一級建築士の用語集|試験頻出60語を読み方付きで完全解説
一級建築士の学科試験で頻出する重要専門用語を、5科目(計画/環境・設備/法規/構造/施工)別に60語以上収録しました。各用語に読み方を付け、定義と関連論点を解説しています。試験前の総復習・暗記カード化にご活用ください。
※受験料・試験日程・合格基準等は改定される場合があります。最新情報は必ず建築技術教育普及センターの公式情報でご確認ください。
計画・建築史系用語
- モデュロール(もでゅろーる)
- ル・コルビュジエが人体寸法と黄金比を基に考案した寸法体系。建築の各部寸法を人間の尺度で調和的に決めるための基準として用いられた。
- 寝殿造(しんでんづくり)
- 平安時代の貴族住宅の様式。中央の寝殿を中心に対屋を渡殿でつなぎ、南庭と池を配する左右対称的な配置を特徴とする。
- 書院造(しょいんづくり)
- 室町〜桃山時代に成立した武家住宅の様式。床の間・違い棚・付書院・畳敷きを備え、後の和風住宅の原型となった。
環境・設備系用語
- CASBEE(きゃすびー)
- 建築物の環境性能を、環境品質(Q)と環境負荷(L)の比により総合評価する日本の評価システム。Sクラスからの5段階で格付けする。
- ZEB(ぜぶ)
- ネット・ゼロ・エネルギー・ビルの略。省エネと創エネにより年間の一次エネルギー消費量を正味ゼロに近づけた建築物を指す。
- BELS(べるす)
- 建築物省エネルギー性能表示制度。建築物の省エネ性能を第三者が評価し、星の数で表示する制度で、市場での性能比較に用いられる。
- 一次エネルギー消費量(いちじえねるぎーしょうひりょう)
- 化石燃料など自然界から得られるエネルギーに換算した建築物の年間消費量。省エネ基準の適否判定の指標として用いられる。
- 熱貫流率(ねつかんりゅうりつ)
- 壁などを介して室内外で熱が伝わるしやすさを表す係数。値が小さいほど断熱性能が高く、単位はW/(m²・K)で表す。
- 結露(けつろ)
- 空気中の水蒸気が露点温度以下の表面で凝結し水滴となる現象。壁内部で起こる内部結露は躯体劣化の原因となり断熱・防湿で防ぐ。
- 残響時間(ざんきょうじかん)
- 音源停止後に室内の音圧レベルが60dB減衰するまでの時間。室容積に比例し吸音力に反比例し、室用途に応じた最適値がある。
- 吸音率(きゅうおんりつ)
- 入射した音のエネルギーに対し、反射されずに吸収・透過された割合。1に近いほど音をよく吸収し、室内の音響調整に用いる。
- 必要換気量(ひつようかんきりょう)
- 室内の空気質を許容濃度以下に保つために必要な換気の量。在室者の二酸化炭素発生量や室容積などから算定する。
- VAV(ぶいえーぶい)
- 可変風量方式の空調。負荷に応じて各室への給気風量を変化させることで、定風量方式より搬送動力を抑え省エネを図る方式。
- FCU(えふしーゆー)
- ファンコイルユニットの略。送風機・熱交換コイルを内蔵した小型空調機で、各室ごとに温度を個別制御できる末端機器。
- 受変電設備(じゅへんでんせつび)
- 電力会社から受電した高圧電力を、建物内で使う低圧に変圧・分配する設備。変圧器・遮断器・保護継電器などで構成される。
- 力率改善(りきりつかいぜん)
- 進相コンデンサ等で無効電力を補償し、皮相電力に対する有効電力の比(力率)を高めること。電力損失と電気料金を低減できる。
構造(力学・計算)系用語
- 全塑性モーメント(ぜんそせいもーめんと)
- 断面全体が降伏応力に達したときに部材が負担できる曲げモーメント。終局耐力の評価や保有水平耐力の算定に用いる。
- 座屈(ざくつ)
- 細長い圧縮材が、ある荷重(座屈荷重)を超えると急激に横方向へ曲がって不安定になる現象。柱や圧縮材の設計で重要となる。
- 細長比(さいちょうひ)
- 部材の座屈長さを断面の最小回転半径で除した値。値が大きいほど座屈しやすく、圧縮材の座屈耐力評価の指標となる。
- 断面二次モーメント(だんめんにじもーめんと)
- 断面の曲げにくさを表す量で、中立軸まわりの断面の広がり方で決まる。値が大きいほど曲げ剛性が高く、たわみが小さくなる。
- 断面係数(だんめんけいすう)
- 断面二次モーメントを中立軸から縁までの距離で除した量。曲げモーメントから縁応力度を求める際に用いる断面の指標。
- たわみ(たわみ)
- 荷重を受けた梁などの部材が鉛直方向に変形する量。スパン・断面剛性・荷重で決まり、使用上の制限値が定められている。
- 層間変形角(そうかんへんけいかく)
- 地震時に各階に生じる水平変位を、その階高で除した値。建築基準法では原則1/200以内などの制限が設けられている。
- 保有水平耐力(ほゆうすいへいたいりょく)
- 建築物が水平力に対して保有する終局時の耐力。大地震時に必要保有水平耐力以上であることを確認する耐震計算で用いる。
- 剛性率(ごうせいりつ)
- 各階の層剛性が建物全体で偏らない度合いを示す指標。値が小さい階に変形が集中するため、規定値以上の確保が求められる。
- 偏心率(へんしんりつ)
- 各階の重心と剛心のずれ(偏心距離)を、ねじり抵抗に対する弾力半径で除した指標。値が大きいとねじれ振動が生じやすい。
- 横座屈(よこざくつ)
- 曲げを受けるH形鋼などの梁が、圧縮側フランジの不安定により横方向へはらみ出して倒れる座屈現象。横補剛で防止する。
構造(地盤・各種構造・材料)系用語
- 液状化(えきじょうか)
- 地震時に地下水位の高い緩い砂質地盤が、繰返しせん断で間隙水圧が上昇し液体状になる現象。地盤や基礎に被害を生じさせる。
- 負の摩擦力(ふのまさつりょく)
- 軟弱地盤の圧密沈下により、地盤が杭を下向きに引きずる方向に作用する摩擦力。杭に下向きの付加軸力を生じさせる。
- かぶり厚さ(かぶりあつさ)
- 鉄筋表面からコンクリート表面までの最小距離。耐久性・耐火性・付着力の確保のため部位ごとに最小値が定められている。
- 付着(ふちゃく)
- 鉄筋とコンクリートが界面で一体に挙動するための結びつき。応力の伝達に不可欠で、付着強度が定着・継手の設計を左右する。
- 定着(ていちゃく)
- 鉄筋の応力を確実にコンクリートへ伝えるため、必要な長さを部材内に埋め込むこと。定着長さは鉄筋径や強度に応じて定める。
- 高力ボルト(こうりょくぼると)
- 鉄骨部材の摩擦接合に用いる高張力ボルト。強い締付けで生じる接合面の摩擦力により応力を伝達する接合方法に使う。
- 免震(めんしん)
- 建物と基礎の間に積層ゴム等の免震装置を設け、地震の揺れを建物に伝わりにくくする構造。上部構造の応答加速度を低減する。
- 制振(せいしん)
- 建物内にダンパー等の制振装置を組み込み、地震や風による揺れのエネルギーを吸収して振動を抑える構造方式。
- 新耐震基準(しんたいしんきじゅん)
- 1981年に施行された建築基準法の耐震規定。中地震で損傷せず大地震で倒壊しないことを目標とし、二次設計の概念を導入した。
- Is値(あいえすち)
- 既存建築物の耐震診断で用いる構造耐震指標。建物の保有性能を地震力に対して評価した値で、0.6以上が耐震性の一応の目安とされる。
法規系用語
- 建蔽率(けんぺいりつ)
- 敷地面積に対する建築面積の割合。用途地域ごとに上限が定められ、角地緩和や防火地域内の耐火建築物などで割増される。
- 容積率(ようせきりつ)
- 敷地面積に対する延べ面積の割合。用途地域の指定値と前面道路幅員による制限のうち、厳しい方が適用される。
- 道路斜線(どうろしゃせん)
- 前面道路の反対側境界線から一定勾配の斜線内に建築物の高さを収める集団規定。道路採光や通風の確保を目的とする。
- 北側斜線(きたがわしゃせん)
- 北側隣地の日照を保護するため、北側境界線から一定の高さと勾配で建築物の高さを制限する規定。低層・中高層住居系で適用。
- 隣地斜線(りんちしゃせん)
- 隣地の通風・採光を確保するため、隣地境界線から一定の立上り高さと勾配で建築物の高さを制限する集団規定。
- 日影規制(にちえいきせい)
- 中高層建築物が周囲に生じさせる日影の時間を、測定面・時間帯ごとに制限し近隣の日照環境を保護する規定。
- 防火区画(ぼうかくかく)
- 火災の延焼や煙の拡散を一定範囲に抑えるため、耐火構造の床・壁・防火設備で建物内部を区画すること。面積・竪穴等の区分がある。
- 耐火建築物(たいかけんちくぶつ)
- 主要構造部を耐火構造とし、外壁開口部に防火設備を設けた建築物。一定時間の火災に倒壊・延焼しない性能が求められる。
- 準耐火(じゅんたいか)
- 耐火建築物に準じる防火性能をもつ準耐火構造・準耐火建築物のこと。耐火建築物より要求性能が緩やかな防火上の区分。
- 採光補正係数(さいこうほせいけいすう)
- 居室の採光に有効な開口部面積を算定する際、開口部の位置や前面の状況を反映して補正する係数。用途地域により算定式が異なる。
- 管理建築士(かんりけんちくし)
- 建築士事務所ごとに置く専任の建築士で、技術的事項を統括する。3年以上の設計等の業務経験と所定の講習修了が要件となる。
- 工事監理(こうじかんり)
- 工事が設計図書のとおりに実施されているかを建築士が確認する業務。一定の建築物では建築士による工事監理が義務付けられる。
施工(工程・品質・地盤)系用語
- ネットワーク工程表(ねっとわーくこうていひょう)
- 作業の前後関係を矢線と結合点で表す工程表。各作業の関連と余裕日数を明確にでき、大規模工事の工程管理に適する。
- クリティカルパス(くりてぃかるぱす)
- ネットワーク工程表で最も日数を要する経路。工期を決定し、余裕日数がない作業の連なりで、ここの遅れは全体の遅れに直結する。
- QC七つ道具(きゅーしーななつどうぐ)
- 品質管理に用いる代表的手法。パレート図・特性要因図・ヒストグラム・管理図・散布図・チェックシート・層別の七つを指す。
- ガス圧接(がすあっせつ)
- 鉄筋の端部を突き合わせ、酸素・アセチレン炎で加熱しながら圧力を加えて接合する継手工法。膨らみ形状などの検査が行われる。
- スランプ(すらんぷ)
- フレッシュコンクリートの軟らかさ(流動性)を示す指標。スランプ試験での円錐形試料の沈下量(cm)で表し、品質管理に用いる。
- かぶり(かぶり)
- 鉄筋を覆うコンクリートの厚さ。耐久性・耐火性・鉄筋の防錆を確保するため施工時にスペーサー等で所定の厚さを保持する。
- 養生(ようじょう)
- 打設後のコンクリートを適切な温度・湿度に保ち、所要の強度・耐久性を発現させるための保護作業。乾燥や凍結から守る。
- 山留め(やまどめ)
- 根切り工事で周囲の地盤が崩れないよう土圧を支える仮設の壁・支保構造。親杭横矢板や地中連続壁などの工法がある。
- ボイリング(ぼいりんぐ)
- 地下水位の高い砂質地盤で、上向きの浸透圧により掘削底面の砂が水とともに噴き上がる現象。山留め根入れ等で防止する。
- ヒービング(ひーびんぐ)
- 軟弱な粘性土地盤で、山留め背面の土の重量により掘削底面が押し上げられ盛り上がる現象。根入れ深さの確保等で対策する。
- 四分割法(よんぶんかつほう)
- 木造建築物で耐力壁の配置バランスを確認する方法。各階の各方向を四分割し、両端1/4部分の壁量充足率を比較して偏りを判定する。
- 壁量計算(へきりょうけいさん)
- 木造建築物に必要な耐力壁の量を、床面積や見付面積に応じて算定する計算。地震力・風圧力に対する必要壁量を確保するために行う。
用語集の活用法・関連学習リソース
用語の意味を確認したら、実際の問題演習で定着させましょう。以下の関連ページもご活用ください。
- 過去問の傾向と対策 — 用語が問題でどう問われるか確認
- おすすめ参考書ランキング — 体系的に学べる教材選び
- 法規の論点解説 — 建蔽率・容積率・斜線制限などを深掘り
- 一問一答で用語を演習 — 用語の使い方を実戦形式で確認
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