英検準1級 過去問の傾向と対策【出題形式・例題・英作文と面接の進め方】
英検準1級の一次試験は、リーディング・ライティング(英作文)・リスニングの3つで構成され、一次に合格すると対面式の二次面接(スピーキング)に進みます(英検S-CBTなら4技能を1日で受験)。出題される形式(パターン)は毎回ほぼ決まっているので、形式ごとの解き方を知っておくだけで、ぐんと解きやすくなります。この記事では、準1級でよく出る出題パターンと、対策を、編集部の自作例とともに紹介します。準1級は大学中級程度で、語彙量の目安は約7500〜9000語程度。2級より語彙・読解の難度が大きく上がり、環境・国際情勢・医療・テクノロジーなど専門的・社会的なテーマの長文、まとまった英作文(要約・意見論述)、Real-Life 形式を含むリスニングが問われるのが特徴です。
※検定料・試験日程・出題形式は変わる場合があります。最新情報は必ず日本英語検定協会 公式情報でご確認ください。なお、本記事の例題はすべて編集部が作成した自作の英文で、実際の過去問の本文ではありません。
英検準1級の出題形式(全体像)
英検準1級は、一次試験(リーディング・ライティング・リスニング)と、それに合格した人が受ける二次試験(対面の面接)の二段階で行われます(英検S-CBTでは4技能を1日でまとめて受験します)。まずは一次試験の出題形式を表で確認しましょう。
| 技能 | 大問 | 出題形式 |
|---|---|---|
| リーディング | 大問1 | 短文の語句空所補充(高度な単語・熟語・句動詞・文法語法を選ぶ) |
| 大問2 | 長文の語句空所補充(文章の空所に合う語句・表現を選ぶ) | |
| 大問3 | 長文の内容一致(説明文・論説文を読み、内容に合う答えを選ぶ) | |
| ライティング | 要約 | 英文を読み、その内容を指定語数でまとめる |
| 意見論述 | トピックについて自分の意見と理由を英語で書く | |
| リスニング | 第1部 | 会話の内容一致(会話を聞き、内容に合う答えを選ぶ) |
| 第2部 | 文の内容一致(まとまった英文を聞き、内容に合う答えを選ぶ) | |
| 第3部 | Real-Life 形式(実生活の状況を聞き、与えられた設定に合う答えを選ぶ) |
出題のパターンは毎回ほぼ同じなので、「次にどんな問題が出るか」が分かっていると本番であわてずに解けます。2級との大きな違いは、語彙の難度が大きく上がり、長文がより専門的・論理的になること、そしてリスニングに Real-Life 形式の第3部が加わることです。次から、それぞれの形式を例とともにくわしく見ていきましょう。
リーディングの出題パターンと対策
大問1:短文の語句空所補充(語彙・句動詞・文法語法)
1つの短い英文の中に空所が1か所あり、そこに入るいちばん合う単語・熟語・句動詞・文法語法を4つの選択肢から選ぶ問題です。準1級では高度な抽象語(mitigate / undermine / inevitable など)や句動詞・連語が中心で、この大問の出来は語彙量に大きく左右されます。
自作の例で見てみましょう。
| 例題(自作) | The new policy is expected to ( ) the impact of rising prices on low-income families. 1. mitigate 2. exaggerate 3. postpone 4. neglect |
|---|---|
| 考え方 | 「価格上昇の影響を〜する」とあり、文脈に合うのは「和らげる」。答えは 1. mitigate(和らげる)。 |
対策:準1級は語彙量(約7500〜9000語程度)が合否を分けます。単語帳を1冊に決めて短い間隔で何度も回し、抽象語は例文ごと・語法ごとに覚えましょう。句動詞・連語はかたまりで覚えると空所補充で自然に選べます。当サイトの一問一答で語彙・熟語・句動詞をこまめにふやしておきましょう。
大問2:長文の語句空所補充
2級より長く専門的になった文章(説明文・論説文など)の中の空所に、合う語句や表現を選ぶ問題です。文章全体の流れや前後の論理関係を読み取る力が必要です。
| 例題(自作) | 本文(自作):「Remote work has clear benefits for many employees. ( ), it can also weaken communication between team members.」 1. As a result 2. For instance 3. Nevertheless 4. Therefore |
|---|---|
| 考え方 | 前は「在宅勤務には利点がある」、後ろは「ただし意思疎通を弱めることもある」と逆接の関係。答えは 3. Nevertheless(とはいえ)。 |
対策:空所の前後の文の論理関係(順接・逆接・例示・理由・結果など)に注目しましょう。Nevertheless / Therefore / For instance / In contrast など、文と文をつなぐ言葉(ディスコースマーカー)の意味を覚えておくと、空所に合う語句を選びやすくなります。
大問3:長文の内容一致(説明文・論説文)
準1級では専門的・社会的なテーマの長文を読んで内容に合う答えを選ぶ問題の比重が大きくなります。環境・国際情勢・医療・科学・歴史などを論じる説明文・論説文が出題され、本文も2級よりかなり長く論理的になります。
| 例題(自作) | 論説文(自作):「Some researchers argue that planting trees alone cannot solve climate change. They insist that reducing fossil fuel use is far more important.」 質問:What do these researchers emphasize? |
|---|---|
| 考え方 | 「化石燃料の使用削減のほうがはるかに重要だと主張」とあるので、答えは Reducing the use of fossil fuels.(化石燃料の使用を減らすこと)。 |
対策:設問(質問)を先に読んでから本文を探すと、必要な情報を素早く見つけられます。主張・理由・対比・数値などのキーワードに印をつけながら読み、段落ごとに「何の話か」を一言でメモすると、長い論説文でも整理しやすくなります。
ライティング(英作文)の対策
準1級のライティングは、英文を読んで要点をまとめる「要約」と、トピックについて自分の意見と理由を述べる「意見論述」の2種類が出ます。2級より分量と論理性が求められますが、難しい単語や長い文を無理に書く必要はありません。習った文法でミスのない文を、決まった「型」に沿って並べるのが安全です。
意見論述の「型」
| おすすめの型 | ① 自分の意見を1文(トピックに対する立場をはっきり示す) ② 理由を複数(First 〜 / Second 〜 でつなぎ、具体例を添える) ③ まとめを1文(In conclusion 〜 などで締める) |
|---|---|
| 書き方の例(自作) | トピック:Should companies allow employees to work from home? ① I believe companies should allow employees to work from home. ② First, it saves commuting time, which improves work efficiency. Second, it gives employees more flexibility to balance work and family life. ③ In conclusion, allowing employees to work from home benefits both companies and workers. |
要約の進め方
要約は、与えられた英文の各段落の要点を、自分の言葉で短くまとめ直す問題です。本文の文をそのまま写すのではなく、言い換え(パラフレーズ)が求められます。手順は、①各段落の中心となる文(主張)を見つける → ②それを自分の言葉で1文に短くする → ③段落どうしを But / Because / However / Therefore などでつないで全体を整える、という流れです。指定された語数の範囲に収めることも忘れないようにしましょう。
対策のポイント:
- 意見論述は型を1つ覚えて、どんなトピックにも同じ順番で書く。本番で「何を書こう」と迷う時間をなくせます。
- 要約は本文の丸写しを避け、言い換える。中心の主張だけを拾い、細かい具体例は削るのがコツです。
- 難しい単語より、確実に書ける単語。スペルや文法のミスを減らすことが得点につながります。
※当サイトの一問一答は語彙・熟語・句動詞・文法語法・会話が対象のため、英作文そのものの添削は行っていませんが、英作文に必要な単語・文法は一問一答で固められます。
リスニングの出題パターンと対策
リスニングは配点の大きな割合を占めます。英語の音に耳を慣らしておくことが、何よりの対策です。準1級のリスニングには、次の3つの部があります。2級より会話・英文が長く、内容も抽象的・論理的になります。
第1部:会話の内容一致
2人のやや長めの会話が読まれ、そのあとに読まれる質問の答えを、問題用紙の選択肢から選びます。「だれが」「何を」「なぜ」など、会話の内容を聞き取ることが大切です。
| 例題(自作) | 放送:A:「Did you submit the proposal?」 B:「Not yet. I'm still waiting for feedback from the manager, so I'll send it this afternoon.」 質問:When will the woman submit the proposal? |
|---|---|
| 考え方 | 「上司のフィードバックを待っていて、午後に送る」と言っています。答えは This afternoon.(今日の午後) |
対策:会話の場面・話題・これからの予定を聞き取れるようにしましょう。質問は「What will 〜」「Why does 〜」のように決まったパターンが多いので、何を問われやすいかを意識して聞くと答えを選びやすくなります。
第2部:文の内容一致
1人が話すまとまった英文(説明・ナレーションなど)を聞き、そのあとに読まれる質問の答えを選びます。2級より長く、内容も論理的になります。
| 例題(自作) | 放送:「The company introduced a four-day workweek last year. Surprisingly, productivity rose, and most employees reported lower stress levels.」 質問:What happened after the company introduced the four-day workweek? |
|---|---|
| 考え方 | 「生産性が上がり、多くの社員のストレスが下がった」と言っています。答えは Productivity rose and stress decreased.(生産性が上がりストレスが下がった) |
対策:説明文のキーワード(時・場所・数値・理由・変化など)に注意して聞きましょう。聞いた英語を声に出してまねする音読・シャドーイングを続けると、聞き取る力が伸び、面接の発話練習にもなります。
第3部:Real-Life 形式(実生活の状況)
準1級で新たに加わるのがこの第3部です。放送の前に、問題用紙に書かれた「状況(Situation)」と「質問(Question)」を読む時間が与えられ、その設定をふまえて読まれる英文(アナウンス・留守番電話・説明など)を聞き、最も適した行動などを選びます。
| 例題(自作) | 状況(自作):You want to take an evening English class. You can only attend on weekdays after 6 p.m. 放送(自作):「Beginner class: Monday 5 p.m. Intermediate class: Wednesday 7 p.m. Advanced class: Saturday 10 a.m.」 質問:Which class should you take? |
|---|---|
| 考え方 | 「平日18時以降」という条件に合うのは水曜19時のクラス。答えは The intermediate class.(中級クラス) |
対策:第3部は、放送前の時間で Situation と Question を素早く読み取り、「何を判断すればよいか」を先に決めておくことが鍵です。条件(曜日・時間・場所・希望など)に印をつけてから聞くと、放送の中から必要な情報だけを拾えます。
二次面接(スピーキング)の流れと対策
一次試験に合格すると、後日の二次面接に進みます(英検S-CBTでは同じ日に録音方式で受験します)。準1級の面接は、面接官と1対1の対面形式で、おおむね次の流れで進みます。2級より説明する分量が多く、自分の意見を理由とともにまとまった英語で述べる力が求められます。
- 4コマのイラストの展開を説明する問題 — 渡されたカードの4コマのイラストの流れを、ナレーションのように英語で順に説明します。
- イラストに関する質問 — イラストの登場人物の気持ちや状況について質問されます。
- 受験者自身に関する質問 — カードの話題に関連した、自分自身の経験や考えを問う質問に答えます。
- 社会的な話題についての意見を問う質問 — 環境・教育・テクノロジーなどの話題について、賛成か反対か、その理由を英語で答えます。
対策のポイント:
- 4コマのイラスト説明を、時間の流れに沿って英語で言う練習を日ごろから行う。
- 意見を問う質問への答え方を、「自分の立場+理由を一言+具体例」の形で声に出して練習しておく。
- 聞き取れないときは Could you say that again?(もう一度お願いします) と聞き返してよい。だまり込まないことが大切。
- 完璧な英語より、聞かれたことに自分の意見と理由を添えて落ち着いて答える姿勢が評価につながります。
過去問演習の進め方(5ステップ)
出題形式が分かったら、実際に問題を解いて慣れていきましょう。次の5つのステップで進めると、力がしっかり身につきます。
- ステップ1:時間を計って一次1回分を解く — 本番と同じように、リーディング・英作文・リスニングを通して解いてみます。
- ステップ2:答え合わせをして、まちがいに印をつける — どの技能・形式で間違えたかをメモします。
- ステップ3:まちがえた問題の理由を確認する — 「単語・句動詞を知らなかった」「論理関係を取れなかった」「論説文を読み切れなかった」など、原因をはっきりさせます。
- ステップ4:苦手な分野を集中して復習する — 当サイトの一問一答で、間違えた分野(語彙・熟語・句動詞・文法語法・会話など)をくり返し練習します。
- ステップ5:英作文と面接も声に出して練習する — 要約・意見論述は型に沿って書き、面接はイラスト説明と応答を声に出して仕上げます。
このサイクルを2〜3回分くり返すと、出題形式にしっかり慣れて、本番でもあわてずに解けるようになります。
当サイトの一問一答との併用がおすすめ
過去問演習で見つかった苦手分野は、当サイトの一問一答でピンポイントに練習できます。英検準1級でよく出る高度な語彙・熟語・句動詞・文法語法・会話表現をそろえているので、過去問とあわせて使うと効果的です。
- 語句空所補充でまちがえたら → 動詞・名詞・抽象語・形容詞・副詞で語彙を補強
- 文法でまちがえたら → 文法・語法で高度な語法・コロケーションなどを確認
- 句動詞・連語でまちがえたら → 熟語・句動詞・連語でかたまり表現を練習
- 会話・面接でまちがえたら → 会話・場面表現で場面別の表現を練習
くわしい勉強の進め方は勉強法ガイドを、用語の意味は用語集を、よくある質問はFAQを参考にしてください。
英検準1級 一問一答 →
まとめ
英検準1級の過去問対策は、「出題形式を知る → 形式ごとに解き方を覚える → 演習でくり返す」の流れが基本です。ポイントをおさらいします。
- 一次試験はリーディング・ライティング(要約+意見論述)・リスニングの3技能、合格すると二次面接へ(英検S-CBTなら4技能を1日で受験)
- リーディングは大問1「短文の語句空所補充」・大問2「長文の語句空所補充」・大問3「長文(説明文・論説文)の内容一致」
- ライティングは「要約」と「意見論述」の2種類。要約は言い換え、意見論述は型に沿って書く
- リスニングは第1部「会話の内容一致」・第2部「文の内容一致」・第3部「Real-Life 形式(実生活の状況)」
- 二次面接は4コマのイラスト説明+意見論述を声に出して練習し、理由を添えて落ち着いて答える
- 2級との違いは、語彙の難度が大きく上がり、長文がより専門的・論理的になり、リスニングに Real-Life 形式の第3部が加わること
英検準1級 一問一答 →