建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の重要用語集50選【頻出キーワード解説】
建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験で頻出する重要用語50選を、7科目を横断して整理しました。管理基準値・空調設備・給排水・清掃防虫・廃棄物の各分野をまとめて押さえられる、試験前日の最終チェックにも最適な用語集です。
※受験料・試験日程・合格基準等は改定される場合があります。最新情報は必ず日本建築衛生管理教育センターの公式情報でご確認ください。
この用語集の使い方
- 7科目(行政・環境衛生・空気環境・建築構造・給排水・清掃・ねずみ昆虫)の重要用語を横断整理
- 管理基準値はそのまま試験問題で問われるため数値暗記が必須
- 試験直前の総復習・抜けチェックに活用
目次
1. 行政・法規・管理基準
- 特定建築物
- 建築物衛生法に基づき、興行場・百貨店・店舗・事務所・学校等で延床面積3,000m²以上(学校は8,000m²以上)の建築物。建築物環境衛生管理技術者の選任義務がある。
- 建築物環境衛生管理基準
- 建築物衛生法施行令で定める空気環境・給水・排水・清掃・ねずみ昆虫防除の維持管理基準。特定建築物の所有者等が遵守する。
- 建築物環境衛生管理技術者
- 通称「ビル管理士」。特定建築物の維持管理が環境衛生上適切に行われるよう監督する国家資格者。原則として特定建築物ごとに1名を選任する。
- 浮遊粉じん0.15mg/m³
- 空気環境調整基準値の一つ。空気1m³中の浮遊粉じんが0.15mg以下であること。デジタル粉じん計(相対濃度計)で測定する。
- 一酸化炭素10ppm
- 空気環境調整基準値。CO含有率10ppm以下(特例として外気が10ppm超の場合は20ppm以下)。検知管・自動計測器で測定する。
- 二酸化炭素1000ppm
- 空気環境調整基準値。CO₂含有率1,000ppm以下。換気の指標として最も重要で、必要換気量の算定根拠にもなる。
- 温度18〜28℃
- 居室の温度基準。18℃以上28℃以下に保つこと。冷暖房使用時に外気との温度差も配慮する必要がある。
- 相対湿度40〜70%
- 居室の相対湿度基準。40%以上70%以下。低湿度はインフルエンザ等の感染症、高湿度はカビ発生の原因となる。
- 気流0.5m/s以下
- 居室の気流基準。0.5m/s以下に保つこと。これを超えるとドラフト感(不快な風)を生じる。
- ホルムアルデヒド0.1mg/m³
- 空気環境基準値。0.1mg/m³(0.08ppm)以下。新築・大規模改修後はシックハウス症候群対策として測定が必要。
2. 環境衛生・温熱環境
- WBGT
- 湿球黒球温度(Wet Bulb Globe Temperature)。暑熱環境の評価指標で、熱中症リスク評価に用いる。屋外では黒球温度・湿球温度・乾球温度から算出する。
- PMV
- 予測平均温冷感申告(Predicted Mean Vote)。気温・湿度・気流・放射・代謝量・着衣量の6要素から温冷感を予測する指標。ISO規格にも採用。
- 有効温度ET
- 気温・湿度・気流の3要素を組み合わせた体感温度指標。新有効温度ET*は放射の影響も加味し、より実態に近い体感を表す。
- SBS(シックビル症候群)
- Sick Building Syndrome。建物在館中に頭痛・目鼻の刺激・倦怠感等を訴え、退館で軽快する症候群。換気不足やVOCが原因とされる。
- VOC
- 揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds)。トルエン・キシレン・ホルムアルデヒド等。シックハウス症候群の原因物質として規制対象。
- PM2.5
- 大気中の粒径2.5μm以下の微小粒子状物質。肺の奥深くまで到達し循環器・呼吸器系への健康影響が懸念される。環境基準が設定されている。
- 湿り空気線図
- 乾球温度・湿球温度・絶対湿度・相対湿度・エンタルピー等の関係を一枚にまとめた線図。空調計算(冷却・加熱・加湿・除湿)に必須の図表。
- 露点温度
- 空気を冷却したとき相対湿度100%に達し結露が始まる温度。外壁・窓・冷水配管での結露防止設計の基礎となる。
- SHF
- 顕熱比(Sensible Heat Factor)。全熱負荷に対する顕熱負荷の比。空調機の冷却コイル選定や除湿量の計算で重要なパラメータ。
- レジオネラ属菌
- 冷却塔・給湯設備・循環式浴槽等の温水中で増殖し、エアロゾル吸入により肺炎を引き起こす細菌。20〜50℃で増殖、55℃以上で死滅する。
3. 空気環境調整・空調設備
- 吸収冷凍機
- 冷媒に水、吸収液に臭化リチウム溶液を用いる冷凍機。蒸気・温水・ガスで駆動でき、夏冬の電力ピーク分散に寄与する。
- 遠心冷凍機
- ターボ冷凍機ともいう。電動圧縮機で冷媒を循環させる蒸気圧縮式の代表機種。大容量化に適し、大規模ビルの主力空調熱源となる。
- 冷却塔
- クーリングタワー。冷凍機の凝縮熱を大気に放散する装置。開放式・密閉式があり、開放式はレジオネラ対策として薬注・清掃が重要。
- AHU
- エアハンドリングユニット(Air Handling Unit)。送風機・冷温水コイル・加湿器・フィルタ等を一体化した中央式空調機。中規模以上のビルで採用される。
- 全熱交換器
- 排気と外気の間で顕熱(温度)と潜熱(湿度)の両方を交換する装置。換気に伴う熱損失を低減し、省エネに寄与する。
- 第1種〜第3種換気
- 第1種は給気・排気とも機械、第2種は給気のみ機械、第3種は排気のみ機械。汚染室は第3種、清浄室は第2種が原則となる。
- 必要換気量
- 室内CO₂濃度を1,000ppm以下に保つために必要な外気導入量。在室者1人あたり30m³/h程度が一般的な目安値。
- PMV/予測不満足率PPD
- PMVが±0.5以内、PPDが10%以下が快適範囲とされる。空調制御の目標値設定に用いられる温熱快適性指標。
- 変風量方式(VAV)
- Variable Air Volume。室の負荷に応じて給気風量を変化させる空調方式。定風量方式(CAV)より省エネ性が高い。
- HEPAフィルタ
- High Efficiency Particulate Air Filter。0.3μm粒子を99.97%以上捕集する高性能エアフィルタ。クリーンルーム・病院手術室で採用される。
4. 給水・排水・衛生設備
- 吐水口空間
- 給水栓の吐水口端と受水容器のあふれ縁との垂直距離。逆サイホン作用による汚水の逆流を防止するために確保する。
- クロスコネクション防止
- 飲料水給水系統と他系統(井水・中水・雑用水等)が直接接続されることを防ぐ措置。バキュームブレーカ等で逆流を防止する。
- 水道法
- 水道事業の運営や水質基準・給水装置の構造材質基準を定めた法律。建築物衛生法と並んで給水管理の根拠法令となる。
- 水質基準
- 水道法に基づく51項目(一般細菌・大腸菌・有機物等)の基準。特定建築物では6か月以内ごとに16項目以上の検査が義務づけられている。
- 貯水槽
- 受水槽・高置水槽の総称。容量10m³超は「簡易専用水道」として水道法の規制対象。1年以内ごとの清掃と水質検査が必要。
- 残留塩素0.1mg/L
- 給水栓における遊離残留塩素の最低値。0.1mg/L以上を保持すること。結合残留塩素の場合は0.4mg/L以上を保持する。
- DPD法
- N,N-ジエチル-p-フェニレンジアミン法。残留塩素測定の標準法で、遊離塩素・結合塩素を発色比色で測定する。
- 封水50mm
- 排水トラップの封水深。50mm以上100mm以下と定められ、下水ガスや害虫の侵入を防ぐ。蒸発・自己サイホン作用で破封すると機能を失う。
- 各個通気
- 各器具のトラップごとに通気管を設ける方式。最も信頼性が高くサイホン作用による破封防止に優れるが、配管コストは高い。
- ループ通気・伸頂通気
- ループ通気は2個以上の器具を一括して通気する方式、伸頂通気は排水立て管をそのまま屋上まで延長する方式。建物規模や用途で使い分ける。
5. 清掃・防虫防鼠・廃棄物
- グリース阻集器
- 厨房排水中の油脂分を阻集して下水道への流入を防ぐ装置。定期的なグリース除去・清掃が必要で、悪臭・配管詰まりの主要因となる。
- 浄化槽
- 下水道未整備地域で汚水を生物処理する施設。浄化槽法に基づき設置・保守点検・清掃・法定検査が義務づけられている。
- IPM
- 総合的有害生物管理(Integrated Pest Management)。発生状況の調査・評価に基づき、薬剤・物理的対策を組み合わせて防除する考え方。
- LD50
- 半数致死量(Lethal Dose 50%)。実験動物の50%が死亡する投与量。殺虫剤・殺鼠剤の毒性指標として用いられる。
- 有機リン剤
- フェニトロチオン(スミチオン)等の殺虫剤。アセチルコリンエステラーゼ阻害により作用するが、近年は使用が減少傾向にある。
- ピレスロイド剤
- 除虫菊由来またはその合成類縁化合物の殺虫剤。哺乳類への毒性が低く、家庭用・業務用ともに広く使用される。
- IGR
- 昆虫成長制御剤(Insect Growth Regulator)。脱皮・変態を阻害して幼虫を成虫にさせない。即効性はないが残効性に優れる。
- 抗凝血性殺鼠剤
- ワルファリン・クマテトラリル等。血液凝固を阻害して内出血で殺鼠する。即効性は低いが警戒心を抱かれにくいのが特長。
- マニフェスト
- 産業廃棄物管理票。排出事業者が処理委託の流れを把握するために交付する伝票。電子マニフェストの利用も普及している。
- 産業廃棄物・特別管理産業廃棄物・PRTR法
- 事業活動に伴う廃棄物のうち法定20種を産業廃棄物、爆発性・毒性等のあるものを特別管理産業廃棄物という。PRTR法は化学物質の環境排出量を届け出る法律。
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