建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)「建築物の構造概論・給水排水」出題ポイント解説
本章は建築計画・構造・材料の概論と、給水・給湯・排水通気・浄化槽など水回り設備を合わせて出題されます。給排水分野は約35問と比重が大きく、水道法・水質基準・貯水槽清掃・レジオネラ対策など実務直結の数値が頻出です。
※受験料・試験日程・合格基準・出題範囲は改定される場合があります。最新情報は必ず日本建築衛生管理教育センターの公式情報でご確認ください。
頻出論点1: 建築計画と避難・防火
建築基準法の用語:建ぺい率・容積率・採光・換気・居室の天井高2.1m以上。2方向避難の確保、廊下幅員、直通階段までの歩行距離(耐火構造50m以下等)、特別避難階段の付室、排煙設備(自然/機械)、防火区画(面積区画1,500m²・高層区画100m²・竪穴区画・異種用途区画)、防煙区画500m²以下が頻出。
頻出論点2: 建築構造
- RC造(鉄筋コンクリート):圧縮はコンクリート・引張は鉄筋が分担、ヤング係数比n≒15、かぶり厚さ20〜40mm以上
- S造(鉄骨):高強度・軽量・耐火被覆必要
- SRC造:RC+S、高層に有利
- 耐震構造:強度と靭性で地震力に抵抗
- 免震構造:基礎に積層ゴム等を入れ揺れを伝えにくくする
- 制振(震)構造:ダンパー等で振動エネルギーを吸収
頻出論点3: 建築材料・屋外環境
コンクリートの水セメント比は強度と耐久性に影響(小さいほど高強度)、中性化(CO2による炭酸化)と鉄筋腐食。鋼材の応力ひずみ線図(弾性域・降伏点・引張強さ)。ガラスは複層・Low-E・遮熱で熱貫流率を低減。ヒートアイランド現象:都市部のアスファルト・コンクリート・人工排熱・緑地不足が原因。対策に屋上緑化・壁面緑化・高反射塗料・保水性舗装。
頻出論点4: 給水設備と水道法
- 給水方式:水道直結直圧式/直結増圧式/高架水槽式/圧力水槽式/ポンプ直送式
- 受水槽容量:1日使用水量の4/10〜6/10程度、高架水槽は1/10程度が目安
- 簡易専用水道:受水槽有効容量10m³超、1年以内ごとに清掃・水質検査を登録機関で受検義務
- 水道法水質基準:51項目(一般細菌100以下/mL、大腸菌不検出、pH5.8〜8.6、味臭異常なし、色度5度以下、濁度2度以下)
- 残留塩素:給水栓で遊離塩素0.1mg/L以上(結合塩素0.4mg/L以上)
頻出論点5: 貯水槽の維持管理
貯水槽(受水槽・高架水槽)清掃は1年以内ごとに1回。清掃時は消毒(次亜塩素酸ナトリウム50〜100mg/L)後に十分すすぎ、残留塩素0.2mg/L以上を確認。クロスコネクション禁止:飲料水系統と他系統(雑用水・井水)を直接接続しない。吐水口空間を確保し逆サイホン作用による汚染を防止(給水栓の有効開口径以上の鉛直距離)。バキュームブレーカーで負圧逆流防止も基本対策です。
頻出論点6: 給湯設備とレジオネラ対策
給湯方式:個別式(瞬間湯沸器)/中央式(貯湯槽+循環)/局所式。レジオネラ対策で給湯温度は貯湯槽60℃以上・末端で55℃以上を維持、停滞水を作らないよう循環ポンプで常時循環。配管の伸縮対策に伸縮継手・ベローズ、銅管のかい食(流速2m/s以下推奨)、安全弁・逃し弁・逃し管で過圧逃がし。給湯量原則35〜40L/人日(事務所)程度。
頻出論点7: 排水通気設備
- 排水方式:合流式(汚水+雑排水)/分流式(汚水と雑排水を分離、雨水は別系統が一般的)
- トラップ封水深:50〜100mm。封水切れ(自己サイホン・誘導サイホン・蒸発・毛細管現象)対策が通気管
- 通気方式:各個通気・ループ通気・伸頂通気・通気立て管・特殊継手排水システム(最近のマンション・ビル)
- 排水ポンプ:排水槽は6か月以内ごとに1回清掃、悪臭防止に2槽式・タイマー運転
- 掃除口:曲がり・分岐・水平管15m以内ごと
頻出論点8: グリース阻集器・雑用水・浄化槽
グリース阻集器:厨房排水の油脂分を分離(除去率向上のため週1回程度のグリース除去、月1回スカム・沈殿物除去)。雑用水(中水)は便所洗浄水・散水・冷却塔補給水などに利用、水質基準は遊離残留塩素0.1mg/L以上・pH5.8〜8.6・臭気異常なし・外観ほとんど無色・大腸菌不検出。浄化槽法では合併処理浄化槽(BOD除去率90%以上)が標準、保守点検(4か月〜1週間ごと)・清掃(年1回)・法定検査(7条検査・11条検査)が義務。
頻出論点9: 衛生器具・消火設備・残留塩素DPD法
衛生器具は節水型(大便器4.8L以下)が標準、JIS A 5207で規定。消火設備:屋内消火栓(1号20m・2号15m)、スプリンクラー(閉鎖型湿式が一般)、不活性ガス・粉末・泡消火、屋外消火栓、自動火災報知設備(感知器:差動式・定温式・煙感知器イオン化/光電式)。残留塩素測定はDPD法(N,N-ジエチル-p-フェニレンジアミン)で発色させ比色計または比色管で測定するのが標準です。
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