危険物取扱者乙4「危険物の性質と消火方法」の出題ポイント解説
危険物取扱者乙4の「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」は、第4類危険物(引火性液体)の具体的な性状・危険性・消火法を問う科目です。全35問中10問が出題され、乙4資格の核心となる実務知識が集約されています。各石油類・品名ごとの特徴を丁寧に押さえることが合格の近道です。
この章の重要度
本章は全体の約29%(10/35問)を占めます。各科目60%以上という合格条件から、10問中6問以上の正解が必須。現場の安全管理に直結する実用知識が中心で、法令・物理化学と比べて出題パターンが明瞭なため、得点源にしやすい分野です。
頻出トピック一覧
1. 第4類危険物の共通性状
第4類(引火性液体)の共通特徴は、常温で液体・引火しやすい・水より軽い(大半)・水に溶けにくい(大半)・蒸気は空気より重い・電気の不良導体の6点です。この共通性状が最も頻出する基本論点です。
2. 特殊引火物(ジエチルエーテル・二硫化炭素・アセトアルデヒド・酸化プロピレン)
発火点100℃以下または引火点-20℃以下かつ沸点40℃以下の液体。二硫化炭素は発火点90℃と極めて低く、水中保存が特徴。ジエチルエーテルは空気と長く接触すると爆発性の過酸化物を生成します。
3. 第1石油類(ガソリン・ベンゼン・トルエン・アセトン)
引火点21℃未満。ガソリンは引火点-40℃以下、発火点約300℃、比重0.65〜0.75、蒸気比重3〜4、燃焼範囲1.4〜7.6vol%が定番数値。ベンゼン・トルエンは毒性、アセトンは水溶性という個別特徴が頻出です。
4. アルコール類(メタノール・エタノール・プロパノール)
炭素数1〜3の飽和1価アルコール。水に任意の割合で溶けるため、通常の泡消火剤では消えず耐アルコール泡が必要。メタノールは毒性(失明・致死)を持つ点も頻出。
5. 第2石油類(灯油・軽油・キシレン・酢酸)
引火点21〜70℃未満。灯油・軽油は引火点40〜45℃前後で常温では引火しにくいが、霧状になったり布に染み込むと引火しやすくなります。酢酸は水溶性で金属腐食性を持つ点に注意。
6. 第3石油類(重油・クレオソート油・アニリン・ニトロベンゼン)・第4石油類
第3石油類は引火点70〜200℃未満、第4石油類は200〜250℃未満。加熱されると危険な類で、常温では安定ですが一度火災になると消火困難。重油は種類(A重油・B重油・C重油)で引火点が異なります。
7. 動植物油類と自然発火
引火点250℃未満の動植物から抽出した油。ヨウ素価130以上の乾性油(アマニ油・桐油)は、布に染み込んで積み重なると酸化熱蓄積で自然発火します。半乾性油・不乾性油との区分も頻出。
8. 適応消火剤と不適応消火剤
第4類火災には泡・粉末・二酸化炭素・ハロゲン化物・霧状の強化液が有効。水(棒状・霧状)と棒状の強化液は不適。水溶性液体には耐アルコール泡が必要という点は必ず問われます。
覚え方のコツ
第4類の品名は「引火点の低い順」で並べて記憶するのが鉄則です。特殊引火物→第1石油類→アルコール→第2石油類→第3石油類→第4石油類→動植物油と、引火点が段階的に上がる流れを押さえましょう。各品名の代表物質は「ガソリン=第1石油類非水溶性」「灯油・軽油=第2石油類非水溶性」「重油=第3石油類」という具合に身近な物質とセットで覚えると忘れにくくなります。水溶性・非水溶性の区分は指定数量が倍違うため必ず確認。
よくあるひっかけ
典型的なひっかけ例。①「蒸気は空気より軽い」:第4類の蒸気は空気より重いのが正解(滞留・流下する危険)。②二硫化炭素の保存方法:発火点が極めて低いため水中保存。③アルコール類の消火:水溶性のため通常の泡は溶かされ消火不能、耐アルコール泡が必要。④ガソリンへの灯油混合:引火点が低い側に引きずられ、混合物の引火点はガソリン寄りになるため危険。⑤動植物油の不乾性油:自然発火の危険は乾性油が最も高く、不乾性油(椿油・オリーブ油)は低い。⑥重油は水より重い?:重油でも比重は0.9〜1.0で基本的に水より軽いです。
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