衛生管理者「労働生理」の出題ポイント解説
衛生管理者試験の労働生理は、人体の解剖生理学的知識を問う分野です。第一種・第二種ともに10問出題される共通科目で、循環器・呼吸器・消化器・神経・内分泌・筋骨格系・代謝・免疫など、人体のメカニズムを体系的に理解する必要があります。
この章の重要度
労働生理は理系的な内容が多く暗記範囲が広いため対策に時間がかかる分野。10問中4問の足切りクリアが必要ですが、出題パターンは固定的で過去問反復が効果的。合格戦略上は「6〜7問取れれば十分」と割り切り、法令で稼ぐのが現実的です。
頻出トピック一覧
1. 循環器系(心臓・血管・血液)
心臓4部屋(右房・右室・左房・左室)、大循環(体循環)と小循環(肺循環)。血液成分:血漿55%+血球45%、赤血球(Hb=O₂運搬、寿命120日)、白血球(免疫)、血小板(止血)。ヘマトクリット(男45%・女40%)。
2. 呼吸器系
外呼吸(肺でのガス交換)と内呼吸(組織でのガス交換)。肺活量=1回換気量+予備吸気量+予備呼気量(成人男性約4000ml)。呼吸中枢は延髄、CO₂濃度上昇が主な刺激。呼吸数12〜18回/分。
3. 消化器系
消化管の流れ:口→食道→胃→小腸→大腸→肛門。三大栄養素の消化酵素:炭水化物=アミラーゼ・マルターゼ、タンパク質=ペプシン・トリプシン、脂質=リパーゼ。小腸で吸収、大腸で水分吸収、肝臓で代謝。
4. 神経系
中枢神経(脳・脊髄)と末梢神経(体性神経・自律神経)。自律神経:交感(戦闘モード、アドレナリン)vs副交感(休息モード、アセチルコリン)。大脳:前頭葉(思考)・頭頂葉(感覚)・後頭葉(視覚)・側頭葉(聴覚)。
5. 筋骨格系
骨格筋(随意筋・横紋筋)、平滑筋(内臓・不随意)、心筋(横紋筋だが不随意)。筋収縮:等尺性収縮(長さ一定、姿勢保持)と等張性収縮(張力一定、運動)。疲労物質=乳酸、運動後の筋肉痛の原因物質。
6. 内分泌系・ホルモン
主要ホルモン:インスリン(膵β細胞、血糖低下)、グルカゴン(膵α細胞、血糖上昇)、甲状腺ホルモン(T3・T4、代謝促進)、コルチゾール(副腎皮質、ストレス応答)、アドレナリン(副腎髄質、戦闘応答)。分泌部位と作用の対応暗記が必須。
7. 代謝・体温調節
基礎代謝量(BMR):成人男性1500kcal/日・女性1200kcal/日。エネルギー代謝率(RMR)=活動時代謝量/基礎代謝量。体温調節中枢は視床下部、産熱(骨格筋・肝臓)と放熱(発汗・皮膚血管拡張)のバランス。
8. 感覚器・ストレスと睡眠
視覚(網膜の杆体細胞=明暗、錐体細胞=色覚)、聴覚(蝸牛)、平衡感覚(前庭・半規管)。睡眠:レム睡眠(夢、脳活動)とノンレム睡眠(深い眠り)の約90分サイクル。ストレス応答(交感神経亢進・コルチゾール上昇)。
覚え方のコツ
労働生理の攻略は「系統別ミニ解剖図を自分で描く」ことが最も効果的。循環器(心臓4部屋+血管)、呼吸器(鼻→肺胞)、消化器(口→肛門)を簡単な図で書けるレベルまで反復。血液成分の数字(血漿55%・血球45%・赤血球寿命120日・Ht男45%/女40%)、呼吸(肺活量4000ml・呼吸数15/分・呼吸中枢延髄)、代謝(男1500・女1200kcal)などキー数値をゴロ暗記。自律神経は「交感=戦闘・副交感=休息」の対応表を作り、各臓器での作用(瞳孔・心拍・気管支・消化)を一覧化。ホルモンは「分泌臓器→ホルモン名→作用」の3項セットで暗記カード化するのが定番。筋収縮は「等尺性=長さ一定で姿勢保持、等張性=張力一定で動作」と定義から導けば混同しません。
よくあるひっかけ
労働生理のひっかけ。①自律神経の瞳孔作用:交感神経で瞳孔散大、副交感で縮小、逆にする問題多し。②呼吸中枢:延髄にあり、大脳・間脳は誤り。③呼吸の刺激因子:主にCO₂濃度上昇、O₂低下は補助的刺激。④消化酵素の対応:アミラーゼ=炭水化物・ペプシン=タンパク質・リパーゼ=脂質を取違え。⑤基礎代謝量:男性の方が女性より多い(筋肉量差)。⑥体温調節中枢:視床下部で、小脳や延髄は誤り。⑦血液の成分比:血漿55%・血球45%で、逆は誤り。⑧インスリンの作用:血糖を下げる(グルコースの細胞取込促進)、血糖上昇は誤り(グルカゴンの作用)。⑨骨格筋の分類:横紋筋かつ随意筋、平滑筋は不随意で別物。⑩レム睡眠の特徴:脳活動活発・夢を見る・筋弛緩で、ノンレムは深い眠りで脳休息、逆説明は誤り。
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