消防設備士 乙6「消火器の点検・整備」の出題ポイント解説
乙6の鑑別等(実技試験)5問全てがこの「消火器の点検・整備」分野から出題されます。写真を見て消火器の機種名を答える、部品名を書く、点検手順を記述するなど、知識の総合活用が問われる最大の関門。本記事では出題パターンを整理し、確実に合格点を取るコツを解説します。
この章の重要度
実技は全5問で60%以上(3問以上)で合格。鑑別では部分点が取りにくく、用語の正確な記述が必須です。筆記が高得点でも実技60%未満で不合格になる受験者が多く、実技対策=この章の対策が最重要ポイントとなります。
頻出トピック一覧
1. 機器点検と総合点検の区別
機器点検:6ヶ月に1回外観・表示・安全栓・使用期限確認等。総合点検:1年に1回機器点検に加え内部及び機能点検を一部抜き取り実施。点検項目と周期の対応を表で整理して暗記します。
2. 内部及び機能点検の対象
加圧式は製造後3年を超えるもの、蓄圧式は5年を超えるもの、化学泡は設置後1年以上経過したものが対象。抜取り方法は「製造年ごとに概ね均等配分、5年で全数完了」が基本ルール。
3. 耐圧性能点検(水圧試験)
製造年から10年を超える加圧式消火器および20年を超える蓄圧式は、3年ごとに耐圧試験(水圧試験)が必要。所定の水圧(使用圧力×1.5倍等)を5分間保持して漏れ・変形がないか確認します。
4. 安全栓の構造と目的
レバー操作を防ぐ安全栓は内径2mm以上のリング状、手を引っ張ると垂直方向に抜ける構造、黄色塗装、封印(シール)で未使用を証明。誤作動防止と不正操作防止の役割を担います。
5. 指示圧力計の点検
蓄圧式消火器のみ装着。緑帯の使用圧力範囲0.7〜0.98MPaを指しているか確認。緑帯の下(低圧)は漏れ・蒸発・気温低下、上(高圧)は温度上昇・混入ガスなど原因を特定します。
6. 消火薬剤の詰替え・補充
加圧式粉末は点検時に全量詰替え・加圧用ガス容器交換が必要。化学泡は設置後1年で詰替え。蓄圧式は原則詰替え不可(メーカー返送)。薬剤ごとの詰替え可否・手順が頻出です。
7. 排圧・分解・組立の手順
点検・廃棄時の排圧栓操作で残圧を抜く→ホース・ノズル取外し→バルブ・サイホン管分解→容器内部確認→薬剤処理→組立・充填の標準手順。誤った順序は事故原因となり重要出題。
8. 廃棄処理とリサイクル
2010年以降は消火器リサイクル制度で処理。特定窓口・指定引取場所・コールセンターの3ルート、リサイクルシール貼付が原則。廃棄前の排圧、容器の穴開けなど処理前作業が頻出です。
覚え方のコツ
鑑別対策は「市販の消火器写真集・過去問写真を毎日3機種ずつ目に焼き付ける」ことが王道です。実物写真から蓄圧式/加圧式/化学泡/CO₂を瞬時に見分けられるようになるまで反復。判別ポイントは「指示圧力計の有無(蓄圧式のみ)」「ラベル色と刻印」「容器形状(CO₂は丸底で刻印あり)」「ホース接続部の形状」。部品名は「本体容器・キャップ・レバー・ホース・ノズル・サイホン管・指示圧力計・安全栓・バルブ」を漢字で正確に書けるよう反復練習しましょう。点検周期(機器6ヶ月・総合1年・内部機能3年/5年・耐圧10年)は暗記カードで完璧に。排圧手順は「①安全栓を挿入(誤作動防止)②排圧栓をゆっくり回す③排圧確認④分解」と1つの流れで覚えます。
よくあるひっかけ
点検・整備で頻出のひっかけ。①内部機能点検の開始時期:加圧式3年/蓄圧式5年を逆転。②耐圧試験周期:10年を超えた後「3年ごと」であり10年ごとではない。③安全栓の引抜き方向:上方向(垂直)であり横ではない。④指示圧力計の正常範囲:0.7〜0.98MPaで、1.0MPaは範囲外(過充填)。⑤化学泡の詰替え周期:1年ごとであり使用時のみではない。⑥CO₂消火器の排圧:液化ガスなので専用の排圧装置が必要、普通の排圧栓では処理不可。⑦蓄圧式の詰替え:原則メーカー返送で、現場での加圧充填は通常行わない。⑧廃棄前処理:必ず排圧してから容器を破壊する(残圧のまま穴開けは爆発危険)。⑨機器点検と総合点検の内容混同:総合点検は機器点検を含む上位概念。
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