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エネルギー管理士「電気の基礎・電気設備及び機器」出題ポイント解説

電気分野の課目III「電気の基礎・電気設備及び機器」は、直流・交流回路、電子・パワエレ、変圧器・回転機、受変電・送配電、力率改善まで広く扱う総合課目。電験三種の理論・電力・機械分野に近い計算問題と、機器構造・運転特性の知識問題が混在します。

※受験料・試験日程・合格基準・出題範囲は改定される場合があります。最新情報は必ず省エネルギーセンターの公式情報でご確認ください。

1. 直流回路(オーム・キルヒホッフ)

オームの法則V=IR直列合成R=R1+R2+…、並列合成1/R=Σ(1/Ri)キルヒホッフ第1法則: 接続点に流入する電流の総和=0、第2法則: 閉回路の起電力総和=電圧降下総和。複雑回路は重ね合わせの定理、テブナンの定理(等価電圧源)、ノートンの定理(等価電流源)、Y-Δ変換で簡略化。直流電力P=VI=I²R=V²/R。

2. 静電界・磁界・コンデンサ

クーロンの法則F=kq1q2/r²電界E=V/d、平行板コンデンサC=εA/d蓄積エネルギーW=½CV²=½QV=Q²/(2C)。直列接続では1/C=Σ(1/Ci)、並列接続ではC=ΣCi。磁界H、磁束密度B=μH、磁束Φ=BAアンペールの周回積分∮H・dl=Iファラデーの電磁誘導e=−N・dΦ/dt(レンツの法則で向きを決定)、自己インダクタンスL[H]・相互インダクタンスM=k√(L1L2)。

3. 交流回路(実効値・力率・三相)

正弦波の実効値=最大値/√2平均値=2/π×最大値(半波)インピーダンスZ=R+j(XL−Xc)、|Z|=√(R²+X²)、XL=ωL、Xc=1/(ωC)、ω=2πf力率cosθ=R/|Z|=P/S有効電力P=VIcosθ、無効電力Q=VIsinθ、皮相電力S=VI三相交流: Y結線V_line=√3×V_phase、線電流=相電流。Δ結線V_line=V_phase、線電流=√3×相電流。三相電力P=√3×V_line×I_line×cosθ。Y-Δ変換、対称座標法(正相・逆相・零相)。

4. 電子回路・論理回路

半導体素子: ダイオード(PN接合・整流・定電圧)、バイポーラトランジスタ(NPN/PNP・hFE)、FET(MOSFET・JFET)、サイリスタ・トライアック、IGBT、SiC・GaNパワー素子。整流回路: 単相半波・全波・ブリッジ、三相ブリッジ、平均出力電圧の式。増幅回路のエミッタ接地特性、オペアンプの仮想短絡・入力電流ゼロ。論理回路: AND/OR/NOT/NAND/NOR/XOR、真理値表、ブール代数(ド・モルガンの法則)、フリップフロップ、加算器。

5. パワーエレクトロニクス(インバータ・チョッパ)

整流器(コンバータ): AC→DC、ダイオード整流・サイリスタ整流(位相制御)。チョッパ: DC→DC、降圧(Buck)/昇圧(Boost)/昇降圧(Buck-Boost)、出力電圧=ON時間比×入力電圧(降圧)。インバータ: DC→AC、PWM(パルス幅変調)で出力電圧・周波数を可変、正弦波近似のための搬送波と変調波。VVVF(可変電圧可変周波数)駆動は電動機の省エネ制御の主力。力率改善コンバータ(PFC)は入力電流を正弦波化し高調波抑制。

6. 変圧器(鉄損・銅損・効率・並行運転)

変圧比a=V1/V2=N1/N2=I2/I1鉄損P_i: ヒステリシス損+渦電流損、無負荷で発生(電圧の2乗にほぼ比例)、銅損P_c: 巻線抵抗損、負荷電流の2乗に比例。効率最大条件: 鉄損=銅損(負荷率α=√(P_i/P_c_rated))。%インピーダンス%Z=定格電圧基準の電圧降下比、短絡電流I_s=I_n/(%Z/100)。並行運転条件: 極性一致・変圧比一致・%Z一致・X/R比一致(三相では位相群一致も)。三相結線Y-Y、Y-Δ、Δ-Y、Δ-Δの位相差と用途。

7. 同期機・誘導機・直流機

同期機: 同期速度Ns=120f/p[min^-1]、電機子反作用(増磁・減磁・交差磁化)、V曲線、無効電力調整。誘導電動機: すべりs=(Ns−N)/Ns、二次回路の等価抵抗r2/s、トルク∝V²、比例推移(巻線形で二次抵抗増→始動トルク増・最大トルク不変)。始動法: かご形は全電圧(直入れ・小容量)・スターデルタ・リアクトル始動・コンドルファ・VVVFインバータ(省エネ最有力)。ベクトル制御で精密駆動。直流機: 分巻・直巻・複巻、トルクτ=KΦI_a、速度N∝(V−I_a×R_a)/Φ。

8. 受変電設備・力率改善

受電方式: 6.6kV高圧受電(キュービクル式)、22/33kV特別高圧受電。遮断器: VCB(真空・主流)、GCB(SF6・特別高圧)、ABB(空気)、OCB(旧型油入)。保護継電器: OCR(過電流)、OVR(過電圧)、UVR(不足電圧)、GR/DGR(地絡)。進相コンデンサSC(と直列リアクトルSR)で力率改善、力率1へ近づけるとロス低減・電圧降下抑制。SVC(静止形無効電力補償装置)、SVR(自動電圧調整器)の役割。

9. 送配電・接地・電力品質

架空送電はACSR等の裸電線+がいし、地中送電はCVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁)が主流。電圧降下三相3線式 ΔV≈√3×I(R cosθ+X sinθ)。系統連系では逆潮流・単独運転検出が必須。接地工事: A種(高圧機器外箱、10Ω以下)、B種(変圧器低圧側中性点、150/I_g等)、C種(300V超低圧、10Ω以下)、D種(300V以下低圧、100Ω以下)。電力品質: 高調波(パワエレ起因、第5・第7次が主、抑制ガイドライン・LCフィルタ・アクティブフィルタ)、フリッカ(アーク炉等の電圧変動による照明ちらつき)、瞬時電圧低下、不平衡。

覚え方のコツ

電気課目は「公式40個の即書き+等価回路図のスケッチ訓練」。最頻出公式: V=IR、P=VIcosθ、P_3φ=√3VIcosθ、XL=ωL、Xc=1/(ωC)、|Z|=√(R²+X²)、e=−N・dΦ/dt、Ns=120f/p、s=(Ns−N)/Ns、a=V1/V2=N1/N2、効率最大は鉄損=銅損。電験三種合格者は理論・機械の知識をそのまま流用できる範囲が広いため、「省エネ視点(VVVF・力率改善・高効率機器選定)」を加えて整理するのが効率的。受変電・送配電は単線結線図と保護協調を一枚絵で頭に入れると引き出しが格段に増えます。パワエレは「整流器=AC→DC、チョッパ=DC→DC、インバータ=DC→AC」の方向で覚えると迷いません。

よくあるひっかけ

電気基礎のひっかけ。①Y結線とΔ結線の電圧電流関係: Y=線間√3倍・線電流=相電流、Δ=線間=相・線電流√3倍、逆転させる誤答肢。②三相電力: P=√3×V_line×I_line×cosθ(線間・線電流)/P=3×V_phase×I_phase×cosθ、√3の有無を取り違える。③力率改善コンデンサ容量: Q_c=P(tanθ1−tanθ2)、無効電力差で算出、皮相電力差と混同しない。④変圧器効率最大条件: 鉄損=銅損、銅損のみ最小と勘違いさせる。⑤同期速度Ns=120f/pのp=極数(極対数ではない)、誤答肢でp=極対数として計算させる。⑥すべりs: 始動時s=1、同期速度でs=0、回転方向と逆ならs>1(制動領域)。⑦VVVFのV/f制御: 電圧と周波数の比一定で磁束を一定保持、磁束飽和を避ける。低周波で電圧低下が大きい。⑧%インピーダンス: %Z小さいほど短絡電流大、電圧変動小、両者をトレードオフ。⑨A種〜D種接地の抵抗値: A種10Ω・B種計算式・C種10Ω・D種100Ω、混同しない。⑩高調波: 第3次は単相整流・第5・第7次は三相整流が主因、抑制対策の対象を取り違える。⑪インバータと整流器: インバータ=DC→AC、整流器=AC→DC、方向を逆にする誤答。⑫進相コンデンサと直列リアクトル: SR(直列リアクトル)は突入電流抑制・高調波拡大防止のため必須、省略すると共振リスク。

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