1級管工事施工管理技士(第一次検定)「空調・衛生設備」出題ポイント解説
1級管工事施工管理技士 第一次検定「空調・衛生設備」の出題ポイントを整理します。空調・換気・給排水・給湯・消火・ガス・浄化槽など、管工事の主要分野を網羅。数値基準と方式比較を押さえることが1級合格の鍵となります。
※受験料・試験日程・合格基準・出題範囲は改定される場合があります。最新情報は必ず全国建設研修センターの公式情報でご確認ください。
出題傾向
- 分野: 空調設備(熱負荷・空調方式・熱源・空調機・ダクト・自動制御)/衛生設備(給水・給湯・排水通気・衛生器具・消火・ガス・浄化槽)
- 出題形式: 四肢択一マークシート。最大の得点源分野で配点も多い
- 方式別の特徴・メリットデメリット・数値基準の暗記が重要
頻出論点1: 熱負荷計算
- 冷房負荷: 外壁・屋根からの貫流熱、ガラスからの日射熱、外気導入熱、人体・照明・機器の内部発熱の合計。顕熱と潜熱に分けて算出
- 暖房負荷: 貫流熱損失と外気導入による熱損失が主体。日射・内部発熱は安全側として無視するのが一般的
- SHF(顕熱比): 顕熱負荷/(顕熱負荷+潜熱負荷)。一般事務室で0.85〜0.9、人員密度の高い空間で0.7〜0.8
- 外気導入量は在室人員1人あたり30m³/h以上、CO₂濃度1,000ppm以下を確保
頻出論点2: 空調方式
- 単一ダクト方式: 1系統で全室を空調。CAV(定風量)・VAV(変風量)がある。VAVは部分負荷時の省エネ性に優れる
- 二重ダクト方式: 冷温風を別ダクトで送り、室ごとに混合。個別制御性高いがエネルギー消費大
- ファンコイルユニット(FCU): 各室に小型空調機を設置。中央熱源から冷温水を供給。個別制御性高い
- 床吹出方式: アンダーフロアから吹出。OA環境や高天井空間に適する
- 放射冷暖房: 天井・床のパネルで放射熱交換。低騒音・快適性高いが結露対策必要
- マルチパッケージ方式: 1台の室外機に複数室内機。冷媒配管で接続。中小ビルに普及
頻出論点3: 熱源機器
- 遠心冷凍機(ターボ冷凍機): 大容量向け(数百〜数千冷凍トン)。COP高く効率良好
- 吸収冷凍機: 蒸気・温水・ガスを熱源とし、電力消費が少ない。COP約1(投入熱基準)。冷却水温度の影響大
- ヒートポンプ: 冷暖房両用。空気熱源と水熱源があり、外気温が低いほど暖房COPは低下
- ボイラ: 蒸気・温水を供給。炉筒煙管・水管・貫流・鋳鉄製などの種類
- コージェネレーション: 発電と排熱利用を同時実施。総合効率70〜80%
- 蓄熱方式: 氷蓄熱・水蓄熱。夜間電力で蓄熱し昼間に放熱、ピークカット・電力料金低減効果
頻出論点4: 空調機・ダクト・吹出口
- エアハンドリングユニット(AHU): 送風機・コイル・加湿器・エアフィルタ等で構成。中央式空調の心臓部
- 全熱交換器: 排気と外気の間で顕熱・潜熱を熱交換。外気負荷を低減し省エネに寄与
- ダクトの種類: 低速ダクト(風速15m/s以下)、高速ダクト(15m/s超)。アスペクト比は4以下が望ましい
- 吹出口: アネモ型(拡散性高い)、ライン型(連続吹出)、ノズル型(到達距離長い)、グリル型(基本形)
- VAVユニット: 室内負荷に応じ風量を可変。最小風量は換気量を確保できる範囲で設定
頻出論点5: 自動制御・BEMS
- 自動制御: 室内温度・湿度・CO₂濃度などをセンサで検知し、機器を制御。PID制御が基本
- 外気冷房: 中間期に外気温度が室温より低い時、外気導入量を増やし冷却。省エネ効果大
- BEMS(ビルエネルギー管理システム): 設備運転データを収集分析し最適制御。省エネ法・建築物省エネ法でも重視
- インバータ制御は送風機・ポンプの動力を3乗則で大幅低減
頻出論点6: 給水設備
- 直結直圧方式: 水道本管圧力で直接給水。2〜3階建程度の小規模建物
- 直結増圧方式: 増圧ポンプで給水。中小規模建物。受水槽不要で衛生性高い
- 受水槽方式: 受水槽に貯水後、揚水ポンプ・高置水槽で給水。大規模建物。停電時の貯水確保可
- クロスコネクション: 上水と他系統(井水・中水・消火)の直接接続。絶対禁止
- 吐水口空間: 衛生器具の吐水口と越流面(あふれ縁)の垂直距離を確保。逆流防止の基本
- 受水槽: 6面点検(上部60cm・側面下部45cm以上)、内部点検用マンホール、オーバーフロー管に防虫網
- 水道水の遊離残留塩素は給水栓で0.1mg/L以上
頻出論点7: 給湯設備
- 給湯温度: 中央式給湯では60℃以上で循環、末端55℃以上を保ちレジオネラ属菌の繁殖を抑制(増殖至適20〜50℃)
- 循環方式: 強制循環(ポンプで湯を循環)が標準。配管末端でも適温を確保
- 銅管の腐食: 給湯銅管は遊離炭酸・残留塩素により孔食(ピッティング)が発生。pH管理・流速2m/s以下が目安
- 膨張管・膨張水槽: 加熱による水の体積膨張を吸収。膨張管に弁を設けてはならない
- ガス瞬間湯沸器・電気温水器・ヒートポンプ給湯機など機器選択は需要パターンで決定
頻出論点8: 排水・通気設備
- 排水トラップの封水深: 50mm以上100mm以下。封水破封を防ぐため適正範囲を守る
- 封水破封の原因: 自己サイホン作用、誘導サイホン、跳ね出し、蒸発、毛細管現象
- 各個通気方式: 各器具のトラップごとに通気管を設ける。最も確実だが配管量多い
- ループ通気方式: 2個以上のトラップを共通通気でつなぐ。一般的方式
- 伸頂通気方式: 排水立て管をそのまま屋上に延長。簡易な方式
- 特殊継手排水システム: 排水と通気を1本立て管で兼用。集合住宅で普及
- グリース阻集器: 厨房排水の油脂分を分離。流入から30秒以上滞留する容量。定期清掃必須
頻出論点9: 衛生器具・消火・ガス・浄化槽
- 大便器の節水洗浄方式: 旧来13L→省水型8L→節水型6L→超節水型4L程度。サイホン式・ブローアウト式・洗い落とし式など
- 屋内消火栓: 1号消火栓(半径25m以内)、2号消火栓(半径15m以内)。放水圧力0.17MPa以上、放水量130L/min以上(1号)
- スプリンクラー設備: 閉鎖型湿式が主流。ヘッド1個の放水量80L/min以上、圧力0.1MPa以上。流水検知装置で警報
- 連結送水管: 消防隊が屋外から送水し、各階放水口で消火活動。7階以上の建物等に設置
- 都市ガス・LPガス: 都市ガスは比重1未満(空気より軽い)、LPガスは比重1超(空気より重い)。漏洩検知器の設置位置が異なる
- 浄化槽: 合併処理浄化槽が法定。BOD除去率90%以上、放流水BOD20mg/L以下が目安。維持管理(保守点検・清掃・法定検査)が必須
効果的な学習法
空調・衛生設備は配点が大きく、数値基準と方式比較を確実に押さえることが得点アップの近道です。当サイトの一問一答で繰り返し演習しましょう。続いて施工管理法の出題ポイントで施工計画・工程・品質・安全の知識を習得すると、応用能力問題(五肢二択)にも対応できます。
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