色彩検定1級「色彩調和論(応用)」の出題ポイント解説
色彩検定1級は2次に実技・記述があり範囲も広大です。本ページは1次の用語・理論を中心に解説し、実技・色の識別は公式テキスト併用を推奨します。1級の色彩調和論では、シュヴルール・ジャッド・オストワルト・ムーン&スペンサーといった論者と理論を、内容と理論的な仕組み(美度の評価式や色立体上の関係)まで踏み込んで対応づけることが求められます。
※出題範囲・内容は改定される場合があります。最新情報は必ず色彩検定協会(AFT) 公式情報でご確認ください。
色彩調和論の論者と理論
色彩調和論は「どのような色の組み合わせが心地よく感じられるか」を体系化した理論です。1級では論者と理論の対応に加え、その理論的な仕組みまで問われます。
| 論者 | 理論の概要 |
|---|---|
| シュヴルール | 「色彩の同時対照の法則」を提唱。隣り合う色は互いに対比の影響を及ぼし合うとし、調和を「類似の調和」と「対照(対比)の調和」に整理した。配色の間に無彩色を挟むセパレーションの考え方にもつながる。 |
| ジャッド | 過去の調和論を整理し、調和の4つの原理「秩序の原理・なじみ(親近性)の原理・類似性の原理・明瞭性(非あいまい性)の原理」にまとめた。 |
| オストワルト | 色を「白色量W・黒色量B・純色量C」の合計を一定(W+B+C=100)として表す表色系を作り、等価値色環や等白系列・等黒系列・等純系列など色立体上で規則的に並ぶ色どうしは調和するとした。 |
| ムーン&スペンサー | マンセル表色系をもとに、色相・明度・彩度の関係を「同一・類似・対比」の調和の領域と、その間の「あいまい(第一・第二のあいまい)の領域」に幾何学的に区分し、配色の美しさを数値(美度)で評価しようとした。 |
シュヴルールの同時対照
シュヴルールは、隣り合う2色が互いの見え方に影響し合う同時対照の現象に注目しました。彼は調和を大きく「類似の調和(共通性のある色どうし)」と「対照の調和(対比の強い色どうし)」に整理し、配色の境界に無彩色などを挟んで関係を整えるセパレーションの考え方も示しました。
ジャッドの4つの原理
アメリカの色彩学者ジャッドは、それまでの調和論を整理し、配色が調和する条件を次の4原理にまとめました。
| 原理 | 内容 |
|---|---|
| 秩序の原理 | 色立体の中で規則的・幾何学的な関係にある色どうしは調和する |
| なじみ(親近性)の原理 | 自然界で見慣れた色の組み合わせ(自然連鎖など)は調和する |
| 類似性(共通性)の原理 | 色相・トーンなどに共通する性質をもつ色どうしは調和する |
| 明瞭性(非あいまい性)の原理 | 色の関係がはっきりして、あいまいでない配色は調和する |
オストワルトの調和論
オストワルトは、すべての色を白色量W・黒色量B・純色量Cの3つの合計を一定(W+B+C=100)として表す表色系を作りました。この体系では、色立体上で規則的な関係にある色どうしが調和するとされます。
- 等白系列:白色量が等しい色の系列。
- 等黒系列:黒色量が等しい色の系列。
- 等純系列:純色量が等しい色の系列。
- 等価値色環:白色量・黒色量が等しい(明度や濁りの度合いがそろった)色を環状に並べたもの。これらの色どうしは調和しやすいとされる。
ムーン&スペンサーの調和論と美度
ムーン&スペンサーは、マンセル表色系をもとに、2色の関係を幾何学的に区分しました。1級では調和の領域とあいまいの領域、そして美度の評価式の考え方が頻出です。
| 領域 | 内容 |
|---|---|
| 同一の調和 | 同じ色どうしの関係。調和する |
| 類似の調和 | 近い関係の色どうし。調和する |
| 対比の調和 | はっきり離れた関係の色どうし。調和する |
| あいまいの領域(第一・第二) | 調和の領域の間にある、関係がはっきりしない範囲。不調和になりやすい |
さらに2人は、配色の美しさを表す美度(びど)Mを、秩序の要素Oと複雑さの要素Cの比としてM=O/Cで表しました。秩序だっているほど、また要素が複雑すぎないほど美度が高くなる、という考え方です。
ナチュラルハーモニーとコンプレックスハーモニー
自然界の光の見え方(黄みに近い色ほど明るく、青紫に近い色ほど暗い)にもとづく配色の考え方です。どちらが「自然」かを正確に押さえましょう。
- ナチュラルハーモニー:黄み寄りの色を明るく、青紫み寄りの色を暗くした配色。自然界の見え方に沿っているため自然で調和して感じられる。
- コンプレックスハーモニー:ナチュラルとは逆に、黄み寄りの色を暗く、青紫み寄りの色を明るくした配色。やや不自然だが洗練された印象を与える。
この章を覚えるコツ
- 論者と理論をセットで:シュヴルール=同時対照、ジャッド=4原理、オストワルト=白黒純色量・等価値色環、ムーン&スペンサー=あいまいの領域・美度M=O/C、と人物名で引き出せるようにしましょう。
- 美度は式で:M=O/C(O=秩序、C=複雑さ)、と式の形で覚えると応用問題に強くなります。
- オストワルトの一定量:W+B+C=100、という関係を押さえると測色・表色系の章の顕色系の話にもつながります。
用語があいまいなときは用語集で確認し、学習全体の進め方は勉強法ガイドも参考にしてください。次は色彩心理・UD・産業の色彩の章に進みましょう。
→ この章の一問一答75問に挑戦