マンション管理士「区分所有法・標準管理規約」の出題ポイント解説
マンション管理士試験の区分所有法と標準管理規約は全50問中15〜18問を占める最重要分野。条文の正確な理解と判例知識が必須です。本記事では区分所有法・標準管理規約の頻出論点を体系的に整理します。
この章の重要度
50問中、区分所有法7〜9問、標準管理規約6〜8問、合計15〜18問(30〜36%)の最大配点分野。合格点37点前後のうち、この分野で10点以上取れるかが合否の分かれ目です。
頻出トピック一覧
1. 専有部分と共用部分
専有部分:構造上・利用上の独立性を持つ部分(住戸内)。法定共用部分:廊下・階段・エレベーター・エントランス。規約共用部分:集会室・管理人室・駐車場等(登記可能)。一部共用部分:特定区分所有者のみの共用。共用部分の持分は専有部分の床面積割合(規約で別段可)。
2. 敷地利用権
専有部分と敷地利用権の分離処分禁止(規約で別段可)。敷地権の登記。敷地の種類:法定敷地・規約敷地。
3. 管理組合と管理者
区分所有者全員で管理組合を構成(法律上当然)、法人化(区分所有者30人以上で可→現行は人数要件撤廃)。管理者の選任・解任(普通決議)、権限(保存・管理行為・訴訟追行)、事務報告義務。
4. 集会(総会)の招集と決議
定期総会(年1回)、臨時総会(区分所有者及び議決権の各1/5以上の請求で招集、定数は規約で減じ可)。招集通知は会日の少なくとも1週間前まで(規約で伸縮可)。議決権行使:書面・代理人・電磁的方法。議長:集会招集者または集会で選任。
5. 決議要件(4段階)
普通決議:区分所有者及び議決権の各過半数(通常議案)。特別決議:各3/4以上(規約変更・共用部分の重大変更・管理組合法人化・違反者への使用禁止/競売請求・解散)。建替え決議:各4/5以上。復旧決議:小規模(1/2以下滅失)=過半数、大規模(1/2超)=各3/4以上。
6. 規約の設定・変更・廃止
設定・変更・廃止は特別決議(3/4以上)。一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすときは、その者の承諾が必要。最初の規約(原始規約)は公正証書で設定可。
7. 違反者への措置
共同利益違反行為に対して:①差止請求(普通決議)、②使用禁止請求(特別決議・裁判所)、③区分所有権の競売請求(特別決議・裁判所)、④占有者(賃借人)への契約解除・引渡請求(特別決議・裁判所)。
8. 標準管理規約(単棟型)
総会と理事会の役割分担(総会=最高意思決定、理事会=業務執行)、理事長(管理者)の職務。管理費・修繕積立金の区分経理、専用使用部分(バルコニー・玄関扉・窓ガラス)の取扱い。専門的知識を有する者(マンション管理士等)の参加規定、共用部分の修繕等の内訳。2021年改正のIT総会・WEB会議対応も頻出。
覚え方のコツ
区分所有法は「決議要件の表」と「数字」の暗記が最優先。普通決議(過半数)・特別決議(3/4)・建替え(4/5)の3つの基本線をベースに、どの議案がどの決議かを徹底的に覚えます。集会の招集は1週間前、定数は1/5、議事録は書面又は電磁的記録などの数字・方式も頻出。標準管理規約は条文番号と内容の対応を覚えると多肢選択で有利。「第17条=専有部分の修繕等」「第21条=敷地及び共用部分等の管理」のように条番号ごとに内容をインデックス化。区分所有法と標準管理規約で定めが異なる論点(例:招集通知期間、議決権行使方法)は表で整理して違いを明確に。判例(最高裁判例)も10本程度はキーワードで押さえます。
よくあるひっかけ
区分所有法・標準管理規約の頻出ひっかけ。①共用部分の持分:専有部分の床面積割合(壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積)、規約で別段の定め可。②管理組合の成立:区分所有者全員で当然構成、任意加入ではない。③管理組合法人:現在は人数要件なし(従来30人以上)、登記が効力要件。④集会の招集通知:1週間前+会議の目的事項を示す、規約で期間短縮・延長可。⑤書面決議:区分所有者全員の書面合意で集会決議とみなせる(集会開催不要)。⑥共用部分の変更:軽微な変更は普通決議、形状又は効用の著しい変更(重大変更)は特別決議(ただし区分所有者数の定数は規約で過半数まで減じ可)。⑦建替え決議:4/5以上必要、定数は規約で減じ不可、売渡請求権(反対者の専有部分を時価で買い取り可)。⑧復旧:小規模滅失(1/2以下)は各区分所有者が単独で復旧可、大規模滅失(1/2超)は特別決議必要、決議なければ買取請求権。⑨標準管理規約の理事長:理事長=管理者、任期1年(再任可)、理事会で互選。
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