限の利益を放棄して相殺できる)。

    正解:○(正しい)

    解説:民法505条。受働債権は期限の利益放棄が可能なため、自働債権の弁済期到来が必須。受働債権の弁済期到来は不要。

    根拠: 民法 第505条 (出典: e-Gov法令検索)

  28. 問28.契約は申込みの意思表示に対する承諾の意思表示の合致によって成立し、原則として書面の作成を要しない。

    正解:○(正しい)

    解説:民法522条。諾成契約主義が原則。書面要件は保証・定期借地・割賦販売等の特別の規定がある場合のみ。

    根拠: 民法 第522条 (出典: e-Gov法令検索)

  29. 問29.同時履行の抗弁権は双務契約から生じる権利であり、相手方が履行の提供をするまで自己の債務の履行を拒むことができる。

    正解:○(正しい)

    解説:民法533条。双務契約の公平を図る制度。自働債権が同時履行の抗弁付きの場合、相殺の自働債権にできない。

    根拠: 民法 第533条 (出典: e-Gov法令検索)

  30. 問30.売買の目的物が契約の内容に適合しないとき、買主は、原則として、履行追完請求、代金減額請求、損害賠償請求、契約解除を行うことができる。

    正解:○(正しい)

    解説:正しい。民法562条〜564条により、買主は追完請求・代金減額請求のほか、415条の損害賠償請求、541条・542条の解除ができる(2020年施行の改正で瑕疵担保責任から契約不適合責任に変更)。ただし、不適合が買主の責めに帰すべき事由によるときは追完請求・代金減額請求・解除はできず(562条2項・563条3項・543条)、代金減額は原則として追完の催告を経る必要があり(563条1項)、損害賠償は売主に帰責事由がなければ認められない(415条1項ただし書)。

    根拠: 民法 第562条 (出典: e-Gov法令検索)

  31. 問31.請負契約において、注文者は仕事の完成前であれば、損害を賠償していつでも契約を解除することができる。

    正解:○(正しい)

    解説:民法641条。注文者の任意解除権。請負人保護のため損害賠償が条件となる。完成後の解除は別ルール。

    根拠: 民法 第641条 (出典: e-Gov法令検索)

  32. 問32.委任契約は民法上有償が原則とされ、特約がなくとも受任者は当然に委任者に対して報酬を請求することができる。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。民法648条1項により、受任者は特約がなければ委任者に報酬を請求できない(無償が原則)。ただし、商人がその営業の範囲内において他人のために行為をしたときは、特約がなくても相当な報酬を請求できる(商法512条。相手方が商人である必要はない)。

    根拠: 商法 第512条 / 民法 第648条 (出典: e-Gov法令検索)

  33. 問33.使用者責任が成立する場合、被用者個人は不法行為責任を免れ、使用者のみが損害賠償責任を負う。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは、使用者責任(民法715条)が成立しても被用者個人の不法行為責任は免責されない(不真正連帯)。

    根拠: 民法 第715条 (出典: e-Gov法令検索)

  34. 問34.工作物責任において、土地工作物の設置・保存の瑕疵により他人に損害を生じた場合、占有者が一次的責任を負い、占有者が必要な注意をしたときは所有者が無過失責任を負う。

    正解:○(正しい)

    解説:民法717条。占有者は中間責任、所有者は無過失責任。所有者責任は危険責任の典型例。

    根拠: 民法 第717条 (出典: e-Gov法令検索)

  35. 問35.共同不法行為者は被害者に対して各自が損害の一部のみを按分して負担すれば足り、連帯責任は負わない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは、共同不法行為者は連帯して損害賠償責任を負う(民法719条)。求償関係は内部問題。

    根拠: 民法 第719条 (出典: e-Gov法令検索)

  36. 問36.過失相殺は不法行為の場合にのみ適用される制度であり、債務不履行による損害賠償の場面では適用されない。

    正解:×(誤り)

    解説:誤り。正しくは、過失相殺は債務不履行(民法418条)にも不法行為(722条2項)にも適用される一般原則である。

    根拠: 民法 第418条 (出典: e-Gov法令検索)

  37. 問37.遺留分は配偶者・子・直系尊属に認められ、兄弟姉妹には認められない。

    正解:○(正しい)

    解説:民法1042条。兄弟姉妹には遺留分なし。遺留分割合は直系尊属のみが相続人の場合1/3、その他は1/2。

    根拠: 民法 第1042条 (出典: e-Gov法令検索)

  38. 問38.事業承継において、後継者は遺留分に関する民法の特例により、生前贈与株式を遺留分算定基礎財産から除外する合意をすることができる。

    正解:○(正しい)

    解説:経営承継円滑化法による民法特例。後継者と推定相続人全員の合意・経済産業大臣確認・家裁許可が必要。

  39. 問39.意思表示において、表意者が真意でないことを知って行った場合(心裡留保)の原則的な効力として、最も適切なものはどれか。

    • ア.相手方の善意悪意を問わず常に無効である
    • イ.原則として有効であるが、相手方が悪意・有過失の場合は無効となる
    • ウ.取り消すことができるが追認可能である
    • エ.相手方の損害賠償請求権のみが認められる

    正解:イ.原則として有効であるが、相手方が悪意・有過失の場合は無効となる

    解説:民法93条1項本文。心裡留保は原則有効。ただし相手方が悪意・有過失の場合は無効(同ただし書)。

    根拠: 民法 第93条 (出典: e-Gov法令検索)

  40. 問40.民法における制限行為能力者の取消権について、最も適切なものはどれか。

    • ア.詐術を用いて行為能力者であると信じさせた場合でも取消しは可能である
    • イ.取消権は法定代理人のみが行使でき、本人は行使できない
    • ウ.相手方は法定代理人に対し1か月以上の期間を定めて催告できる
    • エ.取消権の行使期間は20年で除斥期間ではない

    正解:ウ.相手方は法定代理人に対し1か月以上の期間を定めて催告できる

    解説:民法5条以下。法定代理人または制限行為能力者本人が取消可能。相手方の催告権あり(20条)。詐術使用時は取消不可(21条)。

    根拠: 民法 第5条 (出典: e-Gov法令検索)

  41. 問41.錯誤による意思表示の取消しに関し、最も適切なものはどれか。

    • ア.表意者に重大な過失があるときは、相手方が表意者の錯誤を知っていたときでも取り消すことができない
    • イ.錯誤による取消しは、善意の第三者に対しては、過失の有無を問わず対抗することができない
    • ウ.錯誤による意思表示は、取消しの意思表示をするまでもなく、当然に無効である
    • エ.動機の錯誤は、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていなければ、取り消すことができない

    正解:エ.動機の錯誤は、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていなければ、取り消すことができない

    解説:民法95条。重要な錯誤による意思表示は取り消すことができ(1項。2020年施行の改正前は無効とされていた)、法律行為の基礎とした事情についての錯誤(動機の錯誤)は、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り取り消せる(2項)。表意者に重大な過失があっても、相手方が錯誤を知り、または重大な過失で知らなかったときや、相手方も同じ錯誤に陥っていたときは取り消せる(3項)。取消しは善意でかつ過失がない第三者に対抗できない(4項)ので、善意でも過失のある第三者には対抗できる。

    根拠: 民法 第95条 (出典: e-Gov法令検索)

  42. 問42.代理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.代理権の濫用は、相手方がその目的を知り、又は知ることができたときは、無権代理行為とみなされる
    • イ.自己契約は、本人があらかじめ許諾していても、無権代理行為とみなされる
    • ウ.任意代理人は、本人の許諾もやむを得ない事由もなくても、復代理人を選任できる
    • エ.制限行為能力者が任意代理人としてした行為は、行為能力の制限を理由に取り消すことができる

    正解:ア.代理権の濫用は、相手方がその目的を知り、又は知ることができたときは、無権代理行為とみなされる

    解説:民法107条により、代理人が自己または第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合(代理権の濫用)、相手方がその目的を知り、または知ることができたときは、無権代理行為とみなされる。自己契約・双方代理も無権代理行為とみなされるが、債務の履行と本人があらかじめ許諾した行為は除かれる(108条1項)。任意代理人は、本人の許諾を得たときかやむを得ない事由があるときでなければ復代理人を選任できず(104条)、法定代理人は自己の責任で選任できる(105条)。制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない(102条本文。他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為を除く)。

    根拠: 民法 第107条 (出典: e-Gov法令検索)

  43. 問43.民法上の債権の消滅時効期間(人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権などの特則があるものを除く)として、最も適切なものはどれか。

    • ア.知った時から3年、権利を行使できる時から10年
    • イ.知った時から5年、権利を行使できる時から10年
    • ウ.知った時から5年、権利を行使できる時から20年
    • エ.知った時から10年、権利を行使できる時から20年

    正解:イ.知った時から5年、権利を行使できる時から10年

    解説:民法166条1項により、債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年、権利を行使することができる時から10年行使しないときに時効で消滅する。人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権は、権利を行使できる時からの期間が20年になる(167条)。不法行為による損害賠償請求権は別に、知った時から3年・不法行為の時から20年と定められている(724条)。

    根拠: 民法 第166条 (出典: e-Gov法令検索)

  44. 問44.抵当権に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.抵当権の順位は当事者の合意で自由に決定できる
    • イ.抵当権者は目的物の占有を取得する権利を有する
    • ウ.抵当権は物上代位により目的物の保険金請求権にも及ぶ
    • エ.被担保債権が弁済されても抵当権は独立して存続する

    正解:ウ.抵当権は物上代位により目的物の保険金請求権にも及ぶ

    解説:民法369条以下。抵当権は非占有担保。物上代位(372条・304条)により目的物滅失等の場合の保険金・賃料等に効力が及ぶ。順位は登記の前後による(373条)。被担保債権消滅で付従性により消滅。

    根拠: 民法 第369条 (出典: e-Gov法令検索)

  45. 問45.AはCから甲土地を買い受けたが、所有権移転登記をしていない。Aが登記なくして甲土地の所有権を対抗することができる相手として、最も適切なものはどれか。

    • ア.Cに対する金銭債権に基づき、甲土地を差し押さえた債権者
    • イ.Cから甲土地に抵当権の設定を受け、その登記を備えた者
    • ウ.売買の後にCが死亡し、甲土地を相続により承継したCの相続人
    • エ.背信的悪意者から甲土地を買い受けて登記を備えた、自らは背信的悪意者でない転得者

    正解:ウ.売買の後にCが死亡し、甲土地を相続により承継したCの相続人

    解説:不動産の物権変動は、登記をしなければ第三者に対抗できない(民法177条)。売主Cの相続人は、Cの権利義務を包括的に承継し(896条)、売主の地位をそのまま引き継ぐ当事者と同じ立場にあるので177条の第三者にあたらず、Aは登記なくして所有権を対抗できる。一方、甲土地を差し押さえた債権者(最判昭和39年3月6日)や、抵当権の設定を受けて登記を備えた者は第三者にあたる。背信的悪意者から買い受けた転得者も、その者自身が背信的悪意者と評価されない限り第三者にあたる(最判平成8年10月29日)。これらの者に対しては、Aは登記がなければ所有権を対抗できない。

    根拠: 民法 第177条 (出典: e-Gov法令検索)

  46. 問46.債務不履行に基づく損害賠償の範囲について、最も適切なものはどれか。

    • ア.通常生ずべき損害および当事者が予見すべきであった特別事情による損害が範囲となる
    • イ.債務者の故意・重過失がある場合に限り賠償範囲が拡大する
    • ウ.現実に発生したすべての損害が範囲となる
    • エ.通常損害のみが範囲となり特別事情による損害は一切含まれない

    正解:ア.通常生ずべき損害および当事者が予見すべきであった特別事情による損害が範囲となる

    解説:民法416条。1項で通常損害、2項で予見すべき特別事情による損害。2017年改正で「予見し、又は予見することができた」から「予見すべきであった」に修正。

    根拠: 民法 第416条 (出典: e-Gov法令検索)

  47. 問47.債権者代位権の行使要件として、最も適切でないものはどれか。

    • ア.被保全債権が存在すること
    • イ.代位権行使には常に裁判所の許可を要すること
    • ウ.被代位権利が一身専属権でないこと
    • エ.債務者が無資力であること(保全の必要性)

    正解:イ.代位権行使には常に裁判所の許可を要すること

    解説:民法423条。①被保全債権の存在、②保全の必要性(債務者の無資力)、③一身専属権・差押禁止債権でないこと、④原則弁済期到来。被代位権利を裁判所の許可なく行使できる(特定債権保全の場合別)。

    根拠: 民法 第423条 (出典: e-Gov法令検索)

  48. 問48.詐害行為取消権(債権者取消権)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.裁判外でも行使することができる
    • イ.債務者の財産権を目的としない行為も対象となる
    • ウ.債務者の詐害意思と受益者の悪意が要件とされる
    • エ.取消権の行使期間は債権者が知った時から10年である

    正解:ウ.債務者の詐害意思と受益者の悪意が要件とされる

    解説:民法424条以下。①債権者を害することを知ってした行為、②受益者の悪意、③裁判上の請求要件。財産権を目的としない行為(婚姻等)は対象外。期間は知った時2年・行為時10年(426条)。

    根拠: 民法 第424条 (出典: e-Gov法令検索)

  49. 問49.連帯債務における絶対的効力事由として、最も適切なものはどれか。

    • ア.債権者が連帯債務者の一人に対してした請求
    • イ.連帯債務者の一人に対する免除
    • ウ.連帯債務者の一人について生じた時効の完成
    • エ.連帯債務者の一人による相殺

    正解:エ.連帯債務者の一人による相殺

    解説:2020年改正民法。絶対効事由は弁済・代物弁済・供託・更改・相殺・混同のみ(438条以下)。請求・免除・時効完成は相対効に変更。

  50. 問50.保証契約に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.個人根保証契約は、極度額を定めなければ、その効力を生じない
    • イ.保証契約は、口頭の合意だけでも、その効力を生ずる
    • ウ.主たる債務が弁済で消滅しても、保証債務はその効力を失わない
    • エ.連帯保証人は、催告の抗弁権と検索の抗弁権を有する

    正解:ア.個人根保証契約は、極度額を定めなければ、その効力を生じない

    解説:民法465条の2第2項により、個人根保証契約は極度額を定めなければ効力を生じない。保証契約は書面(または電磁的記録)でしなければ効力を生じず(446条2項・3項)、保証債務は主たる債務に付従するので、主たる債務が消滅すれば保証債務も消滅する。連帯保証人には催告の抗弁権・検索の抗弁権がない(454条)。

    根拠: 民法 第446条 (出典: e-Gov法令検索)

  51. 問51.債権譲渡に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.譲渡制限の意思表示がされた債権は、譲渡してもその譲渡が無効となる
    • イ.債務者以外の第三者への対抗要件は、確定日付のある証書による通知または承諾である
    • ウ.将来発生すべき債権は、現に発生していないので譲渡することができない
    • エ.債務者が承諾すれば、確定日付がなくても債務者以外の第三者に対抗できる

    正解:イ.債務者以外の第三者への対抗要件は、確定日付のある証書による通知または承諾である

    解説:民法467条2項により、債権譲渡を債務者以外の第三者に対抗するには、確定日付のある証書による通知または承諾が必要である。譲渡制限の意思表示があっても譲渡は有効で(466条2項)、悪意・重過失の譲受人には債務者が履行を拒める(同条3項)。将来発生すべき債権も譲渡できる(466条の6第1項)。

    根拠: 民法 第466条 (出典: e-Gov法令検索)

  52. 問52.相殺の要件に関し、最も適切でないものはどれか。

    • ア.双方の債権が同種の目的を有すること
    • イ.自働債権が弁済期にあること
    • ウ.受働債権の弁済期も到来していること
    • エ.性質上相殺が許されない債権でないこと

    正解:ウ.受働債権の弁済期も到来していること

    解説:民法505条1項により、相殺には、二人が互いに同種の目的を有する債務を負担し、双方の債務が弁済期にあることが必要で、債務の性質が相殺を許さないときは除かれる。ただし受働債権(相殺される側の債権)は、相殺する者が期限の利益を放棄できるので弁済期が到来していなくてもよく、自働債権が弁済期にあれば足りる。悪意による不法行為に基づく損害賠償債務と、人の生命・身体の侵害による損害賠償債務は、その債務者から相殺を主張できない(509条)。

    根拠: 民法 第505条 (出典: e-Gov法令検索)

  53. 問53.契約の解除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.債務者の帰責事由がなければ契約を解除することはできない
    • イ.解除した場合でも原状回復義務は生じない
    • ウ.解除の意思表示はいつでも自由に撤回できる
    • エ.解除権は形成権であり相手方への意思表示の到達で効力を生じる

    正解:エ.解除権は形成権であり相手方への意思表示の到達で効力を生じる

    解説:民法541条以下。2020年改正で債務者の帰責事由不要に。催告解除(541条)と無催告解除(542条)。解除権は形成権で原状回復義務(545条)。解除の意思表示は相手方への到達で効力発生(撤回不可)。

    根拠: 民法 第541条 (出典: e-Gov法令検索)

  54. 問54.売買における契約不適合責任に関し、最も適切なものはどれか。

    • ア.買主は追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・解除の選択が可能である
    • イ.買主は不適合を知った時から3年以内に通知しなければならない
    • ウ.買主は代金減額請求のみが認められる
    • エ.買主は損害賠償請求のみで他の救済手段は認められない

    正解:ア.買主は追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・解除の選択が可能である

    解説:民法562条以下(2020年改正)。①追完請求(修補・代物・不足分引渡し)、②代金減額請求、③損害賠償請求、④解除。買主は不適合を知った時から1年以内に通知(566条)。商人間は商法526条で別ルール。

    根拠: 商法 第526条 / 民法 第562条 (出典: e-Gov法令検索)

  55. 問55.賃貸借契約における敷金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.敷金は、賃貸借が終了すれば、目的物の返還を受ける前でも全額を返還しなければならない
    • イ.敷金は、賃貸借が終了し目的物の返還を受けたときに、未払債務の額を控除して返還される
    • ウ.賃借人は、未払の賃料について、敷金をその弁済に充てるよう賃貸人に請求できる
    • エ.敷金は、賃借人が負う原状回復費用の債務には充当することができない

    正解:イ.敷金は、賃貸借が終了し目的物の返還を受けたときに、未払債務の額を控除して返還される

    解説:民法622条の2第1項により、賃貸人は、賃貸借が終了し、かつ賃貸物の返還を受けたとき(または賃借権が適法に譲渡されたとき)に、敷金から賃借人の金銭債務(未払賃料・原状回復費用など)を控除した残額を返還する。賃貸人は未払債務に敷金を充当できるが、賃借人から充当を請求することはできない(同条2項)。

    根拠: 民法 第622条の2 (出典: e-Gov法令検索)

  56. 問56.請負契約と委任契約の相違点に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.請負人と受任者はともに同程度の善管注意義務のみを負う
    • イ.請負も委任も結果債務として位置づけられる
    • ウ.請負は仕事の完成を目的とし、委任は事務の処理を目的とする
    • エ.請負契約は無償が原則である

    正解:ウ.請負は仕事の完成を目的とし、委任は事務の処理を目的とする

    解説:請負(632条)は仕事の完成、委任(643条)は法律行為の委託(準委任は事実行為)。請負は結果債務、委任は手段債務(善管注意義務)。請負は契約不適合責任、委任は債務不履行責任。

  57. 問57.委任契約の終了事由として、最も適切でないものはどれか。

    • ア.委任者が死亡したこと
    • イ.受任者が破産手続開始の決定を受けたこと
    • ウ.受任者が委任契約を解除したこと
    • エ.委任者が後見開始の審判を受けたこと

    正解:エ.委任者が後見開始の審判を受けたこと

    解説:民法653条は、委任の終了事由として、委任者又は受任者の死亡、委任者又は受任者の破産手続開始の決定、受任者の後見開始の審判の3つを定めている。後見開始の審判が終了事由になるのは受任者だけで、委任者が後見開始の審判を受けても委任は終了しない。委任者の死亡と受任者の破産手続開始の決定は、いずれも同条の終了事由である。また、委任は各当事者がいつでも解除できる(651条)ので、受任者が解除した場合も委任は終了する。

    根拠: 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第653条 / 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第651条 (出典: e-Gov法令検索)

  58. 問58.不法行為による損害賠償に関し、最も適切なものはどれか。

    • ア.名誉毀損では、損害賠償とともに、名誉を回復するのに適当な処分を命じることができる
    • イ.不法行為による損害賠償は、当事者の特約がなくても、原状回復の方法によるのが原則である
    • ウ.被害者の過失は、被害者に責任能力がなければ、損害賠償の額を定めるにあたって考慮できない
    • エ.不法行為による損害賠償の請求権は、不法行為の時から10年を経過すると時効によって消滅する

    正解:ア.名誉毀損では、損害賠償とともに、名誉を回復するのに適当な処分を命じることができる

    解説:不法行為の損害賠償は金銭賠償が原則で(民法722条1項・417条)、名誉毀損では、損害賠償に代え、または損害賠償とともに、名誉を回復するのに適当な処分(謝罪広告など)を命じることができる(723条)。被害者の過失は損害賠償の額を定めるにあたって考慮でき(722条2項)、判例は、被害者に責任能力がなくても事理を弁識する能力があれば足りるとする(最大判昭和39年6月24日)。損害賠償請求権は、損害及び加害者を知った時から3年(人の生命・身体を害する場合は5年)、または不法行為の時から20年で時効により消滅する(724条・724条の2)。

    根拠: 民法 第709条 (出典: e-Gov法令検索)

  59. 問59.使用者責任(民法715条)の成立要件として、最も適切でないものはどれか。

    • ア.使用者と被用者の間に使用関係があること
    • イ.被用者に事業執行の主観的意思があったこと
    • ウ.被用者に不法行為が成立すること
    • エ.被用者の行為が事業の執行についてなされたこと

    正解:イ.被用者に事業執行の主観的意思があったこと

    解説:民法715条。①使用関係、②事業の執行について、③被用者の不法行為、④免責事由(選任監督に注意した・注意してても損害発生)の不存在。被用者の主観的事業執行意思は不要(外形理論)。

    根拠: 民法 第715条 (出典: e-Gov法令検索)

  60. 問60.意思能力に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.意思能力を欠く者がした法律行為は取り消すことができる
    • イ.意思能力と行為能力は同一の概念である
    • ウ.意思能力を欠く者がした法律行為は無効である
    • エ.意思能力は18歳に達することで取得する

    正解:ウ.意思能力を欠く者がした法律行為は無効である

    解説:民法3条の2(2020年改正で明文化)。意思能力を欠く者の法律行為は無効。意思能力は事理弁識能力で7〜10歳程度。行為能力(制限行為能力者制度)とは別概念。

    根拠: 民法 第3条の2 (出典: e-Gov法令検索)

  61. 問61.条件と期限に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.停止条件成就により法律行為の効力は消滅する
    • イ.期限の利益は一切放棄することができない
    • ウ.期限の利益は債権者にあると推定される
    • エ.解除条件成就により法律行為の効力は消滅する

    正解:エ.解除条件成就により法律行為の効力は消滅する

    解説:民法127条以下。停止条件は成就時に効力発生、解除条件は成就時に効力消滅。既成条件・不能条件は別ルール。期限の利益は債務者にあると推定(136条1項)、放棄可能だが相手方の利益害さない範囲。

    根拠: 民法 第127条 (出典: e-Gov法令検索)

  62. 問62.占有権と所有権に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.占有権は事実上の支配であり、占有訴権を行使できる
    • イ.占有権者は所有権に基づく物権的請求権を当然に行使できる
    • ウ.所有権者は物権的請求権を行使できない
    • エ.占有権は登記によって対抗要件を備える

    正解:ア.占有権は事実上の支配であり、占有訴権を行使できる

    解説:占有権(180条以下)は事実上の支配。所有権(206条)は使用収益処分の権利。占有訴権(197条以下:占有保持・保全・回収)は事実保護。所有権に基づく物権的請求権とは別物。

  63. 問63.用益物権に該当しないものはどれか。

    • ア.地上権
    • イ.留置権
    • ウ.地役権
    • エ.永小作権

    正解:イ.留置権

    解説:用益物権:地上権・永小作権・地役権・入会権。留置権は法定担保物権。担保物権には留置権・先取特権・質権・抵当権がある。

  64. 問64.留置権と先取特権の優先弁済権(目的物の価値から他の債権者に先立って弁済を受ける権利)について、最も適切なものはどれか。

    • ア.留置権にも先取特権にも、優先弁済権がある
    • イ.留置権には優先弁済権があり、先取特権には優先弁済権がない
    • ウ.留置権には優先弁済権がなく、先取特権には優先弁済権がある
    • エ.留置権にも先取特権にも、優先弁済権がない

    正解:ウ.留置権には優先弁済権がなく、先取特権には優先弁済権がある

    解説:先取特権者は、法律の定めにより、債務者の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する(民法303条)。留置権は、他人の物を占有する者がその物に関して生じた債権の弁済を受けるまでその物を留置できる権利で(295条)、優先弁済権はない。どちらも当事者の合意によらず法律上当然に生じる法定担保物権である。

  65. 問65.債権者と引受人となる者との契約によって免責的債務引受をする場合、その効力が生ずる時期として、最も適切なものはどれか。

    • ア.債権者と引受人となる者が契約をした時
    • イ.債権者が債務者に対して、その契約をした旨を通知した時
    • ウ.債務者が引受人となる者に対して、承諾をした時
    • エ.債務者が債権者に対して、その契約を承諾した旨を通知した時

    正解:イ.債権者が債務者に対して、その契約をした旨を通知した時

    解説:免責的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができ、この場合は、債権者が債務者に対してその契約をした旨を通知した時に効力を生ずる(民法472条2項)。債務者の承諾は要しない。債務者と引受人となる者との契約による場合は、債権者が引受人となる者に対して承諾をすることで成立する(同条3項)。効力が生ずると、引受人は債務者と同一の内容の債務を負担し、債務者は自己の債務を免れる(同条1項)。なお、併存的債務引受も債権者と引受人となる者との契約によってすることができ、債務者への通知は効力の要件とされていない(470条2項)。

    根拠: 民法 第470条 (出典: e-Gov法令検索)

  66. 問66.弁済の提供に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.債権者の受領拒絶があるときは口頭の提供で足りる場合がある
    • イ.債権者が受領を拒んでいる場合でも現実の提供が必要である
    • ウ.弁済の提供は常に現実の提供によらなければならない
    • エ.弁済の提供をしても債務不履行責任を免れない

    正解:ア.債権者の受領拒絶があるときは口頭の提供で足りる場合がある

    解説:民法492条以下。現実の提供が原則。受領拒絶等の場合は口頭の提供で足りる(493条ただし書)。弁済提供により債務不履行責任を免れる。受領遅滞(413条)の効果も生じる。

    根拠: 民法 第492条 (出典: e-Gov法令検索)

  67. 問67.代物弁済に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.代物弁済は要物契約として現実の給付がなければ成立しない
    • イ.代物弁済は債権者と債務者の合意により成立する諾成契約である
    • ウ.代物弁済では本来の債権は消滅しない
    • エ.代物弁済の目的物は金銭でなければならない

    正解:イ.代物弁済は債権者と債務者の合意により成立する諾成契約である

    解説:民法482条。本来の給付に代えて他の給付をすることで債権消滅。要物契約から諾成契約に変更(2020年改正)。不動産の場合は所有権移転の登記等が必要(判例)。

    根拠: 民法 第482条 (出典: e-Gov法令検索)

  68. 問68.更改に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.債務者の交替による更改は、債権者と新債務者との契約ではすることができず、旧債務者の同意を要する
    • イ.債権者の交替による更改は、確定日付のある証書によらなくても、第三者に対抗することができる
    • ウ.債権者は、更改前の債務の目的の限度で、その債務の担保として設定された抵当権を更改後の債務に移すことができる
    • エ.更改前の債務に付された保証は、保証人の承諾がなくても、当然に更改後の債務を担保する

    正解:ウ.債権者は、更改前の債務の目的の限度で、その債務の担保として設定された抵当権を更改後の債務に移すことができる

    解説:更改により従前の債務は消滅し(民法513条)、担保も原則として消滅するが、債権者は、更改前の債務の目的の限度で、その債務の担保として設定された質権・抵当権を更改後の債務に移すことができる(518条1項。第三者が設定したものはその承諾が必要)。債務者の交替による更改は債権者と新債務者との契約ででき、旧債務者の同意は不要で、債権者が旧債務者に通知した時に効力を生ずる(514条1項)。債権者の交替による更改は、確定日付のある証書によらなければ第三者に対抗できない(515条2項)。保証は更改前の債務とともに消滅し、当然には移らない。

    根拠: 民法 第513条 (出典: e-Gov法令検索)

  69. 問69.申込みと承諾による契約の成立に関し、最も適切なものはどれか。

    • ア.承諾の意思表示は発信時に効力を生じる(発信主義)
    • イ.申込みは撤回することが一切できない
    • ウ.承諾期間経過後の承諾は当然に有効である
    • エ.承諾の意思表示は到達時に効力を生じる(到達主義)

    正解:エ.承諾の意思表示は到達時に効力を生じる(到達主義)

    解説:民法522条以下(2020年改正)。承諾は到達主義(97条)に統一(旧法の発信主義廃止)。承諾期間内の承諾、承諾期間後の承諾は新たな申込みとみなす(524条)。隔地者間の契約も到達主義。

    根拠: 民法 第522条 (出典: e-Gov法令検索)

  70. 問70.危険負担に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.双方無責の履行不能の場合、債権者は反対給付の履行を拒むことができる
    • イ.債務者の責めに帰すべき履行不能は危険負担の問題である
    • ウ.危険負担と契約解除は併用できない
    • エ.特定物債権に関しては債権者主義が原則である

    正解:ア.双方無責の履行不能の場合、債権者は反対給付の履行を拒むことができる

    解説:民法536条(2020年改正)。債務者主義に統一。両当事者の責めに帰すべからざる事由で履行不能の場合、債権者は反対給付の履行を拒める。解除権行使も可能(541条以下)。旧法の特定物債権者主義は削除。

    根拠: 民法 第536条 (出典: e-Gov法令検索)

  71. 問71.賃貸借における敷金以外の論点(賃借権の対抗・原状回復)に関し、最も適切なものはどれか。

    • ア.建物賃借権は登記がなければ第三者に対抗できない
    • イ.建物賃借権は建物の引渡しにより対抗要件を備える
    • ウ.賃借人は通常損耗についても原状回復義務を負う
    • エ.賃借人の原状回復義務は民法上明文化されていない

    正解:イ.建物賃借権は建物の引渡しにより対抗要件を備える

    解説:建物の賃貸借は、登記がなくても建物の引渡しがあれば、その後その建物について物権を取得した者に対して効力を生ずる(借地借家法31条)。民法605条は不動産賃貸借を登記すれば第三者に対抗できるとするが、建物は引渡しでも対抗要件を備えるため「登記がなければ対抗できない」は誤り。原状回復義務は民法621条に明文があり、通常の使用及び収益によって生じた損耗と経年変化は除かれるので、通常損耗まで負うとする記述も、明文が無いとする記述も誤り。

    根拠: 借地借家法 第31条 / 民法 第605条 (出典: e-Gov法令検索)

  72. 問72.贈与契約に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.贈与契約は常に書面によらなければ成立しない
    • イ.書面によらない贈与は履行が終わった部分も解除できる
    • ウ.書面によらない贈与は履行が終わっていない部分につき解除できる
    • エ.負担付贈与は双務契約の規定の適用を受けない

    正解:ウ.書面によらない贈与は履行が終わっていない部分につき解除できる

    解説:民法549条以下。書面によらない贈与は履行未了部分につき各当事者が解除可能(550条)。書面による贈与は解除不可。負担付贈与は双務契約の規定準用(553条)。死因贈与は遺贈規定準用(554条)。

    根拠: 民法 第549条 (出典: e-Gov法令検索)

  73. 問73.国家賠償法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.国家賠償法は私法上の不法行為と全く同一の規律によるものとされる
    • イ.国家賠償法2条の公の営造物責任は過失責任である
    • ウ.国家賠償が認められた場合、国は公務員に対し故意・重過失がなくとも常に求償できる
    • エ.国家賠償法1条は公務員の軽過失でも国・公共団体が責任を負う

    正解:エ.国家賠償法1条は公務員の軽過失でも国・公共団体が責任を負う

    解説:国家賠償法1条(公権力行使):故意過失で違法行為→国・公共団体が責任。2条(公の営造物):設置管理の瑕疵→無過失責任。3条で費用負担者責任。求償権あり(1条2項:故意重過失時)。

    根拠: 国家賠償法 第1条 (出典: e-Gov法令検索)

  74. 問74.法定相続分に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.配偶者と直系尊属が相続人の場合、配偶者の法定相続分は3分の2である
    • イ.配偶者と子が相続人の場合、配偶者の法定相続分は3分の2である
    • ウ.配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合、配偶者の法定相続分は2分の1である
    • エ.配偶者のみが相続人の場合、法定相続分は2分の1である

    正解:ア.配偶者と直系尊属が相続人の場合、配偶者の法定相続分は3分の2である

    解説:民法900条。配偶者と子:各1/2。配偶者と直系尊属:配偶者2/3、直系尊属1/3。配偶者と兄弟姉妹:配偶者3/4、兄弟姉妹1/4。子が複数いれば均等(半血兄弟姉妹は全血の1/2)。

    根拠: 民法 第900条 (出典: e-Gov法令検索)

  75. 問75.遺言の方式に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア.自筆証書遺言はワープロで作成しても有効である
    • イ.公正証書遺言は家庭裁判所の検認を要しない
    • ウ.自筆証書遺言の財産目録は自書による必要があり、ワープロは認められない
    • エ.遺言の方式に関する民法の定めは強行規定ではない

    正解:イ.公正証書遺言は家庭裁判所の検認を要しない

    解説:民法967条以下。普通方式:自筆証書遺言(968条)・公正証書遺言(969条)・秘密証書遺言(970条)。自筆証書は全文・日付・氏名自書・押印必要(財産目録は別ルール・2018年改正)。検認は家裁で(公正証書は不要)。

    根拠: 民法 第967条 (出典: e-Gov法令検索)