色彩検定1級「光源・測光・混色の理論」の出題ポイント解説
色彩検定1級は2次に実技・記述があり範囲も広大です。本ページは1次の用語・理論を中心に解説し、実技・色の識別は公式テキスト併用を推奨します。1級では、標準イルミナント(A・D65・D50)と色温度、演色性、比視感度・プルキンエ現象、測光量(光束・光度・照度・輝度)といった光と測光の理論を、用語と数値の意味まで正確に押さえる必要があります。
※出題範囲・内容は改定される場合があります。最新情報は必ず色彩検定協会(AFT) 公式情報でご確認ください。
色温度と相関色温度
光源の色みは温度(ケルビン K)で表されます。これを色温度といいます。完全放射体(黒体)を熱したときに放つ光の色と対応づけて表します。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 色温度 | 光源の色みを黒体放射の温度(K)で表したもの。低いほど赤みがかり、高いほど青みがかる |
| 黒体放射(完全放射体) | 外から受けた光をすべて吸収する理想的な物体(黒体)が、温度に応じて放つ光。色温度の基準となる |
| 相関色温度 | 黒体放射の軌跡上に厳密には乗らない光源について、最も近い黒体の色温度で近似的に表したもの |
標準イルミナント(標準の光)
色を測ったり比べたりするとき、基準となる光を定めておく必要があります。CIEが定めた代表的な標準イルミナントは次のとおりです。
| イルミナント | おおよその色温度 | 特徴 |
|---|---|---|
| 標準イルミナントA | 約2856K | 白熱電球に近い、赤みのある光 |
| イルミナントD65 | 約6504K | 平均的な昼光(北空光を含む昼光)を代表する光。測色で広く使われる |
| イルミナントD50 | 約5003K | 印刷・グラフィック分野の色評価で標準的に使われる昼光 |
演色性(演色評価数 Ra・Ri)
演色性とは、光源が物体の色をどれだけ自然に(基準光に近く)見せるかの性質です。これを数値化したものが演色評価数です。
- 平均演色評価数 Ra:複数の試験色の見え方の平均から求める総合的な指標。基準光に近いほど高く、最大は100。
- 特殊演色評価数 Ri:特定の試験色(鮮やかな赤や肌色など)ごとに、基準光からの色のずれを表した個別の指標。
同じ色温度の光源でも、分光分布が異なれば演色性は変わります。Raが高いほど、基準光のもとで見たときと近い色に見えます。
分光分布と分光反射率
光や物体の色のもとになるのが、波長ごとの量の分布です。
- 分光分布:光源が波長ごとにどれだけのエネルギーをもつかを表したもの。光源の色みを決める。
- 分光反射率:物体が波長ごとにどれだけの割合の光を反射するかを表したもの。物体色を決める。
私たちが見る物体色は、光源の分光分布・物体の分光反射率・目の感度(等色関数)の3つの組み合わせで決まります。
比視感度とプルキンエ現象
目は波長によって明るさの感じ方が異なります。これを表したのが比視感度です。明るさの状態によってピークの波長が変わる点が1級頻出です。
| 視覚の状態 | 主にはたらく細胞 | 最も明るく感じる波長 |
|---|---|---|
| 明所視(明るい場所) | 錐体(すいたい) | 約555nm(黄緑あたり) |
| 暗所視(暗い場所) | 桿体(かんたい) | 約507nm(青緑あたり) |
暗くなるにつれて比視感度のピークが短波長側(青緑側)に移り、赤い色は暗く、青や緑の色が相対的に明るく見えるようになります。この現象をプルキンエ現象(プルキニェ現象)といいます。夕暮れに赤い花より青い葉が明るく感じられるのがその例です。
測光量(光束・光度・照度・輝度)
光の量を、人の目の感度(明所視の比視感度)で重みづけして測ったものが測光量です。1級では4つの量とその意味・単位を区別します。
| 測光量 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| 光束 | 光源から出る光の量(明るさの総量) | ルーメン(lm) |
| 光度 | ある方向へ向かう光の強さ | カンデラ(cd) |
| 照度 | 面が受ける光の量(面をどれだけ照らしているか) | ルクス(lx) |
| 輝度 | 光る面・反射する面の明るさ(目に入る明るさ) | カンデラ毎平方メートル(cd/m²) |
混色の数理
混色には、光を重ねる加法混色と、色材を重ねる減法混色があります。XYZ表色系では混色を数値(三刺激値)の足し算として扱える点が特徴です。
- 加法混色:光の三原色(赤R・緑G・青B)を重ねる混色。重ねるほど明るくなり、3色を合わせると白に近づく。
- 減法混色:色材の三原色(シアンC・マゼンタM・イエローY)を重ねる混色。重ねるほど暗くなり、3色を合わせると黒に近づく。
- 中間混色:回転混色(こまの色)や並置混色(細かな点の集まり)のように、平均化されて見える混色。明るさはもとの色の中間になる。
この章を覚えるコツ
- イルミナントは色温度とセット:A≒2856K(電球)、D65≒6504K(昼光・測色標準)、D50(印刷の色評価)、と用途まで結びつけます。
- 比視感度は数値で:明所視555nm・暗所視507nm、暗いと青緑側へずれてプルキンエ現象、と流れで覚えます。
- 測光量は単位で区別:光束lm・光度cd・照度lx・輝度cd/m²、と量と単位を対応づけると色彩管理の章のディスプレイ輝度の話にもつながります。
用語があいまいなときは用語集で確認し、学習全体の進め方は勉強法ガイドも参考にしてください。次は色彩管理・色再現・カラーマネジメントの章に進みましょう。
→ この章の一問一答75問に挑戦