第一種電気主任技術者(電験一種)一次の勉強法【1000時間独学ロードマップ】
第一種電気主任技術者(電験一種)一次試験は、すべての事業用電気工作物の保安監督ができる最上位国家資格の関門です。本記事では電験二種合格者および電気系エンジニアの双方に向けて、独学合格のための勉強法・科目合格制度の活用・おすすめ参考書・1,000時間の学習ロードマップまでを体系的に解説します。
※受験料・試験日程・合格基準等は改定される場合があります。最新情報は必ず電気技術者試験センターの公式情報でご確認ください。
- 電験一種一次の試験概要と受験資格
- 4科目の出題範囲と各章の攻略ポイント
- 1,000時間の独学合格ロードマップ(理論→電力→機械→法規→過去問総仕上げ)
- 科目合格制度を活用した2〜3年計画の立て方
- おすすめ参考書と当サイトの一問一答の使い方
電験一種一次試験の基本情報
電験一種は、電気事業法に基づく電気主任技術者の最上位資格で、電圧の上限なくすべての事業用電気工作物の工事・維持・運用に関する保安監督を行えます。電力会社の大規模変電所・発電所、500kV超の超高圧送電線、製鉄所など大規模工場の主要変電設備など、国内インフラの中枢を担う設備の主任技術者として選任可能になります。
| 試験名 | 第一種電気主任技術者試験(電験一種)一次試験 |
|---|---|
| 試験形式 | 多肢選択方式(マークシート)/4科目独立 |
| 試験科目 | 理論・電力・機械・法規 |
| 受験料 | ネット申込13,800円/書面申込14,200円(非課税) |
| 試験日 | 年1回・8月最終日曜(2026年は8月30日予定) |
| 申込期間 | 2026年5月18日〜6月4日 |
| 合格率(一次) | 30〜33%(直近5年平均)/受験者約1,500人/年 |
| 合格基準 | 各科目満点の60%以上 |
| 科目合格制度 | 合格科目は翌年度・翌々年度まで免除(3年間有効) |
| 受験資格 | なし(誰でも受験可能) |
| 実施機関 | 一般財団法人 電気技術者試験センター |
電験三種は5万V未満、二種は17万V未満、一種は電圧上限なし。発電所の超高圧主変圧器・大規模送電系統まで保安監督できる、文字どおりの最上位資格です。
受験資格と申込方法
電験一種は受験資格に学歴・実務経験・年齢の制限がなく、誰でも受験できます。ただし免状交付(実務経験要件は別途)には二次試験合格+所定の実務経験が必要です。申込は電気技術者試験センターの公式サイトから行い、ネット申込が400円安く案内も電子化されるため推奨です。
4科目別の出題範囲と難易度
| 科目 | 試験時間 | 主な出題内容 |
|---|---|---|
| 理論 | 90分 | 電磁気・電気回路・電子工学・電気電子計測・自動制御・情報処理基礎(電験二種より高度) |
| 電力 | 90分 | 発電・送配電・変電・電力系統管理・電気材料(系統解析・潮流計算・FACTS含む) |
| 機械 | 90分 | 直流機・誘導機・同期機・変圧器・パワエレ・電動機応用・照明・電熱・情報処理(ベクトル制御等) |
| 法規 | 65分 | 電気事業法・電気設備技術基準・電気施設管理(自家用受変電設備設計含む) |
電験二種より計算問題の難度・物理モデルの深さともに一段上。特に状態方程式による現代制御、対称座標法を用いた事故計算、ベクトル制御・PWMキャリア比較方式、超高圧送電のFACTS(SVC・STATCOM)などは一種固有テーマです。各章の詳細な攻略法は以下の章別ページで解説しています。
1,000時間の独学ロードマップ(Step1〜5)
1数学基礎の補強(1〜2ヶ月・100時間)
電験一種はラプラス変換・フーリエ級数・行列・線形微分方程式・偏微分(電磁界)・状態空間表現などが頻出します。電気数学の入門書から応用編まで通読し、ベクトル軌跡・複素数の極形式・対称座標法を手で計算できる水準まで仕上げます。
2理論を最優先で完成(2〜3ヶ月・250時間)
理論は他3科目の土台です。電験二種理論の復習からスタートし、マクスウェル方程式・電磁波伝搬・電子回路(差動増幅・OPアンプ・トランジスタ等価回路)・電気電子計測・現代制御(状態方程式・可制御性可観測性)を積み上げます。情報処理基礎(論理回路・2進演算)も得点源として固めましょう。
3電力を並行スタート(2〜3ヶ月・250時間)
発電(水力・火力・原子力・再エネ)と送配電が二大柱。対称座標法による事故計算、潮流計算(Newton法・Gauss-Seidel法)、安定度(等面積法・過渡安定度)、FACTS(SVC・STATCOM・TCSC)、超高圧送電の絶縁設計が一種固有テーマです。電気材料は丸暗記で得点源化できます。
4機械を仕上げる(2〜3ヶ月・250時間)
変圧器・誘導機・同期機・直流機にパワエレと電動機応用が加わります。ベクトル制御・PWMインバータ・サイクロコンバータ・チョッパ・状態方程式による回転機モデリングが一種固有テーマ。照明・電熱・情報処理(マイコン・PLC)は短時間で得点源化できます。
5法規と過去問総仕上げ(直前2ヶ月・150時間)
法規は暗記中心のため学習が早すぎると忘れます。電気事業法・電技・電技解釈・施設管理(自家用受変電設備設計・B種接地・需要率・負荷率・不等率)を直前期に集中学習。並行して過去問10年分を3周以上、特に一種は出題パターンが反復しやすいため過去問演習が最も効果的です。
学習時間と科目合格制度を活用したスケジュール
電験二種保有者は500〜800時間、初学者は1,000〜1,500時間が目安。1年で4科目一発合格は難しいため、科目合格制度(3年有効)を前提に2〜3年計画を立てます。
| 計画 | 1年目 | 2年目 | 3年目 |
|---|---|---|---|
| 得意科目先行型 | 理論・法規 | 電力・機械 | 残科目再挑戦 |
| 計算先行型 | 理論・機械 | 電力・法規 | 残科目再挑戦 |
| 1年集中型 | 4科目一括 | 不合格科目のみ | — |
第一種電気主任技術者 一次 一問一答(375問・5章別) →
当サイトの一問一答演習の使い方
当サイトの電験一種一次 一問一答は、理論・電力・機械・法規・横断難問の5章について頻出論点を肢別問題化しています。テキストで概念を理解した直後にスマホで一問一答→週末に過去問という流れにすると、定着率が大幅に向上します。間違えた問題は自動で復習リストに溜まるため、弱点補強にも有効です。
おすすめ参考書・問題集
電験一種一次は受験者が少なく専門書が限定されるため、定評あるシリーズを軸に過去問を揃えるのが鉄則です。書影・著者・出版社情報付きで詳しく確認できます。
電験二種からのステップアップ路線
電験二種合格者にとって、電験一種一次は500〜800時間で十分到達可能な目標です。二種で身につけた微分方程式・ラプラス変換・対称座標法の基礎をそのまま活かしながら、以下の3点を上積みします。
- 理論: マクスウェル方程式・電磁波伝搬・現代制御(状態方程式・可制御性)・差動増幅器設計
- 電力: 潮流計算(Newton-Raphson法)・FACTS機器・超高圧送電の絶縁協調
- 機械: ベクトル制御・PWM波形解析・サイクロコンバータ・回転機の状態方程式モデル
二種合格から1〜2年以内の連続受験が最も効率的。間が空くと数学力が落ちて再学習コストが膨らみます。
関連資格・キャリアパス
電験一種は電力会社・大手プラントエンジニア・大規模工場の電気部長クラスの登竜門。前後の電気・エネルギー系資格と組み合わせることで設備管理キャリアの幅が最大化します。
- 第二種電気主任技術者(電験二種) - 一種の前段資格。二種を取得してから一種へ進むのが王道ルート
- 第三種電気主任技術者(電験三種) - 電気系資格の入門。三種→二種→一種と段階的にレベルアップするのが定石
- 建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) - 大規模特定建築物の維持管理を統括。電験一種と並んでビル管理職キャリアの上限を引き上げる
- エネルギー管理士 - 省エネ法に基づく工場等の管理者資格。電験一種と出題範囲が重複し、ダブル取得で大規模工場の電気・省エネ両面を担える
まとめ
- 電験一種一次は電圧上限なしの全事業用電気工作物を保安監督できる最上位資格の関門
- 合格率30〜33%、学習時間は電験二種保有500〜800時間/初学者1,000〜1,500時間
- 数学基礎→理論→電力・機械→法規・過去問総仕上げの順で積み上げる
- 科目合格制度(3年有効)を前提に2〜3年計画で全科目合格を目指す
- 定評ある参考書+過去問10年分+当サイト一問一答の3本柱が鉄板
第一種電気主任技術者 一次 一問一答(375問・5章別) →