知的財産管理技能検定2級(学科)「著作権法」出題ポイント解説
知的財産管理技能検定2級(学科)の出題分野「著作権法」の頻出ポイントを体系的に整理します。著作物の定義、著作者と職務著作、著作者人格権と著作財産権の違い、権利制限規定、保護期間、著作隣接権、侵害と救済まで、2級レベルの実務管理視点で論点別に解説します。
※受験料・試験日程・合格基準・出題範囲は改定される場合があります。最新情報は必ず知的財産教育協会の公式情報でご確認ください。
頻出論点1:著作物の定義と無方式主義
著作物は「思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸・学術・美術・音楽の範囲に属するもの」と定義されます。アイデアそのものや単なる事実・データは保護されず、表現に創作性があることが要件です。著作権は無方式主義のため、創作と同時に発生し、登録や出願は不要である点が産業財産権との大きな違いとして頻出します。
頻出論点2:著作物の種類・二次的著作物・編集著作物
- 二次的著作物:既存の著作物を翻訳・編曲・変形・翻案して創作したもの。利用には原著作物の著作者の許諾も必要となる。
- 編集著作物:素材の選択または配列に創作性があるもの(例:百科事典・新聞)。素材自体の著作権とは別に保護される。
- データベースの著作物:情報の選択または体系的構成に創作性があるもの。
頻出論点3:著作者と職務著作(法人著作)
著作者は著作物を創作した者です。例外として、法人等の発意に基づき、その業務に従事する者が職務上作成し、法人等の名義で公表される著作物は、契約等に別段の定めがなければ法人等が著作者となります(職務著作)。職務著作では法人が著作者人格権も含めて権利を持つ点が、特許法の職務発明(権利は原則従業者に発生)と異なるため、2級の頻出比較ポイントです。
頻出論点4:著作者人格権
著作者人格権は著作者の人格的利益を守る権利で、譲渡できず著作者の一身に専属します。
- 公表権:未公表の著作物を公表するかどうか、いつ・どのように公表するかを決める権利。
- 氏名表示権:著作物に著作者名を表示するか、実名・変名のどちらにするかを決める権利。
- 同一性保持権:著作物およびその題号を意に反して改変されない権利。
頻出論点5:著作財産権の支分権
著作財産権(著作権)は複数の支分権の束で、全部または一部を譲渡できます。主な支分権は複製権・上演権・演奏権・上映権・公衆送信権(送信可能化を含む)・口述権・展示権・頒布権・譲渡権・貸与権・翻訳権・翻案権など。公衆送信権と翻案権はインターネット利用や二次創作との関係で頻出します。
頻出論点6:権利制限規定
一定の場合には著作権者の許諾なく著作物を利用できます。
- 私的使用のための複製:個人的または家庭内など限られた範囲での使用を目的とする複製。
- 引用:公正な慣行に合致し、報道・批評・研究等の正当な範囲内で行われること。引用部分と自己の著作物が明瞭に区別され、引用される側が「主」でないこと(主従関係)、出所明示が要件。
- 学校その他の教育機関での複製:授業の過程における利用に必要な限度での複製等。
頻出論点7:著作権の保護期間
著作権の保護期間は原則として著作者の死後70年です。無名・変名の著作物や団体名義(法人著作)の著作物は公表後70年、映画の著作物も公表後70年です。期間は死亡・公表の翌年の1月1日から起算します。保護期間満了後はパブリックドメインとなり、自由に利用できます。
頻出論点8:著作隣接権
著作隣接権は、著作物を伝達する者(実演家・レコード製作者・放送事業者・有線放送事業者)に与えられる権利です。実演家には実演家人格権(氏名表示権・同一性保持権)も認められます。著作隣接権の保護期間は実演・レコード発行等から70年です。著作権とは別個の権利である点が頻出します。
頻出論点9:著作権侵害と救済・実務上の留意点
著作権・著作者人格権を侵害された者は、差止請求・損害賠償請求・不当利得返還請求・名誉回復等の措置請求ができます。侵害には刑事罰も定められています。実務上は、業務委託で制作物を作らせる際の著作権の帰属(譲渡の合意)や、同一性保持権・氏名表示権の不行使特約、引用要件の遵守、社内での著作物利用ルールの整備などが知財管理の重要論点として問われます。
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