建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)「清掃・ねずみ昆虫等の防除」出題ポイント解説
清掃と「ねずみ昆虫等の防除」は午後の最終科目で、清掃理論・床材別清掃法・廃棄物処理・対象生物の生態・IPM(総合的有害生物管理)・薬剤・LD50などを問います。実務寄りで覚えやすく、得点源化しやすい分野です。
※受験料・試験日程・合格基準・出題範囲は改定される場合があります。最新情報は必ず日本建築衛生管理教育センターの公式情報でご確認ください。
頻出論点1: 清掃の意義・ほこりとよごれ
清掃の目的は美観維持・衛生確保・建築物資産保全・利用者の健康保護。ほこりは粒径により「浮遊じん(10μm以下)」「降下じん(10μm超)」、よごれは「水溶性・脂溶性・固着性」に分類。静電気でほこりが付着しやすい樹脂面、すべりやすい床は水・洗剤残りが原因など、汚れの種類に応じた除去方法を選ぶのが基本です。
頻出論点2: 清掃用機械
- 真空掃除機:HEPAフィルタ付きはPM2.5レベルまで捕集可
- 自動床洗浄機:洗浄液散布→ブラシ洗浄→汚水吸引を一機で
- ポリッシャー:低速(150〜300rpm)は洗浄・剥離、高速(1,000rpm以上)はバーニッシング(光沢出し)
- カーペットエクストラクター(スチーム式):温水と洗剤で汚れを浮かせ吸引
- スクイジー:ガラス清掃の基本工具
頻出論点3: 洗剤と界面活性剤・ワックス
洗剤の主成分は界面活性剤(陰イオン・陽イオン・両性・非イオン)。陰イオン系(LAS等)は一般洗剤、陽イオン系は殺菌用、両性・非イオン系は工業用。pH別に酸性洗剤(無機汚れ・水あか)、中性洗剤(軽度汚れ)、アルカリ性洗剤(油汚れ・たんぱく質)。床用ワックスは樹脂系(アクリル系)が主流で、剥離剤はアルカリ性。
頻出論点4: 床清掃(材質別)
- 硬性床(テラゾ・大理石・タイル):大理石は酸性洗剤厳禁(変質)、中性洗剤+ポリッシャー
- 弾性床(塩ビ系・リノリウム・ゴム):定期的にワックス塗布・剥離。リノリウムはアルカリ性に弱い
- 木質床:ウレタン塗装は水拭き可、無塗装は乾拭き中心
- カーペット:日常はバキューム、定期はスポットクリーニング・エクストラクション・シャンプークリーニング・ボンネット法
頻出論点5: 各所清掃・廃棄物処理
外装・窓ガラスは年1〜4回、ELV内装は毎日、トイレは1日数回、空調系吹出口は半年〜年1回が目安。廃棄物処理法では一般廃棄物(家庭系・事業系一般)と産業廃棄物(20種類)に区分。事業系の紙くず・木くず等は業種限定で産廃。特別管理産業廃棄物(廃石綿・PCB・感染性産廃等)は厳格管理。排出事業者はマニフェスト(産業廃棄物管理票)交付義務(A〜E票で5年保存)。3R(リデュース・リユース・リサイクル)の順位も頻出。
頻出論点6: 対象生物の生態
- ねずみ:ドブネズミ(下水・厨房・大型)、クマネズミ(天井裏・配管・上昇性)、ハツカネズミ(小型・乾燥地)の3種
- 蚊:アカイエカ(夜間吸血・日本脳炎媒介)、ヒトスジシマカ(昼間・デング熱媒介)
- ハエ:イエバエ(食品衛生害虫)、クロバエ・ニクバエ
- ゴキブリ:チャバネゴキブリ(建物内通年)、クロゴキブリ・ワモンゴキブリ
- ダニ:チリダニ(アレルゲン)、ツメダニ(咬傷)、イエダニ(吸血)
- トコジラミ:吸血昆虫・近年宿泊施設で再増加
頻出論点7: 媒介感染症
蚊媒介:マラリア・デング熱・ジカ熱・日本脳炎・ウエストナイル熱・チクングニア熱。ハエ媒介:腸管感染症(赤痢・サルモネラ)。ゴキブリ:機械的伝播。ねずみ媒介:ペスト(ノミ介在)・レプトスピラ症・ハンタウイルス感染症・サルモネラ。ノミ・シラミ・ダニ媒介:発疹チフス・ツツガムシ病・SFTS・日本紅斑熱。トコジラミは咬傷被害(感染症媒介は少ない)。
頻出論点8: IPM・許容水準・措置水準
IPM(Integrated Pest Management・総合的有害生物管理)はビル管理法の防除手法の基本。発生予察→生息調査→評価→対策→効果判定のPDCAを回します。生息状況の評価指標:許容水準(生息は許容できる範囲)、警戒水準(措置を検討すべき水準)、措置水準(直ちに防除が必要)の3段階。安易な薬剤散布ではなく、清掃・侵入経路遮断・餌の除去等の環境的防除を優先する考え方です。
頻出論点9: 殺虫剤・殺鼠剤・LD50・PRTR法
- 有機リン系:フェニトロチオン等、コリンエステラーゼ阻害
- ピレスロイド系:神経毒、ノックダウン効果、人畜への毒性比較的低い
- カーバメート系:プロポクスル等
- IGR(昆虫成長制御剤):脱皮阻害・幼若ホルモン様で羽化抑制、即効性は低いが残効長い
- 処理法:ULV(極微量散布)・くん煙・くん蒸・残留噴霧・餌剤(ベイト)
- 殺鼠剤:抗凝血性(ワルファリン等の第1世代、ジフェチアロン等の第2世代)と急性殺鼠剤(リン化亜鉛等)
- LD50:半数致死量(mg/kg体重)。値が小さいほど毒性強い
- PRTR法:特定化学物質の排出移動量届出制度
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