知的財産管理技能検定2級(学科)「特許法と知財総論」出題ポイント解説
知的財産管理技能検定2級(学科)の最頻出分野「特許法と知財総論」の出題ポイントを体系的に整理します。特許要件・出願手続・審査審判・特許権の効力・侵害と救済・知財戦略まで、3級より一段深い実務管理視点で頻出論点を9つに分けて解説します。
※受験料・試験日程・合格基準・出題範囲は改定される場合があります。最新情報は必ず知的財産教育協会の公式情報でご確認ください。
頻出論点1:特許の保護対象と発明の定義
特許法上の「発明」は、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものを指します。物の発明・方法の発明・物を生産する方法の発明の3類型があり、類型によって特許権の効力(実施行為の範囲)が異なる点が2級では問われます。自然法則を利用しない数学的方法や経済法則、人為的取り決めは発明に当たらない点も押さえます。
頻出論点2:特許要件(新規性・進歩性・先願主義・拡大先願)
特許を受けるには産業上利用可能性・新規性・進歩性を満たす必要があります。
- 新規性:出願前に公知・公用・刊行物記載・電気通信回線で利用可能となった発明は新規性を失う。新規性喪失の例外規定(一定期間内の出願で救済)も頻出。
- 進歩性:その分野の通常の知識を有する者が容易に発明できたものは登録されない。
- 先願主義:同一発明について複数出願があれば最先の出願人のみが特許を受けられる。同日出願は協議・くじで決定。
- 拡大先願(29条の2):先願の出願当初の明細書等に記載された発明と同一の後願は、先願公開前でも拒絶される。
頻出論点3:特許出願の書類と国内優先権・分割出願
出願には願書・明細書・特許請求の範囲・必要な図面・要約書を添付します。権利範囲を画定するのは特許請求の範囲(クレーム)であり、明細書はその裏付けとなる発明の詳細な説明です。
- 国内優先権:先の出願から1年以内に、それを基礎としてより充実した内容で出願し直せる制度。
- 分割出願:二以上の発明を含む出願の一部を新たな出願に分ける。原出願時に出願したものとみなされる。
- 変更出願:実用新案登録出願や意匠登録出願を特許出願に変更できる。
頻出論点4:補正・出願審査請求・出願公開
出願は原則として出願日から1年6ヶ月経過後に出願公開されます。実体審査は自動では始まらず、出願日から3年以内に出願審査請求をしなければ出願は取り下げたものとみなされます。補正は明細書・特許請求の範囲・図面について行えますが、新規事項を追加する補正は認められません(新規事項追加禁止)。
頻出論点5:拒絶理由通知と意見書・補正の対応
審査官は拒絶理由を発見すると拒絶理由通知を出し、出願人は意見書・手続補正書で対応できます。それでも解消しなければ拒絶査定となります。2級では、拒絶理由通知を受けた後の実務対応(補正の範囲・意見書の役割・分割出願の活用)が事例として問われます。
頻出論点6:審判制度(拒絶査定不服審判・特許異議申立て・無効審判・訂正審判)
- 拒絶査定不服審判:拒絶査定に不服がある出願人が請求する。
- 特許異議申立て:特許掲載公報発行後一定期間内に、何人も申し立てられる。公益的な見直し制度。
- 特許無効審判:利害関係人が請求でき、登録後いつでも請求可能。無効が確定すると特許権は初めから存在しなかったものとみなされる。
- 訂正審判:特許権者が特許請求の範囲等を訂正するために請求する。
異議申立てと無効審判の請求人・請求期間・目的の違いは2級の頻出比較ポイントです。
頻出論点7:特許権の発生・存続期間・実施権
特許権は設定登録によって発生し、存続期間は出願日から20年(医薬品等は延長登録制度あり)。実施権には、設定範囲で独占排他的に実施できる専用実施権(登録が効力発生要件)と、実施できるにとどまる通常実施権があります。専用実施権を設定すると特許権者自身も当該範囲で実施できなくなる点に注意します。
頻出論点8:職務発明と先使用権
- 職務発明:従業者が職務に関してした発明。あらかじめ契約・勤務規則等で特許を受ける権利を使用者に取得させる旨を定められる。従業者は「相当の利益」を受ける権利を有する。職務発明規程の整備は知財実務上の重要論点。
- 先使用権:他人の出願時にすでに事業として実施・準備していた者は、無償の通常実施権(先使用権)を有し、その範囲で実施を継続できる。
頻出論点9:特許権侵害と救済・知財総論(知財戦略・特許情報調査)
特許権侵害には、クレームの構成要件をすべて充足する直接侵害と、侵害の予備的行為を侵害とみなす間接侵害があります。救済手段は差止請求・損害賠償請求・不当利得返還請求・信用回復措置請求など。損害額の推定規定(102条)も押さえます。知財総論では、出願前の特許情報調査(先行技術調査・パテントマップ)、自社技術を権利化するか営業秘密として秘匿するかの選択、知財ポートフォリオ構築といった知財戦略の考え方が出題されます。
知的財産管理技能検定2級(学科) 一問一答 →